JP2008102341A - 調光材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に調光性能を維持でき、光の入射条件によらず一定の調光性能を呈する調光材料の提供。
【解決手段】二色性色素を含有し電圧の印加により無色透明と着色透明の状態が切り替わる第一の液晶層と、電圧の印加により無色透明から白色散乱に状態が切り替わる第二の液晶層と、を積層する調光材料である。前記第二の液晶層は、前記第一の液晶層よりも光の入射する面側に設置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、調光材料に関する。
液晶を用いた調光材料において、散乱(遮光)状態と透明状態とを切り替える方法としては、以下のような方法が開示されている。
例えば、液晶を内包したマイクロカプセルを高分子中に分散する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。この方法では、電圧がOff時には、液晶の配向がランダムになり、かつ液晶と高分子の屈折率差により光が乱反射することで散乱(遮光)し、電圧がOn時には、液晶の配向が一様になり、かつ液晶の長軸方向と高分子の屈折率がほぼ一致することで透明状態となる。
しかし、この方法では、液晶デバイスを着色状態にするためには、二色性色素を液晶中に溶解させる必要があるが、カプセル皮膜に二色性色素が染着したり、二色性色素が高分子皮膜に沿って配向しやすく電圧応答性が無くなったりすることで、透明時の透過率が低くなるといった問題がある。
また、未硬化の紫外線硬化樹脂、重合開始剤、液晶、及び二色性色素を混合し、紫外線照射により樹脂を硬化させることで、高分子と液晶とが相分離し、高分子と液晶との間に界面を形成するので、上記の液晶調光デバイスと同じ原理で動作するという方法がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、この方法では、紫外線照射や重合開始剤により色素が分解し、着色性が低下するといった問題がある。
なお、上記の方式では、電圧を印加しない状態では、無色散乱あるいは着色散乱の状態であり、配線部の故障やバッテリの放電などによって電圧を印加できない場合には、透明状態とすることができなくなる。
一方、垂直配向膜を有する液晶セル中で、架橋によって液晶と高分子とを相分離するポリマー分散型液晶(PDLC)や、ゲル化剤を注入した液晶混合物では、電圧を印加しない状態では透明で、電圧の印加により散乱する方式が提案されている(例えば、非特許文献2及び3参照。)。
しかしながら、散乱した状態では白色であることや、遮光性能が不充分であることから、この方式は普及するに至っていない。
また、二色性色素によるゲスト−ホスト方式では(例えば、非特許文献4参照。)、垂直配向膜を備える液晶セルにおいて、透明状態が透過率60%となるように色素濃度を調節したときには、電圧を印加したときの着色時の透過率は30%程度であり、コントラスト特性が低い。
国際公開第2002/093241号パンフレット 国際公開第2004/005246号パンフレット 市村國宏編「クロミック材料の開発」シーエムシー出版(2000年発行)P226〜236 Liquid Crystals Vol.29, p295−300,2002 Journal of Materials Chemistry Vol.13, P2870−2874,2003 液晶便覧編集委員会編、「液晶便覧」丸善(2000)、498頁
本発明の課題は、長期に調光性能を維持でき、光の入射条件によらず一定の調光性能を呈する調光材料の提供である。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 二色性色素を含有し電圧の印加により無色透明から着色透明に状態が切り替わる第一の液晶層と、電圧の印加により無色透明から白色散乱に状態が切り替わる第二の液晶層と、を積層し、かつ、前記第二の液晶層が前記第一の液晶層よりも光の入射する面側に設置されてなることを特徴とする調光材料である。
<2> 前記第一の液晶層に垂直配向膜を備えることを特徴とする前記<1>に記載の調光材料である。
<3> 前記二色性色素が、正のオーダーパラメーターを有することを特徴とする前記<2>に記載の調光材料である。
<4> 前記第一の液晶層が、更にカイラル剤を含有してなることを特徴とする前記<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の調光材料である。
<5> 前記第一の液晶層中、前記カイラル剤の含有率が、0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする前記<4>に記載の調光材料である。
<6> 前記第二の液晶層が、高分子材料を含有するポリマー分散型液晶層であることを特徴とする前記<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の調光材料である。
<7> 一対の電極基板の間に前記第一の液晶層と前記第二の液晶層とを挟持し、前記第一の液晶層と前記第二の液晶層との間に透明基板を挟持してなることを特徴とする前記<1>乃至<6>のいずれか1項に記載の調光材料である。
本発明によれば、長期に調光性能を維持でき、入射光の条件によらず一定の調光性能を呈する調光材料を提供できる。
本発明の調光材料では、二色性色素を含有し電圧の印加により無色透明から着色透明に状態が切り替わる第一の液晶層と、電圧の印加により無色透明から白色散乱に状態が切り替わる第二の液晶層と、を積層し、かつ、前記第二の液晶層が前記第一の液晶層よりも光の入射する面側に設置されてなる。
本発明の調光材料が、長期に調光性能を維持でき、入射光の条件によらず一定の調光性能を呈する理由を以下のように推測するが、このような作用によって本発明が制限されることはない。
本発明の調光材料に電圧を印加したとき、第二の液晶層は、無色透明から白色散乱に状態が切り替わるので、第二の液晶層側から入射した光は第二の液晶層によって散乱する。
したがって、本発明の調光材料では、第一の液晶層に到達する光は後方散乱光であるために、直射日光などによる第一の液晶層の暴露を低減でき、第一の液晶層に含まれる二色性色素の光退色を抑えることができる。その結果、調光材料を野外で使用した際でも長期に調光性能を維持することができる。
また、後方散乱光を利用して第一の液晶層の調光を行なうため、第一の液晶層に入射する光の指向性は低下する。その結果、例えば太陽光を防眩する際には、季節や時刻によらず、ほぼ一定の調光性能を発揮することができる。
本発明の一例として、第二の液晶層にポリマー分散型液晶を適用したときの調光の様子について、図を参照しながら説明する。
図1(A)は、電圧無印加時の配向状態を表し、図1(B)は、電圧印加時の配向状態を表す。図1では、一対の電極基板30の間に第一の液晶層と第二の液晶層とを挟持する調光材料100を示すが、複数対の電極基板30を有する形態であってもよい。
第一の液晶層10は、液晶分子12と二色性色素14とを含有し、第二の液晶層20は、液晶分子22と高分子材料24とを含有する。
電圧無印加時には、図1(A)に示すように、電極基板30に設けられた配向膜32によって、液晶分子12,22が電極基板30に対し垂直に配向し、これに追随して、第一の液晶層10の二色性色素14も垂直に配向する。二色性色素14のオーダーパラメーターが正を示すものであれば、図1(A)の配向状態では、第一の液晶層は、透明状態となる。
第二の液晶層20に含有する液晶分子22の長軸方向の屈折率(n‖)が、高分子材料24の屈折率(n)とできるだけ一致するように、液晶分子22及び高分子材料24を選択すると、液晶分子22と高分子材料24の間の屈折率差が小さくなり、光は散乱されることなく透過する。すなわち、第二の液晶層20は透明状態となる。
その結果、図1(A)に示す電圧無印加時には、第一の液晶層10及び第二の液晶層20ともに、透明状態であるので、第一の液晶層10と第二の液晶層20とを積層した調光材料100は、透明状態を呈する。つまり、電圧無印加時に透明状態であるため、消費電力を削減することができる。
一方、電圧を印加すると、第一の液晶層10及び第二の液晶層20の液晶分子12,22は負の誘電率異方性を有するため、図1(B)に示すように、液晶分子12,22は電極基板30に対し水平に配向する。
したがって、第二の液晶層20では、液晶分子22の短軸方向の屈折率(n⊥)と高分子材料24の屈折率(n)とに屈折率差が生じ、光が散乱されて、散乱状態となる。その結果、図1(B)に示す電圧印加時には、第二の液晶層20に入射した光は散乱し、第一の液晶層10には後方散乱した光が到達する。
第一の液晶層10では、液晶分子12の配向に追随して二色性色素14も水平に配向する。二色性色素14は後方散乱光を吸収し、着色した状態となる。
その結果、図1(B)に示す電圧印加時には、第二の液晶層20は散乱状態にあり、第一の液晶層10では、着色状態となるので、第一の液晶層10と第二の液晶層20とを積層した調光材料100は、着色散乱状態を呈し、光を遮蔽することができる。
以下、本発明の調光材料について構成毎に詳細に説明を行う。
<第一の液晶層>
本発明にかかる第一の液晶層は、二色性色素を含有するゲスト−ホスト方式の液晶層であり、White−Taylor方式を用いることができる。第一の液晶層は、電圧を印加すると無色透明から着色透明に状態が切り替わる。
(ホスト液晶)
本発明の調光材料に使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明に使用可能なホスト液晶としては、二色性色素と共存しうるものであれば特に制限はないが、ネマチック液晶の場合には、スメクチック液晶に比べて、配列状態の変化に必要な電圧が低くなる。さらに、ネマチック液晶はカイラル剤と組み合わせた場合に螺旋構造を形成し、表示性能が向上するという利点がある。
ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁および第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、ADEKA社の液晶(HA-11757、CA−32150)が挙げられる。
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、負であることが好ましく、垂直配向の配向膜と組み合わせて用いることが好適である。
誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きくなる構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Syn Lett.,第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−2806、MLC−6608、6609、6610、MLC−6882、MLC−6886、MLC−7026−000、MLC−7026−100、MLC−7029、など)が挙げられる。
さらに、本発明の調光材料は、二周波駆動性を示す液晶を用いることもできる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、アルドリッチ社製の二周波駆動液晶を示す。
Figure 2008102341
市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
具体的な骨格としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。
二周波駆動液晶を用いる場合には、本発明の調光材料に、低周波と高周波数の異なる電圧を印加して切り替えて駆動する。
本発明で用いられる二周波駆動液晶は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。さらに、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しない液晶化合物を含んでもよい。
該液晶に印加される電場の周波数領域は、好ましくは0.1Hz〜10MHzの囲であり、より好ましくは1Hz〜1MHzである。ここで、低周波数領域として用いられるのは0.1Hz〜100kHzであり、好ましくは、1Hz〜10kHzであり、より好ましくは10Hz〜10kHzである。高周波数領域として用いられるのは100Hz〜10MHzであり、好ましくは、100Hz〜1MHzであり、より好ましくは1kHz〜1MHzである。
なお、着色状態と透明状態を切り替える第一の液晶層に用いるホスト液晶は、屈折率異方性(Δn)の絶対値が小さいことが好ましい。着色状態と透明状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が小さな液晶としてΔn=0.1以下のものが好ましい。Δnが小さいと螺旋構造におけるウエーブガイドが抑制されて光漏れが小さくなり、調光性能が向上するためである。
ここでいう屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として定義される。
Δn = n‖ − n⊥
(二色性色素)
本発明の調光材料において、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。二色性比が高い二色性色素を用いると高いコントラストを実現することができるが、本発明においては二色性色素の二色性比に特に制限は無い。
二色性色素としては、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、二色性色素に用いられる発色団について説明する。
二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
本発明にかかる第一の液晶層には、下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素を適用することができる。
一般式(1): −(Het)−{(B−(Q−(B−C
一般式(1)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Qは2価の連結基を表し、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B−(Q−(B}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)のHetは、酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
一般式(1)のB及びBは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
一般式(1)において、B及びBで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の基である。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
一般式(1)におけるB及びBで表わされるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリーレン基であり、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基である。
及びBの表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは、炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
一般式(1)におけるB及びBの表す2価のアリーレン基、ヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルファモイル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
一般式(1)において、Qは2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。Qが表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシル−1,4−ジイル)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、Rで表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基であり、Rで表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のアリール基である。)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(好ましくは、炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10の複素環2価基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基である。)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
一般式(1)において、Qの表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
一般式(1)において、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。Cが表すアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基には、置換基を有するそれぞれの基も含むものとする。
は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。
一般式(1)のCは特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基である。
一般式(1)におけるCはさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Cで表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Cで表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Cで表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Cで表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Cで表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、jは0又は1を表し、好ましくは0である。
一般式(1)におけるp、q及びrは、各々0〜5の数を表し、nは1〜3の数を表し、B及びBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。なお、p、q、又はrが2以上のとき、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B−(Q−(B}は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組合せである。
なお、−{(B−(Q−(B−Cとしては、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B−(Q−(B−Cの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2008102341
Figure 2008102341
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B−(Q−(B−Cで表される置換基を1以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(1)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキシル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
Figure 2008102341
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
a1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。Ra1〜Ra12で表わされるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基またはノニル基を表す。
前記一般式(a−1)及び(a−2)のうち、特に、Ca1及びCa2が炭素数3〜10の長鎖アルキル基の場合に、ホスト液晶への溶解性が向上し、着色状態における光吸収量が増加するため調光材料に好適である。この理由は明らかとなっていないが、ホスト液晶との相溶性が向上するためではないかと推測される。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物であり、フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2008102341
一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも一つは、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
Figure 2008102341
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
ここで、Het、B、B、Q、p、q、r、n、及びCは、一般式(1)におけるHet、B、B、Q、p、q、r、n、及びCと同定義である。
一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びRで表される前記置換基としては、上記置換基群Vが挙げられるが、好ましくは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、置換若しくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、フェネチルチオ)、置換若しくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
、R、R、R、R、R、R及びRとして好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。
また、更に好ましくは、一般式(2)において、R、R、R、及びRの少なくとも一つが、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cの場合である。
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミド基であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリールチオ基、アミド基である。
16として、好ましくはアミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ基を含む)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、特に好ましくはアミノ基である。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008102341
Figure 2008102341
Figure 2008102341
Figure 2008102341
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008102341
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008102341
前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
本発明にかかる第一の液晶層におけるホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜8質量%であることが更に好ましい。また、ホスト液晶および二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調製し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
(その他の添加剤)
本発明の調光材料には、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、着色状態における光の吸収量が増加するので好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
カイラル剤の添加濃度は近赤外域に選択反射帯がくるように調整すると、螺旋のピッチ長が短くなり、二色性色素による光の吸収効率が高くなり、着色状態における発色が良好となるため好適である。
また、上述の通り、カイラル剤を含有すると発色濃度を高めることができるが、カイラル剤を多く添加しすぎると液晶の配向がフォーカルコニックとなり、電圧が印加しない場合でも二色性色素の吸収が発生し、透明性が低下する。したがって、無印加時の透明性を維持しつつ、印加時の発色濃度を高める観点からは、カイラル剤の添加量は第一の液晶層中、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることが更に好ましい。
カイラル剤は複数種類使用してもよい。とくに、カイラルピッチの温度依存性が正のものと負のものとを組合せ使用することで、カイラルピッチの温度依存性が小さくなる場合が好ましい。
以下に本発明に用いられるカイラル剤の具体例を示す。
Figure 2008102341
Figure 2008102341
Figure 2008102341
なお、本発明にかかる第一の液晶層は、1つの液晶層中に複数の二色性色素を混合してもよい。呈示する色についても、いかなるものであってもよい。
また、各色を呈する第一の液晶層を別層にして複数積層してもよい。更には、各色を呈する第一の液晶層を並置してもよい。
<第二の液晶層>
本発明にかかる第二の液晶層は、電圧の印加により無色透明から白色散乱に状態が切り替わる液晶層であり、上述の第一の液晶層に対して、光が入射する面側に設置される。
電圧印加時に散乱状態となる液晶層であれば、その形態は制限されず、例えば、ポリマー分散型液晶、ゲル化剤含有液晶、又はマイクロカプセル含有層とすることができる。第二の液晶層に、ΔnとΔεが共に大きい液晶を用いると、より高いコントラスト特性を示し、より低電圧で駆動する調光材料とすることができるが、本発明においては、Δn及びΔεの値は特に限定されるものではない。
(ポリマー分散型液晶)
第二の液晶層は、特開平5−61025号、同5−265053号、同6−3691号、同6−23061号、同5−203940号、同6−242423号、同6−289376号、同8−278490号、同9−813174号に記載のようなポリマー分散型液晶とすることができる。
ポリマー分散液晶は、独立空胞を有する高分子材料の空胞を液晶が満たしていて、液晶が不連続相をとるいわゆるPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal )タイプと、連続空胞を有する高分子材料の連続空胞を液晶が満たして液晶が連続相をとるいわゆるPNLC(Polymer Network Liquid Crystal )タイプとに大別されるが、本発明においてはいずれであってもよい。当該ポリマー分散型液晶の製造方法は、公知の方法を適宜適用することができる。
前記第二の液晶層が、高分子材料を含有するポリマー分散型液晶であるときの散乱状態と透明状態とを切り替える原理について説明する。
まず、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)は高分子材料の屈折率(n)とできるだけ一致するようにする。そして、電圧無印加時に垂直配向をさせる。この場合、液晶分子と高分子材料の間の屈折率差は小さく、光は散乱されることなく透過する。すなわち、透明状態となる。
屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として下記式のように定義される。
Δn = n‖ − n⊥
ここで、Δnが0でないホスト液晶を用いて、電圧を印加した場合、ホスト液晶の誘電率異方性Δεが負であるため、ホスト液晶は水平に配向しようとする。その場合、ホスト液晶の短軸方向の屈折率(n⊥)と高分子材料の屈折率(n)に差が生じるため、光が散乱される。光の散乱を強くするためには、このn⊥とnの差が大きいほうが好ましいため、すなわち、Δnの大きなホスト液晶を用いることが好ましい。
第二の液晶層に用いることのできる液晶としては、第一の液晶層で説明したホスト液晶を適用することができるが、散乱状態と透明状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が大きな液晶としてΔn=0.1以上のものが好ましい。さらに好ましくはΔn=0.12以上である。これは、ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではホスト液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、調光性能が向上するためである。
第二の液晶層としての高分子媒体層は、例えば、(1)モノマー、重合開始剤、及び液晶の混合溶液を、対向電極間に注入し、UV露光、加熱により重合する方法、(2)有機溶媒中に液晶、高分子を溶解し、透明電極基板に塗布、乾燥後、対向電極基板を貼り合せる方法など任意の方法を用いて作製することができる。
上記(1)の方法で高分子媒体層を作製する場合に使用するモノマーとしては、単官能、多官能のモノマーを用いることができるが、透明時(電圧無印加時)の透過率を高くするためには、単官能や2官能のモノマーを用いることが好ましい。
前記高分子媒体層において、高分子材料の含有比率は、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。
前記ポリマー媒体層に用いる高分子材料には特に制限はない。シロキサンポリマー、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール、ゼラチン等の水溶性高分子、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、酢酸ビニルやポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアルコール誘導体類、トリアセチルセルロースのようなセルロース誘導体類、ポリウレタン類、ポリスチレン類等の非水溶性高分子が用いられる。
本発明にかかる高分子材料は、側鎖に誘電率異方性が正のメソゲンを有する構造が好ましい。これは、電圧印加時に誘電率異方性が負であるホスト液晶との配向方向が異なり、不均一な相状態となり散乱が強くなるためである。
本発明の調光材料に用いる高分子材料としては、ホスト液晶との相溶性が高いという観点からシロキサンポリマー、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類が好ましく、特に、二色性色素による染着が少なく表示性能が向上するため、シロキサンポリマーが好ましい。
以下に、本発明のシロキサンポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008102341
Figure 2008102341
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さらに、ポリマー媒体層中には、液晶組成物の分散を安定化することを目的として、界面活性剤を用いることができる。本発明に適用できる界面活性剤に特に制限はないが、非イオン系界面活性剤が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキエチレンアルキルエーテル類、フルオロアルキルエチレンオキシド類等が用いられる。
ポリマー分散型液晶の第二の液晶層では、前記ポリマー媒体層の厚みは、コントラスト特性を高める観点から、1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましい。
(ゲル化剤含有液晶)
前記第二の液晶層は、J.Mater. Chem.第12巻、第2197〜2201頁、2002年に記載のように、ネマチック液晶にゲル化剤を添加した液晶組成物で構成することができる。ネマチック液晶をゲル化させることで、散乱/透過状態の切り替えが可能である。
本発明にかかるゲル化剤とは、ホスト液晶と混合した場合にゲル化した液晶組成物を形成させる能力をもつ材料と定義される。液晶組成物をゲル化させることで、ゲル化剤で形成させるゲルネットワークとホスト液晶とがミクロ相分離して、ゲル化剤ネットワークの屈折率とランダムに存在するホスト液晶の屈折率とが異なる場合、光を散乱することとなる。一方、ホスト液晶を電極基板に対して垂直方向にそろえて配列させた場合、ホスト液晶分子の長軸の屈折率はゲル化剤ネットワークの屈折率とほぼ同じ値にすることで、光の散乱がない透明な状態を形成することができる。ただし、ゲル化剤ネットワークは水素結合でゆるやかに形成されているため、ホスト液晶の動きをあまり阻害することがなく、散乱/透明状態の切り替えが容易となる。
ゲル化剤としては、いかなるものであってもよく、特開平11−21556号公報や2005年日本液晶学会討論会予稿集,371頁に記載の化合物などを用いることができ、2個以上の水素結合性基を有するゲル化剤が好適である。水素結合性基としては、例えばアミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル基、アミノ基などを挙げることができるが、ゲル化剤としてより好ましくは、2個以上のアミド基を有する化合物である。
ゲル化剤の分子量は、10〜1000であることが好ましく、より好ましくは、50〜500である。このような低分子のゲル化剤を用いる利点としては、液晶の配向変化に必要な駆動電圧が低くできる点、散乱/透明状態の切換え速度が速くなる点を挙げることができる。
好ましい構造の組合せとしては、2個以上の水素結合性基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖アルキル基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖(パー)フルオロアルキル基を有するものの組み合わせ、2個以上の水素結合性基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖アルキル基を有するものと脂環構造を有するものの組合せ、2個以上の水素結合性基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖(パー)フルオロアルキル基を有するものと脂環構造を有するものの組合せ、2個以上の水素結合性基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖アルキル基を有するものと末端に、置換基を有してもよいC4〜20の直鎖(パー)フルオロアルキル基を有するものと脂環構造を有するものの組合せが挙げられる。
ゲル化剤の好ましい一例としては、下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008102341
一般式(4)中、Aは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を表す。アルキレン基として好ましくは、炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシル−1,4−ジイルを表す。アルケニレン基として好ましくは、炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン等を挙げることができる。アルキニレン基として好ましくは、炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン等を挙げることができる。
一般式(4)中、Rは、アルキル基、アリール基を表し、好ましくは、炭素数3〜10の二級アルキル基であり、より好ましくは、炭素数3〜5の二級アルキル基である。
一般式(4)中、Rは、アルキル基、アリール基を表し、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数4〜20のアルキル基である。アルキル基は更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などを挙げることができる。
一般式(4)中、nは、1〜5の整数を表し、好ましくは1〜3の整数である。
ゲル化剤の具体例としては、文献(Advanced Material、第12巻、第1237ページ、2000年、J.Mater. Chem.第12巻、第2197〜2201頁、2002年)に記載のものが挙げられる。以下、ゲル化剤の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008102341
Figure 2008102341
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本発明にかかるゲル化剤は、「J.Mater.Chem.第12巻、第2197〜2201頁、2002年」の方法に準じて合成することができ、液晶とゲル化剤とを混合し、液晶が等方層状態であり且つゲル化する温度に加熱した状態で、塗布あるいは注入することで、第二の液晶層であるゲル化剤含有液晶を形成できる。
ゲル化剤の添加量は、第二の液晶層中、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることが更に好ましい。上記範囲内であると、液晶の配向変化に必要な駆動電圧が低くでき、散乱/透明状態の切換え速度を速くでき、散乱/透明状態での透過比率(コントラスト)を大きくすることができる。
第二の液晶層がゲル化剤含有液晶層の場合、ゲル化剤含有液晶層の厚みは、コントラスト特性を高める観点から、5μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜20μmであることが更に好ましい。
(マイクロカプセル含有層)
第二の液晶層は、特開平11−24090号公報などに記載のように、液晶組成物をマイクロカプセルとして構成してもよい。かかるマイクロカプセルは、高分子樹脂を壁材として、液晶組成物を含む二周波駆動スメクチック組成物を壁材に内包させるものである。第二の液晶層が、マイクロカプセル含有層の場合の散乱状態と透明状態とを切り替える原理については、基本的には上述のポリマー分散型液晶の場合と同様である。
マイクロカプセルの製造方法は、公知の方法を適宜適用することができる。
上記マイクロカプセルには、異なる種類の液晶組成物を含有させることができるため、各マイクロカプセルに包含される液晶組成物を各々独立に駆動させることができる。このとき、それぞれの液晶組成物について、ホスト液晶、二色性色素、その他の添加物の種類を変更したり、添加量を変更したりすることができる。
<調光材料の構成>
(基本構造)
本発明の調光材料は、少なくとも前記第一の液晶層と第二の液晶層とを積層し、第二の液晶層が、第一の液晶層よりも光の入射側に配置される。したがって一対の電極基板で構成される調光材料であっても、複数対の電極基板で構成される調光材料であってもよい。
前者の態様の構成の場合、図2に示すように、一対の電極基板30の間に前記第一の液晶層10と前記第二の液晶層20とを挟持し、前記第一の液晶層と前記第二の液晶層との間に透明基板40を挟持する。電極基板30と透明基板40の液晶層に接する面側には、配向膜32を備える。第一の液晶層10と第二の液晶層20の両端部はシール剤34で封止する。
透明基板40としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)などの公知の材料を用いることができ、透明性などの観点からPET、PES、PCが好ましい。
後者の態様の構造の場合、図3に示すように、一対の電極基板310の間に前記第一の液晶層10を挟持した第一の液晶デバイスと、一対の電極基板312の間に前記第二の液晶層20を挟持した第二の液晶デバイスとが、粘着層42を介して接着されてなる。
粘着層としては、アクリル、シリコーン、エポキシ、オレフィンなどの公知の樹脂を用いることができ、透明性の高いアクリル樹脂が好ましい。
図2の構成の場合、第一の液晶層10と第二の液晶層20とを透明基板40によって仕切るので、第一の液晶層10と第二の液晶層20との間に電極基板310,312と粘着層42とを配置した図3の構成の場合に比べて、無印加時の透明性を低下させない。したがって、図2の構成の場合、図3の構成の場合に比べて、コントラスト特性を高めることができる。
(各構成部材)
−電極基板−
電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック(ポリマー)からなる基板(支持体)上に、電極層を形成したものを用いることができる。好ましくはプラスチック基板である。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。電極基板として具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ガラスなど公知の基板を用いることができる。
基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層であり、例えば「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものを用いることができる。具体的には、例えば、ITO(インジウム錫オキサイド)、IZO、ZnOの酸化膜、Ag、Au、Pt、Alなどの金属、PEDOT、ポリアニアリンなどの導電性高分子を用いることができ、電極の透明性、導電性の観点からITO、IZOが好ましい。
なお、透明電極基板の表面抵抗としては、30〜200Ω/□とする。
−配向膜−
本発明の調光材料では、電圧を印加しない状態で透明状態となるよう、垂直配向の配向膜を備えることが好ましい。配向膜は、透明電極基板、透明基板に、(1)側鎖に長鎖のアルキル基を有するポリイミド前駆体(例えば日産化学製ポリイミドSE−1211、SE−5300、JSR製ポリイミドJALS−2096など)を塗布し焼成する方法、(2)SiOを斜めに蒸着し膜を形成する方法、(3)シランカップリング剤(例えば、n−オクタデシルトリメトキシシラン)によって表面修飾する方法、などの公知の方法により形成することができる。なお、透明電極基板、透明基板にシランカップリング処理を施す場合には、絶縁性の付与やシランカップリング剤の結合を可能にするため、SiO、Al、TiOなど無色透明な酸化膜を形成することが好ましい。酸化膜の成膜方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着など公知の方法を用いることができる。
−スペーサー−
本発明の調光材料は、対向電極間のギャップを一定にするため、例えば、一対の基板の間にスペーサーなどを介入させることができる。スペーサーを介することで、基板間に空間を形成でき、この空間に液晶組成物を配置して調光材料を作成できる。
スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。スペーサーの導入方法として、例えば、基板へ高分子やシリカなどの球状スペーサーを散布する方法や、レジストによって基板上に柱状スペーサーを形成する方法などを適用することができる。
本発明の調光材料の場合、液晶層の厚さ、すなわちスペーサーにより形成される基板間の間隔は、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。50μmより厚いと液晶の配向がフォーカルコニックになり、透明状態における透過率が低下しやすくなり、また、1μmより薄いと色素による吸収率が小さくなり、十分なコントラストが得られなくなる。
−その他の部材−
その他の部材としては、例えば、バリア膜、紫外線吸収層、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、金属反射板、位相差板などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア膜は、調光材料において、水及び/又は酸素の通過を阻止するのに好適である。
バリア膜としては、有機ポリマー系、無機系、有機−無機の複合系いずれでもよい。有機ポリマー系としてはエチレンービニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA/PVOH)、ナイロンMXD6(NーMXD)、ナノコンポジット系ナイロンなどが挙げられる。無機系としてはシリカ、アルミナ、ニ元系などが挙げられる。その詳細は、例えば「ハイバリア材料の開発、成膜技術とバリア性の測定・評価方法」(技術情報協会、2004年)に記載されている。
本発明では、調光材料の紫外線による劣化を防止するために紫外線吸収層を設けることが好ましい。
紫外線吸収層としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の調光材料において、紫外線吸収層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。また、対向する2つの支持体の双方に設けられていてもよく、片方にのみ設けられていてもよいが、紫外線吸収層の機能を発揮するよう、少なくとも光の入射側の支持体に設けられていることが好ましい。
ハードコート層としては、公知の紫外線硬化もしくは電子線硬化のアクリル系もしくはエポキシ系の樹脂を用いることができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
<用途>
本発明の調光材料は、高い調光性能を与えることができるため、調光、セキュリテイー、車載用途、インテリア、広告、情報表示板として好適に利用することができる。特に、本発明の調光材料は、直射日光などによる二色性色素の光退色を抑えることができるので、調光材料を野外で使用するのに適している。また、本発明の調光材料は、本発明の構成を有しない調光材料に比べて長期の使用に耐え得るので、取り替えが容易でない態様での使用に適している。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(第二の液晶層の作製)
垂直配向膜:SE−1211(日産化学工業社製)を塗布、焼成したITO基板(100Ω/□、イーエッチシー製)を、ギャップ8μmで張り合わせた液晶セルを作製した。
液晶化合物としてのMLC−6610(メルク社製、Δε:−3.1、Δn:0.0996、ネマチック液晶)に、モノマーとしてA−BPE−4(新中村化学工業社製)を5質量%と、光重合開始剤としてDAROCUR−1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.4質量%との混合液である液晶組成物前駆体を調製した。この液晶組成物前駆体を前述の液晶セルに注入し、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を10分照射した後、80℃のオーブンで1時間加熱した。このセルの開口部に封口剤としてフォトレックA−720(積水化学工業社製)を滴下し、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を5分照射して、第二の液晶層を作製した。
得られた第二の液晶層は、電圧を印加しないときに透明状態となり、透過率が80%であった。周波数:100Hz、電圧:±10Vの矩形波を印加することで、散乱状態となり、このときの透過率が35%であった。したがって、この層を設けることで、外光を減光した状態で第一の液晶層へ入射できることを確認した。
(第一の液晶層の作製)
第二の液晶層の作製と同様の方法で液晶セルを作製し、この液晶セルに光硬化型接着剤:LCR0631(東亞合成社製)をスピンコートで塗布した後、上記の第二の液晶層を貼り合わせ、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を10分照射し、接着させた。これにより、液晶が充填されていない空の液晶セルが、第二の液晶層に積層された構造体を得た。
上記の空の液晶セルに、液晶としてZLI−2806(メルク社製、△ε:−4.6、Δn:0.0437、ネマチック液晶)に、二色性色素としてG313(日本感光色素社製)1質量%とカイラル剤としてR−811(メルク社製)0.6質量%とを溶解した液晶組成物を注入し、セルの開口部に封口剤としてフォトレックA−720(積水化学工業社製)を滴下し、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を5分照射して、第一の液晶層を作製した。
第二に液晶層に光硬化型接着剤:LCR0631(東亞合成社製)をワイヤバーにより膜厚6.9μmで塗布した後、上記の第二の液晶層を貼り合わせ、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を10分照射し、接着させ、調光デバイスを得た。
作製した調光デバイスは、電圧を印加しないときに透明状態となり、このときの透過率を分光光度計:UV−2400(島津製作所製)で測定したところ、色素の吸収のピーク波長668nmでの透過率は51%であった。周波数:1000Hz、電圧:±10Vの矩形波を印加することで着色状態になり、このときの透過率は、波長668nmにおいて14%であった。
また、3次元変角分光測色システムGCMS−1B(村上色彩研究所社製)で測定したところ、作製した調光デバイスは、入射角0°に対し受光角0°の透過率が1割減少し、受光角−8°〜8°の範囲でも散乱光を検知できることを確認した。
[実施例2]
(第二の液晶層の作製)
ITO付きPENフィルム(125Ω/□)に、イオンプレーティング法によりSiOを3000Åの厚さで成膜した。次に、シール剤の塗布エリア、ならびに取り出し電極部にポリイミドテープにてマスクを施し、n−オクタデシルトリメトキシシランを、イソプロピロアルコール95質量%と純水5質量%を混合した溶媒に溶解し、前述したフィルムを浸漬したのち、80℃のオーブンで10分加熱した。
ポリイミドテープを剥離後、3−グリシドキシプロピルメトキシシラン(チッソ社製)2質量%をエタノールに溶解した混合液を、テープ剥離部に塗布し、80℃のオーブンで乾燥させた。次に、純水、イソプロピルアルコールの順にフィルムを浸漬、超音波洗浄したのち、乾燥させた。
粒径8μmのスペーサーを散布後、シール剤としてTB2202(スリーボンド社製)を塗布し、液晶としてMLC−6610(メルク社製、△ε:−3.1、Δn:0.0996、ネマチック液晶)に、モノマーとしてA−BPE−4(新中村化学工業社製)を5質量%と、光重合開始剤としてDAROCUR1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.2質量%との混合液である液晶組成物前駆体を滴下後、もう1枚の基板を重ねたのち、加圧しながら貼り合せた。UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を10分照射後、80℃のオーブンで1時間加熱することで、第二の液晶層を作製した。
(第一の液晶層の作製)
第二の液晶層の作製と同様の方法でフィルム基板を処理し、液晶としてZLI−2806(メルク社製、△ε:−4.6、Δn:0.0437、ネマチック液晶)に、二色性色素としてG313(日本感光色素社製)1質量%とカイラル剤としてR−811(メルク社製)0.6質量%を溶解した液晶組成物を滴下後、もう1枚の基板を重ねたのち、加圧しながら貼り合せた。80℃のオーブンで1時間加熱することで、第一の液晶層を作製し、調光デバイスを得た。
作製した調光デバイスは、電圧を印加しないときに透明状態となり、このときの色素の吸収のピーク波長668nmでの透過率は48%であった。周波数:1000Hz、電圧:±10Vの矩形波を印加することで着色状態になり、このときの波長668nmでの透過率は12%であった。
また、3次元変角分光測色システムGCMS−1B(村上色彩研究所社製)で測定したところ、作製した調光デバイスは、入射角0°に対し受光角0°の透過率が1割減少し、受光角−8°〜8°の範囲でも散乱光を検知できることを確認した。
[比較例1]
垂直配向膜:SE1211(日産化学工業製)を塗布、焼成したITO基板(100Ω/□)を、ギャップ8μmで貼り合せた液晶セルを作製した。液晶としてZLI−2806(メルク社製、△ε:−4.6、Δn:0.0437、ネマチック液晶)に、二色性色素としてG313(日本感光色素社製)1質量%とカイラル剤としてR−811(メルク社製)0.6質量%を溶解した液晶組成物を液晶セルに注入し、セルの開口部に封口剤としてフォトレックA−720(積水化学工業社製)を滴下し、UVランプ(発光波長360nm、出力36W)を5分照射して、調光デバイスを作製した。
作製した調光デバイスは、電圧を印加しないときに透明状態となり、3次元変角分光測色システムGCMS−1B(村上色彩研究所社製)の測定で、波長670nmでの透過率は78%であった。周波数:100Hz、電圧:±10Vの矩形波を印加することで着色状態になり、波長668nmでの透過率は42%であった。
なお、入射角0°の入射光に対し、受光角−3°〜3°の範囲でのみ散乱光を検知でき、すなわち、本発明にかかる第二の液晶層を設けないと指向性を低減できないことを確認した。
実施例1と比較例1の調光デバイスについて、電圧を印加して発色させた状態で、10万Lxのキセノンランプを照射する光退色試験を行った。なお、UVカットを目的に、キセノンランプと調光デバイス間にシャープカットフィルターSC39を設置した。評価方法としては、光退色試験前と試験後の調光デバイスの吸光度(波長:669nm)を測定した。
比較例1の調光デバイスは、840時間連続照射すると、吸光度が初期に比べ、20%低下した。一方、実施例1では吸光度は5%程度しか低下しないことから、第二の液晶層の散乱により、光退色が低減できることが確認された。
本発明における液晶層の配向状態を説明する図である。図1(A)は、電圧無印加時の配向状態を表し、図1(B)は、電圧印加時の配向状態を表す。 調光材料の構成の一態様を示す概略図である。 調光材料の構成の他の態様を示す概略図である。
符号の説明
10 第一の液晶層
12 液晶分子
12,22 液晶分子
14 二色性色素
20 第二の液晶層
24 高分子材料
30 電極基板
32 配向膜
100 調光材料

Claims (7)

  1. 二色性色素を含有し電圧の印加により無色透明から着色透明に状態が切り替わる第一の液晶層と、電圧の印加により無色透明から白色散乱に状態が切り替わる第二の液晶層と、を積層し、かつ、前記第二の液晶層が前記第一の液晶層よりも光の入射する面側に設置されてなることを特徴とする調光材料。
  2. 前記第一の液晶層に垂直配向膜を備えることを特徴とする請求項1に記載の調光材料。
  3. 前記二色性色素が、正のオーダーパラメーターを有することを特徴とする請求項2に記載の調光材料。
  4. 前記第一の液晶層が、更にカイラル剤を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の調光材料。
  5. 前記第一の液晶層中、前記カイラル剤の含有率が、0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の調光材料。
  6. 前記第二の液晶層が、高分子材料を含有するポリマー分散型液晶層であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の調光材料。
  7. 一対の電極基板の間に前記第一の液晶層と前記第二の液晶層とを挟持し、前記第一の液晶層と前記第二の液晶層との間に透明基板を挟持してなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の調光材料。
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