JPH11155858A - 超音波診断装置および超音波診断方法 - Google Patents
超音波診断装置および超音波診断方法Info
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- JPH11155858A JPH11155858A JP9324772A JP32477297A JPH11155858A JP H11155858 A JPH11155858 A JP H11155858A JP 9324772 A JP9324772 A JP 9324772A JP 32477297 A JP32477297 A JP 32477297A JP H11155858 A JPH11155858 A JP H11155858A
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Abstract
剤による輝度増強の効果を高め、より効果的なコントラ
ストエコー法を実施する。 【解決手段】被検体内に送信した超音波パルス信号の反
射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき断層
像を得るようにした超音波診断装置。この装置は超音波
パルス信号を送信音圧の条件に基づき送信する送信ユニ
ット21およびプローブ12と、受信信号が最大となる
ように送信音圧を適応制御して最適化する送信条件コン
トローラ31とを備える。本装置はコントラストエコー
法の実施に好適である。
Description
影剤を投与し、この造影剤からの反射超音波信号を含む
受信信号を用いて断層像を得るコントラストエコー法に
好適な超音波診断装置および超音波診断方法に係り、と
くに、送受条件の設定、受信信号の処理、および受信信
号に基づく物理量計測のインテリジェント化の手法に関
する。
にわたり、超音波診断装置のその1つである。超音波診
断装置は超音波信号の送受により画像信号を得る装置で
あり、超音波信号の非侵襲性を利用して種々の態様で使
用されている。この超音波診断装置の主流は、超音波パ
ルス反射法を用いて生体の軟部組織の断層像を得るタイ
プである。この撮像法は無侵襲で組織の断層像を得るこ
とができ、X線診断装置、X線CTスキャナ、MRI装
置、および核医学診断装置など、ほかの医用モダリティ
に比べて、リアルタイム表示が可能、装置が小形で比較
的安価、X線などの被曝が無い、超音波ドプラ法に拠り
血流イメージングができるなど、多くの利点を有してい
る。このため心臓、腹部、乳腺、泌尿器、および産婦人
科などの診断において広く利用されている。特に、超音
波プローブを体表に当てるだけの簡単な操作により、心
臓の拍動や胎児の動きをリアルタイムに観察でき、また
被曝なども無いから何度も繰り返して検査でき、さらに
装置をベッドサイドに移動させて容易に検査できるとい
う種々の利点も持ち合わせている。
では、心臓や腹部臓器などの検査を実施する際、静脈か
ら超音波造影剤を注入して血流動態の評価を行うコント
ラストエコー法が注目を浴びている。造影剤を静脈から
注入する手法は、動脈から注入する手法に比べて、侵襲
性が低く、この評価法による診断が普及しつつある。超
音波造影剤の主要成分は微小気泡(マイクロバブル)で
あり、これが超音波信号を反射する反射源になってい
る。造影剤の注入量や濃度が高いほど造影効果も大きく
なるが、造影剤の気泡の性質上、超音波照射によって造
影効果時間が短縮するなどの事態も発生する。このよう
な状況に鑑み、近年、持続性および耐圧型の造影剤も開
発されているが、造影剤が体内に長く止まることは侵襲
性の増大につながる懸念もある。
合、被検体部位の関心領域には血流によって造影剤が次
々に供給される。このため、超音波を照射して一度、気
泡を消失させても、次の超音波照射の時点では新しい気
泡がその関心領域に流入していれば造影効果は維持され
ると想定される。しかし、実際には、超音波の送受信は
通常、1秒間に数千回行われること、および、血流速度
が遅い臓器実質や比較的細い血管の血流動態が存在する
ことを考えると、これらの診断画像上では造影剤による
輝度増強を確認する前に次々と気泡が消失し、造影効果
が瞬時に減弱することになる。
診断法は、造影剤による輝度増強の有無を調べることに
より診断部位の血流の有無を知るというものである。ま
た、進んだ診断法は、診断部位における輝度変化の広が
りや輝度増強の程度から造影剤の空間分布の時間変化を
知るという手法や、造影剤が注入されてから関心領域に
到達するまでの時間、および、ROI内の造影剤による
エコー輝度の経時変化(Time Intensity Curve : TI
C)、または最大輝度などを求める手法である。
エコー信号の非基本波成分を用いて画像化するハーモニ
ックイメージング法によっても効果的に実施できる。ハ
ーモニックイメージング法は、造影剤の主要成分である
微小気泡が超音波励起されたときに生じる非線形挙動に
因る非基本波成分のみを分離して検出するイメージング
法であり、生体臓器は比較的、非線形挙動を起こし難い
ため、良好なコントラスト比の造影剤画像を得ることが
できる。
微小気泡が消失してしまう現象については、本発明者ら
は1つの研究発表を、「日本超音波医学会研究発表会予
稿集p.275,1996−6」にて行い、フラッシュ
エコーイメージング(あるいはTrangient Respose Imag
ing )と呼ぶイメージング法によって輝度増強が改善さ
れることを報告した。このイメージング法は原理的に
は、従来型の1秒間に数十フレームといった連続スキャ
ンに代えて、数秒間に1フレームといった間欠的送信の
構成にするもので、その間欠時間の間、割らずに密集さ
せた微小気泡を一度に消滅させて、高いエコー信号を得
ようとする手法である。
在のところ2通りがある。1つはボーラス注入法と呼ば
れる方法で、注射器に吸入させた造影剤をゆっくりした
速度ではあるが、一気に投与する方法である。もう1つ
は持続注入法と呼ばれ、点滴のように少量ずつ長時間掛
けて投与する方法である。前者のボーラス注入法は投与
が比較的簡便で、関心領域に到達した造影剤のピーク時
の輝度は高く、またTICの処理にも的しているが、染
影時間が短く、一定していないという側面もある。後者
の持続注入法を実施する場合、磁束注入機といった専用
器具を用いて注入量を制御する必要があるが、関心領域
の造影剤濃度をある程度長時間、一定に保持できるとい
う長所がある。このため、ある程度希釈しても造影効果
を有する造影剤を用いることも可能である。
いるときのキーポイントは、血流からの受信信号の増
強、および、血流動態の定量的評価である。
たコントラストエコー法の問題点は、超音波照射によっ
て気泡の寿命が短くなるという、主に造影剤の物理的性
質に起因するものと、簡便でかつより詳細な情報を提供
する定量化手法が不足している。とくに、前者の問題は
単純ではない。コントラストエコー法においては従来の
ように送信出力を大きくしてS/N比を向上させるとい
う訳ではない。前者の問題が示唆しているのは、従来用
いる送信出力よりも比較的低い送信レベルに送信出力の
最適値が在ることであり、従来、このような観点からの
送信出力の制御法は知られていなかった。
に鑑みてなされたもので、超音波パルスの送信条件を最
適に制御して、より効果的なコントラストエコー法を実
施することである。
エコー法を実施する超音波診断において、定量化された
新しい計測法を導入し、計測法の豊富化と充実化によっ
て、より詳細な血流情報を提供する、ことである。
の送信条件を最適に制御して、より効果的なコントラス
トエコー法を実施できるようにし、かつ、コントラスト
エコー法を実施する超音波診断において、定量化された
新しい計測法を導入し、計測法の豊富化と充実化によっ
て、より詳細な血流情報を提供する、ことである。
成するため、本願の1つの発明によれば、被検体内に送
信した超音波パルス信号の反射成分を受信し、この受信
に伴う受信信号に基づき前記被検体の断層像を得るよう
にした超音波診断装置において、前記超音波パルス信号
を送信パワー条件に基づき送信する送信手段と、前記受
信信号が最大となるように前記送信パワー条件を適応制
御して最適化する適応制御手段とを備えたことを特徴と
する。
に注入した超音波造影剤により前記超音波パルス信号が
反射される成分を含む。例えば、前記送信パワー条件
は、前記送信手段に備えられた超音波プローブが出力し
て前記被検体内の音場のレベルを変化させるパラメータ
である。一例として、前記パラメータは前記超音波プロ
ーブを駆動する駆動電圧、または、その超音波プローブ
に含まれる送信駆動素子の数である。
の診断に供する関心領域の全体からの反射成分に拠る前
記受信信号に基づき前記送信パワー条件を適応制御する
手段であってもよいし、前記被検体内の診断に供する関
心領域の一部の反射成分に拠る前記受信信号に基づき前
記送信パワー条件を適応制御する手段であってもよい
し、前記被検体内の診断に供する関心領域において操作
者が指定した部位からの反射成分に拠る前記受信信号に
基づき前記送信パワー条件を適応制御する手段であって
もよい。
御手段は、前記被検体のBモード像、CFMモード像、
またはパルスドプラモードの画像を得るモードで動作す
る手段である。
される前記送信パワー条件を表示する表示手段を備える
ことも望ましい。この場合、前記表示手段は、前記送信
パワー条件の適応制御状態をリアルタイムに表示する手
段であってもよい。
に送信した超音波パルス信号の反射成分を受信し、この
受信に伴う受信信号に基づき前記被検体の断層像を得る
ようにした超音波診断装置において、前記超音波パルス
信号を送信パワー条件に基づき送信する送信手段と、前
記被検体に超音波造影剤を投与した状態で前記受信信号
が最大となるように前記送信パワー条件を適応制御して
最適化する適応制御手段と、この最適化の後に前記送信
パワー条件を一時的に高い送信パワー条件に上げるパワ
ー上昇手段と、このパワー条件を上げた後に前記最適化
された送信パワー条件に復帰させる復帰手段と、この復
帰させた最適送信パワー条件の下で前記受信信号の輝度
変化曲線(TIC)のデータを経時的に測定する測定手
段とを備えたことを特徴とする。
基づく画像データの複数フレーム分を記憶するメモリ手
段と、このメモリ手段から前記データを読み出して前記
輝度変化曲線のデータを演算する演算手段を備える構成
でもよいし、前記受信信号に基づく画像データをフレー
ム毎かつ経時的に入力して前記輝度変化曲線のデータを
リアルタイムに演算する演算手段を備える構成でもよ
い。また、前記測定手段は、前記受信信号に基づいて前
記断層像を表示する表示手段と、表示された前記断層像
上に操作者が関心領域を設定するための領域設定手段と
を備え、前記演算手段は前記関心領域に相当する前記画
像データから前記輝度変化曲線を演算する手段であって
もよい。
に送信した超音波パルス信号の反射成分を受信し、この
受信に伴う受信信号に基づき前記被検体の画像を得るよ
うにした超音波診断装置において、前記被検体の同一部
位に関する複数枚の前記画像を収集する間に前記超音波
パルス信号の送信フレームレートを積極的に変化させる
レート変化手段と、前記送信フレームレートに基づいて
前記超音波パルス信号によるスキャンを行うスキャン手
段を備える。
記被検体内に注入した超音波造影剤により前記超音波パ
ルス信号が反射される成分を含む。例えば、前記レ−ト
変化手段は、前記送信フレームレ−トを一定の規則性の
下に変化させる手段である。このレート変化手段は、前
記送信フレームレートを操作者が任意に指定する手段、
および、予め設定されている前記送信フレームレートの
複数種の中から任意に選択する手段の少なくとも一方を
備えるように構成してもよい。
答した前記反射成分を受信して前記受信信号に処理する
受信手段と、この受信信号に基づき画像データを生成す
る処理手段と、前記処理手段により得られた2フレーム
分の画像データを選択する選択手段と、前記選択された
2フレーム分の画像データ間のフレーム間差分を演算す
る差分演算手段とを備える構成も好適である。
造影剤を投与した被検体内に可変可能な送信パワー条件
に依存した超音波パルス信号を送信し、この被検体から
の前記超音波パルス信号の反射成分を受信し、この受信
に伴う受信信号に基づき前記被検体の断層像を得る超音
波診断方法において、前記送信パワー条件を徐々に下げ
つつ、この送信パワー条件を下げたときの前後の前記受
信信号の強度を比較し、この比較結果に基づいて前記受
信信号が最大となるように前記送信パワー条件を適応制
御することを特徴とする。
面を参照して説明する。
実施形態に係る超音波診断装置は、被検体に超音波造影
剤を投与し、その染影度から血流状態を観察する構成を
備える。この場合、血流状態は関心部位全てにおいて観
察できるが、本実施形態では、肝臓実質または心臓筋肉
に流入する造影剤の染影度に基づき血流動態のデータを
得て異常部位を同定する装置について説明する。
層装置の全体構成を概略的に示す。図1に示す超音波ド
プラ診断装置は、装置本体11と、この装置本体11に
接続された超音波プローブ12、操作パネル13、およ
びECG(心電計)14とを備える。
指示、情報を装置本体11に与えるために使用されるも
ので、キーボード13A、トラックボール13B、マウ
ス13C、および後述する送信音圧最適化制御を開始さ
せるための「実行」ボタン13Dを備えている。トラッ
クボール13Bは例えば、モニタ画面上のポインティン
グデバイスとして機能させるほか、画像上にROI(関
心領域)の設定などを行うために使用される。キーボー
ド13Aなどを操作して「Bモード」、「CFM(Color
Flow Mapping )モード」、および「PWD(Pulsed W
ave Doppler )モード」の間の切換を指令することがで
きる。CFMモードは血流状態を2次元のカラー像で表
示するモードである。
音波信号の送受信を担うデバイスであり、電気/機械可
逆的変換素子としての圧電セラミックなどの圧電振動子
を有する。好適な一例として、複数の圧電振動子がアレ
イ状に配列されてプローブ先端に装備され、フェーズド
アレイタイプのプローブ12が構成されている。これに
より、プローブ12は装置本体11から与えられるパル
ス駆動電圧を超音波パルス信号に変換して被検体内の所
望方向に送信し、また被検体で反射してきた超音波エコ
ー信号をこれに対応する電圧のエコー信号に変換する。
せて使用され、被検体の心電波形データを得る。
に接続された送信ユニット21および受信ユニット2
2、この受信ユニット22の出力側に置かれたレシーバ
ユニット23、Bモード用DSC(デジタル・スキャン
・コンバータ)24、イメージメモリ25、TIC演算
ユニット26、ドプラユニット27、表示データ合成器
28、および表示器29を備える。TIC演算ユニット
26には、本診断装置の外部に置かれた外部出力装置3
0が接続されている。この外部出力装置は、例えばプリ
ンタ、磁気記憶媒体、ネットワーク経由のパソコンなど
により構成される。装置本体11は、さらに、送信ユニ
ット21に拠る超音波信号の送信状態を制御するための
送信条件コントローラ31と、ECG14が検出したE
CG信号を受ける心拍検出ユニット32とを備える。
作をさらに説明する。
遅延回路、およびパルサを有する。パルス発生器は、例
えば5KHzのレート周波数fr [Hz](周期1/f
r [秒])のレートパルスを発生する。このレートパル
スは、送信チャンネル数分に分配されて送信遅延回路に
送られる。送信遅延回路には、遅延時間を決めるタイミ
ング信号が送信チャンネル毎に供給されるようになって
いる。これにより、送信遅延回路はレートパルスに指令
遅延時間をチャンネル毎に付与する。遅延時間が付与さ
れたレートパルスが送信チャンネル毎にパルサに供給さ
れる。パルサはレートパルスを受けたタイミングでプロ
ーブ12の圧電振動子(送信チャンネル)毎に電圧パル
スを与える。これにより、超音波信号がプローブ12か
ら放射される。超音波プローブ12から送信された超音
波信号は被検体内でビーム状に集束されかつ送信指向性
が指令スキャン方向に設定される。
スキャンの時間間隔は、送信条件コントローラ31によ
って後述するように制御される。送信条件コントローラ
31は本発明の特徴の1つを成す構成要素である。
てビームフォーミングがなされる。送信された超音波パ
ルス信号は、被検体内の音響インピーダンスの不連続面
で反射される。この反射超音波信号は再びプローブ12
で受信され、対応する電圧量のエコー信号に変換され
る。このエコー信号はプローブ12から受信チャンネル
毎に受信ユニット22に取り込まれる。
に、プリアンプ、受信遅延回路、および加算器を備え
る。プリアンプおよび受信遅延回路はそれぞれ、受信チ
ャンネル分のアンプ回路または遅延回路を内蔵する。受
信遅延回路の遅延時間は、所望の受信指向性に合わせて
遅延時間パターンの信号として与えられる。このため、
エコー信号は、受信チャンネル毎に、プリアンプで増幅
され、受信遅延回路により遅延時間が与えられた後、加
算器で加算される。この加算により、所望の受信指向性
に応じた方向からの反射成分が強調される。送信指向性
と受信指向性との総合により送受信の総合的な超音波ビ
ームが形成される。
シーバユニット23およびBモードDSC24を順に経
由して表示データ合成器28に至る。
対数増幅器、包絡線検波器、A/D変換器を備える。な
お、ハーモニックイメージング法を実施する装置の場
合、このレシーバユニット27には、超音波信号の送信
周波数の、例えば2倍の高周波成分のみを通過させる帯
域通過型フィルタが装備される。このレシーバユニット
により、受信指向性が与えられた方向のエコーデータが
デジタル量で形成され、BモードDSC24に送られ
る。
波スキャンのラスタ信号列からビデオフォーマットのラ
スタ信号列に変換し、これを表示データ合成器28に送
るようになっている。
に接続され、このDSCの処理信号(超音波スキャンの
ラスタ信号列、ビデオフォーマットのラスタ信号列のい
ずれか)を記録するメモリ素子およびその書込み・読出
し制御回路を備える。このメモリ素子に記録されたエコ
ーデータは、イメージング中またはイメージング後にお
いて、オペレータの指示に応答してフレーム単位で読み
出される。この読出しデータは、BモードDSC24お
よび表示データ合成器28を経由して表示器29に送ら
れて表示される。
はTIC演算ユニット26にも接続され、メモリからの
読出しデータがその演算ユニット26に取り込み可能に
なっている。TIC演算ユニット26は、ワークメモリ
とCPUなどの演算回路とを備え、ワークメモリに読み
込んだエコーデータからTIC(Time Intensity Curv
e)データを演算し、その演算データを表示データ合成
器28および、必要に応じて外部出力装置30に出力で
きるようになっている。これにより、TICデータが表
示器29および外部出力装置30に表示または出力され
る。
23における加算エコー信号を受信する。このユニット
27は、図示しないが、直交検波器、クラッタ除去フィ
ルタ、ドプラ偏移周波数解析器、平均速度などの演算
器、DSC、カラー処理回路などを備え、ドプラ偏移周
波数すなわち血流の速度情報やそのパワー情報などがカ
ラーフロー画像データとして得られる。このカラーフロ
ー画像データ(CFMデータ)は、ドプラユニット27
に内蔵のDSCにてノイズキャンセルなどの処理を受け
るとともに、その走査方式が変換されて表示データ合成
器28に送られる。このカラーフロー画像データは、イ
メージメモリ25に送って記憶させることもできる。
供給されたECG信号を入力し、その心電波形データを
表示データ合成器28に表示用として送出する一方で、
心臓画像を心電波形に同期させる、いわゆる心電同期を
とるためのトリガ信号を作り、このトリガ信号を送信条
件コントローラ31に送る。
24から送られてくるBモード画像データ(グレースケ
ール画像)、ドプラユニット27から送られてくるCF
Mモード画像データ(カラーフロー画像)、心拍検出ユ
ニット32から送られてくる心電波形、TIC演算ユニ
ット26の演算データ、および/または所望の設定パラ
メータを並べる、あるいは重ねるなどの処理によって1
フレームの画像データに再構築する。このフレーム画像
データは表示器29により順次読み出される。表示器2
9では、画像データを内蔵D/A変換器でアナログ量に
変換し、TVモニタなどのディスプレイに被検体の組織
形状の断層像を表示する。
作パネル13からの操作データを受けるA/D変換器お
よびCPU(中央処理装置)のほか、このCPUに接続
されたメモリを備える。メモリには送信条件制御のため
のプログラムが予め格納されている。CPUはインター
フェイスを介して操作パネル13、レシーバユニット2
3、心拍検出ユニット32、送信ユニット21、および
TIC演算ユニット26に接続され、入力信号に基づき
後述する図2に示す処理を行って制御信号を出力する。
使用態様の1つは、被検体に超音波造影剤を投与してコ
ントラストエコー法を実施する態様で動作させることで
ある。図2は、このコントラストエコー法の実施下にお
いて、送信条件コントローラ31により実施される送信
条件の最適化制御の一例を示す。なお、送信条件コント
ローラ31は心拍検出ユニット32からECG同期信号
Secg を受けて、送信超音波ビーム信号に対して連続的
にまたは間欠的に後述する最適化制御を行うようになっ
ている。
択し、プローブ11に与える送信駆動電圧を直接上下さ
せることで送信音圧を最適化制御するように構成してい
るが、本発明は必ずしもこれに限定されない。診断部位
の音場音圧を結果的に変化させ得るパラメータを使用す
ればよいのであって、例えば、プローブ11における送
信駆動素子数を変えるようにしてもよい。
と同様の値に制御されているとする。このような初期値
としては例えば、約1Mパスカルの送信音圧であり、造
影剤の微小気泡を消失させるには十分なレベルであるこ
とが知られている。被検体に投与された造影剤が診断部
位に到達すると、通常は、エコー信号の強度は当然に増
加することになるが、送信音圧が大きい場合、そのよう
にはならず、診断部位に流入する気泡は瞬時に消失しま
っているので、エコー信号の強度は低い。送信音圧と気
泡の残存数との定性的関係の例を図3に示す。
2に示す如く、送信音圧制御の開始を判断する(同図、
ステップ101)。この判断は、本実施形態では、コン
トローラ31が操作パネル13上の「実行」ボタン13
Dが押されたかどうかを検出して行われる。この判断が
YES(送信音圧開始)となるときは、レシーバユニッ
ト23からエコー信号Secho(ビームフォーミングされ
たエコー信号)を読み込み、その信号値(振幅、強度)
をSaとする(ステップ102)。ここで読み込むエコ
ー信号Sechoの値は、一例として、表示対象となる画像
全体のエコー信号の積分値である。
所定値ΔDだけ下げるための音圧制御信号Ssdを送信ユ
ニット21に送出する(ステップ103)。この音圧制
御信号Ssdに応答して、送信ユニット21は例えばパル
サからの駆動電圧を所定音圧低減値に対応して下げる。
この結果、プローブ11から照射された診断部位におけ
る音場の音圧値は指定値ΔDだけ下げられる。この低減
させた音圧の元で、超音波反射信号がプローブ11を介
して受信される。この反射信号は受信ユニット22で受
信処理され、レシーバユニット23にて電気量のエコー
信号が生成される。
ントローラ31に読み込まれ、その信号値はSbとして
認識される(ステップ104)。この音圧低減後のエコ
ー信号を受信するときには、図3から分かるように、造
影剤の気泡消失の度合いが抑えられるか、または、少な
くとも前の状態と変わらない。このため、診断部位から
の超音波反射信号の強度が増加するか、または、音圧減
少分だけ減少することから、エコー信号の信号値は上
昇、または、下降する(場合によっては不変のこともあ
る)。
まに読み込んでいる信号値Sa,Sbについて、Sa>
Sbか否かの判断を実施する(ステップ105)。この
判断でNOの場合、つまりSa≦Sbあるときは、未だ
送信音圧の最適値に到達していないとして認識し、音圧
低減後の信号値Sbを音圧低減前の信号値Saに置き換
え(ステップ106)、その後、前述したステップ10
3の処理に戻る。このため、再度、送信音圧が再度、所
定値ΔDだけ下げられ、上述したと同様のSa>Sbか
否かの判断が実施される(ステップ103〜105)。
この一連の処理はSa>Sbの状態になるまで繰り返さ
れる。
較処理を繰り返している間に、送信音圧が気泡の消失し
ないレベルまで達していた場合、その次に送信音圧を下
げたときには、エコー信号が下がり始めるので、判断ス
テップ105でSa>Sb(YES)となる。つまり、
Sa>Sbの判断が下された時点で送信に供している音
圧が最適音圧であるので、この音圧を記憶して(ステッ
プ107)、最適化処理が終了する。
「実行」ボタン13Dを押すことで、上述した送信音圧
の最適化制御がECG同期の元で実行される。したがっ
て、造影剤の投与タイミングに合わせて最適化制御を手
動で開始させることができ、開始タイミングを容易に設
定できる。また、オペレータにとって、最適化を実施す
るか、しないかの選択も容易である。
する音圧は、診断部位に流入してくる造影剤の気泡を殆
ど消失させないレベルになる。このため、最も高い強度
のエコー信号を得ることができ、造影効果が格段に向上
する。とくに、血流速度が遅い臓器実質や、比較的細い
血管が診断対象になっている場合でも、流入する造影剤
の気泡が従来のように造影剤の輝度増強を確認する前に
次々と超音波照射によって消失してしまうという事態を
確実に回避できる。
音圧(送信条件)を使ってコントラストエコー法を実施
すると、従来法に比べて格段に高いS/N比のエコー信
号を得ることができ、超音波造影剤に拠るエコーの輝度
増強効果の利点を十分に享受したBモード像や、Bモー
ド像にCFMモードのカラー血流像を重畳させた画像を
提供できる。
値Sa,Sbの比較処理において、この処理に供するエ
コー信号は、上述したように画像全体のラスタに対する
エコー信号(積分値)を使用する態様に限定されない。
この他にも、例えば、代表的な送信ラスタ(例えば画像
中央の5本のラスタ)に対するエコー信号を用いてもよ
く、これにより計算量が少なくて済む。また、オペレー
タが予め指定したROI内のラスタのエコー信号を用い
てもよく、これにより、診断に最も重要と思われる局所
的部位を指定でき、その部位に対して最適な送信条件を
自動設定できるので、最適か制御の制度が一段と向上す
るという更なる利点が得られる。
参照して説明する。この実施形態は、上述した送信条件
の最適化制御をパルスドプラ(PWD)法に適用したも
のである。
1記載の装置構成の内のCFMモードに関わるドプラユ
ニットに代えてPWDモードの回路系を備えるととも
に、ECG系の回路および外部出力回路を省略した構成
になっている。
ル13に接続されるサンプルボリューム用のドプラコン
トローラ41を備え、このコントローラ41の出力側に
配置したレンジゲート回路42、直交位相検波器43、
サンプル/ホールド回路44、BPF45、A/D変換
器46、および周波数解析器47を備える。直交位相検
波器43は、送信条件コントローラ31と同様に、レシ
ーバユニット23のビームフォーミング用加算器の出力
を受けるようになっている。
使ってスキャン画像の一部に×印ROIなどによるサン
プルボリュームを設定すると、このボリューム部位を指
定する位置情報がコントローラ41に与えられる。
位置情報に対応した位置信号がレンジゲート回路42に
渡される。レンジゲート回路42は指定サンプルボリュ
ームに対応したレンジゲート信号を発生させ、これをサ
ンプル/ホールド回路44に送る。このサンプル/ホー
ルド回路44によって、直交位相検波器43から出力さ
れる位相検波信号の内の指定サンプルボリュームに対応
した信号のみがサンプリングされる。このサンプル信号
はBPF45により高域側、低域側のノイズなどがカッ
トされ、さらにA/D変換器46でデジタル信号に変換
されて、周波数解析器47に送られる。つまり、このP
WDモードの場合、ある瞬間に周波数解析器47に与え
られる信号は、指定サンプルボリュームのみの信号であ
る。周波数解析器47は指定サンプルボリューム位置の
位相検波データ列を周波数解析し、時事刻々変化するス
ペクトルデータを表示データ合成器28に出力する。こ
れにより、Bモード像と共に、指定サンプルボリューム
位置のドプラ情報がスペクトルとして表示される。
実施形態のときと同様に、オペレータが任意タイミング
を見計らって実行ボタン13Dを押すことにより、送信
条件としての送信音圧の最適化制御を実施することがで
きる。
の実施形態のように好適に送信条件を最適化できる。こ
のPWDモードの場合、ある瞬間に周波数解析器への入
力信号はサンプルボリュームの1値のみであるから、か
かる最適化制御が非常に有効に機能する。
る。この実施形態は、送信条件の最適化制御に拠る送信
音圧(パワー)の表示に関する。
4の構成に加えて、送信条件コントローラ31と表示デ
ータ合成器28との間に介挿した送信音圧表示プロセッ
サ51を備える。この送信音圧表示プロセッサ51は、
例えばCPUを備えて構成される。そして、このプロセ
ッサ51は送信条件コントローラ31で設定される送信
音圧値をリアルタイムに入力し、時事刻々、自動制御さ
れる送信音圧値を表す数値データおよび/またはグラフ
データを表示データ合成器28に送出する。これによ
り、送信音圧を最適化している間に送信音圧が変化して
いく様子および最終設定値を一目で視認できる。
サ51の処理例を図6(a),(b)に示す。同図
(a)の場合、送信音圧の初期値を画面の右上に表示
し、この初期値Aから変化していく最適化制御中の送信
音圧値Bを矢印を介して、その右側にリアルタイムに更
新および表示するものである。また同図(b)の場合、
画面右上に送信音圧の初期値からの時間変化グラフC
と、リアルタイムに変化する最適化制御中の送信音圧値
Dとを表示するものである。
タにとって、送信音圧の初期値からの変化の様子と、下
げられた現在の送信音圧とが一目瞭然となることあら、
操作のスムーズ化などに貢献できる。
第1の実施形態で説明した構成に適用することもでき
る。
る。この実施形態は、とくに、送信音圧の最適化制御と
TIC計測との組み合わせに関する。なお、好適には、
超音波造影剤は持続注入法により投与される。
コー法の実施下におけるTIC計測は、造影剤が関心領
域に流入して輝度が上昇する態様で計測する場合、その
計測パラメータとしては輝度変化のピーク値、上昇の速
度、輝度変化のピークから輝度減少(ウオッシュアウ
ト)などが重要である。このような変化を主体とするパ
ラメータを計測するTIC計測時に、上述した実施形態
に係る送信音圧の最適化制御を行うと、最適値を求めて
送信音圧を変化させている期間に、かかる輝度変化の情
報(少なくとも正確な情報)が得られないという事態が
発生する。そこで、本実施形態の超音波診断装置はその
ような事態を確実に回避し、正確で安定したTIC計測
が行えるようにすることを更なる目的とする。
波診断装置が備える送信条件コントローラ31は、図8
の処理を実行して、TIC演算ユニット26によるTI
C計測開始タイミング、および、最適化終了に関する表
示を制御できるようになっている。そのほかの構成要件
は図1に示した構成と同一または同様である。
31は、初期値としての通常音圧値のビーム送信による
スキャン、エコーデータのイメージメモリ25へのフレ
ーム毎の記憶、および表示器29による表示を指令する
(ステップ111)。この結果、従来から使用されてい
る通常の送信音圧値に対応して、例えばBモード像上に
CFM像を重畳させた血流のカラー像の表示器29への
表示が開始される。このスキャン、エコーデータの記
憶、および画像表示が以後、画像フリーズのときを除い
てほぼリアルタイムに継続される。
3からの操作情報を読み込み、TIC計測をスキャンと
リアルタイムに実施するか、フリーズ下で行うかなどの
情報を得る(ステップ112)。同様に、表示されてい
る例えばカラー像上の任意の位置にオペレータによって
例えばグラフィカルなROI(関心領域)が設定された
か否かを判断し(ステップ113)、ROIが設定され
たと判断できるときは、ROI位置、ROIの大きさな
どの情報を読み込む(ステップ114)。
5〜120の処理を順次実行していく。まず、送信条件
としての送信音圧の最適化制御を開始するか否かを、操
作パネルの実行ボタン13Dからの信号によって判断す
る(ステップ115)。そして、最適化開始のときは送
信音圧の最適化制御処理を実行する(ステップ11
6)。この処理は前述した図2のステップ102〜10
7と同様である。これにより、超音波造影剤の気泡から
最大のエコー信号が反射してくる最適の送信音圧が自動
的に設定される。これが済むと、送信制御コントローラ
31から表示データ合成器28に、最適化終了を示すデ
ータDaおよび最適化した音圧値データDbが送られる
(ステップ117)。このため、表示器29の画面の一
部に最適化終了のマークおよび最適音圧値が数値データ
として重畳表示される。
の気泡全部を消失させ得るほど高い音圧(高音圧)の超
音波送信を送信ユニット21に瞬間的に指令する(ステ
ップ118)。これにより、いまスキャンしているスキ
ャン面およびその近傍の微小気泡の殆ど全てが瞬時に消
失する。
送信音圧を、既に設定して最適音圧値に復帰させて超音
波送信を行うように送信ユニット21に指令する(ステ
ップ119)。すなわち、高音圧送信によってスキャン
面およびその近傍の気泡が瞬時に破壊された後、直ぐ
に、最適音圧送信の状態に戻されるので、それまでの気
泡が殆ど存在しないスキャン面部分に新たな気泡が流入
してくる。この新たな流入気泡に照射される超音波ビー
ムの音圧は最適化された値に戻されているので、気泡の
消失が少なく、改めて最大の超音波エコーが発生するこ
ととなる。
ステップ112での読込み情報に基づき、TIC計測を
リアルタイムに行うか、またはフリーズ状態で行うかを
判断する。リアルタイムに計測すると判断した場合(Y
ES)、ステップ121に移行し、TIC演算ユニット
26に、TIC計測およびその結果表示を許容する開始
タイミング信号Sst並びにROI情報(位置、大きさ)
SROI を送る。この信号Sstに応答して、TIC演算ユ
ニット26は、BモードDSC24を介してイメージメ
モリ25に経時的に格納されるエコーのフレームデータ
を読み出し、前述した各種パラメータを指定ROI位置
に関して演算する。この演算結果は表示データ合成器2
8および外部出力装置30に送られる。これにより、表
示器29の画面には、リアルタイムの血流カラー断層像
と、TIC計測結果を表すグラフおよび/または数値デ
ータとがほぼリアルタイムに例えば分割態様で表示され
る。
うと判断した場合(ステップ120:NO)、ステップ
122に移行し、現在設定されている最適音圧によるス
キャン状態を一定時間継続させる。この一定時間の幅は
TIC計測に必要なエコーデータを収集できる値に設定
されている。この一定時間の間に、一定枚数のフレーム
エコーデータが収集され、イメージメモリ25に格納さ
れる。一定時間が経過すると、コントローラ31は前述
したステップ121のときと同様に、開始タイミング信
号SstおよびROI情報SROI をTIC演算ユニット2
6に送出するとともに、いま以上の送信を禁止するフリ
ーズ信号Sfzを送信ユニット21に送出する。これによ
り、表示器29に表示される断層像はフリーズ状態にな
る。同時に、TIC演算ユニット26は、上記一定時間
の待機期間中にイメージメモリ25に格納されていた複
数フレーム分のエコーデータを読み出し、前述した各種
パラメータを指定ROI位置に関して演算する。この演
算結果は表示データ合成器28および外部出力装置30
に送られる。これにより、表示器29の画面には、フリ
ーズの血流カラー断層像と、TIC計測結果を表すグラ
フおよび/または数値データとがほぼリアルタイムに例
えば分割態様で表示される。
高音圧の超音波ビームを照射してスキャン面およびその
近傍の微小気泡を瞬時に殆ど全部を消失させ、その後、
最適音圧に戻す手法を用いている。したがって、気泡が
何も無いまっさらの状態に再び流入してくる造影剤の様
子を観測できることから、あたかも最初から最適音圧の
超音波惣新を行うことと等価の状態をつくり出すことが
でき、その後に行うリアルタイムまたはフリーズ下のT
IC計測を高精度かつ安定して行うことができる。
させている期間に、造影剤に拠る輝度変化の情報(少な
くとも正確な情報)が得られないという事態の発生は確
実に防止される。もちろん、TIC計測開始のタイミン
グを的確に管理しているから、送信音圧の最適化制御を
行っている間の受信エコーデータがTIC計測に入り込
んだり、関与することもない。
ドをリアルタイム状態のモードとフリーズ状態のモード
との間で選択でき、計測の便宜が計られている。
ROI設定、送信音圧の最適化制御、最適音圧でのスキ
ャン、TIC計測が一連の作業の中で全て自動化されて
いる。このため、オペレータにとって作業労力が少な
く、作業能率にも優れているので、患者スループットの
向上も期待できる。もちろん、ROI設定をTIC計測
の都度、実行するように設定することもできる。
る。本実施形態の超音波診断装置は、超音波造影剤の物
理的性質を利用して血流流入量に関わる画像を得ること
を特徴とする。この画像収集には、いわゆるフラッシュ
エコー法と呼ばれるイメージング法を使用する。フラッ
シュエコー法は前述したように、超音波ビームを間欠的
に送信することで、臓器に割らないで密集させた微小気
泡(造影剤)を一度に消滅させる、高強度のエコー信号
を収集する手法である。つまり、本実施形態の手法は、
これまでの実施形態のものとは異なり、造影剤を成す微
小気泡を一定の規則性をもって積極的に崩壊させること
で、効率良い診断画像を得ようとするものである。な
お、超音波造影剤は好適には持続注入法により投与さ
れ、この造影剤によるコントラストエコー法が実施され
る。
に示す。この超音波診断装置に備える送信条件コントロ
ーラ31は、送信のフレームレートを制御するととも
に、ループ再生のための指令をBモードDSC24およ
びイメージメモリ25に与える機能を追加的に有してい
る。操作パネル13はフリーズボタン13Eを備える。
そのほかの構成は図1のものと同一または同様である。
合、通常、フレームレート(送信の時間間隔)は、観測
中において例えば10(a)に示す如く、一定に制御さ
れている。もちろん、視野深度や走査線密度を変更した
場合、フレームレートも変わるが、一定のスキャン条件
の下では通常、一定間隔に保持される。これに対して、
本実施形態の超音波診断装置の場合、その送信条件コン
トローラ31はフレームレートを、一定のスキャン条件
の下であっても、例えば図10(b)に示す如く変化さ
せる。この例の場合、1フレームの画像データを得る時
間間隔(フレームレート)が「0.1秒、0.2秒、
0.3秒、…、1.0秒」といった具合に経時的に大き
くなるように、CPUの実行プログラムで予め設定して
ある。
に短くなるように制御してもよい。また、超音波造影剤
を持続注入法で投与する場合、図10(b)で示すシー
ケンスを繰り返してもよい。
で血流量の多少を表す画像が得られることの原理を説明
する。図11(a)は超音波照射によって血管を横断す
る有効音場部分の気泡が消失した瞬間を模式的に表して
いる。この消失後、直ぐに音場内に造影剤(気泡)が流
入し始める。次の超音波照射が比較的短い時間の内に行
われる場合、同図(b)に示す如く、音場内に流入して
いる気泡の量は少量でである。この気泡状態でフラッシ
ュエコー法を実施した場合、気泡が少量であるから、エ
コー信号の強度も相対的に小さい。しかし、超音波照射
の間隔(フレームレート)を長くしていくと、例えば同
図(c)で示すように、照射までに流入する気泡の量も
増えるから、エコー信号の強度も大きくなる。
のに有効な音場(有効音場)内に気泡が一杯に充満する
までの時間を飽和時間Tfullとすると、この飽和時間T
fullよりも長い間隔(フレームレート)でスキャンした
としても、それにより得られるエコー信号の強度は一定
になる。
り、縦軸にエコー信号強度をとって図12に例示する。
同図は2つの血管1、2(data 1, data 2)について比
較例示している。血管1の飽和時間Tfull=0.2秒
で、血管2の飽和時間Tfull=0.4秒である。このこ
とから、血管1は血流供給速度は血管2よりも速く、信
号強度も高いので、したがって血流量も多いことがわか
る。
ローラ31は、フレームレートを例えば図10(b)の
シーケンスにしたがって変化させる。このシーケンスで
得られた複数フレームの画像データ(Bモード像および
CFM像の画像データ)前述したようにイメージメモリ
25に格納される。そこで、一連の送信が終わった後、
コントローラ31は、フリーズボタン13Eからのオペ
レータの信号に応答してスキャンを停止させた後、イメ
ージメモリ25およびDSC24にループ再生を指令す
る指令信号Sdpを与える。これにより、表示器29の画
面には輝度が徐々に増加していくBモード像、または、
カラー血流像(CFM像)をBモード像に重畳した断層
像がループ再生される。血流量が大きい血管ほど、速く
高輝度になるから、この差異によって血流量を大小を計
測・観測することができる。
の時間間隔(気泡を溜めている時間間隔)、すなわち例
えば図10(b)に示すシーケンスを表す数値データま
たはグラフデータなどのデータDcgを表示データ合成器
28に送るようになっている。このため、ループ再生画
面には、この時間間隔の情報も一緒に再生されるので、
オペレータにとって血流量の大小を判断する上で不可欠
な情報も併せて得られ、効率良い診断が可能になる。
血流量の表示能を考えると、上記フレーム間隔は一定の
規則性の下に変化させることが重要であるが、その規則
性自体はどのような関数に拠ってもよい。例えば図13
に示すように、フレーム間隔を0.1秒、0.1秒、
0.1秒、0.1秒、0.2秒、0.2秒、0.2秒、
0.2秒、…のように同一間隔を4回ずつ繰り返しなが
ら増やすシーケンスでもよい。この結果得られた4枚の
フレーム画像の画素値を平均し、その平均値から成る1
枚のフレーム画像データを同一フレーム間隔の代表画像
として表示するようにしてもよい。
法に関する。送信条件コントローラ31は図14に示す
処理を行う。コントローラ31は、オペレータが操作パ
ネル13を操作したことに伴うパネルやキーボードから
の情報を読み込み(ステップ131)、上述した第5実
施形態に係るスキャンモード(フレームレートを積極的
に変化させるモード)を識別する(ステップ132)。
かかるスキャンモードが指令されている場合(ステップ
133、YES)、その後、フレーム間隔の変化パター
ンを設定し、それを記憶する(ステップ134、13
5)。この変化パターンの設定には、オペレータが操作
パネルを操作してその都度入力してもよいが、メモリに
予め格納してある複数の変化パターンを用意したテーブ
ルを画面表示させ、このテーブルの中から選択するよう
にすると便利である。
明する。この実施形態は、血流量画像の差分画像を生成
することに関する。
ト53を備える。この演算ユニット53は送信条件コン
トローラ31からの指令信号Ddif の下に、イメージメ
モリ25から2枚の画像データを読み出し、その画素値
毎の差分を演算するようになっている。この差分値で構
成されるフレームデータはBモードDSC24を介して
表示される。操作パネル13には、フリーズボタン13
Eのほか、差分開始ボタン13Fが装備され、オペレー
タが操作できるようになっている。
6に示す処理を行う。まず、スキャンによってエコーデ
ータを取り込ませた後、オペレータはフリーズボタン1
3Eを押すことになる。コントローラ31はこのフリー
ズ指令を入力すると(ステップ161)、送信ユニット
21のスキャンを停止させる一方で、フリーズ信号Sf
をDSC24およびイメージメモリ25に送って、それ
まで取り込んだ画像を表示させる(ステップ162)。
次いで、オペレータはトラックボールなどを利用して差
分演算に使用する2枚の画像A,Bを表示画面上で選択
する(ステップ163)。この表示画像には、その画像
が何秒のフレーム間隔(気泡を溜めている時間)でスキ
ャンされたかを示すデータが表示されている。
タにより差分開始ボタン13Fが押されたかどうかを検
知する(ステップ164)。この検知がなされたとき
に、コントローラ31は差分開始信号Sdif を差分演算
ユニット53に送出し、そのユニット52に、選択され
た画像A,B相互間の輝度値差分を画素毎に演算させ、
この差分画像データをDSC24に出力させる(ステッ
プ165)。このようにフリーズ後、イメージメモリ2
5に記録されていた画像を任意に読み出し、その差分画
像を作成し、表示させることができる。
顕著なものがある。図17に例示するフレーム間隔対エ
コー信号強度のグラフから分かるように、血管1,2の
曲線は、十分長い時間のフレーム間隔をとった場合、両
曲線ともほぼ同等な信号値(染影輝度)に収束する。そ
れは、同図の場合、フレーム間隔を示す横軸上で0.4
秒以上の範囲である。両曲線の違いはその0.4秒のフ
レーム間隔までの気泡の供給速度に在る。仮に0.2秒
間隔でフラッシュエコー方に拠る送信を行えば、血管1
の方が大きな染影度を呈する(同図中の点1Aと点2A
を参照)。このため、フレーム間隔が0.4秒間隔の画
像から0.2秒間隔の画像との間で差分が演算される
と、血管1の点1A、1B間には輝度差は殆ど無いた
め、画素値はキャンセルされ、殆ど零になる。しかし、
血管2の場合、点2A,2B間には差があるため、この
差分が画像化される。
画像間で差分処理を行うことで、ある特定の血流速度レ
ンジの血流情報を抽出して表示できる、というユニーク
な利点がある。この表示はループ再生などが好適であ
る。
をイメージメモリ25に再度記憶させておいて、また
は、別のメモリに記憶させておき、複数枚の差分画像に
ついてのTICデータをTIC演算ユニット26に演算
させることもできる。また差分演算とリアルタイムにT
IC演算を実施させるようにしてもよい。
にて後処理として実施する手法に限定されず、リアルタ
イムに実施してもよい。例えば、スキャンに伴いDSC
24からほぼリアルタイムに得られる画像データを予め
定めたフレーム間隔毎に差分演算ユニット53に読み込
み、差分可能なデータが揃った時点で差分を画素毎に行
い、この差分結果をDSC24に戻して、例えば分割態
様で断層像と共に表示させるようにしてもよい。
なる例示であって、本発明の範囲を限定することを意図
するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の記
載にしたがって決まるもので、本発明の範囲を逸脱しな
い範囲において様々な態様の超音波診断装置を実施する
ことができる。
に係る装置および方法によれば、例えば超音波造影剤を
被検体に投与した状態で、送信音圧などの送信パワー条
件を受信信号が最大になるように適応制御することを要
旨したため、コントラストエコー法において常に送信パ
ワー条件が造影剤を成す気泡の消失を著しく抑制するこ
とができ、最適化された送信パワー条件によって最も造
影効果が高い高画質の断層像を得ることができる。この
結果、種々の画像処理機能をより効果在らしめることが
可能になり、血管部の血流動態やパーフュージョンの検
出による臓器実質レベルの血行動態の観測及びそれらの
定量評価、鑑別診断を安定かつ高精度に行うことができ
る。
超音波造影剤を投与した状態で受信信号が最大となるよ
うに送信パワー条件を適応制御し、この後に送信パワー
条件を一時的に高い送信パワー条件に上げ、この後に最
適化された送信パワー条件に復帰させて受信信号の輝度
変化曲線(TIC)のデータを経時的に測定するように
したため、送信音圧などの送信パワー条件の最適化によ
って最も造影効果を確保して、コントラストエコー法を
確実かつ安定して実施できる。同時に、一回のコントラ
ストエコー法実施の中で、送信パワー条件の最適化から
TIC測定までを一貫して自動的に実施できるので、オ
ペレータの操作上の労力が軽減されることから、操作性
や操作能率に優れ、患者スループットの向上にも寄与す
る。
投与した被検体の同一部位に関する複数枚の画像を収集
する間に超音波パルス信号の送信フレームレートを積極
的に変化させてスキャンする構成や、このスキャンによ
って得られた2枚の画像の差分を演算する構成を主要部
としたため、造影剤を成す微小気泡が超音波照射によっ
て崩壊するという物理的性質を積極的にコントロールで
き、血流情報の定量化、鑑別診断に新たな情報を提供で
き、計測法の豊富化と充実化によって、より詳細な血流
情報を提供できる。
のブロック図。
ーチャート。
る気泡(超音波造影剤)の数との関係を定性的に示す
図。
のブロック図。
のブロック図。
のブロック図。
ーチャート。
のブロック図。
比較して説明するシーケンス。
明する図。
係を説明するグラフ。
図。
の設定過程を示す粗いフローチャート。
置のブロック図。
の制御例を示す粗いフローチャート。
隔とエコー信号強度の定性的な関係を示すグラフ。
Claims (20)
- 【請求項1】 被検体内に送信した超音波パルス信号の
反射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき前
記被検体の断層像を得るようにした超音波診断装置にお
いて、 前記超音波パルス信号を送信パワー条件に基づき送信す
る送信手段と、前記受信信号が最大となるように前記送
信パワー条件を適応制御して最適化する適応制御手段と
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記反射成分は、前記被検体内に注入した超音波造影剤
により前記超音波パルス信号が反射される成分を含むよ
うにした超音波診断装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の発明において、 前記送信パワー条件は、前記送信手段に備えられた超音
波プローブが出力して前記被検体内の音場のレベルを変
化させるパラメータである超音波診断装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の発明において、 前記パラメータは前記超音波プローブを駆動する駆動電
圧、または、その超音波プローブに含まれる送信駆動素
子の数である超音波診断装置。 - 【請求項5】 請求項2記載の発明において、 前記適応制御手段は、前記被検体内の診断に供する関心
領域の全体からの反射成分に拠る前記受信信号に基づき
前記送信パワー条件を適応制御する手段である超音波診
断装置。 - 【請求項6】 請求項2記載の発明において、 前記適応制御手段は、前記被検体内の診断に供する関心
領域の一部の反射成分に拠る前記受信信号に基づき前記
送信パワー条件を適応制御する手段である超音波診断装
置。 - 【請求項7】 請求項2記載の発明において、 前記適応制御手段は、前記被検体内の診断に供する関心
領域において操作者が指定した部位からの反射成分に拠
る前記受信信号に基づき前記送信パワー条件を適応制御
する手段である超音波診断装置。 - 【請求項8】 請求項2乃至7のいずれか一項に記載の
発明において、 前記送信手段および適応制御手段は、前記被検体のBモ
ード像、CFMモード像、またはパルスドプラモードの
画像を得るモードで動作する手段である超音波診断装
置。 - 【請求項9】 請求項2記載の発明において、 前記適応制御手段により適応制御される前記送信パワー
条件を表示する表示手段を備えた超音波診断装置。 - 【請求項10】 請求項9記載の発明において、 前記表示手段は、前記送信パワー条件の適応制御状態を
リアルタイムに表示する手段である超音波診断装置。 - 【請求項11】 被検体内に送信した超音波パルス信号
の反射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき
前記被検体の断層像を得るようにした超音波診断装置に
おいて、 前記超音波パルス信号を送信パワー条件に基づき送信す
る送信手段と、前記被検体に超音波造影剤を投与した状
態で前記受信信号が最大となるように前記送信パワー条
件を適応制御して最適化する適応制御手段と、この最適
化の後に前記送信パワー条件を一時的に高い送信パワー
条件に上げるパワー上昇手段と、このパワー条件を上げ
た後に前記最適化された送信パワー条件に復帰させる復
帰手段と、この復帰させた最適送信パワー条件の下で前
記受信信号の輝度変化曲線(TIC)のデータを経時的
に測定する測定手段とを備えたことを特徴とする超音波
診断装置。 - 【請求項12】 請求項11記載の発明において、 前記測定手段は、前記受信信号に基づく画像データの複
数フレーム分を記憶するメモリ手段と、このメモリ手段
から前記データを読み出して前記輝度変化曲線のデータ
を演算する演算手段を備えた超音波診断装置。 - 【請求項13】 請求項11記載の発明において、 前記測定手段は、前記受信信号に基づく画像データをフ
レーム毎かつ経時的に入力して前記輝度変化曲線のデー
タをリアルタイムに演算する演算手段を備えた超音波診
断装置。 - 【請求項14】 請求項12または13記載の発明にお
いて、 前記測定手段は、前記受信信号に基づいて前記断層像を
表示する表示手段と、表示された前記断層像上に操作者
が関心領域を設定するための領域設定手段とを備え、前
記演算手段は前記関心領域に相当する前記画像データか
ら前記輝度変化曲線を演算する手段である超音波診断装
置。 - 【請求項15】 被検体内に送信した超音波パルス信号
の反射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき
前記被検体の画像を得るようにした超音波診断装置にお
いて、 前記被検体の同一部位に関する複数枚の前記画像を収集
する間に前記超音波パルス信号の送信フレームレートを
積極的に変化させるレート変化手段と、前記送信フレー
ムレートに基づいて前記超音波パルス信号によるスキャ
ンを行うスキャン手段を備えた超音波診断装置。 - 【請求項16】 請求項15記載の発明において、 前記反射成分は、前記被検体内に注入した超音波造影剤
により前記超音波パルス信号が反射される成分を含むよ
うにした超音波診断装置。 - 【請求項17】 請求項16記載の発明において、 前記レ−ト変化手段は、前記送信フレームレ−トを一定
の規則性の下に変化させる手段である超音波診断装置。 - 【請求項18】 請求項17記載の発明において、 前記レート変化手段は、前記送信フレームレートを操作
者が任意に指定する手段、および、予め設定されている
前記送信フレームレートの複数種の中から任意に選択す
る手段の少なくとも一方を備える超音波診断装置。 - 【請求項19】 請求項16記載の発明において、 前記スキャン手段のスキャンに応答した前記反射成分を
受信して前記受信信号に処理する受信手段と、この受信
信号に基づき画像データを生成する処理手段と、前記処
理手段により得られた2フレーム分の画像データを選択
する選択手段と、前記選択された2フレーム分の画像デ
ータ間のフレーム間差分を演算する差分演算手段とを備
えた超音波診断装置。 - 【請求項20】 超音波造影剤を投与した被検体内に可
変可能な送信パワー条件に依存した超音波パルス信号を
送信し、この被検体からの前記超音波パルス信号の反射
成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき前記被
検体の断層像を得る超音波診断方法において、 前記送信パワー条件を徐々に下げつつ、この送信パワー
条件を下げたときの前後の前記受信信号の強度を比較
し、この比較結果に基づいて前記受信信号が最大となる
ように前記送信パワー条件を適応制御することを特徴と
する超音波診断方法。
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