JPH11157406A - エアバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドエアバッグの構造を簡略化する。 【解決手段】 ２枚の基布11，12を縫い合わせて、袋状
の本体部18を構成する。本体部18の内側に、防炎布14を
配置する。防炎布14は、１枚の基布に切れ目を入れて、
一対の防炎部22と連結部23と延設部24とを一体に形成す
る。基端部2a側から流入する高温のガスに対して、防炎
部22および延設部24で基布11，12を保護する。連結部23
により、展開したエアバッグ２の形状を規制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
座席の側部に膨張展開し、乗員の側部を保護するエアバ
ッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特開平８−２４４５５２
号公報に示されるように、自動車の衝突時に、乗員とド
アパネルとの間に膨張展開して乗員の胸部（胴部）およ
び頭部を保護するエアバッグが知られている。そして、
この構成では、エアバッグを狭い空間に展開させるた
め、エアバッグの内側に、両側の基布を互いに連結する
ストラップが設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
ガスが導入される部分において、インフレータから噴射
される高温のガスにさらされるため、基布を保護するた
めの防炎布が必要になるが、エアバッグの内部の両側面
にそれぞれ防炎布を配置する構成では、部品点数および
製造工程が増加し、製造コストが上昇する問題を有して
いる。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、部品点数を削減し、製造コストを低減できるエア
バッグを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のエアバッ
グは、袋状をなす本体部と、この本体部のガスが流入す
る基端部側の内側面に沿って設けられた一対の防炎部、
これら防炎部の先端部の一部同士を連結する連結部、お
よび前記防炎部の先端部の連結部を除く位置から先端部
側に延設された延設部を備えた防炎布とを具備したもの
である。

【０００６】そして、この構成では、防炎部および延設
部により、ガスが流れる部分が防炎され、エアバッグが
保護される。

【０００７】請求項２記載のエアバッグは、請求項１記
載のエアバッグにおいて、防炎布は、１枚の基布に切れ
目を入れて形成されたものである。

【０００８】そして、この構成では、基布の連結部を形
成しない部分を延設部として構成可能であり、材料を有
効に利用して、製造コストが低減される。

【０００９】請求項３記載のエアバッグは、請求項１ま
たは２記載のエアバッグにおいて、連結部は、両側部が
それぞれ本体部に接合されたものである。

【００１０】そして、この構成では、防炎布が、エアバ
ッグの展開形状を規制する部材として利用され、展開形
状を規制する別個の部品を用いる必要がなく、部品点数
が削減され、製造コストが低減される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグの一実
施の形態を図面を参照して説明する。

【００１２】図３において、１はエアバッグ装置で、こ
のエアバッグ装置１は、自動車のセンタピラーあるいは
座席のシートバックの側部に装着され、袋状のエアバッ
グ２をドアパネルと乗員との間に膨張展開して乗員を保
護する側突用エアバッグ、すなわちサイドエアバッグを
構成している。そして、このエアバッグ装置１は、ガス
を噴射するインフレータ４と、このインフレータ４を固
定するリテーナ５と、ガスにより膨張展開するエアバッ
グ２と、これらの部材を収納する図示しないケース体と
などを備えている。

【００１３】そして、インフレータ４は、略円柱状をな
し、内部に充填した推進薬を反応させて、周面に設けた
ガス噴射口から高温高圧のガスを噴射するいわゆるパイ
ロ式インフレータを構成している。

【００１４】また、リテーナ５は、金属板あるいは樹脂
などにてケース状に形成され、インフレータ４を固定す
るとともに、インフレータ４から噴射されたガスを所定
の方向に案内する開口部5aを備えている。さらに、リテ
ーナ５からは、両側にボルト６が突設され、これらボル
ト６にナット７を螺合して締め付けることにより、エア
バッグ２の基端部2a側が固定されるともに、エアバッグ
装置１全体が支持部材である取付ブラケット８に固定さ
れている。

【００１５】また、エアバッグ２は、図１ないし図３に
示すように、第１の基布（左側基布）11、第２の基布
（右側基布）12、および防炎布14を互いに縫い合わせて
形成されている。すなわち、第１の基布11および第２の
基布12は、互いに略Ｌ字状をなす同形状の織布で、ガス
流入部となる基端部16を除き、外周部を所定の縫合線17
に沿って縫い合わされ、偏平な略Ｌ字状の袋状をなす本
体部18が形成されている。

【００１６】また、防炎布14は、第１および第２の基布
11，12と同じ織布あるいはより耐熱性の強い織布にて形
成され、一対の防炎部（取付部）22と、これら防炎部22
の先端側の中間部同士を連結する連結部23と、各防炎部
22の上下から先端側に延設された延設部24とが１枚の基
布から形成されている。すなわち、この防炎布14は、平
面上に広げた状態で、図４に示すように、ほぼ矩形状で
あり、上下の２か所に略Ｔ字状の切れ目26を入れて形成
されている。そこで、連結部23をＵ字状に湾曲させ、各
防炎部22を互いに平行状にすることにより、各延設部24
が自然に先端側に向かうようになっている。そして、こ
の防炎布14は、各防炎部22をそれぞれ第１の基布11およ
び第２の基布12の内面に沿わせた状態で、各防炎部22の
上下の部分と、上側の延設部24の上部および下側の延設
部24の下部が、第１の基布11と第２の基布12との間に縫
合線17に沿って縫い合わされている。

【００１７】そして、このエアバッグ２は、基端部2a側
すなわち各防炎部22に囲まれた部分に、インフレータ４
を固定したリテーナ５を配置し、基端部2a近傍に設けた
取付孔29を用いてリテーナ５に固定される。そして、エ
アバッグ２は、例えば、丸めるように折り畳まれた後、
蛇腹状に折り畳まれ、所定の収納部に収納される。

【００１８】そして、側面衝突などの衝撃を受けると、
制御装置によりインフレータ４が起動され、エアバッグ
２内に高温高圧のガスが噴射される。すると、このガス
は、高速で防炎布14に当たり、特に、連結部23に当たっ
たガスは、上下に向きを変え、防炎部22に当たり、さら
に向きを変えて、先端部2b側に満たされていき、エアバ
ッグ２をドアパネルと乗員との間に膨張展開させる。こ
の時、ガスが流れる部分に防炎布14の延設部24が設けら
れているため、図１に示すコーナー部31まで、基布の防
炎ができるようになっている。

【００１９】このように、本実施の形態によれば、防炎
布14により、基布を効果的に保護でき、特に、インフレ
ータ４が取り付けられる部分は高温になり、かつ、エア
バッグ２全体を支える部分であるため、保護の効果が大
きい。

【００２０】また、防炎布14は、１枚の基布で形成さ
れ、さらに、矩形状の材料をむだなく有効に利用でき、
製造コストを低減できる。

【００２１】さらに、防炎布14の連結部23は、エアバッ
グ２展開時の形状を規制するテザー（吊りひも）として
作用させることができ、いわばテザーを一体に形成でき
る。また、この連結部23は、エアバッグ２の内側を区画
する隔壁として作用させることもでき、例えば、連結部
23の基端部2a側を胸部保護部として先行して膨張展開さ
せ、続いて、連結部23の先端部2b側を頭部保護部として
膨張展開させ、胸部、頭部の順番で保護を行うことがで
きる。

【００２２】なお、上記の実施の形態に加え、防炎布14
の連結部23などを適宜第１の基布11および第２の基布12
に縫い合わせることにより、テザーとしての機能を容易
に調整できる。例えば、図４ないし図６に示す縫合線Ｓ
で連結部23の両側端部と各基布11，12とを縫い合わせ、
エアバッグ２の形状を規制する機能を強化できる。な
お、この縫合線Ｓで縫い合わせる縫製糸としては、アラ
ミド繊維、炭素繊維などの耐熱糸を使用することによ
り、ガスの熱が直接作用した場合にも、縫着した状態を
強固に保持できる。

【００２３】また、上記の各実施の形態では、防炎布14
は一枚の基布で形成したが、必ずしもこれに限られず、
例えば、図７に示すように、２枚の基布14a ，14b を連
結部23の中央部で重ねて縫合線14c で縫い合わせて防炎
布14を形成することもできる。

【００２４】また、例えば、図８に示すように、連結部
23を摘んで縫合線14d で縫い合わせ、連結部23の長さ寸
法を調整することにより、テザーとしての機能を容易に
調整できる。そこで、車室の形状などに合わせてエアバ
ッグ２の展開特性を容易に調整でき、汎用性を向上し
て、製造コストを低減できる。

【００２５】また、本発明は、側突用のエアバッグの
他、他の部分に取り付けられるエアバッグにも適用でき
る。

【００２６】

【発明の効果】請求項１記載のエアバッグによれば、ガ
スが流入する基端部側の内側面に沿って設けられた一対
の防炎部と、これら防炎部の先端部同士を連結する連結
部を除く位置から先端部側に延設された延設部とによ
り、ガスが流れる部分が防炎され、エアバッグを効果的
に保護できる。

【００２７】請求項２記載のエアバッグによれば、請求
項１記載の効果に加え、防炎布を、１枚の基布に切れ目
を入れて形成することにより、基布の連結部を形成しな
い部分を延設部として構成可能であり、材料を有効に利
用して、製造コストを低減できる。

【００２８】請求項３記載のエアバッグによれば、請求
項１または２記載の効果に加え、連結部の両側部をそれ
ぞれ本体部に接合することにより、防炎布が、エアバッ
グの展開形状を規制する部材として利用され、展開形状
を規制する別個の部品を用いる必要がなく、部品点数を
削減し、製造コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエアバッグの一実施の形態を示す分解
斜視図である。

【図２】同上エアバッグを示す図１のＡ−Ａ相当位置の
断面図である。

【図３】同上エアバッグを備えたエアバッグ装置を示す
図１のＢ−Ｂ相当位置の断面図である。

【図４】同上エアバッグの防炎布を平面状に広げた状態
を示す平面図である。

【図５】本発明のエアバッグの他の実施の形態を示す分
解斜視図である。

【図６】エアバッグを示す図５のＣ−Ｃ相当位置の断面
図である。

【図７】本発明のエアバッグの防炎布の他の実施の形態
を示す説明図である。

【図８】本発明のエアバッグの防炎布のさらに他の実施
の形態を示す説明図である。

【符号の説明】

２ エアバッグ 2a 基端部 2b 先端部 14 防炎布 18 本体部 22 防炎部 23 連結部 24 延設部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 袋状をなす本体部と、 この本体部のガスが流入する基端部側の内側面に沿って
   設けられた一対の防炎部、これら防炎部の先端部の一部
   同士を連結する連結部、および前記防炎部の先端部の連
   結部を除く位置から先端部側に延設された延設部を備え
   た防炎布とを具備したことを特徴とするエアバッグ。
2. 【請求項２】 防炎布は、１枚の基布に切れ目を入れて
   形成されたことを特徴とする請求項１記載のエアバッ
   グ。
3. 【請求項３】 連結部は、両側部がそれぞれ本体部に接
   合されたことを特徴とする請求項１または２記載のエア
   バッグ。