JP2009108295A - 液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料 - Google Patents

液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】3種以上の色素の併用でも液晶溶解性が高く、高いオーダーパラメーター及び高耐光性を示す液晶組成物、該液晶組成物を用いた液晶素子、反射型表示材料及び調光材料を提供する。
【解決手段】液晶と3種以上のアントラキノン色素とを含有する液晶組成物である。前記アントラキノン色素のうち2種以上のアントラキノン色素が一般式(I)で表され、T1はアリーレン基又はヘテロアリーレン基、および他の特定の置換基を有する。
Figure 2009108295

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料に関し、特にゲスト−ホスト方式に好適に利用できる液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料に関する。
ゲスト−ホスト方式の液晶素子は、二色性色素を液晶中に溶解させ、電場による液晶の動きに合わせた二色性色素の配向変化に基づき、吸光状態を変化させて画像を表示するため、応答速度が速く、かつコントラスト比に優れた液晶素子として期待されている。
ゲストホスト方式については、各種文献に記載がある(例えば、非特許文献1参照。)。ゲスト−ホスト方式の液晶素子に用いられる二色性色素には、適切な吸収特性、高いオーダーパラメーター、高いホスト液晶に対する溶解性が要求されており、アゾ色素、アントラキノン色素などが報告されているが、熱及び光に対する耐久性の観点から、特にアントラキノン色素が多く研究されている。
しかしながら、アントラキノン色素はモル吸光係数が小さいため、着色濃度を増やすためには、極めて多くの色素を液晶に溶解させる必要があり、ホスト液晶に対する高い溶解性が求められていた。これらを改善するために、シクロヘキサン環を含み、ホスト液晶と類似構造の置換基を二色性色素に備えることで溶解性を改良する方法が報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、色純度の高い黒色とするには、少なくとも3種以上の波長の異なる色素を混合する必要があり、更に、色素の吸収極大波長及び吸収波形を制御しなければならないため、色素構造上の制約が大きい。そのため、単色ではオーダーパラメーター、耐光性及び液晶に対する溶解性を満たしていても、複数種混合した場合に、これらを満たすものはほとんど存在しなかった(例えば、特許文献3及び4参照)。
特開昭58−57488号公報 特開2003−113378号公報 特開2000−336366号公報 特開昭62−277471号公報 B. Bahadur著、D. Demus, J. Goodby, G. W. Gray, H. W. Spiess,V. Vill編、Handbook of Liquid Crystals, Vol. 2A, Wiley-VCH社、1998年、第3.4章、第257〜302頁
本発明の目的は、3種以上の色素を併用しても、液晶溶解性が高く、高いオーダーパラメーター及び高い耐光性を示す液晶組成物の提供にある。
また、高い耐光性及び高コントラストを示す液晶素子、反射型表示材料及び調光材料の提供にある。
一般的に、溶解性を高める目的で立体障害を生じる置換基を導入すると、オーダーパラメーターの低下を招くことが知られている。
しかし、本発明者は鋭意検討した結果、特定の置換基を有する複数種の色素を混合することで、オーダーパラメーターが向上するという予期せぬ効果が得られるとの知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 液晶と、3種以上のアントラキノン色素と、を含有し、
前記アントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素が、下記一般式(I)で表される置換基を有することを特徴とする液晶組成物である。
Figure 2009108295

一般式(I)中、R25及びR26は、各々独立にアルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し、R27は、アルキル基、アシル基又はアルコキシ基を表し、R28及びR29は、各々独立に水素原子または置換基を表し、Tは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を表す。mは0〜2の整数を表し、iは0又は1を表す。但し、iが1で、Zが酸素原子又は硫黄原子のときには、R27はアルコキシ基ではなく、iが1で、Zがカルボニル基のときには、R27はアシル基ではない。*は結合位置を表す。
[2] 4種以上のアントラキノン色素を含有し、
前記4種以上のアントラキノン色素は、下記色素群A〜Dの各群から各々少なくとも1種が選択されたものであり、
前記4種以上のアントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素が、前記一般式(I)で表される置換基を有することを特徴とする前記[1]に記載の液晶組成物である。
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

一般式(II)〜(XI)中、R〜R、R〜R12、R14〜R16、R19、R23及びR24は、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R18及びR20は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R13及びR17は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R、R21及びR22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。ここで、R〜R12、R14〜R16及びR18〜R24で表されるアリール基又はヘテロアリール基、並びにR13及びR17のアリール基は更に置換基を有して、前記一般式(I)で表される置換基または液晶性基であってもよい。
[3] 前記一般式(II)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
前記一般式(III)、(IV)及び(V)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
前記一般式(VI)及び(VII)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも
1種のアントラキノン色素と、
前記一般式(IX)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
を含有することを特徴とする前記[2]に記載の液晶組成物である。
[4] 前記一般式(II)、(III)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素
を含有することを特徴とする前記[2]又は[3]に記載の液晶組成物である。
[5] 前記一般式(II)、(IV)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素を含有することを特徴とする前記[2]又は[3]に記載の液晶組成物である。
[6] 前記一般式(II)、(V)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素を
含有することを特徴とする前記[2]又は[3]に記載の液晶組成物である。
[7] 前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を3種以上含むことを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶組成物である。
[8] 前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を4種以上含むことを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶組成物である。
[9] 黒色を呈することを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の液晶組成物である。
[10] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、
前記電極間に、前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、
を有することを特徴とする液晶素子である。
[11] 前記液晶層が、前記液晶組成物が高分子媒体中に分散された高分子媒体層であることを特徴とする前記[10]に記載の液晶素子である。
[12] 前記高分子媒体が、ゼラチン又はポリビニルアルコールであることを特徴とする前記[11]に記載の液晶素子である。
[13] 前記液晶層が、マイクロカプセルに包含された前記液晶組成物を含有してなることを特徴とする前記[10]に記載の液晶素子である。
[14] 前記[10]〜[13]のいずれか1項に記載の液晶素子を備える反射型表示材料である。
[15] 前記[10]〜[13]のいずれか1項に記載の液晶素子を備える調光材料である。
本発明によれば、3種以上の色素を併用しても、液晶溶解性が高く、高いオーダーパラメーター及び高い耐光性を示す液晶組成物を提供できる。
また、高い耐光性及び高コントラストを示す液晶素子、反射型表示材料及び調光材料を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明の液晶組成物は、下記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を2種以上含み、好ましくは3種以上、より好ましくは4種以上含む。本発明の液晶組成物は、その他の添加物を含んでいてもよい。
以下では、まず一般式(I)で表される置換基について説明し、次に本発明にかかるアントラキノン色素を説明する。
<一般式(I)で表される置換基>
本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を2種以上含有する。
Figure 2009108295

一般式(I)中、R25及びR26は、各々独立にアルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し、R27は、アルキル基、アシル基又はアルコキシ基を表し、R28及びR29は、各々独立に水素原子または置換基を表し、Tは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を表す。mは0〜2の整数を表し、iは0又は1を表す。但し、iが1で、Zが酸素原子又は硫黄原子のときには、R27はアルコキシ基ではなく、iが1で、Zがカルボニル基のときには、R27はアシル基ではない。*は結合位置を表す。
一般式(I)で表される置換基はクロモフォア(色素母核)から適切な距離に嵩高さをもたらし、一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素は立体障害を生じる。このようなアントラキノン色素を2種類以上併用することにより、飛躍的に溶解性が向上し、その結果、固形分濃度が増加することでホスト液晶の秩序度が向上し、オーダーパラメーターが向上するものと思われる。しかしながら、このような効果を奏させるメカニズムについては明らかでなく、このような推測によって本発明は限定されない。
特に、一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を3種類以上或いは4種類以上併用して黒色を呈する液晶組成物にする場合、特定のクロモフォア(色素母核)に対する一般式(I)で表される置換基の割合が増加し、効果的に色素間の会合を抑制するようになるため、色素濃度を高くしても色素の吸収最大波長及び吸収波形の変化が小さく、色相制御が容易になるという利点を有する。このような3種又はそれ以上の色素を併用したときの効果は、2種の色素を併用したときとは異なる挙動によるものである。
ここで、「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率の差が20%以下であることを指し、好ましくは15%以下であることをさし、特に好ましくは10%以下であることを指す。ゲストホスト表示素子においては、着色時の透過率を指す。
一般式(I)におけるR25及びR26は、各々独立に、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基を表す。
25及びR26で表されるアルキル基としては、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチルである。
25及びR26で表されるハロゲン原子として好ましくは、各々独立に、フッ素原子、塩素原子を挙げることができる。
25及びR26で表されるアルコキシ基としては、各々独立に、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、n−プロピロキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基である。
一般式(I)におけるR27は、アルキル基、アシル基又はアルコキシ基を表す。
27で表されるアルキル基としては、炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基である。
27で表されるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。環状アルキル基としては、シクロヘキシル基であることがオーダーパラメーターを高くする観点から好ましく、トランス型のシクロヘキシル基であることが直線性を高くし、オーダーパラメーターを高くする観点からより好ましい。また、シクロヘキシル基は、1,4−位に結合位置を有することが分子全体の直線性を高くすることによるオーダーパラメーター向上の観点から好適である。
27で表されるアルキル基の具体例としては、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、4−ヒドロキシブチル基、4−ペンチルシクロヘキシルメチル基、4’−ブチルビシクロヘキシル−4−メチル基、エトキシカルボニルメチルを挙げることができる。
27で表されるアシル基としては、炭素数2〜25のアシル基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜21、更に好ましくは炭素数4〜19のアシル基である。
27で表されるアシル基の具体例としては、例えば、n−ブチリル基、n−ペンタノイル基、n−ヘキサノイル基、4−ペンチルシクロヘキサンカルボニル基、4‘−ブチルビシクロヘキシル−4−カルボニル基を挙げることができる。
27で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜24のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数3〜18のアルコキシ基である。(例えば、n−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基、ベンジルオキシ基、4−ペンチルシクロヘキシルオキシ基、4’−ブチルビシクロヘキシル−4−オキシ基)である。
一般式(I)におけるR28及びR29は、各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基としては、下記の置換基群Vで表される置換基を挙げることができる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル基)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えば、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基)、
炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えば、スクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、さらに好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、さらに好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば、2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6のヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基)。
これら置換基群Vは、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造を形成することができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
一般式(I)におけるTは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。
で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基及びナフチレン基である。
で表されるアリーレン基がフェニレン基の場合、結合位置が1,4−位であることが直線性を高くすることによるオーダーパラメーター向上の観点から好ましい。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していても、無置換であってもよい。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子であり、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
で表されるアリーレン基の具体例としては、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が挙げられる。
一般式(I)のTで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。
好ましいヘテロアリーレン基の具体例には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基が含まれる。
で表されるヘテロアリーレン基は置換基を有していても、無置換であってもよい。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができる。
一般式(I)におけるZは、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を表す。
一般式(I)におけるmは、0〜2の整数を表し、好ましくは、0又は1である。
一般式(I)におけるiは、0又は1を表す。
ここで、iが1で、Zが酸素原子又は硫黄原子のときには、R27はアルコキシ基ではなく、iが1で、Zがカルボニル基のときには、R27はアシル基ではない。
一般式(I)における*は、アントラキノン色素の母核に直接あるいは母核に結合したヘテロ原子(N,S)あるいは母核に連結した連結基(エステル)との結合位置を表す。例えば、後述する一般式(II)〜(XI)におけるR〜R24で表される置換基が結合している原子との結合位置を表す。
一般式(I)で表される置換基は、全体で2個以上の環を有していることが、置換基の直線性を高くする事によるオーダーパラメーター向上の観点から好ましく、3個以上の場合には、直線性が更に向上する点で更に好適である。
以下に、一般式(I)で表す置換基の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記において、*はアントラキノン色素の母核に直接あるいは母核に結合したヘテロ原子(N,S)あるいは母核に連結した連結基(エステル)との結合位置を表す。
Figure 2009108295

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Figure 2009108295

<アントラキノン色素>
本発明の液晶組成物は3種以上のアントラキノン色素を含有し、このアントラキノン色素のうち少なくとも2種のアントラキノン色素が、前記一般式(I)で表される置換基を有する。好ましくは、前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を3種類以上含有する場合であり、より好ましくは4種類以上含有する場合である。前記一般式(I)で表される置換基を有していれば、アントラキノン色素の母核は特に限定されない。
好ましくは、下記色素群A〜Dの各群からそれぞれ少なくとも1種のアントラキノン色素を選択して、この選択された少なくとも4種のアントラキノン色素を含有することが好ましい。但し、この少なくとも4種のアントラキノン色素のうち、少なくとも2種類のアントラキノン色素は、前記一般式(I)で表される置換基を有する。
Figure 2009108295
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

一般式(II)〜(XI)中、R〜R、R〜R12、R14〜R16、R19、R23及びR24は、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R18及びR20は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R13及びR17は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R、R21及びR22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。
ここで、R〜R12、R14〜R16及びR18〜R24で表されるアリール基又はヘテロアリール基、並びにR13及びR17のアリール基は更に置換基を有して、前記一般式(I)で表される置換基または液晶性基となっていてもよい。
好ましくは、R〜R12、R14〜R16及びR18〜R24で表されるアリール基又はヘテロアリール基、並びにR13及びR17のアリール基は、前記一般式(I)で表される置換基または液晶性基となる場合であり、より好ましくは、前記一般式(I)で表される置換基となる場合である。
なお、前記液晶性基とは、シクロヘキサン、ベンゼン環などの環状構造を2個以上有する置換基のことをさし、液晶性を示す化合物と類似の骨格を有するものを意味する。液晶性を示す化合物としては、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物があげられ、その具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第154〜192頁ならびに第715〜722頁に詳しい。具体的な液晶性基の構造については後述する。
以下では、一般式(II)〜(XI)について個々に説明する。
<<一般式(II)>>
Figure 2009108295

色素群Aの一般式(II)中、R及びRは、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。
及びRで表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。これらは置換基を有していても、無置換であってもよい。R及びRで表されるアリール基の置換基としては、前記の置換基群Vが挙げられる。
及びRで表されるヘテロアリール基としては、好ましくは炭素数2〜18、より好ましくは炭素数2〜12のヘテロアリール基、例えば、ピリジル、キノリニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル及びチアジアゾリルが挙げられる。これらは置換基を有していても、無置換であってもよい。R及びRで表されるヘテロアリール基の置換基としては、前記の置換基群Vが挙げられる。
及びRで表されるアリール基及びヘテロアリール基は、置換基を有して、一般式(I)で表される置換基または液晶性基であることが好ましく、一般式(I)で表される置換基であることがより好ましい。
一般式(II)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R及びRの両方が一般式(I)で表される置換基であっても、一方が一般式(I)で表される置換基であってもよいが、一方が一般式(I)で表される置換基であることが好ましい。
及びRで表されるアリール基が、一般式(I)で表される置換基ではない場合、R及びRで表されるアリール基は、パラ位またはメタ位に置換基を有するフェニル基であることが好ましい。該置換基としては、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子)、アリール基又はアルキル基が好ましい。より好ましいアルキル基としては、炭素数3〜10であり、具体的には、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などを挙げることができる。
また、R及びRで表されるアリール基が、一般式(I)で表される置換基ではない場合、更に置換されて、環を2つ以上有する構造となっていることが、ホスト液晶類似構造とすることによる、溶解性向上およびオーダーパラメーター向上の観点から好ましく、より好ましくは液晶性基となっている場合である。液晶性基として具体的には、以下の構造を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
Figure 2009108295

上記構造式中、R30〜R36は、アルキル基であることが好ましく、炭素数3〜14のアルキル基であることがより好ましい。
及びRで表されるアリール基が、一般式(I)で表される置換基でも液晶性基でもない場合、p−t−ブチルフェニル、p−シアノフェニル、p−フルオロフェニル、m−クロロフェニル、p−アルキルフェニル、p−アルコキシフェニルであることが好ましい。
一般式(II)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(III)>>
Figure 2009108295

色素群Bの一般式(III)中、Rは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。R
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。
及びRで表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜24、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基であり、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ヒドロキシブチル基、4−ペンチルシクロヘキシルメチル基、4’−ブチルビシクロヘキシル−4−メチル基、エトキシカルボニルメチル、4−(4−ブチルシクロヘキシロキシカルボニル)−シクロヘキシル基)である。
で表されるアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1〜24、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数3〜18のアルコキシ基であり、例えば、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、4−ペンチルシクロヘキシルメチルオキシ基、4’−ブチルビシクロヘキシル−4−メチルオキシ基、エトキシカルボニルメチルオキシ、4−(4−ブチルシクロヘキシロキシカルボニル)−シクロヘキシルオキシ基)である。これらは更に置換基を有していても、無置換であってもよい。
で表されるアリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数7〜25のアリールオキシ基であり、例えば、p−ブチルフェノキシ基、p−ペンチルオキシフェノキシ基、p−フルオロフェノキシ基、4−(2−ヘキシロキシエトキシ)−3−メチルフェノキシ基、m−クロロフェノキシ基が挙げられる。これらは更に置換基を有していても、無置換であってもよい。
一般式(III)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、
前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
一般式(III)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有す
る場合、R及びRの一方が一般式(I)で表される置換基であっても、両者が一般式(I)で表される置換基であってもよい。
<<一般式(IV)>>
Figure 2009108295

色素群Bの一般式(IV)中、R15及びR16は各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。
15及びR16で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけ
るR又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(IV)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R15及びR16の一方が一般式(I)で表される置換基であっても、両者が一般式(I)で表される置換基であってもよい。好ましくは、R15及びR16の一方が一般式(I)で表される置換基である。
一般式(IV)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(V)>>
Figure 2009108295

色素群Bの一般式(V)中、R11及びR12は各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。
11及びR12で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけ
るR又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(V)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R11及びR12の一方が一般式(I)で表される置換基であっても、両者が一般式(I)で表される置換基であってもよい。好ましくは、R12が一般式(I)で表される置換基の場合である。
一般式(V)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(VI)>>
Figure 2009108295

色素群Cの一般式(VI)中、R及びRは各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。
及びRで表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR
又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(VI)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R及びRの一方が一般式(I)で表される置換基であっても、両者が一般式(I)で表される置換基であってもよい。
一般式(VI)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(VII)>>
Figure 2009108295

色素群Cの一般式(VII)中、R23及びR24は各々独立にアリール基又はヘテロア
リール基を表す。
23及びR24で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(VII)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有す
る場合、R23及びR24の一方が一般式(I)で表される置換基であっても、両者が一般式(I)で表される置換基であってもよい。
一般式(VII)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、
前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(VIII)>>
Figure 2009108295

色素群Cの一般式(VIII)中、R13は、アルキル基又はアリール基を表し、R14は、アリール基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。
13で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜24、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基である。R13で表されるアルキル基は、置換基を有していても、無置換であってもよい。該置換基としては、前記置換基群Vが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
13で表されるアルキル基は、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、4−ヒドロキシブチル基、4−ペンチルシクロヘキシルメチル基、4’−ブチルビシクロヘキシル−4−メチル基、エトキシカルボニルメチル、4−(4−ブチルシクロヘキシロキシカルボニル)−シクロヘキシル基である。
13で表されるアリール基としては、一般式(II)におけるR又はRで説明した
アリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
14で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又は
で説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(VIII)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(IX)>>
Figure 2009108295

色素群Dの一般式(IX)中、R、R、R及びR10は各々独立にアリール基又はヘテロアリール基を表す。
、R、R及びR10で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又はRで説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義で
あり、好適な範囲についても同様である。
一般式(IX)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R、R、R及びR10のいずれもが一般式(I)で表される置換基になり得る。好ましくは、R、R、R及びR10のうち1〜4個が一般式(I)で表される置換基の場合であり、2個又は4個の場合がより好ましい。
一般式(IX)で表されるアントラキノン色素が2個の一般式(I)で表される置換基を有する場合、RとRの組み合わせ、RとR10の組み合わせ、RとR10(或いはRとR、いずれであっても同義)の組み合わせのいずれであってもよい。
一般式(IX)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<<一般式(X)>>
Figure 2009108295

色素群Dの一般式(X)中、R19はアリール基又はヘテロアリール基を表す。
19で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又は
で説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
20は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、好ましくは、アリール基又はヘテロアリール基である。
20で表されるアリール基及びヘテロアリール基は、一般式(II)におけるR又は
で説明したアリール基及びヘテロアリール基とそれぞれ同義であり、好適な範囲についても同様である。
20で表されるアルキル基は、一般式(III)におけるRで説明したアルキル基と同義であり、好適な範囲についても同様である。
一般式(X)中、R21及びR22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はヘテロアリール基を表す。
21及びR22は、一般式(III)で説明したRと同義であり、好ましい範囲につ
いても同様である。
一般式(X)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
一般式(X)で表されるアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有する場合、R19、R20、R21及びR22のアリール基又はヘテロアリール基が更に置換基を有して一般式(I)で表される置換基になり得る。好ましくは、R19、R20、R21及びR22のうち0〜3個が一般式(I)で表される置換基の場合である。
<<一般式(XI)>>
Figure 2009108295

一般式(XI)中、R17は、アルキル基又はアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。
17は、一般式(VIII)で説明したR13と同義であり、好ましい範囲についても同様である。
18は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
18は、一般式(X)で説明したR20と同義であり、好ましい範囲についても同様である。
一般式(XI)中、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前記置換基群Vで表される置換基を挙げることができ、好ましい置換基も同様である。
<色素の組み合わせ>
本発明の液晶組成物は、3種以上のアントラキノン色素からなり、そのうち前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を少なくとも2種含有すればよく、このアントラキノン色素が前記一般式(II)〜(XI)で表されるアントラキノン骨格を有するものであってもよい。したがって、前記色素群A〜Dに関係なく、前記一般式(II)〜(XI)で表されるアントラキノン色素のうち少なくとも3種を選択し、この選択した中で少なくとも2種のアントラキノン色素が一般式(I)で表される置換基を有していてもよい。
つまり、
a)R、R: 一般式(II)
b)R、R: 一般式(III)
c)R15、R16: 一般式(IV)
d)R11、R12: 一般式(V)
e)R、R: 一般式(VI)
f)R23、R24: 一般式(VII)
g)R13、R14: 一般式(VIII)
h)R〜R10: 一般式(IX)
i)R19〜R22: 一般式(X)
j)R17、R18: 一般式(XI)
からなる群のうち、少なくとも2つ以上の群、より好ましくは3つ以上の群が、少なくとも1つ以上の前記一般式(I)で表される置換基を含む場合が好ましい。
より好適には、前記色素群A(一般式(II)で表されるアントラキノン色素)から少なくとも1種、前記色素群B(一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V))で表されるアントラキノン色素)から少なくとも1種、前記色素群C(一般式(VI)、一般式(VII)、一般式(VIII))で表されるアントラキノン色素)から少なくとも1種、及び前記色素群D(一般式(IX)、一般式(X)、一般式(XI))で表されるアントラキノン色素)から少なくとも1種を選択し、この選択された少なくとも4種のアントラキノン色素を含有することが、ホスト液晶に対する溶解性およびオーダーパラメーター向上効果の観点から好ましい。
なお、色素群Aは、構造的にイエロー領域に主吸収を有するという特徴を有するアントラキノン色素である。色素群Bは、構造的にレッド領域に主吸収を有するという特徴を有するアントラキノン色素である。色素群Cは、構造的にバイオレット領域に主吸収を有するという特徴を有するアントラキノン色素である。色素群Dは、構造的にシアン領域に主吸収を有するという特徴を有するアントラキノン色素である。
これらの色素群から少なくとも1種ずつ選択し、それらを併用することで、特定のクロモフォアに対する一般式(I)で表される置換基の割合が増加し、色素会合が抑制された結果、色相変化が生じず、かつホスト液晶に対する溶解性およびオーダーパラメーターが向上するという機能が奏されるものと推測されるが、このメカニズムは明らかではなく、本発明は上記推測によって限定されない。
但し、各色素群A〜Dから選択された4種以上のアントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素は、前記一般式(I)で表される置換基を有し、好ましくは3種のアントラキノン色素、より好ましくは4種のアントラキノン色素が前記一般式(I)で表される置換基を有する。
更に好適には、前記一般式(II)で表されるアントラキノン色素のうち少なくとも1種と、前記一般式(III)及び(IV)及び(V)で表されるアントラキノン色素のうち少なくとも1種と、前記一般式(VI)及び(VII)で表されるアントラキノン色素のうち少なくとも1種と、前記一般式(IX)で表されるアントラキノン色素のうち少なくとも1種と、を含有する液晶組成物である。
この組み合わせによれば、効果的な色素励起状態の失活が生じるという機能が奏されると推測され、光堅牢性の観点で優れる。
但し、この場合もこれら4種以上のアントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素は、前記一般式(I)で表される置換基を有し、好ましくは3種のアントラキノン色素、より好ましくは4種のアントラキノン色素が前記一般式(I)で表される置換基を有する。
特に好適には、前記一般式(II)、(III)、(VI)及び(IX)の組み合わせ、(II)
、(IV)、(VI)及び(IX)の組み合わせ、または(II)、(V)、(VI)及び(IX)
の組み合わせでアントラキノン色素を含有する液晶組成物である。この組み合わせによれば、より光堅牢性、ホスト液晶に対する溶解性、オーダーパラメーターが高くなるという機能が奏されると推測される。
以下に、本発明に使用可能な色素群の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(色素群A)
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

(色素群B)
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295
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(色素群C)
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

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Figure 2009108295
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(色素群D)
Figure 2009108295

Figure 2009108295

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Figure 2009108295
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(その他)
Figure 2009108295
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前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素は、公知の合成方法により合成できる。公知の合成方法は、例えばAlexander V. Ivashchenko, DICHROIC DYES for LIQUID CRYSTAL DISPLAYS(CRC Press)、特開2003-192664に記載があり、上記具体例化合物(A-1)〜(E-4)もこれらの文献を参考に合成できる。
<液晶組成物>
本発明の液晶組成物は、液晶と、前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素の少なくとも2種と、を含有する。前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素は、液晶(以下「ホスト液晶」と称する場合がある)に溶解して、いわゆる二色性色素として機能する。本発明にかかる液晶組成物に使用可能な液晶は、電界の作用により、その配向状態を変化させ、二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
ホスト液晶への二色性色素(本発明にかかるアントラキノン色素を含む)の溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用することができる。その他、本発明の液晶組成物の調製については、公知の方法を採用することができる。
本発明の液晶組成物に用いられるホスト液晶は、前述のアントラキノン色素と共存しうるものであれば特に制限はないが、たとえば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。
本発明にかかる液晶は、ネマチック相を示す液晶化合物が好ましい。ネマチック相を示す液晶化合物とは、25℃においてネマチック相を示す液晶をいう。
ネマチック液晶を適用すると、コレステリック液晶やスメクチック液晶に比べて、配列状態の変化に必要な電圧が低くなる。さらに、カイラル剤と組み合わせた場合に螺旋構造を形成しやすく、表示性能が向上するという利点がある。
液晶の誘電率異方性(Δε)は、大きくなるほどしきい値電圧が小さくなるため、消費電力の削減に好適である。したがって、好ましい誘電率異方性(Δε)は10以上であり、より好ましくは20以上である。
ここでいう誘電率異方性(Δε)とは、液晶分子の長軸方向の誘電率(ε‖)と液晶分子の短軸方向の誘電率(ε⊥)との差として定義される。
Δε = ε‖ − ε⊥
本発明に用いるネマチック液晶の屈折率異方性(Δn)は、大きいものが好ましい。ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではネマチック液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、表示性能が向上するためである。
ここでいう屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として定義される。
Δn = n‖ − n⊥
現実的な屈折率異方性(Δn)の範囲としては、0.05以上0.4以下程度であり、液晶の耐久性を考慮すれば、屈折率異方性(Δn)は0.8以上0.25以下程度である。
ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フェニルシクロヘキサン、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
例えば、Merck社の液晶Merck社の液晶(E7、E100、ZLI−1132、1565、3700、3926、4792、MLC−6067−000、6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、6481、6486、6492、6499、6629、6633、6657−000、6828、6844−000、6848−000、6873−000、6873−100、6893−000、6893−100、7001、7003、7018、7020、7021−000、7021−100、7022−000、7022−100、7023、7700、7800、9000−000、9300−000、12000−000、13800−000、13800−100、13900−000、13900−100、15900−000、15900−100、16000−000、16000−100、114000−000、114000−100、116000−000、116000−100など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、旭電化社の液晶(HA−11757、CA−32150など)が挙げられる。
本発明にかかる液晶組成物において、屈折率異方性(Δn)を上げて散乱を強くし、または粘度を高めて散乱状態を維持しやすくするなどの観点では、4つの環を有する液晶性化合物(4環性液晶)を用いることが好ましい。更に、4つの環を有する液晶性化合物では、液晶性を示す転移温度が高くなる。
4つの環を有する液晶性化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好適である。
一般式(1): T−D−(L−D−(L−D−(L−D−T
一般式(1)中、D〜Dは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。L〜Lは2価の連結基を表す。Tは、アルキル基、アルコキシ基を表す。Tは、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキル基を表す。a〜cは各々独立に0〜3の整数を表す。
〜Dで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基及びナフタレン基であり、例えば、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が挙げられる。
〜Dで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基が含まれる。
〜Dで表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜12の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、デカヒドロナフタレンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基である。
〜Dは、各々独立に、同一の置換基を有していても、異なる置換基を有していても、或いは、無置換であってもよい。
これらの置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造となることもできる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vの中でも、D〜Dの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基の置換基として好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基である。
一般式(1)中、L〜Lは2価の連結基を表す。好ましくは、アルカンジイル基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基(−COO−,−OCO−)、カルボニル基、アゾメチン基(−C=N−,−N=C−)、アゾ基、アゾキシ基、アルキレンオキシ基であり、より好ましくは、エステル基、アゾメチン基である。
一般式(1)中、Tは、アルキル基、アルコキシ基を表す。Tとして好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜10のアルキル基(例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基などをあげることができる);炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基などをあげることができる)である。
一般式(1)中のTで表される置換基は、更に置換基を有していてもいなくてもよく、このような置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
一般式(1)中、Tは、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキル基を表し、Tとして好ましくは、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子である。
一般式(1)中のTで表される置換基は、更に置換基を有していてもいなくてもよく、このような置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
一般式(1)中、a〜cは各々独立に0〜3の整数を表し、好ましくは0又は1である。
以下に、本発明で適用し得るネマチック液晶化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2009108295

上記具体例化合物中、R、R’は任意の官能基を表し、好ましくはそれぞれT及びTを表す。
Figure 2009108295

上記具体例化合物中、R、R’は任意の官能基を表し、好ましくはそれぞれT及びTを表す。
4つの環を有する液晶性化合物の具体例としては、例えば、NKV-3-159-3、NKV-3-162-3、NKV-3-162−4、NKV-3-162−5(関東化学製)などを挙げることができる。
また、垂直配向膜を用いても着色散乱状態を長く維持できる液晶としては、シアノ基を有する液晶化合物(シアノビフェニル等)に4環性液晶化合物を混合するなどが好ましい。
本発明の液晶組成物におけるホスト液晶に対する二色性色素(本発明にかかるアントラキノン色素を含む)の比率は、分子量および吸光係数が色素によって異なるため、いかなる割合であってもよいが、液晶組成物の粘性の観点から、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましく、4〜7質量%が特に好ましい。
(添加物)
本発明の液晶組成物に、ホスト液晶の物性を変化させる目的(例えば,液晶相の温度範囲)で液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有してもよい。
本発明に使用可能なカイラル剤は、例えば「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、着色状態における光の吸収量が増加するので好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
カイラル剤の添加量は、液晶組成物中、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。30質量%よりも多い場合、可視域に選択反射を示す場合があり調光性能が低下する、あるいは、カイラル剤がホスト液晶から析出しやすくなる場合がある。
カイラル剤は複数種類使用してもよい。とくに、カイラルピッチの温度依存性が正のものと負のものとを組み合わせ使用することで、カイラルピッチの温度依存性が小さくなる場合が好ましい。
以下に本発明に用いられるカイラル剤の具体例を示す。
Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295

Figure 2009108295
本発明において、液晶の低粘性化の観点から、カイラル剤としては、カイラル剤1、カイラル剤4、カイラル剤18を用いることが好ましい。
あるいは、R−1011、S−1011、R−2011、S−2011、R−811、S−811、CB−15(メルク社製品名)、CNL−611L、CNL−617L、CNL−659R(アデカ社製品名)などの市販のカイラル剤を用いてもよい。
また、色相を制御する目的で、本発明にかかる前記アントラキノン色素以外の二色性色素を添加してもよい。液晶組成物中の全二色性色素に対する、本発明にかかる前記アントラキノン色素の占める割合は、50質量%〜100質量%であることが好ましく、65質量%〜100質量%であることが好ましい。
併用する二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、フェノキサジン色素である。
<液晶素子>
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に液晶層を有し、該液晶層に前記液晶組成物を含有する。本発明の液晶素子では、更に白色反射板、反射防止膜、輝度向上膜など、後述のような部材や材料を適宜適用することができる。
図1に、透過型液晶素子の一例を示す。本実施形態の透過型液晶素子20では、基板10の上に透明電極12を備えた1対の支持体15が、スペーサー16などによって空間を介して配置される。この空間に上述の液晶組成物18が封入される。図1では、透明電極12の液晶組成物18と接する面上に配向膜14を備えているが、配向膜14の設置は任意である。例えば、液晶組成物18が二周波駆動性の液晶であれば、配向膜14を備えなくともよい。液晶素子20の液晶の注入口は、シール剤22で封止することが好ましい。図1の透過型液晶素子では図示しないが、更に後述のような部材や材料を適宜適用することができる。
また、前記一対の基板10の一方に反射層を設けて反射型表示装置としてもよい。図2に、本発明の反射型表示装置21の一例を示す。本実施形態の反射型表示装置21では、一方の基板10上において、透明電極12とは反対の面側に反射層24を備える。反射層24の厚さは、10〜200μmが好ましく、更に好ましくは50〜200μmである。なお図2では、透明電極12の液晶組成物18と接する面上に、配向膜14を備えているが、配向膜14の設置は任意である。例えば、液晶組成物18が二周波駆動性の液晶であれば、配向膜14を備えなくともよい。
本発明の液晶素子は、1対の電極基板間に挟持させることにより構成することができる。本発明の液晶素子に用いられる電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック基板が用いられ、プラスチック基板が好ましい。本発明に用いられるプラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
プラスチック基板の厚みには、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加してもよい。
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
基板については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第218〜231頁に詳しい。
一対の基板のうち少なくとも一方の基板表面に、電極層、好ましくは透明電極層が形成される。その電極層としては、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、PEDOT−PSS、銀ナノロッド、カーボンナノチューブなどが用いられる。透明電極については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
本発明の液晶素子は液晶を配向させる目的で、液晶と基板の接する表面に配向処理を施した層を形成することが好ましい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。ポリイミド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどを用いることが好ましく、ポリイミド、シランカップリング剤を用いることが、配向能力、耐久性、絶縁性、コストの観点から好ましい。配向方法については、ラビング処理していても、していなくてもよい。配向状態に関しても、水平状態及び垂直状態いずれであってもよい。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
本発明の液晶素子は一対の基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設け、その空間に注入することができる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
−その他の部材−
その他の部材としては、例えば、バリア膜、紫外線吸収層、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、金属反射板、位相差板、配向膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア膜としては、有機ポリマー系、無機系、有機−無機の複合系いずれでもよい。有機ポリマー系としてはエチレンービニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA/PVOH)、ナイロンMXD6(NーMXD)、ナノコンポジット系ナイロンなどが挙げられる。無機系としてはシリカ、アルミナ、ニ元系などが挙げられる。その詳細は、例えば「ハイバリア材料の開発、成膜技術とバリア性の測定・評価方法」(技術情報協会、2004年)に記載されている。
本発明の調光材料において、バリア層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
紫外線吸収層としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の調光材料において、紫外線吸収層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
反射防止膜は、無機材料又は有機材料を用いて形成され、膜構成としては、単層であってもよく、又は多層であってもよい。さらにまた、無機材料の膜と有機材料の膜との多層構造であってもよい。反射防止膜は、調光材料の一面側又は両面に設けることができる。両面に設ける場合、両面の反射防止膜は、同じ構成であっても別の構成であってもよい。例えば、一方の面の反射防止膜を多層構造とし、他方の面側の反射防止膜を簡略化して単層構造とすることも可能である。また、透明電極又は支持体上に直接反射防止膜を設けることができる。
反射防止膜に用いる無機材料としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WO等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、レンズがプラスチック製のレンズであるので、低温で真空蒸着が可能なSiO、ZrO、TiO、Taが好ましい。
無機材料で形成される多層膜としては、レンズ側からZrO層とSiO層の合計光学的膜厚がλ/4、ZrO層の光学的膜厚がλ/4、最表層のSiO層の光学的膜厚がλ/4の、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に成膜する積層構造が例示される。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。最表層は、屈折率が低く、かつ反射防止膜に機械的強度を付与できることからSiOとすることが好ましい。
無機材料で反射防止膜を形成する場合、成膜方法は例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
反射防止膜に用いる有機材料としては、例えばFFP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等を挙げることができ、レンズ材料やハードコート膜(有する場合)の屈折率を考慮して選定される。成膜方法は、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
ハードコート層としては、公知の紫外線硬化もしくは電子線硬化のアクリル系もしくはエポキシ系の樹脂を用いることができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
反射層24を形成するための樹脂としては、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート等などメタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポルスルフォン、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース、又はこれらの共重合体若しくは混合物などの公知の樹脂を用いることができ、樹脂の透明性や二酸化チタンの分散性の観点から、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート等などのメタクリル樹脂とポリビニルピロリドン又はシアノエチル化セルロース(信越化学工業社製)との混合物を用いることが好ましい。
反射層24は、前記樹脂に白色顔料を混合分散して成形することが好ましい。白色顔料としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、リトポン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化珪素、三酸化アンチモン、燐酸チタニウム、酸化亜鉛、鉛白、酸化ジルコニウム等の無機顔料やポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、等の有機微粉末等を挙げることができる。
これらの顔料の中でも、二酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムの使用が好適であり、二酸化チタンが特に効果的である。二酸化チタンは、ルチル型およびアナターゼ型のいずれでもよいが、白色度を優先する場合はアナターゼ型が、また隠蔽性を優先する場合はルチル型が好ましい。白色度と鮮鋭度両方を考慮してアナターゼ型とルチル型をブレンドして用いてもよい。これらの二酸化チタンは、サルフェート法、クロライド法のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
二酸化チタンの具体例としては、JR、JRNC、JR−301、403、405、600A、605、600E、603、701、800、805、806、JA−1、C、3、4、5、MT−01、02、03、04、05、100AQ、100SA、100SAK、100SAS、100TV、100Z、100ZR、150W、500B、500H、500SA、500SAK、500SAS、500T、SMT−100SAM、100SAS、500SAM、500SAS(テイカ社製)、CR−50、50−2、57、58、58−2、60、60−2、63、67、80、85、90、90−2、93、95、97、953、Super70、PC−3、PF−690、691、711、736、737、739、740、742、R−550、580、630、670、680、780、780−2、820、830、850、855、930、980、S−305、UT771、TTO−51(A)、51(C)、55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、S−1、S−2、S−3、S−4、V−3、V−4、MPT−136、FTL−100、110、200、300(石原産業社製)、KA−10、15、20、30、KR−310、380、KV−200、STT−30EHJ、65C−S、455、485SA15、495M、495MC(チタン工業社製)、TA−100、200、300、400、500、TR−600、700、750、840、900(富士チタン工業社製)などが挙げられ、これらを単独、もしくは混合して用いてもよい。
また、樹脂への分散性を向上させるため、官能基として、アミノ基、グリシジル基、ウレイド基、イシアネート基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、スチリル基を有するシランカップリング剤などの公知の材料で処理してもよい。
上記樹脂と白色顔料との混合比率としては、質量比で90/10〜30/70(樹脂/白色顔料)が好ましく、より好ましくは80/20〜40/60、更に好ましくは70/30〜40/60である。
更に、反射層24には蛍光増白剤を含有することが好ましい。蛍光増白剤としては、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾリン系、スチレンビフェニル誘導体の蛍光増白剤を用いることができ、より好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系、ベンゾオキサゾリルスチルベン系、ベンゾオキサゾリルチオフェン系の蛍光増白剤である。
反射層24における蛍光増白剤の含有率としては、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。
反射層24は、白色顔料、更には蛍光増白剤を混合分散した樹脂溶液を塗布して形成することができる。塗布方法としては、ブレードコーター、エアドクターコーター、ロットコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、押出コーター等の公知の方法が挙げられる。詳しくは、原崎勇次著「コーティング工学」を参照できる。
前記樹脂溶液の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、トルエン、アセトニトリル、γ―ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができ、低い揮発性、高い樹脂溶解性の観点から、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N−ジメチルアセトアミドが好適である。
前記樹脂溶液の分散方法としては、振動ミル、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等を挙げることができ、顔料の高い分散性の観点から、ロールミル、ボールミル、ビーズミルがより好適である。
前記樹脂溶液を上記方法により塗布した後、溶媒を除去するために加熱、乾燥させる。加熱温度や時間は、使用する溶媒の種類や量により適宜調整する。
前記樹脂溶液は基板10に直接塗布してもよいが、樹脂溶液をフィルム(例えばPETフィルム等)に塗布し、このフィルムを基板10に貼付してもよい。
あるいは、熱可塑性樹脂と白色顔料、蛍光増白剤とをロールミル、ニーダー(エクストルーダー)で、樹脂のガラス転移点以上に加熱しながら混練し、着色樹脂を作製後、溶融キャスト法で反射層を作製してもよい。また、溶融キャストする際にはベースフィルム上に製膜してもよい。なお、本発明の反射層について、上記製造方法によらず任意の方法を用いてもよい。
あるいは、反射層として、ウルトラユポ、スーパーユポ、ニューユポ、アルファユポ(ユポ・コーポレーション社製品名)等の合成紙を用いてもよい。
また、反射率を高めるために白色顔料を含む反射層の下面に、金属箔、金属箔を接着したフィルム、金属を蒸着したフィルムなどを接着してもよい。反射層に用いる金属の具体例としては、アルミニウム、銀、銀合金、白金、クロム、ステンレス等の公知の材料を単層、もしくは積層して用いることができ、高反射率の観点からアルミニウム、銀、銀合金を用いることが好ましい。
反射層24の視感反射率(Y値)は、60%〜100%であることが 表示装置の反射率の向上の観点から好ましく、70%〜100%であることがより好ましく、80%〜90%であることが更に好ましい。視感反射率(Y値)とは、分光光度測定器を用いて鏡面反射を含まない積分球測定により標準白色板の反射率を100%としたときの反射率をいう。
また、反射層24はASTM E313で測定したときの白色度が、60〜120であることが好ましく、80〜120であることがより好ましく、90〜120であることが更に好ましい。
反射型表示装置としての視感反射率(Y値)は、10%〜100%であることが表示装置のコントラストの向上の観点から好ましく、20%〜100%であることがより好ましく、40%〜100%であることが更に好ましい。
また、反射型表示装置の前記白色度は、10〜120であることが好ましく、20〜120であることがより好ましく、30〜120であることが更に好ましい。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第387〜460頁に記載のものが用いられる。
本発明の液晶組成物を用いた液晶素子は、いかなる方式であってもよいが、例えば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第309頁に記載のゲストホスト方式に記載されている(1)ホモジニアス配向、(2)ホメオトロピック配向、White-Taylor型(相転移)として(3)フォーカルコニック配向及び(4)ホメオトロピック配向、(5)Super Twisted Nematic(STN)との組合せ、(6)強誘電性液晶(FLC)との組合せ、また、内田龍男監修、反射型カラーLCD総合技術、シーエムシー社、1999年、第2−1章(GHモード反射型カラーLCD)、第15〜16頁に記載されている、(1)Heilmeier型GHモード、(2)1/4波長板型GHモード、(3)2層型GHモード、(4)相転移型GHモード、(5)高分子分散液晶(PDLC)型GHモードなどが挙げられる。
さらに、本発明の液晶素子は特開平10−67990号公報、同10−239702号公報、同10−133223号公報、同10−339881号公報、同11−52411号公報、同11−64880号公報、特開2000−221538号公報などに記載されている積層型GHモード、特開平11−24090号公報などに記載されているマイクロカプセルを利用したGHモードに用いることができる。
さらに、特開平6−235931号公報、同6−235940号公報、同6−265859号公報、同7−56174号公報、同9−146124号公報、同9−197388号公報、同10−20346号公報、同10−31207号公報、同10−31216号公報、同10−31231号公報、同10−31232号、同10−31233号、同10−31234号、同10−82986号公報、同10−90674号公報、同10−111513号公報、同10−111523号公報、同10−123509号公報、同10−123510号公報、同10−206851号公報、同10−253993号公報、同10−268300号公報、同11−149252号公報、特開2000−2874号公報などに記載されている反射型液晶デイスプレイに用いることができる。
また、特開平5−61025号公報、同5−265053号公報、同6−3691号公報、同6−23061号公報、同5−203940号公報、同6−242423号公報、同6−289376号公報、同8−278490号公報、同9−813174号公報に記載されている高分子分散液晶型GHモードに用いることができる。
本発明の液晶組成物は、以下に説明する光学要素としても好適に利用できる。本発明における光学要素は、具体的には、円偏光発光フィルム、光学フィルム、位相差板、強誘電性フィルム、反強誘電性フィルム、及び圧電フィルム等の機能性フィルム等、並びに(円)偏光発光素子、(1次のフォトニック結晶効果に基づく)光励起あるいは電界励起によるレーザー発振素子、LCD用バックライト、非線形光学素子、電気光学素子、焦電素子、圧電素子、及び光変調素子等の機能性素子等をいう。
本発明の光学要素は、例えば、一枚の支持体、又は一対の支持体(セルなど)等に、1)本発明の化合物(又は組成物)を塗布した後架橋する方法、又は2)本発明の化合物(又は組成物)をそのまま注入する方法等により製造できる。
<用途>
本発明の液晶デバイスは、電圧を印加しない状態で着色散乱状態を維持できるため、(1)消費電力を少なくでき、環境に負荷をかけない、(2)液晶デバイスの劣化を抑えることが可能となり、長寿命化できる、という有利がある。よって、電池容量を少なくすることができ、デジタルカメラ、腕時計、携帯電話、電子音楽機器等のモバイル機器のメインディスプレイ、サブディスプレイの適用も可能である。
また、本発明の液晶デバイスは、高い調光性能を有するため、調光、セキュリテイー、車載用途、インテリア、広告、情報表示板として好適に利用することができる。
液晶デバイスは、(1)7セグメント、ドットマトリックスを用いたセグメント駆動、(2)ストライプ電極を用いたパッシブマトリックス駆動、(3)TFT素子、あるいはTFD素子を用いたアクティブマトリックス駆動などの公知の駆動方法を用いることができる。また、階調表示方法としては、パルス幅変調方式、フレーム変調方式などの公知の変調方式を用いることができ、適宜オーバードライブ駆動を組み合わせることができる。
これら液晶デバイスは、電子棚札、電子楽器、時計、電子書籍、電子辞書などのメインディスプレイ、サブディスプレイに利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明は実施例に限定されるものでない。
<実施例1>
公知の方法(例えば、Alexander V. Ivashchenko, DICHROIC DYES for LIQUID CRYSTALDISPLAYS(CRC Press)などに記載の方法)に従い、本発明にかかるアントラキノン色素A−1,A−3,B−1,B−2,B−12,B−19,C−2,C−3,C−9,C−10,C−11,D−1,D−2を合成した。なお、構造の確認は、H−NMR及びMASSを用いて行なった。
<実施例2>
(アントラキノン色素組成物の調製)
色素群A〜Dから、各々少なくとも1種以上のアントラキノン色素(計4種以上)を混合し、クロロホルムで溶解後、減圧にて溶媒を留去し、下記表1に示すアントラキノン色素組成物1〜6を調製した。
Figure 2009108295

<実施例3>
(液晶組成物の調製)
ホスト液晶ZLI−2806(E.Merck社製)100mg中に、前記アントラキノン色素組成物1〜3のいずれかを3mg又は下記比較色素組成物1を3mg溶解させ、液晶組成物を調製した。
この液晶組成物を、E.H.C.社製の液晶セルに注入し、評価セルを作製した。なお、E.H.C.社製の液晶セルは、ITO透明電極付きのガラス板0.7mmに、ラビング処理により水平配向としたポリイミド配向膜を付設した、セルギャップ25μmでエポキシ樹脂シール付きの液晶セルである。
(オーダーパラメーターの測定)
この液晶セルに、ラビング方向と平行な偏光及び垂直な偏光を各々照射し、それぞれの吸収スペクトル(A‖及びA⊥)を(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計(UV2400PC)にて測定した。極大吸収波長におけるA‖及びA⊥から、オーダーパラメーターSを下式1に従い求めた。結果を下記表2に示す。
式1:S=(A‖−A⊥)/(A‖+2・A⊥)
Figure 2009108295

Figure 2009108295

表2から明らかなように、本発明にかかるアントラキノン色素組成物1〜3は、高いオーダーパラメーターを示すことがわかる。
なお、オーダーパラメーターは、上記式1で表されるため、(A‖+2・A⊥)に対する(A‖−A⊥)の比を意味する。つまり、例えば、オーダーパラメーターが0.77及び0.79であって、その差が0.02であっても、二色比A‖/A⊥は、それぞれ11.0および12.3となって、二色比が1割以上向上することとなり、このような差異は大きな差であることを意味する。
<実施例4>
(単色色素との比較実験)
ホスト液晶MLC−7700−000又はMLC−12000−000(E.Merck社製)100mg中に、前記アントラキノン色素組成物3を1mg、又は比較として、単色色素A−3、B−2、C−3、D−1のいずれかを1mg溶解させ、液晶組成物を調製した。
また、比較として、ホスト液晶ZLI−2806(E.Merck社製)100mg中に、下記色素1および2の質量比6:1混合物を1mg、又は色素1、色素2のいずれかを1mg溶解させて、液晶組成物を調製した。
Figure 2009108295

実施例3と同様の方法に従って、オーダーパラメーターの測定を行なった。結果を下記表3及び表4に示す。なお、比較液晶組成物は色素を1種のみ含有するため、吸収極大で測定を行なった。したがって、表3及び表4中、吸収極大波長ではない波長については「−」で示した。
Figure 2009108295
Figure 2009108295

表3、4から明らかなように、アントラキノン色素を3種以上混合した本発明のアントラキノン色素組成物は、混合前の単色色素と比較して、混合することによってオーダーパラメーターが向上するという予期せぬ効果が得られた。なお、470nmのオーダーパラメーターが低下しているのは、色素D−1の負のオーダーパラメーターを示す副吸収の影響による。
また、アントラキノン色素1及び色素2の2種類を併用した場合(特開昭58-187454号公報の実施例2に類似する比較例)では、混合してもオーダーパラメーターは向上せず、3種以上の色素を併用するときに初めて本発明の効果が奏されることがわかる。
<実施例5>
(溶解度評価)
ホスト液晶ZLI−2806(E.Merck社製)100mg中に、本発明アントラキノン色素1〜3のいずれかを10mg又は前記比較色素組成物1を10mg溶解させ、液晶組成物を調製した。
前記液晶組成物を1週間経時後、実施例4と同様にして液晶セルを作製し、ラビング方向と平行な偏光及び垂直な偏光を各々照射し、それぞれの吸収スペクトル(A‖及びA⊥)を(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計(UV2400PC)にて測定し、完溶時の色素の極大吸収波長におけるA‖及びA⊥から、ホスト液晶に溶解している色素濃度を溶解度として算出した。
尚、完溶時の色素吸収は、前記色素1mgを溶解させた液晶組成物におけるのものを用い、完溶していない場合は、完溶するまで色素量を減少させたサンプルにて測定した。結果を下記表5に示す。
Figure 2009108295
表5から明らかな様に、アントラキノン色素組成物1〜3は、一般式(I)で表される置換基を有するため、有さない色素と比較して、溶解性が極めて高いことがわかる。
<実施例6>
(黒色液晶組成物及び液晶素子の作製)
ホスト液晶MLC−12000−000(E.Merck社製)93.05mg中に、前記アントラキノン色素組成物1〜4のいずれかを6.6mg、及びカイラル剤R−1011(E.Merck社製)を0.35mg溶解させ、液晶組成物1〜4を調製した。
比較として、三井東圧社製黒色色素S−435又はS−441を用いて、同様の液晶組成物5〜6を調製した。
これらの液晶組成物を、ニッポ電機社製の液晶セル(配向膜SE−130(日産化学製)、セルギャップ15μm、エポキシ樹脂シール付き)に注入し、評価セル1〜6を作製した。
(耐光性評価)
作製した液晶素子をメリーゴーランド式キセノン褪色試験器(イーグルエンジニアリング社製)にセットし、UVフィルターとしてL−37(Kenko社製)を使用して経時をおこなった。500時間経時後のサンプルの吸光度を、分光光度計UV−2400(島津製作所製)にて測定し、経時前のサンプルとの比較により、残存率を計算した。結果を下記表6に示す。
Figure 2009108295

表6から明らかなように、アントラキノン色素組成物1〜4を用いた評価セル1〜4は、極めて高い耐光性を有することがわかる。
<実施例7>
実施例6で得られた評価セル(液晶素子)1〜4は、電圧無印加時に着色状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(20V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は無色透明状態となった。
また、実施例6で得られた評価セル(液晶素子)3について、色素の極大吸収波長における着色状態と無色透明状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)を行い、着色状態と無色透明状態の透過率を測定したところ、着色状態は15%、無色透明状態は60%であった。着色状態と透明状態における透過率の比(T(透明)/T(着色時))は4であり、本発明に相当する評価セル(液晶素子)3は高いコントラスト比を示し、調光材料や電子ペーパーに好適に用いられることが確認された。
<実施例8>
実施例6で得られた液晶組成物1〜4を、PVA水溶液中で分散して、マイクロカプセルを作製し、これを透明電極付きガラスではさむことで液晶素子を作製した。電圧(50V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は無色透明状態となり、電圧を切ると着色状態になることが確認された。
<実施例9>
実施例6で得られた液晶組成物1〜4を、液晶性シロキサンポリマーと混合することでPDLCを作製し、これを透明電極付きガラスではさむことで液晶素子を作製した。電圧(50V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は無色透明状態となり、電圧を切ると着色状態になることが確認された。
<実施例10>
(アントラキノン色素組成物の調製)
アントラキノン(A−1)8.7mg、(C−9)20.9mgおよび(D−2)70.5mgを混合し、クロロホルムで溶解後、減圧にて溶媒を留去し、アントラキノン色素組成物7を調製した。
<実施例11>
(単色色素との比較実験)
ホスト液晶MLC−7700−000又はMLC−12000−000(E.Merck社製)100mg中に、前記アントラキノン色素組成物7を1mg、又は比較として、単色色素A−1、C−9、D−2のいずれかを1mg溶解させ、液晶組成物を調製した。
実施例3と同様の方法に従って、オーダーパラメーターの測定をおこなった。結果を下記表7に示す。なお、比較液晶組成物は色素を1種のみ含有するため、吸収極大で測定を行なった。したがって、表7中、吸収極大波長ではない波長については「−」で示した。
Figure 2009108295
表7から明らかなように、アントラキノン色素を3種混合した本発明のアントラキノン色素組成物は、混合前の単色色素と比較して、混合することで、オーダーパラメーターが向上するという予期せぬ効果が得られた。483nmのオーダーパラメーターが低下しているのは、色素D−2の負のオーダーパラメーターを示す副吸収の影響による。
<実施例12>
(反射表示)
(液晶組成物の作製)
ホスト液晶MLC−9300−000(E.Merck社製)93.05mg中に、前記アントラキノン色素組成物3を6.6mg、及びカイラル剤R−1011(E.Merck社製)を0.35mg溶解させ、液晶組成物8を調製した。
(反射表示用液晶素子の作製)
垂直配向膜SE−5300(日産化学製)を塗布・焼成したITOガラス基板(EHC社製)2枚の間に、セルギャップが15μmとなるようにポリスチレンスペーサー(積水化学製)を挿入したセルを作製した。このセルに前記液晶組成物8を注入し、非表示面側のガラス基板の裏面に白色散乱板(ユポ・コーポレーション社製)を設けた。
(反射率・コントラストの評価)
作製した液晶素子は、電圧無印加時に白色を呈した。この状態において、分光光度測定器(島津製作所社製、UV−3100PC)を用いて、鏡面反射を含まない積分球測定により標準白色板の反射率を100%としたときの視感反射率を測定したところ60%であった。
また、作製した液晶素子に信号発生器(テクトロクス株式会社製)を用いて、矩形交流電圧10V(周波数80Hz)を印加したところ、黒色を表示し、このときの視感反射率は10%であった。黒色呈示と白色呈示の視感反射率の比は6であり高いコントラスト比を示した。
<実施例13>
(3層積層表示)
ITO透明電極が片面に設けられたガラス基板、及び、ITO透明電極が両面に設けられたガラス基板のITO透明電極上に、垂直配向膜として可溶性ポリイミド(JALS−682−R3、JSR(株)製)を塗布し、焼成後、ラビング処理を行った。8μmのスペーサーを介して、ITO透明電極が片面に設けられたガラス基板2枚の間に、ITO透明電極が両面に設けられたガラス基板2枚を挟み、それぞれの配向膜が対向するように配置して3層の空隔を有する積層構造のセルを作製した。配向膜のラビング方向が各々の対向面において反平行となるように、基板の向きを調節した。
作製した積層構造のセルの最上層の空隔に、イエロー色素である具体例色素A−2、A−3及びA−8、2層目の空隔にシアン色素である具体例色素D−2、D−14及びE−4、最下層の空隔にマゼンタ色素である例示化合物具体例色素C−15、C−16及びC−17を、各々ホスト液晶MLC−6608(Merck社製)およびカイラル剤R−811/R−1011(E.Merck社製)=0.2質量%/0.2質量%に0.2〜1質量%溶解させたゲストホスト液晶組成物をそれぞれ真空注入法により注入した。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムにマットを付けその上に白色散乱板(ユポ・コーポレーション社製)を設け、その上に前記セルを粘着剤で貼り付け、最上部の透明基板の光入射側(画像表示側から見て最前面)の主面上に、表面反射に起因したコントラスト低下を防ぐ目的で、低反射層(3層からなる光学薄膜干渉膜)を貼設し、3層積層構造のゲスト−ホスト反射型液晶素子(GH1)を作製した。
(反射率・コントラストの評価)
実施例12と同様の方法で、視感反射率及びコントラスト比を測定したところ、白表示側(透明時)の視感反射率は50%、黒表示側(着色時)の視感反射率は5%であり、コントラスト比(白表示の視感反射率/黒表示の視感反射率)は10であった。
<実施例14>
(二周波駆動液晶組成物の作製)
実施例2のアントラキノン色素組成物3(5mg)、ホスト液晶として下記二周波駆動液晶(H−1)100mg、カイラル剤としてE.Merck社製R−811(1.1mg)の混合物を、150℃のホットプレート上で1時間加熱した後、室温にまで冷却させ1晩放置して、液晶組成物9を作製した。
Figure 2009108295
(二周波駆動液晶素子の作製)
上記で得られた液晶組成物9を、市販の液晶セル(ITO透明電極付き、ガラス板0.7mm、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付き、E.H.C.社製)に注入し、液晶素子を作製した。なお、ITO透明電極上には配向膜を付設していない。
(周波数変調時の透過率測定)
作製した液晶素子に、低周波数の矩形交流電圧(20V、100Hz)を印加し、透過率を分光光度測定器(島津製作所社製、UV−2400PC)で測定した。次に、高周波数の矩形交流電圧(20V、5kHz)を印加し、透過率を測定した。
高周波数時の透過率/低周波数時の透過率は7.5であり、印加電圧の周波数のみで、液晶をスイッチングできることが確認された。また、本発明の液晶素子は、配向膜が不要であることが確認された。
(応答速度測定)
上記の液晶素子に、高周波数の矩形交流電圧(20V、10kHz)と低周波数の矩形交流電圧(20V、100Hz)を交互に繰り返し印加し、透過率の変化をLCD評価装置(大塚電子製、LCD−5200)で測定したところ、周波数の切り替え前後の透過率差の80%に達するまでに要する時間は、20msec以下であった。このことから、本発明の液晶素子は二周波駆動することで能動的にスイッチオフできるため、応答速度が速くなることを確認した。
本発明の透過型液晶デバイスの一例を表す模式図である。 本発明の反射型液晶デバイスの一例を表す模式図である。
符号の説明
10 基板
12 透明電極
14 垂直配向膜
15 支持体
16 スペーサー
18 液晶組成物
20 透過型液晶デバイス
21 反射型液晶デバイス
22 シール剤

Claims (15)

  1. 液晶と、3種以上のアントラキノン色素と、を含有し、
    前記アントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素が、下記一般式(I)で表される置換基を有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 2009108295


    〔一般式(I)中、R25及びR26は、各々独立にアルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し、R27は、アルキル基、アシル基又はアルコキシ基を表し、R28及びR29は、各々独立に水素原子または置換基を表し、Tは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を表す。mは0〜2の整数を表し、iは0又は1を表す。但し、iが1で、Zが酸素原子又は硫黄原子のときには、R27はアルコキシ基ではなく、iが1で、Zがカルボニル基のときには、R27はアシル基ではない。*は結合位置を表す。〕
  2. 4種以上のアントラキノン色素を含有し、
    前記4種以上のアントラキノン色素は、下記色素群A〜Dの各群から各々少なくとも1種が選択されたものであり、
    前記4種以上のアントラキノン色素のうち、少なくとも2種のアントラキノン色素が、前記一般式(I)で表される置換基を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
    Figure 2009108295

    Figure 2009108295


    Figure 2009108295


    Figure 2009108295


    〔一般式(II)〜(XI)中、R〜R、R〜R12、R14〜R16、R19、R23及びR24は、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R18及びR20は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R13及びR17は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R、R21及びR22は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基又はヘテロアリール基を表し、Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。ここで、R〜R12、R14〜R16及びR18〜R24で表されるアリール基又はヘテロアリール基、並びにR13及びR17のアリール基は更に置換基を有して、前記一般式(I)で表される置換基または液晶性基であってもよい。〕
  3. 前記一般式(II)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
    前記一般式(III)、(IV)及び(V)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
    前記一般式(VI)及び(VII)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも
    1種のアントラキノン色素と、
    前記一般式(IX)で表されるアントラキノン色素から選ばれる少なくとも1種のアントラキノン色素と、
    を含有することを特徴とする請求項2に記載の液晶組成物。
  4. 前記一般式(II)、(III)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素を含有
    することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液晶組成物。
  5. 前記一般式(II)、(IV)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素を含有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液晶組成物。
  6. 前記一般式(II)、(V)、(VI)及び(IX)で表されるアントラキノン色素を含有す
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液晶組成物。
  7. 前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を3種以上含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  8. 前記一般式(I)で表される置換基を有するアントラキノン色素を4種以上含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  9. 黒色を呈することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  10. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、
    前記電極間に、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、
    を有することを特徴とする液晶素子。
  11. 前記液晶層が、前記液晶組成物が高分子媒体中に分散された高分子媒体層であることを特徴とする請求項10に記載の液晶素子。
  12. 前記高分子媒体が、ゼラチン又はポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項11に記載の液晶素子。
  13. 前記液晶層が、マイクロカプセルに包含された前記液晶組成物を含有してなることを特徴とする請求項10に記載の液晶素子。
  14. 請求項10〜請求項13のいずれか1項に記載の液晶素子を備える反射型表示材料。
  15. 請求項10〜請求項13のいずれか1項に記載の液晶素子を備える調光材料。
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