JP3680332B2 - 液晶表示素子及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

液晶表示素子及びこれを用いた表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、時計、電卓、電子手帳、ラップトップコンピューター、コンピュータ端末等の各種の液晶表示装置として利用される液晶表示素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いられる液晶素子は、従来、ネマチック液晶を使用したTN(ツイスティッド・ネマチック)型や、STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)型のものが実用化されている。また、強誘電性液晶を利用したものも提案されている。これらは、偏光板を要するために表示を明るくすることに限界がある。
【0003】
更にこれらの液晶表示素子は、液晶セルを眺める方向によってコントラスト比が異り、表示が良く見える視角範囲が限定されるという問題を有している。特に、外光を利用する反射形ディスプレイの場合はコントラストの視角依存性が顕著となる。
【0004】
液晶表示素子における偏光板を不要とした技術としては、代表的なものとしてホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子(USP 3,833,287)が知られている。また、特公昭62−11351号公報、特公昭63−32162号公報、特開昭57−84437号公報、特開昭57−141478号公報、特開昭59−69734号公報にも、同様に偏光板を不要とした技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子は、▲1▼偏光板不要で明るい、▲2▼広い視野角、▲3▼高コントラストという特徴を有する、優れた表示方式である。
【0006】
しかしながら、ホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子では、十分な透明性を得るのに10V程度の高い電圧を必要とし、表示用デバイスの実用化において重視される低い駆動電圧特性を備えていなかった。
【0007】
更に、上記液晶表示素子には、電圧印加状態から電圧を切ると、過渡的に液晶材料が白濁する状態を経た後に通常の着色した安定状態に戻るという現象が起こる。この白濁状態記憶時間は基板上の配向処理に依存し、ラビングによる水平配向処理を施している場合、白濁状態記憶時間は数分〜数十分の程度であり、シラン等による垂直配向処理を施している場合は約数秒に短縮されるが、この白濁状態を完全に除去することはできない。
【0008】
このように、従来のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子には、白濁現象が発現するという問題点があり、配向膜によって液晶分子のプレチルト角を変化させてこの問題を解決しようという試みが様々なされてきたが、その改善には限界があった。
【0009】
本発明はホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子のふたつの大きな問題点を解決したもの、すなわち上記白濁状態を完全に除去し、且つ低い駆動電圧特性を備えたものであり、ゲスト・ホスト液晶表示素子本来の有する優れた表示効果である高いコントラスト表示と、視認性のよい直視形表示が可能な液晶表示素子及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、少なくともネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を挟持してなる液晶表示素子において、前記重合性カイラルモノマーの重合体が、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを、ネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料中で重合させて得られるものであることを特徴とする液晶表示素子を提供する。またこのような液晶表示素子の製造方法として、電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、ネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料を介在させ、次いで該基板にエネルギーを与えることにより、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを前記カイラルネマチック液晶材料中で重合させることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
【0011】
本発明の製造方法の特徴は、ネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料中で、前記重合性カイラルモノマーを重合させる点にある。また、このような製造方法によって得られる液晶表示素子は、低電圧駆動が可能であり、ホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子の欠点であった白濁現象を改善することができる。以下に本発明を更に詳述する。
【0012】
本発明の液晶表示素子は、以下のようにして製造することができる。
まず、本発明では電極層を有する2枚の基板が必要であり、且つそのうちの少なくとも一方は透明であることが必要である。このような基板としては、堅固な材料として、ガラスであっても良く、柔軟性を有する材料として、プラスチックフィルムの如きものであっても良い。この基板には、目的に応じて透明、不透明の適宜な電極が、その全面又は部分的に配置されても良いが、少なくとも一方の基板が透明であることが必要である。尚、2枚の基板間には、通常、周知の液晶表示素子と同様、間隔保持用のスペーサーを介在させることもできる。本発明の液晶表示素子は、コンピューター端末の表示装置等に利用される場合、電極層に非線形素子又は能動素子を設けることが好ましい。
【0013】
本発明で使用する基板は、これまで使用されてきた、例えばラビングされたポリイミド配向膜、垂直配向を得ることができるレシチン等の界面活性剤、所定のプレチルトを持つようなSiO等の斜方蒸着処理等を有していることが好ましい。また、これらの配向処理された基板を後述のカイラルネマチック液晶材料をプラナー配向させるように配置することが好ましい。そのように配向させるためには、電極層上に水平配向処理あるいは垂直配向処理を施された基板を用いることが好ましい。
【0014】
次に、この2枚の基板間にネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料を介在させる。この様な方法としては、2枚の基板、スペーサー及びシール材を用いて空パネルを作製し、前記カイラルネマチック液晶材料を真空注入させる方法がある。
【0015】
ここで、本発明で使用できるネマチック液晶材料としては、単一の液晶性化合物であることを要しないのは勿論で、2種以上の液晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物であっても良く、通常この技術分野で液晶材料として認識されるものであればよい。例えば、その性能を改善するために、コレステリック液晶、カイラルネマチック液晶、カイラルスメクチック液晶等やカイラル化合物を適宜含有していてもよい。このようなネマチック液晶材料の中でも全体として正の誘電率異方性を有するものが特に好ましい。
【0016】
本発明で使用する液晶材料は、以下に示した化合物群から選ばれた1種以上の化合物からなる配合組成物が好ましく、液晶材料の特性、即ち等方性液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、Δε(誘電率異方性)及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーとの溶解性等を改善することを目的として適宜選択、配合して用いることができる。
【0017】
このような液晶材料としては、例えば、4−置換安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェニル、4−置換フェニル4’−置換シクロヘキサン、4−置換4”−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリジン等を挙げることができる。特に好ましいのは、これらの化合物の中でも、少なくとも分子の一方の末端にフッ素原子を有する化合物である。
【0018】
不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーとしては、単一の重合性カイラルモノマーであることを要しない。更に、通常の熱硬化型モノマーもしくはオリゴマー、又は紫外線硬化型モノマーもしくはオリゴマーを適宜混合して使用することができる。
【0019】
重合性カイラルモノマーとしては、コレステロールのアクリル酸もしくはメタアクリル酸のエステルや、その他のカイラルアルコールもしくはカイラルフェノールのアクリル酸もしくはメタアクリル酸のエステル等が挙げられる。また、混合して使用できる重合性モノマーとしては液晶性を有する重合性モノマーもしくはオリゴマーが好ましく、このようなモノマーは文献に記載されている。(H.Hasebe et al,Proc.IDRC,p164(1994)及びT.Hashimoto et al,Proc.IDRC,p484(1994))。
【0020】
また、本発明で使用するカイラルネマチック液晶材料は重合開始剤を含有していてもよい。このような重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワードプレキンソップ社製「カンタキュアITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物等が挙げられるが、液状である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンがネマチック液晶材料、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーとの相溶性の面で特に好ましい。
【0021】
また、本発明で使用するカイラルネマチック液晶材料は二色性色素を含有していても良く、このような二色性色素としては、これまでにゲスト・ホスト型液晶表示素子に用いられてきたものを、特に制限なく用いることができる。二色性色素の色相も特に制限されることなく用いることができるが、液晶表示素子の背景部に黒以外の着色層を設け、黒色の二色性色素を使用すれば、最も優れる視認性が得られる。
【0022】
本発明で使用する二色性色素は、アゾ系、アゾキシ系、アントラキノン系あるいはペリレン系等の二色性化合物を適宜単独あるいは混合して得ることができる。この様にして得られた二色性色素の色相は、背景部に着色層を配置する場合、その背景色との組み合わせを考えて、種々適合させて使用することができる。
【0023】
また、本発明で使用する二色性色素の色相は、黒色のものに限定されることなく、通常のゲスト・ホスト型液晶表示装置で使用されている二色性色素を制限なく用いることができる。例えば、「LSY−116」(黄)、「LSR−401」(マゼンタ)、「LSR−406」(赤)、「LSR−426」(紫)、「LSB−278」(青)、「LSB−350」(青)、「LSR−426」(シアン)[以上、三菱化学株式会社製]、「SI−209」(黄)、「M−710」(オレンジ)、「M−361」(黄)、「M−86」(赤)、「M−618」(赤紫)、「SI−252」(紫)、「M−777」(紫)、「M−370」(赤)、「M−137」(青)、「M−141」(青)、「M−438」(青)、「M−412」(青)、「M−34」(青)、「M−430」(青)、「M−406」(青)、「S−301」(黒)、「S−304」(黒)、あるいは「M−676」(黒)[以上、三井東圧株式会社製]等を用いることができる。
【0024】
このようにして得られるカイラルネマチック液晶材料の固有ピッチは0.5〜15μmの範囲にあることが好ましく、1〜6μmの範囲にあることが特に好ましい。このカイラルネマチック液晶材料の固有ピッチは、光の波長に比べて充分大きくすることは勿論のこと、ディスクリネーションの発生を抑制させることが重要であることから、固有ピッチは1μm以上であることが特に好ましい。また、液晶表示素子の厚みに比べて大きくさせると液晶中に配列した二色性色素の光吸収効率が衰える傾向にあるので、6μm以下にすることが特に好ましい。
【0025】
この固有ピッチは、カイラルネマチック液晶材料中の不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの混合比を適宜調整することにより、所望の値を得ることができる。
【0026】
以上のようなカイラルネマチック液晶材料を、前述のような2枚の基板間に介在させた後、加熱によって重合性カイラルモノマーを重合させるか、又は紫外線を照射することによって重合性カイラルモノマーを重合させることによって、本発明の液晶表示素子を得ることができる。また本発明で使用するカイラルネマチック液晶材料の構成によっては、例えば紫外線を照射して重合させた後に加熱処理を施す過程が必要な場合もある。
【0027】
本発明の製造方法の特徴としては、ネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料中で、前記重合性カイラルモノマーを重合させる点にある。
【0028】
この様にして作製された液晶表示素子の厚みdは、使用目的に応じ設計できるが十分なコントラストを得るために2〜20μmの範囲が好ましく、6〜10μmの範囲が特に好ましい。更に本発明の製造方法で使用するカイラルネマチック液晶材料の固有ピッチPとの比d/Pは1〜5の範囲が好ましく、1.5〜3の範囲が特に好ましい。
【0029】
本発明の液晶表示素子におけるカイラルモノマーの重合体やネマチック液晶材料の状態は種々の形態が考えられるが、その1つとしては例えば、ネマチック液晶材料が電圧無印加時には螺旋構造を形成しているものを挙げることができる。これは基板の配向処理やカイラルモノマーの重合体の作用によるものと考えられ、この場合カイラルモノマーの重合体自体は螺旋構造を形成しているが、場合によっては螺旋構造を形成していなくても良く、ネマチック液晶材料の螺旋構造を誘起させるものであればよい。
【0030】
本発明の液晶表示素子は、表示面と反対側の基板上に背景色として着色層を設けてもよいし、着色層を設けず光を透過させて用いることもできる。着色層を設ける場合は、その色相は液晶材料中の二色性色素の色相との組み合わせを考えて、種々適合させて使用することができる。また、形状は特に制限されずに、フィルム、板、紙、あるいはシールのようなものであってもよく、また、画素に対応させて部分的に設置してもよい。また、色相についても、単色に限らず、異なる色相のものを複数配置してもよい。
【0031】
これらの着色層は基板の外側に配置してもよいし、あるいは基板と電極層の間に形成してもよい。更にフルカラーの液晶表示装置を作製する場合、現在TNあるいはSTN型の液晶表示素子に汎用されているRGBマイクロカラーフィルター製造技術を応用して作製することができる。
【0032】
また、本発明の液晶表示素子は以上のような構成だけでも高いコントラストを得ることができるが、更に優れたコントラストを得るために、バックライトや拡散板を配置してもよい。この場合、光源を基板の外周部裏面側で、且つ液晶表示素子の視角から外れた位置に配置した場合、この光源は点光源、線光源、又はこれらの組み合わせでもよく、これらの設置場所は液晶表示素子の外周部裏面側の少なくとも一点であればよい。また、これらの場所に設置された光源の光を光ファイバー等の導光路を用いて、基板周縁部から導いてもよい。
【0033】
ここで、本発明の液晶表示素子の具体的な構造の1例を以下に説明する。
第1図は本発明の液晶表示素子の電圧無印加時における断面を示した模式図であり、この第1図の液晶表示素子は、2枚の基板間のカイラルネマチック液晶材料をプラナー配向させた後、重合性カイラルモノマーを重合させて作製したものである。第1図中、1は液晶分子を、2は二色性色素を、3は不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を、4は基板を、5は透明電極をそれぞれ表わしている。第1図において、液晶分子のダイレクターはほぼ水平方向に向いている。二色性色素はこの様な液晶分子間に介在しており、その光吸収軸はセル内においてあらゆる方位に向いている。従って、第1図の液晶表示素子に任意の角度で入射してきた光はいずれかの二色性色素によって吸収され、液晶表示素子の表示面は二色性色素による色相を見ることができる。この着色の度合いは、通常のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子と同等の優れた遮光性を示すものとなっている。
【0034】
第2図は本発明の液晶表示素子の電圧印加時における断面を示した模式図であり、この第2図の液晶表示素子は、第1図で示した液晶表示素子に電圧を印加した状態の断面を示した図である。第2図中、1は液晶分子を、2は二色性色素を、3は不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を、4は基板を、5は透明電極をそれぞれ表わしている。
【0035】
電圧無印加の第1図の状態から、電圧印加によって第2図の状態になるまでの途中、通常のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子でみられるフォーカルコニック状態をほとんど経由しないかあるいはわずかに経由して、第2図のようにネマチック液晶分子及び二色性色素が電界方向に再配列し、いわゆるホメオトロピック状態となる。従って、電圧印加によって二色性色素による吸収が低減し、第2図の液晶表示素子は透明状態となる。
【0036】
また、第2図の電圧印加状態から電圧を除いた場合、速やかに第1図の状態に戻り、しかも途中、通常ホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子で見られるフォーカルコニック状態をほとんど経由しないかあるいはわずかに経由して、第1図のような状態に戻り、液晶表示素子の表示面は二色性色素による色相を呈する。
【0037】
従来のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子では電圧印加状態から電圧を除いた場合、液晶分子が再配列する途中に、第3図に示すように、メモリー性のあるフォーカルコニック状態を発生し、表示面が白濁した状態が過渡的に現れ、応答特性が悪化するので問題となっていた。しかしながら、本発明の液晶表示素子は、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を形成することにより、このような問題点を解決したものである。
【0038】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
なお、以下の実施例及び比較例において「%」は「重量%」を表わす。また、各実施例及び比較例中の評価特性の各々は以下の記号及び内容を意味する。また、液晶表示素子の評価には光散乱形液晶評価装置「LCD−7000PN」(大塚電子株式会社製)を用いて測定した。
【0040】
(1)V90、V50
光源は拡散光源を使用し、標準白色板の反射光強度を100%と規格化したとき、該液晶表示素子を標準白色板上に置き、電圧無印加時の反射率をR0とし、印加電圧の増大に伴って光反射率が変化しなくなった時の光反射率をR100とする。 電圧無印加時の液晶表示素子の光反射率(R0)を0%とし、印加電圧の増大に伴って光反射率が変化しなくなった時の反射率(R100)を100%とする時、電圧上昇時に光反射率90%となる印加電圧(ボルト)をV90とし、電圧上昇時に光反射率50%となる印加電圧(ボルト)をV50とする。
【0041】
(実施例1)
ネマチック液晶組成物「RO−TN−571」(ロディック社製)96.3%及びコレステリルアクリレート3.7%からなるカイラルネマチック液晶材料(A)を調製した。この液晶材料の固有ピッチは4.0μmであった。この液晶材料(A)97.5%、黒色二色性色素「S−344」(三井東圧染料社製)2.0%及び重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.5%からなるゲスト・ホスト用液晶混合物(B)を調製した。
【0042】
この液晶混合物(B)の均一溶液をセル厚8μmのポリイミド配向膜付きパラレルセルに注入し、プラナー配向させた。 これを高圧水銀ランプ(30mW/cm2)の下で60秒間紫外線を照射し、コレステリルアクリレートを重合させた。これを80℃で1時間加熱した後、室温まで冷却して本発明の液晶表示素子を得た。
【0043】
得られた液晶表示素子に電圧を印加したところ、通常のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子で観測されるフォーカルコニック状態がほとんど観測されず、白濁状態がほとんど現れないことを確認した。この液晶表示素子の特性は第4図に示す通りであり、V90が6.6V、V50が3.45Vと後述の比較例に比べて明らかに低く、低電圧で駆動した。更にヒステリシスが小さく、急峻性も優れていることが明らかである。
【0044】
(実施例2)
前述のゲスト・ホスト用液晶混合物(B)をセル厚6μmのポリイミド配向膜付きパラレルセルに注入し、プラナー配向させた。 これを、高圧水銀ランプ(30mW/cm2)の下で60秒間紫外線を照射し、コレステリルアクリレートを重合させた。これを80℃で1時間加熱した後、室温まで冷却して、本発明の液晶表示素子を得た。
【0045】
得られた液晶表示素子に電圧を印加したところ、通常のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子で観測されるフォーカルコニックの状態がほとんど観測されず、白濁状態がほとんど現れないことを確認した。この液晶表示素子の特性は、第5図に示す通りであり、V90が5.8V、V50が2.64Vと後述の比較例に比べて明らかに低く、低電圧で駆動した。更に、ヒステリシスが小さく、急峻性も優れていることが明らかである。
【0046】
(比較例1)
前述のカイラルネマチック液晶材料(A)98.0%及び黒色二色性色素「S−344」(三井東圧染料社製)2.0%からなるゲスト・ホスト用液晶混合物(a)を得た。
【0047】
この液晶混合物(a)の均一溶液を、セル厚8μmのポリイミド配向膜付きパラレルセルに注入して、コレステリルアクリレートを重合させずに本発明外の液晶表示素子を得た。
【0048】
得られた液晶表示素子は均一なプラナー配向していた。この液晶表示素子に電圧を印加したところ、この液晶表示素子は、実施例1の液晶表示素子と比べて、フォーカルコニックやディスクリネーションが発生し、白濁状態がメモリーされ表示品位の低いものであった。またこの液晶表示素子の特性は第6図に示す通りであり、駆動電圧V90が8.5V、V50が5.62Vと前述の実施例1に比べて明らかに高いものであった。また、ヒステリシスも大きく、急峻性も実施例に比べて劣ることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】
本発明の液晶表示素子は、偏光板が不用で明るい画質の表示特性を有するものであり、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を基板間に構成させることにより、ホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子の前述のふたつの大きな問題点を解決した。即ち、白濁状態を除去し、且つ低い駆動電圧特性を備えた液晶表示素子であり、ゲスト・ホスト液晶表示素子本来の有する優れた表示効果である高いコントラスト表示と視認性のよい直視形表示が可能な液晶表示素子及び装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧無印加時における本発明の液晶表示素子の断面を示した模式図である。
【図2】電圧印加時における本発明の液晶表示素子の断面を示した模式図である。
【図3】電圧印加状態から電圧を除いたときに本発明外のホワイト・テイラー型ゲスト・ホスト液晶表示素子に過渡的に現れるフォーカルコニック状態を示す模式図である。
【図4】実施例1における本発明の液晶表示素子の電気光学特性を示した図表である。
【図5】実施例2における本発明の液晶表示素子の電気光学特性を示した図表である。
【図6】比較例1における本発明外の液晶表示素子の電気光学特性を示した図表である。
【符号の説明】
1 液晶分子
2 二色性色素
3 カイラルモノマー重合体
4 基板
5 透明電極

Claims (19)

  1. 電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、少なくともネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体を挟持してなる液晶表示素子において、前記重合性カイラルモノマーの重合体が、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを、ネマチック液晶材料及び前記不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを含有するカイラルネマチック液晶材料中で重合させて得られるものであり、カイラルネマチック液晶材料中に二色性色素を含有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体が、前記カイラルネマチック液晶材料をプラナー配向させた後、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体が、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを光で重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 少なくとも一方の基板が、電極層上に配向処理を施された基板であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子。
  5. 少なくとも一方の基板が、電極層上に水平配向処理を施された基板であることを特徴とする請求項記載の液晶表示素子。
  6. 少なくとも一方の基板が、電極層上に垂直配向処理を施された基板であることを特徴とする請求項記載の液晶表示素子。
  7. カイラルネマチック液晶材料の固有ピッチが0.5〜15μmの範囲にあることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子。
  8. 不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーの重合体が、コレステリルアクリレートの重合体であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶表示素子。
  9. 得られる液晶表示素子中のネマチック液晶材料が電圧無印加時に螺旋構造を形成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の液晶表示素子。
  10. 電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、ネマチック液晶材料及び不斉炭素を有する重合性カイラルモノマー及び二色性色素を含有するカイラルネマチック液晶材料を介在させ、次いで該基板にエネルギーを与えることにより、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを前記カイラルネマチック液晶材料中で重合させることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  11. カイラルネマチック液晶材料をプラナー配向させた後、不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーを重合させることを特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. エネルギーとして光を照射することを特徴とする請求項10又は11記載の製造方法。
  13. 少なくとも一方の基板が、電極層上に配向手段を有する基板であることを特徴とする請求項10、11又は12記載の製造方法。
  14. 少なくとも一方の基板が、電極層上に水平配向処理を施された基板であることを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  15. 少なくとも一方の基板が、電極層上に垂直配向処理を施された基板であることを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  16. 2枚の基板の距離が2〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項11、12、13、14、15又は16記載の製造方法。
  17. カイラルネマチック液晶材料の固有ピッチが0.5〜15μmの範囲にあることを特徴とする請求項10、11、12、13、14、15又は16記載の製造方法。
  18. 不斉炭素を有する重合性カイラルモノマーがコレステリルアクリレートであることを特徴とする請求項10、11、12、13、14、15、16又は17記載の製造方法。
  19. 光を照射した後に、加熱処理を施すことを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17又は18記載の製造方法。
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