JP2002241399A - 7回膜貫通型受容体蛋白質et240 - Google Patents

7回膜貫通型受容体蛋白質et240

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弘 石丸
Takeshi Ono
剛 大野
Takehiro Koshio
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規の7回膜貫通型受容体蛋白質、またその
蛋白質をコードするcDNA、その蛋白質の発現系、さ
らにその蛋白質の抗体を提供する。 【解決手段】 EAE発症性自己反応性T細胞4R31
2株より、本発明のマウス由来7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240のcDNA断片を取得した。さらにヒト由
来7回膜貫通型受容体蛋白質ET240cDNAコード
領域全長を取得し、そのコードする新規蛋白質の発現系
を作成して、その蛋白質の抗体を作成する。 【効果】 本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0は、白血球の機能を制御する医薬品を検索することに
使用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血球に発現する
ヒトおよびマウス由来の新規な7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240,またはその塩に関する。また、本発明
は、前記のヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容体
蛋白質ET240,それをコードする核酸あるいはその
誘導体に関する。
【0002】さらに、本発明は、この核酸を用いて遺伝
子操作によりヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240を発現させる7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240の製造方法、及びそれに使用される発現
ベクター及び形質転換体に関する。また、さらに本発明
は、ヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240を用いて、この蛋白質に対するリガンドを決
定する方法、この蛋白質との結合を阻害する化合物をス
クリーニングする方法あるいはこの蛋白質に対する抗体
に関する。
【0003】本発明では、ヒトおよびマウス由来の7回
膜貫通型受容体蛋白質ET240を用いて白血球の機能
を制御する医薬品を開発することができる。
【0004】
【従来の技術】白血球は血液細胞の一種であり、免疫・
炎症の種々の機能を司る。特に、感染の際には、種々の
有益な免疫・炎症反応のメカニズムによって、生体を防
御する(麻生芳郎 訳、一目でわかる免疫学、メティガ
ル・サイエンス・インターナショナル発行、48−6
1,1993年)。しかし、その一方で自己免疫など望
ましくない免疫・炎症作用をも引き起こす(麻生芳郎
訳、一目でわかる免疫学、メディカル・サイエンス・イ
ンターナショナル発行、62-73,1993年)。従っ
て、白血球の機能を制御する方法を得ることによって、
有益な免疫応答を引き起こし、感染や腫瘍の治癒をもた
らしたり、あるいは有害な免疫応答を減退させることに
より、自己免疫性疾患などを治療したりすることが可能
になると予想される。
【0005】白血球の機能、すなわち、その増殖、分
化、活性化、化学遊走等は白血球に発現している様々な
受容体蛋白質によって制御されている。受容体とは、細
胞表面に存在し、他の細胞の表面や体液中に存在するシ
グナル分子と高い親和性で結合し、そしてその結合とい
う細胞外の出来事を細胞内シグナルに変換して細胞の応
答を引き起こすものである(中村桂子・松原健一監修、
細胞の分子生物学(第2版)、教育社、936, 19
90年)。
【0006】従って、これらの受容体の機能を変化させ
るもの、すなわちその受容体と結合して刺激するもの
や、受容体と結合して刺激を遮るもの、その刺激が細胞
内に伝達されることを阻害するものを得ることができれ
ば、白血球の機能を正や負に制御し、さらには、白血球
の機能の不足や過剰に起因する疾患の治療に役立つ物質
を得られることが予想される。
【0007】白血球の受容体としては、サイトカイン受
容体ファミリー、EGF(Epidermal Gro
wth Factor)受容体ファミリー、7回膜貫通
型受容体ファミリーなど種々の受容体蛋白質が知られて
おり(The Leukocyte Antigen
FactsBook,アカデミックプレス、38−4
9, 1993年)、その機能は多岐にわたっている。
【0008】7回膜貫通型受容体蛋白質ファミリーは、
このような受容体ファミリーの一つであり、G蛋白質共
役型受容体(G−protein coupled r
eceptor)、ロドプシン型受容体などとも呼ばれ
る。白血球における7回膜貫通型受容体蛋白質の研究は
比較的新しく開始されており、いまだ数多くの未知の7
回膜貫通型受容体蛋白質が存在すると考えられている。
【0009】現在までに白血球に存在する7回膜貫通型
受容体蛋白質として同定されたものとしては、アナフィ
ラトキシンと結合する受容体群、ケモカインと結合する
受容体群、PAF(血小板活性化因子)と結合する受容
体などがある。例えば、アナフィラトキシンの受容体
は、好中球やマクロファージの機能、例えば、活性酸素
の産生、化学遊走、細胞接着の活性化に関与している
(Bouley,F.ら、Biochemistry
30,2993−2999,1991年)。ケモカイン
と結合する受容体群の一つ、マウスのIL―8(インタ
ーロイキン8)受容体ホモログの欠損マウスでは、炎症
誘導物質の腹腔内投与による好中球浸潤が減少したと同
時に好中球増加症、骨髄やリンパ節での顆粒球、形質細
胞の増加が観察された(飯笹久、松島綱治、臨床免疫、
28,731−737,1996年)。従って、これら
の7回膜貫通型受容体蛋白質は、白血球の増殖、分化、
活性化、化学遊走等を制御している。
【0010】これらの受容体に作用する化合物のうち、
疾患の治療剤として可能性があると考えられているもの
の中には、IL−8,MCP−1(Monocyte
Chemotactic Protein 1)のよう
に受容体に結合して刺激するものや、IL―8変異体の
ように受容体と結合して刺激を遮るものがある(How
ard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46
−51,1996年)。
【0011】7回膜貫通型受容体においては、多くの場
合、受容体とシグナル分子の関係は1対1対応に対応し
ているのではない。従って、疾患の治療を考えた場合に
はシグナル分子を知ることだけでは不十分である。例え
ば、セロトニンの場合には、セロトニンという単一のシ
グナル分子に対し、イオンチャンネル型受容体という全
く異なるシグナル伝達経路の受容体を含む14種の受容
体が知られており、さらに、個々の受容体に特異的に結
合する化合物も知られており(1996 Recept
or & Ion Channel Nomencla
ture Supplement, Trends P
harmacol.Sci.、1996年)、それぞれ
異なる疾患の治療への応用も考えられている。また、ケ
モカイン群の場合には、単一のシグナル分子が多数の受
容体と反応すると同時に、単一の受容体が多数のシグナ
ル分子と反応する例も多く知られている(C.A.Po
werら、Trends Pharmacol.Sc
i.17,209−213,1996年)。
【0012】従って、仮に単一のシグナル分子が疾患の
原因であるとしても、細胞の種類によって異なる受容体
が場合によっては複数存在し、疾患の原因である特定の
細胞群の機能を特異的に制御する場合には、その細胞に
作用するシグナル分子の特定よりもその細胞に発現して
いる受容体を特定することが重要となる。例えば、白血
球に作用するシグナル分子群ケモカイン群の場合、シグ
ナル分子RANTES(Regulated on A
ctivation,Normal T cell e
xpressed and secreted)に対し
ては種々の白血球が反応するが、好酸球にはケモカイン
受容体の一つCCR3が特異的に発現しており、好酸球
を特異的に制御する方法を検索する際には受容体CCR
3が必要となる(Howard,O.M.Z.ら、TI
BTECH,14,46−51,1996年)。
【0013】また、ヒトとその他の種の受容体では同一
の化合物に対する反応が異なることも知られており(例
えば、Marleau S.ら、J.Immunol.
157, 4141−4146 (1996))、ヒ
トの受容体に対して活性化の作用をもつものが他の種の
受容体に対し、活性化を阻害するものとして働く例も知
られている。従って、ヒトに対する医薬品を開発するた
めには、ヒト由来の受容体を得ることが必要である。
【0014】さらに、これらの受容体の中にはウィルス
の感染の際の受容体として働くものがあることが知られ
ており(たとえば、Choe H. ら、Cell 8
5,1135−1148, 1996年)、これらの受
容体に結合する分子がウィルスの感染を防ぐことも知ら
れている(たとえば、Bleul C.C. ら、Na
ture, 382, 829−833, 1996年
)。こういった場合にも、ウィルスの感染する細胞に
発現する受容体を知ることが肝要となる。また、これら
の場合にも、特定のウィルスが感染するためには、特定
の種の受容体が必要であることも知られている。従っ
て、この場合にもヒトに対する医薬品を開発するために
は、ヒト由来の受容体を得ることが必要である。
【0015】また、実験動物としては、様々な技術がマ
ウスにおいてもっとも進んでおり、マウスの遺伝子の一
部が得られれば、マウスのゲノム遺伝子の取得が容易に
なり、それらの技術、例えば、トランスジェニックマウ
ス、ジーンターゲッティングマウスなどの技術を利用で
きるようになる。さらに、マウスのゲノム上の遺伝子を
ヒト遺伝子に置き換えた実験用のマウスを作製すること
もできる。
【0016】現在に至るまで、白血球に作用するシグナ
ル分子のうち、例えば既知のケモカインのうちPF4,
HCC1などの受容体については7回膜貫通型受容体蛋
白質であると推定されているものの、受容体タンパク質
は同定されていない(Premack B.A.ら、N
ature Medicine 2,1174−117
8,1996年;Loetscher M.ら、J.E
xp.Med.84,963−969,1996年)。
特にケモカイン群については、さらに多くの新規ケモカ
インが存在すると推定されており(Howard,O.
M.Z.ら、TIBTECH,14,46−51,19
96年)、さらに未知のケモカインに対する多くの受容
体が存在することが期待される。以上のように、白血球
に作用する分子の受容体はすべて理解されたわけではな
く、白血球にはさらに多くの7回膜貫通型受容体蛋白質
が存在し、かつ、それらの受容体の作用を変化させるも
のを得ることによって、白血球の機能を制御し、ひいて
は、疾患を制御する方法が得られると期待される。
【0017】一方、慢性関節リューマチおよび多発性硬
化症などの自己免疫疾患は、全身または臓器特異的な難
治性の慢性炎症を特徴としている。現在の治療に用いら
れている医薬品は、治療効果が低い、または治療効果が
高くても副作用が強い等の種々の不十分なところが指摘
されている。これらの問題を解決するためには、自己免
疫疾患の発症機序を明らかにし、その機序のみを特異的
に阻害する薬剤が必要である。自己免疫疾患の発症機序
には後天的な免疫異常以外にも遺伝的な素因や感染等の
関与も考えられ、未だに詳細は明らかにされていない。
しかし、近年、自己免疫性疾患の慢性炎症の誘導および
悪化に細胞性免疫が関与していることが動物モデルから
明らかにされている。そして、その発症は、白血球の一
種、自己反応性T細胞が抗原提示細胞上の自己抗原と反
応し、この反応が引き金となってサイトカイン、ケモカ
インの分泌やそれに対する細胞の遊走その他の反応のカ
スケードが動き始め、さらに多くの自己反応性T細胞や
白血球の別の1種、単核球の浸潤を伴う炎症が形成され
るためと考えられている。従って、この自己反応性T細
胞の活性化を抑制することは、続いて生じる様々な反応
を抑制し、自己免疫性疾患の治療につながると考えられ
る。
【0018】多発性硬化症は中枢神経系の自己免疫疾患
であり、その病態モデルであるマウスの実験的アレルギ
ー性脳脊髄炎(EAE)はその発症機序の解析がもっと
も進んでいる病態モデルである。この疾患モデルは、神
経髄鞘に存在するミエリン塩基性蛋白質(MBP)やプ
ロテオリピッドアポ蛋白質に反応する自己反応性T細胞
により誘導されることが知られており、そのT細胞をク
ローン化したものもいくつかの研究機関で樹立されてい
る(例えば、J. Neuroimmunol. 5
8, 167−176 (1995))。しかし、これ
らの細胞の機能を制御している受容体、特に7回膜貫通
型受容体蛋白質についてはこれまで報告されていない。
従って、白血球、特に自己反応性T細胞に作用する分子
とその受容体はすべて理解されたわけではなく、自己反
応性T細胞にも今まで知られていない7回膜貫通型受容
体蛋白質が存在し、かつ、それらの受容体の作用を変化
させるものを得ることによって、自己反応性T細胞の機
能を制御し、ひいては、自己免疫性疾患を制御する方法
が得られると期待される。
【0019】7回膜貫通型受容体蛋白質に作用する内因
性の物質は様々な受容体に対し様々な物質が知られてい
る。例えば、生理アミンであるグルタミン酸、ドーパミ
ンはそれぞれグルタミン酸受容体群、ドーパミン受容体
群に結合する。また、ペプチドである神経ペプチドY,
エンドセリンはそれぞれ神経ペプチドY受容体群、エン
ドセリン受容体群に結合する(Watson,S.およ
びSteve Arkinstall著、The G−
protein linked receptor F
actsBook, Academic Press
Inc.、1994年)。これらの中には、ケモカイン
群、PAFのように白血球に作用することが知られてい
るものとそうでないものがある。
【0020】これらの7回膜貫通型受容体蛋白質を活性
化する物質は、天然・非天然を問わず、その物質と7回
膜貫通型受容体蛋白質、受容体を発現している細胞の3
者に依存して様々な細胞内シグナル分子の変動を引き起
こす。そのシグナル分子の変動は、例えば、細胞内cA
MP濃度の上昇・下降、イノシトールリン酸濃度の上
昇、細胞内カルシウム濃度の上昇、といった反応があり
(Watson,S.およびSteve Arkins
tall著、The G−protein linke
d receptor FactsBook, Aca
demic Press Inc.,1994年)、そ
のそれぞれを測定する方法も開発されている。従って、
これらの反応を測定することにより、特定の物質が特定
の7回膜貫通型受容体蛋白質を活性化するかどうかある
いはその活性化を妨げるかどうかを判断する事ができ
る。このような物質が7回膜貫通型受容体蛋白質と結合
して生じる、増殖・遺伝子発現の変動・化学遊走などの
生理学的な現象を観察する方法も知られており、同じ
く、特定の物質が特定の7回膜貫通型受容体蛋白質を活
性化するかどうかあるいはその活性化を妨げるかどうか
を判断することができる。
【0021】このように7回膜貫通型受容体蛋白質に作
用する物質の同定方法としては種々の方法が知られてお
り、これらの方法を利用するためには、7回膜貫通型受
容体蛋白質を同定すること、特にヒトの医薬品として有
用な物質を得るためにはヒト由来の7回膜貫通型受容体
を取得するこが肝要である。こういった考察に基づく
と、白血球、特に自己反応性T細胞の機能を制御し、疾
患の制御を行うためには、これまで知られていない7回
膜貫通型受容体を取得すること、特にヒトの医薬品とし
て有用な物質を得るためにはヒト由来の7回膜貫通型受
容体を取得することが大きな課題である。
【0022】一方、ウシの7回膜貫通型受容体PPR1
は、ウシの舌由来の受容体として報告されており、神経
ペプチドの受容体である可能性が論議され、肺での強い
発現が報告されている(Biochem. Bioph
ys. Res. Comm. 194, 504−5
11 (1993)) ものの、白血球での発現はこれ
まで報告されていない。また、この受容体の自己免疫性
疾患、特に多発性硬化症やそのモデルであるEAEにお
ける役割については全く知られていない。従って、PP
R1が、疾患を制御する可能性については全く知られて
いない。すなわち、PPR1が、白血球、特に自己反応
性T細胞の機能を制御し、ひいては疾患の制御をする可
能性については全く知られていない。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、白血
球、特に自己反応性T細胞の機能を制御し、疾患をコン
トロールする手法はいまだ完成されていない。その最大
の原因は、疾患と関連した白血球の機能を制御している
受容体蛋白質、特に7回膜貫通型受容体蛋白質が同定さ
れていない点にある。本発明の課題は、新規な7回膜貫
通型受容体蛋白質、またその蛋白質をコードするcDN
A,その蛋白質の発現系、この蛋白質の応用、さらにそ
の蛋白質の抗体を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、白血球に
新規7回膜貫通型受容体が存在することを予想し、これ
らが白血球の機能を制御する医薬品の探索に役立つと考
えた。そこで実際に白血球に発現している新規な7回膜
貫通型受容体蛋白質cDNAを取得するために、Dif
ferential Display法(例えば、Li
ang,P.ら、Curr.Biol.7,274−2
80,1995年)、RDA法(Lisitsyn,
N.ら、Science 259, 946−951,
1993年)、degenerative PCR法
(Innis M.A.ら、PCRProtocol
s, pp39−53,1990年)など種々の方法
を、種々のヒト組織、白血球、白血病細胞株などを材料
に検討した。特にdegenerative PCR法
については、実施例3に示すプライマーを一例とする2
0種以上のプライマーを試験した。さらにEAE発症性
自己反応性マウスT細胞4R312株を実際に作製し、
種々の条件で培養し、そのRNAを材料として遺伝子取
得を試みた。このような鋭意努力の結果、EAE発症性
自己反応性T細胞4R312株より、マウス由来の7回
膜貫通型受容体蛋白質ET240のcDNA断片を取得
した。そののち、公知のデータベースから、これに類似
した2つのマウス由来のcDNA断片を発見し、マウス
ゲノムDNAおよびマウスcDNAを鋳型とするPCR
(Polymerase Chain Reactio
n)により、これらのcDNA断片とマウス由来のET
240遺伝子断片が同一の遺伝子をコードしていること
を確認し、そのcDNA配列をアミノ酸に翻訳すること
により、マウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET2
40のペプチド断片のアミノ酸配列を得た。さらに、公
知のデータベースから、これらに類似した2つの独立し
たヒト由来のcDNA断片を発見した。この2者の配列
に基づいてゲノムDNAを鋳型とするPCRを行い、配
列決定を行ったところ、意外なことにこの2つの断片は
一つの遺伝子の重ならない領域をコードしていたことが
判明し、マウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET2
40のcDNA断片と強く類似していることがわかっ
た。そこでこの断片の配列を用いて、さらにこれまで知
られていなかったヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240のcDNAコード領域全長を取得し、そのコ
ードする新規蛋白質の発現系を作成し、さらにその抗体
を作成することにより、本発明を完成した。
【0025】すなわち、本発明は配列表配列番号1およ
び2に記載のアミノ酸配列を含有するヒトおよびマウス
由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240に関する。
また、配列表配列番号1および2に記載のアミノ酸配列
を含有するポリペプチドをコードする核酸、これら核酸
群の中から選ばれる核酸と、宿主細胞中で発現可能なべ
クター核酸とを連結してなる組み換えDNA体ベクタ
ー、これら組み換えDNA体ベクターにより形質転換さ
れたヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240発現細胞、これらの細胞を培養し培養細胞か
ら生産された化合物を採取する配列表配列番号1および
2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチド(ヒト
およびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0)の製造方法に関する。また、本発明は、このヒトお
よびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
に対するリガンドのスクリーニング方法に関する。
【0026】さらに、本発明は、このヒト由来の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240を特異的に認識する抗体
に関する。本発明のヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240のアミノ酸配列を、配列表配列番号1に示
し、それをコードする天然のDNA配列を配列表配列番
号3に示した。本発明のマウス由来の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240のアミノ酸配列の一部を、配列表配
列番号2に示し、それをコードする天然のDNA配列を
配列表配列番号4に示した。
【0027】これらの配列をデータベース(GenBa
nkリリース100.0,April,1997年)で
比較したところ、これらは新規な配列であった。また、
特許配列データベースDGENE (Derwent
Information Ltd.,971130U
P)で比較したところ、これらは新規な配列であった。
また該ヒト由来7回膜貫通型受容体蛋白質ET240発
現細胞を免疫原としてヒト由来7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240に対する抗体(抗体を含有する抗血清も含
む)を作製し、この7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0の精製法を確立し、本発明を完成した。
【0028】以下、本発明を詳細に説明する。配列表に
おいて、配列番号1のアミノ酸配列は、本発明のヒト由
来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のアミノ酸配
列である。また、配列番号2のアミノ酸配列は、本発明
のマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の
一部のアミノ酸配列である。
【0029】また、配列番号3の配列は本発明のヒト由
来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の全アミノ酸
配列及びそれをコードしているcDNA配列である。ま
た、配列番号4の配列は本発明のマウス由来の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240の一部のアミノ酸配列及び
それをコードしているcDNA配列である。配列表配列
番号5および6は、白血球に発現している既知の7回膜
貫通型受容体蛋白質の配列よりデザインしたdegen
erative PCR法のためのプライマーの配列で
ある。
【0030】配列表配列番号7および8は、公知のデー
タベースGenBankのエントリーH67224、A
A215577をもとに設計したサブクローニング用の
プライマーである。配列表配列番号9および12は、公
知のベクターλTriplExのアームの配列をもとに
設計したサブクローニング用のプライマーである。
【0031】配列表配列番号10および11は公知のデ
ータベースGenBankのエントリーH67224の
相補鎖をもとに設計したサブクローニング用のプライマ
ーである。配列表配列番号13および14は公知のデー
タベースGenBankのエントリーAA215577
の配列をもとに設計したサブクローニング用のプライマ
ーである。
【0032】配列表配列番号15および16は配列表配
列番号4の配列をもとに設計したサブクローニング用の
プライマーである。配列表配列番号17および18は配
列表配列番号3の配列をもとに設計したサブクローニン
グ用のプライマーである。配列表配列番号19は実験的
アレルギー性脳脊髄炎を作製する際に用いたオリゴペプ
チドの配列である。
【0033】なお、配列表に記載されたアミノ酸配列の
左端及び右端はそれぞれアミノ基末端(以下、N末とい
う)及びカルボキシル基末端(以下、C末という)であ
り、また塩基配列の左端及び右端はそれぞれ5’末端及
び3’末端である。また、表に関しては、表1は本発明
の一つ、ヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0と既知の遺伝子をアミノ酸配列での相同性を比較した
ものである。 Genetyx−Mac/DB Ve
r.37.0(Software Developme
nt Co.,Ltd.)を用いてGenBank C
DS(Rel. 100 April 1997; P
rimates,Rodent, Mammals,V
ertebrate,Patent のサブデータベー
ス)をサーチしたのち、上位10種についてアミノ酸の
同一度を計算させた結果である。表2は本発明の一つ、
マウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240と既
知の遺伝子とをアミノ酸配列での相同性を比較したもの
である。 Genetyx−Mac/DB Ver.3
7.0(Software Development
Co.,Ltd.)を用いてGenBank CDS
(Rel.100 April 1997; Prim
ates,Rodent, Mammals,Vert
ebrate,Patent のサブデータベース)を
サーチしたのち、上位10種についてアミノ酸の同一度
を計算させた結果である。
【0034】表3は本発明の一つ、ヒト由来の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240と既知の遺伝子とをcDN
A配列での相同性を比較したものである。 Genet
yx−Mac/DB Ver.37.0を用いてGen
Bank(リリース100.0,April,1997
年; Primates,Rodent, Mamma
ls,Vertebrate,Patent のサブデ
ータベース)をサーチしたのち、上位10種についてc
DNA配列の同一度を計算した結果である。表4は本発
明の一つ、マウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
240と既知の遺伝子とをcDNA配列での相同性を比
較したものである。 Genetyx−Mac/DB
Ver.37.0を用いてGenBank(リリース1
00.0,April,1997年; Primate
s,Rodent, Mammals,Vertebr
ate,Patent のサブデータベース)をサーチ
したのち、上位10種についてcDNA配列の同一度を
計算した結果である。
【0035】また、本発明で述べられる遺伝子操作に必
要なcDNAの作製、ノーザンブロットによる発現の検
討、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング、組
換えDNAの作製、DNAの塩基配列の決定、cDNA
ライブラリーの作製等の一連の分子生物学的な実験は通
常の実験書に記載の方法によって行うことができる。前
記の通常の実験書としては、たとえば、Molecul
ar Cloning, A laboratory
manual,1989年、Eds., Sambro
ok,J., Fritsch,E.F., and
Maniatis,T., Cold Spring
Harbor LaboratoryPressを挙げ
ることができる。
【0036】本発明のポリペプチドの一つは、ヒト由来
であり、かつ、少なくとも配列表配列番号1のアミノ酸
配列からなるポリペプチドを有するが、自然界で生じる
ことが知られている生物種内変異、アレル変異等の突然
変異によって生じる改変体も、配列表配列番号1のポリ
ペプチドの性質を失わない限り配列表配列番号1で表さ
れるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するものとして本発明の新規化合物に含まれる。また、
本発明のポリペプチドの他の一つは、マウス由来であ
り、かつ、少なくとも配列表配列番号2のアミノ酸配列
からなるポリペプチドを含むが、自然界で生じることが
知られている生物種内変異、アレル変異等の突然変異に
よって生じる改変体も、配列表配列番号2のポリペプチ
ドの性質を失わない限り配列表配列番号2で表されるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するも
のとして本発明の新規化合物に含まれる。
【0037】配列表配列番号1および2のアミノ酸配列
から予想されることとして、糖鎖が付加される部分があ
る。N−グリコシド結合の共通配列は、Asn−X−S
er/Thrであることが知られているが、配列番号1
で6番目のAsn(Asn−Gln−Ser)が、それ
と同等な配列を有しN―グリコシド修飾を受けている可
能性がある。また、N−アセチル−D−ガラクトサミン
のO−グリコシド結合を推定する部分として、セリンま
たはスレオニン残基が頻出する部分が考えられる。これ
らの糖鎖が付加された蛋白質の方がポリペプチドそのも
のよりも一般に生体内での分解に対して安定であり、ま
た強い生理活性を有していると考えられる。したがっ
て、配列番号1または2の配列を含有するポリペプチド
のアミノ酸配列の中にN−アセチル−D−グルコサミン
やN−アセチル−D−ガラクトサミンなどの糖鎖がN−
グリコシドあるいはO−グリコシド結合してなるポリペ
プチドも本発明に含まれる。
【0038】また、実施例3に示すように、本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質ET240のマウス由来の天然
のcDNA断片は、マウスEAE発症性T細胞株4R3
12より取得された。従って、本発明のマウス型7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240のmRNAはEAE発症
性マウスT細胞に発現していることが示された。実施例
7に示したように本発明のマウス型7回膜貫通型受容体
蛋白質ET240の天然のmRNAはマウス組織、肺、
心、肝に強く発現していた。実施例9に示したようにマ
ウス組織、舌、腸管リンパ球にも検出された。さらに実
施例8に示したように本発明のヒト型7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240の天然のmRNAは小腸、心臓に強
く発現していた。また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240のヒト由来のcDNA断片は肺に由来す
るcDNAから取得された。以上の結果を総合すると、
本発明のマウス型、ヒト型の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240の天然のmRNAは全身的に発現しているも
のの、特に粘膜系のリンパ球系白血球に発現しているも
のと推定された。mRNAは、細胞内のメカニズムによ
り蛋白質へと翻訳されるので、これらの組織における本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の天然のm
RNAの検出は7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の
発現と同等と考えられる。
【0039】なお、上記の結果から、マウス肺・心臓、
ヒト小腸・心臓などの組織を材料として用いても、それ
ぞれマウス由来、ヒト由来の本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240の天然のcDNAを取得することが
できる。これら配列表配列番号1および配列番号2で表
されるアミノ酸配列を含有するヒトおよびマウス由来の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240またはその塩は、
診断を目的とした抗体の作成や、治療を目的とした医薬
品の検索に有用である。マウスのEAE発症性T細胞に
発現していることから、例えば多発性硬化症を含む自己
免疫性疾患の診断や、多発性硬化症を含む自己免疫性疾
患の治療を目的とした医薬品の検索に特に有用であると
考えられる。また、粘膜系のリンパ球系白血球に発現し
ていることから、自己免疫性消化管疾患、例えば、クロ
ーン病、潰瘍性大腸炎の診断、治療を目的とした医薬品
の検索に特に有用であると考えられる。
【0040】配列表配列番号1および配列番号2のアミ
ノ酸配列をデータベース(GenBank CDS(リ
リース100.0,April,1997年)、Swi
ssProt(リリース34.0,October,1
996年)で比較したところ、これらは新規な配列であ
った。また、この配列を特許データベース(DGEN
E、Derwent Information Lt
d.;971130UP)で比較したところ、これらは
新規な配列であった。配列番号1のアミノ酸配列をKy
te−Doolittleの方法(J.Mol.Bio
l.157:105, 1982)に従って、アミノ酸
配列から疎水性部分、親水性部分を解析した。その結
果、本発明のヒト由来7回膜貫通型受容体蛋白質ET2
40は細胞膜通過部分を7つ有する細胞膜蛋白質とし
て、細胞表面に発現されることが明らかとなった。配列
番号2のアミノ酸配列をKyte−Doolittle
の方法(J.Mol.Biol.157:105, 1
982)に従って、アミノ酸配列から疎水性部分、親水
性部分を解析したところ、ほぼ配列番号1の後半部分と
対応する疎水性部分、親水性部分が得られ、細胞膜通過
部分を7つ有する細胞膜蛋白質の一部(第2膜貫通部分
の途中からC末端部分)を構成するものと予測された。
【0041】表1に本発明の蛋白質の一つ、ヒト由来の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240と上記データベー
スとの比較で類似度が高いとされた、これまで知られて
いる配列の類似度を示した。本発明の一つ、ヒト由来の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240は、既知のヒト由
来の7回膜貫通型受容体蛋白質と一致せず、新規なヒト
由来の7回膜貫通型受容体蛋白質であることが示され
た。
【0042】
【表1】
【0043】表2に本発明の蛋白質の一つ、マウス由来
の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240と上記データベ
ースとの比較で類似度が高いとされた、これまで知られ
ている7回膜貫通型受容体蛋白質の配列の類似度を示し
た。本発明の一つ、マウス由来の7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240は、既知のマウス由来の7回膜貫通型受
容体蛋白質と一致せず、新規なマウス由来の7回膜貫通
型受容体蛋白質であることが示された。
【0044】
【表2】
【0045】既知のウシ由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質PPR1が本発明のヒトおよびマウス由来の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240の両者と強い相同性を示し
たが、その類似度はそれぞれ86%、84%であり、同
一ではなかった。従って、本発明のヒトおよびマウス由
来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240は物質として
新規な蛋白質であった。
【0046】なお、これらのサーチ(表1、表2)で類
似度が高いとされた蛋白質はすべて7回膜貫通型受容体
であり、このことからも本発明のヒトおよびマウス由来
の蛋白質ET240が7回膜貫通型受容体に属する蛋白
質であることが示された。これらの相同性から期待され
るリガンドとしては、例えば、ケモカイン群が挙げられ
る。
【0047】また、配列表配列番号1のアミノ酸配列か
らなるポリペプチドをコードする本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質のヒト由来の天然のcDNA配列について
は、配列表配列番号3にアミノ酸配列とともに示した。
配列表配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチド
をコードする本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質のマウ
ス由来の天然のcDNA配列については、配列表配列番
号4にアミノ酸配列とともに示した。これらの遺伝子配
列に関し、アミノ酸レベルの変異がなくとも、自然界か
ら分離した、染色体DNA,またはcDNAにおいて、
遺伝コードの縮重により、そのDNAがコードするアミ
ノ酸配列を変化させることなくDNAの塩基配列が変異
した例はしばしば認められる。実際に実施例10におい
て、ヒト天然のcDNAライブラリーから配列表配列番
号3のヌクレオチドの678番目の残基AがGになった
クローンが取得されている。この変異はコドンがACA
からACGに変化しているが、どちらもアミノ酸として
Thr(スレオニン)をコードしており、その結果得ら
れるアミノ酸配列は変化しない。このような変異を含む
DNA配列も本発明のDNAに含まれる。また、5’非
翻訳領域及び3’非翻訳領域はポリペプチドのアミノ酸
配列の規定には関与しないので、それらの領域のDNA
配列は変異しやすい。このような変異や遺伝コードの縮
重によって得られる塩基配列も本発明のDNAに含まれ
る。以下、これらDNA群を本発明のDNAとよぶ。
【0048】配列表配列番号1または配列表配列番号2
で表されるアミノ酸配列と実質的に同等なポリペプチド
をコードする本発明のDNAは、本発明のヒトおよびマ
ウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240を製造
する上で有用である。表3に本発明のcDNA配列の一
つ、ヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の
cDNAと、上記データベースとの比較で類似度が高い
とされた、これまで知られているcDNA全長配列の類
似度を示した。本発明の一つ、ヒト由来の7回膜貫通型
受容体蛋白質ET240のcDNAは、既知のヒト由来
のcDNA全長配列と一致せず、新規なヒト由来の7回
膜貫通型受容体蛋白質のcDNAであることが示され
た。
【0049】
【表3】
【0050】表4に本発明のcDNA配列の一つ、マウ
ス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のcDN
A配列と上記データベースとの比較で類似度が高いとさ
れた、これまで知られているcDNA全長配列の類似度
を示した。本発明の一つ、マウス由来の7回膜貫通型受
容体蛋白質ET240のcDNAは、既知のマウス由来
のcDNA全長配列と一致せず、新規なマウス由来の7
回膜貫通型受容体蛋白質のcDNAの一部であることが
示された。
【0051】
【表4】
【0052】既知のウシ由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質PPR1のcDNAが本発明のヒトおよびマウス由来
の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のcDNAの両
者と強い相同性を示したが、その類似度はそれぞれ8
8.4%、82.0%であり、同一ではなかった。従っ
て、本発明のヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240をコードするcDNAは物質として
新規なcDNAであった。
【0053】なお、これらのサーチ(表3、表4)で類
似度が高いとされたcDNA配列はすべて7回膜貫通型
受容体のcDNA配列であり、このことからも本発明の
ヒトおよびマウス由来の蛋白質ET240が7回膜貫通
型受容体に属する蛋白質であることが示された。これら
のcDNAの相同性から期待されるリガンドとしては、
例えば、ケモカイン群が挙げられる。
【0054】配列番号3および4で示される塩基配列を
有するDNAは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質E
T240を作成する上で、また、本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質ET240の詳細な機能を検討する上で有
用である。さらに、配列表配列番号3および4の遺伝子
配列またはその相補鎖の配列を有する核酸、及びその誘
導体を用いれば、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質E
T240のcDNAクローン、cDNA,ゲノムDN
A,ゲノム遺伝子クローンなどを検出することができ
る。たとえば、診断を目的としてこれらの遺伝子の発現
を調べる方法として、配列表配列番号3または4の遺伝
子配列を有する相補し得る核酸、つまりアンチセンスD
NA,RNA,及びそれらがメチル化、メチルフォスフ
ェート化、脱アミノ化、またはチオフォスフェート化さ
れた誘導体すなわちアンチセンス核酸を用い、ハイブリ
ダイゼーション、プライマーエクステンション、ヌクレ
アーゼ・プロテクション・アッセイ等の手法によって行
うことが出来る。ハイブリダイゼーションによる天然の
mRNAの検出の例は、実施例7、8に示した。例え
ば、遺伝子診断を目的としてこれらの遺伝子を調べる方
法として、配列表配列番号3または4の遺伝子配列を有
する核酸、つまりDNA,RNA,及びそれらがメチル
化、メチルフォスフェート化、脱アミノ化、またはチオ
フォスフェート化された誘導体を用い、ゲノミックサザ
ーンハイブリダイゼーション等の手法によって行うこと
があげられる。同様な方法でラット等の他の生物の本発
明の遺伝子のホモログの検出や遺伝子クローニングがで
きる。さらに、ヒト、マウスを含めたゲノム上の遺伝子
のクローニングも同様に可能である。従って、そのよう
にしてクローニングされたこれらの遺伝子を用いれば、
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の更に詳
細な機能も明らかにすることが出来る。特に本発明によ
り、マウスcDNA遺伝子の配列が明らかになり、実施
例9に示したようにマウスゲノムの遺伝子を検出するこ
とが可能になった。従って、マウスゲノム遺伝子のクロ
ーニングは容易に実施することができる。マウスでは様
々な遺伝子操作技術が発達しており、トランスジェニッ
クマウス、ジーンターゲッティングマウス、また、本発
明の遺伝子と関連する遺伝子を共に不活化したダブルノ
ックアウトマウスなどの方法を用いて本発明の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240の更に詳細な機能も明らか
にすることが出来る。また、本発明の遺伝子のヒト・マ
ウスのゲノム上の異常があれば、遺伝子診断、遺伝子治
療への応用も可能である。
【0055】また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240の更に詳細な機能を明らかにすることを目的
として、細胞や生体へのアンチセンス核酸の投与も考え
られる利用法である。本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240の過剰な反応が病態となっている疾患につ
いては、これらアンチセンス核酸により遺伝子の発現を
抑えることによって、治療を行うことも可能である。ま
た、アンチセンス核酸を適当なベクターに組み込み、そ
のベクターを用いることも可能である。これらアンチセ
ンス核酸の作成例・使用例についてはMurray,
J.A.H.編、ANTISENSE RNA AND
DNA,Wiley−Liss,Inc.,1992
年、に詳しい。
【0056】以上のように、配列表配列番号3および4
の遺伝子配列またはその相補鎖の配列を有する核酸、及
びその誘導体は診断、治療などに有用である。本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240遺伝子がマウスの
EAE発症性T細胞に発現していることから、例えば多
発性硬化症を含む自己免疫性疾患の診断や、多発性硬化
症を含む自己免疫性疾患の治療を目的とした医薬品の検
索に特に有用であると考えられる。また、粘膜系のリン
パ球系白血球に発現していることから、自己免疫性消化
管疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎の診断、治
療を目的とした医薬品の検索に特に有用であると考えら
れる。
【0057】本発明の核酸を含有するベクターとして
は、例えば大腸菌由来のpBR322,pUC8,pU
C19,pUC18,pUC119(いずれも日本国宝
酒造社製)などが挙げられるが、その他のものであって
も宿主内で複製増殖できるものであればいずれも用いる
ことができる。実施例10にベクターとしてpCR3.
1を、宿主として大腸菌INVαF’を用いた例を示し
た。また本発明のDNAを含有するファージベクターと
しては、例えばλgt10,λgt11(米国Stra
tagene社製)などが挙げられるが、その他のもの
であっても宿主内で増殖できるものであれば用いること
ができる。このようにして、得られたベクターは適当な
宿主、例えばエシェリヒア(Escherichia)
属菌、バチルス(Bacillus)属菌、などにカル
シウムクロライド法等を用いて導入し、本発明のDNA
を含有するベクターを保持する形質転換体を作成するこ
とができる。上記エシェリヒア属菌の例としては、エシ
ェリヒア コリ K12 HB101,MC1061,
LE392,JM109、INVαF’などが挙げられ
る。上記バチルス属菌の例としてはバチルス サチリス
M1114等が挙げられる。また、ファージベクター
は、例えば増殖させた大腸菌にインビトロパッケージン
グ法(Proc.Natl.Acad.Sci.71:
2442−, 1978)を用いて導入することができ
る。 尚、本発明のヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240の全アミノ酸配列をコードするcDNAを
含むプラスミドpET240Hを大腸菌INVαF’に
遺伝子導入した形質転換細胞(実施例10)E.col
i:INVαF’−pET240Hは、日本国通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所に平成9年12月
22日に受託番号:FERMBP―6213として寄託
されている。
【0058】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET2
40をコードする塩基配列を有する核酸を含有するベク
ターは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
をコードする塩基配列を有する核酸を製造する上で、ま
た、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の核
酸を保持する形質転換体を作成する上で有用である。上
記の方法にて作成した本発明の核酸を用いた7回膜貫通
型受容体蛋白質ET240の発現には、成書によって知
られている(Kriegler, GeneTrans
fer and Expression−A Labo
ratory Manual, Stockton P
ress,1990;および横田ら、バイオマニュアル
シリーズ4,遺伝子導入と発現・解析法、羊土社、19
94)、多数の方法が用いられる。すなわち、分離した
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のアミノ酸配列を
コードするcDNAを適当な発現ベクターにつなぎ、動
物細胞、昆虫細胞などの真核細胞、バクテリアなどの原
核細胞を宿主として生産させることができる。
【0059】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET2
40を発現させる際に、本発明のポリペプチドをコード
する核酸はその5’末端に翻訳開始コドンを有し、ま
た、3’末端には翻訳終止コドンを有していてもよい。
これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な合成
核酸アダプターを用いて付加することもできる。更に該
DNAを発現させるには上流にプロモーターを接続す
る。ベクターとしては上記の大腸菌由来プラスミド、枯
草菌由来プラスミド、酵母由来プラスミド、あるいはλ
ファージなどのバクテリオファージおよびレトロウィル
ス、ワクシニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げ
られる。
【0060】本発明に用いられるプロモーターとして
は、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモー
ターであればいかなるものでもよい。形質転換する際の
宿主がエシェリヒア属菌である場合は、tacプロモー
ター、trpプロモーター、lacプロモーターなどが
好ましく、宿主がバチルス属菌である場合にはSPO1
プロモーター、SPO2プロモーターなどが好ましく、
宿主が酵母である場合にはPGKプロモーター、GAP
プロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿
主が原核細胞である場合には、プロモーターとともにリ
ボゾーム結合部位をもつことが好ましい。
【0061】宿主が動物細胞である場合には、SV40
由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモーター、
メタルチオネインプロモーター、ヒートショックプロモ
ーターなどが利用できる。本発明のポリペプチドを発現
させる時、配列表配列番号1および2のアミノ酸配列と
実質的に同等な蛋白質をコードする核酸のみでもよい
が、膜表面への発現を保証する必要のある場合には、既
知シグナルペプチドをコードする核酸をN末に付加した
り、産生されたポリペプチドの検出を容易にするための
既知抗原エピトープをコードする核酸を付加すること
で、特別の機能を付加した蛋白質を生産させることもで
きる。このような技術の一つの例として、Choe,
H.ら、Cell,85,1135−1148, 19
96年を挙げることができる。
【0062】本発明者らは、実施例10に示したごと
く、ヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240を
発現する発現ベクターとして配列表配列番号3に記載の
DNA配列のうち蛋白質をコードする部分を含むDNA
を発現ベクターpCR3.1(Invitrogen
社)につなぎ、本発明のDNAを含む発現ベクターを作
製した。このようにして構築されたヒトおよびマウス由
来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240をコードする
DNAを含有する発現ベクターを用いて、本発明のDN
Aを含むベクターを保持する形質転換体を製造する。
【0063】宿主としては例えばエシェリヒア属菌、バ
チルス属(Bacillus)菌、酵母、動物細胞など
が挙げられる。動物細胞としては、例えばサル細胞であ
るCOS―7,Vero細胞、チャイニーズハムスター
細胞CHO,カイコ細胞SF9などが挙げられる。この
ようにして得られる本発明のヒトおよびマウス由来の7
回膜貫通型受容体蛋白質ET240をコードする塩基配
列を有する核酸を含有するベクターは、本発明のヒトお
よびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
を産生する上で有用である。
【0064】実施例11,13に示したごとく、上記の
発現ベクターを遺伝子導入し、7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240をCHO細胞、293細胞などで発現さ
せ、これら発現プラスミドで形質転換された形質転換体
が得られる。これらの形質転換体は本発明の7回膜貫通
型受容体蛋白質ET240を産生する上で有用である。
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240と実質的
に同等な蛋白質をコードする塩基配列を有する核酸を含
有するベクターを保持した形質転換体を作成し、それぞ
れ公知の方法により、適当な培地中で適当な培養条件に
より培養することによって、本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240またはその塩を製造することができ
る。例えば実施例11のようにWestern blo
ttingを用いたり、また、FACS(Fluore
scence ActivatedCell Sort
er)によって検査することにより、ヒトおよびマウス
由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240の生産を確
認することができる。
【0065】このようにして作成した、本発明のヒトお
よびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
またはその塩を用いて、本発明のヒトおよびマウス由来
の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のリガンドを決
定することができる。そのためには、まず、リガンド候
補である試験化合物を、純化した、または、未精製の、
本発明のヒトまたはマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240と接触させ、試験化合物の本発明の7回
膜貫通型受容体蛋白質ET240に対する結合もしくは
その結合により引き起こされる反応を測定する。試験化
合物の本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240に
対する結合を測定する場合には、純化した、または、未
精製の本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240と
試験化合物を接触させ、複合体量および/または未結合
の試験化合物量を測定する。複合体量および/または未
結合の試験化合物量を測定する方法としては、例えば、
放射性化合物や色素などを用いて試験化合物を標識し、
複合体と未結合の試験化合物を分離し、標識を用いて複
合体量および/または未結合の試験化合物量を測定す
る。この一つの例を実施例12に示した。
【0066】受容体と結合する化合物が知られている場
合には、その化合物を標識し、試験化合物が標識化合物
と競合するかどうかをもって、試験化合物の結合を測定
することもできる。これらの方法の例として、浅沼幹人
ら、実験医学11,22−29,1993年に挙げられ
ている方法がある。そのほかにも、SPA(Scint
illation Proximity Assay)
のように複合体と未結合の試験化合物を分離せずに測定
する方法もある。
【0067】一方、試験化合物と本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質ET240の結合によりひき起こされる反
応を測定する場合には、本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240の共役しているシグナル伝達系によって
様々な方法が考えられる。このような方法として、例え
ば唐木英明ら編、実験医学7,pp26−109,19
89年のように細胞内カルシウムを測定する方法、Sa
mson,M.ら、Biochem.35,pp336
2−3367,1996年のようにマイクロフィジオメ
ーターを用いる方法、細胞内cAMPの量を測定する方
法、などがある。リガンドとの結合によって引き起こさ
れる反応を測定する1つの例を実施例13に示した。こ
れらET240蛋白質もしくはその塩、または、その部
分ペプチドまたはその塩と試験化合物を接触させるET
240蛋白質に対するリガンドを決定する方法は7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240に結合して白血球細胞の
反応を制御する、疾患の治療を行う物質を検索する上で
有用である。
【0068】さらに上記のようにして、リガンド、すな
わち、ヒトおよびマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240に作用するものを発見した場合には、その
作用の変化、すなわち、その活性化を行ったり、活性化
を阻害したりする物質を検索することが可能である。そ
のことは、(i)ヒトまたはマウス由来の7回膜貫通型
受容体蛋白質ET240もしくはその塩に、リガンドを
接触させた場合と(ii)ヒトまたはマウス由来の7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240もしくはその塩またはそ
の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンドおよび試験
化合物を接触させた場合との比較を行うことによって行
うことができる。その一つの例を実施例14に示した。
この方法は、7回膜貫通型受容体蛋白質ET240に作
用して白血球細胞の反応を制御する、疾患の治療を行う
物質を検索する上で有用である。特にヒトの疾患を治療
するための薬物を検索する際には、ヒト由来の7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240が有用である。
【0069】ヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
240を特異的に認識する抗体は実施例15に示したよ
うにして作製することができる。抗原であるヒト由来の
7回膜貫通型受容体蛋白質ET240を発現させる細胞
は、抗体作製のために細胞を投与される受け手の個体に
免疫反応を起こさせないものであればよい。特定のウシ
個体に由来する細胞に、例えば実施例10で示したヒト
由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240をコードす
る核酸を保持するベクターを導入し、その細胞を元の個
体に戻すことによって、実施例15と同様にしてウシP
PR1蛋白質に反応せず、ヒト由来の7回膜貫通型受容
体蛋白質ET240を特異的に認識する抗体を作製する
ことができる。
【0070】また、配列表配列番号1に示したアミノ酸
配列の全長をGST(グルタチオンS―トランスフェラ
ーゼ)などと融合させたものを精製して、または未精製
のまま、抗原として用いることもできる。このペプチド
をそのまま、またはKLH(keyhole−limp
et hemocyanin)やBSA(bovine
serum albumin)といったキャリア蛋白
質と架橋した後に必要に応じてアジュバントと共に動物
へ接種せしめ、その血清を回収することでヒト由来のE
T240蛋白質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)
を含む抗血清を得ることができ、さらにウシPPR1蛋
白質により吸収することによって、ウシPPR1蛋白質
に反応せず、ヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
240を特異的に認識する抗血清を作製することができ
る。また、抗血清より抗体を精製して使用することも可
能である。接種する動物としては、ヒツジ、ウシ、ヤ
ギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、特にポリクロー
ナル抗体作製にはヒツジ、ウサギが好ましい。また、ハ
イブリドーマ細胞を作製する公知の方法によりモノクロ
ーナル抗体を得ることも可能であるが、この場合にはマ
ウスが好ましい。成書(Antibodies a l
aboratory manual, E.Harlo
w et al., Cold Spring Har
bor Laboratory)に示された各種の方法
ならびに遺伝子クローニング法などにより分離されたイ
ムノグロブリン遺伝子を用いて、細胞に発現させた遺伝
子組換え体抗体によっても作製することができる。この
ように作製された抗体は本発明のヒト由来の7回膜貫通
型受容体蛋白質ET240の精製に利用できる。
【0071】また、実施例15に示したヒト由来の7回
膜貫通型受容体蛋白質ET240を特異的に認識する抗
体を用いれば、本発明のヒト由来の7回膜貫通型受容体
蛋白質ET240の検出、測定が可能であり、細胞の分
化異常を伴う疾患、例えば悪性腫瘍、ウイルス感染など
の疾患の診断薬として使用でき得る。また、実施例11
に示すように、この検出、測定には、Western
Blotting,FACS(Fluorescenc
e Activated Cell Sorter)な
どを用いることができる。FACSを用いた臨床診断の
例は、例えば、天神美夫ら編、フローサイトメトリーハ
ンドブック、サイエンスフォーラム社、1984年、の
第4部 フローサイトメトリーの臨床医学への応用、に
示されている。これら検出、測定については、West
ern Blotting(Immunoblotti
ng)に関してはAntibodies labora
tory manual, E.Harlow et
al., Cold Spring Harbor L
aboratory, pp471−510にその方法
の詳細が、免疫沈降、免疫測定などに関しては、同書p
p421−470,pp553−612にそれぞれ詳細
が記されている。FACSの際の細胞の染色について
は、高津聖志、瀧伸介、免疫研究の基礎技術、羊土社、
1995年、pp16−61に、FACSの操作につい
ては、天神美夫ら編、フローサイトメトリーハンドブッ
ク、サイエンスフォーラム社、1984年に詳細が示さ
れている。
【0072】以上のように、配列表配列番号1で表され
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とするヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240またはその塩に対する抗体は本発明のヒト
由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240を発現して
いる細胞を同定する上で有用である。
【0073】
【発明の実施の形態】以下に発明を実施する形態につい
て例を示すが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0074】
【実施例1】 4R312株の樹立 MBPペプチド(配列表配列番号19:FKNIVTP
RTPPPS)はApplied Biosystem
s社製430A型ペプチド合成機を用いた固相法にて合
成した。このMBPペプチドの濃度が8mg/mlにな
るように以下のMBPペプチドエマルジョン溶液を作製
した。
【0075】まず、完全フロイントアジュバンド(Di
fco社)に結核死菌(青山B株、日本ビーシージー、
国立予防衛生研究所から入手)を最終濃度4mg/ml
になるように加え、アジュバンド溶液とした。さらに、
MBPペプチド溶液900μlとこのアジュバンド溶液
900μlをガラス注射筒でよく混合し、MBPペプチ
ドエマルジョン溶液とした。
【0076】このMBPペプチドエマルジョン溶液を、
SJL/Jマウス(9週齢、メス;日本チャールスリバ
ーより入手)の両後肢蹠の皮下に25μlずつ注入し
た。さらに1μgのislet activating
protein (科研製薬)溶液を、免疫直後およ
び2日後に尾静脈より200μlの生理食塩水溶液とし
て注入した。
【0077】肉眼での観察により臨床症状的にEAEを
発症しているマウスを選び出し、免疫後63日目に、腋
窩、鼠径及び膝窩リンパ節を採取した。リンパ節をメス
で細かく切ったのち、シリコン栓を用いて、150番の
メッシュでこし、単細胞懸濁液とした。この単細胞懸濁
液を10μg/mlのMBPペプチドを含む培地(5%
FCS(ウシ胎児血清;Bioserum社より入
手)、Click’s EHAA培地;Irvine
Scientific Cat.No.9582)で4
×106 個/mlに調製し、25cm2 のフラスコ(C
orning社)に10ml/フラスコで加え、フラス
コを立てて培養を開始した。
【0078】継代用の培地に含まれるFactorは以
下のように調製した。RGF(Rat Growth
Factor)は10μg/mlのコンカナバリンA
(Sigma社)および1%FCSを含むRPMI16
40培地(GIBCO BRL社)で106 細胞/ml
のSDラット(チャールスリバー)の脾細胞を48時間
刺激後、上清を回収し、終濃度が20mg/mlになる
ようにα−methyl−D−mannosideを添
加し、RGFとした。また、EL4supは、1ng/
mlのホルボールミリステートアセテート(Sigma
社)を含むD−MEM(GIBCO−BRL社;5%F
CSを含む)で106 個/mlに調製したマウスEL
4.IL−2細胞(ATCCより入手可能。ATCCT
IB−181)を24時間刺激後、培養上清を回収し、
EL4supとした。
【0079】前記のリンパ節細胞を、培養6日目に継代
培地(Click’s EHAA培地、5%FCS、1
5%RGF、EL4sup 1%を含む)に培地を交換
後、同じ培地で4×106 個/mlに調製し、24穴プ
レートに1.2ml/穴で分注し、5%二酸化炭素雰囲
気中37℃で培養した。さらに約1週間後、10μg/
mlのMBPペプチドおよび約2×106 個/mlの抗
原提示細胞(SJL/Jマウスの脾細胞を3000Rで
X線照射して調製した)の存在下で5%二酸化炭素雰囲
気中37℃で培養し(抗原刺激)、約1週間後に継代培
地に培地を交換し、さらに5%二酸化炭素雰囲気中37
℃で約1週間培養した。これを培養の1サイクルとし、
2週間ごとにこの培養サイクルを繰り返した。まきこみ
細胞数は徐々に減らし、最終的には2.5〜5×105
個/mlで行った。
【0080】この培養を3サイクル繰り返した後、限外
希釈により個々のクローンに分割した。そのうちの1ク
ローンを4R312株と命名した。4R312株も上記
と同様に培養サイクルを繰り返して拡大培養し、以降の
実験に用いた。
【0081】
【実施例2】 4R312株のEAE発症性の確認 4R312株を実施例1に示したように拡大培養し、5
×106 個の抗原刺激後3日目の4R312株をSJL
/Jマウス(8週齢、メス;チャールスリバーより購
入)に尾静脈より注入した。2匹のマウスに注入した。
肉眼による症状観察により、一匹は5日目に一匹は6日
目にEAEの発症が観察された。
【0082】
【実施例3】 マウス由来の新規7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240断片の取得 マウス4R312株は実施例1に示したように拡大培養
し、 全体で約1×107 個の細胞を培養して材料とし
て使用した。ピペッティングにより、細胞を懸濁後、1
000rpmで15分の遠心(KS−8300型、久保
田製作所、RS3000/6型ローター)後、上清を吸
引・廃棄し、PBS(Phosphate Buffe
red Salts;大日本製薬(株)製 Cat.No.2
8-103-05)を30ml加え懸濁後、再度同じ条件で
遠心した。以下、Quick Prep mRNA P
urification Kit(Pharmacia
Biotech製)を用い、製造者のプロトコル(Re
v.4.XV−025−00−07)11〜14頁に従
って(second column purifica
tionは行わなかった)、mRNAを抽出した。エタ
ノール沈殿後、Molecular Cloning,
A laboratory manual,198
9, Eds. Sambrook,J., Frit
sch,E.F., and Maniatis,
T., Cold Spring harbor La
boratory Press のE5,Spectr
ophotometric Determinatio
n of the Amountof DNA or
RNAに従って定量した。約2μgのmRNAを用い、
SuperScript Choice System
for cDNA Synthesis(Life
Technologies製)添付の5x First
strand buffer 10μl、 0.1mM
DTT 5μl、RNasin(Promega社
製)5μl、RNase free DNase(Bo
erhinger社製) 1μlを加え、滅菌水で全量
を50μlにし、室温で5分間放置した。その後、フェ
ノール・クロロフォルム抽出、エタノール沈殿後、次の
ようにcDNA合成を行った。
【0083】SuperScript Choice
System for cDNASynthesis
(Life Technologies製)を用いてc
DNA合成を行った。プロトコル11〜17頁(Pro
tocol 1および2)に従い、oligo(dT)
プライマーを用いて2重鎖(ds)DNAを合成した。
その後、フェノール・クロロフォルム抽出、エタノール
沈殿後、40μlの滅菌水に溶解した(これをcDNA
サンプルと呼ぶ)。
【0084】このcDNAサンプルのうち4μlを用い
てPCR(polymerasechain reac
tion)を行った。PCRはTaqポリメラーゼ(宝
酒造社製、コードR001A)を用いた。酵素に添付の
バッファーを5μl,酵素に添付のdNTP mixt
ure 4μlと配列表の配列番号5に示した合成オリ
ゴヌクレオチドA および、配列表の配列番号6に示し
た合成オリゴヌクレオチドBをそれぞれ200pmol
を加え、最終容量50μlとした。
【0085】この混合物を、TaKaRa PCR t
hermal Cycler 480を用いて、95℃
1分、40℃2分、72℃3分を5サイクル行ったの
ち、95℃1分、50℃2分、72℃3分を25サイク
ル行った。このPCR産物の一部を1.5%アガロース
・ゲル中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日
本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約70
0bpのcDNAが増幅されていることを確認した。こ
のバンドをゲルから切り出して Suprec01(宝
酒造社製)で精製後、TA cloningキット(I
nvitrogen社製)を用いてクローニングした。
【0086】すなわち、ベクターとしてpCRII V
ector(Invitrogen社製、以下pCRI
Iという)を用い、ベクターと先のDNAとをそのモル
比が1:3となるように混ぜ合わせて、T4 DNAリ
ガーゼ(Invitrogen社製)にてベクターにD
NAを組み込んだ。DNAが組み込まれたベクターpC
RIIを大腸菌One Shot Competent
Cells INVαF’(Invitrogen社
製)に遺伝子導入し、アンピシリン(Sigma社製)
を50μg/ml含むL−Broth(宝酒造社製)半
固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37℃に放置
し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃度のアン
ピシリンを含むL−Broth液体培地2mlに植え付
け、8時間程度37℃で震とう培養し、菌体を回収し、
ウィザードミニプレップ(Promega社製)を用い
て添付の説明書に従ってプラスミドを分離し、このプラ
スミドを制限酵素EcoRIにて消化して、約700b
pのDNAが切り出されてくることで該PCR産物が組
み込まれていることを確認し、確認されたクローンにつ
いて、組み込まれているcDNAの塩基配列決定を行っ
た。
【0087】挿入cDNA断片の塩基配列の決定は、A
pplied Biosystems社製の蛍光シーク
エンサーを用いて実施した。シークエンスサンプルの調
製はPRISM,Ready Reaction Dy
e TerminatorCycle Sequenc
ing Kit(Applied Biosystem
s社製)を用いて行なった。0.5ml容のマイクロチ
ューブに9.5μlの反応ストック液、4.0μlの
0.8pmol/μlの−21M13ユニバーサル・プ
ライマー(Applied Biosystems社
製)および6.5μlの0.16μg/μlのシークエ
ンス用鋳型DNAを加えて混合し、100μlのミネラ
ルオイルを重層後、96℃30秒、55℃15秒および
60℃4分を1サイクルとするPCR増幅反応を25サ
イクル行ない、4℃で5分間保温した。反応後、80μ
lの滅菌精製水を加えて攪拌し、遠心分離後、その水層
を3回のフェノール・クロロホルム抽出を行なった。1
00μlの水層に10μlの3M酢酸ナトリウム(pH
5.2)および300μlのエタノールを加えて攪拌
後、室温、14,000rpmにて15分間の遠心を行
ない沈殿を回収した。沈殿を75%エタノールで洗浄
後、真空下に2分間静置して乾燥させ、シークエンス用
サンプルとした。シークエンスサンプルは、4μlの1
0mMのEDTAを含むホルムアミドに溶解して90
℃,2分間で変性後、氷中で冷却してシークエンスに供
した。
【0088】75個のクローンについてDNA配列決定
を行ったところ、2個のクローンが配列表配列番号4の
DNA配列の1番目のTから627番目のCに対応する
配列を有していた(両端のプライマーの配列を含まな
い)。 GenBankリリース100.0,Apri
l,1997年のサーチの結果、この配列は7回膜貫通
型受容体群と類似していることが判明した(以下、この
断片をマウス由来ET(EAE発症性T細胞由来)24
0断片とよぶ)。
【0089】
【実施例4】 マウス由来の新規7回膜貫通型受容体蛋
白質ET240断片のC末端を含む配列の取得 実施例3で得られたマウス由来ET240断片cDNA
配列をもとにマウスのEST(Expressed S
equence Tag)データベース(GenBan
kリリース100.0,April,1997年)をサ
ーチした。この結果、ほぼ同一の遺伝子をコードしてい
ると考えられるマウスのEST断片、エントリーAA0
14373、AA050273の2種(両者とも13.
5 dpcと 14.5 dpcのembryoの等量
混合のライブラリー由来)を利用することによって、配
列表配列番号4のDNA配列の501残基目のG以降の
cDNA配列が得られた。
【0090】実施例3で得られた配列とこの配列を接続
し、配列表配列番号4に示したDNA配列、マウス由来
の新規7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のcDNA
配列の一部を得た。また、その配列をアミノ酸に翻訳
し、配列表配列番号2に示したマウス由来の新規7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240のアミノ酸配列の一部を
得た。
【0091】なお、これらのエントリー2者は配列表配
列番号4のDNA配列の598残基目のGにあたる残基
がCとなっており、配列表配列番号4に示した配列とは
異なっていた。
【0092】
【実施例5】 ヒト由来の新規7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240の配列の取得 実施例3で得られたマウス由来ET240断片cDNA
配列をもとにヒトのEST(Expressed Se
quence Tag)データベース(GenBank
リリース100.0,April,1997年)をサー
チした。この結果、2種のEST断片、AA21557
7(tonsillar cells enriche
d for germinal center B c
ellsby flow sorting (CD20
+,IgD-)のライブラリー由来)、H67224(W
eizmann Olfactory Epithel
iumのライブラリー由来)が得られた。
【0093】この2種の断片の配列を元に、オリゴヌク
レオチドF1(配列表配列番号7;5’GCTGTAG
CAG ATTTACTCCT TCTATTCAC
3’; H67224の配列の一部、配列表配列番号3
の259残基目のGから287残基目のCに対応)とオ
リゴヌクレオチドR1(配列表配列番号8; 5’GC
CGATGTCC ATGCGTTTGC TCATG
TC 3’;配列表配列番号3のDNA配列の835残
基目のGから861残基目のCの相補鎖に対応するが8
60残基目のCに対応する残基(配列表配列番号8の2
残基めに対応)が相補するGではなくCになっているの
はAA215577の配列の相補鎖の一部を用いたた
め)を作製し、ヒト由来のゲノムDNA(Clonte
ch社製、Cat.No.6550−1)を鋳型として
PCR(polymerasechain react
ion)法にて遺伝子の増幅を行い、遺伝子配列の解析
に供した。
【0094】PCRにはTaqポリメラーゼ(宝酒造社
製)を用いた。このcDNAライブラリー溶液1μlと
脱イオン水38.5μlを混合し95℃で7分間加熱し
たものに、Taqポリメラーゼに添付のバッファー5μ
lと、2.5mM dNTP mixture(宝酒造
社製)4μlと、オリゴヌクレオチドF1およびR1を
それぞれ20ピコモルを加え、95℃3分間加熱後Ta
qポリメラーゼ0.5μlを加え、最終容量50μlと
した。
【0095】この両方の混合物を、TaKaRa PC
R thermal Cycler480を用いて、9
4℃1分、65℃2分、72℃3分を5サイクル、94
℃1分、63℃2分、72℃3分を5サイクル、94℃
1分、60℃2分、72℃3分を5サイクル行ったの
ち、95℃1分、50℃2分、72℃3分を25サイク
ル行い、最後に72℃7分を1サイクル行った。このP
CR産物を1%アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、
エチジウムブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、
紫外線下で観察した。約600bpのPCR産物をゲル
から切り出し、TaKaRa Suprec01を用い
て、DNAの精製を行った。この精製DNAをTAクロ
ーニングキット(Invitorogen社製)を用
い、添付のプロトコールに従って、pCR2.1ベクタ
ーに組み込んだ。DNAを組み込んだpCR2.1ベク
ターを大腸菌INVαF′Competent Cel
ls(Invitorogen社製)に遺伝子導入し、
アンピシリン(Sigma社製)を50μg/ml含む
L−Broth(宝酒造社製)半固型培地のプレートに
蒔き、12時間程度37℃に放置し、現れてきたコロニ
ーを無作為選択し、100μg/mlのアンピシリンを
含むL−Broth液体培地2mlに植え付け、18時
間程度37℃で振とう培養し、菌体を回収し、ウィザー
ドミニプレップ(Promega社製)を用いて添付の
説明書に従ってプラスミドを分離し,DNAの塩基配列
決定に供した。これらのクローンのうち3個のDNA配
列をDNAシークエンサーにより解析し、そのコンセン
サス配列をcDNA配列とし、配列表配列番号3にある
DNA配列の288番目のTから834番目のCまでの
塩基配列を決定した(両端のプライマー配列を含まな
い)。この配列は、実施例3、4で得られたマウス由来
の新規7回膜貫通型受容体蛋白質ET240のcDNA
配列と強く類似していた。
【0096】このようにして得られたDNA断片をヒト
ET240断片と命名した。なお、公知のエントリーH
67224では配列表配列番号3のDNA配列の564
残基目以降のCCCATTTTCCCCCに対応する部
分がNCCATTTTTCCCCCとなっており、配列
表配列番号4に示した配列とは異なっていた。また、公
知のエントリーAA215577には、配列表配列番号
4のDNA配列の744残基目のCにあたる残基のあと
に余分なAが挿入されており、777、787、80
7、827残基目にあたるところはNとなっており、配
列表配列番号4に示した配列とは異なっていた。
【0097】
【実施例6】 ヒト7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0全長遺伝子の配列決定 ヒト肺由来のcDNAライブラリー(CLONTECH
社、Cat#HL5030t)を鋳型としてPCR(p
olymerase chain reaction)
法にて遺伝子の増幅を行い、遺伝子配列の解析に供し
た。
【0098】ヒト7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
遺伝子の5’末の決定には以下のような方法を用いた。
PCRにはTaqポリメラーゼ(宝酒造社製)を用い
た。このcDNAライブラリー溶液1μlと脱イオン水
38.5μlを混合し95℃で7分間加熱したものに、
Taqポリメラーゼに添付のバッファー5μlと、2.
5mM dNTPmixture(宝酒造社製)4μl
と、このcDNAライブラリーのベクターのアーム配列
を利用したオリゴヌクレオチドLD―5:5’CTC
GGGAAG CGC GCC ATT GTG TT
G GT3’(配列表配列番号9)、およびオリゴヌク
レオチドR3:5’GTG TGT ACA AGGC
TG AAG TTA TTT TGC AC 3’
(配列表配列番号10;配列表配列番号3の342番目
のGから370番目のCの塩基配列のアンチセンス配
列)を、それぞれ20ピコモルを加え、95℃3分間加
熱後Taqポリメラーゼ0.5μlを加え、最終容量5
0μlとした(この反応液を反応液R3とする)。同時
にオリゴヌクレオチドR3の代わりに、オリゴヌクレオ
チドR2:5’GCA TTA ACA GCC CA
A AAA GGC AGA GTG3’(配列表配列
番号11;配列表配列番号3の285番目のCから31
1番目のGの塩基配列のアンチセンス配列)を用いた反
応液も調製した(この反応液を反応液R2とする)。
【0099】この両方の混合物それぞれを、TaKaR
a PCR thermal Cycler 480を
用いて、94℃1分、72℃4分を5サイクル、94℃
1分、68℃2分、72℃3分を5サイクル、94℃1
分、65℃2分、72℃3分を5サイクル行ったのち、
95℃1分、55℃2分、72℃3分を20サイクル行
い、最後に72℃7分を1サイクル行った。このPCR
産物を1.5%アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、
エチジウムブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、
紫外線下で観察した。ある程度はっきりとしたバンドと
して検出されたバンドを反応液R3とR2で比較し、反
応液R3の方が約60残基長いバンドが増幅されている
ものを選び出した。反応液R2で約450bp、反応液
R3で約500bpのバンドがそれにあたり、そのPC
R産物をゲルから切り出し、TaKaRa Supre
c01を用いて、DNAの精製を行った。この精製DN
AをTAクローニングキット(Invitorogen
社製)を用い、添付のプロトコールに従って、pCRI
Iベクターに組み込んだ。DNAを組み込んだpCRI
Iベクターを大腸菌INVαF′Competent
Cells(Invitorogen社製)に遺伝子導
入し、アンピシリン(Sigma社製)を50μg/m
l含むL−Broth(宝酒造社製)半固型培地のプレ
ートに蒔き、12時間程度37℃に放置した。現れてき
たコロニーをそれぞれ2個ずつ無作為選択し、同濃度の
アンピシリンを含むL−Broth液体培地2mlに植
え付け、18時間程度37℃で振とう培養し、菌体を回
収し、ウィザードミニプレップ(Promega社製)
を用いて添付の説明書に従ってプラスミドを分離し,D
NAの塩基配列決定に供した。これらのクローンのDN
A配列は実施例3と同様にDNAシークエンサーにより
解析した。
【0100】その結果、反応液R3由来の1クローンの
みがプライマー部分の他に実施例5で得られた配列と共
通する配列をもっており、配列表配列番号3にあるDN
A配列の1番目のAから341番目のTまでのDNA配
列であった。さらにヒト7回膜貫通型受容体蛋白質ET
240遺伝子の3’末の決定には以下のように5’末の
取得と同様の方法を用いた。
【0101】5’末の取得の際のプライマーLD−5の
かわりにこのcDNAライブラリーのベクターのアーム
配列を利用したオリゴヌクレオチドH:ATA CGA
CTC ACT ATA GGG CGA ATT
GGC(配列番号12)を用い、オリゴヌクレオチドR
3、R2のかわりにそれぞれオリゴヌクレオチドF3:
GCT GCG ACA TGA GCA AAC
GCA TGG AC(配列番号13;配列表配列番号
3の830番目のGから855番目のCに対応する塩基
配列)、オリゴヌクレオチドF2: GTC AGT
TAT AGTTTT CAT TGT CAC TC
A ACTG(配列番号14;配列表配列番号3の74
2番目のGから771番目のGに対応する配列、Gen
BankエントリーAA215577の配列を用いたた
め、配列番号14の4残基目によけいなAが含まれてい
る)、を用い、電気泳動の際に約110bpの長さの差
の断片を選択した。実際には約400bpのオリゴヌク
レオチドF3を用いた反応液由来の断片と約510bp
のオリゴヌクレオチドF2を用いた反応液由来の断片を
ゲルから切り出した。5’末の取得と同様にクローニン
グし、それぞれ現れてきたコロニーを無作為に2個ずつ
選択し、DNA配列を決定した。その結果、オリゴヌク
レオチドF2を用いた反応液由来の1クローンのみがプ
ライマー部分の他に実施例5で得られた配列と共通する
配列をもっており、配列表配列番号3にあるDNA配列
の772番目の塩基Cから1150番目の塩基Aまでの
塩基配列であった。なお、エントリーAA215577
では配列表配列番号3にあるDNA配列の859番目の
塩基Gから870番目の塩基Cまでの塩基配列がGGC
NATCCAAGTNとなっており、配列表配列番号3
の配列と異なっていた。
【0102】これらの配列と実施例5で得られた配列を
つなぎあわせることによって、配列表配列番号3のDN
A配列を得、それをさらにアミノ酸に翻訳することによ
り配列表配列番号1のアミノ酸配列を得た。
【0103】
【実施例7】 発現しているマウス組織の解析 実施例3で得られた4R312細胞株由来マウス7回膜
貫通型受容体蛋白質ET240の各臓器における遺伝子
発現をノーザンハイブリダイゼーションにて解析した。
Multiple Tissue Northern
(MTN)Blotフィルター(CLONTECH社
製、コード#7762−1)を用い、5倍濃度のSSP
E溶液(1倍濃度のSSPE溶液は0.15M NaC
l,10mMNaH2PO4,ImM EDTA,pH
7.4)、10倍濃度のデンハルト液(和光純薬社
製)、2%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム、和光純薬
社製)、終濃度50%ホルムアミド(和光純薬社製)、
及び100μg/mlの沸騰水浴により変性したサケ精
子DNA(Sigma社製)を含むハイブリダイゼーシ
ョン液中に浸し、42℃にて2時間振とうした。
【0104】放射性同位元素32Pにて標識されたマウス
由来ET240断片プローブは以下のように作製した。
すなわち、マウスET240断片が組み込まれたベクタ
ーpCRIIより、制限酵素EcoRIにてベクターよ
り挿入断片を切り出し、0.8%アガロース・ゲル中で
電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジーン社
製)にて染色後、紫外線下で観察し、約600bpのバ
ンドをゲルから切り出してGENECLEANII K
it(フナコシ社製)を用いて精製した。得られたDN
A断片をDNAラベリングキット(Megaprime
DNA labeling system:Amer
sham社製コードRPN1607)を用いて標識し
た。すなわち、DNA100ngにプライマー液10μ
l,5×反応緩衝溶液20μl及び脱イオン水を加えて
全量を86μlとして沸騰水浴を5分間行い、その後、
α−32P−dCTP(アマーシャム社製、コードAA
0005)10μl,及びKlenow酵素溶液4μ1
を加えて、37℃で10分間水浴し、放射標識したマウ
スET240断片を合成した。更にその後、セファデッ
クスカラム(Quick Spin Column S
ephadex G−50:独逸国ベーリンガーマンハ
イム社製)で精製し、5分間沸騰水浴をしたのち、2分
間氷冷後使用した。
【0105】このようにして32P標識されたマウスET
240遺伝子断片プローブをハイブリダイゼーション液
に添加し、42℃にてさらに16時間振とうし、ハイブ
リダイゼーションを行った。次に、0.1%SDSを含
む、各々の成分の最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸
し、室温で3回洗浄後、さらに同溶液で室温で15分間
洗浄した。さらに、0.1%SDSを含む、各々の成分
の最終濃度が0.2倍濃度のSSC溶液で室温で15分
間洗浄を行った。洗浄を終了したフィルターを増感スク
リーンを使用して、−85℃でオートラジオグラフィー
を行った。その結果、全てのレーンで1.5〜2.2k
b付近のバンドが認められ、特に肺、心、肝で強いバン
ドが観察された。
【0106】
【実施例8】 発現しているヒト組織の解析 実施例5,6で得られたヒト7回膜貫通型受容体蛋白質
ET240の各臓器における遺伝子発現をノーザンハイ
ブリダイゼーションにて解析した。Multiple
Tissue Northern(MTN)Blotフ
ィルター(CLONTECH社製、コード#7760−
1)を用い、5倍濃度のSSPE溶液(1倍濃度のSS
PE溶液は0.15M NaCl,10mM NaH2
PO4,ImM EDTA,pH7.4)、10倍濃度
のデンハルト液(和光純薬社製)、2%SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム、和光純薬社製)、終濃度50%ホル
ムアミド(和光純薬社製)、及び100μg/mlの沸
騰水浴により変性したサケ精子DNA(Sigma社
製)を含むハイブリダイゼーション液中に浸し、42℃
にて2時間振とうしたのち、実施例7と同様の方法で32
P標識されたヒトET240遺伝子断片プローブを調製
し、ハイブリダイゼーション液に添加し、42℃にて1
6時間振とうし、ハイブリダイゼーションを行った。
【0107】次に、0.1%SDSを含む、各々の成分
の最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸し、室温で3回
洗浄後、さらに同溶液で室温で15分間洗浄した。さら
に、0.1%SDSを含む、各々の成分の最終濃度が
0.2倍濃度のSSC溶液で室温で15分間洗浄を行っ
た。洗浄を終了したフィルターを増感スクリーンを使用
して、−85℃でオートラジオグラフィーを行った。そ
の結果、前立腺を除く全てのレーンで1.5〜2.2k
b付近のバンドが認められ、特に心、小腸で強いバンド
が観察された。
【0108】
【実施例9】 発現しているマウス組織のPCRによる
解析 腸管および舌におけるマウスET240遺伝子の発現を
PCRによって調べた。腸管リンパ球の調製はCurr
ent Protocols in Immunolo
gy, Supplement 15, 3.19.1
〜 3.19.4に従った。
【0109】すなわち、C3H/Heマウス(メス、1
2週齢)2匹をエーテル麻酔下で頸椎脱臼により屠殺
し、開腹後小腸よりパイエル板を切除し切開した後、内
容物を洗い、残りの小腸を約1.5cm長に切断して三
角フラスコ中に集めた。フラスコに終濃度2%のFCS
(GIBCO BRL社製)を加えたRPMI1640
培地(GIBCO BRL社製)を45ml加え37℃
にて30分間攪拌した。茶こしを用いて濾液を回収し
た。茶こしに残った残渣を50mlの遠心管中に入れ、
RPMI1640培地を15ml加え、激しく15秒振
り、茶こしを用いて濾液を回収した。これを3回繰り返
した。これらの濾液を合わせ、グラスウールのカラムに
通した後、遠心し細胞を沈殿させペレットの細胞を回収
して15mlのRPMI1640培地に再懸濁した。再
度フラスコに戻し、フラスコ内での攪拌に始まる手続き
を2回繰り返して、細胞を回収した。
【0110】これらの細胞回収液を遠心し細胞を再度集
め、一つのストックとし、さらに2回PBS(Phos
phate Buffered Salts;大日本製
薬(株)製 Cat.No.28−103−05)で洗
った。この細胞を8mlの40% Percoll 溶
液(RPMI1640培地中)に懸濁後、半量ずつ2m
lの75% Percoll 溶液(RPMI1640
培地中)に重層し、室温で800×gで20分間遠心し
た。40%溶液と75%溶液の境界面の細胞画分をIE
L(Intraepithelial Lymphoc
ytes)として回収した。
【0111】この細胞を5×106 個を回収し Qui
ckPrep Total RNAextractio
n kit(Pharmacia)を用いて製造者のプ
ロトコルに従って全RNAを精製した。舌については、
開頭後舌全部を切り取り、手術用はさみで細かく切断
し、以下QuickPrep Total RNA e
xtraction kit(Pharmacia)を
用いて製造者のプロトコルに従って全RNAを精製し
た。
【0112】これらのRNAをSuperScript
Preamplification (GIBCO
BRL,Cat.No.18089−011)のキット
を用いてcDNAを合成した。また、マウスDNAゲノ
ムはClontech社より購入した(Cat.No.
6650−1)。
【0113】上記のcDNA3μl(ゲノムDNAは1
00ng相当を3μlに希釈した。また、ネガティブコ
ントロールには水を同量加えた。)に7μlのdNTP
混合物、4μlの10x緩衝液、2μlの25mM M
gCl2溶液、1μlずつ(20pmolずつ)のプラ
イマーm240F(配列表配列番号15;5’GCTC
ATCAAG ATGCCCAACA TTAAAAA
GTC TC 3’、配列表配列番号4のDNA配列の
417番目のGから448番目のCに対応)、プライマ
ーm240R(配列表配列番号16;5’ TTAAA
TGGTAAAAGAACTGGTTGGCTCTGT
AG3’、配列表配列番号4のDNA配列の761番目
のCから789番目のTおよびストップコドンTAAの
相補鎖に対応)を加え、PCR混合液とした。この混合
液を、TaKaRa PCR thermal Cyc
ler 480を用いて、94℃1分、55℃2分、7
2℃3分を30サイクル行ったのち、72℃7分の反応
を行った。このPCR産物を0.8%アガロース・ゲル
中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジー
ン社製)にて染色後、紫外線下で観察した。その結果、
ネガティブコントロールを除く3つのサンプルで約40
0bpの同じ移動度のバンドが観察された。このバンド
のサイズは、実施例3および4で得られた断片が同一の
遺伝子をコードしていると考えたときに得られるバンド
のサイズ375bpとよく一致した。
【0114】
【実施例10】 7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
発現ベクターの作製 ヒト肺由来のcDNAライブラリー(CLONTECH
社、Cat#HL5030t)を鋳型として全長ET2
40遺伝子のPCR(polymerasechain
reaction)を行った。PCRにはHigh
Fidelity Taqポリメラーゼ(ベーリンガー
マンハイム社製)を用いた。このファージライブラリー
溶液2μlと脱イオン水36μlを混合し95℃で7分
間加熱したものに、Taqポリメラーゼ1μlと、Ta
qポリメラーゼに添付のバッファー5μlと、2.5m
M dNTP mixture(宝酒造社製)4μl
と、オリゴヌクレオチドF4:5’ACTACAAAA
GCTTGGAGCCATGGCTTTGGAAC
3’(配列表配列番号17;配列表配列番号3の2番目
のTから22番目のCまでの21残基の5’側に制限酵
素HindIIIの認識部位を導入するためのAAG
C、スペーサー配列ACTACAAを加えたもの)、お
よびオリゴヌクレオチドR4:5’AAAAGCTCG
AGCAGTTTTACCTTTAAATGCTAAA
AG3’(配列表配列番号18;配列表配列番号3の1
049番目のCから1076番目のCの塩基配列のアン
チセンス配列の5’側に制限酵素XbaIの認識部位を
導入するためのCTC,スペーサー配列としてのAAA
AGを加えたもの)を、それぞれ20ピコモルを加え、
最終容量50μlとした。
【0115】この混合物を、TaKaRa PCR t
hermal Cycler 480を用いて、95℃
1分、65℃2分、72℃3分を5サイクル行ったの
ち、95℃1分、62℃2分、72℃3分を5サイク
ル、さらに95℃1分、59℃2分、72℃3分を5サ
イクル行い、その後95℃1分、50℃2分、72℃3
分を20サイクル行って、最後に72℃7分の反応を行
った。このPCR産物を0.8%アガロース・ゲル中で
電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジーン社
製)にて染色後、紫外線下で観察し、約1000bpの
cDNAが増幅されていることを確認した。この、目的
とする遺伝子産物をゲルから切り出し、Suprec0
1(宝酒造製)を用いて、DNAの精製を行った。この
精製DNAをEukaryotic TA Cloni
ng Kit (Invitrogen社製)を用い、
添付のプロトコールに従って、pCR3.1ベクターに
組み込んだ。DNAが組み込まれたpCR3.1を大腸
菌INVαF′Competent Cells(In
vitorogen社製)に遺伝子導入し、アンピシリ
ン(Sigma社製)を50μg/ml含むL−Bro
th(宝酒造社製)半固型培地のプレートに蒔き、12
時間程度37℃に放置し、現れてきたコロニーを無作為
選択し、同濃度のアンピシリンを含むL−Broth液
体培地2mlに植え付け、18時間程度37℃で振とう
培養し、菌体を回収し、ウィザードミニプレップ(Pr
omega社製)を用いて添付の説明書に従ってプラス
ミドを分離した。制限酵素HindIIIでの切断によ
り、正しい方向に断片が挿入されているものを選び出
し、DNAの塩基配列決定に供した。
【0116】DNA塩基配列決定は、Applied
Biosyetems社製の蛍光シークエンサーを用い
て、実施例3と同様に行った。シークエンスプライマー
はEukaryotic TA Cloning Ki
t (Invitrogen)に添付のプライマーと実
施例5に記載のF1およびR1プライマーを用いた。7
つのクローンについて塩基配列の決定を行い、そのコン
センサス配列は、配列表配列番号3に示したcDNAの
配列と同一であり、そのコンセンサス配列をもつ発現プ
ラスミドをpET240Hと命名した。なお、7クロー
ンのうち3クローンは配列表配列番号3のDNA配列の
678番目の残基AがGに変わっていた。この変化は頻
度が高いため、アリリック変異であると判断した。
【0117】なお、このプラスミドpET240Hを大
腸菌INVαF’に導入した菌株E.coli:INV
αF’−pET240Hは日本国通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に受託番号:FERM BP−
6213として寄託されている。
【0118】
【実施例11】 発現ベクターの細胞への遺伝子導入と
発現 実施例10で作製した発現ベクターを293細胞(大日
本製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CRL−1
573)に遺伝子導入した。 遺伝子導入前の細胞の継
代は、MEM with Earles Salts
(MEMアール液体培地、大日本製薬(株)Cat.N
o.12−102−54CN)を用い、10%馬血清
(56℃20分間熱処理して非働化した;ICN Bi
omedicals,Inc. Cat.No.292
1149)、100分の1量のPenicillin−
Streptomycin溶液(大日本製薬(株)Ca
t.No.16−70D−49DN)を加えた。細胞
は、5×104 個/mlから5×105 個/mlの濃度
で培地中に植え付け、37℃、5%二酸化炭素、湿度1
00%で培養し、コンフルエントになるまで培養した。
培地を吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液(Cosm
o Bio Co.,Ltd.)処理により、細胞をプ
レート底面よりはがした。前記の培地(血清を含む)を
加えて反応を停止させた。その後、ピペッティングによ
って細胞を均一に懸濁し、遠心して(1000rpm
15分;KS−8300型、久保田製作所、RS300
0/6型ローター)回収し、新しい培地に再度懸濁し継
代した。 遺伝子導入は、Invitrogen社のキ
ット(Cat.No.IV2780−1)を用いリン酸
カルシウム共沈法にて行い(添付のプロトコル6ペー
ジ)、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240を
コードするDNAを保持する形質転換体を作成した。D
NAは35mmプレートあたり5μgを用いた。
【0119】膜画分の調製は、以下のように行った。p
ET240を遺伝子導入した細胞およびpcDNA3プ
ラスミドを導入した細胞を24〜48時間培養した。そ
の後、培地はアスピレータで吸引し廃棄し、PBS(大
日本製薬(株)Cat.No.28−103−05)を
用いて細胞を洗浄し、その後1ml/プレートのPBS
を加え、Cell Scraper−L(住友ベークラ
イト、Cat.No.MS−93300)を用いてプレ
ートからはがした。その後、3プレートあたり1mlの
PBSを加え、プレートを洗浄し、回収した細胞に加え
た。この細胞懸濁液をPolytron(KINEMA
TIKA社製、PT10−SK)で破砕し、マイクロチ
ューブ用遠心機(トミー精工、MRX−150型)で4
℃,13000×gで15分間遠心した。上清を捨て、
さらに2度PBSを加え懸濁後、同じ条件で遠心した。
バイオ・ラッド社のプロテインアッセイキットを用いて
蛋白質を定量し、蛋白質量が、1mg/mlになるよう
PBSを加えて調製した。この懸濁液を膜画分調製液と
した。
【0120】こうして得られた膜画分調製液を用いてウ
ェスタンブロッティング法にて7回膜貫通型受容体蛋白
質ET240の発現を確認した。すなわち、膜画分をA
CIジャパン社製のSDS―PAGE用電気泳動槽及び
SDS―PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラジエ
ントゲル5〜15%)を用い、添付の取扱い説明書に従
ってSDS―PAGEをおこなった。サンプルは2―メ
ルカプトエタノール(2―ME)を加えて5分間の沸騰
水浴加熱処理により還元処理を行った。マーカーとして
はAmersham社製レインボーマーカー(高分子量
用)を用い、サンプルバッファー、泳動バッファーにつ
いては添付の取扱い説明書に従って作製した。SDS―
PAGE終了後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブ
ランフィルター(BioRad社製)に同社製ミニトラ
ンスブロットセルにより転写した。
【0121】このように作製されたフィルターをブロッ
クエース(大日本製薬社製)、TBS―T(20mM
Tris・HCl,137mM NaCl(pH7.
6)、0.1%Tween 20)に4℃で一晩振とう
してブロッキングした。ECLウェスタンブロッティン
グ検出システム(Amersham社)に添付の説明書
に従い、一次抗体として実施例15に記載した抗ET2
40抗血清を用い、二次抗体としてペルオキシダーゼ標
識抗マウスIgロバ抗体(Amersham社製)を反
応させた。
【0122】抗体の反応時間は各々室温で一時間反応さ
せ、各反応間はTBS―Tにて10分間室温で振とう洗
浄する操作を3回ずつ繰り返した。最後の洗浄後、フィ
ルターをECLウエスタンブロッティング検出システム
(Amersham社製)の反応液に5分間浸し、ポリ
塩化ビニリデンラップに包んでX線フィルムに感光させ
た。 分子量マーカーとの比較の結果、約38〜42k
DのバンドがpET240Hを遺伝子導入をしたものに
ついてのみ得られ、pcDNA3を導入した細胞には観
察されなかった。
【0123】
【実施例12】 リガンドのスクリーニング 遺伝子導入を行わない293細胞とET240形質転換
体293細胞の膜画分を実施例11と同様にして調製し
た。膜画分調製液50μlもしくはPBS(大日本製薬
(株)Cat.No.28−103−05)と放射性標
識された候補化合物CGS 21680(Dupont
NEN社、カタログ番号 NET−1021)50μ
l(終濃度100nM)、PBS 50μlを加え、全
量を150μlとした。混合して候補化合物と7回膜貫
通型受容体蛋白質ET240を接触させ、37℃で30
分間保温した後、マイクロチューブ用遠心機(トミー精
工、MRX−150型)で室温、15000×gで15
分間遠心し、ET240蛋白質と結合した候補化合物と
結合していないものを分離した。その上清を1μlと
り、10mlの液体シンチレーター用カクテル(Dup
ont NEN,ECONOFLUOR−2)に加え、
混合した。その後、Beckman LS6000LL
型シンチレーションカウンターを使用して放射活性をカ
ウントし、ET240遺伝子導入の有無で得られた放射
活性を比較した。
【0124】その結果、得られた放射活性はET240
遺伝子導入の有無で差がなかった。
【0125】
【実施例13】 リガンドのスクリーニング 実施例10で作製した発現ベクターをCHO細胞(大日
本製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CCL−6
1)に遺伝子導入した。遺伝子導入前の細胞の継代は、
F−12 Nutrient Mixture(HAM
培地、GIBCO BRLカタログ番号11765−0
47)を用い、最終濃度10%のFBS(Fetal
Bovine Serum; GIBCO BRL C
at.No.10099−141;56℃20分間熱処
理して非働化した)、100分の1量のPenicil
lin−Streptomycin溶液(大日本製薬
(株)Cat.No.16−70D−49DN)を加え
た。細胞は、5×104 個/mlから5×105 個/m
lの濃度で培地中に植え付け、37℃、5%二酸化炭
素、湿度100%で培養し、コンフルエントになるまで
培養した。培地は吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液
(Cosmo BioCo.,Ltd.)処理により、
細胞をプレート底面よりはがした。前記の培地(血清を
含む)を加えて反応を停止させた。その後、ピペッティ
ングによって細胞を均一に懸濁し、遠心して(1000
rpm 15分;KS−8300型、久保田製作所、R
S3000/6型ローター)回収した。新しい培地に再
度懸濁し、継代した。
【0126】遺伝子導入は、BIORAD社の Gen
ePulserを用いてエレクトロポレーションで行っ
た。 CHO細胞は上記のようにトリプシン処理を行い
プレート底面よりはがし、エレクトロポレーション用緩
衝液(272mM Sucrose, 1mM MgC
2,7mM リン酸緩衝液)で洗浄後、5x106ce
ll/500μl になるよう同じエレクトロポレーシ
ョン用緩衝液に懸濁し、 GenePulser Cu
vette に分注した。実施例10で作製したプラス
ミドのDNA pET240Hを5μg用いた。5分間
氷冷後、GenePulserのセルチャンバーに入
れ、3μF,550Vの条件で2回パルスをかけた。再
度5分間氷冷後、37℃に保温した培地を10ml加え
直径10cmの細胞培養用シャーレに移した。その後、
約24時間後に培地を新しいものと交換しさらに約24
時間培養した。さらにこの細胞を、種々の細胞濃度で4
00μg/mlの濃度のネオマイシン(Genetic
in,GIBCO BRL1811−023)を含む培
地に植え替えた。その後、2週間前後培養し増殖した細
胞をヒトET240蛋白質発現細胞とした。
【0127】以上のように作成したヒト由来7回膜貫通
型受容体蛋白質ET240発現細胞を用いて、化学遊走
の測定を行った。リガンド候補物質としては、LPS
(リポポリサッカライド)投与ラット血清を用いた。7
週令のWistarラットを(株)日本生物材料より購
入した。サルモネラミネソタRE595由来LPS(S
igma社製)を日本薬局方生理食塩水に最終濃度1m
g/mlになるように懸濁した。懸濁液をソニケーター
(Branson社製)でソニケートし、透明な液とし
た。これを日本薬局方生理食塩水で10倍に希釈し、4
00μl,尾静脈より投与した。投与後約22時間後の
ラットをエーテル麻酔し開腹して心臓より採血した。マ
イクロチューブ用遠心機(トミー精工、MRX−150
型)で4℃,13000×gで15分間遠心し、その上
清を−20℃で保存した。これを被検物質溶液とした。
【0128】96穴マイクロプレートチャンバー(フナ
コシ(株)カタログ番号FE―2292−96)に96
穴マイクロプレート(フナコシ(株)カタログ番号FE
―2300−02)および15μg/mlのフィブロネ
クチン(Sigma,PBS(大日本製薬(株)カタロ
グ番号28−103−05)中に溶解した)で処理した
8μmのポアサイズのフレームフィルター(フナコシ
(株)カタログ番号FE−2340−08)を据え付け
た。下室には0.15%BSA(Sigma社製)を含
むRPMI 1640(GIBCO BRLカタログ番
号22400−071)で被検物質溶液を10倍希釈し
て加えた。上室には0.15%BSAを含むRPMI
1640に懸濁した7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
0発現細胞を加え、被検物質とET240蛋白質を接触
させた。この状態の96穴マイクロプレートチャンバー
を5%二酸化炭素、37℃で5時間保温した。フィルタ
ーを固定・染色して顕微鏡下で観察した。その結果、化
学遊走している細胞が観察された。
【0129】
【実施例14】 リガンドと拮抗する物質のスクリーニ
ング ET240形質転換CHO細胞を用い形質転換体の化学
遊走試験を行った。(i)実施例13で作製したET2
40形質転換CHO細胞に発現する7回膜貫通型受容体
蛋白質ET240と実施例13に示したLPS投与ラッ
ト血清をリガンドとして用いて実施例13と同様に化学
遊走している細胞を観察した。さらに、(ii)実施例1
3の実験の際に上室および下室に含まれる溶液に最終濃
度100μMのN−エチルカルボキシアミドアデノシン
(Sigma社製)を加えて実施例13と同様に化学遊
走している細胞を観察した。そののち、(i)(ii)を
比較したが、両者に差はなかった。
【0130】
【実施例15】 ET240蛋白質を認識する抗体の作
成 実施例10で作製した発現ベクターをBALB/c 3
T3細胞(大日本製薬(株)から入手可能、原ATCC
番号CCL−163)に遺伝子導入した。遺伝子導入前
の細胞の継代は、ダルベッコ改変MEM培地(D−ME
M;GIBCO−BRL社)を用い、最終濃度10%の
FBS(Fetal Bovine Serum; G
IBCO BRL Cat.No.10099−14
1;56℃20分間熱処理して非働化した)、100分
の1量のPenicillin−Streptomyc
in溶液(大日本製薬(株)Cat.No.16−70
D−49DN)を加えた。細胞は、5×104 個/ml
から5×105 個/mlの濃度で培地中に植え付け、3
7℃、5%二酸化炭素、湿度100%で培養し、コンフ
ルエントになるまで培養した。培地は吸引・廃棄し、E
DTAトリプシン液(Cosmo Bio Co.,L
td.)処理により、細胞をプレート底面よりはがし
た。前記の培地(血清を含む)を加えて反応を停止させ
た。その後、ピペッティングによって細胞を均一に懸濁
し、遠心して(1000rpm 15分;KS−830
0型、久保田製作所、RS3000/6型ローター)回
収した。新しい培地に再度懸濁し、継代した。
【0131】遺伝子導入は、BIORAD社の Gen
ePulserを用いてエレクトロポレーションで行っ
た。 CHO細胞は上記のようにトリプシン処理を行い
プレート底面よりはがし、エレクトロポレーション用緩
衝液(272mM Sucrose, 1mM MgC
2,7mM リン酸緩衝液)で洗浄後、5x106ce
ll/500μl になるよう同じエレクトロポレーシ
ョン用緩衝液に懸濁し、 GenePulser Cu
vette に分注した。実施例10で作製したET2
40発現ベクターのDNAを5μg用いた。5分間氷冷
後、GenePulserのセルチャンバーに入れ、3
μF,550Vの条件で2回パルスをかけた。再度5分
間氷冷後、37℃に保温した培地を10ml加え直径1
0cmの細胞培養用シャーレに移した。その後、約24
時間後に培地を新しいものと交換しさらに約24時間培
養した。さらに培養上清を、種々の細胞濃度で400μ
g/mlの濃度のネオマイシン(Geneticin,
GIBCO BRL 1811−023)を含む培地に
植え替えた。その後、2週間前後培養し増殖した細胞を
ヒトET240蛋白質発現細胞とした。
【0132】この細胞をBALB/cマウスに免疫する
ことによって本発明のヒト由来のET240蛋白質の抗
体を作製した。すなわち、BALB/cマウス(チャー
ルスリバーより購入、メス、7週齢)の腹腔内に上記の
ようにして調製した1×107 の細胞を打ち、2週置き
に5回繰り返して投与した。最後の免疫は静脈内に細胞
を投与した。7日後に全採血しその血清を、抗ヒトET
240蛋白質抗血清とした。
【0133】
【発明の効果】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質ET
240は、白血球の機能を制御する医薬品を検索するこ
とに使用が可能である。
【0134】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:350 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Leu Glu Gln Asn Gln Ser Thr Asp Tyr Tyr Tyr Glu Glu Asn 1 5 10 15 Glu Met Asn Gly Thr Tyr Asp Tyr Ser Gln Tyr Glu Leu Ile Cys Ile 20 25 30 Lys Glu Asp Val Arg Glu Phe Ala Lys Val Phe Leu Pro Val Phe Leu 35 40 45 Thr Ile Val Phe Val Ile Gly Leu Ala Gly Asn Ser Met Val Val Ala 50 55 60 Ile Tyr Ala Tyr Tyr Lys Lys Gln Arg Thr Lys Thr Asp Val Tyr Ile 65 70 75 80 Leu Asn Leu Ala Val Ala Asp Leu Leu Leu Leu Phe Thr Leu Pro Phe 85 90 95 Trp Ala Val Asn Ala Val His Gly Trp Val Leu Gly Lys Ile Met Cys 100 105 110 Lys Ile Thr Ser Ala Leu Tyr Thr Leu Asn Phe Val Ser Gly Met Gln 115 120 125 Phe Leu Ala Cys Ile Ser Ile Asp Arg Tyr Val Ala Val Thr Lys Val 130 135 140 Pro Ser Gln Ser Gly Val Gly Lys Pro Cys Trp Ile Ile Cys Phe Cys 145 150 155 160 Val Trp Met Ala Ala Ile Leu Leu Ser Ile Pro Gln Leu Val Phe Tyr 165 170 175 Thr Val Asn Asp Asn Ala Arg Cys Ile Pro Ile Phe Pro Arg Tyr Leu 180 185 190 Gly Thr Ser Met Lys Ala Leu Ile Gln Met Leu Glu Ile Cys Ile Gly 195 200 205 Phe Val Val Pro Phe Leu Ile Met Gly Val Cys Tyr Phe Ile Thr Ala 210 215 220 Arg Thr Leu Met Lys Met Pro Asn Ile Lys Ile Ser Arg Pro Leu Lys 225 230 235 240 Val Leu Leu Thr Val Val Ile Val Phe Ile Val Thr Gln Leu Pro Tyr 245 250 255 Asn Ile Val Lys Phe Cys Arg Ala Ile Asp Ile Ile Tyr Ser Leu Ile 260 265 270 Thr Ser Cys Asn Met Ser Lys Arg Met Asp Ile Ala Ile Gln Val Thr 275 280 285 Glu Ser Ile Ala Leu Phe His Ser Cys Leu Asn Pro Ile Leu Tyr Val 290 295 300 Phe Met Gly Ala Ser Phe Lys Asn Tyr Val Met Lys Val Ala Lys Lys 305 310 315 320 Tyr Gly Ser Trp Arg Arg Gln Arg Gln Ser Val Glu Glu Phe Pro Phe 325 330 335 Asp Ser Glu Gly Pro Thr Glu Pro Thr Ser Thr Phe Ser Ile 340 345 350
【0135】 配列番号:2 配列の長さ:263 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Leu Leu Leu Leu Ile Thr Leu Pro Phe Trp Ala Val Asn Ala Val His 1 5 10 15 Gly Trp Ile Leu Gly Lys Met Met Cys Lys Val Thr Ser Ala Leu Tyr 20 25 30 Thr Val Asn Phe Val Ser Gly Met Gln Phe Leu Ala Cys Ile Ser Ile 35 40 45 Asp Arg Tyr Trp Ala Ile Thr Lys Ala Pro Ser Gln Ser Gly Ala Gly 50 55 60 Arg Pro Cys Trp Ile Ile Cys Cys Cys Val Trp Met Ala Ala Ile Leu 65 70 75 80 Leu Ser Ile Pro Gln Leu Val Phe Tyr Thr Val Asn Gln Asn Ala Arg 85 90 95 Cys Thr Pro Ile Phe Pro His His Leu Gly Thr Ser Leu Lys Ala Ser 100 105 110 Ile Gln Met Leu Glu Ile Gly Ile Gly Phe Val Val Pro Phe Leu Ile 115 120 125 Met Gly Val Cys Tyr Ala Ser Thr Ala Arg Ala Leu Ile Lys Met Pro 130 135 140 Asn Ile Lys Lys Ser Arg Pro Leu Arg Val Leu Leu Ala Val Val Val 145 150 155 160 Val Phe Ile Val Thr Gln Leu Pro Tyr Asn Val Val Lys Phe Cys Gln 165 170 175 Ala Ile Asp Ala Ile Tyr Leu Leu Ile Thr Ser Cys Asp Met Ser Lys 180 185 190 Arg Met Asp Val Ala Ile Gln Val Thr Glu Ser Ile Ala Leu Phe His 195 200 205 Ser Cys Leu Asn Pro Ile Leu Tyr Val Phe Met Gly Ala Ser Phe Lys 210 215 220 Asn Tyr Ile Met Lys Val Ala Lys Lys Tyr Gly Ser Trp Arg Arg Gln 225 230 235 240 Arg Gln Asn Val Glu Glu Ile Pro Phe Asp Ser Glu Gly Pro Thr Glu 245 250 255 Pro Thr Ser Ser Phe Thr Ile 260
【0136】 配列番号:3 配列の長さ:1150 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATTGGAGCC ATG GCT TTG GAA CAG AAC CAG TCA ACA GAT TAT TAT TAT GAG 51 Met Ala Leu Glu Gln Asn Gln Ser Thr Asp Tyr Tyr Tyr Glu 1 5 10 GAA AAT GAA ATG AAT GGC ACT TAT GAC TAC AGT CAA TAT GAA CTG ATC 99 Glu Asn Glu Met Asn Gly Thr Tyr Asp Tyr Ser Gln Tyr Glu Leu Ile 15 20 25 30 TGT ATC AAA GAA GAT GTC AGA GAA TTT GCA AAA GTT TTC CTC CCT GTA 147 Cys Ile Lys Glu Asp Val Arg Glu Phe Ala Lys Val Phe Leu Pro Val 35 40 45 TTC CTC ACA ATA GTT TTC GTC ATT GGA CTT GCA GGC AAT TCC ATG GTA 195 Phe Leu Thr Ile Val Phe Val Ile Gly Leu Ala Gly Asn Ser Met Val 50 55 60 GTG GCA ATT TAT GCC TAT TAC AAG AAA CAG AGA ACC AAA ACA GAT GTG 243 Val Ala Ile Tyr Ala Tyr Tyr Lys Lys Gln Arg Thr Lys Thr Asp Val 65 70 75 TAC ATC CTG AAT TTG GCT GTA GCA GAT TTA CTC CTT CTA TTC ACT CTG 291 Tyr Ile Leu Asn Leu Ala Val Ala Asp Leu Leu Leu Leu Phe Thr Leu 80 85 90 CCT TTT TGG GCT GTT AAT GCA GTT CAT GGG TGG GTT TTA GGG AAA ATA 339 Pro Phe Trp Ala Val Asn Ala Val His Gly Trp Val Leu Gly Lys Ile 95 100 105 110 ATG TGC AAA ATA ACT TCA GCC TTG TAC ACA CTA AAC TTT GTC TCT GGA 387 Met Cys Lys Ile Thr Ser Ala Leu Tyr Thr Leu Asn Phe Val Ser Gly 115 120 125 ATG CAG TTT CTG GCT TGT ATC AGC ATA GAC AGA TAT GTG GCA GTA ACT 435 Met Gln Phe Leu Ala Cys Ile Ser Ile Asp Arg Tyr Val Ala Val Thr 130 135 140 AAA GTC CCC AGC CAA TCA GGA GTG GGA AAA CCA TGC TGG ATC ATC TGT 483 Lys Val Pro Ser Gln Ser Gly Val Gly Lys Pro Cys Trp Ile Ile Cys 145 150 155 TTC TGT GTC TGG ATG GCT GCC ATC TTG CTG AGC ATA CCC CAG CTG GTT 531 Phe Cys Val Trp Met Ala Ala Ile Leu Leu Ser Ile Pro Gln Leu Val 160 165 170 TTT TAT ACA GTA AAT GAC AAT GCT AGG TGC ATT CCC ATT TTC CCC CGC 579 Phe Tyr Thr Val Asn Asp Asn Ala Arg Cys Ile Pro Ile Phe Pro Arg 175 180 185 190 TAC CTA GGA ACA TCA ATG AAA GCA TTG ATT CAA ATG CTA GAG ATC TGC 627 Tyr Leu Gly Thr Ser Met Lys Ala Leu Ile Gln Met Leu Glu Ile Cys 195 200 205 ATT GGA TTT GTA GTA CCC TTT CTT ATT ATG GGG GTG TGC TAC TTT ATC 675 Ile Gly Phe Val Val Pro Phe Leu Ile Met Gly Val Cys Tyr Phe Ile 210 215 220 ACA GCA AGG ACA CTC ATG AAG ATG CCA AAC ATT AAA ATA TCT CGA CCC 723 Thr Ala Arg Thr Leu Met Lys Met Pro Asn Ile Lys Ile Ser Arg Pro 225 230 235 CTA AAA GTT CTG CTC ACA GTC GTT ATA GTT TTC ATT GTC ACT CAA CTG 771 Leu Lys Val Leu Leu Thr Val Val Ile Val Phe Ile Val Thr Gln Leu 240 245 250 CCT TAT AAC ATT GTC AAG TTC TGC CGA GCC ATA GAC ATC ATC TAC TCC 819 Pro Tyr Asn Ile Val Lys Phe Cys Arg Ala Ile Asp Ile Ile Tyr Ser 255 260 265 270 CTG ATC ACC AGC TGC GAC ATG AGC AAA CGC ATG GAC ATC GCC ATC CAA 867 Leu Ile Thr Ser Cys Asp Met Ser Lys Arg Met Asp Ile Ala Ile Gln 275 280 285 GTC ACA GAA AGC ATC GCA CTC TTT CAC AGC TGC CTC AAC CCA ATC CTT 915 Val Thr Glu Ser Ile Ala Leu Phe His Ser Cys Leu Asn Pro Ile Leu 290 295 300 TAT GTT TTT ATG GGA GCA TCT TTC AAA AAC TAC GTT ATG AAA GTG GCC 963 Tyr Val Phe Met Gly Ala Ser Phe Lys Asn Tyr Val Met Lys Val Ala 305 310 315 AAG AAA TAT GGG TCC TGG AGA AGA CAG AGA CAA AGT GTG GAG GAG TTT 1011 Lys Lys Tyr Gly Ser Trp Arg Arg Gln Arg Gln Ser Val Glu Glu Phe 320 325 330 CCT TTT GAT TCT GAG GGT CCT ACA GAG CCA ACC AGT ACT TTT AGC ATT T 1060 Pro Phe Asp Ser Glu Gly Pro Thr Glu Pro Thr Ser Thr Phe Ser Ile 335 340 345 350 AAAGGTAAAA CTGCTCTGCC TTTTGCTTGG ATACATATGA ATGATGCTTT CCCCTCAAAT 1120 AAAACATCTG CATTATTCTG AAACTCAAAA 1150
【0137】 配列番号:4 配列の長さ:789 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 TTG TTA CTT CTG ATC ACG CTG CCT TTC TGG GCA GTT AAT GCA GTT CAC 48 Leu Leu Leu Leu Ile Thr Leu Pro Phe Trp Ala Val Asn Ala Val His 1 5 10 15 GGA TGG ATT CTA GGC AAA ATG ATG TGC AAA GTA ACG TCA GCC CTG TAC 96 Gly Trp Ile Leu Gly Lys Met Met Cys Lys Val Thr Ser Ala Leu Tyr 20 25 30 ACG GTA AAC TTT GTC TCT GGG ATG CAG TTC CTG GCT TGT ATC AGC ATT 144 Thr Val Asn Phe Val Ser Gly Met Gln Phe Leu Ala Cys Ile Ser Ile 35 40 45 GAC AGA TAT TGG GCA ATT ACC AAA GCC CCC AGC CAA TCA GGA GCG GGG 192 Asp Arg Tyr Trp Ala Ile Thr Lys Ala Pro Ser Gln Ser Gly Ala Gly 50 55 60 AGA CCC TGT TGG ATC ATC TGT TGC TGT GTG TGG ATG GCC GCC ATC TTG 240 Arg Pro Cys Trp Ile Ile Cys Cys Cys Val Trp Met Ala Ala Ile Leu 65 70 75 80 CTG AGC ATA CCC CAG CTG GTT TTT TAC ACA GTG AAT CAG AAT GCT AGG 288 Leu Ser Ile Pro Gln Leu Val Phe Tyr Thr Val Asn Gln Asn Ala Arg 85 90 95 TGC ACT CCC ATC TTT CCC CAC CAC CTA GGA ACA TCC CTG AAA GCA TCC 336 Cys Thr Pro Ile Phe Pro His His Leu Gly Thr Ser Leu Lys Ala Ser 100 105 110 ATT CAG ATG CTG GAA ATC GGC ATC GGC TTT GTG GTC CCG TTT CTC ATC 384 Ile Gln Met Leu Glu Ile Gly Ile Gly Phe Val Val Pro Phe Leu Ile 115 120 125 ATG GGC GTG TGC TAT GCC AGT ACC GCC AGG GCG CTC ATC AAG ATG CCC 432 Met Gly Val Cys Tyr Ala Ser Thr Ala Arg Ala Leu Ile Lys Met Pro 130 135 140 AAC ATT AAA AAG TCT CGC CCC CTC AGG GTT CTG CTC GCG GTG GTG GTG 480 Asn Ile Lys Lys Ser Arg Pro Leu Arg Val Leu Leu Ala Val Val Val 145 150 155 160 GTT TTC ATT GTC ACC CAG CTG CCC TAT AAC GTT GTT AAG TTC TGC CAA 528 Val Phe Ile Val Thr Gln Leu Pro Tyr Asn Val Val Lys Phe Cys Gln 165 170 175 GCC ATA GAT GCC ATC TAC CTG CTG ATC ACC AGC TGC GAT ATG AGC AAA 576 Ala Ile Asp Ala Ile Tyr Leu Leu Ile Thr Ser Cys Asp Met Ser Lys 180 185 190 CGC ATG GAT GTC GCC ATC CAA GTC ACA GAG AGC ATC GCG CTC TTC CAC 624 Arg Met Asp Val Ala Ile Gln Val Thr Glu Ser Ile Ala Leu Phe His 195 200 205 AGC TGC CTC AAC CCC ATC CTG TAT GTC TTC ATG GGG GCC TCC TTC AAA 672 Ser Cys Leu Asn Pro Ile Leu Tyr Val Phe Met Gly Ala Ser Phe Lys 210 215 220 AAC TAT ATC ATG AAA GTG GCC AAG AAA TAT GGA TCC TGG AGA AGA CAG 720 Asn Tyr Ile Met Lys Val Ala Lys Lys Tyr Gly Ser Trp Arg Arg Gln 225 230 235 240 AGA CAG AAC GTG GAA GAA ATT CCT TTT GAT TCT GAG GGT CCT ACA GAG 768 Arg Gln Asn Val Glu Glu Ile Pro Phe Asp Ser Glu Gly Pro Thr Glu 245 250 255 CCA ACC AGT TCT TTT ACC ATT 789 Pro Thr Ser Ser Phe Thr Ile 260
【0138】配列番号:5 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:18、22、24残基めのNはイノシンを
示す。 配列 ATCTTAAGCT TGAACCTNGC CNTNGCDGAC 30 配列番号:6 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:22、28残基めのNはイノシンを示す。 21残基めのNはAまたはGまたはCまたはTを示す。 配列 CCCAACGAAT TCRTAGATSA NNGGRTTNAV RCA 33 配列番号7 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCTGTAGCAG ATTTACTCCT TCTATTCAC 29 配列番号8 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCCGATGTCC ATGCGTTTGC TCATGTC 27 配列番号9 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTCGGGAAGC GCGCCATTGT GTTGGT 26
【0139】配列番号10 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTGTGTACAA GGCTGAAGTT ATTTTGCAC 29 配列番号11 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCATTAACAG CCCAAAAAGG CAGAGTG 27 配列番号12 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATACGACTCA CTATAGGGCG AATTGGC 27 配列番号13 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCTGCGACAT GAGCAAACGC ATGGAC 26 配列番号14 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTCAGTTATA GTTTTCATTG TCACTCAACT G 31
【0140】 配列番号15 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCTCATCAAG ATGCCCAACA TTAAAAAGTC TC 32 配列番号16 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTAAATGGTA AAAGAACTGG TTGGCTCTGT AG 32 配列番号17 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTACAAAAG CTTGGAGCCA TGGCTTTGGA AC 32 配列番号18 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAAGCTCGA GCAGTTTTAC CTTTAAATGC TAAAAG 36 配列番号19 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Phe Lys Asn Ile Val Thr Pro Arg Thr Pro Pro Pro Ser 1 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12R 1:91) //(C12P 21/02 C12N 5/00 B C12R 1:91) 15/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 DA03 EA04 GA11 HA01 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 CE02 CE06 CE07 CE14 DA03 4B065 AA91Y AA93X AA93Y CA24 CA25 CA44 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA42 DA50 DA75 DA86 EA50 FA74

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表配列番号1で表されるアミノ酸配
    列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴
    とするヒト由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240
    またはその塩。
  2. 【請求項2】 配列表配列番号2で表されるアミノ酸配
    列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴
    とするマウス由来の7回膜貫通型受容体蛋白質ET24
    0またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質ET240をコードする塩基配列を有する核酸を含有
    する核酸。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質ET240をコードする塩基配列を有する核酸を含有
    する核酸。
  5. 【請求項5】 配列表配列番号3で表される塩基配列を
    有する請求項3記載のヒト由来の核酸。
  6. 【請求項6】 配列表配列番号4で表される塩基配列を
    含む請求項4記載のマウス由来の核酸。
  7. 【請求項7】 請求項3または4記載の核酸を含有する
    ことを特徴とするベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のベクターを保持すること
    を特徴とする7回膜貫通型受容体蛋白質ET240発現
    形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、形
    質転換体の細胞膜にヒトまたはマウス由来の7回膜貫通
    型受容体蛋白質ET240を生成せしめることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の7回膜貫通型受容体
    蛋白質ET240またはその塩の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載の7回膜貫通型
    受容体蛋白質ET240もしくはその塩と、試験化合物
    とを接触させることを特徴とする請求項1または2記載
    の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240に対するリガン
    ドの決定方法。
  11. 【請求項11】 (i)請求項1または2記載の7回膜
    貫通型受容体蛋白質ET240もしくはその塩に、リガ
    ンドを接触させた場合と(ii)請求項1または2記載
    の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240もしくはその塩
    に、リガンドおよび試験化合物を接触させた場合との比
    較を行うことを特徴とするリガンドと請求項1または2
    記載の7回膜貫通型受容体蛋白質ET240との結合を
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋
    白質ET240に対する抗体。
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