JP2009046525A - 液晶組成物及び調光材料 - Google Patents
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- CVAPMJCUIFASMZ-UHFFFAOYSA-N CC(C)c1cccc(C(C)C)c1N(C(c(c1c2cc3)ccc-4c1c3-c1ccc-3c5c1c-4ccc5-c1ccc(-c4ccc5C(N6c7c(C(C)C)cccc7C(C)C)=O)c7c1c-3ccc7-c(cc1)c4c5c1C6=O)=O)C2=O Chemical compound CC(C)c1cccc(C(C)C)c1N(C(c(c1c2cc3)ccc-4c1c3-c1ccc-3c5c1c-4ccc5-c1ccc(-c4ccc5C(N6c7c(C(C)C)cccc7C(C)C)=O)c7c1c-3ccc7-c(cc1)c4c5c1C6=O)=O)C2=O CVAPMJCUIFASMZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【課題】近赤外域の光に対する調光性能の高い調光材料を提供する。
【解決手段】液晶組成物は、少なくとも一種のタリレン化合物で表される二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する。タリレン化合物は、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を有し、さらに、各々独立に、水素原子又は置換基を有する。
【選択図】なし
【解決手段】液晶組成物は、少なくとも一種のタリレン化合物で表される二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する。タリレン化合物は、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を有し、さらに、各々独立に、水素原子又は置換基を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶組成物及び調光材料の技術分野に関する。
液晶素子(液晶表示素子)については、既に多くの方式が提案されており、その中でもゲスト−ホスト方式の液晶素子は、明るい表示が可能な液晶素子として期待されている。ゲスト−ホスト方式の液晶素子は、二色性色素を液晶中に溶解し、電場による液晶の動きに合わせた二色性色素の配向変化に基づき、吸光状態を変化させて画像を表示する。
ゲスト−ホスト方式の液晶素子に用いられる二色性色素には、適切な吸収特性、高いオーダーパラメーター、ホスト液晶に対する高い溶解性、耐久性などが要求されている。これらの要求に対して、これまでに様々な二色性色素が提案されている。
一方で、環境に対する関心の高まりにともなって、光の量を電気的に調節できる材料、いわゆる電気的な調光材料の重要性が高まっている。このような調光材料は、インテリア用途、建材用途、車両用途、広告用途など幅広い応用が期待されている。
この調光材料に上記ゲストホスト液晶方式を用いると、明るい調光が可能となるため、ゲストホスト液晶方式は調光用途に適した方式として期待されている。
この調光材料に上記ゲストホスト液晶方式を用いると、明るい調光が可能となるため、ゲストホスト液晶方式は調光用途に適した方式として期待されている。
また、近年、快適な居住環境などを図るために、太陽光中の近赤外光や赤外光の透過状態を電気的に制御する、いわゆる調光材料が提案されている。しかしながら、調光材料において、可視域の光に関しては多くの検討がなされてきたが、近赤外域や赤外域の光を電気的に制御する技術については、あまり検討がなされていなかった。
少ない例ではあるが、近赤外域や赤外域の光を電気的に制御する調光素子としては、例えば、特定のナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物又はスクアリリウム系化合物を、近赤外ないし赤外光吸収色素として含有させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)
一方で、液晶の分野ではないが、一般的な色素としてタリレン化合物が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開平5−27270号公報
Neil G. Pschirer et al、Angew. Chem. Int. Ed., 2006, 45, 1401-4104
本発明の第一の課題は、近赤外域の光を制御できるゲストホスト方式の液晶組成物の提供である。
更に、本発明の第二の課題は、近赤外域の光を制御できるゲストホスト方式による調光材料の提供である。
更に、本発明の第二の課題は、近赤外域の光を制御できるゲストホスト方式による調光材料の提供である。
上記状況を鑑み、本発明者は、鋭意研究を行なったところ、特定の骨格を有する近赤外二色性色素を液晶に組合せることで、近赤外域でも優れた調光性能が呈されるという知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも一種の下記一般式(1)で表される二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する液晶組成物である。
一般式(1)中、R1およびR2は各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。nは2、3または4を表す。
<2> 前記一般式(1)におけるR1及びR2が、各々独立に、オルト位にアルキル基を有するアリール基であることを特徴とする前記<1>に記載の液晶組成物である。
<3> 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の液晶組成物である。
<4> 更に、可視域に吸収を有する二色性色素を1種以上含有することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液晶組成物である。
<5> 前記可視域に吸収を有する二色性色素が、アントラキノン色素であることを特徴とする前記<4>に記載の液晶組成物である。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液晶組成物を1種以上含むことを特徴とする調光材料である。
本発明によれば、近赤外域の光を制御できるゲストホスト方式の液晶組成物を提供することができる。また、近赤外域の光を制御できるゲストホスト方式による調光材料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<液晶組成物>
本発明の液晶組成物は、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される二色性色素(以下、「一般式(1)で表されるタリレン化合物」と称する場合がある。)と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する。
本発明の液晶組成物は、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される二色性色素(以下、「一般式(1)で表されるタリレン化合物」と称する場合がある。)と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する。
一般式(1)中、R1、R2は各々独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。nは2、3または4を表す。
以下、本発明の液晶組成物について、詳細に説明する。
以下、本発明の液晶組成物について、詳細に説明する。
(二色性色素)
ゲスト−ホスト方式の液晶素子に用いられる二色性色素に対しては、(1)適切な吸収特性、(2)高いオーダーパラメーター、(3)ホスト液晶に対する高い溶解性、(4)耐久性などが要求される。このため、上記(1)の吸収特性、つまり吸収波長、を近赤外域に調整するため、単に従来の近赤外色素を液晶に組み合わせても、上記の要求の全てを満足させることは困難である。一般的には、近赤外域に吸収域を調整しても、オーダーパラメーターが低くなって上記(2)の要件を満たさない、或いは液晶に対して溶解性が極めて低く上記(3)の要件を満たさない、更には光や熱に対しての耐久性が低く実用に耐えず上記(4)の要件を満たさない場合が多い。
ゲスト−ホスト方式の液晶素子に用いられる二色性色素に対しては、(1)適切な吸収特性、(2)高いオーダーパラメーター、(3)ホスト液晶に対する高い溶解性、(4)耐久性などが要求される。このため、上記(1)の吸収特性、つまり吸収波長、を近赤外域に調整するため、単に従来の近赤外色素を液晶に組み合わせても、上記の要求の全てを満足させることは困難である。一般的には、近赤外域に吸収域を調整しても、オーダーパラメーターが低くなって上記(2)の要件を満たさない、或いは液晶に対して溶解性が極めて低く上記(3)の要件を満たさない、更には光や熱に対しての耐久性が低く実用に耐えず上記(4)の要件を満たさない場合が多い。
特に、一般的に、上記(2)の要件であるオーダーパラメーターと、上記(3)の要件である液晶に対する溶解性とは、相反する関係にある。
具体例としては、オーダーパラメーターが高くなるよう二色性色素の分子の骨格を細長くすると、一般的には、液晶に対して溶けにくくなる。また、オーダーパラメーターは、二色性色素の液晶への溶解性のほかに、二色性色素の分子の形状と液晶分子の形状の組み合わせによっても決定される。そのため、細長い骨格を有する色素分子のすべてが、二色性色素として適切であるとはいえない。
具体例としては、オーダーパラメーターが高くなるよう二色性色素の分子の骨格を細長くすると、一般的には、液晶に対して溶けにくくなる。また、オーダーパラメーターは、二色性色素の液晶への溶解性のほかに、二色性色素の分子の形状と液晶分子の形状の組み合わせによっても決定される。そのため、細長い骨格を有する色素分子のすべてが、二色性色素として適切であるとはいえない。
しかしながら、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物は、前記(1)〜(4)の要件を全て満たす。つまり、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物は、近赤外光の吸収量の差が良好となり、ホスト液晶の配向状態が支持体の面に対して水平状態の時には近赤外域の光を多く吸収し、配向状態が支持体の面に対して垂直状態の時には、近赤外域の光の透過率が高くなるという、高い調光性能を示す。また、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物は、オーダーパラメーターが高く、且つホスト液晶に対しても良好に溶解する。
なお、前述の非特許文献1の論文(Neil G. Pschirer et al、Angew. Chem. Int. Ed., 2006, 45, 1401-4104)には、一般的な近赤外領域の光を吸収する、いわゆる近赤外色素としてタリレン化合物が優れていることが記載されている。しかし、一般的な近赤外領域の色素を二色性色素として液晶中に適用したときに、高いオーダーパラメーターを示すか、液晶に溶解するか等については、上記で説明したように一義的に判断できるものではない。その中でも溶解性に関しては、一般的な色素は溶媒に溶解して使用されるのに対して、二色性色素は液晶に対する溶解性が求められる点で、全く異なる。液晶は配向を示す物質であり、配向した液晶中で色素が溶解できるか否かは、溶媒中での溶解性からは判断できるものではない。
ここで、一般式(1)で表されるタリレン化合物は、ペリレン化合物よりも細長い骨格を有する。ペリレン化合物が液晶に溶けないという事実からすれば、タリレン化合物も液晶には溶けないと推測するのが通常である。しかしながら、予想外にも前記一般式(1)で表されるタリレン化合物は液晶に溶解する。
更に、予期せぬことに、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物は、可視域に吸収を有する二色性色素と組み合わせると、可視域光に対する光耐久性が高くなる。特に、可視域に吸収を有するアントラキノン系の二色性色素を、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物に組み合わせると、その効果は著しい。
さらに、可視域に吸収を有する二色性色素に、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物を組み合わせることで、光、熱および水分に対する分解が抑制され、とくに調光材料として重要である電気的な悪影響を及ぼす分解物が生成しない。その結果、一般式(1)で表されるタリレン化合物を二色性色素として含有する液晶組成物およびそれを含む調光材料は、優れた光、熱および水分に対する耐久性を発揮する。特に、可視域での光に対する耐久性が向上する。
以下、前記一般式(1)で表される二色性色素の詳細について更に説明する。
さらに、可視域に吸収を有する二色性色素に、前記一般式(1)で表されるタリレン化合物を組み合わせることで、光、熱および水分に対する分解が抑制され、とくに調光材料として重要である電気的な悪影響を及ぼす分解物が生成しない。その結果、一般式(1)で表されるタリレン化合物を二色性色素として含有する液晶組成物およびそれを含む調光材料は、優れた光、熱および水分に対する耐久性を発揮する。特に、可視域での光に対する耐久性が向上する。
以下、前記一般式(1)で表される二色性色素の詳細について更に説明する。
一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
R1及びR2で表されるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。さらに置換基を有してもよい。置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基などが挙げられる。
R1及びR2で表されるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。さらに置換基を有してもよい。置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基などが挙げられる。
R1及びR2で表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。具体的には、フェニル基、ナフタレン基であり、さらに置換基を有してもよい。置換基としては下記置換基群Vが挙げられる。
R1及びR2で表されるヘテロアリール基としては、炭素数1〜30のヘテロアリール基が好ましい。具体的には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、及びこれらが縮環して形成される縮環のヘテロアリール基が好ましい。
<置換基群V>
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素);メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;リン酸基;スルホ基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基);炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基);ニトロ基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基);
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素);メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;リン酸基;スルホ基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基);炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基);ニトロ基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基);
炭素数0〜20、好ましくは炭素数0〜12、更に好ましくは炭素数0〜8の置換もしくは無置換のアミノ基(例えば、無置換のアミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基);炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基);炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基);炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基);炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基);
炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする};炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換もしくは無置換のヘテロ環基(例えばピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基);が挙げられる。これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに置換基群Vから選ばれるいずれかの置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
置換基群Vとしてより好ましくは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子である。
一般式(1)におけるR1及びR2は、ホスト液晶に対して高い溶解性を有するという観点からは、アリール基が好ましく、より好ましくは立体的に嵩高いアリール基であり、更に好ましくは、オルト位又はメタ位にアルキル基を有するアリール基であり、特にオルト位にアルキル基を有するアリール基である。具体的には、下記一般式(A)で表されるアリール基が好ましい。
R15及びR16は、各々独立にアルキル基であり、R17,R18及びR19は、各々独立に、水素原子又は前記置換基群Vで表される置換基を表す。
一般式(A)のR15及びR16は、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、更に好ましくは、2級又は3級のアルキル基であり、特に炭素数3〜8の2級又は3級のアルキル基である。このような構造のタリレン化合物が液晶に対して高い溶解性を示す理由については明らかではないが、タリレン化合物の長軸に対して短軸側へ嵩高い基が張り出しているために、タリレン化合物の分子同士のパッキングが抑制されて結晶とならずに、一方、液晶分子とは適度な相互作用を保つことで液晶に溶解しているものと推測される。しかし、本発明ではこのような推測に限定されない。
一般式(A)のR15及びR16は、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、更に好ましくは、2級又は3級のアルキル基であり、特に炭素数3〜8の2級又は3級のアルキル基である。このような構造のタリレン化合物が液晶に対して高い溶解性を示す理由については明らかではないが、タリレン化合物の長軸に対して短軸側へ嵩高い基が張り出しているために、タリレン化合物の分子同士のパッキングが抑制されて結晶とならずに、一方、液晶分子とは適度な相互作用を保つことで液晶に溶解しているものと推測される。しかし、本発明ではこのような推測に限定されない。
一般式(A)のR15及びR16としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができ、好ましくはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、であり、更に好ましくは、イソプロピル基である。
一般式(A)におけるR17,R18及びR19は、好ましくは、各々独立に、水素原子、 アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(A)で表されるアリール基としては、具体的には、2,6−ジメチルアリール基、2,6−ジエチルアリール基、2,6−ジイソプロピルアリール基を挙げることができ、特に好ましくは、2,6−ジイソプロピルアリール基である。
一般式(1)におけるR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基であり、より好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
nは2、3または4を表す。好ましくはnは2である。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
前記一般式(1)で表される二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。たとえば、Angew. Chem. Int. Ed.,第45巻,第1401〜1404頁,2006年に記載がある。
本発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される二色性色素の1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の液晶組成物では、一般式(1)で表される二色性色素のほかに可視域に吸収を有する二色性色素を混合してもよい。
このように、可視域に吸収を有する二色性色素と、本発明に係る近赤外域に吸収を有する二色性色素(一般式(1)で表されるタリレン化合物)を共存させた場合、可視域に吸収を有する二色性色素から近赤外域に吸収を有する二色性色素に対してエネルギー移動が起こり、可視域に吸収を有する二色性色素の光耐久性が向上するという効果が得られる。
このように、可視域に吸収を有する二色性色素と、本発明に係る近赤外域に吸収を有する二色性色素(一般式(1)で表されるタリレン化合物)を共存させた場合、可視域に吸収を有する二色性色素から近赤外域に吸収を有する二色性色素に対してエネルギー移動が起こり、可視域に吸収を有する二色性色素の光耐久性が向上するという効果が得られる。
可視域に吸収を有する二色性色素の呈示する色は、いかなるものであってもよい。また、各色を呈する液晶層を別層にして積層してもよい。更には、各色を呈する液晶層(液晶部)を並置してもよい。
可視域に吸収を有する二色性色素としては、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。その場合、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(とき田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
可視域に吸収を有する二色性色素としては、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。その場合、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(とき田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。一般式(1)で表されるタリレン化合物と組み合わせたときに、可視域での光耐久性が向上するという観点からは、アントラキノン色素であることが特に好適である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
可視域に吸収を有する二色性色素としては、下記一般式(2)で表される置換基を少なくとも1つ有することが、ネマチック液晶への高い溶解性と、高いオーダーパラメーターとを両立するという観点から好ましい。
一般式(2): −(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上のとき、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
B1及びB2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の基である。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
B1及びB2で表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリーレン基であり、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基である。
B1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは、炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
B1及びB2で表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリーレン基であり、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基である。
B1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは、炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
B1及びB2の表す2価のアリーレン基、ヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造となることもできる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
Q1は2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシル−1,4−ジイル)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、Rで表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基であり、Rで表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のアリール基である。)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(好ましくは、炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10の複素環2価基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基である。)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
Q1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
Q1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
Q1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。C1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基には、置換基を有するそれぞれの基も含むものとする。
C1は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。
C1は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。
C1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基である。
C1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
C1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
C1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
C1で表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
C1で表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
C1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
C1で表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
C1で表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q及びrは各々0〜5の数を表し、nは1〜3の数を表し、B1及びB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。なお、p、q、又はrが2以上のとき、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
p、q及びrは各々0〜5の数を表し、nは1〜3の数を表し、B1及びB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。なお、p、q、又はrが2以上のとき、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組み合わせを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組み合わせである。
なお、−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1としては、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
可視域に吸収を有する二色性色素としては、−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1で表される置換基を1以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(2)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。Ra1〜Ra12で表されるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。Ra1〜Ra12で表されるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基又はノニル基を表す。
前記一般式(a−1)及び(a−2)のうち、前記一般式(2)で表される置換基としては、特に、Ca1及びCa2が炭素数3から10の長鎖アルキル基の場合が、ホスト液晶への溶解性が向上し、着色状態における光吸収量が増加するため表示材料に好適である。この理由は明らかとなっていないが、ホスト液晶との相溶性が向上するためではないかと推測される。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(5)で表される化合物であり、フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(6)で表される化合物である。
一般式(5)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1であり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
一般式(6)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1であり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
ここで、Het、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1は、一般式(2)におけるHet、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1と同定義である。
ここで、Het、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1は、一般式(2)におけるHet、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1と同定義である。
一般式(5)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8で表される前記置換基としては、上記置換基群Vが挙げられるが、好ましくは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、置換若しくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、フェネチルチオ)、置換若しくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8として好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。
また、更に好ましくは、一般式(5)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1の場合である。
一般式(1)で表されるタリレン化合物との組み合わせにおいて、可視域での光耐久性が向上するという観点からは、一般式(5)において、R1が−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1であり、R2、R3、R6、R7が水素原子であり、R4、R5及びR8が各々独立に、水素原子、アリールチオ基、アリールアミノ基又はアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、R1が−S−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1であり、R2、R3、R6、R7が水素原子であり、R4、R5及びR8が各々独立に、水素原子、アリールチオ基又はアリールアミノ基である。
一般式(6)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミド基であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリールチオ基、アミド基である。
R16として、好ましくはアミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ基を含む)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、特に好ましくはアミノ基である。
一般式(1)で表されるタリレン化合物との組み合わせにおいて、可視域での光耐久性が向上するという観点からは、一般式(6)が、R14が−(Het)j−{(B1)p−(Q1)q−(B2)r}n−C1であり、R11、R12、R13、R15、R17が水素原子、R16がアリールアミノ基、アルキルアミノ基であることが好ましい。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
前記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
液晶組成物において、前記一般式(1)で表される二色性色素と、可視域に吸収を有する二色性色素とを共存させる場合、それぞれの二色性色素の配合質量比(一般式(1)化合物:可視域吸収二色性色素)は、1.0:100〜1.0:1.0であることが、高い光耐久性の観点から好ましく、1.0:10〜1.0:1.0であることがより好ましい。
(ホスト液晶)
本発明の液晶組成物に使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている前記一般式(1)で表される二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明の液晶組成物に使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている前記一般式(1)で表される二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明に使用可能なホスト液晶としては、二色性色素と共存しうるものであれば特に制限はないが、ネマチック相を示す液晶化合物が利用できる。ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。
また、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、旭電化社の液晶(HA-11757)が挙げられる。
また、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、旭電化社の液晶(HA-11757)が挙げられる。
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。
誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり近赤外域の光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果近赤外域の光を透過するようになる。
誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり近赤外域の光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果近赤外域の光を吸収するようになる。
誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり近赤外域の光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果近赤外域の光を透過するようになる。
誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり近赤外域の光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果近赤外域の光を吸収するようになる。
誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きくなる構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Syn Lett.,第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。具体的には、例えば、Merck社の液晶(ZLI−2806など)が挙げられる。中でも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
さらに、本発明の液晶組成物に、二波長駆動性を示す液晶を用いることもできる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。
なお、本発明に用いるホスト液晶の屈折率異方性(Δn)は、透明吸収状態と透明透明状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましく、散乱吸収状態と透明透過状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましい。ここでいう屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として定義される。
Δn = n‖ − n⊥
透明吸収状態と透明透過状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が小さな液晶としてΔn=0.1以下のものが好ましい。Δnが小さいと螺旋構造におけるウエーブガイドが抑制されて光漏れが小さくなり、近赤外域の光の調光性能が向上するためである。
一方、散乱吸収状態と透明透過状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が大きな液晶としてΔn=0.1以上のものが好ましい。さらに好ましくはΔn=0.12以上である。これは、ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではホスト液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、近赤外域の光の調光性能が向上するためである。
一方、散乱吸収状態と透明透過状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が大きな液晶としてΔn=0.1以上のものが好ましい。さらに好ましくはΔn=0.12以上である。これは、ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではホスト液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、近赤外域の光の調光性能が向上するためである。
本発明の液晶組成物におけるホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜8質量%であることが更に好ましい。また、ホスト液晶及び二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調製し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
(その他の添加剤)
本発明の液晶組成物には、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、吸収状態における光の吸収量が増加するため好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
本発明の液晶組成物には、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、吸収状態における光の吸収量が増加するため好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
カイラル剤の添加量は液晶組成物中、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。30質量%よりも多い場合、カイラル剤がホスト液晶から析出しやすくなる場合がある。また、カイラル剤は複数種類使用してもよい。とくに、カイラルピッチの温度依存性が正のものと負のものとを組合せ使用することで、カイラルピッチの温度依存性が小さくなる場合が好ましい。
以下に本発明に用いられるカイラル剤の具体例を示す。
<調光材料の構成>
(基本構造)
調光材料は、上記液晶組成物を含有する液晶層が存在すればよい。したがって、単に一対の支持体間に液晶層を存在させてなる態様であってもよいし、一対の電極基板間に液晶層を存在させ、電気的に調光状態を制御する態様(調光素子)であってもよい。好ましくは、支持体や基板が透明の場合である。
(基本構造)
調光材料は、上記液晶組成物を含有する液晶層が存在すればよい。したがって、単に一対の支持体間に液晶層を存在させてなる態様であってもよいし、一対の電極基板間に液晶層を存在させ、電気的に調光状態を制御する態様(調光素子)であってもよい。好ましくは、支持体や基板が透明の場合である。
本発明の調光材料では、1つの液晶層中に、一般式(1)で表される二色性色素の1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の調光材料では、1つの液晶層中に、一般式(1)で表される二色性色素のほかに可視域に吸収を有する二色性色素を混合してもよい。
更に、液晶組成物を含有する液晶層を2層以上設け、各液晶層に含有する液相組成物は、同一組成であっても異なる組成であってもよい。
本発明の調光材料では、1つの液晶層中に、上記液晶組成物を複数種含有させてもよい。例えば、マイクロカプセル中に異なる組成の液晶組成物を含有させて、マイクロカプセルを含有する液晶層を形成してもよい。マイクロカプセルの代わりに、後述の高分子を用いてもよい。
また、本発明の調光材料では、1つの液晶層中に、一般式(1)で表される二色性色素のほかに可視域に吸収を有する二色性色素を混合してもよい。
更に、液晶組成物を含有する液晶層を2層以上設け、各液晶層に含有する液相組成物は、同一組成であっても異なる組成であってもよい。
本発明の調光材料では、1つの液晶層中に、上記液晶組成物を複数種含有させてもよい。例えば、マイクロカプセル中に異なる組成の液晶組成物を含有させて、マイクロカプセルを含有する液晶層を形成してもよい。マイクロカプセルの代わりに、後述の高分子を用いてもよい。
(各構成部材)
−電極基板−
電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック(ポリマー)からなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。好ましくはプラスチック基板である。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。
−電極基板−
電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック(ポリマー)からなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。好ましくはプラスチック基板である。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。
−スペーサー−
本発明の調光材料は、例えば、スペーサーなどを介して、一対の基板を1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に前記液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の調光材料は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の調光材料の場合、液晶層の厚さ、すなわちスペーサーにより形成される基板間の間隔は、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2〜40μmである。50μmより厚いと透明状態における透過率が低下しやすくなり、1μmより薄いと部分的な欠陥による通電のため表示ムラが生じやすくなり好ましくない。
本発明の調光材料は、例えば、スペーサーなどを介して、一対の基板を1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に前記液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の調光材料は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の調光材料の場合、液晶層の厚さ、すなわちスペーサーにより形成される基板間の間隔は、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2〜40μmである。50μmより厚いと透明状態における透過率が低下しやすくなり、1μmより薄いと部分的な欠陥による通電のため表示ムラが生じやすくなり好ましくない。
−その他の部材−
その他の部材としては、例えば、バリア膜、紫外線吸収層、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、金属反射板、位相差板、配向膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の部材としては、例えば、バリア膜、紫外線吸収層、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、金属反射板、位相差板、配向膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア膜としては、有機ポリマー系、無機系、有機−無機の複合系いずれでもよい。有機ポリマー系としてはエチレンービニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA/PVOH)、ナイロンMXD6(NーMXD)、ナノコンポジット系ナイロンなどが挙げられる。無機系としてはシリカ、アルミナ、ニ元系などが挙げられる。その詳細は、例えば「ハイバリア材料の開発、成膜技術とバリア性の測定・評価方法」(技術情報協会、2004年)に記載されている。
本発明の調光材料において、バリア層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
本発明の調光材料において、バリア層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
紫外線吸収層としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の調光材料において、紫外線吸収層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
本発明の調光材料において、紫外線吸収層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
反射防止膜は、無機材料又は有機材料を用いて形成され、膜構成としては、単層であってもよく、又は多層であってもよい。さらにまた、無機材料の膜と有機材料の膜との多層構造であってもよい。反射防止膜は、調光材料の一面側又は両面に設けることができる。両面に設ける場合、両面の反射防止膜は、同じ構成であっても別の構成であっても良い。例えば、一方の面の反射防止膜を多層構造とし、他方の面側の反射防止膜を簡略化して単層構造とすることも可能である。また、透明電極又は支持体上に直接反射防止膜を設けることができる。
反射防止膜に用いる無機材料としては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti2O3、Ti2O5、Al2O3、Ta2O5、CeO2、MgO、Y2O3、SnO2、MgF2、WO3等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、レンズがプラスチック製のレンズであるので、低温で真空蒸着が可能なSiO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5が好ましい。
無機材料で形成される多層膜としては、レンズ側からZrO2層とSiO2層の合計光学的膜厚がλ/4、ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最表層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に成膜する積層構造が例示される。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。最表層は、屈折率が低く、かつ反射防止膜に機械的強度を付与できることからSiO2とすることが好ましい。
無機材料で反射防止膜を形成する場合、成膜方法は例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
無機材料で形成される多層膜としては、レンズ側からZrO2層とSiO2層の合計光学的膜厚がλ/4、ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最表層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に成膜する積層構造が例示される。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。最表層は、屈折率が低く、かつ反射防止膜に機械的強度を付与できることからSiO2とすることが好ましい。
無機材料で反射防止膜を形成する場合、成膜方法は例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
反射防止膜に用いる有機材料としては、例えばFFP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等を挙げることができ、レンズ材料やハードコート膜(有する場合)の屈折率を考慮して選定される。成膜方法は、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
ハードコート層としては、公知の紫外線硬化もしくは電子線硬化のアクリル系もしくはエポキシ系の樹脂を用いることができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
配向膜としては、ポリイミド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール、ゼラチン、シリカ蒸着膜などを用いることが好ましく、ポリイミド、シランカップリング剤を用いることが、配向能力、耐久性、絶縁性、コストの観点から好ましい。配向膜としては、水平配向膜、垂直配向膜いずれであってもよい。
ポリイミド配向膜に関しては、例えば、「液晶便覧」(液晶便覧編集委員会編、丸善、2000年)の第253〜258頁に記載のもの、「液晶デイスプレイの最先端」(液晶若手研究会編、シグマ出版、1996年)の第83〜104頁に記載のものを用いることができる。
ポリイミド配向膜に関しては、例えば、「液晶便覧」(液晶便覧編集委員会編、丸善、2000年)の第253〜258頁に記載のもの、「液晶デイスプレイの最先端」(液晶若手研究会編、シグマ出版、1996年)の第83〜104頁に記載のものを用いることができる。
本発明のポリイミド配向膜として、垂直配向膜を用いる場合には、垂直配向能力、いわゆる垂直アンカリング力が高いものが好ましい。垂直配向能力を高めたポリイミド膜を用いることで、本発明の調光材料のコントラスト比が向上する。垂直配向能力を高めたポリイミド膜としては、ポリイミド側鎖のアルキル鎖長を伸ばして疎水性を高めた構造、また、長鎖アルキル鎖を有するジアミン部分の導入率が高まった構造が好ましい。
一方、本発明のポリイミド配向膜として、水平配向膜を用いる場合には、水平配向能力、いわゆる水平アンカリング力が高いものが好ましい。水平配向能力を高めたポリイミド膜を用いることで、本発明の調光材料のコントラスト比が向上する。水平配向能力を高めたポリイミド膜としては、ポリイミド側鎖のアルキル鎖を短くする、もしくは親水的な官能基を導入することにより親水性を高めた構造が好ましい。
一方、本発明のポリイミド配向膜として、水平配向膜を用いる場合には、水平配向能力、いわゆる水平アンカリング力が高いものが好ましい。水平配向能力を高めたポリイミド膜を用いることで、本発明の調光材料のコントラスト比が向上する。水平配向能力を高めたポリイミド膜としては、ポリイミド側鎖のアルキル鎖を短くする、もしくは親水的な官能基を導入することにより親水性を高めた構造が好ましい。
ポリイミド配向膜としては、たとえば、国際特許番号2002/051909号、特開平7−301805号、特開昭62−297819号、特開平1−262527号、特開平1−262528号、特開平5−43688号、特開平6−82794号、特開2003−96070号、特開2003−114437号、特開2004−18422号、特開2004−163724号、特開2005−105019号、特開2005−170818号、特開2000−104073号、特開2001−108831号、特開2001−100038号、特開2001−100040号、特開2001−100041号に記載の配向膜が好適に用いられる。
配向方法については、ラビング処理していても、していなくてもよい。ラビング処理としては、布によるラビング処理が用いられ、たとえば「液晶デイスプレイの最先端」(液晶若手研究会編、シグマ出版、1996年)の第83〜104頁に記載の方法が好適に用いられる。
ポリイミド配向膜は、塗布、印刷などにより付設することができる。通常は、ポリアミック酸の溶液を塗布、焼成することでポリイミド膜への変換させるプロセス、もしくはポリイミドの溶解させた溶液を塗布、溶媒を留去させることでポリイミド膜を形成させる方法が好ましい。ガラス基板を用いた場合、焼成温度は200℃前後が好ましい。また、フイルム基板を用いた場合には、フイルム基板のTg温度よりも低い温度で焼成することが好ましい。特に、PENフイルムの場合には、120℃以下の場合が好ましい。
ポリイミド配向膜の膜厚は、10nm以上1μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは20nm以上300nm以下の範囲である。さらに好ましくは、30nm以上200nm以下の範囲である。
配向膜としてシランカップリング剤を用いる場合、浸漬などによって配向膜を付設することができる。通常は、シランカップリング剤を含むアルコール溶液に基板を浸漬させた後、加熱、乾燥させることでシランカップリング剤が結合された基板を形成させる方法が用いられる。
本発明の調光材料では、本発明の液晶組成物をポリマーと共存させてもよい。本発明の調光材料が、散乱吸収状態と透明透過状態を切り替える方式の場合、ポリマーと共存させることが好ましい。
本発明の液晶組成物を分散含有するポリマー媒体層は、例えば、液晶組成物を分散したポリマー溶液を、基板上に塗設することにより形成することができる。ポリマー溶液中に液晶組成物を分散する方法としては、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用して行うことができる。
前記ポリマー媒体層において、高分子媒体中に分散された液晶組成物とポリマー媒体との質量比は、1:10〜10:1が好ましく、1:1〜8:2がより好ましい。
高分子媒体層を形成する方法としては、高分子と液晶組成物とを溶解させた溶液を、基板上に塗設する方法もしくは液晶組成物とポリマーとを共通の溶媒に溶解した後、基板上に塗設し、溶媒を蒸発させる方法が好ましい。
前記ポリマー媒体層に用いる高分子には特に制限はない。シロキサンポリマー、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール、ゼラチン等の水溶性高分子、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、酢酸ビニルやポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアルコール誘導体類、トリアセチルセルロースのようなセルロース誘導体類、ポリウレタン類、スチレン類等の非水溶性高分子が用いられる。
本発明の調光材料に用いる高分子としては、ホスト液晶との相溶性が高いという観点からシロキサンポリマー、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類が好ましい。
前記ポリマー媒体層に用いる高分子には特に制限はない。シロキサンポリマー、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール、ゼラチン等の水溶性高分子、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、酢酸ビニルやポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアルコール誘導体類、トリアセチルセルロースのようなセルロース誘導体類、ポリウレタン類、スチレン類等の非水溶性高分子が用いられる。
本発明の調光材料に用いる高分子としては、ホスト液晶との相溶性が高いという観点からシロキサンポリマー、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類が好ましい。
以下に、本発明のシロキサンポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
さらに、ポリマー媒体層中には、液晶組成物の分散を安定化することを目的として、界面活性剤を用いることができる。本発明に適用できる界面活性剤に特に制限はないが、非イオン系界面活性剤が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキエチレンアルキルエーテル類、フルオロアルキルエチレンオキシド類等が用いられる。
特に、本発明に係る二色性色素は一般式(1)で表される構造であるため、ポリマーとして芳香族基を有するものを用いると、ポリマーとの相溶性が高くなり、調光性能を高めることができる。
特に、本発明に係る二色性色素は一般式(1)で表される構造であるため、ポリマーとして芳香族基を有するものを用いると、ポリマーとの相溶性が高くなり、調光性能を高めることができる。
本発明の調光材料において、前記ポリマー媒体層の厚みは、1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上40μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることが更に好ましい。
調光材料の場合においては、二色性色素の添加量が多い方が、調光性能が高まるため好ましい。また、ポリマー分散型液晶を調整する方法として散乱強度の高くなりやすい重合相分離方式を適用した場合には、重合時におけるラジカル種による二色性色素の分解を抑制する観点から、重合温度は室温よりも低くすることが好ましい。
更に、反応性が低いラジカル種の方が、二色性色素の分解を抑制する効果があり、その観点からメタクリレート系モノマーを用いることが好ましい。また、光重合を利用する場合には、UV照射時における二色性色素の分解を抑制する観点から、UV照射強度を小さくすることが好ましく、例えば、1mW/cm2以上500mW/cm2以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは1mW/cm2以上50mW/cm2以下の範囲である。
ポリマーと液晶組成物とをあらかじめ混合してから相分離をさせる方法を適用する場合、適用するポリマーとしては二色性色素の染着を低下させる観点から芳香族基を有さないポリマーが好ましく、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリイミドなどが好ましい。
以上の施策は、透明状態における透過率が高くなるため好適である。
以上の施策は、透明状態における透過率が高くなるため好適である。
本発明の調光材料における調光性能については、その吸収状態と透明状態における近赤外の光の透過率の比(透明状態/吸収状態)が3〜1000の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、5〜1000の範囲であり、特に好ましくは、6〜1000の範囲である。
<用途>
本発明の液晶組成物および調光材料は、近赤外の光に対して高い調光性能を与えることができるため、赤外線の光の透過率を変化させるような用途で好適に利用することができる。例えば、屋内の温度を一定に保つ目的のためには、窓ガラスに本発明の調光材料を設置して、夏場は近赤外光を吸収するように、冬場は逆に近赤外光を透過するようにすればよい。
本発明の液晶組成物および調光材料は、近赤外の光に対して高い調光性能を与えることができるため、赤外線の光の透過率を変化させるような用途で好適に利用することができる。例えば、屋内の温度を一定に保つ目的のためには、窓ガラスに本発明の調光材料を設置して、夏場は近赤外光を吸収するように、冬場は逆に近赤外光を透過するようにすればよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(1)液晶組成物の調製
一般式(1)で表される二色性色素は、Angew. Chem. Int. Ed., 第45巻, 第1401〜1404頁, 2006年に記載の方法に従い合成した。ホスト液晶ZLI-1132(ネマチック液晶、Δε=+13,Δn=0.13)はメルク社から購入した。
下記表1に示す二色性色素のいずれか1種の1.0mgを、市販のシアノ系液晶(商品名:ZLI-1132)200mgと混合し、80℃に加熱撹拌した。室温まで冷却して液晶素子作製に用いる液晶組成物−1〜3を調製した。
そのときのホスト液晶に対する二色性色素の溶解度を表1に示す。ここで、溶解度とは、室温1日放置した際にホスト液晶中に溶解している二色性色素の質量%を意味する。
(1)液晶組成物の調製
一般式(1)で表される二色性色素は、Angew. Chem. Int. Ed., 第45巻, 第1401〜1404頁, 2006年に記載の方法に従い合成した。ホスト液晶ZLI-1132(ネマチック液晶、Δε=+13,Δn=0.13)はメルク社から購入した。
下記表1に示す二色性色素のいずれか1種の1.0mgを、市販のシアノ系液晶(商品名:ZLI-1132)200mgと混合し、80℃に加熱撹拌した。室温まで冷却して液晶素子作製に用いる液晶組成物−1〜3を調製した。
そのときのホスト液晶に対する二色性色素の溶解度を表1に示す。ここで、溶解度とは、室温1日放置した際にホスト液晶中に溶解している二色性色素の質量%を意味する。
(2)液晶素子の作製
上記で得られた液晶組成物−1〜3の各々を、市販の液晶セル用基板に注入し、液晶素子−1〜3を各々作製した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のもので、ITO透明電極層、およびポリイミド水平配向膜(ラビング処理によりパラレル配向処理付き)が形成されたガラス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付きのものであった。
上記で得られた液晶組成物−1〜3の各々を、市販の液晶セル用基板に注入し、液晶素子−1〜3を各々作製した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のもので、ITO透明電極層、およびポリイミド水平配向膜(ラビング処理によりパラレル配向処理付き)が形成されたガラス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付きのものであった。
(3)オーダーパラメーターの測定
作製した液晶素子−1〜3に、ラビング方向と平行な偏光および垂直な偏光を各々照射し、それぞれの吸収スペクトル(A‖およびA⊥)をUV3100(島津製作所製、可視吸収スペクトル計)にて測定した。極大吸収波長におけるA‖およびA⊥から、オーダーパラメーターSを下式1に従いそれぞれについて求めた。求めたオーダーパラメーターSを表1に示す。
式1: S = ( A‖−A⊥)/( A‖+2・A⊥)
作製した液晶素子−1〜3に、ラビング方向と平行な偏光および垂直な偏光を各々照射し、それぞれの吸収スペクトル(A‖およびA⊥)をUV3100(島津製作所製、可視吸収スペクトル計)にて測定した。極大吸収波長におけるA‖およびA⊥から、オーダーパラメーターSを下式1に従いそれぞれについて求めた。求めたオーダーパラメーターSを表1に示す。
式1: S = ( A‖−A⊥)/( A‖+2・A⊥)
また、比較用として、特開平5−27270号公報記載の近赤外域に吸収を有する下記色素(1)の評価を同様に行った。表1に結果を示す。
表1より、一般式(1)で表されるタリレン化合物の具体例化合物(2),(3),(10)は、近赤外域の光に対して、高いオーダーパラメーターを示すことがわかる。
[実施例2]
<調光材料の調製>
1.調光素子の調製
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた水平配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
<調光材料の調製>
1.調光素子の調製
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた水平配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
ホスト液晶(ZLI-1132)1.0g中に、下表2に示した一般式(1)で表される二色性色素とカイラル剤(商品名:R−1011、メルク社製)を加熱して溶解させた後、室温下1日放置し、液晶組成物−4〜9を調製した。
各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における透過率が20%となるように調整した。
各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における透過率が20%となるように調整した。
得られた液晶組成物−4〜9に12μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するようにはさんで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて封止し、試料A〜Fを作製した。
3.評価
試料A〜Fの調光材料は、電圧無印加時に着色状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(±40V、100Hz)を印加した場合に、近赤外域の光が透過状態となった。また、二色性色素の極大吸収波長における吸収状態と透明状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)を行った。得られた吸収状態と透明状態の透過率の比(T(透明)/T(吸収時))を表2に示す。
表2に示す通り、試料A〜Fの調光材料は、電気的に近赤外域の光の透過率を制御できる調光機能を有することが確認された。
試料A〜Fの調光材料は、電圧無印加時に着色状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(±40V、100Hz)を印加した場合に、近赤外域の光が透過状態となった。また、二色性色素の極大吸収波長における吸収状態と透明状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)を行った。得られた吸収状態と透明状態の透過率の比(T(透明)/T(吸収時))を表2に示す。
表2に示す通り、試料A〜Fの調光材料は、電気的に近赤外域の光の透過率を制御できる調光機能を有することが確認された。
[比較例1]
実施例2において、一般式(1)で表される二色性色素を、特開平5−27270号方法の上記比較色素(1)に変えた以外は同様にして、試料Zを作製した。試料Zについて、実施例2と同様の方法で評価を行なった。その結果を表2に示す。
表2に示す通り、比較例である試料Zの調光材料は透過率の比が低く、近赤外域の光の透過率を電気的に制御し難いものであった。
実施例2において、一般式(1)で表される二色性色素を、特開平5−27270号方法の上記比較色素(1)に変えた以外は同様にして、試料Zを作製した。試料Zについて、実施例2と同様の方法で評価を行なった。その結果を表2に示す。
表2に示す通り、比較例である試料Zの調光材料は透過率の比が低く、近赤外域の光の透過率を電気的に制御し難いものであった。
[実施例3]
<調光材料の調製>
1.プラスチック基板の作製
特開2000−105445号公報の実施例1の試料110の作製と同様にPEN (Dupont-Teijin Q65A)に対し下塗り層及びバック層を作成した。すなわち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのプラスチック基板(PEN)を得た。
<調光材料の調製>
1.プラスチック基板の作製
特開2000−105445号公報の実施例1の試料110の作製と同様にPEN (Dupont-Teijin Q65A)に対し下塗り層及びバック層を作成した。すなわち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのプラスチック基板(PEN)を得た。
2.透明電極層の作製
上記で得られたプラスチック基板の片面に、導電性のインジウム酸化スズ(ITO)をコーティングして、厚さ200nmの均一な薄膜を積層した。面抵抗約20Ω/cm2、光透過率(500nm)85%であった。つぎに、ITO表面上に反射防止膜としてSiO2薄膜(100nm)をスパッタにより付設した。光透過率(500nm)90%であった。
上記で得られたプラスチック基板の片面に、導電性のインジウム酸化スズ(ITO)をコーティングして、厚さ200nmの均一な薄膜を積層した。面抵抗約20Ω/cm2、光透過率(500nm)85%であった。つぎに、ITO表面上に反射防止膜としてSiO2薄膜(100nm)をスパッタにより付設した。光透過率(500nm)90%であった。
(液晶層の調製)
上記支持体を用いて実施例2と同様の操作にて、表3に示した一般式(1)で表される二色性色素とカイラル剤とを含む液晶層を調製した。ただし、10μmの接着性球状スペーサー(触媒化成品)を用いた。また、配向膜は、ポリイミド垂直配向膜(日産化学製、SE1211)を用いて、ホスト液晶としてMLC-6609(メルク社製)を用いた。カイラル剤はR-1011(メルク社製)を用いた。
上記支持体を用いて実施例2と同様の操作にて、表3に示した一般式(1)で表される二色性色素とカイラル剤とを含む液晶層を調製した。ただし、10μmの接着性球状スペーサー(触媒化成品)を用いた。また、配向膜は、ポリイミド垂直配向膜(日産化学製、SE1211)を用いて、ホスト液晶としてMLC-6609(メルク社製)を用いた。カイラル剤はR-1011(メルク社製)を用いた。
(バリア層の付設)
有機−無機ハイブリッド層の作製ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2N塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液を前記調光材料の支持体上にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、調光材料に膜厚約1μmの有機−無機ハイブリッド層を形成した。
有機−無機ハイブリッド層の作製ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2N塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液を前記調光材料の支持体上にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、調光材料に膜厚約1μmの有機−無機ハイブリッド層を形成した。
(紫外線吸収層の付設)
水42g、シラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名R2105)40g、紫外線フィルター用カプセル液13.5gを混合した後、50質量%の2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの水溶液17g、20質量%のコロイダルシリカ分散液(日産化学社製:商品名スノーテックス0)65g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学社製:ネオスコアCM57)2.5gとポリエチレングリコールドデシルエーテル(花王社製:エマルゲン109P)2.5gを混合し、紫外線フィルター層用塗布液を得た。
水42g、シラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名R2105)40g、紫外線フィルター用カプセル液13.5gを混合した後、50質量%の2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの水溶液17g、20質量%のコロイダルシリカ分散液(日産化学社製:商品名スノーテックス0)65g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学社製:ネオスコアCM57)2.5gとポリエチレングリコールドデシルエーテル(花王社製:エマルゲン109P)2.5gを混合し、紫外線フィルター層用塗布液を得た。
次いで、得られた塗布液を前記調光材料のバリア層上にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、調光材料に膜厚約1μmの紫外線吸収層を形成した。
ついで、実施例1と同様の操作により試料G,H,Iの調光材料を作製した。本発明の調光材料は電圧を印加しない場合、近赤外域の光が透過状態であり、電圧印加により吸収状態へ変化した。
(表示性能の評価)
得られた試料G,H,Iの調光材料を実施例2と同様に評価したところ、近赤外域の光に対してコントラスト比の高い調光が可能であることが確認された。結果を表3に示す。
また、同様に、比較試料Yを作製し、評価した結果もあわせて示す。
得られた試料G,H,Iの調光材料を実施例2と同様に評価したところ、近赤外域の光に対してコントラスト比の高い調光が可能であることが確認された。結果を表3に示す。
また、同様に、比較試料Yを作製し、評価した結果もあわせて示す。
[実施例4]
<調光材料の調製>
(調光材料の調製)
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた水平配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
ホスト液晶(ネマチック液晶:ZLI-1132)1.0g中に、下表4に示した可視域に吸収を有する3種の二色性色素、一般式(1)で表される二色性色素(2)とカイラル剤No.14を加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。このときの、可視域に吸収を有する3種の二色性色素の総計と、一般式(1)で表される二色性色素(2)との配合比率は、30モル%:70モル%であった。
<調光材料の調製>
(調光材料の調製)
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた水平配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
ホスト液晶(ネマチック液晶:ZLI-1132)1.0g中に、下表4に示した可視域に吸収を有する3種の二色性色素、一般式(1)で表される二色性色素(2)とカイラル剤No.14を加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。このときの、可視域に吸収を有する3種の二色性色素の総計と、一般式(1)で表される二色性色素(2)との配合比率は、30モル%:70モル%であった。
各々の二色性色素(一般式(1)で表される二色性色素、可視域に吸収を有する二色性色素)の添加量は、各々の二色性色素を含有する液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における透過率が20%となるように調整した。
また、カイラル剤の添加量は8μmセルに注入した場合におけるらせん角度が360°となるように調整した。具体的には、ネマチック液晶(ZLI-1132)100質量%に対してカイラル剤No.14が0.42質量%となるように添加した。
得られた液晶組成物に8μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するようにはさんで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて封止し、試料Jを作製した。
得られた試料Jの調光材料は、電圧無印加時に着色状態であった。いずれの表示素子ともに信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(±20V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は透明状態となった。
(光耐久性の評価)
本発明の調光材料に、Xeランプ(18万ルクス)を照射(1000時間)した際の、吸収スペクトル変化を測定した。
なお、比較として、一般式(1)で表される二色性色素(2)を添加しない比較用サンプルを調整し、比較評価を行った。
その結果を表5に示す。表5の結果より、試料Jの調光材料は光耐久性に優れていることが確認された。
本発明の調光材料に、Xeランプ(18万ルクス)を照射(1000時間)した際の、吸収スペクトル変化を測定した。
なお、比較として、一般式(1)で表される二色性色素(2)を添加しない比較用サンプルを調整し、比較評価を行った。
その結果を表5に示す。表5の結果より、試料Jの調光材料は光耐久性に優れていることが確認された。
Claims (6)
- 前記一般式(1)におけるR1及びR2が、各々独立に、オルト位にアルキル基を有するアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
- 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
- 更に、可視域に吸収を有する二色性色素を1種以上含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
- 前記可視域に吸収を有する二色性色素が、アントラキノン色素であることを特徴とする請求項4に記載の液晶組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶組成物を1種以上含むことを特徴とする調光材料。
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