JP2006206813A - 液晶組成物、及び液晶素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、応答速度の速い液晶組成物、及び該液晶組成物を含有する液晶素子の提供である。
【解決手段】 シロキサンポリマーと、フッ素原子で置換されたネマチック液晶と、二色性色素とを含む液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シロキサンポリマーと液晶とを含む液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶素子に関する。
デジタル情報の普及に伴い、デジタル情報を表示するためのディスプレイ(以下、電子ペーパーと呼ぶ)の重要性が増している。電子ペーパーに要求される性能としては、高い視認性と低消費電力が挙げられる。高い視認性とは、紙に近い白地のことを意味しており、紙と同様の散乱白地に基づく表示方式が適している。一方、消費電力は、反射型表示方式が、自発光型表示方式よりも低消費である。これまで、電子ペーパーとして、多くの方式が提案されている。例えば、反射型液晶表示方式、電気泳動表示方式、磁気泳動表示方式、二色球回転方式、エレクトロクロミック表示方式、ロイコサーマル表示方式などである。いずれの方式についても、高い視認性という観点からは、満足できるレベルにはなく、その改善が求められていた。
液晶素子(液晶表示素子)については、すでに多くの方式が提案されており、中でもゲストホスト方式の液晶素子は、明るい表示が可能であって、反射型に適した液晶素子として期待されている。ゲストホスト方式の液晶素子では、ネマチック液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の液晶素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示が期待されている。
一方、高分子と液晶分子を混合した高分子分散型液晶表示方式が提案されている。該方式は、散乱白地に基づいた目に優しい表示が可能である点、配向膜及び配向処理が不要となり塗布により製造が可能であるため安価な表示装置となる点で期待されている方式である。なかでも、シロキサンポリマーとフッ素のネマチック液晶を混合した高分子分散型液晶表示方式が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該方式は光を散乱する、透過するという状態を制御する光散乱型方式である。しかしながら、この方法では、散乱輝度が低く、依然として、表示性能が満足すべきレベルになく、その向上が望まれていた。
また、高分子分散型方式とゲストホスト方式を組み合わせたゲストホスト方式高分子分散型液晶表示方式が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。該方式は、偏光板を用いない駆動方式が可能であり、また、散乱白地に基づいた目に優しい表示が可能である。低分子液晶としては、シアノ系液晶E−7が使用されている。しかしながら、従来の方式では、依然として、表示性能が満足すべきレベルになく、その向上が望まれていた。
特開2002−250939号公報 特開平9−40955号公報
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、高分子分散型ゲストホスト方式において、表示の応答速度が速く、高い表示性能を示す液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶素子を提供するものである。
かかる状況のもと、発明者が鋭意検討した結果、下記手段を採用することにより、本発明の課題を解決しうることを見出した。
<1> シロキサンポリマーと、少なくとも1種のフッ素原子で置換されたネマチック液晶と、二色性色素とを含む液晶組成物。
<2> 前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されることを特徴とする液晶組成物。
Figure 2006206813
式中、V1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。L1及びL2は、各々2価の連結基を表す。Ar1及びAr2は、各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。
<3> 前記一般式(1)におけるV1が、アルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
<4> 前記一般式(1)におけるL2が、エステル基であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<5> 前記二色性色素が、アントラキノン系化合物又はフェノキサゾン系化合物の混合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<6> 前記二色性色素が、下記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
一般式(2); −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
<7> 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
Figure 2006206813
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数を表し、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
<8> 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の液晶組成物。
Figure 2006206813
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
<9> 前記フッ素原子で置換されたネマチック液晶が、二周波駆動液晶であることを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<10> 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、
該液晶層が前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有することを特徴とする液晶素子。
本発明では、高分子分散型ゲストホスト方式において、表示の応答速度が速く、高い表示性能を示す液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶素子を提供することができる。
本発明は、シロキサンポリマーと、少なくとも1種のフッ素原子で置換されたネマチック液晶と、二色性色素とを含む液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶素子である。
発明に至る過程において、従来報告されている高分子と液晶と二色性色素の組合せでは、液晶組成物の粘度が高いため、応答速度が遅くなることが判明した。そこで、シロキサンポリマーとフッ素原子で置換されたネマチック液晶(以下、「フッ素化液晶」と称する場合あり。)とを組み合わせた液晶素子を作製したところ、応答速度の速い表示が可能となった。この結果、従来の液晶組成物よりも高い表示性能が得られることとなった。
また、液晶組成物中の液晶として二周波駆動液晶を用いることにより、応答速度が速く、動画表示の適性が高くなる。また、二周波駆動液晶の場合、配向膜が不要となるため、素子構成がシンプルであり、製造プロセスが簡略化できる。配向膜がない場合には、配向膜による光の吸収あるいは反射が無い為に、表示性能が高くなる。反射型表示においては、高い反射率を与える。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明におけるシロキサンポリマーとは、シロキサン構造を繰り返し単位として有するポリマーであれば、いずれの構造を有していてもよい。このなかでも、本発明の液晶組成物及び液晶素子に好適に使用できるシロキサンポリマーは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するシロキサンポリマーである。
Figure 2006206813
1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。
好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基である。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては以下の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル基)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基)、
炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えば、スクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、さらに好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、さらに好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば、2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6のヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造を形成することができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)であることが好ましく、より好ましくは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アリール基(特にフェニル基、ナフチル基)である。
1で表されるアリール基の置換基は、置換基群Vのうち、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)であることが好ましく、より好ましくは、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基である。
1で表されるヘテロアリール基の置換基は、置換基群Vのうち、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)であることが好ましく、より好ましくは、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基である。
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
1で表されるアリール基としての具体例は、例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基を挙げることができる。
1で表されるヘテロアリール基としての具体例は、例えば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基を挙げることができる。
1として好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくは、無置換のアルキル基及びアリール基であり、特に好ましくはメチル、エチル、ブチル、ヘキシル、フェニル基である。
1及びL2は、各々2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基が好ましい。L1及びL2が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60、より好ましくは炭素数0〜30の2価の連結基が挙げられる。
1及びL2で表されるアルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシルー1,4−ジイル基である。
1及びL2で表されるアルケニレン基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、エテニレン基である。
1及びL2で表されるアルケニレン基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、エチニレン基である。
1及びL2で表される−NR−基において、Rで表されるアルキル基及びアリール基は、置換基群Vで挙げたものを表す。
1及びL2で表される複素環2価基としては、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
1で表される2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基であり、更に好ましくは、L1として好ましくはアルキレン基、アルキレンエーテル基、アルキレンエステル基である。特に好ましくはアルキレンエーテルであり、この中でも炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレンエーテルが好ましい。
2で表される2価の連結基として、好ましくは、エステル基である。
1及びL2はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。好ましくは置換基を有さない場合である。
Ar1及びAr2は各々アリール基又はヘテロアリール基を表し、例えば上述のV1で説明したアリール基及びヘテロアリール基が挙げられる。
Ar1として、好ましくは、無置換のフェニル基、又はハロゲン原子若しくはアルキル基で置換されたフェニル基である。
Ar2として、好ましくは、4位が置換されたフェニル基であり、4位の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ハロゲン原子又はアシルオキシ基が好ましく、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びシクロアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基、ブチル基、ブトキシ基、ペンチル基、ペンチルオキシ基、ヘキシル基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル基、ヘプチルオキシ基、フッ素原子、クロロ原子、シクロヘキシル基、シクロペンチル基である。更に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基であり、具体的には、具体的には、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基、ブチル基、ブトキシ基、ペンチル基、ペンチルオキシ基、ヘキシル基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル基、ヘプチルオキシ基、、シクロヘキシル基、シクロペンチル基である。
本発明にかかる前記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるシロキサンポリマーについて、分子量の制限はないが、好ましくは数平均分子量100〜100、000の範囲であり、特に好ましくは、500〜10,000の範囲である。
本発明にかかるシロキサンポリマーはホモポリマーであってもよいし、ヘテロポリマーであってもよい。
本発明にかかるシロキサンポリマーは線状、分岐状、環状などのいずれでもよいが、好ましくは線状ポリマーである。
以下に、一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるシロキサンポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006206813
Figure 2006206813
Figure 2006206813
一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるシロキサンポリマーは、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、含水素シロキサンポリマーとエチレン系化合物とを付加反応させる方法を挙げることができるが、かかる方法に限定されない。
本発明の液晶組成物において、一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるシロキサンポリマーは、2種以上を併用してもよい。
本発明において、フッ素原子で置換されたネマチック液晶とは、ネマチック相を示す液晶化合物であって、該ネマチック液晶化合物の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものをいう。好ましくは分子量が50〜1000、より好ましくは100〜500のものを指す。
フッ素原子で置換された液晶は、特に制限はなく用いることができるが、例えば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。その具体例としては、フッ素置換アゾメチン化合物、フッ素置換シアノビフェニル化合物、フッ素置換シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換トラン系化合物などが挙げられる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、ZLI−5081、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明にかかるフッ素化液晶は、電界に対する応答性を高めるという観点から、その誘電率異方性の絶対値|△ε|が1〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは、2〜15の範囲である。
本発明は、二色性色素を用いるゲストホスト方式の液晶組成物であり、ホスト液晶として上記のフッ素化液晶とシロキサンポリマーとの混合物を採用することができる。本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよいが、好ましくは正である。
誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果光を透過するようになる。すなわち、電圧印加時には白表示、電圧無印加時には黒表示を行うモードとなる。
また、本発明のゲストホスト方式液晶には、前記フッ素化液晶が、フッ素置換された二周波駆動液晶化合物であることも好ましい。本発明の液晶素子において、二波長駆動液層を用いることにより、配向膜を用いなくても配向変化を可逆的に行えるという効果が認められる。ここで、二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。その具体例として、文献記載のフッ素置換された二周波駆動液晶を示す(Nicholas, Robert Tudor、Ph.D Thesis(Hull University)(1988年)。
Figure 2006206813
本発明で用いることのできる二周波駆動液晶化合物は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。さらに、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しない液晶化合物を含んでもよい。
本発明における二色性色素は、通常のゲストホスト方式に用いられる二色性色素を適用することができる。二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明の二色性色素は、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、本発明の液晶素子に用いられる2色性色素は、単独で使用してもよいが、複数を混合したものであってもよい。複数の色素を混合する場合には、本発明の色素同士を混合してもよいし、本発明の色素と公知の2色性色素を混合してもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。公知の2色性色素としては、たとえば、A.V.Ivashchenko著、Diachronic Dyes for Liquid Crystal Display、CRC社、1994年に記載のものが挙げられる。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
本発明において、二色性色素に用いられる発色団はいかなるものであってもよいが、表示性能を高めるという効果をより得やすくするという観点からは、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)などが挙げられ、具体的には、 「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」( A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)に記載されているものが挙げられる。
この中でも、好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、フェノキサゾン色素であり、さらに好ましくはアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素である。特に、これらの色素であって、後述する一般式(2)で表される置換基を有するものを採用することにより、本発明の効果がより顕著に得られる。
より具体的には、本発明における二色性色素は、下記一般式(2)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(2); −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
一般式(2)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
一般式(2)中、B1及びB2はそれぞれアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
1及びB2で表わされるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。
1及びB2で表わされるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数4〜30、より好ましくは炭素数6〜20の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である。
1及びB2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホ基である。
1は2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基が好ましい。
1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数0〜60、より好ましくは炭素数
0〜30、更に好ましくは炭素数0〜10の2価の連結基である。
また、Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子又はアルキル基、アリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
1で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシルー1,4−ジイル基を挙げることができる。
1で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基を挙げることができる。
1で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基を挙げることができる。
−NR−基におけるRの表すアルキル基において、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rの表すアリール基において、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
1で表される複素環として、好ましくは、ピペラジン基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
1で表される2価の連結基として、特に好ましくは、アルキレン基、エステル基である。
1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。
1として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアシル基、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(特にメトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(特にメトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基、エトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシ基としての具体例は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基、トリフルオロメトキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシルオキシ基としての具体例は、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシル基としての具体例は、例えば、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシカルボニル基としての具体例は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はトリフルオロメトキシ基である。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q、rは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。B1とB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q又はrが2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組合せである。
さらに、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1は、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2006206813
Figure 2006206813
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を1つ以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(2)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
Figure 2006206813
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
a1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのことが好ましい。Ra1〜Ra12で表わされるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は、それぞれ、アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2006206813
一般式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(3)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキル基(特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、アリール基(特に、フェニル基)、アルコキシ基(特にメトキシ基)、アリールオキシ基(特にフェノキシ基)であり、より好ましくは、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基(特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)である。
また、更に好ましくは、一般式(3)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい例として挙げられる。
フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 2006206813
一般式(4)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。(p+r)×nは3〜10の整数であり、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(4)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、アリールカルバモイル基、アミノ基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)、アルキル基(特に、メチル基、エチル基)、アルコキシ基(特に、メトキシ基)、アリールオキシ基(特に、フェノキシ基)、アリール基(特に、フェニル基)であり、より好ましくは、アリールカルバモイル基、アミノ基、である。
また、更に好ましくは、一般式(4)において、R11、R16、R14の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素の二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006206813
Figure 2006206813
Figure 2006206813
Figure 2006206813
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006206813
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006206813
前記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
本発明の液晶素子における、フッ素化液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はフッ素化液晶の含有量に対して、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜6質量%であることが特に好ましい。
本発明の液晶素子における、フッ素化液晶とシロキサンポリマーの含有量については特に制限はないが、フッ素化液晶の含有量はシロキサンポリマーの含有量に対して10〜95質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましい。さらに好ましくは40〜60質量%である。
また、二色性色素の含有量は、液晶組成物を調整し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
ホスト液晶(フッ素化液晶とシロキサンポリマーとの混合物)への二色性色素の溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用することができる。
その他、本発明の液晶組成物の調製については、公知の方法を採用することができる。
本発明では、液晶組成物の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
本発明として、好ましい形態のひとつは、カイラル化合物を添加したカイラルネマチック液晶相を利用したモードである。カイラル化合物としては、たとえば、メルク社製のR−811、S−811、R−1082、S−1082などが利用できる。カイラル化合物の比率は、0.01〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%が特に好ましい。
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が上記液晶組成物を含有してなる。
本発明の液晶素子に用いられる基板としては、通常、ガラスあるいはプラスチック基板が用いられ、プラスチック基板が好ましい。本発明に用いられるプラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレンン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
プラスチック基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加しても良い。
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
基板については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第218〜231頁に詳しい。
基板上には、電極層が形成され、該電極層は好ましくは透明電極である。透明電極層としては、例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
本発明の液晶素子は液晶を配向させる目的で、液晶と基板の接する表面に配向処理を施した層を形成することが好ましい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
本発明の液晶素子は、基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設け、その空間に本発明に係る液晶組成物を注入することにより作製できる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
その他本発明の液晶素子の作製には、公知の方法を適用することができる。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のクロスオーバー周波数等によって異なるが、一般的には該液晶組成物に印加される電場の周波数領域は、0.1Hz〜10MHzであるのが好ましく、1Hz〜1MHzであるのがより好ましい。
二周波駆動液晶の場合には、低周波領域及び高周波領域の電圧が用いられる。低周波数領域として用いられるのは、一般的には0.1Hz〜100kHzであるのが好ましく、1Hz〜10kHzであるのがより好ましく、10Hz〜10kHzであるのがさらに好ましい。また、高周波数領域として用いられるのは、一般的には100Hz〜10MHzであるのが好ましく、100Hz〜1MHzであるのがより好ましく、1kHz〜1MHzでであるのがさらに好ましい。
本発明の液晶素子を用いた液晶ディスプレイは、いかなる方式であってもよい。本発明の液晶素子は、特開平10−67990号、同10−239702号、同10−133223号、同10−339881号、同11−52411号、同11−64880号、特開2000−221538号などに記載されている積層型GHモード、特開平11−24090号などに記載されているマイクロカプセルを利用したGHモードに用いることができる。
本発明の液晶素子は、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の色についても、いかなるものであってもよい。例えば、複数の二色性色素を混合して用いる等、黒色の液晶組成物を調製した場合には、電圧の印加によって白黒表示用の液晶素子としての利用が挙げられる。また、レッド、グリーン及びブルーに各々着色された液晶組成物を調製し、3種類の組成物を基板上に並置配置することにより、カラー表示用の液晶素子を作製することもできる。また、本発明の液晶素子は、積層構造を有していてもよい。例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物の各々からなる層を3層積層させる構成;及びイエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物と、補色の関係にあるブルー、グリーン及びレッドに着色した液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを2層積層させる構成;及び黒に着色した液晶組成物の層と、レッド、ブルー及びグリーンの液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを、2層積層させる構成;などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<実施例1>(本発明の液晶組成物の評価)
二色性色素(1−2)、(1−8)及び(1−14)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。シロキサンポリマーは文献記載の方法に従い合成した(Polymer、第33巻、第1822ページ、1992年)。
二色性色素(1−2)50mg、シロキサンポリマー(No.1)0.5g、フッ素置換されたネマチック液晶ZLI−5081(メルク社製)1.0gの混合物を、120℃のホットプレート上で1時間加熱した。該液晶組成物を室温にまで、冷却させ、1晩放置させて、液晶組成物Aを調製した。
同様にして、二色性色素(1−2)の代わりに、二色性色素(1−8)を添加した以外は、液晶組成物Aと同様にして液晶組成物Bを調製した。
また、比較として、シアノ系ネマチック液晶ZLI−1132(メルク社製)を用いて同様にして液晶組成物Cを調製した。
以降、二色性色素と液晶とシロキサンポリマーを表1に示すような組み合わせに変更した以外は、液晶組成物Aと同様にして、液晶組成物D〜Gを調製した。
<液晶素子の作製>
上記で得られた液晶組成物の各々を、再度150℃に加熱し、該温度を保持したまま市販の液晶セル用基板に注入し、液晶素子を各々作製した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のもので、ITO透明電極層が形成されたガラス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付きのものであった。なお、ITO透明電極上には、ポリイミド水平配向膜が付設されている。
<応答速度の評価>
上記で得られた液晶素子に関して、100Hz、40Vの交流電圧を印加させ、その時の応答速度を評価した。応答速度は、透過率の変化が90%に到達するまでの時間とした。
その結果を下表に示す。
Figure 2006206813
本発明の液晶素子は、応答速度が速いことがわかる。これは、フッ素系ネマチック液晶とシロキサンポリマーとを組み合わせて用いることにより、低粘度となっているためと考えられる。また、本発明の液晶組成物はポリマーとの混合物であるため、塗布による液晶素子の作製が容易であることが確認された。

Claims (10)

  1. シロキサンポリマーと、少なくとも1種のフッ素原子で置換されたネマチック液晶と、二色性色素とを含む液晶組成物。
  2. 前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されることを特徴とする液晶組成物。
    Figure 2006206813
    〔式中、V1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。L1及びL2は、各々2価の連結基を表す。Ar1及びAr2は、各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。〕
  3. 前記一般式(1)におけるV1が、アルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
  4. 前記一般式(1)におけるL2が、エステル基であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  5. 前記二色性色素が、アントラキノン系化合物又はフェノキサゾン系化合物の混合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  6. 前記二色性色素が、下記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    一般式(2); −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
    (式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。)
  7. 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
    Figure 2006206813
    〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数を表し、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  8. 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の液晶組成物。
    Figure 2006206813
    〔式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  9. 前記フッ素原子で置換されたネマチック液晶が、二周波駆動液晶であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  10. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、
    該液晶層が請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有することを特徴とする液晶素子。
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