JPH10507646A - マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ - Google Patents

マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ

Info

Publication number
JPH10507646A
JPH10507646A JP9502209A JP50220997A JPH10507646A JP H10507646 A JPH10507646 A JP H10507646A JP 9502209 A JP9502209 A JP 9502209A JP 50220997 A JP50220997 A JP 50220997A JP H10507646 A JPH10507646 A JP H10507646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mdc
dna
seq
polypeptide
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP9502209A
Other languages
English (en)
Inventor
ロナルド ゴディスカ,
パトリック ダブリュー. グレイ,
Original Assignee
アイコス コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/479,620 external-priority patent/US6790947B1/en
Application filed by アイコス コーポレイション filed Critical アイコス コーポレイション
Publication of JPH10507646A publication Critical patent/JPH10507646A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
    • C07K14/7158Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons for chemokines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/521Chemokines
    • C07K14/523Beta-chemokines, e.g. RANTES, I-309/TCA-3, MIP-1alpha, MIP-1beta/ACT-2/LD78/SCIF, MCP-1/MCAF, MCP-2, MCP-3, LDCF-1, LDCF-2
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/01Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif
    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S930/00Peptide or protein sequence
    • Y10S930/01Peptide or protein sequence
    • Y10S930/14Lymphokine; related peptides

Abstract

(57)【要約】 本発明は、MDCと命名された新規なヒトマクロファージ由来C-Cケモカイン、およびそのポリペプチドアナログをコードする精製され、かつ単離されたポリヌクレオチド配列を提供する。また、ケモカインの組換え産生のための物質および方法、ならびに精製され、かつ単離されたケモカインタンパク質、ならびにそのポリペプチドアナログも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ 本出願は、1995年7月7日に出願された米国特許出願番号第08/479,620号の 一部係属出願である1995年11月16日付け出願の米国特許出願番号第08/558,658 号の一部係属出願である。 発明の分野 本発明は、一般にケモカイン、さらに詳しくは、新規なヒトC-Cケモカイン(c hemokine)をコードする精製されかつ単離されたポリヌクレオチド、このポリヌ クレオチドによってコードされる精製されかつ単離されたケモカインタンパク質 、およびこの新規ケモカインタンパク質の組換え産生のための物質および方法に 関する。 背景 「インタークライン(intercrine)」および「SISサイトカイン」としても知ら れているケモカインは、白血球を誘因および活性化し、それにより免疫系の刺激 および調節を促す小さな分泌タンパク質(例えば、70〜100アミノ酸および約8〜 10キロダルトン)のファミリーを含む。用語「ケモカイン」は、走化性サイトカ インに由来し、これらのタンパク質が白血球の走化性を刺激する能力をいう。事 実、ケモカインは炎症細胞を病理組織に向かわせる主要誘因因子を含有し得る。 一般的には、Baggioliniら、Advances in Immunology,55:97-179(1994)参照 。白血球はケモカインの豊富な供給源であるが、いくつかのケモカインは多数の 組織で発現される。上記、表II。 以前に同定されたケモカインは、一般に、相互に20〜70%のアミノ酸同一性を 呈し、そして4つの高度に保存されたシステイン残基を含有する。これらのシス テイン残基の最初の2つの相対的位置に基づき、ケモカインはさらに2つのサブ ファミリーに分類される。「C-X-C]または「α」サブファミリー(ヒト第4染 色体に局在する遺伝子によってコードされる)において、この最初の2つのシス テインは1個のアミノ酸によって分離される。「C-C]または「β」サブファミ リー(ヒト第17染色体上の遺伝子によってコードされる)において、この最初の 2つのシステインは隣接する。いくつかのケモカインのX線結晶学およびNMR研 究は、各ファミリーにおいて、最初および第3のシステインは第1のジスルフィ ド架橋を形成し、第2および第4のシステインは第2のジスルフィド架橋を形成 していることを示す。これは、これらのタンパク質の天然コンフォメーションに 強く影響する。ヒト単独において、ほぼ10個の異なる配列が各ケモカインサブフ ァミリーについて記載される。両サブファミリーのケモカインは、20個〜25個の アミノ酸の特徴的なリーダー配列を有する。 C-X-Cケモカイン(これは、IL-8、GROα/β/γ、血小板塩基性タンパク質、 血小板第4因子(PF4)、IP-10、その他を包含する)は、いずれかの2個のアミ ノ酸配列を比較すると約25%〜60%の同一性を有する(相互に84〜88%同一性の GROα/β/γメンバーを除く)。大部分のC-X-Cケモカイン(IP-10および血小 板第4因子を除く)は、最初の2個のシステイン残基の上流に共通なE-L-Rトリ ペプチドモチーフを有し、好中球の潜在的な刺激因子であり、迅速な形状変化、 走化性、レスピラトリーバーストおよび脱顆粒を引き起こす。これらの効果は、 7-膜貫通ドメインロドプシン様Gプロテイン結合レセプターによって媒介され る;IL-8に特異的なレセプターは、Holmesら、Science,253:1278-80(1991) によってクローン化され、他方、IL-8、GROおよびNAP2を認識する類似のレセプ ター(77%同一性)が、MurphyおよびTiffany,Science,253:1280-83(1991) によってクローン化されている。IL-8を含む特定のC-X-CケモカインのN末端ア ミノ酸配列の漸進的短縮は、活性の顕著な増加に関連している。 C-Cケモカイン(これは、マクロファージ炎症性タンパク質MIP-1αおよびMIP- 1β、単球化学誘因性タンパク質1、2および3(MCP-1/2/3)、RANTES、I-309、 およびその他を包含する)は、相互に25%〜70%の同一性を有する。以前に同定 さ れたC-Cケモカインのすべては単球を活性化し、カルシウムフラックスおよび走 化性を引き起こす。より選択的な効果が、リンパ球、例えば、RANTESに最も反応 するTリンパ球で見られる。C-Cケモカインについて、5つの7-膜貫通ドメイン ロドプシン様Gプロテイン結合レセプターが、今日クローン化されており、MIP- 1αおよびRANTESを認識するC-Cケモカインレセプター-1(CCR1)(Neoteら、Cel l, 72:415-425(1993))、およびMCP-1を認識するCCR2レセプター(Charoら、 Proc.Natl.Acad.Sci.,91:2752-56(1994));エオタキシン(eotaxin)を認 識するCCR3(Combadiere,J.Biol.Chem.,270:16491(1995));MIP-1α,R ANTESおよびMCP-1を認識するCCR4(Powerら、J.Biol.Chem.,270:19495(199 5));およびMIP-1α、MIP-1β、およびRANTESを認識するCCR5(Samsonら、Bio chemistry,35:3362(1996))を含む。 多数のケモカイン、特にIL-8の役割は、種々の病理条件においてよく記載され ている。一般的には、Baggioliniら、前出、表VII参照。例えば、乾癬はIL-8の 過剰産生と関連づけられ、そしていくつかの研究は、リウマチ性疾患、変形性関 節症および痛風を患う患者の炎症関節の滑液で高レベルのIL-8を観察している。 病理状態におけるC-Cケモカインの役割がまた、IL-8の役割よりも理解は小さ いが、記載されている。例えば、MCP-1の濃度は、他の関節炎疾患を患う患者の 濃度よりも慢性関節リウマチに患う患者の滑液においてより高い。単核食細胞の MCP-1依存性流入は、特発性肺線維症の発症での重要な事象であり得る。単球の アテローム性動脈硬化症領域への参入(recruitment)におけるC-Cケモカインの役 割は現在非常に興味がもたれ、増強したMCP-1発現が富マクロファージ動脈壁領 域で検出されたが、正常の動脈組織では検出されなかった。悪性細胞におけるMC P-1の発現により、インビボで腫瘍を形成するこのような細胞の能力が抑制され ることが示されている(米国特許第5,179,078号(参考により本明細書中で援用 される)参照)。従って、病理状態におけるこの重要な分子ファミリーの役割を さらに明らかにし、かつケモカイン由来産物を利用するこのような状態に対する 改良された処置を開発するために、さらなるC-Cケモカインの同定および特徴付 けが要求される。 C-Cサブファミリーのケモカインは、例えば、C-Cケモカインレセプター分子を 有する感染部位、炎症部位および他の部位を映像化するための、医学映像法(med ical imaging)における有用性を有することが示されている。例えば、Kunkelら 、米国特許第5,413,778号(参考により本明細書中で援用される)参照。このよ うな方法は、当該分野の認識技術(例えば、米国特許第4,965,392号および同第5 ,037,630号(参考により本明細書中で援用される)参照)を用いるC-Cケモカイ ンへの標識剤(例えば、放射性同位体)の化学的結合、薬学的に受容可能なキャ リアにおいて、標識ケモカインの被験体への投与(これは、標識ケモカインの標 的部位における蓄積を可能とする)、および標的部位におけるインビボでの標識 ケモカインのイメージ化を含む。当該分野では、医学映像法道具(medical imagi ng tools)の利用可能な手持ちを増加させるための、さらなる新しいC-Cケモカイ ンに対する要求が存在する。 C-CケモカインRANTES、MIP-αおよびMIP-1βはまた、ヒト後天性免疫不全症候 群(AIDS)を引き起こす因子であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対するヒト T細胞の抑制効果の第一次メディエーターであることが示されている。これらの ケモカインは、特定のHIV株が培養T細胞株へ感染するのを阻害する用量依存的 能力を示す[Cocchiら、Science,270:1811(1995)参照]。しかしながら、試 験したウイルス株のすべてが、この阻害に対して同等に感受性であるのではない ;従って、HIV株の阻害剤としての使用のためのさらなるC-Cケモカインに対する 要求が存在する。 より一般的には、走化性および炎症のメディエーターとしてのケモカインの重 要性のため、炎症および免疫応答の調節を容易にするケモカインファミリーの新 しいメンバーの同定および単離に対する要求が存在する。 例えば、炎症を促進する物質により、損傷の治癒または肺炎のような状態から の回復の速さを促進し得る。この場合、炎症は感染の根絶に対して重要である。 同様に、炎症の調節は炎症により現される病理状態で重要である。腸のすべての 層の慢性的炎症、苦痛および下痢により現されるクローン病は、このような病理 状態の1つである。クローン病についての薬物療法の失敗率は比較的高く、そし てこの病気は外科介入を受ける患者においてさえしばしば再発する。新規なケモ カインの同定、単離および特徴付けは、炎症の調節を容易とする。 同様に、免疫応答を誘導する物質は、任意の数の病理状態の緩和または治癒を 促進し得る。細胞媒介免疫応答における白血球(例えば、好中球および単球)の 重要な役割のため、および白血球走化性におけるケモカインの確立された役割の ため、免疫応答の調節を容易にする新しいケモカインの同定および単離に対する 要求が存在する。 さらに、ケモカイン発現と炎症状態および疾患状態との間の確立された相関は 、ケモカイン、ならびにケモカインと特異的に免疫応答する抗体物質の使用のた めに診断および予後の指標を提供する;このような診断および予後の指標を容易 にする新しいケモカインの同定および単離に対する要求が存在する。 白血球を誘因し活性化するそれらの能力に加え、いくつかのケモカイン(例え ば、IL-8)は、非白血球細胞の増殖に影響し得ることが示されている。Tuschil, J.Invest.Dermatol.,99:294-298(1992)参照。このような細胞増殖の調節 を容易にする新しいケモカインの同定および単離に対する要求が存在する。 前記の理由のすべてについて、新しく発見されたケモカインを産生する組換え 方法に対する要求が存在する。この方法により、ケモカインおよびケモカイン阻 害剤を含む臨床適用が容易になる。 発明の要旨 本発明は、上記に概略した要求の1つまたはそれ以上を満足する、新規な精製 および単離されたポリヌクレオチドおよびポリペプチドを提供する。 例えば、本発明は、本明細書で「マクロファージ由来ケモカイン」または「MD C」と呼ぶ、C-Cサブファミリーの新規なヒトケモカインをコードする精製および 単離されたポリヌクレオチド(すなわち、DNAおよびRNA、センスおよびアンチセ ンス両鎖)を提供する。本発明の好ましいDNA配列は、ゲノム配列およびcDNA配 列ならびに化学的に合成されたDNA配列を含む。 このケモカインをコードするcDNA(MDC cDNAと呼ぶ)のヌクレオチド配列を、 配列番号1に記載し、この配列は5'および3'非コード配列を包含する。本発明の 好ましいDNAは、配列番号1のヌクレオチド20〜298を含み、このヌクレオチドは MDCコード配列を含む。 MDCタンパク質は、そのアミノ末端に推定24個のアミノ酸のシグナル配列を含 む。本発明の好ましいDNAは、配列番号1のヌクレオチド92〜298を含み、このヌ クレオチドは、シグナル配列を有さない、成熟(分泌された)MDCタンパク質の 推定コード配列を含む。 ケモカインMDCのアミノ酸配列を配列番号2に記載する。本発明の好ましいポ リヌクレオチドは、上記のポリヌクレオチドに加え、配列番号2に記載したアミ ノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを包含し、このポリヌクレオチドは、遺 伝子コードの周知の縮重によってのみ前章に記載したポリヌクレオチドとは異な る。 同様に、配列番号2の24個のアミノ酸(-24〜-1位)は、切断されて成熟MDCケ モカインを生じる推定シグナルペプチドを含み、好ましいポリヌクレオチドは、 配列番号2のアミノ酸1〜69をコードするポリヌクレオチドを包含する。従って 、好ましいポリヌクレオチドは、配列番号2のアミノ酸1〜69を含むアミノ酸配 列を有するポリペプチドをコードする精製ポリヌクレオチドである。 本発明のポリヌクレオチドの使用には、ヒトMDCをコードするゲノムDNA(この 遺伝子はC-Cケモカイン遺伝子に特徴的な3つのエクソン/2つのイントロン構造 を有するようである)を同定して単離するための(Baggioliniら、前出を参照の こと);MDCに相同な非ヒトタンパク質をコードする配列を有するDNAを同定して 単離するための;MDCに類似性を有するヒトおよび非ヒトケモカインを同定する ための;およびMDCを発現する細胞およびこのタンパク質が発現される条件を同 定するための;ハイブリダイゼーションプローブとしての使用がある。 本発明のハイブリダイゼーションプローブはまた、例えば、結腸組織のような ヒト組織における炎症をスクリーニングするための診断的有用性も有する。より 特定すると、MDCポリヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを用いるハ イブリダイゼーション研究は、正常なヒト結腸組織(バックグラウンドを超える ハイブリダイゼーションがない)から、クローン病を有する患者の結腸組織(上 皮、粘膜固有層、パイアー斑および平滑筋で検出されたMDCハイブリダイゼーシ ョン)を区別した。 一般的に言って、少なくとも約14ヌクレオチド、および好ましくは約18ヌクレ オチドである本発明のMDC cDNAの連続部分は、本発明のハイブリダイゼーション プローブとして有用である。従って、1つの実施態様において、本発明は、配列 番号1のヌクレオチド配列の連続部分、またはそれに相補的な非コード鎖の連続 部分を含むDNAを包含し、この連続部分は少なくとも18ヌクレオチドを含み、こ のDNAはストリンジェント条件下でヒトMDC遺伝子のコードまたは非コード鎖にハ イブリダイズし得る。診断的有用性に対して、本発明のハイブリダイゼーション プローブは、好ましくは、MDC遺伝子配列に特異的なハイブリダイゼーションを 示す。従って、好ましい実施態様において、本発明のハイブリダイゼーションプ ローブDNAは、ストリンジェント条件下では、他のヒトケモカイン遺伝子(例え ば、MCP-1遺伝子、MCP-2遺伝子、MCP-3遺伝子、RANTES遺伝子、MIP-1α遺伝子、 MIP-1β遺伝子、およびI-309遺伝子など)にハイブリダイズし得ない。 他の局面において、本発明は、ストリンジェント条件下で、配列番号1のDNA の非コード鎖にハイブリダイズする精製ポリヌクレオチドを提供する。同様に、 本発明は、遺伝子コードの縮重以外は、ストリンジェント条件下で配列番号1の DNAの非コード鎖にハイブリダイズする精製ポリヌクレオチドを提供する。スト リンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、以下のようである:5×SS C、20mM NaPO4、pH6.8、50%ホルムアミド中、42℃でのハイブリダイゼーション ;および0.2×SSC中、42℃での洗浄。当業者には、ハイブリダイズさせるべき配 列の長さおよびGCヌクレオチド塩基含量に経験的に基づいてこれらの条件を変 化させるのが望ましいこと、およびこのような変化を決定する処方が存在するこ とが理解されるであろう[例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: a Labora tory Manual、第2版、Cold Spring Harbor,New York: Cold Spring Harbor L aboratory(1989)を参照のこと]。 別の局面において、本発明は、本発明のDNAを組み込んだプラスミドDNAベクタ ーおよびウイルスDNAベクターを含み、上記のまたは本明細書の他の箇所に記載 の任意のDNAを含む。好ましいベクターは、組み込まれたMDCをコードするcDNAが 内因性または異種の発現制御配列に作動可能に連結された発現ベクターを含む。 このような発現ベクターは、さらに、MDCをコードするDNA配列に作動可能に連結 されたポリペプチドをコードするDNA配列をさらに含み得、このベクターは発現 させ得、目的のMDCポリペプチドを含む融合タンパク質を得ることができる。 別の局面において、本発明は、本発明のDNAまたはベクターで安定にトランス フェクトまたは形質転換された原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞を含む 。好ましい宿主細胞において、本発明のDNAまたはベクターによってコードされ た成熟MDCポリペプチドが発現される。本発明のDNA、ベクターおよび宿主細胞は 、例えば、本発明の大量のMDCポリペプチドの組換え産生のための方法に有用で ある。このような方法は、それ自体、本発明の局面である。例えば、本発明は、 MDCを産生するための方法を包含し、本発明の宿主細胞は適当な栄養培地中で増 殖され、MDCタンパク質は細胞または培地から単離される。 さらに別の局面において、本発明は、精製および単離されたMDCポリペプチド を包含する。好ましいペプチドは、配列番号2のアミノ酸1〜69を含むアミノ酸 配列を有する精製ケモカインポリペプチドである。本発明のポリペプチドは天然 供給源から精製され得るが、好ましくは、本発明のDNA、ベクターおよび/また は宿主細胞を用いる組換え手順によって産生されるか、あるいは化学的に合成さ れる。本発明の精製ポリペプチドは、選択される宿主細胞、組換え産生法、単離 方法、プロセッシング、貯蔵緩衝液などに依存して、グリコシル化され、または 非グリコシル化され得るか、水溶性または不溶性であり得るか、酸化され得、還 元などされ得る。 さらに、本発明の局面は、MDCポリペプチドアナログを含み、1つまたはそれ 以上のアミノ酸残基が、本発明のMDCポリペプチドから付加され、欠失され、ま たは置換される。このアナログは1つまたはそれ以上のC-Cケモカインの生物学 的活性特性を保持する。小さなサイズのMDCは、このようなポリペプチドアナロ グの化学的合成を容易にし、これは本明細書に記載する多くの活性アッセイを使 用してMDC生物学的活性(例えば、マクロファージの走化性を誘導する能力、ま たは単球の走化性を阻害する能力)についてスクリーニングされ得る。あるいは 、このようなポリペプチドアナログは、周知手順(例えば、本発明のMDCをコー ドするDNAの部位特異的変異誘発)を用いて組換え的に生成され得る。 関連する局面において、本発明は、ポリペプチドアナログを含み、1つまたは それ以上のアミノ酸残基が、本発明のMDCポリペプチドから付加、欠失または置 換される。このアナログはC-CケモカインまたはMDCの生物学的活性を欠損するが 、MDCポリペプチドのC-Cケモカインレセプターとの結合を競合的にあるいは非競 合的に阻害し得る。このようなポリペプチドは、例えば、宿主において内因性MD Cの生物学的活性を調節するのに有用であり、ならびに、上記の医学映像法に有 用である。 MDCのある特定のアナログは、MDCの構造、分子間結合特徴および生物学的活性 を調節することが意図される。例えば、アミノ末端(N末端)およびカルボキシ 末端(C末端)の欠失アナログ(短縮型(truncation))はMDCの構造および機能 を変化させることが特に意図される。 さらに、以下の単一のアミノ酸の変化(単独または組合わせ)が特に意図され る:(1)それぞれ、配列番号2の24位および27位の塩基性アルギニンおよび/ またはリジンの非塩基性アミノ酸への置換;(2)配列番号2の30位のチロシン アミノ酸、配列番号2の59位のトリプトファンアミノ酸、および/または配列番 号2の60位のバリンアミノ酸の荷電アミノ酸または極性アミノ酸(例えば、セリ ン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパ ラギン、グルタミンまたはシステイン)への置換;および(3)配列番号2の50 位のグルタミン酸アミノ酸の塩基性または小さな非荷電アミノ酸(例えば、リジ ン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン)への置換。これらのアミノ 酸変化を有する特定のアナログは以下の式(配列番号:25)に含まれる: ここで、24位のアミノ酸は、アルギニン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ ン、イソロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシ ン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミ ン、システイン、およびメチオニンからなる群より選択され;27位のアミノ酸は 、独立してリジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プ ロリン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、 アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、システイン、およ びメチオニンからなる群より選択され;30位のアミノ酸は、独立してチロシン、 セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ア ス パラギン、グルタミン、およびシステインからなる群より選択され;50位のアミ ノ酸は、独立してグルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、 およびアラニンからなる群より選択され;59位のアミノ酸は、独立してトリプト ファン、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミ ン酸、アスパラギン、グルタミン、およびシステインからなる群より選択され; そしてここで、60位のアミノ酸は、独立してバリン、セリン、リジン、アルギニ ン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミンお よびシステインからなる群より選択される。このようなMDCポリペプチドアナロ グは、ケモカインレセプターおよび/またはMDCをそのレセプターに提示するこ とに重要であると考えられている他の分子(例えば、ヘパリン、グルコサミノグ リカン、赤血球ケモカインレセプター)へのMDCの結合特徴を調節することが特 に意図される。1つの好ましい実施態様において、本発明のMDCポリペプチドア ナログは配列番号25のアミノ酸1〜69を含む。 以下のさらなるアナログを合成し、そしてそれらは本発明の局面であることが また意図される:(a)配列番号30の1〜70位によって同定されるアミノ酸の配 列を含むポリペプチド;(b)配列番号2の9〜69位によって同定されるアミノ 酸の配列を含むポリペプチド;(c)配列番号31の1〜69位によって同定される アミノ酸の配列を含むポリペプチド;および(d)配列番号32の1〜69位によっ て同定されるアミノ酸の配列を含むポリペプチド。 関連する局面において、本発明は、このようなMDCポリペプチドアナログをコ ードする精製および単離されたポリヌクレオチド(このポリヌクレオチドは、例 えば、MDCポリペプチドアナログを組換えにより産生するのに有用である);こ のようなポリヌクレオチドを組み込むプラスミドベクターおよびウイルスベクタ ー、およびこのようなDNAまたはベクターで安定に形質転換された原核生物宿主 細胞および真核生物宿主細胞を提供する。 別の局面において、本発明は、MDCポリペプチドおよび本発明のポリペプチド アナログと免疫応答する抗体基質(例えば、モノクローナル抗体およびポリクロ ーナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体あるいはヒト化抗体など)を包含する。この ような抗体は、例えば、本発明のポリペプチドを精製するのに有用であり、そし て、例えば、周知のELISA技術を用いる宿主における内因性MDCの定量的測定に有 用であり、ならびにMDCがそのレセプターに結合するのを調節するのに有用であ る。本発明は、本発明の抗体基質を産生するハイブリドーマ細胞株をさらに包含 する。 本発明の組換えMDCポリペプチドおよびポリペプチドアナログは、MDCのレセプ ターを発現する細胞を同定するための結合反応において、およびこのレセプター をコードするポリヌクレオチドを単離するための標準的な発現クローニング技術 において、抗体と類似の様式で利用され得る。このようなMDCポリペプチド、MDC ポリペプチドアナログ、およびMDCレセプターポリペプチドは、MDCケモカイン活 性の調節に、ならびにポリペプチドおよび化学的(例えば、小分子)MDCアゴニ ストおよびアンタゴニストの同定に有用である。 本発明のさらなる局面は、MDCポリペプチドおよび本発明のポリペプチドアナ ログの薬学的利用性に関する。例えば、MDCは白血球走化性を調節することが示 されている。特に、MDCはマクロファージ走化性を誘導し、そして単球走化性を 阻害することが示されている。従って、1つの局面において、本発明は、哺乳動 物宿主において白血球走化性を調節(例えば、アップレギュレートおよびダウン レギュレート)する方法を包含し、MDCポリペプチドまたは本発明のポリペプチ ドアナログを哺乳動物宿主に投与する工程を包含する。ここで、MDCポリペプチ ドまたはMDCポリペプチドアナログは宿主において白血球走化性を調節する。好 ましい方法において、白血球は、単球および/またはマクロファージである。例 えば、経験的に決定した量のMDCを(例えば、薬学的に受容可能なキャリア中で )投与して、マクロファージ走化性を誘導するか、または単球走化性を阻害する 。一方、阻害性MDCポリペプチドアナログを用いて反対の効果を達成する。 別の局面において、本発明は、患者において炎症性症状を緩和する方法を提供 し、この症状は少なくとも(i)上記患者における炎症部位に向けての単球走化 性または(ii)線維芽細胞増殖によって特徴付けられ、この方法は治療有効量の MDCを患者に投与する工程を包含する。1つの実施態様において、MDCの治療有効 量は、単球走化性を阻害し得る量である。別の実施態様において、MDCの治療有 効量は、線維芽細胞増殖を阻害し得る量である。このような治療有効量は当該分 野で認識される用量-応答アッセイを用いて経験的に決定される。 さらなる局面では、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア中に、MDCポリペ プチドまたは本発明のポリペプチドアナログを含む医薬学的組成物を提供する。 同様に、本発明は、疾患状態、例えば炎症性疾患状態の処置のための、本発明の 組成物の使用に関する。1つの実施態様において、炎症性疾患状態は、疾患状態 を有する患者での炎症部位に向けられた単球走化性によって特徴付けられる。別 の局面において、炎症性疾患状態は、疾患状態を有する患者における線維芽細胞 増殖によって特徴付けられる。 前述の局面および多数のさらなる局面は、図面および以下の詳細な記載によっ て明らかになる。 図面の簡単な説明 図1は、ヒトMDCのアミノ酸配列(配列番号2)と、他の以前に特徴付けらて いるヒトC-Cケモカイン:MCP-3[Van Dammeら、J.Exp.Med.,176:59(1992)] (配列番号18);MCP-1[Matushimaら、J.Exp.Med.,169:1485(1989)](配 列番号19);MCP-2(成熟形態)[Van Dammeら、前出;Changら、Int.Immunol., 1:388(1989)](配列番号20);RANTES[Schallら、J.Immunol.,141:1018 (1988)](配列番号21);MIP-1β[Brownら、J.Immunol.,142:679(1989) ](配列番号22);MIP-1α[Nakaoら、Mol.Cell Biol.,10:3646(1990)]( 配列番号23);およびI-309[Millerら、J.Immunol.,143:2907(1989)](配 列番号24)のアミノ酸配列との比較である。スラッシュ「/」は、シグナルペプ チドが切断される推定の部位をしるす。ダッシュは配列の配置を最適化するため に挿入する。 図2は、走化性アッセイにおけるヒト単球細胞移動における、増加させた濃度 のMDCの走化性効果(蛍光ユニットで測定)を示すグラフである。黒丸は細胞株T HP-1に由来するヒト単球細胞の応答を示す。白菱形は、陽性コントロール、ザイ モサン活性化血清(ZAS)に対する応答を示す。 図3は、ヒト多形核(pmn)白血球移動における、増加させた濃度のMDCの走化 性効果(蛍光ユニットで測定)を示すグラフである。黒丸はMDCに対する応答を 、および白菱形は陽性コントロール、IL-8に対する応答を示す。 図4は、マクロファージ移動および単球移動における、増加させた濃度のMDC の走化性効果(蛍光ユニットで測定)を示すグラフである。黒丸は細胞株THP-1 に由来するマクロファージのMDCに対する応答を示す。白丸は細胞株THP-1に由来 する単球のMDCに対する応答を示す。 図5は、モルモット腹膜のマクロファージ移動における、増加させた濃度のMD Cの走化性効果(蛍光ユニットで測定)を示すグラフである。黒丸はMDCに対する マクロファージの反応を示す。白三角形は、陽性コントロール、ザイモサン活性 化血清(ZAS)に対する応答を示す。 図6は、MCP-1によって誘導されたTHP-1単球移動における、増加させた濃度の MDCの走化性-阻害性効果(蛍光ユニットで測定)を示すグラフである。黒丸はMD Cの走化性-阻害性効果を示し、ここで、走化性はMCP-1によって誘導された。白 丸はコントロール実験におけるMDCの走化性効果を示し、ここで、基礎培地(0.2 % BSA(RBSA)を有するRPMIで、MCP-1を含まない)のみを用いた。X軸のゼロ 点は、いずれのMDCも存在しないMCP-1およびRBSAに対する細胞の応答に対応する 。 図7は、線維芽細胞増殖における、増加させた濃度のMDCの効果(1分当たりの カウント(cpm)で測定)を示すグラフである。黒丸はCHO細胞で組換えにより産 生された(実施例10F)精製MDCでの増殖反応を示す。白丸は化学的に合成された MDC(実施例11)での反応を示す。 図8は、哺乳動物発現ベクターpDC1の構築を模式的に示す。 詳細な説明 本発明は、新規な(「マクロファージ由来ケモカイン」に代えて)C-Cケモカ インと呼ばれるMDCをコードするヒトcDNA(MDC cDNAと呼ぶ)に関する以下の実 施例によって説明される。さらに詳しくは、実施例1は、ヒトマクロファージcD NAライブラリーからの部分的MDC cDNAの単離を記載する。実施例2は、実施例1 からのcDNAをプローブとして用いた、cDNAライブラリーからのさらなるcDNAの単 離を記載し、これらのさらなるcDNAの1つは全MDCコード配列を含有する。さら に、実施例2は複合MDC cDNAヌクレオチド配列を示し、およびそれによってコー ドされるケモカイン(MDC)の推定アミノ酸配列の特徴付けを示す。実施例3で は、種々のヒト組織におけるMDC遺伝子発現のレベルを明らかにする実験を記載 する。最も強いMDC遺伝子発現は胸腺で観察され、より弱い発現が脾臓および肺 組織で検出された。実施例4は、単球のマクロファージへの成熟の間の、および HL60細胞分化のマクロファージ様細胞型への誘導の間の、MDC遺伝子の発現をよ り詳しく説明する。 実施例3では、MDC遺伝子発現は胸腺および脾臓で検出されたので、インサイ チュハイブリダイゼーション研究を行って、これらの組織におけるMDC遺伝子発 現をさらに突き止めた。さらに、インサイチュハイブリダイゼーションは、腸組 織におけるMDC遺伝子発現の上昇とクローン病との関係を明らかとした。これら のインサイチュハイブリダイゼーション実験は実施例5に記載する。 実施例6は、原核生物細胞におけるGST融合タンパク質としてのMDCの組換え産 生、ならびに融合タンパク質の切断および組換えMDCの精製を記載する。実施例 7は、組換えMDCタンパク質の発現に有用な別のDNA構築物の構築を記載し、およ びこの構築物で形質転換した細菌宿主によるMDCの生産を記載する。 実施例8は、実施例7に記載されたように産生された組換えMDCの精製用の実 験プロトコルを提供する。実施例9および10は、各々、酵母および哺乳動物細胞 におけるMDCの組換え産生用の実験プロトコルを提供する。さらに、実施例10は 組換えMDCの精製用のプロトコルを提供する。実施例11はペプチド合成によるMDC およびMDCポリペプチドの生産を記載する。 実施例12〜17は、MDC生物学的活性の測定用のプロトコルを提供する。例えば 、実施例12は、好塩基球、肥満細胞および好酸球に対するMDC効果のアッセイを 提供する。実施例13は、単球/マクロファージ、好中球および顆粒球に対するMD Cの化学誘因および細胞-活性化特性のアッセイを記載する。 実施例14〜17は、インビボにおけるMDCの生物学的活性の測定用プロトコルを 提供する。実施例14は、MDC腫瘍増殖-阻害アッセイを提供する。実施例15および 16は、各々、腹腔内および皮下注射を介してMDC活性をアッセイするためのプロ トコルを提供する。実施例17は、MDCの骨髄抑制活性を測定するためのプロトコ ルを提供する。 実施例18は、MDCと特異的に免疫応答するモノクローナル抗体を生成するため のプロトコルを提供する。 残りの実施例は、さらなるMDC活性アッセイを提供する。例えば、実施例19は 、細胞活性化を誘導するMDCの能力を測定するためのカルシウムフラックスアッ セイを提供する。実施例20は、MDCのHIV抗-増殖効果を測定するためのアッセイ を提供する。実施例21は線維芽細胞に対するMDCの抗-増殖効果を示す。実施例22 は、さらなる細胞型の増殖に対するMDCの効果についての、インビトロアッセイ を提供する。実施例23は、線維芽細胞に対するMDCの抗-増殖効果を測定するため のインビボアッセイを提供する。実施例24はMDCモジュレーターを同定するため のアッセイを提供する。 実施例1 C-C ケモカインの部分cDNAの単離 新しいC-Cケモカインの部分cDNAを以下のように単離した。ポリA+RNAを末梢血 単球由来マクロファージから収穫した。Invitrogen Copyキット(San Diego、CA )を用いて、二本鎖の平滑末端cDNAを作製し、そして哺乳動物発現ベクターpRc /CMV(Invitrogen)[Tjoelkerら、Nature,374:549-552(1995)参照]への 挿入に先立ってBstXIアダプターをcDNAに連結した。プラスミドcDNAライブラリ ーを用いてエレクトロポレーションを介してE.coli XL1-Blue細菌(Stratagene, La Jolla,CA)を形質転換し、100μg/mlカルベニシリンを含有する986プレー ト上に播種した(プレート当たり約3000個の形質転換体)。37℃で一晩増殖させ た後、各プレートから細菌を掻き取って、986細菌プールを得た。製造業者の指 示に従い、Magic Miniprep DNA精製システム(Promega,Madison,WI)を用いて 、各986細菌プールからプラスミドDNAを単離した。 精製したプラスミドDNAプールを用いて、以下ように、さらなる特徴付けのた めに個々のcDNAクローンを単離した。個々のプールからのプラスミドDNAを用い てE.coli XL1-Blue細胞を形質転換し、これを播種し、そして上記のように一晩 増殖させた。個々の形質転換体をランダムに選択し、Wizard Miniprep精製シス テム(Promega)を用いるプラスミド精製のために、カルベニシリンを補充した 3mlのLB培地で一晩増殖させた。そして以下の変更を行った:250mgのケイソウ 土(Sigma Chem.Co.,St.Louis MO)を製造業者によって提供されたDNA結合樹 脂に添加した。精製プラスミドDNAを、プライマー JHSP6: を用い、モデル373自動配列決定機(Applied Biosystems,Foster City,CA)で 配列決定した。このプライマーは、クローニング部位に隣接してプラスミドベク ターpRc/CMVにハイブリダイズする。 個々のcDNAのヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を、ヌクレオチドおよびペ プチド配列データベースと比較して、いずれのクローンが公知の炎症メディエー ターと類似性を持つタンパク質をコードするかを決定した。配列比較は、Altsch ulら、J.Mol.Biol.、215:403-410(1990)のアラインメントアルゴリズムを 用い、BLAST Network Service of the National Center for Biotechnology Inf ormation(e-mail:「blast@ncbi.nlm.nih.gov」)によって、1994年12月14日 に行った。配列分析により、単離したマクロファージcDNAクローン(pMP390と命 名)のうちの1つの部分が、ヒトMCP-3遺伝子およびラットMIP-1β遺伝子を含む 、 以前に同定されたケモカイン遺伝子と約60〜70%の同一性を有する遺伝子配列を 含有することが明らかになった。 pMP390の2.85kb cDNA挿入物をベクターpBluescript SK-(Stratagene,La Jol la,CA)にサブクローニングし、完全な配列決定を容易にした。ポリAテイルか ら始まるネステッド(nested)欠失を、PromegaのErase-a-Baseシステム(Madis on,WI)を用い、消化によって作製した。欠失プラスミドを再環化し、E.coli にクローン化し、精製し、以下に示すM13,T3.1およびT7.1プライマーを用いて 配列決定した。 このpMP390 cDNAの完全な配列は、配列番号1のヌクレオチド73〜2923(および 配列番号2の推定アミノ酸-6〜69)に対応する。データベース配列と最初に比 較した配列は、配列番号1のヌクレオチド73〜610に対応する。 実施例2 完全なMDCコード配列を有するさらなるcDNAクローンの単離 実施例1で単離したpMP390 cDNAを用い、さらなるcDNAクローンを同一のヒト マクロファージcDNAライブラリーから単離した。これらのさらなるcDNAは、さら なる5'配列を含有し、そしてマクロファージ由来ケモカインの完全なアミノ酸配 列をコードする。 まず、マクロファージcDNAライブラリー(実施例1)由来の986プラスミドDNA プール40個をPCRによってスクリーニングし、目的とするさらなるcDNAクローン を含有するプールを同定した。実施例1で得られたpMP390 cDNA配列から、合成 オリゴヌクレオチドPCRプライマー390-1F(配列番号7として寄託)および390-2 R(配列番号8)を構築して、pMP390によって部分的にコードされたケモカイン 遺伝子の211塩基対配列を増幅した。 プライマー390-1Fは、制限エンドヌクレアーゼXbaIの認識部位およびこの酵素に よる切断を容易にするための4つのさらなる塩基に先行された、配列番号1のヌ クレオチド91-116に対応し;プライマー390-2Rは、4つのさらなる塩基が隣接す る酵素BamHIの認識部位に融合した、配列番号1のヌクレオチド301〜279に相補 的である。XbaIおよびBamHI部位を付加して、得られたフラグメントのクローニ ングを容易にした。 各選択したプラスミドプールについての50μl PCR反応混合物は、0.2ugプラス ミドDNA;1.5mM MgCl2;50mM KCl;10mM Tris、pH8.4;0.2mMの各dNTP;10μg/m l各プライマー;および0.5μl Taqポリメラーゼ(5U/μl)(Boehringer Mannh eim Biochemicals(BMB)、Indianapolis,IN)を含有した。反応物を94℃で4 分間インキュベートし、続いて、94℃で15秒間変性し、60℃で15秒間アニールし 、そして72℃で30秒間伸長することからなる30サイクルを行った。 PCR反応生成物は、0.5×TBE緩衝液[Sambrookら、Molecular Cloning:a Labo ratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor,New York;Cold Spring Harbor L aboratory(1989)]中で2%アガロースゲル(Life Technologies,Inc.,Gait hersburg,MD)により電気泳動し、そしてエチジウムブロミドで可視化した。ス クリーニングした40個のプラスミドプールのうちの6つが、予測された230塩基 対PCRフラグメント(これは、XbaIおよびBamHI制限部位に挟まれた211bpのケモ カイン遺伝子配列を含む)に対応する強いバンドを生じた。これは、pMP390に関 する遺伝子配列を含有する1つまたはそれ以上のプラスミドの存在を示唆する。 このような関連クローンを単離するために、6個の陽性プラスミドプールのう ちの3つからのアリコートをE.coli XL1-Blue細胞にエレクトロポレートし、こ れを実施例1に記載のように播種し、一晩増殖させた。コロニーをニトロセルロ ース膜に移し、標準的なプロトコル(Sambrookら、前出)によるハイブリダイゼ ーションのために調製した。 フィルターをスクリーニングするための放射能標識MDCプローブを以下のよう に調製した:MDC cDNAを含有する2.85kb DNAフラグメントを制限酵素消化によっ てpMP390から切り出し、TAE緩衝液(Sambrookら、前出)におけるアガロースゲ ル電気泳動によって精製し、電気溶出し、フェノールおよびクロロホルムで抽出 し、そしてエタノールで沈殿させた。精製したフラグメント(250ng)を、製造 業者の推奨に従ってRandom Primed DNA Labelling キット(BMB)を用いて標識 した。標識したプローブを、G-50 Quick Spinカラム(BMB)に通して精製した。 フィルターを、50%ホルムアミド、5×Denhardt溶液、5×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、15mMクエン酸ナトリウムである)、50mMリン酸ナトリウム、pH6.5、およ び0.1mg/ml剪断サケ精子DNA(Sigma,St.Louis,MO)を含有する40〜50ml溶液 中、5×107カウント/分(cpm)のプローブとともに、42℃で16時間インキュベー トした。ハイブリダイゼーション後、フィルターを0.2×SSCおよび0.2%SDSで、 55℃で30分間、3回洗浄した。ハイブリダイゼーションを可視化するために、洗 浄したフィルターを、Lightning Plus増感スクリーン(DuPont,DE)を用いてKo dak(Rochester,NY)XAR-5オートラジオグラフィーフィルム上で-80℃にて一晩 感光させた。 PCRを用いて、50個のハイブリダイズする細菌コロニーをスクリーニングした 。プライマー390-1Fおよび390-2Rを含有する50個のPCR反応物を、鋳型DNAの代わ りに50個のコロニーからの細菌を用いて、前記のように調製した。最初に、反応 物を94℃で8分間変性した。その後、35サイクルの増幅を前記のように行った。 単一のコロニーが予測された230塩基対産物を生じた;このクローン中のプラス ミドをpMP390-12と命名した。 目的とするさらなるMDC cDNAを、pMP390挿入物の5'末端に特異的なプローブを 用いて、コロニーハイブリダイゼーションによって同定した。このプローブを以 下のように調製した:pMP390 cDNAのコード領域の211塩基を含有するDNAフラグ メント(配列番号1のヌクレオチド91〜298)および隣接する3'非コード領域の1 63塩基を、鋳型として60ngのpMP390 cDNAクローンならびにプライマーとして合 成オリゴヌクレオチド390-1F(配列番号7)および390-4R(配列番号9)を用いて 、PCRによって前記のように創製した。 プライマー390-4Rは、BamHI制限部位、続いて配列番号1のヌクレオチド461〜44 2に相補的な配列を含有する。 PCR産物を、前記のように電気泳動によって精製し、50ngの精製フラグメント をRandom Primed DNA Labellingキット(BMB)を用いて標識し、そしてG-50 Qui ck Spinカラム(BMB)に通して精製した。前記のように、フィルターをこのフラ グメントでプローブし、そして、0.4×SSCおよび0.2%SDS中、48℃で30分間、3 回洗浄した。前記のようにオートラジオグラフィーを行った。5個のハイブリダ イズするコロニーを検出し、MP390A、MP390B、MP390C、MP390DおよびMP390Eと命 名した。 これらの5個のコロニー、およびpMP390-12で形質転換したコロニーを単離し 、実施例1に記載のようにケイソウ土を付加してWizard Miniprep DNA精製シス テム(Promega,Madison,WI)を用いて、プラスミド精製のために増殖させた。 プラスミドDNAを、合成プライマー390-3R(配列番号10)を用いて、Applied Bio systemsモデル373自動配列決定機で配列決定した。 プライマー390-3Rは、配列番号1の塩基266〜246に相補的であり、そしてHindII I制限エンドヌクレアーゼ部位およびその5'末端に4つのさらなる塩基対を含有 する。このプライマーは、プライマー390-2Rの上流および配列番号1のヌクレオ チド216の下流(イントロンが、本発明のケモカインをコードするゲノムDNA中に て予測される部位[Danoffら、J.Immunology、152:1182-1189(1994)参照] )にアニールするように設計された。 6個のクローンのうち、クローンpMP390-12およびpMP390Bが、最大のさらなる 5'コード配列を含有した。各々は、cDNAクローンpMP390から以前に得られた配列 の上流のさらなる72ヌクレオチドに広がる。本明細書中でMDC cDNAと命名する複 合DNA配列を、pMP390 cDNA配列およびpMP390-12 cDNA配列のアラインメントによ って得た。この2923塩基対複合cDNA配列、およびケモカインMDCの推定アミノ酸 配列を、それぞれ、配列番号1および2に示す。 推定MDCアミノ酸配列と公知のケモカインの配列との手作業による比較により 、MDC cDNA配列は、新規なC-Cケモカインの93アミノ酸の長さをコードし、他のC -Cケモカインと28〜34%のアミノ酸同一性を有することが示される(図1および 表1)。 重要なことに、ケモカインの特徴的な4個のシステイン残基は、MDCにおいて保 存されている。5個のさらなる残基もまた、図1に示した8個の配列において完 全に保存されている。 93アミノ酸MDC配列の最初の24アミノ酸は非常に疎水性で、シグナル切断を支 配するvon Heijne則[Nucleic Acids Res.,14:4683-90(1986)]と合致する 。これらの特徴および図1でのポリヌクレオチド比較を総合すると、MDC cDNAは 、切断されて配列番号2の1位におけるグリシン残基で始まるMDCの成熟形態を 生じる24アミノ酸シグナルペプチドをコードすることが示唆される。この予測は 、実施例10に後記するように、哺乳動物細胞において組換え的に産生されたMDC タンパク質の直接的な配列決定によって確認された。配列番号1に示すMDC複合c DNA配列は、予測される開始メチオニンコドンの上流の19ヌクレオチド、および 終止コドンの2.6kb下流に広がる。 実施例3 ヒト組織におけるMDC遺伝子の発現の測定 ノーザンブロット分析を行って、MDC遺伝子を発現する組織を決定した。 実施例2に記載した放射能標識pMP390 5'フラグメント(これは、MDCの推定成 熟形態をコードするMDC cDNAの領域プラス163塩基の隣接3'非コード領域に対応 する)を用いて、種々の正常ヒト組織からのRNAを含有するMultiple Tissue Nor thern blots(Clontech,Palo Alto,CA)をプローブした。プローブを、使用前 に沸騰によって変性し、製造業者の推奨に従ってハイブリダイゼーションを行っ た。オートラジオグラフィーを2枚の増感スクリーンを用いて-80℃で5日間感 光した。 最大のMDC遺伝子発現は胸腺で観察され、脾臓および肺組織でかなりより弱い 発現が検出された。小腸からの組織におけるMDCの発現はより低レベルで、脳、 結腸、心臓、腎臓、肝臓、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、骨格筋、精巣または末梢 血白血球では発現は観察されなかった。 実施例4 マクロファージ成熟中のMDC遺伝子の発現 MDCをコードするcDNAをヒトマクロファージcDNAライブラリーから単離したの で、単球のマクロファージへの分化の間におけるMDC遺伝子発現を調べた。 A. 単一ドナーからのヒト単球を、一連の組織培養プレートで培養し、1つのプレ ートからの細胞を0、2、4または6日後に収穫した。一般的に、Elstadら、J. Immunol.140:1618-1624;Tjoelkerら、前出、参照。これらの条件下、単球は 4〜6日までにマクロファージに分化した[Stafforiniら、J.Biol.Chem.,26 5:9682〜9687(1990)]。 各時点で収穫した細胞から単離したRNAのノーザンブロット(レーン当たり10 μg)を調製し、前記のように放射能標識pMP390フラグメントを用いてプローブ した。新たに単離された単球からのRNAにおいて、シグナルは検出されず、他方 、培養6日後にマクロファージに分化した細胞からは非常に強いシグナルが生じ た。4日間培養した細胞は非常にさらに弱いシグナルを生じ、他方、2日間培養 した細胞から生じたシグナルは、フィルターの延長した感光後のみに観察され得 た。 B. 分化したヒトマクロファージにおけるMDCの発現を確認するために、培養上清 を、以下の実施例18の記載のように産生した抗MDCモノクローナル抗体でウェス タンブロッティングにより分析した。マクロファージコロニー刺激因子(0.5ng /ml、R & D Systems,Minneapolis,Minnesota)の存在下における8日間のプ レート上での増殖によって、ヒトマクロファージのいくつかのプレートを分化さ せた。 分化したマクロファージ細胞培養からの培地を取り出し、同様の培地あるいは 低密度リポタンパク質(LDL、Sigma)、酸化LDL(Maldenら、J.Biol.Chem.、2 66:13901(1991)の方法に従い、5μM CuSO4・5H2O中でのインキュベーション に より酸化した)、またはデキサメタゾン(6nM,Sigma Chemical Co.)を含有す る培地で置き換えた。各処理の3日後、培地を取り出し、HClの添加によってpH6 .8とし、ヘパリン-セファロースCL-6Bカラム(Pharmacia,Piscataway,NJ)に 通した。カラムを20mM Tris、pH8中の0.2M NaClで洗浄し、そして20mM Tris、pH 8中の0.6M NaClで溶出した。溶出した物質を18%アクリルアミドゲルSDS-PAGEゲ ル(NOVEX)で分画し、PVDF膜(Millipore,Bedford MA)に電気ブロットした。 フィルターをブロックし、洗浄し、そして標準的な技術(Sambrookら)を用いて 、MDCに対するモノクローナル抗体と反応させた。分析した各培養培地において 、MDCタンパク質を約0.5μg/mlの濃度で検出した。これにより、分化したヒト マクロファージにおけるMDCの発現を確認した。 MDCの発現もまた、ヒト上皮細胞株で分析した。結腸上皮細胞株T84(ATCC #C CL-248)をDMEM/F12培地(GIBCO、Gaithersburg MD)において増殖させ、肺上 皮細胞株A549(ATCC #CCL-185)をF12培地において増殖させた。細胞におけるM DC mRNAおよび培養培地中におけるMDCタンパク質の存在についてのスクリーニン グを、マクロファージについての上記のように行った。これらの細胞株では、い ずれの方法によってもMDCの発現の証拠は検出されなかった。 さらに、T84細胞株のサンプルを、TNFα(5ng/ml、PeproTech,Rocky Hill, New Jersey)、TGF-β(1ng/ml,R&D Systems)、またはインターフェロン-γ (200U/ml,PeproTech)で、各々、100ng/mlの組換えMDC(CHO細胞形質転換体 由来;実施例10参照)の添加または無添加で、1日間処理した。A549細胞株のサ ンプルを、50ng/ml PMA(Sigma Chemical Co.)で0、1、3、5または7日間 処理した。これらの処理の結果はいずれも、前記のノーザンブロッティングによ ってスクリーニングすると、T84またはA549細胞においてMDC mRNAの発現は検出 されなかった。 C. マクロファージにおけるMDC遺伝子発現のさらなる調査を、ヒト細胞株HL60を 1%DMSO(Sigma Chemical Co.)または50ng/ml PMA(Sigma)のいずれかで処 理することによって行った。DMSOでの処理は、HL60細胞の顆粒球細胞型への分化 を誘導し、他方、PMAはそれらのマクロファージ系統への分化を誘導した[Perus siaら、Blood,58:836-843(1981)]。RNAを、未処理細胞およびDMSOもしくは PMAで1日もしくは3日間処理した細胞から単離し、電気泳動し(10μg/レーン )、ブロットした。RNAのノーザンブロットを、実施例3に記載した放射能標識p MP390 5'フラグメントでプローブした。 PMA処理の3日後、HL-60細胞はMDC mRNAを明らかに発現した。しかし、発現レ ベルは、培養6日後のマクロファージの発現レベルよりも明らかに低かった(上 記参照)。処理の1日後または未処理細胞において発現は観察されなかった。さ らに、MDCの検出可能な発現は、1または3日間のDMSOでの処理によって誘導さ れなかった。 実施例5 インサイチュハイブリダイゼーション MDC遺伝子発現が胸腺および脾臓で検出されたので、インサイチュハイブリダ イゼーションを行いこれらの組織におけるメッセージ源の局在化を行った。さら に、インサイチュハイブリダイゼーションを用いて、クローン病に関連する腸組 織の炎症に対するMDC遺伝子発現を相関させた。 放射能標識インサイチュハイブリダイゼーションプローブを得るために、MDC コード領域を含有するDNAフラグメント(配列番号1のヌクレオチド91〜301)を ベクターpBluescriptSK-にサブクローン化した。T3およびT7 RNAポリメラーゼ( BMB)を製造業者の指示に従って用い、遺伝子の各鎖に相補的なRNA転写体に35S- UTPを組み込んだ。 正常ヒト脾臓、胸腺および結腸組織サンプル、ならびにクローン病を有する患 者からの結腸組織を、National Disease Research Interchange(Philadelphia, PA)から入手した。組織ドナーは以下の通りであった:正常胸腺:19歳の男性 白人、自動車事故により死亡、剖検時に摘出された組織;正常脾臓:51歳の黒人 男性、脳出血により死亡、剖検時に摘出された組織;正常結腸:黒人女性、手術 中に摘出された組織;クローン結腸#1;女性、人種は不明、46歳、潰瘍性大腸 炎患者、手術中に摘出された組織;クローン結腸#2;18歳男性、人種は不明、 クローン病患者、手術中に摘出された組織。 前記の分析に加え、扁桃摘出中の患者から摘出された炎症扁桃を、配列番号1 のヌクレオチド677〜1042に対応するMDC cDNAの非コード部分でプローブした。 この部分は、プライマー390-7F(配列番号26)および390-8R(配列番号27)を用 いて、MDC cDNAクローンのPCR増幅によって得られた。 フラグメントを、前記のRNAプローブの生成のためにpBluescript SK-ベクターに クローン化した。 前段に記載した組織サンプルを以下のようにインサイチュハイブリダイゼーシ ョンのために調製した。組織サンプルを、「OCT」化合物(Miles,Inc.,Elkhar t,IN)に包埋し、低温保持装置2800E(Leica)を用いて6ミクロン厚に切片化 した。該組織切片を、Vectabond(Vector Laboratories,Burlingame,CA)でコ ートしたスライドに接着し、4%パラホルムアルデヒド中、4℃で20分間固定し 、エタノールで脱水し、そして70%ホルムアミドおよび2×SSCで70℃で変性させ た。 ハイブリダイゼーションは、50%ホルムアミド、0.3M NaCl、20mM Tris pH7.5 、10%デキストラン硫酸、1×Denhardt溶液、100nMジチオスレイトールおよび5m M EDTAを含有する水性ハイブリダイゼーション溶液中、放射能標識センスまたは アンチセンス鎖の適切なプローブと共にスライドを55℃で16時間インキュベート することによって行った。ハイブリダイゼーション後、4×SSCおよび10mM DTT中 、スライドを1時間、室温でインキュベートした。次いで、スライドを2×SSC中 、室温で;1×SSC中、60℃で;そして最後に0.1×SSC中、室温で洗浄した。検体 をエタノール中で脱水し、次いで、Kodak NTB2写真エマルジョンでコートし、2 時間風乾し、4℃で11日間感光し、現像し、ヘマトキシリン/エオシンで対比染 色 した。 (いずれかのプローブの)アンチセンス鎖の観察されたハイブリダイゼーショ ンは、MDC遺伝子が正常ヒト胸腺皮質全体の細胞で発現し、小胞で弱いシグナル があったことを示した。MDCの胸腺における発現は、MDCのTリンパ球の発生役割 を示し得る。正常ヒト脾臓における発現は、赤脾髄の細胞に局在化された一方、 白脾髄ではほとんどシグナルは検出されなかった。炎症扁桃における高レベルの 発現は上皮領域に局在化された。しかし、炎症性細胞は全組織サンプルに浸潤し たようであった。 クローン病を有する患者からの結腸サンプルは、上皮、固有層、パイアー斑お よび平滑筋の細胞においてハイブリダイゼーションを呈した。対照的に、正常ヒ ト結腸は、バックグラウンドを超えるハイブリダイゼーションを示さなかった。 クローン病患者の結腸におけるMDC発現の観察されたパターンは、マクロファー ジ特異的遺伝子、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ(PAF-AH)[Tjoelker ら、前出]の発現と密接に相関した。この結果は、実施例4に示したデータと共 に、マクロファージが病理的炎症の間にインビボでMDC cDNAを発現することを示 唆する。さらに、クローン病結腸組織サンプルにおけるMDCの同定は、患者の病 気状態または臨床予後に対するMDCレベル(例えば、患者の血液、便サンプル、 および/または腸病巣における)の診断的関連を示唆する。 実施例6 組換えMDCの産生 組換えMDCタンパク質を産生するために、タンパク質からの推定成熟形態をコ ードする配列をPCRによって増幅し、そしてベクターpGEX-3X(Pharmacia,Pisca taway,NJ)にクローン化した。pGEXベクターは、このベクターによってコード されるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、およびこのベクターのクロ ーニング部位に挿入されたDNAフラグメントによってコードされるタンパク質を 含む融合タンパク質を生じるように設計されている。 実施例2に記載した標準的なPCR条件を再度使用して、プライマー390-2Rおよ び390-FX2(配列番号11): を用いて、MDC cDNAフラグメントを増幅した。プライマー390-FX2は、BamHI制限 部位、続いてトロンビン切断部位をコードする配列[Changら、Eur.J.Biochem .,151:217(1985)]、続いて配列番号1の塩基92〜115を含有する。トロンビ ン切断部位は以下の通りである:ロイシン-バリン-プロリン-アルギニン-グリシ ン-プロリン。この場合、グリシンおよびプロリンは、MDCの成熟形態の最初の2 残基である。組換え融合タンパク質をトロンビンで処理すると、融合タンパク質 のアルギニン-グリシン結合が切断され、GST融合物から成熟ケモカインが放出さ れると予測される。 PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって精製し、BamHIエンドヌクレアーゼ で消化し、pGEX-3XのBamHI部位にクローン化した。このpGEX-3X/MDC構築体をイ E.coli XL-1 Blue細胞(Stratagene,La Jolla CA)に形質転換し、そして個々 の形質転換体を単離し、増殖させた。個々の形質転換体からのプラスミドDNAを 精製し、自動配列決定機およびプライマーGEX5(配列番号12)(これは、BamHI クローニング部位近くのpGEX-3Xベクターにハイブリダイズする): を用いて部分的に配列決定した。このプライマーで得られた配列により、正しい 配向での所望のMDC挿入物の存在が確認された。 GST-MDC融合タンパク質の誘導は、(カルベニシリンを補足した)LB培地中、3 7℃で、形質転換XL-1 Blue培養物を波長600nmの光学密度が0.4になるまで増殖さ せ、続いて0.25〜1.0mMイソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド(Sigma Chem ical.Co.,St.Louis MO)の存在下でさらに4時間インキュベーションするこ とによって達成した。 細菌中の不溶性封入体として産生された融合タンパク質を以下のように精製し た。遠心分離によって細胞を収穫し;0.15M NaCl、10mM Tris、pH8、1mM EDTA中 で洗浄し;0.1mg/mlリゾチーム(Sigma Chemical Co.)で15分間室温で処理し た。溶解物を音波処理によって清澄化し、細胞破片物を12,000×gで10分間の遠 心分離によってペレット化した。融合タンパク質を含有するペレットを50mM Tri s、pH8、および10mM EDTAに再懸濁し、50%グリセロール上に重層し、6000×gで 30分間遠心分離した。ペレットを、Mg++およびCa++を含まない標準的なリン酸緩 衝化生理食塩水(PBS)に再懸濁した。不溶性のままである融合タンパク質は、 タンパク質質量の約80〜90%であり、33kDの相対分子量で、変性SDSポリアクリ ルアミドゲル中で移動した。タンパク質収量は、クマシー染色で判断すると、約 100mg/1 E.coli培養物であった。 融合タンパク質をトロンビン消化に供し、成熟MDCタンパク質からGSTを切断し た。消化反応物(20〜40μg融合タンパク質、20〜30単位のヒトトロンビン(0.5 ml PBS中4000U/mg(Sigma))を室温で16〜48時間インキュベートし、変性SDS- PAGEゲルに負荷して反応産物を分画した。ゲルを0.4M KClに浸漬して、GSTおよ びMDCタンパク質バンド(これは、それぞれ、約26kDおよび7kDのフラグメントと して移動した)を可視化した。 7kD SDS-PAGEフラグメントの同一性を、部分的アミノ酸配列分析によって確認 した。まず、タンパク質をゲルから切り出し、25mM Tris塩基および20mMグリシ ン中で電気溶出させ、ProSpinカラム(Applied Biosystems,Foster City,CA) 中のPVDF膜上に集めた。サンプルを自動配列決定機(Applied Biosystemsモデル 473A、Foster City,CA)に供し、15残基の配列情報が得られ、これはMDCの予想 される成熟形態の予測されるN末端(配列番号2、アミノ酸残基1〜15)に正確 に対応した。 実施例7 細菌MDC発現ベクターの構築 推定の成熟MDCタンパク質をコードするMDC cDNAの部分を、アラビノースプロ モーターおよびpelBリーダー配列[Betterら、Science,240:1041-43(1988) を参照]にクローン化した。 より詳しくは、約0.1μgのpMP390-12を鋳型として、そして合成オリゴヌレオ チドプライマー390-2Rおよび390-Pel(配列番号13)を用い、実施例2に記載し たようにMDC cDNAをPCRによって増幅した。 プライマー390-Pelは、2つのシトシン残基を従える、配列番号1である塩基92- 115を従えるNcoI制限部位を含有する。 232bpの予測PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって精製し、NcoIおよびBa mHIで消化し、そしてアラビノースオペロンおよびpelBリーダー配列(Betterら 、前出)の一部と共にベクターpUC19(New England Biolabs,Beverly,MA)に クローン化した。P2-390と命名した得られた構築体は、pelBリーダー(ベクター によってコードされる)の成熟MDCタンパク質への融合体をコードする。この構 築体の配列は、プライマーAra1(配列番号28)およびAra2(配列番号29)(これ らは、クローニング部位に隣接するベクターにアニールする)を用いる自動配列 決定によって確認した。 標準的な手法を用いて、プラスミドP2-390をE.coli MC1061株に形質転換し、そ してアンピシリン耐性クローンをMDC産生について選択した。このクローンを3 リットルのファーメンター(Applikon,Foster City,CA)中で増殖させ、そし て最終濃度0.1%まで50%アラビノースを添加することによってMDCの産生を誘導 した。アラビノースの存在下で1日インキュベーションした後、細胞を収穫した 。ウェスタンブロッティングは、MDCが約4μg/g細胞ペーストのレベルで細胞 内に存在し、約1μg/mlのレベルまで培養培地中に分泌されたことを明らかに した。 実施例8 細菌および培養培地からの組換えMDCの精製 以下は、実施例7に記載したように生産した組換えMDCの精製についての実験 プロトコルである。 例えば、組換えにより産生されたRANTESケモカイン[Kunaら、J.Immunol.,14 9:636-642)(1992)]、MGSAケモカイン[Horukら、J.Biol.Chem.268:541-46( 1993)]、およびIP-10ケモカイン(昆虫細胞で発現)[Sarrisら、J.Exp.Med. ,178:1127-1132(1993)]の精製について以前に記載されている方法を適用す ることによって、分泌された組換えMDCタンパク質を細菌培養培地から精製する 。 実施例9 酵母におけるMDCの組換え産生 以下は、酵母におけるMDCの組換え体発現についての、および組換えMDCの精製 についてのプロトコルである。 プライマー390-1Fおよび390-2Rに存在するMDC cDNA配列を含有する合成オリゴ ヌクレオチドをプライマーとして用いて、MDC cDNAのコード領域をPCRによってp MP390-12から増幅する。アルファ接合因子遺伝子の塩基1〜20を含有する1つの プライマーおよびこの遺伝子の塩基255〜235に相補的なもう1つのプライマー[ KurjanおよびHerskowitz、Cell,30:933-943(1982)]を用い、酵母プレ-プロ -アルファリーダー配列をコードするDNAをPCR反応で酵母ゲノムDNAから増幅した 。このプレ-プロ-アルファリーダーコード配列およびMDCコード配列フラグメン トを、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH2)プロモーターが、成熟MDCポリ ペプチドに融合したプレ-プロ-アルファ因子からなる融合タンパク質の発現を指 示するように、このプロモーターを含有するプラスミドに連結した。Roseおよび Broach,Meth.Enz.185:234-279,D.Goeddel編,Academic Press,Inc.,SanDie go,CA(1990)によって教示されているように、このベクターはさらにクローニ ング部位の下流のADH2転写ターミネーター、酵母「2ミクロン」複製起点、酵母 leu-2d遺伝子、酵母REP1およびREP2遺伝子、E.coli ベータ-ラクタマーゼ 遺伝子、およびE.coliの複製起点を含む。このベータ-ラクタマーゼ遺伝子およ びleu-2d遺伝子は、各々、細菌および酵母における選択を可能にする。また、le u-2d遺伝子は酵母におけるプラスミドのコピー数の増大を促進して高レベルの発 現を誘導する。REP1遺伝子およびREP2遺伝子は、プラスミドコピー数の調節に関 与するタンパク質をコードする。 公知の方法、例えば、酢酸リチウム処理[Stearnsら、Meth.Enz.,前出、280- 297頁]を用い、前節に記載したDNA構築体を酵母細胞中に形質転換した。ADH2プ ロモーターは増殖培地中のグルコースが枯渇すると誘導される[Priceら、Gene, 55:287(1987)]。プレ-プロ-アルファ配列は細胞からの融合タンパク質の分 泌を行う。付随して、酵母KEX2タンパク質はプレ-プロ配列を成熟MDCケモカイン から切断する[Bitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:5330-5334(1984 )]。 あるいは、商業的に入手可能な発現系、例えば、Pichia Expression System( Invitrogen,San Diego,CA)を用い、製造業者の指示に従って、MDCを組換えに より酵母で発現する。この系もまた、プレ-プロ-アルファ配列に依存して分泌を 指示しているが、挿入片の転写はメタノールによる誘導に際し、アルコールオキ シダーゼ(AOX1)プロモーターによって駆動される。 例えば、細菌および哺乳動物細胞上清からMDCを精製するために用いる方法( 実施例8および10参照)によって、分泌されたMDCを酵母増殖培地から精製する 。 実施例10 哺乳動物細胞におけるMDCの組換えによる産生 以下の手法に従って、MDCを組換えにより哺乳動物細胞で産生した。 A.発現ベクター390HXEの合成 pMP390-12を鋳型として、および合成オリゴヌクレオチド390RcHおよび390RcX をプライマーとして用い、実施例2に記載したようなPCRによってMDC cDNAの短 縮形バージョンを合成した。 プライマー390RcHは、配列番号1の塩基1〜20を従えたHindIII制限部位を含有 し;プライマー390RcXは、配列番号1の塩基403〜385に相補的な配列を従えたXb aI制限部位を含有する。 予測された423bpPCR産物をアガロースゲル電気泳動によって精製し、そしてHi ndIII/XbaI-消化のpRc/CMV(InVitrogen,San Diego CA)ベクター(これは、 哺乳動物細胞において直接発現を可能とする)にクローン化した。390HXEと命名 した得られたプラスミドは配列番号1の塩基1〜403を含有していた。挿入片の 配列はプライマーDC03(配列番号16)およびJHSP6を用いて自動配列決定によっ て確認した。 プライマーDC03はクローニング部位に隣接するpRc/CMVベクター配列にアニール する。 B.発現ベクター390HmXの合成 pMP390-12を鋳型として、およびプライマー390RcHおよび390mycRX(配列番号1 7)を用い、もう1つのMDC cDNA構築体をPCRによって得た。 プライマー390mycRXは、XbaI制限部位、「myc」エピトープをコードする配列に 相補的に配列[Fowlkesら、BioTechniques,13:422-427(1992)]、および配 列番号1の塩基298〜278に相補的な配列を含有する。この反応は、MDCカルボキ シ末端において「myc]エピトープに融合した配列番号1の塩基1〜298を含有す る予測された354bpフラグメントを増幅した。このエピトープを用いて、免疫沈 降、アフィニティー精製、およびウェスタンブロッティングによるMDC-myc融合 タンパク質の検出を容易とする。このフラグメントをpRc/CMVにクローン化して プラスミド390HmXを得た。挿入片の配列はプライマーDC03を用いる自動配列決定 によって確認した。 C.293T およびNS0細胞におけるMDCの発現 2つのトランスフェクションプロトコルを用いて、サブパートAおよびBに前 記した2つのMDC cDNA構築体を発現させた。ヒト胚性腎臓細胞株293Tへの一過性 トランスフェクションおよびマウス骨髄腫細胞株NS0(ECACC 85110503)への安 定なトランスフェクション。 293T細胞の一過性トランスフェクションは、ChenおよびOkayama,BioTechniqu es,6:632-638(1988)およびMol.Cel.Biol.,87:2745-2752(1987)のリン酸 カルシウム沈殿プロトコルによって行った。細胞および上清をトランスフェクシ ョン4日後に収穫した。ノーザンブロットを各細胞溶解物からの全RNA4μgから 調製し、そしてPCRによって調製した放射能標識MDCフラグメントでプローブした 。標識反応のための鋳型は、プライマー390-1Fおよび390-4Rを用いてpMP390を増 幅することによって以前に得たPCRフラグメントであった(実施例2参照)。以 下の1.5mM MgCl2、50mM KCl、10mMTris、pH8.4、0.2mM dATP、0.2mM dTTP、0.2m M dGTP、1μM dCTP、50μCi α32P-dCTP(Dupont/New England Nuclear,Boston MA)、2.5U Taqポリメラーゼ、および10μg/mlのプライマー390-1Fおよび390- 2Rの各々を含有するPCR反応で、約30ngのこのフラグメントを使用した。94℃で 4分間加熱し、続いて実施例2に記載したように15サイクルの増幅によって反応 物を変性させた。プローブはG-25 Quick Spinカラム(BMB)を通して精製した。 ハイブリダイゼーション条件は実施例2に記載した。続いて、フィルターを0.5 ×SSCおよび0.2%SDS中、42℃で30分間洗浄した。1つの増感スクリーンを用い て、オートラジオグラフィーを-80℃で16時間行った。MDC DNA構築体は、トラン スフェクトされた細胞で高度に発現されたが、非トランスフェクト細胞では検出 できなかった。 安定なトランスフェクションには、NS0細胞をD-MEM(Gibco)中で80%集密ま で増殖させ、遠心分離によって収集し、そしてPBSで洗浄した。プラスミドDNA20 μgをScaI制限エンドヌクレアーゼ(BMB)で線状化し、細胞に添加し、そして0. 4cmのギャップのキュベット(BioRad,Hercules CA)中、氷上で15分間インキュベ ートした。この細胞を1.5キロボルトにて3マイクロファラッドの2つのパルスで エレクトロポレートした。細胞を20mlのD-MEM中に希釈し、5%CO2中、37℃で24 時間インキュベートし、そして800μg/mlジェネテシン(geneticin)を含有す るD-MEM中、種々の希釈度にて、96ウェルプレートに平板培養することによって 選択した。単一の薬物耐性コロニーを含有するウェルを選択培地で増殖させた。 前節に記載したようなノーザンブロッティングによって全RNAを分析した。MDCに ついてのメッセージはトランスフェクトされた細胞株でのみ観察された。 例えば、組換えTCA3ケモカイン[Wilsonら、J.Immunol,145:2745-2750(19 90)]の精製について記載された方法を適用することによって、あるいはサブパ ートFに後記するように、MDCが哺乳動物培養上清から精製される。 D.CHO 細胞におけるMDCの発現 プライマー390RcHおよび390RcX(配列番号14および15)を用い、サブパートA に前記したように、PCRを用いてMDC cDNAクローンの塩基1〜403を増幅した。発 現ベクターpDC1(挿入片の発現を駆動するためのサイトメガロウイルス(CMV) プロモーターを含有するpUC19誘導体)のHindIIIおよびXbaI部位にこのフラグメ ントをクローン化した。より詳細には、図8に示すベクターpDC1はpRc/CMVおよ びpSV2-dhfr(ATCCベクター#37146)に由来した。ベクターpDC1は、pDC1がネオ マイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子の代わりに選択マーカーとしてマウス ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)遺伝子を持っていることを除いて、哺乳動物 発現ベクターpRc/CMV(Invitrogen,San Diego)に類似である。pDC1における 標的遺伝子の転写は強力なCMVプロモーターの制御下にある。Stenbergら、J.Vi rology,49:190-199(1984)参照。さらに、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポ リアデニル化配列[GoodwinおよびRottman,J.Biol.Chem.,267:16330-16334 (1992)]が標的遺伝子の3'側に供されている。dhfr発現カセット[Subramani ら、Mol.Cell.Biol.1:854-864(1981)]は機能的dhfr遺伝子を欠く細胞に おけるpDC1についての選択を可能とする。 CaCl2インキュベーションおよび熱ショックの標準的な技術(Sambrookら)を用 い、XL-1Blue細菌(Stratagene)をpDC1/MDCプラスミドで形質転換した。形質 転換体を100μg/mlカルベニシリンを含有するLB培地で増殖させた。個々の形質 転換クローンからのプラスミドDNAをPromega Wizard Maxiprepシステム(Madiso n,WI)を用いて単離し、そしてその配列をプライマー390-IFおよび390-2Rを用 いた自動配列決定によって確認した。PvuIエンドヌクレアーゼ(Boehringer Man nheim)を用いた制限消化によってこのプラスミドを線状化した。これは、ベク ター配列内の一ヶ所(once)を切断する。 MDCの産生で用いたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株はDG-44であり 、これは、dhfr遺伝子を欠失することによって駆動された。Urlaubら、Cell,33 :405(1983)参照。エレクトロポレーションには、107のこれらのCHO細胞をPBS 中で洗浄し、1ml PBSに再懸濁し、25μgの線状化プラスミドと混合し、そして0. 4cmのキュベットに移した。この懸濁液を290ボルト、960μファラッドにてBiora d Gene Pulser(Richmond,CA)でエレクトロポレートした。トランスフェクタ ントを、10%透析ウシ胎児血清(FBS)(Hyclone,Logan,UT)を含有し、ヒポ キサンチンおよびチミジンを欠くα培地(Cat.No.12000,Gibco,Gaithersburg ,MD)中での増殖によって選択した。数百のトランスフェクトコロニーからの細 胞をプールし、20nMメトトレキート(Sigma,St.Louis,MO)を含有するα培地 中で再度播種した。この選択ラウンドで生き残ったコロニーを単離し、そして20 nMメトトレキセートを含有するα培地中で増殖させた。 E.タンパク質配列決定用のMDCの精製 トランスフェクトしたCHOクローンをプラスチック組織培養皿上で、α培地中 約90%集密となるまで増殖させ、その時点で培地を0.2%〜1.0%FBSを含有するP 5培地と取り替えた。P5培地は以下の追加成分: (1) 3g/l 炭酸水素ナトリウム(Sigma,St.Louis,MO); (2) 2μg/l 亜セレン酸ナトリウム(Sigma); (3) 1% 大豆加水分解物(Quest International,Naarden,オランダ国) ; (4) 1×硫酸第一鉄/EDTA溶液(Sigma); (5) 1.45ml/l EX-CYTEVLE溶液(Bayer,Kankakee,IL); (6) 10μg/ml 組換えインスリン(Nucellin,Eli Lily,Indianapolis,I N); (7) 0.1% プルロニックF-68(Sigma); (8) 30μg/mlグリシン(Sigma); (9) 50μM エタノールアミン(Sigma);および (10) 1mM ピルビン酸ナトリウム(Sigma) を補足した、後記表2に掲げた成分からなる(予め混合した粉末としてHyclone, Logan,UTから購入した)。 培養のさらに2日後、各上清のアリコートを等容量のアセトンと混合した。沈澱 したタンパク質を遠心分離によってペレット化し、18%Trisグリシンゲル(NOVE X)で分画し、PVDF膜(Millipore,Bedford,MA)にブロットした。 この膜に結合したMDCは、MDCに対するモノクローナル抗体(実施例18に記載し たように調製した)の粗調製物によって検出した。最も高いレベルのMDCタンパ ク質(約1μg/ml)を分泌するクローンからの細胞を、0.5%トリプシンおよび 5.3mM EDTA(GIBCO)の溶液を用いた処理によってプレートから取り出し、そし てα培地+10%ウシ胎児血清(FBS)中の懸濁培養を開始するために使用した。 8日間にわたって、5容量のP5培地を培養に添加した。タンパク質は、ポリエチ レングリコール(MW8000、Union Carbide,Danbury,CT)を20%(重量/容量) まで添加することによって培養上清から沈殿させ、18%Trisグリシンゲルで分画 し、そしてCAPS緩衝液(3-[シクロヘキシルアミノ]-1-プロパンスルホン酸、p H10.4)(Sigma,St.Louis,MO)中でPVDF膜(Millipore,Bedford,MA)に電 気ブロットした。フィルターの細片を、抗MDCモノクローナル抗体を産生するハ イブリドーマ細胞株(実施例18参照)からの上清でウェスタンブロットすること によってMDCの検出用に取り出した。見掛け分子量6.4kDで移動した反応性バンド をフィルターの残存部分から切り出した。 自動配列決定機(Applied Biosystems,モデル473A,Foster City,CA)を用 い、タンパク質のN末端の配列はGPYGANMEDSであると決定された。この配列は配 列番号2の残基1〜10のそれと同一であり、MDCの予測された成熟形態のN末端 に対応する。 F.生物学的アッセイ用のMDCの精製 より大規模培養の増殖のために、MDCを発現するCHO細胞をα培地中、組織培養 プレート上で80%集密まで増殖させた。この細胞をトリプシンおよびEDTAを用い た処理によってプレートから取り出し、そして37℃にて、回転フラスコにおける P5培地+1%FBS中、3×105細胞/mlの密度で再懸濁させた。さらなるP5/1%FBS 培地を必要に応じて添加して細胞密度を1×106〜3×106の範囲に維持した。 培養11日後、細胞を濾過によって培地から取り出した。培養培地のpHを6.8に 調整し、そしてそれをヘパリン-セファロースCL-6Bカラム(Pharmacia,Piscata way,NJ)に通した。リン酸カリウム緩衝液pH7中の0.2M NaClを用いて洗浄した 後、カラムを0.2〜0.7M NaClの直線グラジエントで溶出した。SDS-PAGEによって 画分を分析し、そしてクマシー染色して、いずれがMDCを含有するか決定した。M DCは約0.6M NaClでカラムから溶出した。 MDCを含有する画分をプールし、そして3kDのMWカットオフフィルターを用い て、撹拌セルチャンバー(Amicon,Beverly,MA)中の限外濾過によって濃縮し た。オクチルグルコシド(10mM最終濃度、Boehringer Mannheim Biochemicals) を濃縮MDCに添加し、これを続いてSephacryl HR100カラム(Pharmacia,Piscata way,NJ)に通した。MDCの存在につき、画分をSDS-PAGEによって分析した。MDC タンパク質の最終収量は約0.1mg/リットル培養上清であり、そして純度はクマ シー染色で判断して95%を超えると推定された。 実施例11 ペプチド合成によるMDCおよびMDCアナログの産生 IL-8およびMCP-1のような他のケモカインの産生で首尾よく用いられた技術[C lark-Lewisら、J.Biol.Chem.,266:23128-34(1991)]を用いる化学的ペプ チド合成によってMDCおよびMDCポリペプチドアナログを調製した。このような方 法は有利である。何故ならば、ケモカインのような短配列では迅速で信頼でき、 新規な非天然アミノ酸および他の化学修飾の選択的導入を可能とするからである 。 例えば、MDCおよびMDCアナログは、Applied Biosystems 430Aペプチド合成機 (Foster City,CA)にて、Merrifielo[J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2154(1 963)]のt-ブチルオキシカルボニル(Boc)化学に基づき、最適化された段階固 相方法[Schnolzerら、Int.J.Pept.Protein Res.,40:180(1992)]を用い て化学的に合成した。タンパク質は逆相HPLCによって精製し、そして電子スプレ イ質量分析および核磁気共鳴を含めた標準的な方法によって特徴付けた。 化学合成されたMDCは配列番号2の残基1〜69からなる組換えMDCの成熟形態に 対応した。いくつかの方法を用いて、化学的に合成されたMDCを、実施例10に記 載したCHO細胞トランスフェクト体によって産生された組換えMDCと比較した。化 学的に合成されたMDCの移動は、変性SDS-PAGE(18%Trisグリシンゲル、NOVEX) にて、組換えMDCのそれと同一であった。加えて、実施例18に後記するように細 菌により産生されたMDCに対して生起されたモノクローナル抗体およびポリクロ ーナル抗体を用いるウェスタンブロット分析において、タンパク質は同様に反応 した。また、化学的に合成されたMDCは抗MDCモノクローナル抗体での免疫沈降ア ッセイにおいて、組換えMDCと同様に挙動するようであった。これらの研究は、 化学的に合成されたMDCの変性および非変性構造が組換えMDCのそれと同様である ことを示す。 以下のMDCアナログも化学的に合成した。 1) 「MDC(n+1)」(配列番号30)はロイシン、続いての配列番号2の残基1 〜69からなる。 2) 「MDC(9-69)」は配列番号2の9〜69からなる。 3) 「MDC-yl」(配列番号31)は、以下の置換を有する配列番号2の残基1〜6 9からなる:残基59-60(Trp-Val)は配列Tyr-Leuで置換した。 4) 「MDC-eyfy」(配列番号32)は、以下の置換を有する配列番号2の残基1 〜69からなる:残基28-31(His-Phe-Tyr-Trp)はケモカインRANTESのアミノ酸配 列(配列番号21の残基26-29)に由来の配列Glu-Tyr-Phe-Tyrで置換した。 アナログ「MDC(n+1)」、「MDC(9-69)」、および「MDC-yl]はMDC活性の アンタゴニストであると予測され、MDCを認識する同一レセプターに競合的に結 合することによってMDC活性を阻害する。別法として、それらは、天然MDCとヘテ ロダイマーを形成することによって阻害を行う。アナログ「MDC-eyfy」の可能な 活性は従来のアナログについて記載されたMDCの阻害剤を含む。対照的に、「MDC -eyfy]は天然MDCと同様に挙動する。このアナログの他の活性は、Tリンパ球、 単球、または好酸球の走化性のような、ケモカインRANTESの代表的な機能を含む 。 さらに、以下の単一アミノ酸変更(単独または組合わせ)が特に考えられる: (1)各々、配列番号2の24位および27位における塩基性アルギニンおよび/ま たはリジンアミノ酸に代えての非塩基性アミノ酸の置換;(2)配列番号2の30 位におけるチロシンアミノ酸、配列番号2の59位におけるトリプトファンアミノ 酸、および/または配列番号2の60位におけるバリンアミノ酸に代えての荷電も しくは極性アミノ酸(例えば、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アス パラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミンまたはシステイン)の置 換;および(3)配列番号2の50位におけるグルタミン酸アミノ酸に代えての塩 基性または小さな、非荷電アミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン 、グリシン、アラニン)の置換。これらのアミノ酸変更を有する特別のアナログ は以下の式(配列番号25)に含まれる: ここで、24位のアミノ酸は、アルギニン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ ン、イソロイシン、プロリン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシ ン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミ ン、システインおよびメチオニンからなる群より選択され;27位のアミノ酸は、 独立してリジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロ リン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ア スパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、システインおよびメ チオニンからなる群より選択され;30位のアミノ酸は、独立してチロシン、セリ ン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパ ラギン、グルタミン、およびシステインからなる群より選択され;50位のアミノ 酸は、独立してグルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グリシンおよ びアラニンからなる群より選択され;59位のアミノ酸は、独立してトリプトファ ン、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸 、アスパラギン、グルタミンおよびシステインからなる群より選択され;そして 60位のアミノ酸は、独立してバリン、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン 、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミンおよびシステイン からなる群より選択される。このようなMDCポリペプチドアナログは、ケモカイ ンレセプターおよび/またはMDCをそのレセプターに提示する際に重要であると 考えられるその他の分子(例えば、ヘパリン、グルコサミノグリカン、赤血球ケ モカインレセプター)へのMDCの結合特性を調節すると特に予想される。 また、これまでの実施例に記載したもののような組換え技術がMDCポリペプチ ドアナログを調製するのに考えられる。より詳しくは、MDCをコードするポリヌ クレオチドを修飾して、周知の技術、例えば、部位特異的突然変異誘発およびポ リメラーゼ連鎖反応を用いて目的のポリペプチドアナログをコードさせる。一般 には、Sambrookら、前出、15章を参照のこと。修飾ポリペプチドを組換えにより 発現させ、組換えMDCポリペプチドアナログをこれまでの実施例に記載したよう に精製する。 炎症プロセスに関与する1またはそれ以上の型の細胞(例えば、Tリンパ球、 単球、マクロファージ、好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、内皮細胞、上皮 細胞、線維芽細胞、またはその他)に対するMDCまたはMDCペプチドアナログの化 学走性誘因物質(chemoattractant)および/または細胞活性化特性は、多数の他 のケモカインで使用されてきた当該分野で認められた技術によってアッセイされ る。これまでの実施例の1またはそれ以上に記載したように精製し単離した天然M DC、組換えMDCまたはMDCポリペプチドアナログ、あるいは合成MDCまたはMDCポリ ペプチドアナログは、MDCに関する以下の実施例に記載されるように活性につい てアッセイされる。 実施例12 好塩基球、肥満細胞および好酸球に対するMDC効果のアッセイ 好塩基球、肥満細胞および好酸球に対するMDCの効果は、例えば、MCP-1/2/3 活性についてのWeberら、J.Immunol.,154:4166-4172(1995)によって記載さ れている方法によってアッセイされる。これらの方法では、遊離細胞質ゾルカル シウムの変化およびプロ炎症メディエーター(例えば、ヒスタミンおよびロイコ トリエン)の放出を測定する。これらの細胞型のケモカイン-媒介活性化をブロ ックすることは、プロ炎症メディエーターの分泌が重要な役割を演じる[Weber ら、前出]後期アレルギー反応の処置で意義を有する。 実施例13 ヒト単球/マクロファージおよびヒト好中球に対する MDCの化学走性誘因物質特性および細胞活性化特性のアッセイ ヒト単球/マクロファージまたはヒト好中球に対するMDCの効果は、例えば、 好中球およびマクロファージのネズミTCA3-誘導活性化を評価するためのDeviら 、J.Immunol.,153:5376-5383(1995)によって記載されている方法によって 評価される。このような研究で測定された活性化の指標は、インテグリン活性化 によるフィブリノーゲンへの粘着の増大、走化性、反応性窒素中間体の誘導、レ スピラトリーバースト(スーパーオキシドおよび過酸化水素の生成)、ならびに サ イトカラシンB存在下でのライソザイムおよびエラスターゼのエキソサイトーシ スを含む。Deviらによって議論されたように、これらの活性化は炎症に対する白 血球応答のいくつかの段階に関係する。Springer,Cell,76:301-314(1994) によって総括されているこの白血球応答は、血管の内皮細胞への白血球の粘着、 内皮層を通しての移動、ケモカイン源に向けての走化性、および炎症メディエー ターの部位特異的放出を含む。これらの段階のうちいずれか1つにおけるMDCの 関与は、炎症応答を調節するために、臨床的介入で重要な標的を提供する。 1の当該分野で認められた走化性アッセイ(改変したBoydenチャンバーアッセ イ)において、テストすべき白血球を、室温で20分間インキュベートすることに よって、カルセインで蛍光標識する。標識細胞を無血清RPMIで2回洗浄し、2mg/ mlのBSAを含有するRPMIに再懸濁し、次いで、チャンバーの上方ウェルに定量的 に添加し、これをポリカーボネートフィルター(Neuroprobe Inc.Cabin John, MD)によって下方ウェルから分離する。白血球と同一の培地に希釈してMDCを種 々の濃度で下方ウェルに添加する。チャンバーを37℃で2時間インキュベートす る。アッセイの終わりに、膜を通して移動しなかった細胞を、フィルターをPBS ですすぎ、ゴムポリスマンで掻き取ることによって取り出す。フィルターを通し て移動した細胞を、蛍光プレートリーダー(Cytofluor,Millipore Inc.,Bosto n,MA)にてウェル当たりの蛍光を読むことによって定量する。 当該分野で認められた手法を用いて一連の実験を行って、MDCの走化性特性を 測定した。最初に、MDCに対するヒト単核細胞の応答を測定した。多形核白血球 (顆粒球)の走化性応答に対するMDCの効果も調べた。 C-CケモカインであるMCP-1は単球の漸増および活性化双方を引き起こすが、マ クロファージの移動を誘導する能力は限定されるようであることは確立されてい る。マクロファージをMCP-1が誘因できないことは、分化プロセスと関連してい るようであり;単球細胞が分化するにつれ、MCP-1に対する細胞反応は徐々に減 少する[DenholmおよびStankus,Cytokine,7:436-440(1995)]。MCP-1の生 物学的活性はこのケモカインの発現と関係するようであり、MCP-1 mRNAは単球で 見い出されているが、これらの細胞が分化するにつれ減少する。 MDCの発現のパターンは、MCP-1について記載されている発現パターンと逆のよ うであり、MDCについてのmRNAの量は、単球がマクロファージに分化するにつれ 増加する。この発現パターンがMDCに対する生物学的応答と関連するか否かを判 断するために、単球およびマクロファージの移動に対するMDCの効果を比較した 。 多数の異なる白血球細胞型を、走化性および走化性阻害アッセイで分析した。 ヒト単核およびヒト多形核白血球は当該分野で公知の方法[Denholmら、Amer.J . Pathol.,135:571-580(1989)]を用いて末梢血から単離した。第2に、ヒ ト単球細胞株THP-1(ATCC、Rockville,MDから得られ、10%FBSおよびペニシリ ン/ストレプトマイシンを含むRPMI中の培養で維持した)を使用した。THP-1細 胞は単球のように培養できるか、あるいは誘導して、フォルボールミリステート アセテート(PMA)での処理によってマクロファージに分化させることができる [DenholmおよびStankus,Cytokine,7:436-440(1995)]。いくつかの実験に おいて、単球THP-1細胞を使用し、そして他の実験において、単球THP-1細胞をフ ォルボールミリステートアセテート(PMA)とのインキュベーションによって、 他のマクロファージに分化させた。第3に、実質的にYoshimura,J.Immunol., 150:5025-5032(1993)に記載されているようにモルモット腹腔マクロファージ を得た。略言すると、細胞収穫に先立つ2日前に、3%滅菌チオグリコレート( DIFCO)の腹腔内注射を動物に与えた。1mM EDTAおよび0.1%グルコースを含むリ ン酸緩衝化生理食塩水(PBS)での洗浄によって、マクロファージを腹腔から得 た。遠心によって細胞を1回洗浄し、次いで、後記するように走化性アッセイで 利用した。 走化性活性のアッセイは、96ウェルチャンバー(Neuroprobe Inc.,Cabin Joh n,MD)および蛍光染料カルセイン(Molecular Probes,Eugene,OR)で標識し た細胞を用い、実質的にDenholmおよびStankus,Cytometry,19:366-369(1995 )によって記載されているように、前記した細胞調製物を用いて行った。本アッ セイで用いたポリカーボネートフィルターは無PVPであった(Neuroprobe In c.);異なる細胞型で用いたフィルター孔サイズは単球およびTHP-1細胞では5μ m、多形核白血球では3μm、そしてモルモットマクロファージでは8μmであった 。 2mg/ml BSAを含有するRPMI培地に5万カルセイン標識細胞を再懸濁し、上方 ウェルに入れた。MDCまたは他のテスト物質をBSAを含むRPMIで希釈し(例えば、 25、50、100、250ng/mlの最終MDC濃度)、下方ウェルに入れた。37℃での2時 間のインキュベーションの後、フィルター上に残存する未移動細胞を拭うことに よって取り出し;フィルターを次いで風乾した。これらのアッセイにおけるコン トロールは、陰性コントロールとしてのBSAを含むRPMIであり、50ng/mlのMCP-1 および1%ザイモサン活性化血清(ZAS、[DenholmおよびLewis、Amer.J.Pathol .,126:464-474(1987)に記載されているように調製した])を陽性コントロー ルとして用いた。細胞の移動は蛍光プレートリーダー(Cytofluor,Millipore I nc.Bedford,MA)で定量し、移動した細胞数は蛍光ユニットとして表現した。 阻害活性のアッセイでは、チャンバーの上方ウェル中の細胞を種々の濃度(0. 005、0.05、0.5、5.0および50ng/ml)のMDCに懸濁した。チャンバーの下方ウェ ルには、培地単独または走化性因子、MCP-1またはザイモサン活性化血清(ZAS) いずれかを充填した。MDCの非存在下でMCP-1またはZASまで移動した細胞数を、M DCの濃度を増大させていくとともに移動した細胞の数と比較することによって阻 害を評価した。細胞の調製およびアッセイの定量は正確に走化性アッセイについ て記載したように行った。移動した細胞の数は蛍光ユニットで表した。 図2に示すように、MDCは、10および100ng/mlの間の濃度では、THP-1由来単 核細胞の移動を誘導せず、むしろ単核細胞の移動を阻害したようであった。他の C-Cケモカイン(例えば、MCP-1およびRANTES)は、代表的には、この濃度範囲内 で最大の単球走化性を誘導する。 図3に示すように、0.001〜100ng/mlの濃度で、MDCは、顆粒球移動に対して 正味の効果を有していなかった。顆粒球走化性に対する効果のこの欠如に関して は、MDCは他の以前に記載されているC-Cケモカインに同様である。 MDCに対するマクロファージおよび単球THP-1細胞双方の応答を図4に示す。マ クロファージ(黒丸)は用量依存的にMDCまで移動し、50ng/mlで最適な活性で あった。より高い濃度(100ng/ml)におけるMDCに対するマクロファージ走化性 応答の減少は、高濃度におけるほとんどの走化性因子に代表的である細胞の脱感 受性を反映している[FalkおよびLeonard,Infect.Immunol.,32:464-468(19 81)]。しかしながら、単球THP-1細胞(白丸)はMDCまで移動しなかった。 さらに、マクロファージについてのMDCの走化性活性を、誘導したモルモット 腹腔内マクロファージを用いる実験で確認した。MDCは、100から500ng/mlの間 の濃度で、モルモットマクロファージの用量依存性移動を誘導した(図5)。モ ルモットマクロファージの移動を誘導するのに必要な濃度はヒト細胞についての 濃度の約10倍であった(図4)。他の種におけるヒトケモカインのピーク生物学 的活性に必要な濃度の同様の差異はYashimura,J.Immunol.,150:5025-5032( 1993)によってMCP-1について報告されている。 これらの実験の結果は、MDCの生物学的活性は単球のマクロファージへの分化 に関連していることを示唆する。MCP-1[Yashimura,J.Immunol.,150:5025-5 032(1993)]とは対照的に、MDCはマクロファージ走化性を誘導したが、単球走 化性を誘導しなかった。 MDCがマクロファージを誘因する能力は、このケモカインが組織マクロファー ジの病巣蓄積を誘導するように作用し得ることを示す。特定の領域における組織 マクロファージの蓄積は、肺マクロファージが外来性粒子または比較的に破壊さ れ難い細菌病原(例えば、Mycobacterium sp.)を囲み包むように作用する点で 、肉芽腫の形成に重要である[Adams,Am.J.Pathol.,84:164-191(1976)] 。 ある疾患(例えば、関節炎)では、マクロファージの蓄積は有害で破壊的であ ると理解される。マクロファージ走化性を促進するMDCの能力は、組織における マクロファージの蓄積を防止し、減少させ、または排除する、本発明のMDC阻害 剤の治療的有用性を示す。 図2に示す、ヒト単核細胞での走化性アッセイの結果は、MDCは細胞移動を阻 害し得ることを示唆した。MDCの非存在下では、図6に示すように、単核THP-1細 胞がMCP-1まで移動する(MDCは0ng/ml)。しかしながら、細胞をMDCに曝すと 、MCP-1に対する走化性応答(黒丸)は低下した。0.005-0.5ng/mlの濃度では、 MDCは、MCP-1への単球走化性応答を阻害した。MDCはMCP-1への単球の走化性応答 を阻害したが、MDCの存在下または非存在下において、培地単独へ移動する細胞 の数によって反映されているように(白丸、BSAを含むRPMI)ケモキネシスに対 するMDCの有意な効果、またはランダム移動はなかった。 単球走化性に対するMDCの阻害活性は、単球走化性が重要な病原性役割を果た しているようであるいくつかの慢性炎症疾患(アテローム動脈硬化症、関節炎、 肺線維症)の処置におけるMDCの治療的有用性を示す。このような病気においてM DCの活性を増強させた結果、単球の組織への移動は減少し、それにより病気の症 状の重症度が低下する。 実施例14 インビボにおけるMDCの腫瘍増殖阻害アッセイ 例えば、マウスTCA3の腫瘍増殖阻害特性をアッセイするためのLaningら、J.I mmunol.,153:4625-4635(1994)によって記載されているプロトコルを改変し て、MDCの腫瘍増殖阻害特性をアッセイした。骨髄腫由来細胞株J558(American Type Culture Collection,Rockville,MD)へのエレクトロポレーションによっ てMDCをコードするcDNAをトランスフェクトした。実施例18に記載したようにMDC に対して生成したモノクローナル抗体を用い、ELISA(酵素免疫吸着測定法)の ような標準的な技術によって、トランスフェクト体をMDC産生についてスクリー ニングした。MDC-産生クローンからの1000万個の細胞のボーラスをBALB/cマウ スの右下部に皮下注射した。比較のため、1000万個の非トランスフェクト細胞を コントロールマウスに注射した。2群における腫瘍形成の速度および頻度を比較 して、腫瘍増殖の阻害におけるMDCの効率を判断した。結果的に腫瘍細胞と関連 する細胞浸潤物の性質を、組織学的手段によって同定した。さらに、組換えMDC (20ng)を非トランスフェクトJ558細胞と混合し、このような細胞に由来する腫 瘍に注射し(20ng/日)、腫瘍細胞に外因的に投与したMDCの効果をアッセイした 。 実施例15 腹腔内注射アッセイ Luoら、J.Immunol.,153:4616-4624(1994)によって記載されているように 、マウスまたは他の哺乳動物(例えば、ウサギまたはモルモット)の腹腔に1〜 1000ngの精製MDCを注射することにより、インビボでMDCに応答する細胞を測定し た。注射に続き、末梢血および腹腔から白血球を単離し、Diff Quickキット(Ba xter, McGraw,IL)で染色することによって同定した。白血球のプロフィールを 種々の時点で測定して異なる細胞型の見かけの動力学を評価した。別の実験で、 MDC(実施例18)に向けられた中和抗体をMDCと共に注射して、白血球の浸潤がMD Cの活性によることを確認した。 実施例16 インビボ活性アッセイ−皮下注射 Meurerら、J.Exp.Med.,178:1913-1921(1993)によって記載されているプ ロトコルを適用することによって、MDCの化学走性誘因物質特性をインビボでア ッセイした。組換えMDC(10-500pmol/部位)を適切な哺乳動物、例えば、イヌ またはウサギに腹腔内注射した。4〜24時間の時点で、注射部位における細胞浸 潤を組織学的方法によって評価した。MDCの存在は、MDCに向けられた抗体を用い 、免疫細胞化学によって確認した。細胞浸潤の性質はBaxerのDiff Quickキット で染色することによって同定した。 実施例17 骨髄抑制活性アッセイ 例えば、MIP-1αの骨髄抑制作用の測定について、Mazeら、J.Immunol.,149 :1004-1009(1992)によって記載されているように、マウスまたは他の哺乳動 物 (例えば、ウサギ、モルモット)にMDCを注射することによってMDCの骨髄抑制活 性をアッセイした。0.2〜10μgの組換えMDCの単一用量をC3H/HeJマウス(Jacks on Laboratories,Bar Harbor ME)に静脈内注射した。ケモカインの骨髄抑制効 果は、大腿骨髄および脾臓における骨髄系先駆細胞のサイクル速度を測定するこ とによって測定した。先駆細胞の増殖および分裂の抑制は、化学療法または放射 線療法を受ける患者の治療で臨床的意義を有する。このようなケモカイン処置の 骨髄抑制効果は、Dunlopら、Blood,79:2221(1992)によって前臨床モデルで 示されている。 また、ケモカインインターロイキン-8(IL-8)および血小板第4因子(PF-4) について以前に記載されているのと同様に、インビトロアッセイを用いて、骨髄 抑制に対するMDCの効果を測定した。Dalyら、J.Biol.Chem.,270:23282(199 5)を参照のこと。簡単に述べれば、顆粒球-マクロファージ前駆体の評価のため にMDCの非存在下(コントロール)および存在下、100単位/ml組換えヒトGM-CSF (R&D Systems,Minneapolis,MN)+50ng/ml組換えヒトSteel因子(Immunex Corp.,Seattle,WA)を含む10%ウシ胎児血清(HyClone,Logan,UT)を含有す る0.3%寒天培地中で、低密度(1.077g/cm未満)正常ヒト骨髄細胞をプレート した。顆粒球赤血球骨髄系巨核球コロニー形成単位(CFU-GEMM)および赤血球バ ースト形成単位(BFU-E)の評価のため、50ng/ml Steel因子と組み合わせた組 換えヒトエリトロポエチン(1〜2単位/ml)の存在下で、細胞を0.9%メチル セルロース培養培地で増殖させた。低(5%)O2中、37℃における14日間のイン キュベーションの後にコロニーについてプレートをスコア取りした。GM-CSFとSt eel因子またはエリトロポエチンとSteel因子の組合せは、顆粒球骨髄系コロニー 形成単位(CFU-GM)、CFU-GEMMおよびBFU-Eの初期のかなり未成熟のサブセット に由来する大きなコロニー(通常、>1000細胞/コロニー)の検出を可能にした 。 実施例18 ヒトMDCに対する抗体 A.モノクローナル抗体 実施例6に記載のGST-MDC融合タンパク質の切断によって生じた組換えMDCを用 いて、モノクローナル抗体の作成のためにマウスを免疫した。さらに、別のマウ スを、成熟形態のMDCのN末端(配列番号2の残基1〜12)に対応する化学的に 合成されたペプチドで免疫した。ペプチドを、Applied Biosystemsモデル473Aペ プチド合成機(Foster City,CA)で合成し、製造業者の推奨に従い、Keyhole L ympet Hemocyamine(Pierce)に結合した。最初の注射では、約10μgのMDCタン パク質または結合化ペプチドを、フロイントの完全アジュバントで乳化し、皮下 注射した。2〜3週間の間隔で、MDCタンパク質のさらなるアリコートをフロイ ントの不完全アジュバントで乳化し、皮下注射した。最終のプリフュージョンブ ースト(prefusion boost)に先立って、血清サンプルを免疫マウスから採取した 。これらの血清を、ウェスタンブロットによってアッセイして、MDCタンパク質 とのそれらの反応性を確認した。プリフュージョンブーストには、マウスにPBS 中のMDCを注射し、4日後、マウスを屠殺し、その脾臓を摘出した。脾臓を10ml の無血清RPMI 1640に入れ、2mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、100 単位/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシン(RPMI)(Gibc o,カナダで)を補充した無血清RPMI1640に浸した2枚の顕微鏡ガラススライドの つや消しの端部間で脾臓を粉砕することによって、単一の細胞懸濁物を形成させ た。細胞懸濁物を滅菌した70メッシュNitex細胞染色機(Becton Dickinson,Par sippany,New Jersey)に通して濾過し、200gで5分間遠心分離し、そしてペレ ットを10mlの無血清RPMIに再懸濁することによって2回洗浄した。実験に未使用 の3匹のBalb/cマウスから採取した胸腺細胞を同様に調製し、フィダー層(feed er layer)として使用した。融合に先立って、10%ウシ胎児血清(FBS)(Hyclon e Laboratories,Inc.,Logan,Utah)を含むRPMI中にて対数期に3日間保持し たNS-1骨髄腫細胞を200gで5分間遠心分離し、そしてペレットを前節で記載した ように2回洗浄した。 脾臓細胞(2×108)を4×107個のNS-1細胞と合し、遠心分離し、上清を吸引 した。遠心管を軽くたたいて細胞ペレットを移し、1分間にわたって撹拌しつつ 、2mlの37℃のPEG1500(75mM Hepes、pH8.0中で50%)(Boehringer Mannheim )を添加し、続いて14mlの無血清RPMIを7分間にわたって添加した。さらに16ml のRPMIを添加し、そして細胞を200gで10分間遠心分離した。上清を捨てた後、ペ レットを、15%FBS、100μMヒポキサンチンナトリウム、0.4μMアミノプテリン 、16μMチミジン(HAT)(Gibco)、25単位/mlのIL-6(Boehringer Mannheim) および1.5×106胸腺細胞/mlを含有する200mlのRPMIに再懸濁し、そして10個のC orning平底96ウェル組織培養プレート(Corning,Corning New York)に播種し た。 融合後の2、4および6日目に、100μlの培地を融合プレートのウェルから除 去し、新鮮な培地と取り替えた。8日目に、融合物をELISAによってスクリーニ ングし、MDCに対するマウスIgG結合の存在を以下のように試験した。Immulon4プ レート(Dynatech,Cambridge,MA)を、25mM Tris、pH7.5に希釈した100ng/ウ ェルのMDCで2時間37℃でコートした。コーティング溶液を吸引し、200μl/ウ ェルのブロッキング溶液[CMF-PBSに希釈した0.5%魚皮膚ゼラチン(Sigma)] を添加し、37℃で30分間のインキュベートした。ブロッキング溶液を吸引し、50 μlの培養上清を添加した。37℃で30分間のインキュベーション、および0.05%T ween20含有PBS(PBST)での3回の洗浄後、PBSTに1:7000希釈した50μlの西洋 ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG(fc)(Jackson ImmunoResearch ,West Grove,Pennsylvania)を添加した。プレートを前記のようにインキュベ ートし、PBSTで4回洗浄し、そして100mMクエン酸塩、pH4.5中の1mg/mlのo-フ ェニレンジアミン(Sigma)および0.1μl/mlの30%H2O2からなる100μL基質を 添加した。呈色反応を50μlの15%H2SO4の添加により5分後に停止させた。プレ ートリーダー(Dynatech)でA490を読み取った。 96ウェルプレートに希釈することによって、選択した融合ウェルを2回クロー ン化し、5日後、コロニーの数/ウェルについて肉眼でスコア化した。Isostrip システム(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を用いて、ハイブリドー マによって産生されたモノクローナル抗体のイソタイプを決定した。 抗-MDC抗体をさらに、E.coliまたは哺乳動物CHO細胞において前記のように産 生した組換えMDCに対するウェスタンブロッティングによってさらに、特徴付け した。ブロットを調製するために、約3μlの沈降細胞(MDCを産性する形質転換 E. coli;MDCを産生するトランスフェクトCHO細胞;非形質転換E.coli(コント ロール);および非トランスフェクトCHO細胞(コントロール))を、SDS(ドデ シル硫酸ナトリウム)およびDTT(ジチオスレイトール)を含有する標準的なサ ンプル調製緩衝液に溶解させた(Sambrookら)。煮沸後、溶解物を変性SDS-PAGE (18%アクリルアミド、Trisグリシンゲル、NOVEX)に通して分画し、PVDF膜(M illipore,Bedford,MA)に電気ブロットした。MDCモノクローナル抗体を、ウェ スタンブロッティングに使用するために、PBS中で0.7μg/mlに希釈し、続いて 標準的な技術(Sambrookら)を適用した。さらなるコントロールとして、モノク ローナル抗体を、ヒト皮膚、扁桃および胸腺の全組織溶解物のウェスタンブロッ トで交差反応性についてさらに試験した。 モノクローナル191Dと命名した1つの抗MDCモノクローナル抗体が、細菌およ び哺乳動物細胞の両方によって産生された組換えMDCと強く反応した。さらに、 この抗体は、試験した、細菌、CHO哺乳動物細胞株、または全ヒト組織に対して ほとんどバックグラウンド反応性を示さなかった。さらに、この抗体は、標準的 な免疫沈降プロトコル(Sambrookら)に従い、組換えCHO由来MDCを免疫沈降させ る能力を示した。 モノクローナル抗体191Dを産生するハイブリドーマ細胞株(ハイブリドーマ19 1Dと命名)を、ブダペスト条約の規定に従って、American Type Culture Collec tion(ATCC)、12301 Parklawn Drive,Rockville MD 20852(USA)に寄託した (ATCC寄託日:1996年6月4日;ATCC受託番号HB-12122)。寄託物質の利用は、い ずれの政府の当局の下でその特許法に従い、保証された権利に違反して本発明を 実施するライセンスと解釈されるべきではない。 B.ポリクローナル抗体 標準的なプロトコル(Sambrookら)に従い、MDCに対するポリクローナル抗体 をウサギにて惹起させた。上記のGST融合タンパク質として産生された組換えMDC をPBS中に希釈し、フロイントの完全アジュバントで乳化し、そしてウサギに皮 下注射した。3週間および6週間の間隔で、PBSに希釈したさらなるMDCをフロイ ントの不完全アジュバントで乳化し、同一のウサギに皮下注射した。3回目の免 疫の10日後、上記の組換えMDCに対するウェスタンブロッティングを介する特徴 付けのために、ウサギから血清を採取し、0.5%Tween20を含むTris緩衝化生理食 塩水(TBS-T,Sambrookら)に10倍希釈した。 実施例19 カルシウムフラックスアッセイ 当該分野で認められているカルシウムフラックスアッセイによって、ケモカイ ンによる細胞活性化の指標となる細胞内カルシウム濃度の変化をいくつかの細胞 株でモニターした。細胞を1μM Fura-2/AM(Molecular Probes,Eugene,OR) を含有する1mlの完全培地中で30分間室温でインキュベートし、1回洗浄し、約106 細胞/mlでD-PBSに再懸濁した。 2mlの懸濁細胞を、蛍光光度計(AMINCO-Bowman Series 2,Rochester,NY) おいて、37℃で連続撹拌したキュベットに入れた。細胞内カルシウムの濃度は蛍 光によって示され、これを、0.5秒毎に励起波長を340nmと380nmとの間で変えな がら、510nmの放射波長でモニターした。380nmの励起波長に対する340nmからの 放射の割合は、細胞内カルシウムのレベルに対応する。 このアッセイによって測定された細胞株は、以下のものを含む:推定ケモカイ ンレセプター遺伝子V28で安定にトランスフェクトされたヒト胚腎臓細胞株HEK-2 93[Raportら、Gene,163:295-299(1995)];ケモカインレセプター遺伝子CC R5で安定にトランスフェクトされたHEK-293細胞[Samsonら,Biochemistry,35 :3362-3367(1996);CCR5(そこでは「88C」として記載される)を含むケモカ インレセプター物質および方法を開示する、1995年12月20日出願の共有の同時継 続米国特許出願番号第08/575,967号(参考により本明細書中で援用される) 参照]ヒト単球細胞株THP-1、ヒト肺上皮細胞株A-549;およびヒト線維芽細胞株 IMR-90これらの細胞株のいずれも、組換えMDCタンパク質に応答して、カルシウ ムを流出しなかった。陽性コントロールとして、HEK-293トランスフェクタント はトロンビンに強く応答した。これは、このアッセイが有効であることを示す。 さらに、THP-1細胞は、25ng/mlの最終濃度で、商業的に入手可能なケモカインM CP-1およびMCP-3(Peprotech,Rocky Hill,NJ)に強く応答した。さらなる刺激 剤は、A-549またはIMR-90細胞株で試験されなかった。 実施例20 HIV 増殖の阻害 いくつかのCCケモカインは、ヒト後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因因子で あるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の増殖を抑制することが示されている。Cocch iら,Science,270:1811(1995)参照。MDCのHIV抗増殖活性を、Cocchiらによ って記載されているような手段によって測定した。この場合、CD4+T細胞株をHIV 株で急性的に感染させ、そして種々の濃度のMDCの存在下で培養した。3日後、 培地中のMDCの新鮮な希釈物を細胞に添加した。感染の5〜7日後、市販のELISA テスト(Coulter,Miami,FL)によってHIV p24抗原の存在について培養物を試 験することによって、HIVのレベルを測定した。 MDCに対する抗体を、ヒトリンパ球によって産生された抑制活性を中和するそ れらの能力について試験した(Cocchi、前出)。さらに、化学的に合成されたMD Cアナログ(実施例11)または組換えによって産生されたアナログの効力もまた 、HIV阻害アッセイでテストした。 実施例21 線維芽細胞増殖に対するMDCの効果 白血球を誘因し活性化するそれらの能力に加え、いくつかのケモカイン(例え ば、IL-8)は、非白血球細胞の増殖に影響し得ることが示されている[Tuschil, J.Invest.Dermatol.,99:294-298(1992)]。身体全体の線維芽細胞は、ほ とんどの組織の構造的一体性に重要である。線維芽細胞の増殖は、損傷の治癒お よび傷害に対する応答に必須であるが、肺線維症のような慢性炎疾患の場合のよ うに、同様に有害の可能性であり得る[Phan,Immunology of Inflammationm,E lsevier(1983),121-162頁]。 インビトロ細胞増殖アッセイを用いて、線維芽細胞の増殖に対するMDCの効果 を評価した。ヒト線維芽細胞(CRL-1635)をATCCから入手し、そして10%FBSお よび1%抗生物質を含むDMEMにおける培地で維持した。増殖アッセイを行い、De nholmおよびPhan,Amer.J.Pathol.,134:355-363(1989)により当該分野で 以前に記載されているように定量した。簡単に述べると、第1日目に、2.5×103 細胞/ウェルを、10%FBSを含むDEMEにおいて96ウェルプレートにプレートした 。第2日:プレーティングの24時間後、細胞上の培地を無血清DEMEに交換した。 第3日:細胞から培地を除去し、0.4%FBSを含有するDMEMで希釈したMDCで交換し た。第5日:1μCiの3H-チミジンをウェル当たり添加し、そしてさらに5時間 インキュベーションを継続した。細胞をガラス繊維フィルター上に収穫した。細 胞増殖を、線維芽細胞に取り込まれた3H-チミジンのcpmとして表した。このアッ セイ用のコントロールは、このアッセイ用の基礎培地、陰性コントロールとして の0.4%FBSを含むDMEM、および陽性コントロールとしての10%FBSを含むDMEMを 包含した。 図7に示すように、MDC処理は、用量依存的に線維芽細胞の増殖を減少させた 。線維芽細胞増殖の同様の阻害が、CHO細胞から精製したMDC(黒丸)および化学 的に合成したMDC(白丸)の双方で観察された。MDCの線維芽細胞-抗増殖効果は 、増強されたまたは制御されない細胞増強が主要な特徴である肺線維症および腫 瘍のような疾患の処置におけるMDCの治療的有用性を示す。 実施例22 細胞増殖アッセイ 上皮細胞、T細胞、線維芽細胞、内皮細胞、マクロファージおよび腫瘍細胞の 増殖に対するMDCの効果は、増殖因子活性のアッセイについての、Denholmら、Am er.J.Pathol.,134:355-363(1989)および「リンパ球機能のインビトロアッ セイ」 :Current Protocols Immunology,3-4節,Wiley and Sons(1992)の記 載のように、当該分野で公知の方法によってアッセイした。これらの方法では、 細胞増殖の増強または阻害および増殖因子の放出を測定した。 上皮細胞および内皮細胞の増殖に対するMDC効果は、線維芽細胞についての記 載と同一の手法(実施例21)を用いてアッセイした。 T細胞の増殖に対する効果は、末梢血リンパ球を用いて測定した。単核細胞を 、Denholmら、Amer.J.Pathol.,135:571-580(1989)に記載のように末梢血 から単離し;細胞を10%FBSを含むRPMIに再懸濁し、プラスチック組織培養フラ スコ中で一晩インキュベートする。リンパ球は、これらの培地中に懸濁したまま であり、培養培地の遠心分離によって得られた。10万個のリンパ球を96ウェルプ レートの各プレートに播種し、50、125、250または500ng/mlのMDCを含むかまた は含まない1μg/mlのPHA含有培地(RPMI+10%FBS)中で、3日間インキュベ ートする。インキュベーションの最後の18時間の間、1μCiの3H-チミジンを添 加する。細胞を収穫し、増殖を、実施例21における線維芽細胞での記載のように 表す。 マクロファージ増殖に対するMDCの効果は、上記の実施例13で得られた誘導モ ルモット腹膜内マクロファージを用いて測定する。マクロファージを、96ウェル プレートに10%PBSを含むRPMIにおいて、ウェル当たり10万細胞の密度で播種し 、2時間インキュベートして細胞を接着させる。次いで、培地を除去し、50、12 5、250または500ng/mlのMDCを含むかまたは含まない新鮮な培地と交換する。MD Cと共に細胞を3日間インキュベートし、そしてリンパ球について上記のように 測定する。 これらの細胞タイプの増殖のケモカイン媒介制御は、傷害に続く組織修復を増 強することにおいて治療的意義を有し、乾癬、線維症およびアテローム性動脈硬 化症のような慢性炎症反応におけるこれらの細胞の増殖を制限すること、および 新生物状態において治療的意義を有する。 実施例23 インビボ線維芽細胞増殖アッセイ 線維芽細胞に対するMDCの抗増殖効果は、例えば、肺線維症がブレオマイシン によって誘導される肺線維症のラットモデルを利用する、PhanおよびFantone,A mer.J.Pathol.,50:587-591(1984)によって報告されているように、当該分 野で公知の方法によってインビボで測定される。このモデルはよく特徴付けされ ており、この疾患のすべての段階に間の線維芽細胞増殖およびコラーゲン合成の 評価が可能になる。 簡単に述べると、ラットを4つの処理群に分ける:1)通常の生理食塩水を気管 内投与したコントロール;2)生理食塩水中で500ngのMDCの腹腔内注射を毎日受 ける生理食塩水注射したラット;3)1.5mg/kgブレオマイシン(Calbiochem,Pa lo Alto,CA)を気管内投与したブレオマイシン処理ラット;および4)500ngのM DCの腹腔内注射を毎日受けるブレオマイシン処理ラット。 群当たり3匹のラットを、最初の気管内注射後の4、7、14、21および28日に屠 殺する。肺を摘出し、そして組織学的調査およびコラーゲン含有量のアッセイの ために各葉のサンプルを採取する。 実施例24 MDC モジュレーターアッセイ MDC活性のモジュレーターは、MDCが役割を演じる疾患または疾患の病状の処置 に有用であり得る。このようなモジュレーターは、MDC結合のアゴニスとまたは アンタゴニストのいずれかであり得る。以下のレセプター結合アッセイはこのよ うなMDCモジュレーターを同定する手法を提供する。 MDCを、検出可能な標識(例えば、125I、3H、14C、ビオチンまたはユーロピウ ム)で標識する。MDCレセプターを含有する細胞膜の調製物を、例えば、ヒトマ クロファージ、フォルボールエステル-刺激THP-1細胞、ヒト線維芽細胞、ヒト線 維芽細胞細胞株、またはモルモットマクロファージのようなMDCに応答する天然 細胞から調製する。(あるいは、このようなMDCレセプターcDNAが同定されクロ ーン化されているとき、組換えレセプター調製物を、MDCレセプターcDNAでトラ ンスフェクトした細胞から作製する)。膜調製物を125I-標識MDCに暴露し、例え ば、適切な条件下でインキュベートする(例えば、37℃で10分間)。次いで、い ずれかの結合した125I-MDCを有する膜を、真空濾過によってフィルター上に集め 、洗浄して非結合125I-MDCを除去する。次いで、結合MDCに関連する放射能を、 フィルターを液体シンチレーション分光計に付すことによって定量する。 MDC結合の特異性は、量を増大させていく非標識MDCの存在下で前記アッセイを 反復し、そしてレセプターへの結合の競合レベルを測定することによって確認さ れ得る。これらの結合アッセイを使用して、MDCレセプター結合のモジュレータ ーを同定し得る。 前記レセプター結合アッセイはまた、以下の改変で、実施され得る:標識MDC に加えて、潜在的MDCモジュレーターを膜調製物に曝露する。このアッセイの変 形では、膜結合標識の増大したレベル(量)は、潜在的モジュレーターがMDC結 合のアクチベーターであることを示し;膜結合標識の低下したレベル(量)は、 潜在的モジュレーターがMDCレセプター結合の阻害剤であることを示す。このア ッセイを使用して、化学化合物または天然産物の大きなライブラリーから、MDC 結合の特異的アクチベーターおよび阻害剤を同定し得る。多数のモジュレーター 候補化合物の迅速な同時スクリーニングが特に考えられる。 上記のように説明したMDCの生物学的機能は、いくつかの臨床適用を示唆する 。 ケモカインは、一般に、単球およびマクロファージを誘因し活性化し(Baggio liniら、前出)、そしてMDCは、特にマクロファージを誘因し、単球走化性を阻 害する。従って、病理学的炎症環境におけるMDC発現は、さらなるマクロファー ジまたは他の白血球を疾患部位に集めることによるか、すでにそこにいる白血球 を活性化することによるか、または白血球を誘導してこの部位に止めることによ って、疾患状態を悪化させ得る。従って、MDCの化学誘引剤活性の阻害は、有害 な炎症プロセスを緩和すると予測し得る。重要なことに、このようなアプローチ の潜在的利点は、好中球を誘因し活性化するIL-8、C-X-Cケモカインに関する実 験において直接的に示されている。IL-8に対して向けられた抗体は、好中球によ って媒介される炎症疾患を阻害する大きな能力を有する[Haradaら、J.Leukoc. Biol.,56:559(1994)]。MDCの阻害は、マクロファージが役割を演じると推 定される疾患(例えば、クローン病、慢性関節リウマチまたはアテローム性動脈 硬化症)において同様の効果を有すると予測される。 あるいは、MDCの効果を増大させることは、ケモカインが損傷治癒および脈管 形成でポジティブの効果を有することも示されているように、このような疾患で 有益な役割を有し得る。従って、外因性MDCまたはMDCアゴニストは、このような 疾患からの回復を促進することで有益であり得る。 さらに、C-CケモカインMIP-1αについて証明された骨髄抑制効果(Mazeら、前 出)は、MDCが同様の活性を有し得ることを示唆する。MDCまたはMDCアゴニスト によって提供されるこのような効果は、化学療法または放射線治療を受けている 患者にとって実質的な利益を与え、患者の骨髄先駆細胞に対する治療の有害な効 果を低下させる。 MDCまたはMDCアゴニストはまた、C-CケモカインTCA3がマウスにおける腫瘍形 成を阻害する能力によって示唆されるように(Laningら、前出、参照)、腫瘍の 処置で臨床的に有用であり得る。MDCは、例えば、種々の非特異的エフェクター 細胞を腫瘍部位に誘因し活性化することによるか、または特異的な抗腫瘍免疫性 を刺激することによって、腫瘍形成を直接的または間接的に阻害するように作用 し得る。MDCの線維芽細胞-抗増殖効果は、増大されたかまたは制御されない細胞 増殖が主要な特徴である肺線維症および腫瘍のような疾患の処置におけるMDCの 治療的有用性を示す。 本発明を、特定の実施態様により記載してきたが、当業者には変形および改変 が存在するることは理解される。従って、添付の請求の範囲に現れるこのような 限定のみが、本発明に課されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 G01N 33/566 C12P 21/02 C12N 5/00 B 21/08 A61K 37/02 ABE G01N 33/566 ADS //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,BR,CA,C N,CZ,FI,HU,IL,JP,MX,NO,PL ,RU,SK

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号2のマクロファージ由来ケモカイン(MDC)アミノ酸配列を有する ポリペプチドをコードする精製ポリヌクレオチド。 2.DNAである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3.配列番号1のヌクレオチド20〜298を有する、請求項2に記載のDNA。 4.配列番号2のMDCアミノ酸1〜69をコードする精製ポリヌクレオチド。 5.DNAである、請求項4に記載のポリヌクレオチド。 6.配列番号1のヌクレオチド92〜298を有する、請求項5に記載のDNA。 7.(a)配列番号1のDNA; (b)ストリンジェント条件下で配列番号1のDNAの非コード鎖にハイブリダ イズするポリヌクレオチド; (c)遺伝コードの縮重を除き、ストリンジェント条件下で配列番号1のDNA の非コード鎖にハイブリダイズするポリヌクレオチド;および (d)配列番号1のDNAと同一のMDCポリペプチドをコードするポリヌクレオ チド; からなる群より選択される精製ポリヌクレオチド。 8.DNAである、請求項7に記載のポリヌクレオチド。 9.配列番号25のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする精製ポリヌク レオチド。 10.DNAである、請求項9に記載のポリヌクレオチド。 11.配列番号25のアミノ酸1〜69をコードする精製ポリヌクレオチド。 12.DNAである、請求項11に記載のポリヌクレオチド。 13.(a)請求項12に記載のDNA; (b)ストリンジェント条件下で請求項12に記載のDNAにハイブリダイズする ポリヌクレオチド;および (c)遺伝コードの縮重を除き、ストリンジェント条件下で請求項12に記載 のDNAにハイブリダイズするポリヌクレオチド; からなる群より選択される精製ポリヌクレオチド。 14.DNAである、請求項13に記載のポリヌクレオチド。 15.請求項2、5、8、10、12または14に記載のDNAを含有するベクタ ー。 16.発現ベクターである請求項15に記載のベクターであって、前記DNAが発 現制御DNA配列に作動可能に連結している、ベクター。 17.宿主細胞であって、MDCの該宿主細胞での発現を可能とする様式で、請求 項2または5に記載のDNAで安定に形質転換またはトランスフェクトされた宿主 細胞。 18.MDCを産生するための方法であって、栄養培地で請求項17に記載の宿主 細胞を増殖させる工程、および該細胞または該培地から該MDCを単離する工程を 包含する、方法。 19.宿主細胞であって、MDCポリペプチドアナログの該宿主細胞における発現 を可能とする様式で、請求項10または12に記載のDNAで安定に形質転換また はトランスフェクトされた、宿主細胞。 20.MDCポリペプチドアナログを産生するための方法であって、栄養培地で請 求項19に記載の宿主細胞を増殖させる工程、および該細胞または該培地から該 MDCポリペプチドアナログを単離する工程を包含する、方法。 21.配列番号25のアミノ酸配列を有する精製ポリペプチド。 22.配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項21に記載の精製ポリペプチ ド。 23.配列番号25のアミノ酸1〜69を有する精製ポリペプチド。 24.配列番号2のアミノ酸1〜69を有する、請求項23に記載の精製ポリペプ チド。 25.(a)配列番号30の1〜70位によって同定されるアミノ酸の配列を含有す るポリペプチド; (b)配列番号2の9〜69位によって同定されるアミノ酸の配列を含有する精 製ポリペプチド; (c)配列番号31の1〜69位によって同定されるアミノ酸の配列を含有するポ リペプチド;および (d)配列番号32の1〜69位によって同定されるアミノ酸の配列を含有するポ リペプチド からなる群より選択される、精製ポリペプチド。 26.請求項25に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。 27.DNAである、請求項26に記載のポリヌクレオチド。 28.請求項27に記載のDNAを含有するベクター。 29.宿主細胞であって、該宿主細胞における前記ポリペプチドの発現を可能と する様式で、請求項27に記載のDNAで安定に形質転換またはトランスフェクト された、宿主細胞。 30.請求項21、22、23、24または25に記載のポリペプチドと特異的 に反応する抗体。 31.モノクローナル抗体である、請求項30に記載の抗体。 32.請求項31に記載の抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。 33.請求項30に記載の抗体を含有するポリクローナル抗血清。 34.MDCと特異的に反応する抗体。 35.哺乳動物宿主において白血球走化性を調節する方法であって、以下の工 程: (a)請求項21、22、23、24または25に記載のポリペプチドを該哺 乳動物宿主に投与する工程、を包含し、 ここで、該ポリペプチドは該宿主において白血球の走化性を調節する、方法。 36.前記白血球が単球およびマクロファージからなる群より選択される、請求 項35に記載の方法。 37.患者において炎症状態を緩和する方法であって、該状態が(i)該患者に おける炎症部位に向けられた単球走化性、または(ii)線維芽細胞増殖のうちの 少なくとも1つによって特徴付けられ、以下の工程: (a)治療有効量のMDCを該患者に投与する工程 を包含する、方法。 38.MDCの前記治療有効量が単球走化性を阻害し得る量である、請求項37に 記載の方法。 39.MDCの前記治療有効量が線維芽細胞増殖を阻害し得る量である、請求項3 7に記載の方法。 40.配列番号1のヌクレオチド配列またはそれに相補的な非コード鎖の連続部 分を含有するDNAであって、 該連続部分は少なくとも18のヌクレオチドを含有し、 該DNAはストリンジェント条件下でヒトMDC遺伝子にハイブリダイズし得る、DN A。 41.前記DNAが、前記ストリンジェント条件下で、MCP-1遺伝子、MCP-2遺伝子 、 MCP-3遺伝子、RANTES遺伝子、MIP-1α遺伝子、MIP-1β遺伝子およびI-309遺伝子 からなる群より選択されるヒトケモカイン遺伝子にハイブリダイズしない、請求 項40に記載のDNA。 42.薬学上受容されるキャリア中の請求項21、22、23、24または25 に記載のポリペプチドを含有する薬学組成物。 43.炎症疾患状態の処置のための請求項42に記載の組成物の使用。 44.前記炎症疾患状態が、該疾患状態を有する患者における炎症部位に向けら れた単球走化性によって特徴付けられる、請求項43に記載の使用。 45.前記炎症疾患状態が、該疾患状態を有する患者における線維芽細胞増殖に よって特徴付けられる、請求項43に記載の使用。 46.MDC調節活性を有する化学化合物を同定するための方法であって、以下の 工程: (a)MDCレセプターを含有する第1および第2レセプター組成物を提供する工 程; (b)検出可能に標識されたMDCを含有するコントロール組成物を提供する工程 ; (c)検出可能に標識されたMDC、およびさらに該化学化合物を含有する試験組 成物を提供する工程; (d)MDCがMDCレセプターに結合し得る条件下で該第1レセプター組成物を該 コントロール組成物と接触させる工程; (e)MDCがMDCレセプターに結合し得る条件下で該第2レセプター組成物を該 試験組成物と接触させる工程; (f)該第1および第2レセプター組成物を洗浄し、MDCレセプターに未結合の 検出可能に標識されたMDCを除去する工程; (g)該第1および第2レセプター組成物における検出可能に標識されたMDCを 測定する工程;および、 (h)MDC調節活性を有する化学化合物を同定する工程、ここで、MDC調節活性 は該第1および該第2レセプター組成物との間の検出可能に標識されたMDCの差 異に相関する、工程 を包含する、方法。
JP9502209A 1995-06-07 1996-06-07 マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ Ceased JPH10507646A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/479,620 US6790947B1 (en) 1995-06-07 1995-06-07 Polynucleotides encoding macrophage derived chemokine
US08/479,620 1995-06-07
US55865895A 1995-11-16 1995-11-16
US08/558,658 1995-11-16
PCT/US1996/010114 WO1996040923A1 (en) 1995-06-07 1996-06-07 Macrophage derived chemokine and chemokine analogs

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10507646A true JPH10507646A (ja) 1998-07-28

Family

ID=27046294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9502209A Ceased JPH10507646A (ja) 1995-06-07 1996-06-07 マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ

Country Status (14)

Country Link
US (1) US5932703A (ja)
EP (1) EP0778892A1 (ja)
JP (1) JPH10507646A (ja)
AU (1) AU708743B2 (ja)
BR (1) BR9606437A (ja)
CA (1) CA2196691A1 (ja)
CZ (1) CZ29397A3 (ja)
FI (1) FI970502A (ja)
HU (1) HUP9701282A3 (ja)
IL (1) IL120096A0 (ja)
NO (1) NO970545L (ja)
PL (1) PL318594A1 (ja)
SK (1) SK16497A3 (ja)
WO (1) WO1996040923A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004517078A (ja) * 2000-12-01 2004-06-10 シェーリング コーポレイション 哺乳動物遺伝子および関連試薬の使用
US11104727B2 (en) 2015-10-14 2021-08-31 Nippon Zenyaku Kogyo Co., Ltd. Anti-canine TARC antibody used for treatment and diagnosis of canine atopic dermatitis

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6737513B1 (en) 1996-06-07 2004-05-18 Icos Corporation Macrophage derived chemokine (MDC) and chemokine analogs and assay to identify modulators of MDC activity, and therapeutic uses for same
US6498015B1 (en) * 1995-06-07 2002-12-24 Icos Corporation Methods of identifying agents that modulate the binding between MDC and an MDC receptor
US7018627B1 (en) 1995-06-07 2006-03-28 Icos Corporation Macrophage derived chemokine (MDC), MDC analogs, MDC inhibitor substances, and uses thereof
WO1997025427A1 (en) * 1996-01-12 1997-07-17 Genetics Institute, Inc. Beta-chemokine, h1305 (mcp-2)
WO1998011226A2 (en) * 1996-09-10 1998-03-19 Schering Corporation Mammalian chemokines, related reagents
WO1998024907A1 (en) * 1996-12-03 1998-06-11 Amgen Inc. Novel protein with chemokine activity
AU5383498A (en) * 1996-12-05 1998-06-29 Human Genome Sciences, Inc. Human chemokine beta-13
WO1998042836A1 (en) * 1997-03-21 1998-10-01 Zymogenetics, Inc. Mammalian cytokine receptor
US6548631B1 (en) * 1997-09-16 2003-04-15 BIOMéRIEUX, INC. Macrophage derived chemokine (MDC) as an anti-viral agent for the treatment and prevention of lentivirus infection
DE69840637D1 (de) * 1997-12-11 2009-04-16 Univ Maryland Biotech Inst Zusammensetzungen zur steigerung der effizienz von impfstoffen unter verwendung von chemokinen
US6093542A (en) * 1998-01-09 2000-07-25 Akzo Nobel N.V. Isothermal transcription based amplification assay for the detection and quantitation of macrophage derived chemokine RNA
US7384641B2 (en) 2000-06-12 2008-06-10 University Of Maryland Biotechnology Institute Immuno-modulating effects of chemokines in DNA vaccination
US7708983B2 (en) 1998-12-11 2010-05-04 Alfredo Garzino-Demo Directional induction of immune response by co-administration of antigens with chemokines
US6245332B1 (en) * 1999-01-15 2001-06-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Modulation of systemic memory T cell trafficking
US6488930B1 (en) 1999-01-15 2002-12-03 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Anti-CCR4 antibodies and methods of use therefor
ES2420835T3 (es) 1999-04-09 2013-08-27 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Procedimiento para controlar la actividad de las moléculas inmunofuncionales
WO2001060406A1 (en) * 2000-02-18 2001-08-23 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Therapeutic methods that target fractalkine or cx3cr1
US6989145B2 (en) 2000-03-03 2006-01-24 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Recombinant antibody and antibody fragment
US6946292B2 (en) * 2000-10-06 2005-09-20 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Cells producing antibody compositions with increased antibody dependent cytotoxic activity
JPWO2003084569A1 (ja) 2002-04-09 2005-08-11 協和醗酵工業株式会社 抗体組成物含有医薬
WO2007021807A1 (en) * 2005-08-12 2007-02-22 Schering Corporation Mcp1 fusions
WO2008045461A2 (en) * 2006-10-11 2008-04-17 Oregon Health & Science University Transdermal diethylstilbestrol for treating prostate cancer
US8524217B2 (en) 2010-05-11 2013-09-03 Merck Sharp & Dohme Corp. MCP1-Ig fusion variants
CN108472345B (zh) 2015-09-16 2023-05-23 Io生物技术公司 包含c-c基序趋化因子22(ccl22)或其片段的疫苗组合物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5037630A (en) * 1985-01-14 1991-08-06 Neorx Corporation Metal radionuclide labeled proteins for diagnosis and therapy
US4965392A (en) * 1987-03-26 1990-10-23 Neorx Corporation Chelating compounds for metal-radionuclide labeled proteins
DE3855802T2 (de) * 1987-10-02 1997-06-12 Univ Rockefeller Von Makrophagen abstammender Entzündungsvermittler(MIP-1-alpha et MIP-1-beta)
US5212073A (en) * 1989-05-12 1993-05-18 Genetics Institute, Inc. Process for producing human JE cytokine
US5179078A (en) * 1989-05-12 1993-01-12 Dana Farber Cancer Institute Method of suppressing tumor formation in vivo
US5241049A (en) * 1989-12-22 1993-08-31 Zymogenetics, Inc. Neutrophil chemoattractants
US5413778A (en) * 1992-10-05 1995-05-09 The Regents Of The University Of Michigan Labelled monocyte chemoattractant protein material and medical uses thereof
US5459128A (en) * 1993-11-12 1995-10-17 Dana-Farber Cancer Institute Human monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) derivatives
WO1995017092A1 (en) * 1993-12-22 1995-06-29 Human Genome Sciences, Inc. MACROPHAGE INFLAMMATORY PROTEINS-3, -4 AND -1¿η?

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004517078A (ja) * 2000-12-01 2004-06-10 シェーリング コーポレイション 哺乳動物遺伝子および関連試薬の使用
US11104727B2 (en) 2015-10-14 2021-08-31 Nippon Zenyaku Kogyo Co., Ltd. Anti-canine TARC antibody used for treatment and diagnosis of canine atopic dermatitis

Also Published As

Publication number Publication date
SK16497A3 (en) 1998-05-06
FI970502A (fi) 1997-04-04
CA2196691A1 (en) 1996-12-19
EP0778892A1 (en) 1997-06-18
BR9606437A (pt) 1997-09-30
NO970545D0 (no) 1997-02-06
NO970545L (no) 1997-04-07
PL318594A1 (en) 1997-06-23
AU6172496A (en) 1996-12-30
AU708743B2 (en) 1999-08-12
HUP9701282A2 (en) 1997-10-28
WO1996040923A1 (en) 1996-12-19
US5932703A (en) 1999-08-03
HUP9701282A3 (en) 1999-09-28
CZ29397A3 (cs) 1998-01-14
IL120096A0 (en) 1997-04-15
FI970502A0 (fi) 1997-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10507646A (ja) マクロファージ由来ケモカインおよびケモカインアナログ
EP0577752B1 (en) Human pf4a receptors and their use
JP4502408B2 (ja) Cxcr3ケモカイン受容体、抗体、核酸および使用方法
US6111090A (en) Mammalian cell surface antigens; related reagents
US7858326B2 (en) Method of diagnosis of inflammatory disease using eotaxin antibodies
US6498015B1 (en) Methods of identifying agents that modulate the binding between MDC and an MDC receptor
EP0669979B1 (en) C-c ckr-1, c-c chemokine receptor
WO1998006842A1 (en) Mammalian cell surface antigens; related reagents
JPH07509613A (ja) インターロイキン−10(il−10)のための哺乳類レセプター
JPH11502420A (ja) 哺乳動物ケモカインccf8およびケモカインレセプターcckr3
US5688927A (en) Macrophage derived chemokine
JPH09132598A (ja) ヒトインターロイキン−12受容体
JP2001516203A (ja) エクソダスケモカイン物質及び方法
AU733925B2 (en) Monocyte chemotactic protein-5 materials and methods
US6320023B1 (en) Macrophage derived chemokine
US6790947B1 (en) Polynucleotides encoding macrophage derived chemokine
WO2000020594A1 (en) Tsg-5: a tnf-inducible gene

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040610

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060227

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060424

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20060724

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20060724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829