JPH11155573A - 7回膜貫通型受容体蛋白質et60 - Google Patents

7回膜貫通型受容体蛋白質et60

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JPH11155573A
JPH11155573A JP9325823A JP32582397A JPH11155573A JP H11155573 A JPH11155573 A JP H11155573A JP 9325823 A JP9325823 A JP 9325823A JP 32582397 A JP32582397 A JP 32582397A JP H11155573 A JPH11155573 A JP H11155573A
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transmembrane receptor
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seq
protein
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JP9325823A
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Hiroshi Ishimaru
弘 石丸
Naoko Iemura
直子 家村
Takehiro Koshio
岳弘 小塩
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規の7回膜貫通型受容体蛋白質、またその
蛋白質をコードするcDNA、その蛋白質の発現系、さ
らにその蛋白質の抗体を提供する。 【解決手段】 EAE発症性自己反応性T細胞4R31
2株より、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
のcDNA断片を取得した。そのcDNAコード領域全
長を取得し、そのコードする新規蛋白質の発現系を作成
し、さらにその抗体を作成する。 【効果】 本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
は、白血球の機能を制御する医薬品を検索することに使
用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血球に発現する
新規な7回膜貫通型受容体蛋白質ET60,それを構成
している部分ペプチドまたはこれらの塩に関する。ま
た、本発明は、前記7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0,それを構成している部分ペプチドをコードする核酸
あるいはその誘導体に関する。
【0002】さらに、本発明は、この核酸を用いて遺伝
子操作により7回膜貫通型受容体蛋白質ET60を発現
させる7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の製造方法、
及びそれに使用される発現ベクター及び形質転換体に関
する。また、さらに本発明は、7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60を用いて、この蛋白質に対するリガンドを決
定する方法、この蛋白質との結合を阻害する化合物をス
クリーニングする方法あるいはこの蛋白質に対する抗体
に関する。本発明では、7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60を用いて白血球の機能を制御する医薬品を開発する
ことができる。
【0003】
【従来の技術】白血球は血液細胞の一種であり、免疫・
炎症の種々の機能を司る。特に、感染の際には、種々の
有益な免疫・炎症反応のメカニズムによって、生体を防
御する(麻生芳郎 訳、一目でわかる免疫学、メティガ
ル・サイエンス・インターナショナル発行、48−6
1,1993年)。しかし、その一方で自己免疫など望
ましくない免疫・炎症作用をも引き起こす(麻生芳郎
訳、一目でわかる免疫学、メディカル・サイエンス・イ
ンターナショナル発行、62-73,1993年)。従っ
て、白血球の機能を制御する方法を得ることによって、
有益な免疫応答を引き起こし、感染や腫瘍の治癒をもた
らしたり、あるいは有害な免疫応答を減退させることに
より、自已免疫性疾患などを治療したりすることが可能
になると予想される。白血球の機能、すなわち、その増
殖、分化、活性化、化学遊走等は白血球に発現している
様々な受容体蛋白質によって制御されている。受容体と
は、細胞表面に存在し、他の細胞の表面や体液中に存在
するシグナル分子と高い親和性で結合し、そしてその結
合という細胞外の出来事を細胞内シグナルに変換して細
胞の応答を引き起こすものである(中村桂子・松原健一
監修、細胞の分子生物学(第2版)、教育社、936, 199
0年)。
【0004】従って、これらの受容体の機能を変化させ
るもの、すなわちその受容体と結合して刺激するもの
や、受容体と結合して刺激を遮るもの、その刺激が細胞
内に伝達されることを阻害するものを得ることができれ
ば、白血球の機能を正や負に制御し、さらには、白血球
の機能の不足や過剰に起因する疾患の治療に役立つ物質
を得られることが予想される。
【0005】白血球の受容体としては、サイトカイン受
容体ファミリー、EGF(Epidermal Growth Factor)
受容体ファミリー、7回膜貫通型受容体ファミリーなど
種々の受容体蛋白質が知られており(The Leukocyte An
tigen FactsBook,アカデミックプレス、38-49, 1993
年)、その機能は多岐にわたっている。7回膜貫通型受
容体蛋白質ファミリーは、このような受容体ファミリー
の一つであり、G蛋白質共役型受容体(G-protein coup
led receptor)、ロドプシン型受容体などとも呼ばれ
る。白血球における7回膜貫通型受容体蛋白質の研究は
比較的新しく開始されており、いまだ数多くの未知の7
回膜貫通型受容体蛋白質が存在すると考えられている。
【0006】現在までに白血球に存在する7回膜貫通型
受容体蛋白質として同定されたものとしては、アナフィ
ラトキシンと結合する受容体群、ケモカインと結合する
受容体群、PAF(血小板活性化因子)と結合する受容
体などがある。例えば、アナフィラトキシンの受容体
は、好中球やマクロファージの機能、例えば、活性酸素
の産生、化学遊走、細胞接着の活性化に関与している
(Bouley,F.ら、Biochemistry 30,2993-2999,1991
年)。ケモカインと結合する受容体群の一つ、マウスの
IL―8(インターロイキン8)受容体ホモログの欠損
マウスでは、炎症誘導物質の腹腔内投与による好中球浸
潤が減少したと同時に好中球増加症、骨髄やリンパ節で
の顆粒球、形質細胞の増加が観察された(飯笹久、松島
綱治、臨床免疫、28,731-737,1996年)。
従って、これらの7回膜貫通型受容体蛋白質は、白血球
の増殖、分化、活性化、化学遊走等を制御している。こ
れらの受容体に作用する化合物のうち、疾患の治療剤と
して可能性があると考えられているものの中には、IL
−8,MCP−1(Monocyte Chemotactic Protein 1)
のように受容体に結合して刺激するものや、IL―8変
異体のように受容体と結合して刺激を遮るものがある
(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996年)。
【0007】7回膜貫通型受容体においては、多くの場
合、受容体とシグナル分子の関係は1対1対応に対応し
ているのではない。従って、疾患の治療を考えた場合に
はシグナル分子を知ることだけでは不十分である。例え
ば、セロトニンの場合には、セロトニンという単一のシ
グナル分子に対し、イオンチャンネル型受容体という全
く異なるシグナル伝達経路の受容体を含む14種の受容
体が知られており、さらに、個々の受容体に特異的に結
合する化合物も知られており(1996 Receptor& Ion Cha
nnel Nomenclature Supplement, Trends Pharmacol.Sc
i.、1996年)、それぞれ異なる疾患の治療への応用も考
えられている。また、ケモカイン群の場合には、単一の
シグナル分子が多数の受容体と反応すると同時に、単一
の受容体が多数のシグナル分子と反応する例も多く知ら
れている(C.A.Powerら、TrendsPharmacol.Sci.17,209-
213,1996年)。従って、仮に単一のシグナル分子が疾患
の原因であるとしても、細胞の種類によって異なる受容
体が場合によっては複数存在し、疾患の原因である特定
の細胞群の機能を特異的に制御する場合には、その細胞
に作用するシグナル分子の特定よりもその細胞に発現し
ている受容体を特定することが重要となる。例えば、白
血球に作用するシグナル分子群ケモカイン群の場合、シ
グナル分子RANTES(Regulated on Activation,N
ormal T cell expressed and secreted)に対しては種
々の白血球が反応するが、好酸球にはケモカイン受容体
の一つCCR3が特異的に発現しており、好酸球を特異
的に制御する方法を検索する際には受容体CCR3が必
要となる(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996
年)。さらに、これらの受容体の中にはウィルスの感染
の際の受容体として働くものがあることが知られており
(たとえば、Choe H. ら、Cell 85, 1135-1148, 1996
年)、これらの受容体に結合する分子がウィルスの感染
を防ぐことも知られている(たとえば、Bleul C.C.ら、
Nature, 382, 829-833, 1996年)。こういった場合に
も、ウィルスの感染する細胞に発現する受容体を知るこ
とが肝要となる。
【0008】現在に至るまで、白血球に作用するシグナ
ル分子のうち、例えば既知のケモカインのうちPF4,
HCC1などの受容体については7回膜貫通型受容体蛋
白質であると推定されているものの、受容体タンパク質
は同定されていない(Premack B.A.ら、Nature Medici
ne 2,1174-1178,1996年;Loetscher M.ら、J.Exp.Me
d.84,963-969,1996年)。特にケモカイン群について
は、さらに多くの新規ケモカインが存在すると推定され
ており(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996
年)、さらに未知のケモカインに対する多くの受容体が
存在することが期待される。以上のように、白血球に作
用する分子の受容体はすべて理解されたわけではなく、
白血球にはさらに多くの7回膜貫通型受容体蛋白質が存
在し、かつ、それらの受容体の作用を変化させるものを
得ることによって、白血球の機能を制御し、ひいては、
疾患を制御する方法が得られると期待される。一方、慢
性関節リューマチおよび多発性硬化症などの自己免疫疾
患は、全身または臓器特異的な難治性の慢性炎症を特徴
としている。現在の治療に用いられている医薬品は、治
療効果が低い、治療効果が高くても副作用が強い等の種
々の不十分なところが指摘されている。これらの問題を
解決するためには、自己免疫疾患の発症機序を明らかに
し、その機序のみを特異的に阻害する薬剤が必要であ
る。自己免疫疾患の発症機序には後天的な免疫異常以外
にも遺伝的な素因や感染等の関与も考えられ、未だに詳
細は明らかにされていない。しかし、近年、自己免疫性
疾患の慢性炎症の誘導および悪化に細胞性免疫が関与し
ていることが動物モデルから明らかにされている。そし
て、その発症は、白血球の一種、自己反応性T細胞が抗
原提示細胞上の自己抗原と反応し、この反応が引き金と
なってサイトカイン、ケモカインの分泌やそれに対する
細胞の遊走その他の反応のカスケードが動き始め、さら
に多くの自己反応性T細胞や白血球の別の1種、単核球
の浸潤を伴う炎症が形成されるためと考えられている。
従って、この自己反応性T細胞の活性化を抑制すること
は、続いて生じる様々な反応を抑制し、自己免疫性疾患
の治療につながると考えられる。多発性硬化症は中枢神
経系の自己免疫疾患であり、その病態モデルであるマウ
スの実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)はその発症
機序の解析がもっとも進んでいる病態モデルである。こ
の疾患モデルは、神経髄鞘に存在するミエリン塩基性蛋
白質(MBP)やプロテオリピッドアポ蛋白質に反応す
る自己反応性T細胞により誘導されることが知られてお
り、そのT細胞をクローン化したものもいくつかの研究
機関で樹立されている(例えば、J. Neuroimmunol. 58,
167-176 (1995))。しかし、これらの細胞の機能を制
御している受容体、特に7回膜貫通型受容体蛋白質につ
いてはこれまで報告されていない。従って、白血球、特
に自己反応性T細胞に作用する分子とその受容体はすべ
て理解されたわけではなく、自己反応性T細胞にも今ま
で知られていない7回膜貫通型受容体蛋白質が存在し、
かつ、それらの受容体の作用を変化させるものを得るこ
とによって、自己反応性T細胞の機能を制御し、ひいて
は、自己免疫性疾患を制御する方法が得られると期待さ
れる。
【0009】7回膜貫通型受容体蛋白質に作用する内因
性の物質は様々な受容体に対し様々な物質が知られてい
る。例えば、生理アミンであるグルタミン酸、ドーパミ
ンはそれぞれグルタミン酸受容体群、ドーパミン受容体
群に結合する。また、ペプチドである神経ペプチドY,
エンドセリンはそれぞれ神経ペプチドY受容体群、エン
ドセリン受容体群に結合する(Watson,S.およびSteve
Arkinstall著、The G-protein linked receptor FactsB
ook, Academic Press Inc.、1994年)。これらの中に
は、ケモカイン群、PAFのように白血球に作用するこ
とが知られているものとそうでないものがある。
【0010】これらの7回膜貫通型受容体蛋白質を活性
化する物質は、天然・非天然を問わず、その物質と7回
膜貫通型受容体蛋白質、受容体を発現している細胞の3
者に依存して様々な細胞内シグナル分子の変動を引き起
こす。そのシグナル分子の変動は、例えば、細胞内cA
MP濃度の上昇・下降、イノシトールリン酸濃度の上
昇、細胞内カルシウム濃度の上昇、といった反応があり
(Watson,S.およびSteve Arkinstall著、The G-protei
n linked receptor FactsBook, Academic PressInc.,19
94年)、そのそれぞれを測定する方法も開発されてい
る。従って、これらの反応を測定することにより、特定
の物質が特定の7回膜貫通型受容体蛋白質を活性化する
かどうかあるいはその活性化を妨げるかどうかを判断す
る事ができる。このような物質が7回膜貫通型受容体蛋
白質と結合して生じる、増殖・遺伝子発現の変動・化学
遊走などの生理学的な現象を観察する方法も知られてお
り、同じく、特定の物質が特定の7回膜貫通型受容体蛋
白質を活性化するかどうかあるいはその活性化を妨げる
かどうかを判断することができる。
【0011】このように7回膜貫通型受容体蛋白質に作
用する物質の同定方法としては種々の方法が知られてお
り、これらの方法を利用するためには、7回膜貫通型受
容体蛋白質を同定することが肝要である。こういった考
察に基づくと、白血球、特に自己反応性T細胞の機能を
制御し、疾患の制御を行うためには、これまで知られて
いない7回膜貫通型受容体を取得することが大きな課題
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、白血
球、特に自己反応性T細胞の機能を制御し、疾患をコン
トロールする手法はいまだ完成されていない。その最大
の原因は、疾患と関連した白血球の機能を制御している
受容体蛋白質、特に7回膜貫通型受容体蛋白質が同定さ
れていない点にある。本発明の課題は、新規な7回膜貫
通型受容体蛋白質、またその蛋白質をコードするcDN
A,その蛋白質の発現系、この蛋白質の応用、さらにそ
の蛋白質の抗体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、白血球に
新規7回膜貫通型受容体が存在することを予想し、これ
らが白血球の機能を制御する医薬品の探索に役立つと考
えた。そこで実際に白血球に発現している新規な7回膜
貫通型受容体蛋白質cDNAを取得するために、Differ
ential Display法(例えば、Liang,P.ら、Curr.Biol.
7,274-280,1995年)、RDA法(Lisitsyn, N.ら、Sci
ence 259, 946-951,1993年)、degenerative PCR法(In
nis M.A.ら、PCR Protocols, pp39-53,1990年)など種
々の方法を、種々のヒト組織、白血球、白血球細胞株な
どを材料に検討した。特にdegenerative PCR法について
は、実施例3に示すプライマーを一例とする20種以上
のプライマーを試験した。さらにEAE発症性自己反応
性T細胞4R312株を実際に作製し、種々の条件で培
養し、そのRNAを材料として遺伝子取得を試みた。こ
のような鋭意努力の結果、EAE発症性自己反応性T細
胞4R312株より、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60のcDNA断片を取得した。そののち、その
cDNAコード領域全長を取得し、そのコードする新規
蛋白質の発現系を作成し、さらにその抗体を作成するこ
とにより、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は配列表配列番号1に記
載のアミノ酸配列を含有する7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60に関する。また、配列表配列番号1に記載のア
ミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする核酸、
これら核酸群の中から選ばれる核酸と、宿主細胞中で発
現可能なべクター核酸とを連結してなる組み換えDNA
体ベクター、これら組み換えDNA体ベクターにより形
質転換された7回膜貫通型受容体蛋白質ET60発現細
胞、これらの細胞を培養し培養細胞から生産された化合
物を採取する配列表配列番号1に記載のアミノ酸配列を
含有するポリペプチド(7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60)の製造方法に関する。また、本発明は、この7回
膜貫通型受容体蛋白質ET60に対するリガンドのスク
リーニング方法に関する。
【0015】さらに、本発明は、この7回膜貫通型受容
体蛋白質ET60を特異的に認識する抗体に関する。本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60のアミノ酸配
列を、配列表配列番号1に示し、それをコードする天然
のcDNA配列を配列表配列番号2に示した。これらの
配列をデータベース(GenBankリリース100.0,April,1
997年)で比較したところ、これらは新規な配列であっ
た。また、特許配列データベースDGENE(Derwent Inform
ation Ltd.,JUN 15, 1997)で比較したところ、これらは
新規な配列であった。また該7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60の部分ペプチドを免疫原として各々に対する抗
体(抗体を含有する抗血清も含む)を作製し、この7回
膜貫通型受容体蛋白質ET60の精製法を確立し、本発
明を完成した。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。配列表に
おいて、配列番号1のアミノ酸配列は、本発明の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET60のアミノ酸配列である。ま
た、配列表配列番号2は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60の全アミノ酸配列及びそれをコードしている
cDNA配列である。配列表配列番号3は本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET60に相補的なcDNA配列で
ある。配列表配列番号4および5は、白血球に発現して
いる既知の7回膜貫通型受容体蛋白質の配列よりデザイ
ンしたdegenerative PCR法のためのプライマーの配列で
ある。
【0017】配列表配列番号6および8はファージベク
ターλgt11の配列をもとに設計したサブクローニング用
のプライマーである。配列表配列番号7および11は配
列表配列番号3の配列をもとに設計したサブクローニン
グ用のプライマーである。配列表配列番号9および10
は配列表配列番号2の配列をもとに設計したサブクロー
ニング用のプライマーである。配列表配列番号12は実
験的アレルギー性脳脊髄炎を作製する際に用いたオリゴ
ペプチドの配列である。
【0018】なお、配列表に記載されたアミノ酸配列の
左端及び右端はそれぞれアミノ基末端(以下、N末とい
う)及びカルボキシル基末端(以下、C末という)であ
り、また塩基配列の左端及び右端はそれぞれ5’末端及
び3’末端である。また、表に関しては、表1は本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET60と既知の遺伝子とを
アミノ酸配列での相同性を比較したものである。 Genet
yx-Mac/DBVer.37.0(Software Development Co.,Ltd.)を
用いてSwiss Prot(Rel. 34.0 Oct. 96)をサーチした
のち、上位10種についてアミノ酸の同一度を計算させ
た結果である。表2は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60と既知の遺伝子とをcDNA配列での相同性
を比較したものである。 Genetyx-Mac/DB Ver.37.0を用
いてGenBank(リリース100.0,April,1997年)をサーチ
したのち、上位20種についてcDNA配列の同一度を
計算した結果である。
【0019】また、本発明で述べられる遺伝子操作に必
要なcDNAの作製、ノーザンブロットによる発現の検
討、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング、組
換えDNAの作製、DNAの塩基配列の決定、cDNA
ライブラリーの作製等の一連の分子生物学的な実験は通
常の実験書に記載の方法によって行うことができる。前
記の通常の実験書としては、たとえば、Molecular Clon
ing, A laboratory manual,1989年、Eds., Sambrook,
J., Fritsch,E.F., and Maniatis,T., Cold Spring Har
bor Laboratory Pressを挙げることができる。
【0020】本発明の蛋白質は、少なくとも配列表配列
番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドを有する
が、自然界で生じることが知られている生物種内変異、
アレル変異等の突然変異及び人為的に作製可能な点変異
による変異によって生じる改変体も、配列表配列番号1
のポリペプチドの性質を失わない限り配列表配列番号1
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するものとして本発明の新規化合物に含まれる。
そのアミノ酸の改変、置換に関しては例えばBennettら
の特許出願(WO 96/2645)などに詳しく記載されてお
り、これらを参考にして作製することができ、これらの
方法によって改変、置換されたポリペプチドも本発明に
含まれる。
【0021】配列表配列番号1のアミノ酸配列から予想
されることとして、糖鎖が付加される部分がある。N-
グリコシド結合の共通配列は、Asn-X-Ser/Thrであるこ
とが知られているが、配列番号1で23番目のAsn
(Asn−Asn−Ser)、24番目のAsn(As
n−Ser−Ser)がそれと同等な配列を有しN―グ
リコシド修飾を受けている可能性がある。また、N−ア
セチル−D−ガラクトサミンのO−グリコシド結合を推
定する部分として、セリンまたはスレオニン残基が頻出
する部分が考えられる。これらの糖鎖が付加された蛋白
質の方がポリペプチドそのものよりも一般に生体内での
分解に対して安定であり、また強い生理活性を有してい
ると考えられる。したがって、配列番号1の配列を含有
するポリペプチドのアミノ酸配列の中にN−アセチル−
D−グルコサミンやN−アセチル−D−ガラクトサミン
などの糖鎖がN−グリコシドあるいはO−グリコシド結
合してなるポリペプチドも本発明に含まれる。
【0022】また、実施例3に示すように、本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質ET60の天然のcDNA断片
は、マウスEAE発症性T細胞株4R312より取得さ
れた。従って、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60のmRNAはEAE発症性T細胞に発現しているこ
とが示された。また、実施例5に示したように本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の天然のmRNAは
白血球の多いと考えられるマウス組織、肺に検出され、
また、実施例4に示すように本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET60の天然のcDNA断片は肺に由来する
cDNAから取得された。従って、マウス肺を材料とし
て用いても、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0の天然のcDNAを取得することができる。mRNA
は、細胞内のメカニズムにより蛋白質へと翻訳されるの
で、肺における本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60の天然のmRNAの検出は7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60の発現と同等と考えられる。
【0023】これら配列表配列番号1で表されるアミノ
酸配列を含有する7回膜貫通型受容体蛋白質ET60ま
たはその塩、または、その蛋白質の部分ペプチドまたは
その塩は、診断を目的とした抗体の作成や、治療を目的
とした医薬品の検索に有用である。配列表配列番号1の
アミノ酸配列をデータベース(GenBank CDS(リリース1
00.0,April,1997年),GenBankリリース100.0,Apri
l,1997年)で比較したところ、これらは新規な配列で
あった。また、この配列を特許データベース(STN
DGENE、Derwent社,971116 last update
d)で比較したところ、これらは新規な配列であった。
該アミノ酸配列をKyte-Doolittleの方法(J.Mol.Biol.1
57:105, 1982)に従って、アミノ酸配列から疎水性部
分、親水性部分を解析した。その結果、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET60は細胞膜通過部分を7つ有
する細胞膜蛋白質として、細胞表面に発現されることが
明らかとなった。
【0024】表1に本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60と上記データベースとの比較で類似度が高いと
された、これまで知られている7回膜貫通型受容体蛋白
質の配列の相同性の比較を示した。本発明の7回膜貫通
型受容体蛋白質ET60は、既知のヒトおよびその他の
ほ乳類の7回膜貫通型受容体蛋白質と30%〜40%の
相同性を示し、新規なヒト7回膜貫通型受容体蛋白質で
あることが示された(表1)。既知の受容体の種間の相
同性は、例えば、アンジオテンシン受容体Iaの場合、
ヒト(Swiss-Prot Entry AG2R-Human)とラット(Swiss
-Prot Entry AC22-Rat)問で90%を越える。従って、
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60はこれまで
マウス以外の種で知られている受容体蛋白質のマウスに
おける対応物ではないと考えられる。しかし、ほかの7
回膜貫通型受容体蛋白質との相同性がせいぜい40%で
あり、本発明の蛋白質ET60が7回膜貫通型受容体に
属する蛋白質であることがこのことからも示された。こ
れらの相同性から期待される既知のリガンドとしては、
例えば、ケモカイン群が挙げられる。
【0025】
【表1】 また、配列表配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペ
プチドをコードする本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質
の天然のcDNA配列については、配列表配列番号2に
アミノ酸配列とともに示した。これらの遺伝子配列に関
し、アミノ酸レベルの変異がなくとも、自然界から分離
した、染色体DNA,またはcDNAにおいて、遺伝コ
ードの縮重により、そのDNAがコードするアミノ酸配
列を変化させることなくDNAの塩基配列が変異した例
はしばしば認められる。また、5’非翻訳領域及び3’
非翻訳領域はポリペプチドのアミノ酸配列の規定には関
与しないので、それらの領域のDNA配列は変異しやす
い。このような変異や遺伝コードの縮重によって得られ
る塩基配列も本発明のDNAに含まれる。以下、これら
DNA群を本発明のDNAとよぶ。配列表配列番号1で
表されるアミノ酸配列と実質的に同等なポリペプチドを
コードする本発明のDNAは、本発明の7回膜貫通型受
容体蛋白質ET60を製造する上で有用である。
【0026】配列表配列番号2のDNA配列をデータベ
ース(GenBankリリース100.0,April,1997年)で比較
したところ、これは新規な配列であった。表2に配列表
配列番号2の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60のcD
NA配列とこれまで知られている7回膜貫通型受容体蛋
白質のcDNAの配列の相同性の比較を示した。本発明
の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60のcDNAは、既
知のヒトおよびその他の哺乳類の受容体と55%以下の
相同性を示し、新規なマウスの7回膜貫通型受容体蛋白
質cDNAであることが示された。既知の受容体cDN
Aの種間の相同性は、例えば、アンジオテンシン受容体
の場合、ヒト(GenBank Entry HSU20860)とラット(Ge
nBank Entry S67465)間で84%程度である。従って、
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60はcDNA
配列からみてもこれまでマウス以外の種で知られている
受容体蛋白質のマウスにおける対応物ではないと考えら
れる。また、他の遺伝子との相同性が55%以下である
ので、他の既知の遺伝子を用いて一般的に行われている
クロスハイブリダイゼーションを用いたスクリーニング
でクローニングすることは困難であると考えられる。
【0027】
【表2】 実際に、クロスハイブリダイゼーションのアプローチを
用いた例も数多くあるが、本発明の7回膜貫通型受容体
蛋白質ET60はクローニングされていない(例えば、
Murphy,P.M.ら、Science 253,1280-1283,1991年; Co
mbadiere C.ら、J.Biol.Chem.270, 16491-16494,1995
年)。実施例5に示すように、本発明の7回膜貫通型受
容体蛋白質ET60のcDNA配列の一部を用いてNort
hern解析を行ったところ、既知の受容体遺伝子と考えら
れる転写産物は検出されなかった。また、実施例4に示
すように、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
のcDNA配列の一部を用いてcDNAライブラリース
クリーニングを行ったところ、既知の受容体遺伝子と考
えられるクローンは検出されなかった。このことから、
実際に既知の遺伝子を用いたクロスハイブリダイセーシ
ョンを用いたスクリーニングでクローニングすることは
困難であることが示された。
【0028】配列表配列番号2で示される塩基配列を有
するDNAは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60を作成する上で、また、本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET60の詳細な機能を検討する上で有用であ
る。さらに、配列表配列番号2の遺伝子配列の少なくと
も一部の遺伝子配列を有する12merから16mer
以上、さらに望ましくは19mer以上の核酸、及びそ
の誘導体、および/または、配列表配列番号3の遺伝子
配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12mer
から16mer以上、さらに望ましくは19mer以上
の核酸、及びその誘導体、を用いれば、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET60のcDNAクローン、cD
NA,ゲノムDNA,ゲノム遺伝子クローンなどを検出
することができる。必要な核酸の長さはその配列の特異
性、検出しようとしている核酸との結合の安定性によっ
て異なるが、DNAを用いてPCRによって検出する場
合には、Tm(2本鎖解離温度)が摂氏45度以上であ
ることが望ましい。PCRのようにDNA同志が結合す
る場合には、一つのGC結合を4度とし、一つのAT結
合を2度として合算し、Tmを推定することができる。
従って、GCコンテントが高い場合には12merの、
一般的な50%ぐらいのGCコンテント領域で16me
rの核酸が必要となる。よりDNAとの結合が安定な核
酸誘導体を用いる場合にはさらに短い核酸を用いて検出
することが可能である。ハイブリダイゼーションによる
cDNAクローンの検出、および、20merや19m
erのオリゴヌクレオチドを用いたPCRによるcDN
Aクローンの検出の例は実施例4に示した。例えば、遺
伝子診断を目的としてこれらの遺伝子を調べる方法とし
て、配列表配列番号2および3の一部の遺伝子配列を有
する12merから16mer以上、さらに望ましくは
19mer以上の核酸、つまりDNA,RNA,及びそ
れらがメチル化、メチルフォスフェート化、脱アミノ
化、またはチオフォスフェート化された誘導体を用い、
ハイブリダイゼーション、PCR等の手法によって行う
ことがあげられる。同様な方法でヒト等の他の生物の本
発明の遺伝子のホモログの検出や遺伝子クローニングが
できる。さらに、マウスを含めたゲノム上の遺伝子のク
ローニングも同様に可能である。従って、そのようにし
てクローニングされたこれら遺伝子を用いれば、本発明
の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の更に詳細な機能
も明らかにすることが出来る。例えば、本発明によりマ
ウスのcDNA遺伝子が与えられたので、近年の遺伝子
操作技術を用いれば、マウスのゲノム上の遺伝子を得る
ことができ、トランスジェニックマウス、ジーンターゲ
ッティングマウス、また、本発明の遺伝子と関連する遺
伝子を共に不活化したダブルノックアウトマウスなどの
あらゆる方法を用いて機能を解析することが出来る。同
様にして、本発明のET60cDNAを用いて、ヒトc
DNA遺伝子、さらにヒトゲノム遺伝子を取得できる。
また、本発明の遺伝子のゲノム上の異常があれば、遺伝
子診断、遺伝子治療への応用も可能である。
【0029】配列表配列番号3の遺伝子配列の少なくと
も一部の遺伝子配列を有する12merから16mer
以上、さらに望ましくは19mer以上の核酸、及びそ
の誘導体、をコードするDNAを用いれば、実施例5に
示したように本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0のmRNAの検出が可能である。たとえば、診断を目
的としてこれらの遺伝子の発現を調べる方法として、配
列表配列番号3の一部の遺伝子配列を有する12mer
から16mer以上、さらに望ましくは19mer以上
の相補し得る核酸、つまりアンチセンスDNA,RN
A,及びそれらがメチル化、メチルフォスフェート化、
脱アミノ化、またはチオフォスフェート化された誘導体
すなわちアンチセンス核酸を用い、ハイブリダイゼーシ
ョン、プライマーエクステンション、ヌクレアーゼ・プ
ロテクション・アッセイ等の手法によって行うことが出
来る。また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0の更に詳細な機能を明らかにすることを目的として、
細胞や生体へのアンチセンス核酸の投与も考えられる利
用法である。本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0の過剰な反応が病態となっている疾患については、こ
れらアンチセンス核酸により遺伝子の発現を抑えること
によって、治療を行うことも可能である。また、アンチ
センス核酸を適当なベクターに組み込み、そのベクター
を用いることも可能である。これらアンチセンス核酸の
作成例・使用例についてはMurray,J.A.H.
編、ANTISENSE RNA AND DNA,W
iley−Liss,Inc.,1992年、に詳し
い。
【0030】以上のように、配列表配列番号2の遺伝子
配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12mer
から16mer以上、さらに望ましくは19mer以上
の核酸、及びその誘導体、及び配列表配列番号3の遺伝
子配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12me
rから16mer以上、さらに望ましくは19mer以
上の核酸、及びその誘導体、および、配列表配列番号1
および配列表配列番号2で表される核酸にストリンジェ
ントな条件でハイブリダイズする核酸、及びその誘導体
は、診断、治療などに有用である。本発明の核酸を含有
するベクターとしては、例えば大腸菌由来のpBR32
2,pUC8,pUC19,pUC18,pUC119
(いずれも日本国宝酒造社製)などが挙げられるが、そ
の他のものであっても宿主内で複製増殖できるものであ
ればいずれも用いることができる。実施例6にベクター
としてpTargeTを、宿主として大腸菌を用いた例
を示した。また本発明のDNAを含有するファージベク
ターとしては、例えばλgt10,λgt11(米国Stratagene
社製)などが挙げられるが、その他のものであっても宿
主内で増殖できるものであれば用いることができる。こ
のようにして、得られたベクターは適当な宿主、例えば
エシェリヒア(Escherichia)属菌、バチルス(Bacillu
s)属菌、などにカルシウムクロライド法等を用いて導
入し、本発明のDNAを含有するベクターを保持する形
質転換体を作成することができる。上記エシェリヒア属
菌の例としては、エシェリヒア コリ K12 HB1
01,MC1061,LE392,JM109、INV
αF’などが挙げられる。上記バチルス属菌の例として
はバチルス サチリスM1114等が挙げられる。ま
た、ファージベクターは、例えば増殖させた大腸菌にイ
ンビトロパッケージング法(Proc.Natl.Acad.Sci.71:2
442-, 1978)を用いて導入することができる。 尚、本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の全アミノ酸
配列をコードするcDNAを含むプラスミドpET60
を大腸菌INVαF’に遺伝子導入した形質転換細胞
(実施例6)E.coli:INVαF’−pET60
は、日本国通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所に平成9年11月13日に受託番号:FERM BP
―6165として寄託されている。本発明の7回膜貫通
型受容体蛋白質ET60をコードする塩基配列を有する
核酸を含有するベクターは、本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET60をコードする塩基配列を有する核酸を
製造する上で、また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60の核酸を保持する形質転換体を作成する上で
有用である。
【0031】上記の方法にて作成した本発明の核酸を用
いた7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の発現には、成
書によって知られている(Kriegler, Gene Transfer an
d Expression-A Laboratory Manual, Stockton Press,1
990;および横田ら、バイオマニュアルシリーズ4,遺
伝子導入と発現・解析法、羊土社、1994)、多数の
方法が用いられる。すなわち、分離した7回膜貫通型受
容体蛋白質ET60のアミノ酸配列をコードするcDN
Aを適当な発現ベクターにつなぎ、動物細胞、昆虫細胞
などの真核細胞、バクテリアなどの原核細胞を宿主とし
て生産させることができる。
【0032】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET6
0を発現させる際に、本発明のポリペプチドをコードす
る核酸はその5’末端に翻訳開始コドンを有し、また、
3’末端には翻訳終止コドンを有していてもよい。これ
らの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な合成核酸
アダプターを用いて付加することもできる。更に該DN
Aを発現させるには上流にプロモーターを接続する。ベ
クターとしては上記の大腸菌由来プラスミド、枯草菌由
来プラスミド、酵母由来プラスミド、あるいはλファー
ジなどのバクテリオファージおよびレトロウィルス、ワ
クシニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられ
る。
【0033】本発明に用いられるプロモーターとして
は、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモー
ターであればいかなるものでもよい。形質転換する際の
宿主がエシェリヒア属菌である場合は、tacプロモー
ター、trpプロモーター、lacプロモーターなどが
好ましく、宿主がバチルス属菌である場合にはSPO1
プロモーター、SPO2プロモーターなどが好ましく、
宿主が酵母である場合にはPGKプロモーター、GAP
プロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿
主が原核細胞である場合には、プロモーターとともにリ
ボゾーム結合部位をもつことが好ましい。
【0034】宿主が動物細胞である場合には、SV40
由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモーター、
メタルチオネインプロモーター、ヒートショックプロモ
ーターなどが利用できる。本発明のポリペプチドを発現
させる時、配列表配列番号1のアミノ酸配列と実質的に
同等な蛋白質をコードする核酸のみでもよいが、膜表面
への発現を保証する必要のある場合には、既知シグナル
ペプチドをコードする核酸をN末に付加したり、産生さ
れたポリペプチドの検出を容易にするための既知抗原エ
ピトープをコードする核酸を付加することで、特別の機
能を付加した蛋白質を生産させることもできる。このよ
うな技術の一つの例として、Choe,H.ら、Cell,85,1135
-1148, 1996年を挙げることができる。
【0035】本発明者らは、実施例6に示したごとく、
7回膜貫通型受容体蛋白質ET60を発現する発現ベク
ターとして配列表配列番号2に記載のDNA配列を含む
DNAを発現ベクターpTargeT(Promega社)に
つなぎ、本発明のDNAを含む発現ベクターを作製し
た。このようにして構築された7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60をコードするDNAを含有する発現ベクター
を用いて、本発明のDNAを含むベクターを保持する形
質転換体を製造する。
【0036】宿主としては例えばエシェリヒア属菌、バ
チルス属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。動物細
胞としては、例えばサル細胞であるCOS―7,Ver
o細胞、チャイニーズハムスター細胞CHO,カイコ細
胞SF9などが挙げられる。このようにして得られる本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60をコードする
塩基配列を有する核酸を含有するベクターは、本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET60を産生する上で有用
である。
【0037】実施例7,9に示したごとく、上記の発現
ベクターを遺伝子導入し、7回膜貫通型受容体蛋白質E
T60をCHO細胞、293細胞などで発現させ、これ
ら発現プラスミドで形質転換された形質転換体が得られ
る。これらの形質転換体は本発明の7回膜貫通型受容体
蛋白質ET60を産生する上で有用である。本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質ET60と実質的に同等な蛋白
質をコードする塩基配列を有する核酸を含有するベクタ
ーを保持した形質転換体を作成し、それぞれ公知の方法
により、適当な培地中で適当な培養条件により培養する
ことによって、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60またはその塩を製造することができる。例えば実施
例7のようにWestern blottingを用いたり、また、FA
CSによって検査することにより、7回膜貫通型受容体
蛋白質ET60の生産を確認することができる。
【0038】このようにして作成した、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET60またはその塩を用いて、本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60のリガンドを
決定することができる。そのためには、まず、リガンド
候補である試験化合物を、純化した、または、未精製
の、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60と接触
させ、試験化合物の本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60に対する結合もしくはその結合により引き起こ
される反応を測定する。試験化合物の本発明の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET60に対する結合を測定する場合
には、純化した、または、未精製の本発明の7回膜貫通
型受容体蛋白質ET60と試験化合物を接触させ、複合
体量および/または未結合の試験化合物量を測定する。
複合体量および/または未結合の試験化合物量を測定す
る方法としては、例えば、放射性化合物や色素などを用
いて試験化合物を標識し、複合体と未結合の試験化合物
を分離し、標識を用いて複合体量および/または未結合
の試験化合物量を測定する。この一つの例を実施例8に
示した。
【0039】受容体と結合する化合物が知られている場
合には、その化合物を標識し、試験化合物が標識化合物
と競合するかどうかをもって、試験化合物の結合を測定
することもできる。これらの方法の例として、浅沼幹人
ら、実験医学11,22−29,1993年に挙げられ
ている方法がある。そのほかにも、SPA(Scintillat
ion Proximity Assay)のように複合体と未結合の試験
化合物を分離せずに測定する方法もある。
【0040】一方、試験化合物と本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質ET60の結合によりひき起こされる反応
を測定する場合には、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60の共役しているシグナル伝達系によって様々
な方法が考えられる。このような方法として、例えば唐
木英明ら編、実験医学7,pp26−109,1989
年のように細胞内カルシウムを測定する方法、Samson,
M.ら、Biochem.35,pp3362-3367,1996年のようにマイク
ロフィジオメーターを用いる方法、細胞内cAMPの量
を測定する方法、などがある。リガンドとの結合によっ
て引き起こされる反応を測定する1つの例を実施例9に
示した。これらET60蛋白質もしくはその塩、また
は、その部分ペプチドまたはその塩と試験化合物を接触
させるET60蛋白質に対するリガンドを決定する方法
は7回膜貫通型受容体蛋白質ET60に結合して白血球
細胞の反応を制御する、疾患の治療を行う物質を検索す
る上で有用である。
【0041】さらに上記のようにして、リガンド、すな
わち、7回膜貫通型受容体蛋白質ET60に作用するも
のを発見した場合には、その作用の変化、すなわち、そ
の活性化を行ったり、活性化を阻害したりする物質を検
索することが可能である。そのことは、(i)7回膜貫
通型受容体蛋白質ET60もしくはその塩またはその部
分ペプチドもしくはその塩に、リガンドを接触させた場
合と(ii)7回膜貫通型受容体蛋白質ET60もしくは
その塩またはその部分ペプチドもしくはその塩に、リガ
ンドおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行う
ことによって行うことができる。その一つの例を実施例
10に示した。この方法は、7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60に作用して白血球細胞の反応を制御する、疾患
の治療を行う物質を検索する上で有用である。
【0042】7回膜貫通型受容体蛋白質ET60を特異
的に認識する抗体は実施例11に示したようにして作製
することができる。抗体を作製するためのペプチドの長
さは特に限定されないが、ET60蛋白質を特徴づけら
れる長さがあればよく、好ましくは6アミノ酸以上、特
に好ましくは8アミノ酸以上のペプチドを用いればよ
い。このペプチドをそのまま、またはKLH(keyhole-
limpet hemocyanin)やBSA(bovine serum albumi
n)といったキャリア蛋白質と架橋した後に必要に応じ
てアジュバントと共に動物へ接種せしめ、その血清を回
収することでET60蛋白質を認識する抗体(ポリクロ
ーナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また、
抗血清より抗体を精製して使用することも可能である。
接種する動物としては、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ウサギ、
マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体作製
にはヒツジ、ウサギが好ましい。また、ハイブリドーマ
細胞を作製する公知の方法によりモノクローナル抗体を
得ることも可能であるが、この場合にはマウスが好まし
い。また、配列表配列番号1に示したアミノ酸の全長ま
たは6残基以上、望ましくは8残基以上のアミノ酸配列
をGST(グルタチオンS―トランスフェラーゼ)など
と融合させたものを精製して、または未精製のまま、抗
原として用いることもできる。成書(Antibodies a lab
oratory manual, E.Harlow et al., Cold Spring Harbo
r Laboratory)に示された各種の方法ならびに遺伝子ク
ローニング法などにより分離されたイムノグロブリン遺
伝子を用いて、細胞に発現させた遺伝子組換え体抗体に
よっても作製することができる。このように作製された
抗体は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60の精
製に利用できる。
【0043】また、実施例11に示したこれらの7回膜
貫通型受容体蛋白質ET60を特異的に認識する抗体を
用いれば、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
の検出、測定が可能であり、細胞の分化異常を伴う疾
患、例えば悪性腫傷、ウィルス感染などの疾患の診断薬
として使用でき得る。また、実施例7に示すように、こ
の検出、測定には、Western Blotting, FACS(Fluoresc
ence Activated Cell Sorter)などを用いることができ
る。FACSを用いた臨床診断の例は、例えば、天神美
夫ら編、フローサイトメトリーハンドブック、サイエン
スフォーラム社、1984年、の第4部 フローサイト
メトリーの臨床医学への応用、に示されている。これら
検出、測定については、Western Blotting(Immunoblot
ting)に関してはAntibodies laboratory manual, E.Ha
rlow et al., Cold Spring HarborLaboratory, pp47
1-510にその方法の詳細が、免疫沈降、免疫測定など
に関しては、同書pp421−470,pp553−6
12にそれぞれ詳細が記されている。FACSの際の細
胞の染色については、高津聖志、瀧伸介、免疫研究の基
礎技術、羊土社、1995年、pp16−61に、FA
CSの操作については、天神美夫ら編、フローサイトメ
トリーハンドブック、サイエンスフォーラム社、198
4年に詳細が示されている。
【0044】以上のように、配列表配列番号1で表され
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とする7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
またはその塩、またはその部分ペプチドもしくはその塩
に対する抗体は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60を発現している細胞を同定する上で有用である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に発明を実施する形態につい
て例を示すが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0046】
【実施例1】 4R312株の樹立 MBPペプチド(配列表配列番号12:FKNIVTP
RTPPPS)はApplied Biosystem
s社製430A型ペプチド合成機を用いた固相法にて合
成した。このMBPペプチドの濃度が8mg/mlにな
るように以下のMBPペプチドエマルジョン溶液を作製
した。
【0047】まず、完全フロイントアジュバンド(Di
fco社)に結核死菌(青山B株、日本ビーシージー、
国立予防衛生研究所から入手)を最終濃度4mg/ml
になるように加え、アジュバンド溶液とした。さらに、
MBPペプチド溶液900μlとこのアジュバンド溶液
900μlをガラス注射筒でよく混合し、MBPペプチ
ドエマルジョン溶液とした。このMBPペプチドエマル
ジョン溶液を、SJL/Jマウス(9週齢、メス;日本
チャールスリバーより入手)の両後肢蹠の皮下に25μ
lずつ注入した。さらに1μgのislet acti
vating protein (科研製薬)溶液を、
免疫直後および2日後に尾静脈より200μlの生理食
塩水溶液として注入した。肉眼での四肢の観察により臨
床症状的にEAEを発症しているマウスを選び出し、免
疫後63日目に、腋窩、鼠径及び膝窩リンパ節を採取し
た。リンパ節をメスで細かく切ったのち、シリコン栓を
用いて、150番のメッシュでこし、単細胞懸濁液とし
た。この単細胞懸濁液を10μg/mlのMBPペプチ
ドを含む培地(5%FCS(ウシ胎児血清;Biose
rum社より入手)、Click’sEHAA培地;I
rvine Scientific Cat.No.9
582)で4x106 個/mlに調製し、25cm2
フラスコ(Corning社)に10ml/フラスコで
加え、フラスコを立てて培養を開始した。
【0048】継代用の培地に含まれるFactorは以
下のように調製した。RGF(Rat Growth
Factor)は10μg/mlのコンカナバリンA
(Sigma社)および1%FCSを含むRPMI16
40培地(GIBCO BRL社)で106 細胞/ml
のSDラット(チャールスリバー)の脾細胞を48時間
刺激後、上清を回収し、終濃度が20mg/mlになる
ようにα−methyl−D−mannosideを添
加し、RGFとした。また、EL4supは、1ng/
mlのホルボールミリステートアセテート(Sigma
社)を含むD−MEM(GIBCO−BRL社;5%F
CSを含む)で106 個/mlに調製したマウスEL
4.IL−2細胞(ATCCより入手可能。ATCCT
IB−181)を24時間刺激後、培養上清を回収し、
EL4supとした。
【0049】前記のリンパ節細胞を、培養6日目に継代
培地(Click’s EHAA培地、5%FCS、1
5%RGF、EL4sup 1%を含む)に培地を交換
後、同じ培地で4x106 個/mlに調製し、24穴プ
レートに1.2ml/穴で分注し、5%二酸化炭素雰囲
気中37℃で培養した。さらに約1週間後、10μg/
mlのMBPペプチドおよび約2x106 個/mlの抗
原提示細胞(SJL/Jマウスの脾細胞を3000Rで
X線照射して調製した)の存在下で5%二酸化炭素雰囲
気中37℃で培養し(抗原刺激)、約1週間後に継代培
地に培地を交換し、さらに5%二酸化炭素雰囲気中37
℃で約1週間培養した。これを培養の1サイクルとし、
2週間ごとにこの培養サイクルを繰り返した。まきこみ
細胞数は徐々に減らし、最終的には2.5〜5x105
個/mlで行った。この培養を3サイクル繰り返した
後、限外希釈により個々のクローンに分割した。そのう
ちの1クローンを4R312株と命名した。4R312
株も上記と同様に培養サイクルを繰り返して拡大培養
し、以降の実験に用いた。
【0050】
【実施例2】 4R312株のEAE発症性の確認 4R312株を実施例1に示したように拡大培養し、5
x106 個の抗原刺激後3日目の4R312株をSJL
/Jマウス(8週齢、メス;チャールスリバーより購
入)に尾静脈より注入した。2匹のマウスに注入した。
肉眼による症状観察により、一匹は5日目に一匹は6日
目にEAEの発症が観察された。
【0051】
【実施例3】 新規7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
断片の取得 マウス4R312株は実施例1に示したように拡大培養
し、 全体で約1×107 個の細胞を培養して、実施例1
に示したように抗原刺激を行い、その後3日目の細胞を
材料として使用した。ピペッティングにより、細胞を懸
濁後、1000rpmで15分の遠心(KS−8300
型、久保田製作所、RS3000/6型ローター)後、
上清を吸引・廃棄し、PBS(Phosphate Buffered Sal
ts;大日本製薬(株)製 Cat.No.28-103-05)を
30ml加え懸濁後、再度同じ条件で遠心した。以下、
Quick Prep mRNA Purification Kit(Pharmacia Biotec
h製)を用い、製造者のプロトコル(Rev.4.XV-025-00-0
7)11〜14頁に従って(second column purificatio
nは行わなかった)、mRNAを抽出した。エタノール
沈殿後、Molecular Cloning, A laboratory manual,198
9, Eds. Sambrook,J., Fritsch,E.F., and Maniatis,
T., Cold Spring harbor Laboratory Press のE5,Spect
rophotometric Determination of the Amount of DNA o
r RNAに従って定量した。約2μgのmRNAを用い、S
uperScript Choice System for cDNA Synthesis(Life
Technologies製)添付の5x First stran
d buffer 10μl、 0.1mM DTT 5
μl、RNasin(Promega社製)5μl、R
Nase free DNase(Boerhinge
r社製) 1μlを加え、滅菌水で全量を50μlに
し、室温で5分間放置した。その後、フェノール・クロ
ロフォルム抽出、エタノール沈殿後、次のようにcDN
A合成を行った。SuperScript Choice System for cDNA
Synthesis(Life Technologies製)を用いてcDNA
合成を行った。プロトコル11〜17頁(Protocol1お
よび2)に従い、oligo(dT)プライマーを用いて2重
鎖(ds)DNAを合成した。その後、フェノール・ク
ロロフォルム抽出、エタノール沈殿後、40μlの滅菌水
に溶解した(これをcDNAサンプルと呼ぶ)。
【0052】このcDNAサンプルのうち4μlを用い
てPCR(polymerase chain reaction)を行った。P
CRはTaqポリメラーゼ(宝酒造社製、コードR001
A)を用いた。酵素に添付のバッファーを5μl,酵素
に添付のdNTP mixture4μlと配列表の配列番号4に示
した合成オリゴヌクレオチドA および、配列表の配列番
号5に示した合成オリゴヌクレオチドBをそれぞれ20
0pmolを加え、最終容量50μlとした。
【0053】この混合物を、TaKaRa PCR thermal Cycle
r 480を用いて、摂氏95度1分、摂氏40度 2分、
摂氏72度3分を5サイクル行ったのち、摂氏95度1
分、摂氏50度2分、摂氏72度3分を25サイクル行
った。このPCR産物の一部を1.5%アガロース・ゲ
ル中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジ
ーン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約700b
pのcDNAが増幅されていることを確認した。このバ
ンドをゲルから切り出して Suprec01(宝酒造社製)で
精製後、TA cloningキット(Invitrogen社製)を用いて
クローニングした。
【0054】すなわち、ベクターとしてpCRII Vector
(Invitrogen社製、以下pCRIIという)を用い、ベクタ
ーと先のDNAとをそのモル比が1:3となるように混
ぜ合わせて、T4 DNAリガーゼ(Invitrogen社製)
にてベクターにDNAを組み込んだ。DNAが組み込ま
れたベクターpCRIIを大腸菌One Shot Competent Cells
(Invitrogen社製)に遺伝子導入し、アンピシリン(Si
gma社製)を50μg/ml含むL-Broth(宝酒造社製)
半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度摂氏37度
に放置し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃度
のアンピシリンを含むL-Broth液体培地2mlに植え付
け、8時間程度摂氏37度で震とう培養し、菌体を回収
し、ウィザードミニプレップ(Promega社製)を用いて
添付の説明書に従ってプラスミドを分離し、このプラス
ミドを制限酵素EcoRIにて消化して、約700bpのD
NAが切り出されてくることで該PCR産物が組み込ま
れていることを確認し、確認されたクローンについて、
組み込まれているcDNAの塩基配列決定を行った。
【0055】挿入cDNA断片の塩基配列の決定は、Ap
plied Biosystems社製の蛍光シークエンサーを用いて実
施した。シークエンスサンプルの調製はPRISM,Ready R
eaction Dye Terminator Cycle Sequencing Kit(Appli
ed Biosystems社製)を用いて行なった。0.5ml容
のマイクロチューブに9.5μlの反応ストック液、
4.0μlの0.8pmol/μlのT7プロモーター
プライマー(GIBCO BRL社製)および6.5μlの0.
16μg/μlのシークエンス用鋳型DNAを加えて混
合し、100μlのミネラルオイルを重層後、摂氏96
度30秒、摂氏55度15秒および摂氏60度4分を1
サイクルとするPCR増幅反応を25サイクル行ない、
摂氏4度で5分間保温した。反応後、80μlの滅菌精
製水を加えて攪拌し、遠心分離後、その水層を3回のフ
ェノール・クロロホルム抽出を行なった。100μlの
水層に10μlの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)お
よび300μlのエタノールを加えて攪拌後、室温、1
4,000rpmにて15分間の遠心を行ない沈殿を回
収した。沈殿を75%エタノールで洗浄後、真空下に2
分間静置して乾燥させ、シークエンス用サンプルとし
た。シークエンスサンプルは、4μlの10mMのED
TAを含むホルムアミドに溶解して摂氏90度,2分間
で変性後、氷中で冷却してシークエンスに供した。
【0056】96のクローンについてDNA配列決定を
行ったところ、19個のクローンが配列表配列番号2の
DNA配列の259番目のCから870番目のTに対応
する配列を有していた(両端のプライマーの配列を含ま
ない)。 GenBankリリース100.0,April,1997年のサー
チの結果、この配列は7回膜貫通型受容体群と類似して
いることが判明した(以下、この断片をET(EAE発
症性T細胞由来)60断片とよぶ)。
【0057】
【実施例4】 新規7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
全長遺伝子の配列決定 マウス肺由来のcDNAライブラリー(CLONTECH社、Ca
t#ML1046B)からプラークハイブリダイゼーションにて
全長cDNAを持ったクローンの検索を行った。106
相当のプラークをMolecular Cloning, A laboratory ma
nual,1989,Eds.、Sambrook,J., Fritsch,E.F., and M
aniatis,T., Cold Spring Harbor Laboratory Pressの
2.109-111,Immobilization of bacteriophage λ plaq
ues on nitrocellulose filtersに従ってプレートし、
出現したプラークをナイロンフィルター(Hybond N+;
Amersham社製)に転写し、転写したナイロンフィルター
をアルカリ処理(1.5M NaCl,0.5M NaOHを染み込ませた
濾紙上に5分間放置)し、次いで中和処理(1.5M NaCl,
0.5M Tris-HCl(pH7.5)を染み込ませた濾紙上に5分間
放置)を2回行い、次に2×SSC溶液(1×SSC溶液
は0.15M NaCl、15mMクエン酸pH7.0)中で5分間、2度振
とう洗浄し風乾した。その後、UVクロスリンカー(フ
ナコシ社製、モデルCL-1000)を用いて、このフィル
ターの紫外線照射を1200×160マイクロジュール/cm2
行った。このフィルターを用いて放射性同位元素32Pに
て標識された7回膜貫通型受容体蛋白質遺伝子ET60
断片をプローブにしてハイブリダイゼーションを行っ
た。
【0058】放射性同位元素32Pにて標識されたET6
0断片プローブは以下のように作製した。すなわち、E
T60断片が組み込まれたベクターpCRIIより、制限酵
素EcoRIにてベクターより切り出し、0.8%アガロース・
ゲル中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本
ジーン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約675bp
のバンドをゲルから切り出してGENECLEANII Kit(フナ
コシ社製)を用いて精製した。得られたDNA断片をD
NAラベリングキット(Megaprime DNA labelingsyste
m:Amersham社製コードRPN1607)を用いて標識し
た。すなわち、DNA100ngにプライマー液10μl,5×
反応緩衝溶液20μl及び脱イオン水を加えて全量を86μl
として沸騰水浴を5分間行い、その後、α-32P-dCTP(ア
マーシャム社製、コードAA 0005)10μl,及びKlenow酵
素溶液4μ1を加えて、37°Cで10分間水浴し、放射標識
したET60断片を合成した。更にその後、セファデッ
クスカラム(Quick Spin Column Sephadex G-50:独逸
国ベーリンガーマンハイム社製)で精製し、5分間沸騰
水浴をしたのち、2分間氷冷後使用した。
【0059】前述の方法にて作成したフィルターを、各
々の成分の最終濃度が6倍濃度のSSC溶液、5倍濃度の
デンハルト液(和光純薬社製)、0.5%SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム、和光純薬社製)、及び100μg/mlの
沸騰水浴により変性したサケ精子DNA(Sigma社製)
を含むハイブリダイゼーション液中に浸し、65°Cにて
2時間振とうしたのち、前述の方法で32P標識されたプロ
ープをハイプリダイゼーション液に添加し、65°Cに
て16時間振とうし、ハイブリダイゼーションを行った。
【0060】次に、フィルターを0.1%SDSを含む、各々
の成分の最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸し、室温で3
回洗浄後、さらに同溶液で室温で15分間洗浄した。洗浄
を終了したフィルターを増感スクリーンを使用して、-8
5°Cでオートラジオグラフィーを行った。その結果、
強く露光された部分のクローンを拾い、再度プラークを
蒔き直し前述の方法にてスクリーニングを行い、完全に
単独のクローンを分離した。
【0061】単離されたファージクローンをMolecular
Cloning, A laboratory manual,1989,Eds., Sambroo
k,J., Fritsch,E.F., and Maniatis,T., Cold Spring H
arborLaboratory Pressの2.70,の方法に従い、ファー
ジクローンを約109 pfu(plaque forming unit)調製
し、Wizard lambda preps(Promega)を用いてファージ
DNAを精製した。これらのファージDNAを鋳型としてPCR
(polymerase chain reaction)法にて遺伝子の増幅を行
い、遺伝子配列の解析に供した。
【0062】PCRにはTaqポリメラーゼ(宝酒造社製)を
用いた。このファージクローン溶液1μlと脱イオン水1
8.5μlを混合し95℃で7分間加熱したものに、Taqポリメ
ラーゼ0.5μlと、Taqポリメラーゼに添付のバッファー
2.5μlと、2.5mM dNTP mixture(宝酒造社製)2μlと、
λgt11のアーム配列を利用したオリゴヌクレオチドC:
5’TTG ACA CCA GAC CAA CTG GTA ATG 3’(配列表配列
番号6)、およびオリゴヌクレオチドD:5’AGA GTT T
TG CAC ATG ACT G 3’(配列表配列番号7;配列表配列
番号3の713番目のAから731番目のGの塩基配
列)を、それぞれ10ピコモルを加え、最終容量25μlと
した。
【0063】この混合物を、TaKaRa PCR thermal Cycle
r 480を用いて、95℃1分、52℃1分、72℃2分を1サイク
ルとするPCR反応を25サイクル行ったのち、95℃1
分、52℃1分、72℃7分を1サイクル行った。このPCR
産物を0.8%アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、エ
チジウムブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫
外線下で観察し、約500bpのDNAが増幅されていることを
確認した。この、遺伝子産物をゲルから切り出し、GENE
CLEAN IIを用いて、DNAの精製を行った。この精製DNAを
TAクローニングキット(Invitorogen社製)を用い、添
付のプロトコールに従って、pCRIIベクターに組み込ん
だ。DNAを組み込んだpCRIIベクターを大腸菌INVαF′Co
mpetent Cells(Invitorogen社製)に遺伝子導入し、ア
ンピシリン(Sigma社製)を50μg/ml含むL-Broth(宝
酒造社製)半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37
℃に放置し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃
度のアンピシリンを含むL-Broth液体培地2mlに植え付
け、18時間程度37℃で振とう培養し、菌体を回収し、ウ
ィザードミニプレップ(Promega社製)を用いて添付の
説明書に従ってプラスミドを分離し,DNAの塩基配列決定
に供した。これらのクローンのDNA配列をDNAシー
クエンサーにより解析し、配列表配列番号2にあるcD
NA配列の1番目の塩基から341番目までの塩基配列
を決定した。また、λgt11のアーム配列を利用したオリ
ゴヌクレオチドE:5’GGT GGC GAC GAC TCC TGG AGC C
CG 3’(配列表配列番号8)、およびオリゴヌクレオチ
ドF:5’AGT ACT ATA CCA TAA CCA GC 3’(配列表配
列番号9;配列表配列番号2の803番目のAから82
2番目のCの塩基配列)を用いPCRを行い、同様の操作を
行い、配列表配列番号2にあるDNA配列の803番目
の塩基から1053番目までの塩基配列を決定した。
【0064】
【実施例5】 発現している組織の解析 実施例3,4で得られた4R312細胞株由来マウス7
回膜貫通型受容体蛋白質ET60の各臓器における遺伝
子発現をノーザンハイブリダイゼーションにて解析し
た。Multiple Tissue Northern(MTN)Blotフィルター
(CLONTECH社製、コード#7762-1)を用い、5倍濃度の
SSPE溶液(1倍濃度のSSPE溶液は0.15M NaCl,1
0mM NaH2PO4,1mM EDTA,pH7.4)、10倍濃度のデンハ
ルト液(和光純薬社製)、2%SDS(ドデシル硫酸ナ
トリウム、和光純薬社製)、終濃度50%ホルムアミド
(和光純薬社製)、及び100μg/mlの沸騰水浴により変
性したサケ精子DNA(Sigma社製)を含むハイブリダ
イゼーション液中に浸し、42℃にて2時間振とうしたの
ち、実施例4と同様の方法で32P標識されたET60遺
伝子断片プローブをハイブリダイゼーション液に添加
し、42℃にて16時間振とうし、ハイブリダイゼーション
を行った。
【0065】次に、0.1%SDSを含む、各々の成分の
最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸し、室温で3回洗浄
後、さらに同溶液で室温で15分間洗浄した。さらに、0.
1%SDSを含む、各々の成分の最終濃度が0.2倍濃度の
SSC溶液で室温で15分間洗浄を行った。洗浄を終了し
たフィルターを増感スクリーンを使用して、-85°Cで
オートラジオグラフィーを行った。ET60遺伝子は、
肺に1.35kbから2.4Kbのバンドが認められた。脾臓でも
弱いバンドが認められた。
【0066】
【実施例6】 7回膜貫通型受容体蛋白質ET60発現
ベクターの作製 実施例4で単離されたET60全長遺伝子を含むファー
ジクローンを鋳型としてET60遺伝子のPCR(po
lymerase chain reaction)を
行った。PCRにはHigh Fidelity Taqポリメラーゼ
(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた。このファー
ジクローン溶液2μlと脱イオン水36μlを混合し95℃で7
分間加熱したものに、Taqポリメラーゼ1μlと、Taqポリ
メラーゼに添付のバッファー5μlと、2.5mM dNTP mixtu
re(宝酒造社製)4μlと、オリゴヌクレオチドG:5’TT
C TGC CGC CAT GGA TGA TGG GCA TCA AG 3’(配列表配
列番号10;配列表配列番号2の1番目のAから19番
目のGまでの19残基の5’側にTTCTGCCGCC
の10塩基を連結した配列)、およびオリゴヌクレオチ
ドH:5’AGG CCT ACT ACA ATT GGA ACA TAC TGG 3’
(配列表配列番号11;配列表配列番号3の1番目のC
から17番目のGの塩基配列の17残基の配列の5’側
にAGGCCTACTAの10塩基を連結した配列)
を、それぞれ20ピコモルを加え、最終容量50μlとし
た。
【0067】この混合物を、TaKaRa PCR thermal Cycle
r 480を用いて、95℃1分、60℃1分、72℃2分を1サイク
ルとするPCR反応を5サイクル行ったのち、95℃1分、
55℃1分、72℃2分を1サイクルとするPCR反応を25サ
イクル行って、最後に95℃1分、55℃1分、72℃7分の反
応を行った。このPCR産物を0.8%アガロース・ゲル
中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジー
ン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約1000bpのcD
NAが増幅されていることを確認した。この、目的とする
遺伝子産物をゲルから切り出し、GENECLEAN IIを用い
て、DNAの精製を行った。この精製DNAをpTargeT Mammal
ian Expression Vector System(Promega社製,Cat#A141
0)を用い、添付のプロトコールに従って、pTargeTベク
ターに組み込んだ。PCRによってこれらのクローンをPCR
の鋳型として用い約600bpの断片を生ずるクローンを選
択した。DNAが組み込まれたpTargeTを大腸菌I
NVαF′Competent Cells(Invi
torogen社製)に遺伝子導入し、アンピシリン
(Sigma社製)を50μg/ml含むL-Broth(宝酒造社製)
半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37℃に放置
し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃度のアン
ピシリンを含むL-Broth液体培地2mlに植え付け、18時間
程度37℃で振とう培養し、菌体を回収し、ウィザードミ
ニプレップ(Promega社製)を用いて添付の説明書に従
ってプラスミドを分離し,DNAの塩基配列決定に供した。
【0068】DNA塩基配列決定は、Applied Biosyete
ms社製の蛍光シークエンサーを用いて実施した。シーク
エンスサンプルの精製は、PRISM,Ready Reaction Dye
Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosyetem
s社製)を用いて行なった。0.5ml容のマイクロチューブ
に9.5μlの反応ストック液、4.0μlの0.8pmol/μlの
T7プロモータープライマー(GIBCO BRL社製)および
6.5μlの0.16μg/μlシークエンス用鋳型DNAを加
えて混合し、100μlのミネラルオイルを重層後、96℃30
秒、55℃15秒および60℃4分を1サイクルとするPCR増
幅反応を25サイクル行ない、4℃で5分間保温した。反応
後、80μlの滅菌精製水を加えて撹拌し、遠心分離後の
水層を3回のフェノール・クロホルム抽出を行なった。1
00μlの水層に10μlの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)およ
び300μlエタノールを加えて撹拌後、室温、14,000rpm
にて15分間の遠心を行ない沈殿を回収した。沈殿を75%
エタノールで洗浄後、真空下に2分間静置して乾燥さ
せ、シークエンス用サンプルとした。シークエンスサン
プルは、4μlの10mMのEDTAを含むホルムアミドに溶解し
て90℃,2分間で変性後、氷中で冷却してシークエンス
に供し、配列表配列番号1の配列を持つことを確認し
た。これによって得られた発現プラスミドをpET60
と命名した。なお、このプラスミドpET60を大腸菌
INVαF’に導入した菌株E.coli:INVα
F’−pET60は日本国通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所に受託番号:FERM BP―616
5として寄託されている。
【0069】
【実施例7】 発現ベクターの細胞への遺伝子導入と発
現 実施例6で作製した発現ベクターを293細胞(大日本
製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CRL−15
73)に遺伝子導入した。 遺伝子導入前の細胞の継代
は、MEM with Earles Salts(M
EMアール液体培地、大日本製薬(株)Cat.No.
12−102−54CN)を用い、10%馬血清(摂氏
56度20分間熱処理して非働化した;ICN Bio
medicals,Inc. Cat.No.2921
149)、100分の1量のPenicillin−S
treptomycin溶液(大日本製薬(株)Ca
t.No.16−70D−49DN)を加えた。細胞
は、5×104 個/mlから5×105 個/mlの濃度
で培地中に植え付け、摂氏37度、5%二酸化炭素、湿
度100%で培養し、コンフルエントになるまで培養し
た。培地を吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液(Cosm
o Bio Co.,Ltd.)処理により、細胞をプレート底面よ
りはがした。前記の培地(血清を含む)を加えて反応を
停止させた。その後、ピペッティングによって細胞を均
一に懸濁し、遠心して(1000rpm 15分;KS
−8300型、久保田製作所、RS3000/6型ロー
ター)回収し、新しい培地に再度懸濁し継代した。
【0070】遺伝子導入は、Invitrogen社の
キット(Cat.No.IV2780−1)を用いリン
酸カルシウム共沈法にて行い(添付のプロトコル6ペー
ジ)、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60をコ
ードするDNAを保持する形質転換体を作成した。DN
Aは35mmプレートあたり5μgを用いた。膜画分の
調製は、以下のように行った。pET60を遺伝子導入
した細胞およびpcDNA3プラスミドを導入した細胞
を24〜48時間培養した。その後、培地はアスピレー
タで吸引し廃棄し、PBS(大日本製薬(株)Cat.No.
28-103-05)を用いて細胞を洗浄し、その後1ml/
プレートのPBSを加え、CellScraper-L(住友ベーク
ライト、Cat.No.MS-93300)を用いてプレートからは
がした。その後、1ml/3プレートのPBSを加え、プ
レートを洗浄し、回収した細胞に加えた。この細胞懸濁
液をPolytron(KINEMATIKA社製、PT10-SK)で破砕し、
マイクロチューブ用遠心機(トミー精工、MRX-150
型)で摂氏4度,13000xgで15分間遠心した。
上清を捨て、さらに2度PBSを加え懸濁後、同じ条件
で遠心した。バイオ・ラッド社のプロテインアッセイキ
ットを用いて蛋白質を定量し、蛋白質量が、1mg/mlに
なるようPBSを加えて調製した。この懸濁液を膜画分
調製液とした。
【0071】こうして得られた膜画分調製液を用いてウ
ェスタンブロッティング法にて7回膜貫通型受容体蛋白
質ET60の発現を確認した。すなわち、膜画分をAC
Iジャパン社製のSDS―PAGE用電気泳動槽及びS
DS―PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラジエン
トゲル5〜15%)を用い、添付の取扱い説明書に従っ
てSDS―PAGEをおこなった。サンプルは2―メル
カプトエタノール(2―ME)を加えて5分間の沸騰水
浴加熱処理により還元処理を行った。マーカーとしては
Amersham社製レインボーマーカー(高分子量用)を用
い、サンプルバッファー、泳動バッファーについては添
付の取扱い説明書に従って作製した。SDS―PAGE
終了後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブランフィ
ルター(BioRad社製)に同社製ミニトランスブロットセ
ルにより転写した。
【0072】このように作製されたフィルターをブロッ
クエース(大日本製薬社製)、TBS―T(20mM Tris
-HCl,137mM NaCl(pH7.6)、0.1%Tween 20)
に摂氏4度で一晩振とうしてブロッキングした。ECL
ウェスタンブロッティング検出システム(Amersham社)
に添付の説明書に従い、一次抗体として実施例11に記
載した抗ET60抗血清を用い、二次抗体としてペルオ
キシダーゼ標識抗ウサギIgロバ抗体(Amersham社製)
を反応させた。。
【0073】抗体の反応時間は各々室温で一時間反応さ
せ、各反応間はTBS―Tにて10分間室温で振とう洗
浄する操作を3回ずつ繰り返した。最後の洗浄後、フィ
ルターをECLウエスタンブロッティング検出システム
(Amersham社製)の反応液に5分間浸し、ポリ塩化ビニ
リデンラップに包んでX線フィルムに感光させた。分子
量マーカーとの比較の結果、約38〜42kDのバンドが
遺伝子導入をしたものについてのみ得られ、遺伝子導入
をしていない細胞には観察されなかった。
【0074】
【実施例8】 リガンドのスクリーニング 遺伝子導入を行わない293細胞とET60形質転換体
293細胞の膜画分を実施例7と同様にして調製した。
膜画分調製液50μlもしくはPBS(大日本製薬
(株)Cat.No.28-103-05)と放射性標識された候
補化合物CGS 21680(Dupont NEN
社、カタログ番号 NET−1021)50μl(終濃
度100nM)、PBS 50μlを加え、全量を15
0μlとした。混合して候補化合物と7回膜貫通型受容
体蛋白質ET60を接触させ、摂氏37度で30分間保
温した後、マイクロチューブ用遠心機(トミー精工、M
RX−150型)で室温、15000xgで15分間遠
心し、ET60蛋白質と結合した候補化合物と結合して
いないものを分離した。その上清を1μlとり、10m
lの液体シンチレーター用カクテル(Dupont NEN,ECON
OFLUOR-2)に加え、混合した。その後、Beckman LS600
0LL型シンチレーションカウンターを使用して放射活性
をカウントし、ET60遺伝子導入の有無で得られた放
射活性を比較した。
【0075】その結果、得られた放射活性はET60遺
伝子導入の有無で差がなかった。
【0076】
【実施例9】 リガンドのスクリーニング 実施例4で作製した発現ベクターをCHO細胞(大日本
製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CCL-61)に
遺伝子導入した。遺伝子導入前の細胞の継代は、F-12
Nutrient Mixture(HAM培地、GIBCO BRL
カタログ番号11765-047)を用い、最終濃度10
%のFBS(Fetal Bovine Serum; GIBCO BRL Cat.No.1
0099-141;摂氏56度20分間熱処理して非働化し
た)、100分の1量のPenicillin-Streptomycin溶液
(大日本製薬(株)Cat.No.16-70D-49DN)を加え
た。細胞は、5×104 個/mlから5×105 個/mlの濃
度で培地中に植え付け、摂氏37度、5%二酸化炭素、
湿度100%で培養し、コンフルエントになるまで培養し
た。培地は吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液(Co
smo Bio Co.,Ltd.)処理により、細胞
をプレート底面よりはがした。前記の培地(血清を含
む)を加えて反応を停止させた。その後、ピペッティン
グによって細胞を均一に懸濁し、遠心して(1000r
pm 15分;KS−8300型、久保田製作所、RS
3000/6型ローター)回収した。新しい培地に再度
懸濁し、継代した。遺伝子導入は、BIORAD社のG
enePulserを用いてエレクトロポレーションで
行った。CHO細胞は上記のようにトリプシン処理を行
いプレート底面よりはがし、エレクトロポレーション用
緩衝液(272mM Sucrose, 1mM Mg
Cl2 ,7mM リン酸緩衝液)で洗浄後、5x106
cell/500μl になるよう同じエレクトロポレ
ーション用緩衝液に懸濁し、GenePulser C
uvette に分注した。実施例6で作製したプラス
ミドのDNAを5μg用いた。5分間氷冷後、Gene
Pulserのセルチャンバーに入れ、3μF,550
Vの条件で2回パルスをかけた。再度5分間氷冷後、摂
氏37度に保温した培地を10ml加え直径10cmの
細胞培養用シャーレに移した。その後、約24時間後に
培地を新しいものと交換しさらに約24時間培養した。
さらに培養上清を、種々の細胞濃度で400μg/mlの濃
度のネオマイシン(Geneticin,GIBCO BRL 1811-023)を
含む培地に植え替えた。その後、2週間前後培養し増殖
した細胞を発現細胞とした。以上のように作成した7回
膜貫通型受容体蛋白質ET60発現細胞を用いて、化学
遊走の測定を行った。リガンド候補物質としては、LP
S(リポポリサッカライド)投与ラット血清を用いた。
7週令のWistarラットを(株)日本生物材料より購入し
た。サルモネラミネソタRE595由来LPS(Sigma社
製)を日本薬局方生理食塩水に最終濃度1mg/mlになる
ように懸濁した。懸濁液をソニケーター(Branson社
製)でソニケートし、透明な液とした。これを日本薬局
方生理食塩水で10倍に希釈し、400μl,尾静脈より
投与した。投与後約22時間後のラットをエーテル麻酔
し開腹して心臓より採血した。マイクロチューブ用遠心
機(トミー精工、MRX-150型)で摂氏4度,1300
0×gで15分間遠心し、その上清を摂氏−20度で保
存した。これを被検物質溶液とした。
【0077】96穴マイクロプレートチャンバー(フナ
コシ(株)カタログ番号FE―2292-96)に96穴マ
イクロプレート(フナコシ(株)カタログ番号FE―2
300-02)および15μg/mlのフィブロネクチン(Sig
ma,PBS(大日本製薬(株)カタログ番号28-103
-05)中に溶解した)で処理した8μmのポアサイズの
フレームフィルター(フナコシ(株)カタログ番号FE
-2340-08)を据え付けた。下室には0.15%BSA
(Sigma社製)を含むRPMI 1640(GIBCO BRLカ
タログ番号22400-071)で被検物質溶液を10倍希釈して
加えた。上室には0.15%BSAを含むRPMI1640に
懸濁した7回膜貫通型受容体蛋白質ET60発現細胞を
加え、被検物質とET60蛋白質を接触させた。この状
態の96穴マイクロプレートチャンバーを5%二酸化炭
素、摂氏37度で5時間保温した。フィルターを固定・
染色して顕微鏡下で観察した。その結果、化学遊走して
いる細胞が観察された。
【0078】
【実施例10】 リガンドと拮抗する物質のスクリーニ
ング ET60形質転換CHO細胞を用い形質転換体の化学遊
走試験を行った。(i)実施例9で作製したET60形
質転換CHO細胞に発現する7回膜貫通型受容体蛋白質
ET60と実施例9に示したLPS投与ラット血清をリ
ガンドとして用いて実施例9と同様に化学遊走している
細胞を観察した。さらに、(ii)実施例9の実験の際に
上室および下室に含まれる溶液に最終濃度100μMのN
−エチルカルボキシアミドアデノシン(Sigma社製)を
加えて実施例9と同様に化学遊走している細胞を観察し
た。そののち、(i)(ii)を比較したが、両者に差は
なかった。
【0079】
【実施例11】 ET60蛋白質を認識する抗体の作成 配列表配列番号1の18番目のAspから45番目のC
ysまでのペプチドを合成し、免疫原としてウサギに免
疫して、抗体価の測定後、全血の採血を行い、血清を採
取して、米国BioRad社製のエコノパック血清IgG精製
キットを用いて、添付の取扱い説明書に従って、抗ヒト
ET60蛋白質ウサギポリクローナル抗体を精製して作
製した ペプチド合成は、Fmoc固相合成法(新生化学実験講座1
・タンパク質VI合成及び発現、東京化学同人発行)に
て行ない、その2mgの合成ペプチドを等量のキャリア
蛋白質KLH(keyhole-limpet hemocyanin)とマレイ
ミド法にてコンジュゲートしたものを抗原として使用し
た。約2.5kgのウサギ1羽に0.5mgの抗原を背部皮下
投与し、その21日後、42日後および63日後にもそ
れぞれ等量の抗原を同様に投与した。最初の投与から7
3日目にウサギより血液を麻酔下頚動脈採血により採取
後、血清を分離し抗血清とした。
【0080】
【発明の効果】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
60は、白血球の機能を制御する医薬品を検索すること
に使用が可能である。
【0081】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:351 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Asp Asp Gly His Gln Glu Ser Ala Leu Tyr Asp Gly His Tyr Glu 5 10 15 Gly Asp Phe Trp Leu Phe Asn Asn Ser Ser Asp Asn Ser Gln Glu Asn 20 25 30 Lys Arg Phe Leu Lys Phe Lys Glu Val Phe Leu Pro Cys Val Tyr Leu 35 40 45 Val Val Phe Val Phe Gly Leu Leu Gly Asn Ser Leu Val Leu Ile Ile 50 55 60 Tyr Ile Phe Tyr Gln Lys Leu Arg Thr Leu Thr Asp Val Phe Leu Leu 65 70 75 80 Asn Leu Pro Leu Ala Asp Leu Val Phe Val Cys Thr Leu Pro Phe Trp 85 90 95 Ala Tyr Ala Gly Thr Tyr Glu Trp Val Phe Gly Thr Val Met Cys Lys 100 105 110 Thr Leu Arg Gly Met Tyr Thr Met Asn Phe Tyr Val Ser Met Leu Thr 115 120 125 Leu Thr Cys Ile Thr Val Asp Arg Phe Ile Val Val Val Gln Ala Thr 130 135 140 Lys Ala Phe Asn Arg Gln Ala Lys Trp Lys Ile Trp Gly Gln Val Ile 145 150 155 160 Cys Leu Leu Ile Trp Val Val Ser Leu Leu Val Ser Leu Pro Gln Ile 165 170 175 Ile Tyr Gly His Val Gln Asp Ile Asp Lys Leu Ile Cys Gln Tyr His 180 185 190 Ser Glu Glu Ile Ser Thr Met Val Leu Val Ile Gln Met Thr Leu Gly 195 200 205 Phe Phe Leu Pro Leu Leu Thr Met Ile Leu Cys Tyr Ser Gly Ile Ile 210 215 220 Lys Thr Leu Leu His Ala Arg Asn Phe Gln Lys His Lys Ser Leu Lys 225 230 235 240 Ile Ile Phe Leu Val Val Ala Val Phe Leu Leu Thr Gln Thr Pro Phe 245 250 255 Asn Leu Ala Met Leu Ile Gln Ser Thr Ser Trp Glu Tyr Tyr Thr Ile 260 265 270 Thr Ser Phe Lys Tyr Ala Ile Val Val Thr Glu Ala Ile Ala Tyr Phe 275 280 285 Arg Ala Cys Leu Asn Pro Val Leu Tyr Ala Phe Val Gly Leu Lys Phe 290 295 300 Arg Lys Asn Val Trp Lys Leu Met Lys Asp Ile Gly Cys Leu Ser His 305 310 315 320 Leu Gly Val Ser Ser Gln Trp Lys Ser Ser Glu Asp Ser Ser Lys Thr 325 330 335 Cys Ser Ala Ser His Asn Val Glu Thr Thr Ser Met Phe Gln Leu 340 345 350
【0082】配列番号:2 配列の長さ:1053 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATG GAT GAT GGG CAT CAA GAG TCA GCT CTG TAC GAT GGG CAC TAC GAG 48 Met Asp Asp Gly His Gln Glu Ser Ala Leu Tyr Asp Gly His Tyr Glu 5 10 15 GGA GAT TTC TGG CTC TTC AAC AAT TCC AGT GAT AAC AGC CAG GAG AAC 96 Gly Asp Phe Trp Leu Phe Asn Asn Ser Ser Asp Asn Ser Gln Glu Asn 20 25 30 AAA CGC TTC CTA AAG TTC AAG GAG GTC TTT TTG CCC TGT GTG TAC CTG 144 Lys Arg Phe Leu Lys Phe Lys Glu Val Phe Leu Pro Cys Val Tyr Leu 35 40 45 GTA GTG TTT GTC TTT GGA CTG CTA GGA AAC TCC CTG GTT CTG ATT ATA 192 Val Val Phe Val Phe Gly Leu Leu Gly Asn Ser Leu Val Leu Ile Ile 50 55 60 TAC ATT TTC TAC CAG AAG CTG AGG ACT CTG ACA GAT GTG TTT CTG CTG 240 Tyr Ile Phe Tyr Gln Lys Leu Arg Thr Leu Thr Asp Val Phe Leu Leu 65 70 75 80 AAC TTG CCC CTG GCT GAC CTG GTG TTT GTC TGT ACT CTG CCC TTT TGG 288 Asn Leu Pro Leu Ala Asp Leu Val Phe Val Cys Thr Leu Pro Phe Trp 85 90 95 GCC TAT GCA GGC ACC TAT GAG TGG GTC TTT GGC ACA GTC ATG TGC AAA 336 Ala Tyr Ala Gly Thr Tyr Glu Trp Val Phe Gly Thr Val Met Cys Lys 100 105 110 ACT CTT CGA GGC ATG TAT ACA ATG AAC TTC TAC GTG TCC ATG CTC ACT 384 Thr Leu Arg Gly Met Tyr Thr Met Asn Phe Tyr Val Ser Met Leu Thr 115 120 125 CTC ACC TGC ATC ACA GTG GAT CGT TTC ATT GTA GTG GTC CAG GCT ACC 432 Leu Thr Cys Ile Thr Val Asp Arg Phe Ile Val Val Val Gln Ala Thr 130 135 140 AAG GCC TTC AAC CGG CAG GCT AAG TGG AAG ATC TGG GGC CAA GTC ATT 480 Lys Ala Phe Asn Arg Gln Ala Lys Trp Lys Ile Trp Gly Gln Val Ile 145 150 155 160 TGC TTG CTC ATT TGG GTG GTC TCC CTG TTG GTT TCT TTG CCA CAG ATC 528 Cys Leu Leu Ile Trp Val Val Ser Leu Leu Val Ser Leu Pro Gln Ile 165 170 175 ATC TAT GGC CAT GTT CAA GAT ATT GAC AAG CTT ATC TGT CAG TAC CAC 576 Ile Tyr Gly His Val Gln Asp Ile Asp Lys Leu Ile Cys Gln Tyr His 180 185 190 AGT GAG GAG ATA TCC ACT ATG GTT CTT GTT ATA CAG ATG ACT CTG GGG 624 Ser Glu Glu Ile Ser Thr Met Val Leu Val Ile Gln Met Thr Leu Gly 195 200 205 TTC TTC CTG CCA TTG CTC ACT ATG ATT CTG TGC TAC TCA GGC ATT ATC 672 Phe Phe Leu Pro Leu Leu Thr Met Ile Leu Cys Tyr Ser Gly Ile Ile 210 215 220 AAG ACC TTG CTT CAT GCT CGA AAC TTC CAG AAG CAC AAA TCT CTA AAG 720 Lys Thr Leu Leu His Ala Arg Asn Phe Gln Lys His Lys Ser Leu Lys 225 230 235 240 ATC ATC TTC CTT GTA GTG GCT GTG TTC CTG CTG ACC CAG ACA CCC TTC 768 Ile Ile Phe Leu Val Val Ala Val Phe Leu Leu Thr Gln Thr Pro Phe 245 250 255 AAC CTT GCC ATG TTA ATC CAA AGT ACA AGC TGG GAG TAC TAT ACC ATA 816 Asn Leu Ala Met Leu Ile Gln Ser Thr Ser Trp Glu Tyr Tyr Thr Ile 260 265 270 ACC AGC TTT AAG TAT GCC ATC GTA GTG ACA GAG GCT ATA GCA TAC TTT 864 Thr Ser Phe Lys Tyr Ala Ile Val Val Thr Glu Ala Ile Ala Tyr Phe 275 280 285 CGG GCT TGC CTT AAC CCT GTA CTT TAT GCC TTT GTT GGC TTA AAG TTC 912 Arg Ala Cys Leu Asn Pro Val Leu Tyr Ala Phe Val Gly Leu Lys Phe 290 295 300 CGG AAG AAC GTC TGG AAA CTT ATG AAG GAT ATC GGC TGC CTC TCT CAC 960 Arg Lys Asn Val Trp Lys Leu Met Lys Asp Ile Gly Cys Leu Ser His 305 310 315 320 CTG GGA GTC TCA AGT CAA TGG AAG TCT TCT GAG GAC AGT TCC AAG ACT 1008 Leu Gly Val Ser Ser Gln Trp Lys Ser Ser Glu Asp Ser Ser Lys Thr 325 330 335 TGT TCT GCC TCC CAC AAT GTA GAG ACC ACC AGT ATG TTC CAA TTG 1053 Cys Ser Ala Ser His Asn Val Glu Thr Thr Ser Met Phe Gln Leu 340 345 350
【0083】配列番号:3 配列の長さ:1053 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA アンチセンス:YES 配列 CAATTGGAAC ATACTGGTGG TCTCTACATT GTGGGAGGCA GAACAAGTCT TGGAACTGTC 60 CTCAGAAGAC TTCCATTGAC TTGAGACTCC CAGGTGAGAG AGGCAGCCGA TATCCTTCAT 120 AAGTTTCCAG ACGTTCTTCC GGAACTTTAA GCCAACAAAG GCATAAAGTA CAGGGTTAAG 180 GCAAGCCCGA AAGTATGCTA TAGCCTCTGT CACTACGATG GCATACTTAA AGCTGGTTAT 240 GGTATAGTAC TCCCAGCTTG TACTTTGGAT TAACATGGCA AGGTTGAAGG GTGTCTGGGT 300 CAGCAGGAAC ACAGCCACTA CAAGGAAGAT GATCTTTAGA GATTTGTGCT TCTGGAAGTT 360 TCGAGCATGA AGCAAGGTCT TGATAATGCC TGAGTAGCAC AGAATCATAG TGAGCAATGG 420 CAGGAAGAAC CCCAGAGTCA TCTGTATAAC AAGAACCATA GTGGATATCT CCTCACTGTG 480 GTACTGACAG ATAAGCTTGT CAATATCTTG AACATGGCCA TAGATGATCT GTGGCAAAGA 540 AACCAACAGG GAGACCACCC AAATGAGCAA GCAAATGACT TGGCCCCAGA TCTTCCACTT 600 AGCCTGCCGG TTGAAGGCCT TGGTAGCCTG GACCACTACA ATGAAACGAT CCACTGTGAT 660 GCAGGTGAGA GTGAGCATGG ACACGTAGAA GTTCATTGTA TACATGCCTC GAAGAGTTTT 720 GCACATGACT GTGCCAAAGA CCCACTCATA GGTGCCTGCA TAGGCCCAAA AGGGCAGAGT 780 ACAGACAAAC ACCAGGTCAG CCAGGGGCAA GTTCAGCAGA AACACATCTG TCAGAGTCCT 840 CAGCTTCTGG TAGAAAATGT ATATAATCAG AACCAGGGAG TTTCCTAGCA GTCCAAAGAC 900 AAACACTACC AGGTACACAC AGGGCAAAAA GACCTCCTTG AACTTTAGGA AGCGTTTGTT 960 CTCCTGGCTG TTATCACTGG AATTGTTGAA GAGCCAGAAA TCTCCCTCGT AGTGCCCATC 1020 GTACAGAGCT GACTCTTGAT GCCCATCATC CAT 1053
【0084】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:18、22、24残基めのNはイノシンを
示す。 配列 ATCTTAAGCT TGAACCTNGC CNTNGCDGAC 30 配列番号:5 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 22、28残基めのNはイノシンを示す。 21残基めのNはAまたはGまたはCまたはTを示す。 配列 CCCAACGAAT TCRTAGATSA NNGGRTTNAV RCA 33 配列番号6 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTGACACCAG ACCAACTGGT AATG 24
【0085】配列番号7 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGAGTTTTGC ACATGACTG 19 配列番号8 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGTGGCGACG ACTCCTGGAG CCCG 24 配列番号9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGTACTATAC CATAACCAGC 20
【0086】配列番号10 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTCTGCCGCC ATGGATGATG GGCATCAAG 29 配列番号11 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGCCTACTA CAATTGGAAC ATACTGG 27 配列番号12 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Phe Lys Asn Ile Val Thr Pro Arg Thr Pro Pro Pro Ser 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/566 C12N 5/00 B

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表配列番号1で表されるアミノ酸配列
    と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する7回膜貫通型
    受容体蛋白質ET60またはその塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質
    ET60の部分ペプチドまたはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質
    ET60をコードする塩基配列を有する核酸を含有する
    核酸。
  4. 【請求項4】配列表配列番号2で表される塩基配列を有
    する請求項3記載の核酸。
  5. 【請求項5】配列表配列番号2で表される塩基配列のう
    ち少なくとも一部の遺伝子配列を有する12merから1
    6mer以上、さらに望ましくは19mer以上の核酸、及び
    その誘導体。
  6. 【請求項6】配列表配列番号3で表される塩基配列のう
    ち少なくとも一部の遺伝子配列を有する12merから1
    6mer以上、さらに望ましくは19mer以上の核酸、及び
    その誘導体。
  7. 【請求項7】配列表配列番号1および配列表配列番号2
    で表される核酸にストリンジェントな条件でハイブリダ
    イズする核酸、及びその誘導体。
  8. 【請求項8】請求項4記載の核酸を含有するベクター。
  9. 【請求項9】請求項8記載のベクターを保持する7回膜
    貫通型受容体蛋白質ET60発現形質転換体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の形質転換体を培養し、形
    質転換体の細胞膜に7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
    を生成せしめることを特徴とする7回膜貫通型受容体蛋
    白質ET60またはその塩の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質ET60もしくはその塩または請求項2記載の部分ペ
    プチドもしくはその塩と、試験化合物とを接触させるこ
    とを特徴とする7回膜貫通型受容体蛋白質ET60に対
    するリガンドの決定方法。
  12. 【請求項12】 (i)請求項1記載の7回膜貫通型受
    容体蛋白質ET60もしくはその塩または請求項2記載
    の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンドを接触させ
    た場合と(ii)請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質ET60もしくはその塩または請求項2記載の部分ペ
    プチドもしくはその塩に、リガンドおよび試験化合物を
    接触させた場合との比較を行うことを特徴とするリガン
    ドと請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質ET60
    との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
    グ方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質ET60もしくはその塩または請求項2記載の部分ペ
    プチドもしくはその塩に対する抗体。
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