JP2005225987A - 液晶組成物および液晶素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い表示コントラスト比を示す液晶素子を提供する。
【解決手段】 二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物、及び少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に液晶層を有する液晶素子であって、前記液晶層が前記液晶組成物を含有する液晶素子である。
【選択図】なし
【解決手段】 二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物、及び少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に液晶層を有する液晶素子であって、前記液晶層が前記液晶組成物を含有する液晶素子である。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶組成物、および該液晶組成物を含有する液晶層を有する液晶素子、特にゲストホスト方式の液晶素子に好適に利用できる液晶素子に関する。
デジタル情報の普及に伴い、デジタル情報を表示するためのディスプレイ(以下、電子ペーパーと呼ぶ)の重要性が増している。電子ペーパーに要求される性能としては、高い視認性と低消費電力が挙げられる。高い視認性とは、紙に近い白地を意味しており、そのためには、紙と同様の散乱白地に基づく表示方式が適している。低消費電力に関しては、反射型表示方式が、自発光型表示方式よりも低消費電力である。これまで、電子ペーパーとして、多くの方式が提案されている。例えば、反射型液晶表示方式、電気泳動表示方式、磁気泳動表示方式、二色球回転方式、エレクトロクロミック表示方式、ロイコサーマル表示方式などである。いずれの方式についても、高い視認性という観点からは、満足できるレベルにはなく、その改善が求められていた。
液晶素子(液晶表示素子)については、すでに多くの方式が提案されており、中でもゲストホスト方式の液晶素子は、明るい表示が可能であって、反射型に適した液晶素子として期待されている。ゲストホスト方式の液晶素子では、ネマチック液晶中に2色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、2色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の液晶素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示が期待されている。偏光板を用いないゲストホスト方式、すなわち、偏光に依存しない光吸収状態を実現する方式としては、たとえば、カイラル剤との組み合わせによるカイラルネマチック相を利用した方式、高分子マトリックスとの複合を利用した高分子分散型方式(PDLC)などが提案されているが、依然として、表示性能は満足できるレベルにはなく、その改善が求められていた。
ネマチック液晶からなる液晶素子において、ネマチック液晶中にデンドリマー化合物をさらに添加した液晶組成物が開示されている(非特許文献1参照)。この報告では、デンドリマー化合物を、液晶素子のコントラスト比を向上させる目的で添加させているが、実際には、コントラスト比が低下した結果が記載されている。
Macromol.Symp.第154巻、第24〜35頁、2000年
Macromol.Symp.第154巻、第24〜35頁、2000年
本発明の目的は、視認性が高く、且つ表示コントラストの高い液晶素子を作製するのに有用な液晶組成物、および視認性が高く、且つ表示コントラストの高い液晶素子を提供することである。
ゲストホスト方式液晶素子の表示コントラストは、液晶層を構成する液晶組成物中の二色性色素のオーダーパラメーターもしくはホスト液晶、又はセル構造によって左右されることが知られていた。しかし、本発明者の鋭意研究の結果、ゲストホスト方式の液晶組成物中にデンドリマー化合物を存在させることにより、偏光に依存しない吸収状態が実現でき、かつ表示コントラストが向上するという予期せぬ効果が得られるとの知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物。
[2] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される置換基を有する色素である[1]の液晶組成物;
一般式(1)
−(Het)j1−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、j1は0または1を表し、p1、q1、r1は各々0〜5の数を表し、n1は1〜3の数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数であり、p1、q1およびr1が各々2以上の時、2以上のB1、Q1およびB2は各々同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2以上の{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}は同一でも異なっていてもよい。
[3] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(2)で表される化合物である[1]又は[2]の液晶組成物;
[1] 二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物。
[2] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される置換基を有する色素である[1]の液晶組成物;
一般式(1)
−(Het)j1−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、j1は0または1を表し、p1、q1、r1は各々0〜5の数を表し、n1は1〜3の数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数であり、p1、q1およびr1が各々2以上の時、2以上のB1、Q1およびB2は各々同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2以上の{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}は同一でも異なっていてもよい。
[3] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(2)で表される化合物である[1]又は[2]の液晶組成物;
[4] 前記配列制御剤の少なくとも一種が、デンドリマー化合物である[1]〜[3]のいずれかの液晶組成物。
[5] 二色性色素、ホスト液晶およびデンドリマー化合物を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物。
[6] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が[1]〜[5]のいずれかの液晶組成物を含有する液晶素子。
[5] 二色性色素、ホスト液晶およびデンドリマー化合物を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物。
[6] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が[1]〜[5]のいずれかの液晶組成物を含有する液晶素子。
本発明の液晶組成物を含有する液晶素子は、高い視認性および表示コントラストを示す。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本発明の液晶組成物は、二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含有する。以下、本発明に用いられる種々の材料について説明する。
本発明において、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明の二色性色素としては、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
本発明において、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明の二色性色素としては、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素であり、特に好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素である。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素であり、特に好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
本発明の二色性色素は、下記一般式(1)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(1)
−(Het)j1−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表す。j1は0または1を表し、p1、q1、r1は各々0〜5までの数を表し、n1は1〜3までの数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数である。p1、q1およびr1が各々2以上の時、2以上のB1、Q1およびB2は各々同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2以上の{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}は同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)
−(Het)j1−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表す。j1は0または1を表し、p1、q1、r1は各々0〜5までの数を表し、n1は1〜3までの数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数である。p1、q1およびr1が各々2以上の時、2以上のB1、Q1およびB2は各々同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2以上の{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}は同一でも異なっていてもよい。
Hetは酸素原子または硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表す。B1およびB2が表す2価のアリール基、ヘテロアリール基及び環状脂肪族炭化水素基には、置換基を有する2価のアリール基、ヘテロアリール基及び環状脂肪族炭化水素基も含むものとする。
B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表す。B1およびB2が表す2価のアリール基、ヘテロアリール基及び環状脂肪族炭化水素基には、置換基を有する2価のアリール基、ヘテロアリール基及び環状脂肪族炭化水素基も含むものとする。
2価のアリール基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、好ましいアリール基の具体例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の基である。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。B1およびB2の表す2価のヘテロアリール基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリール基であり、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環の基、およびこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリール基である。B1およびB2の表す2価の環状炭化水素基としては、好ましくは、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
B1およびB2の表す2価のアリール基、ヘテロアリール基及び環状炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
置換基群V:
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群V:
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
Q1は2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。Q1が表す2価の連結基としては、炭素数1〜20のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシルー1,4−ジイル)、炭素数2〜20のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、炭素数2〜20のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子またはアルキル基、アリール基をあらわす)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。Q1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エルテル基、カルボニル基、およびそれらを組み合わせた基である。Q1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表す。C1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基には、置換基を有するそれぞれの基も含むものとする。C1は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルおよびシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。C1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基である。C1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
j1は0または1を表し、好ましくは0である。
p1、q1及びr1は各々0〜5の数を表し、n1は1〜3の数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数である。なお、p1、q1、r1及びn1が2以上の場合、その繰り返し単位は同一であっても異なっていてもよい。好ましいp1、q1、r1及びn1の組合せを以下に記す。
(i) p1=3、q1=0、r1=0、n1=1
(ii) p1=4、q1=0、r1=0、n1=1
(iii) p1=5、q1=0、r1=0、n1=1
(iv) p1=2、q1=0、r1=1、n1=1
(v) p1=2、q1=1、r1=1、n1=1
(vi) p1=1、q1=1、r1=2、n1=1
(vii) p1=3、q1=1、r1=1、n1=1
(viii)p1=2、q1=0、r1=2、n1=1
(ix) p1=1、q1=1、r1=1、n1=2
(x) p1=2、q1=1、r1=1、n1=2
p1、q1及びr1は各々0〜5の数を表し、n1は1〜3の数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数である。なお、p1、q1、r1及びn1が2以上の場合、その繰り返し単位は同一であっても異なっていてもよい。好ましいp1、q1、r1及びn1の組合せを以下に記す。
(i) p1=3、q1=0、r1=0、n1=1
(ii) p1=4、q1=0、r1=0、n1=1
(iii) p1=5、q1=0、r1=0、n1=1
(iv) p1=2、q1=0、r1=1、n1=1
(v) p1=2、q1=1、r1=1、n1=1
(vi) p1=1、q1=1、r1=2、n1=1
(vii) p1=3、q1=1、r1=1、n1=1
(viii)p1=2、q1=0、r1=2、n1=1
(ix) p1=1、q1=1、r1=1、n1=2
(x) p1=2、q1=1、r1=1、n1=2
特に好ましくは、(i)p1=3、q1=0、r1=0、n1=1;(iv)p1=2、q1=0、r1=1、n1=1;及び(v)p1=2、q1=1、r1=1、n1=1;の組合せである。
なお、−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1としては、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(図中、波線は連結位置を表す)。
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1で表される置換基を1以上有しているのが好ましく、1〜8有しているのがより好ましく、1〜4有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1または2である。
前記一般式(1)で表される置換基の好ましい構造は、Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基またはヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j1=1、p1=2、q1=0、r1=1およびn1=1を表す構造;およびHetが硫黄原子であり、B1がアリール基またはヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j1=1、p1=1、q1=0、r1=2およびn1=1を表す構造;である。特に好ましい構造は、Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基)を表し、j1=1、p1=2、q1=0、r1=1およびn1=1である下記一般式(a−1)で表される構造;およびHetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基)を表し、j1=1、p1=1、q1=0、r1=2およびn1=1である下記一般式(a−2)で表される構造;である。
前記一般式(a−1)および(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立して、水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。Ra1〜Ra12はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。
前記一般式(a−1)および(a−2)中、Ca1およびCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基を表す。
前記一般式(a−1)および(a−2)中、Ca1およびCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基を表す。
なお、本発明に用いられる二色性色素としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
式中、R1は−S−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1で表される置換基である。ここで、Sは硫黄原子であり、B1、B2、Q1、p1、q1、r1、n1は上述のものと同定義である。R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は各々水素原子または置換基である。
R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基群Vが挙げられるが、好ましくは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、フェネチルチオ)、置換もしくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換もしくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8として好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換もしくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子、置換もしくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
次に、本発明に用いられる配列制御剤について説明する。本発明において配列制御剤とは、二色性色素を等方的に配列させるのに寄与する化合物をいい、具体的には、この化合物が、組成物中に存在しない場合よりも、二色性色素の配列がより等方的になる化合物をいう。二色性色素を等方的に配列させる配列制御剤としては、いかなるものであってもよいが、好ましい性質としては、形状が等方的であること、ホスト液晶と相互作用できる部位を有していることという2点が挙げられる。
このような配列制御剤としては、デンドリマー化合物が好ましい。デンドリマーとは、分岐状の繰り返し単位から形成させるオリゴマーである。繰り返し単位の個数が増加したデンドリマーでは、末端基の密度がコアよりも高くなり、球状となる特徴がある。デンドリマーの具体例としては、「デンドリマーの科学と機能」、岡田鉦彦編、アイピーシー、2000年に記載されている。繰り返し単位としては、アミド基、アミノ基、エーテル基、エステル基、C−C共有結合、ケイ素などを利用することができる。本発明に用いられる、二色性色素を等方的に配列させる配列制御剤としては、アミド基、アミノ基、エーテル基、エステル基、ケイ素を利用したものが好ましい。特に、好ましくは、アミド基、アミノ基である。デンドリマーの世代数については、とくに制限はないが、好ましくは、第2世代〜第7世代であり、特に、好ましくは、第2世代〜第5世代である。また、前記デンドリマー化合物は、末端部の鎖に、炭素数2以上のアルキル鎖を含んでいるのが好ましく、炭素数2〜10のアルキル鎖を含んでいるのがより好ましく、炭素数4〜6の直鎖のアルキル鎖を含んでいるのがさらに好ましい。また、デンドリマー骨格としては、プロピレンイミン系及びPAMAM系が好ましい。
以下に、本発明に使用可能な配列制御剤の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
デンドリマー構造を有する配列制御剤化合物は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、Chem.Eur.J.,第4巻,第2456〜2466頁,1998年.に記載の方法に準じて合成することができる。
本発明の液晶組成物において、デンドリマー化合物は、二色性色素を等方的に配列させるのに寄与する。その結果、本発明の組成物を、液晶素子、好ましくはゲストホスト型液晶表示素子の液晶層に用いた場合に、偏光に依存しない吸収状態を与えて表示コントラストを向上させることができる。
本発明の液晶組成物に使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明のホスト液晶としては、二色性色素およびディスコティック液晶化合物と共存しうるものであれば特に制限はないが、たとえば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。なかでも、ネマチック液晶化合物が好ましい。ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁および第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明のホスト液晶としては、二色性色素およびディスコティック液晶化合物と共存しうるものであれば特に制限はないが、たとえば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。なかでも、ネマチック液晶化合物が好ましい。ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁および第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明のホスト液晶として、誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。
誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果光を透過するようになる。すなわち、電圧印加時には白表示、電圧無印加時には黒表示を行うモードとなる。
誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果光を吸収するようになる。すなわち、電圧無印加時には白表示、電圧印加時には黒表示を行うモードとなる。
誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果光を透過するようになる。すなわち、電圧印加時には白表示、電圧無印加時には黒表示を行うモードとなる。
誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果光を吸収するようになる。すなわち、電圧無印加時には白表示、電圧印加時には黒表示を行うモードとなる。
誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きくなる構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Synlett.,第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。中でも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
本発明の液晶組成物には、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
本発明の液晶組成物において、ホスト液晶および二色性色素の含有量については制限はないが、二色性色素の含有量(混合物の場合には、二色性色素の全含有量)はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜6質量%であることが特に好ましい。また、本発明の液晶セルの吸収スペクトルを測定することで、所望の光学濃度に必要な色素濃度を決定することが望ましい。
本発明の液晶組成物において、ホスト液晶および配列制御剤の含有量については制限はないが、配列制御剤の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、0.2〜30質量%であることが特に好ましい。さらに好ましくは、0.5〜10質量%である。
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を含有する液晶層を備えた液晶素子である。本発明の液晶素子は、例えば、一対の電極基板(少なくとも一方は透明電極基板であるのが好ましい)間と、一対の電極基板に挟持される本発明の液晶組成物を含有する液晶層とから構成することができる。前記電極基板は、通常ガラスあるいはプラスチックからなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。
本発明の液晶素子は、例えば、一対の基板をスペーサーなどを介して、1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に本発明の液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
本発明の液晶素子は、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の色についても、いかなるものであってもよい。例えば、複数の二色性色素を混合して用いる等、黒色の液晶組成物を調製した場合には、電圧の印加によって黒色及び透明になる光シャッターとしての利用が挙げられる。また、レッド、グリーン及びブルーに各々着色された液晶組成物を調製し、3種類の組成物を基板上に並置配置することにより、カラー表示用の液晶素子を作製することもできる。また、本発明の液晶素子は、積層構造を有していてもよい。例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物の各々からなる層を、3層積層させる構成;及び黒に着色した液晶組成物の層と、レッド、ブルー及びグリーンの液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを、2層積層させる構成;などが挙げられる。
本発明の液晶素子は、コンピューター、時計、電卓などの表示素子、電子光学シャッター、電子光学絞り、光通信光路切り替えスイッチ、光変調器などの種種の電子光学デバイスとして好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(実施例1)
<液晶組成物の作製>
二色性色素(1−2)及び(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。配列制御剤化合物(D−13)、(D−15)及び(D−20)は、Chem.Eur.J.,第4巻,第2456〜2466頁,1998年.に記載の方法に準じて合成した。
二色性色素(1−2)150mg、配列制御剤化合物(D−13)50mgをホスト液晶ZLI−5081(メルクジャパン製)5gに溶解させ、温度120℃のホットプレート上で1時間加熱した。該液晶組成物を室温にまで、冷却させ、1晩放置させることにより、本発明の液晶組成物Aを得た。なお、比較例として、配列制御剤化合物(D−13)を添加しなかった以外は液晶組成物Aと同様にして、液晶組成物Bを調製した。
<液晶組成物の作製>
二色性色素(1−2)及び(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。配列制御剤化合物(D−13)、(D−15)及び(D−20)は、Chem.Eur.J.,第4巻,第2456〜2466頁,1998年.に記載の方法に準じて合成した。
二色性色素(1−2)150mg、配列制御剤化合物(D−13)50mgをホスト液晶ZLI−5081(メルクジャパン製)5gに溶解させ、温度120℃のホットプレート上で1時間加熱した。該液晶組成物を室温にまで、冷却させ、1晩放置させることにより、本発明の液晶組成物Aを得た。なお、比較例として、配列制御剤化合物(D−13)を添加しなかった以外は液晶組成物Aと同様にして、液晶組成物Bを調製した。
同様にして、配列制御剤化合物(D−13)の代わりに、配列制御剤化合物(D−15)を添加した以外は、液晶組成物Aと同様にして液晶組成物Cを調製した。また、配列制御剤化合物(D−13)の代わりに、配列制御剤化合物(D−20)を添加した以外は、液晶組成物Aと同様にして液晶組成物Dを調製した。
<液晶素子の作製>
上記で得られた液晶組成物の各々を、市販の液晶セル用基板に注入し、液晶素子を各々作製した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のもので、ITO透明電極層が形成されたガラス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付きのものであった。
上記で得られた液晶組成物の各々を、市販の液晶セル用基板に注入し、液晶素子を各々作製した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のもので、ITO透明電極層が形成されたガラス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付きのものであった。
<反射率・コントラストの評価>
作製した液晶素子の画像表示面側において、白表示側(透明時)及び色表示側(着色時)の透過率、ならびにコントラスト比(白表示の透過率/色表示の透過率)を、分光光度測定器(島津製作所社製、UV−3100PC)を用いて測定した。なお、白表示側(透明時)は、50Hz、15Vの電圧を印加した。結果を表1に示す。
作製した液晶素子の画像表示面側において、白表示側(透明時)及び色表示側(着色時)の透過率、ならびにコントラスト比(白表示の透過率/色表示の透過率)を、分光光度測定器(島津製作所社製、UV−3100PC)を用いて測定した。なお、白表示側(透明時)は、50Hz、15Vの電圧を印加した。結果を表1に示す。
表1より、本発明の液晶組成物A、CおよびDは、高いコントラスト比を与えることがわかる。これは、本発明の液晶組成物A、C及びDは、電圧無印加時において偏光に依存しない吸収性を示すためであると考えられる。より詳細には、液晶素子A、C及びDでは、配列制御剤であるデンドリマー化合物とホスト液晶とが相互作用することにより、光の進行方向に対してネマチック液晶のダイレクターが、液晶素子Bよりも、よりランダムに存在していると考えられる。すなわち、本発明の液晶組成物A、CおよびDは、偏光に依存しない光シャッターとして機能し得ることが確認された。さらに、本発明の液晶素子A、CおよびDを散乱白色板上に設置させたところ、電圧印加時に、散乱に基づく白色を示すことが確認された。すなわち、本発明の液晶素子A、CおよびDは偏光板が不要であり、紙に近い散乱白地を与える視認性に優れた表示素子となることが確認された。
(実施例2)
二色性色素(1−2)の代わりに、マゼンタ色素である二色性色素(1−8)を用いた以外は、実施例1の液晶組成物Aと同様に液晶組成物Eを調製し、同様に本発明の液晶素子Eを作製した。比較例として、配列制御剤を添加しなかった以外は液晶組成物Eと同様にして液晶組成物Fを調製し、同様に液晶素子Fを作製した。
作製した液晶素子E及びFについて、実施例1と同様の評価を行ったところ、本発明の液晶素子のほうが、高いコントラスト比を与えることがわかった。
二色性色素(1−2)の代わりに、マゼンタ色素である二色性色素(1−8)を用いた以外は、実施例1の液晶組成物Aと同様に液晶組成物Eを調製し、同様に本発明の液晶素子Eを作製した。比較例として、配列制御剤を添加しなかった以外は液晶組成物Eと同様にして液晶組成物Fを調製し、同様に液晶素子Fを作製した。
作製した液晶素子E及びFについて、実施例1と同様の評価を行ったところ、本発明の液晶素子のほうが、高いコントラスト比を与えることがわかった。
本発明の液晶組成物は、液晶素子の作製に広く用いることができ、特にゲスト−ホスト方式液晶表示素子の作製に用いるのが好ましい。本発明の液晶組成物を用いて作製されたゲスト−ホスト方式液晶表示素子は、高い表示コントラスト比を与え、視認性にも優れる。
Claims (5)
- 二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物。
- 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される置換基を有する色素である請求項1に記載の液晶組成物;
一般式(1)
−(Het)j1−{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}n1−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、j1は0または1を表し、p1、q1、r1は各々0〜5の数を表し、n1は1〜3の数を表し、(p1+r1)×n1は3以上10以下の数であり、p1、q1およびr1が各々2以上の時、2以上のB1、Q1およびB2は各々同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2以上の{(B1)p1−(Q1)q1−(B2)r1}は同一でも異なっていてもよい。 - 前記配列制御剤の少なくとも一種が、デンドリマー化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶組成物。
- 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶組成物を含有する液晶素子。
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-
2004
- 2004-02-13 JP JP2004036401A patent/JP2005225987A/ja active Pending
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