JPH1132770A - 7回膜貫通型受容体蛋白質jeg62 - Google Patents

7回膜貫通型受容体蛋白質jeg62

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JPH1132770A
JPH1132770A JP9198428A JP19842897A JPH1132770A JP H1132770 A JPH1132770 A JP H1132770A JP 9198428 A JP9198428 A JP 9198428A JP 19842897 A JP19842897 A JP 19842897A JP H1132770 A JPH1132770 A JP H1132770A
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jeg62
receptor protein
transmembrane receptor
sequence
protein
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JP9198428A
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Hiroshi Ishimaru
弘 石丸
Takeshi Ono
剛 大野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白血球の機能を制御し、疾患の制御を行うこ
と 【解決手段】 これまで知られていない7回膜貫通型受
容体を取得すること。 【効果】 本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG6
2は、白血球の機能を制御する医薬品を検索することに
使用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血球に発現する
新規な7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62,それを構
成している部分ペプチドまたはこれらの塩に関する。ま
た、本発明は、前記7回膜貫通型受容体蛋白質JEG6
2,それを構成している部分ペプチドをコードする核酸
あるいはその誘導体に関する。
【0002】さらに、本発明は、この核酸を用いて遺伝
子操作により7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62を発
現させる7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の製造方
法、及びそれに使用される発現ベクター及び形質転換体
に関する。また、さらに本発明は、7回膜貫通型受容体
蛋白質JEG62を用いて、この蛋白質に対するリガン
ドを決定する方法、この蛋白質との結合を阻害する化合
物をスクリーニングする方法あるいはこの蛋白質に対す
る抗体に関する。
【0003】本発明では、7回膜貫通型受容体蛋白質J
EG62を用いて白血球の機能を制御する医薬品を開発
することができる。
【0004】
【従来の技術】白血球は血液細胞の一種であり、免疫・
炎症の種々の機能を司る。特に、感染の際には、種々の
有益な免疫・炎症反応のメカニズムによって、生体を防
御する(麻生芳郎 訳、一目でわかる免疫学、メティガ
ル・サイエンス・インターナショナル発行、48−6
1,1993年)。しかし、その一方で自己免疫など望
ましくない免疫・炎症作用をも引き起こす(麻生芳郎
訳、一目でわかる免疫学、メディカル・サイエンス・イ
ンターナショナル発行、62-73,1993年)。従っ
て、白血球の機能を制御する方法を得ることによって、
有益な免疫応答を引き起こし、感染や腫瘍の治癒をもた
らしたり、あるいは有害な免疫応答を減退させることに
より、自已免疫性疾患などを治療したりすることが可能
になると予想される。
【0005】白血球の機能、すなわち、その増殖、分
化、活性化、化学遊走等は白血球に発現している様々な
受容体蛋白質によって制御されている。受容体とは、細
胞表面に存在し、他の細胞の表面や体液中に存在するシ
グナル分子と高い親和性で結合し、そしてその結合とい
う細胞外の出来事を細胞内シグナルに変換して細胞の応
答を引き起こすものである(中村桂子・松原健一監修、
細胞の分子生物学(第2版)、教育社、936, 1990
年)。
【0006】従って、これらの受容体の機能を変化させ
るもの、すなわちその受容体と結合して刺激するもの
や、受容体と結合して刺激を遮るもの、その刺激が細胞
内に伝達されることを阻害するものを得ることができれ
ば、白血球の機能を正や負に制御し、さらには、白血球
の機能の不足や過剰に起因する疾患の治療に役立つ物質
を得られることが予想される。
【0007】白血球の受容体としては、サイトカイン受
容体ファミリー、EGF(Epidermal Growth Factor)
受容体ファミリー、7回膜貫通型受容体ファミリーなど
種々の受容体蛋白質が知られており(The Leucocyte An
tigen FactsBook,アカデミックプレス、38-49, 1993
年)、その機能は多岐にわたっている。7回膜貫通型受
容体蛋白質ファミリーは、このような受容体ファミリー
の一つであり、G蛋白質共役型受容体(G-protein coup
led receptor)、ロドプシン型受容体などとも呼ばれ
る。白血球における7回膜貫通型受容体蛋白質の研究は
比較的新しく開始されており、いまだ数多くの未知の7
回膜貫通型受容体蛋白質が存在すると考えられている。
【0008】現在までに白血球に存在する7回膜貫通型
受容体蛋白質として同定されたものとしては、アナフィ
ラトキシンと結合する受容体群、ケモカインと結合する
受容体群、PAF(血小板活性化因子)と結合する受容
体などがある。例えば、アナフィラトキシンの受容体
は、好中球やマクロファ一ジの機能、例えば、活性酸素
の産生、化学遊走、細胞接着の活性化に関与している
(Bouley,F.ら、Biochemistry 30,2993-2999,1991
年)。ケモカインと結合する受容体群の一つ、マウスの
IL―8(インターロイキン8)受容体ホモログの欠損
マウスでは、炎症誘導物質の腹腔内投与による好中球浸
潤が減少したと同時に好中球増加症、骨髄やリンパ節で
の顆粒球、形質細胞の増加が観察された(飯笹久、松島
綱冶、臨床免疫、28,731-737,1996年)。
従って、これらの7回膜貫通型受容体蛋白質は、白血球
の増殖、分化、活性化、化学遊走等を制御している。こ
れらの受容体に作用する化合物のうち、疾患の治療剤と
して可能性があると考えられているものの中には、IL
−8,MCP−1(Monocyte Chemotactic Protein 1)
のように受容体に結合して刺激するものや、IL―8変
異体のように受容体と結合して刺激を遮るものがある
(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996年)。
【0009】7回膜貫通型受容体においては、多くの場
合、受容体とシグナル分子の関係は1対1対応に対応し
ているのではない。従って、疾患の治療を考えた場合に
はシグナル分子を知ることだけでは不十分である。例え
ば、セロトニンの場合には、セロトニンという単一のシ
グナル分子に対し、イオンチャンネル型受容体という全
く異なるシグナル伝達経路の受容体を含む14種の受容
体が知られており、さらに、個々の受容体に特異的に結
合する化合物も知られており(1996 Receptor&Ion Chan
nel Nomenclature Supplement, Trends Pharmacol.Sc
i.、1996年)、それぞれ異なる疾患の治療への応用も考
えられている。また、ケモカイン群の場合には、単一の
シグナル分子が多数の受容体と反応すると同時に、単一
の受容体が多数のシグナル分子と反応する例も多く知ら
れている(C.A.Powerら、Trends Pharmacol.Sci.17,209
-213,1996年)。
【0010】従って、仮に単一のシグナル分子が疾患の
原因であるとしても、細胞の種類によって異なる受容体
が場合によっては複数存在し、疾患の原因である特定の
細胞群の機能を特異的に制御する場合には、その細胞に
作用するシグナル分子の特定よりもその細胞に発現して
いる受容体を特定することが重要となる。例えば、白血
球に作用するシグナル分子群ケモカイン群の場合、シグ
ナル分子RANTES(Regulated on Activation,Nor
mal T cell expressed and secreted)に対しては種々
の白血球が反応するが、好酸球にはケモカイン受容体の
一つCCR3が特異的に発現しており、好酸球を特異的
に制御する方法を検索する際には受容体CCR3が必要
となる(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996
年)。
【0011】さらに、これらの受容体の中にはウイルス
の感染の際の受容体として働くものがあることが知られ
ており(たとえば、Choe H. ら、Cell 85, 1135-1148,
1996年)、これらの受容体に結合する分子がウイルスの
感染を防ぐことも知られている(たとえば、Bleul C.C.
ら、Nature, 382, 829-833, 1996年)。こういった場合
にも、ウイルスの感染する細胞に発現する受容体を知る
ことが肝要となる。
【0012】現在に至るまで、白血球に作用するシグナ
ル分子のうち、例えば既知のケモカインのうちPF4,
HCC1などの受容体については7回膜貫通型受容体蛋
白質であると推定されているものの、受容体タンパク質
は同定されていない(Premack B.A.ら、Nature Medici
ne 2,1174-1178,1996年;Loetscher M.ら、J.Exp.Me
d.84,963-969,1996年)。特にケモカイン群について
は、さらに多くの新規ケモカインが存在すると推定され
ており(Howard,O.M.Z.ら、TIBTECH,14,46-51,1996
年)、さらに未知のケモカインに対する多くの受容体が
存在することが期待される。以上のように、白血球に作
用する分子の受容体はすべて理解されたわけではなく、
白血球にはさらに多くの7回膜貫通型受容体蛋白質が存
在し、かつ、それらの受容体の作用を変化させるものを
得ることによって、白血球の機能を制御し、ひいては、
疾患を制御する方法が得られると期待される。
【0013】7回膜貫通型受容体蛋白質に作用する内因
性の物質は様々な受容体に対し様々な物質が知られてい
る。例えば、生理アミンであるグルタミン酸、ドーパミ
ンはそれぞれグルタミン酸受容体群、ドーパミン受容体
群に結合する。また、ペプチドである神経ペプチドY,
エンドセリンはそれぞれ神経ペプチドY受容体群、エン
ドセリン受容体群に結合する(Watson,S.およびSteve
Arkinstall著、The G-protein linked receptor FactsB
ook, Academic Press Inc.、1994年)。これらの中に
は、ケモカイン群、PAFのように白血球に作用するこ
とが知られているものとそうでなものがある。
【0014】これらの7回膜貫通型受容体蛋白質を活性
化する物質は、天然・非天然を問わず、その物質と7回
膜貫通型受容体蛋白質、受容体を発現している細胞の3
者に依存して様々な細胞内シグナル分子の変動を引き起
こす。そのシグナル分子の変動は、例えば、細胞内cA
MP濃度の上昇・下降、イノシトールリン酸濃度の上
昇、細胞内カルシウム濃度の上昇、といった反応があり
(Watson,S.およびSteve Arkinstall著、The G-protei
n linked receptor FactsBook, Academic PressInc.,19
94年)、そのそれぞれを測定する方法も開発されてい
る。従って、これらの反応を測定することにより、特定
の物質が特定の7回膜貫通型受容体蛋白質を活性化する
かどうかあるいはその活性化を妨げるかどうかを判断す
る事ができる。このような物質が7回膜貫通型受容体蛋
白質と結合して生じる、増殖・遺伝子発現の変動・化学
遊走などの生理学的な現象を観察する方法も知られてお
り、同じく、特定の物質が特定の7回膜貫通型受容体蛋
白質を活性化するかどうかあるいはその活性化を妨げる
かどうかを判断することができる。
【0015】このように7回膜貫通型受容体蛋白質に作
用する物質の同定方法としては種々の方法が知られてお
り、これらの方法を利用するためには、7回膜貫通型受
容体蛋白質を同定することが肝要である。こういった考
察に基づくと、白血球の機能を制御し、疾患の制御を行
うためには、これまで知られていない7回膜貫通型受容
体を取得することが大きな課題である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、白血球
の機能を制御し、疾患をコントロールする手法はいまだ
完成されていない。その最大の原因は、疾患と関連した
白血球の機能を制御している受容体蛋白質、特に7回膜
貫通型受容体蛋白質が同定されていない点にある。本発
明の課題は、新規な7回膜貫通型受容体蛋白質、またそ
の蛋白質をコードするcDNA,その蛋白質の発現系、
この蛋白質の応用、さらにその蛋白質の抗体を提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、白血球に
新規7回膜貫通型受容体が存在することを予想し、これ
らが白血球の機能を制御する医薬品の探索に役立つと考
えた。そこで実際に白血球に発現している新規な7回膜
貫通型受容体蛋白質cDNAを取得するために、Differ
ential Display法(例えば、Liang,P.ら、Curr.Biol.
7,274-280,1995年)、RDA法(Lisitsyn, N.ら、Sci
ence 259, 946-951,1993年)、degenerative PCR法(In
nis M.A.ら、PCR Protocols, pp39-53,1990年)など種
々の方法を、種々のヒト組織、白血球、白血球細胞株な
どを材料に検討した。特にdegenerative PCR法について
は、実施例1に示すプライマーを一例とする20種以上
のプライマーを試験した。このような鋭意努力の結果、
白血球細胞株Jurkatより、本発明の7回膜貫通型受容体
蛋白質JEG62のcDNA断片を取得した。そのの
ち、そのcDNAコード領域全長を取得し、それがコー
ドする新規タンパク質の発現系を作成し、さらにその抗
体を作成することにより、本発明を完成した。
【0018】すなわち、本発明は配列表配列番号1に記
載のアミノ酸配列を含有する7回膜貫通型受容体蛋白質
JEG62に関する。また、配列表配列番号1に記載の
アミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする核
酸、これら核酸群の中から選ばれる核酸と、宿主細胞中
で発現可能なべクター核酸とを連結してなる組み換えD
NA体ベクター、これら組み換えDNA体ベクターによ
り形質転換された7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62
発現細胞、これらの細胞を培養し培養細胞から生産され
た化合物を採取する配列表配列番号1に記載のアミノ酸
配列を含有するポリペプチド(7回膜貫通型受容体蛋白
質JEG62)の製造方法に関する。また、本発明は、
この7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62に対するリガ
ンドのスクリーニング方法に関する。
【0019】さらに、本発明は、この7回膜貫通型受容
体蛋白質JEG62を特異的に認識する抗体に関する。
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62のアミノ
酸配列を、配列表配列番号1に示し、それらをコードす
るDNA配列を配列表配列番号2に示した。これらの配
列をデータベース(GenBankリリース100.0,April,199
7年)で比較したところ、これらは新規な配列であっ
た。また、特許配列データベースDGENE (Derwent Infor
mation Ltd.,JUN 15, 1997)で比較したところ、これら
は新規な配列であった。
【0020】また該7回膜貫通型受容体蛋白質JEG6
2の部分ペプチドを免疫原として各々に対する抗体(抗
体を含有する抗血清も含む)を作製し、この7回膜貫通
型受容体蛋白質JEG62の精製法を確立し、本発明を
完成した。以下、本発明を詳細に説明する。配列表にお
いて、配列番号1のアミノ酸配列は、本発明の7回膜貫通
型受容体蛋白質JEG62のアミノ酸配列である。
【0021】また、配列番号2の配列は本発明の7回膜貫
通型受容体蛋白質JEG62の全アミノ酸配列及びそれ
をコードしているcDNA配列であり、cDNA配列の
402番目のAから1523番目のGが構造遺伝子(ア
ミノ酸をコードしている部分)である。配列番号3の配
列は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62に相
補的なcDNA配列である。
【0022】配列表配列番号4および5は、白血球に発
現している既知の7回膜貫通型受容体蛋白質の配列より
デザインしたdegenerative PCR法のためのプライマーの
配列である。配列表配列番号6および7、8および9は
配列表配列番号2および3の配列をもとに設計したサブ
クローニング用のプライマーである。
【0023】なお、配列表に記載されたアミノ酸配列の
左端及び右端はそれぞれアミノ基末端(以下、N末とい
う)及びカルボキシル基末端(以下、C末という)であ
り、また塩基配列の左端及び右端はそれぞれ5’末端及
び3’末端である。また、表に関しては、表1は本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62と既知の遺伝子と
をアミノ酸配列での相同性を比較したものである。 Gen
etyx-Mac/DB Ver.37.0(Software Development Co.,Lt
d.)を用いてGenBank CDS(リリース100.0,April,199
7年)をサーチしたのち、上位10種についてGenetyx-Ma
c Ver.9.0(Software Development Co., Ltd.)を用い
てアミノ酸の同一度を計算させた結果である。表2は本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62と既知の遺
伝子とをcDNA配列での相同性を比較したものであ
る。 Genetyx-Mac/DB Ver.37.0を用いてGenBank(リリ
ース100.0,April,1997年)をサーチしたのち、上位
20種についてGenetyx-Mac Ver.9.0を用いてcDNA配
列の同一度を計算した結果である。
【0024】また、本発明で述べられる遺伝子操作に必
要なcDNAの作製、ノーザンブロットによる発現の検
討、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング、組
換えDNAの作製、DNAの塩基配列の決定、cDNA
ライブラリーの作製等の一連の分子生物学的な実験は通
常の実験書に記載の方法によって行うことができる。前
記の通常の実験書としては、たとえば、Molecular Clon
ing, A laboratory manual,1989年、Eds.,Sambrook,J.,
Fritsch,E.F., and Maniatis,T., Cold Spring Harbor
Laboratory Pressを挙げることができる。
【0025】本発明のポリペプチドは、少なくとも配列
表配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドを有
するが、自然界で生じることが知られている生物種内変
異、アレル変異等の突然変異及び人為的に作製可能な点
変異による変異によって生じる改変体も、配列表配列番
号1のポリペプチドの性質を失わない限り配列表配列番
号1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するものとして本発明の新規化合物に含まれ
る。そのアミノ酸の改変、置換に関しては例えばBennet
tらの特許出願(WO 96/2645)などに詳しく記載されて
おり、これらを参考にして作製することができ、これら
の方法によって改変、置換されたポリペプチドも本発明
に含まれる。
【0026】配列表配列番号1のアミノ酸配列から予想
されることとして、糖鎖が付加される部分がある。N-
グリコシド結合の共通配列は、Asn-X-Ser/Thrであるこ
とが知られているが、配列番号1で17番目のAsn
(Asn−Ala−Ser)がそれと同等な配列を有し
N―グリコシド修飾を受けている可能性がある。また、
N−アセチル−D−ガラクトサミンのO−グリコシド結
合を推定する部分として、セリンまたはスレオニン残基
が頻出する部分が考えられる。これらの糖鎖が付加され
たタンパク質の方がポリペプチドそのものよりも一般に
生体内での分解に対して安定であり、また強い生理活性
を有していると考えられる。したがって、配列番号1の
配列を含有するポリペプチドのアミノ酸配列の中にN−
アセチル−D−グルコサミンやN−グルコシドやN−ア
セチル−D−ガラクトサミンなどの糖鎖がN−グリコシ
ドあるいはO−グリコシド結合してなるポリペプチドも
本発明に含まれる。
【0027】また、実施例1に示すように、本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の天然のcDNA断
片は白血病細胞Jurkatの亜株Jurkat Z1
8に由来するcDNAから取得された(亜株Jurka
t Z18は受託番号:FERM BP-5866とし
て平成9年3月11日に日本国通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託されている)。従って、本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62のmRNA
は白血球細胞に発現していることが示された。また、実
施例3に示したように本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質JEG62の天然のmRNAは白血球の多いと考えら
れるヒト組織、脾臓および胸腺に検出された。また、本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の天然のc
DNA断片はバーキットリンフォーマ細胞株Rajiに
由来するcDNAから取得された。従って、これらの材
料を用いても、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JE
G62の天然のcDNAを取得することができる。mR
NAは、細胞内のメカニズムにより蛋白質へと翻訳され
るので、白血球における本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質JEG62の天然のmRNAの検出は7回膜貫通型
受容体蛋白質JEG62の発現と同等と考えられる。
【0028】これら配列番号1で表されるアミノ酸配列
を含有する7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62または
その塩、または、その蛋白質の部分ペプチドまたはその
塩は、診断を目的とした抗体の作成や、治療を目的とし
た医薬品の検索に有用である。配列番号1のアミノ酸配
列をデータベース(GenBank CDS(リリース100.0,Apri
l,1997年),GenBankリリース100.0,April,1997
年)で比較したところ、これらは新規な配列であった。
該アミノ酸配列をKyte-Doolittleの方法(J.Mol.Biol.1
57:105, 1982)に従って、アミノ酸配列から疎水性部
分、親水性部分を解析した。その結果、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62は細胞膜通過部分を7つ
有する細胞膜蛋白質として、細胞表面に発現されること
が明らかとなった。
【0029】表1に本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質
JEG62と上記データベースとの比較で類似度が高い
とされた、これまで知られている7回膜貫通型受容体蛋
白質の配列の相同性の比較を示した。本発明の7回膜貫
通型受容体蛋白質JEG62は、既知のヒトおよびその
他のほ乳類の7回膜貫通型受容体蛋白質と30%程度の
相同性を示し、新規なヒト7回膜貫通型受容体蛋白質で
あることが示された(表1)。既知の受容体の種間の相
同性は、例えば、アンジオテンシン受容体Iaの場合、
ヒト(Swiss-Prot Entry AG2R-Human)とラット(Swiss
-Prot Entry AC22-Rat)問で90%を越える。従って、
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62はこれま
でヒト以外の種で知られている受容体蛋白質のヒトにお
ける対応物ではないと考えられる。しかし、ほかの7回
膜貫通型受容体蛋白質との相同性がせいぜい30%であ
り、本発明のペプチドJEG62が7回膜貫通型受容体
に属する蛋白質であることがこのことからも示された。
これらの相同性から期待される既知のリガンドとして
は、例えば、ケモカイン群やソマトスタチン、アンジオ
テンシン、ブラディキニンなどの小ペプチドのホルモン
などが挙げられる。
【0030】
【表1】
【0031】また、配列表配列番号1のアミノ酸配列か
らなるポリペプチドをコードする本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質の天然のcDNA配列については、配列表
配列番号2にアミノ酸配列とともに示した。これらの遺
伝子配列に関し、アミノ酸レベルの変異がなくとも、自
然界から分離した、染色体DNA,またはcDNAにお
いて、遺伝コードの縮重により、そのDNAがコードす
るアミノ酸配列を変化させることなくDNAの塩基配列
が変異した例はしばしば認められる。また、5’非翻訳
領域及び3’非翻訳領域はポリペプチドのアミノ酸配列
の規定には関与しないので、それらの領域のDNA配列
は変異しやすい。このような変異や遺伝コードの縮重に
よって得られる塩基配列も本発明のDNAに含まれる。
以下、これらDNA群を本発明のDNAとよぶ。
【0032】配列表配列番号1で表されるアミノ酸配列
と実質的に同等なポリペプチドをコードする本発明のD
NAは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62
を製造する上で有用である。配列表配列番号2のDNA
配列をデータベース(GenBankリリース100.0,April,1
997年)で比較したところ、これは新規な配列であっ
た。表2に配列番号2の7回膜貫通型受容体蛋白質JE
G62のcDNA配列とこれまで知られている7回膜貫
通型受容体蛋白質のcDNAの配列の相同性の比較を示
した。本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の
cDNAは、既知のヒトおよびその他のほ乳類の受容体
と55%以下の相同性を示し、新規なヒトの7回膜貫通
型受容体蛋白質cDNAであることが示された。既知の
受容体cDNAの種間の相同性は、例えば、アンジオテ
ンシン受容体の場合、ヒト(GenBank Entry HSU20860)
とラット(GenBank Entry S67465)間で84%程度であ
る。従って、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62はcDNA配列からみてもこれまでヒト以外の種で
知られている受容体蛋白質のヒトにおける対応物ではな
いと考えられる。また、他の遺伝子との相同性が55%
以下であるので、他の既知の遺伝子を用いて一般的に行
われているクロスハイブリダイゼーションを用いたスク
リーニングでクローニングすることは困難であると考え
られる。
【0033】
【表2】
【0034】実際に、クロスハイブリダイゼーションの
アプローチを用いた例も数多くあるが、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62はクローニングされてい
ない(例えば、Murphy,P.M.ら、Science 253,1280-128
3,1991年; Combadiere C.ら、J.Biol.Chem.270, 164
91-16494,1995年)。実施例3に示すように、本発明の
7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62のcDNA配列の
一部を用いてNorthern解析を行ったところ、既知の受容
体遺伝子と考えられる転写産物は検出されなかった。ま
た、実施例2に示すように、本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質JEG62のcDNA配列の一部を用いてcD
NAライブラリースクリーニングを行ったところ、既知
の受容体遺伝子と考えられるクローンは検出されなかっ
た。このことから、実際に既知の遺伝子を用いたクロス
ハイブリダイセーションを用いたスクリーニングでクロ
ーニングすることは困難であることが示された。
【0035】配列番号2で示される塩基配列を有するD
NAは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62
を作成する上で、また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質JEG62の詳細な機能を検討する上で有用であ
る。さらに、配列表配列番号2の遺伝子配列の少なくと
も一部の遺伝子配列を有する12merから16mer
以上、さらに望ましくは20mer以上の核酸、及びそ
の誘導体、および/または、配列表配列番号3の遺伝子
配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12mer
から16mer以上、さらに望ましくは20mer以上
の核酸、及びその誘導体、を用いれば、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62のcDNAクローン、c
DNA,ゲノムDNA,ゲノム遺伝子クローンなどを検
出することができる。必要な核酸の長さはその配列の特
異性、検出しようとしている核酸との結合の安定性によ
って異なるが、DNAを用いてPCRによって検出する
場合には、Tm(2本鎖解離温度)が摂氏45度以上で
あることが望ましい。PCRのようにDNA同志が結合
する場合には、一つのGC結合を4度とし、一つのAT
結合を2度として合算し、Tmを推定することができ
る。従って、GCコンテントが高い場合には12mer
の、一般的な50%ぐらいのGCコンテント領域で16
merの核酸が必要となる。よりDNAとの結合が安定
な核酸誘導体を用いる場合にはさらに短い核酸を用いて
検出することが可能である。ハイブリダイゼーションに
よるcDNAクローンの検出の例は、実施例2に示し
た。例えば、遺伝子診断を目的としてこれらの遺伝子を
調べる方法として、配列表配列番号2および3の一部の
遺伝子配列を有する12merから16mer以上、さ
らに望ましくは20mer以上の核酸、つまりDNA,
RNA,及びそれらがメチル化、メチルフォスフェート
化、脱アミノ化、またはチオフォスフェート化された誘
導体を用い、ハイブリダイゼーション、PCR等の手法
によって行うことがあげられる。同様な方法でマウス等
の他の生物の本発明の遺伝子のホモログの検出や遺伝子
クローニングができる。さらに、ヒトを含めたゲノム上
の遺伝子のクローニングも同様に可能である。従って、
そのようにしてクローニングされたこれら遺伝子を用い
れば、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の
更に詳細な機能も明らかにすることが出来る。例えば、
近年の遺伝子操作技術を用いれば、トランスジェニック
マウス、ジーンターゲッティングマウス、また、本発明
の遺伝子と関連する遺伝子を共に不活化したダブルノッ
クアウトなどのあらゆる方法を用いることが出来る。ま
た、本発明の遺伝子のゲノム上の異常があれば、遺伝子
診断、遺伝子治療への応用も可能である。
【0036】配列表配列番号3の遺伝子配列の少なくと
も一部の遺伝子配列を有する12merから16mer
以上、さらに望ましくは20mer以上の核酸、及びそ
の誘導体、をコードするDNAを用いれば、実施例3に
示したように本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62 mRNAの検出が可能である。たとえば、診断を
目的としてこれらの遺伝子の発現を調べる方法として、
配列表配列番号3の一部の遺伝子配列を有する12me
rから16mer以上、さらに望ましくは20mer以
上の相補し得る核酸、つまりアンチセンスDNA,RN
A,及びそれらがメチル化、メチルフォスフェート化、
脱アミノ化、またはチオフォスフェート化された誘導体
すなわちアンチセンス核酸を用い、ハイブリダイゼーシ
ョン、プライマーエクステンション、ヌクレアーゼ・プ
ロテクション・アッセイ等の手法によって行うことが出
来る。また、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62の更に詳細な機能を明らかにすることを目的とし
て、細胞や生体へのアンチセンス核酸の投与も考えられ
る利用法である。本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質J
EG62の過剰な反応が病態となっている疾患について
は、これらアンチセンス核酸により遺伝子の発現を抑え
ることによって、治療を行うことも可能である。また、
アンチセンス核酸を適当なベクターに組み込み、そのベ
クターを用いることも可能である。これらアンチセンス
核酸の作成例・使用例についてはMurray,J.
A.H.編、ANTISENSE RNA AND D
NA,Wiley−Liss,Inc.,1992年、
に詳しい。
【0037】以上のように、配列表配列番号2の遺伝子
配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12mer
から16mer以上、さらに望ましくは20mer以上
の核酸、及びその誘導体、及び配列表配列番号3の遺伝
子配列の少なくとも一部の遺伝子配列を有する12me
rから16mer以上、さらに望ましくは20mer以
上の核酸、及びその誘導体、は診断などに有用であり、
配列表配列番号3の遺伝子配列の少なくとも一部の遺伝
子配列を有する12merから16mer以上、さらに
望ましくは20mer以上の核酸、及びその誘導体は診
断、治療などに有用である。
【0038】本発明の核酸を含有するベクターとして
は、例えば大腸菌由来のpBR322,pUC8,pU
C19,pUC18,pUC119(いずれも日本国宝
酒造社製)などが挙げられるが、その他のものであって
も宿主内で複製増殖できるものであればいずれも用いる
ことができる。実施例4にベクターとしてpTarge
Tを、宿主として大腸菌を用いた例を示した。また本発
明のDNAを含有するファ一ジベクターとしては、例え
ばλgt10,λgt11(米国Stratagene社製)などが挙げら
れるが、その他のものであっても宿主内で増殖できるも
のであれば用いることができる。このようにして、得ら
れたベクターは適当な宿主、例えばエシェリヒア(Esch
erichia)属菌、バチルス(Bacillus)属菌、などにカ
ルシウムクロライド法等を用いて導入し、本発明のDN
Aを含有するベクターを保持する形質転換体を作成する
ことができる。上記エシェリヒア属菌の例としては、エ
シェリヒア コリ K12 HB101,MC106
1,LE392,JM109、INVαF’などが挙げ
られる。上記バチルス属菌の例としてはバチルス サチ
リスM1114等が挙げられる。また、ファージベクタ
ーは、例えば増殖させた大腸菌にインビトロパッケージ
ング法(Proc.Natl.Acad.Sci.71:2442-, 1978)を用い
て導入することができる。 尚、本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質JEG62の全アミノ酸配列をコードする
cDNAを含むプラスミドpJEG62BSを大腸菌I
NVαF’に遺伝子導入した形質転換細胞(実施例2)
E.coli:INVαF’−pJEG62BSは、日
本国通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に平
成9年7月4日に受託番号:FERM BP―6007
として寄託されている。
【0039】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62をコードする塩基配列を有する核酸を含有するベク
ターは、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62
をコードする塩基配列を有する核酸を製造する上で、ま
た、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の核
酸を保持する形質転換体を作成する上で有用である。上
記の方法にて作成した本発明の核酸を用いた7回膜貫通
型受容体蛋白質JEG62の発現には、成書によって知
られている(Kriegler, Gene Transfer andExpression-
A Laboratory Manual, Stockton Press,1990;および横
田ら、バイオマニュアルシリーズ4,遺伝子導入と発現
・解析法、羊土社、1994)、多数の方法が用いられ
る。すなわち、分離した7回膜貫通型受容体蛋白質JE
G62のアミノ酸配列をコードするcDNAを適当な発
現ベクターにつなぎ、動物細胞、昆虫細胞などの真核細
胞、バクテリアなどの原核細胞を宿主として生産させる
ことができる。
【0040】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62を発現させる際に、本発明のポリペプチドをコード
する核酸はその5’末端に翻訳開始コドンを有し、ま
た、3’末端には翻訳終止コドンを有していてもよい。
これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な合成
核酸アダプターを用いて付加することもできる。更に該
DNAを発現させるには上流にプロモーターを接続す
る。ベクターとしては上記の大腸菌由来プラスミド、枯
草菌由来プラスミド、酵母由来プラスミド、あるいはλ
ファージなどのバクテリオファージおよびレトロウィル
ス、ワクシニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げ
られる。
【0041】本発明に用いられるプロモーターとして
は、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモー
ターであればいかなるものでもよい。形質転換する際の
宿主がエシェリヒア属菌である場合は、tacプロモー
ター、trpプロモーター、lacプロモーターなどが
好ましく、宿主がバチルス属菌である場合にはSPO1
プロモーター、SPO2プロモーターなどが好ましく、
宿主が酵母である場合にはPGKプロモーター、GAP
プロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿
主が原核細胞である場合には、プロモーターとともにリ
ボゾーム結合部位をもつことが好ましい。
【0042】宿主が動物細胞である場合には、SV40
由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモーター、
メタルチオネインプロモーター、ヒートショックプロモ
ーターなどが利用できる。本発明のポリペプチドを発現
させる時、配列表配列番号1のアミノ酸配列と実質的に
同等な蛋白質をコードする核酸のみでもよいが、膜表面
への発現を保証する必要のある場合には、既知シグナル
ペプチドをコードする核酸をN末に付加したり、産生さ
れたポリペプチドの検出を容易にするための既知抗原エ
ピトープをコードする核酸を付加することで、特別の機
能を付加した蛋白質を生産させることもできる。このよ
うな技術の一つの例として、Choe,H.ら、Cell,85,1135
-1148, 1996年を挙げることができる。
【0043】本発明者らは、実施例4に示したごとく、
7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62を発現する発現ベ
クターとして配列表配列番号2に記載のアミノ酸配列を
コードするDNAを発現ベクターpTargeT(Prom
ega社)につなぎ、本発明のDNAを含む発現ベクター
を作製した。このようにして構築された7回膜貫通型受
容体蛋白質JEG62をコードするDNAを含有する発
現ベクターを用いて、本発明のDNAを含むベクターを
保持する形質転換体を製造する。
【0044】宿主としては例えばエシェリヒア属菌、バ
チルス属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。動物細
胞としては、例えばサル細胞であるCOS―7,Ver
o細胞、チャイニーズハムスター細胞CHO,カイコ細
胞SF9などが挙げられる。このようにして得られる本
発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62をコードす
る塩基配列を有する核酸を含有するベクターは、本発明
の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62を産生する上で
有用である。
【0045】実施例5,7に示したごとく、上記の発現
ベクターを遺伝子導入し、7回膜貫通型受容体蛋白質J
EG62をCHO細胞、293細胞などで発現させ、こ
れら発現プラスミドで形質転換された形質転換体が得ら
れる。これらの形質転換体は本発明の7回膜貫通型受容
体蛋白質JEG62を産生する上で有用である。本発明
の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62と実質的に同等
な蛋白質をコードする塩基配列を有する核酸を含有する
ベクターを保持した形質転換体を作成し、それぞれ公知
の方法により、適当な培地中で適当な培養条件により培
養することによって、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白
質JEG62またはその塩を製造することができる。例
えば実施例5のようにWestern blottingを用いたり、ま
た、FACSによって検査することにより、7回膜貫通
型受容体蛋白質JEG62の生産を確認することができ
る。
【0046】このようにして作成した、本発明の7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62またはその塩を用いて、
本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62のリガン
ドを決定することができる。そのためには、まず、リガ
ンド候補である試験化合物を、純化した、または、未精
製の、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62と
接触させ、試験化合物の本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質JEG62に対する結合もしくはその結合により引
き起こされる反応を測定する。試験化合物の本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質JEG62に対する結合を測定
する場合には、純化した、または、未精製の本発明の7
回膜貫通型受容体蛋白質JEG62と試験化合物を接触
させ、複合体量および/または未結合の試験化合物量を
測定する。複合体量および/または未結合の試験化合物
量を測定する方法としては、例えば、放射性化合物や色
素などを用いて試験化合物を標識し、複合体と未結合の
試験化合物を分離し、標識を用いて複合体量および/ま
たは未結合の試験化合物量を測定する。この一つの例を
実施例6に示した。
【0047】受容体と結合する化合物が知られている場
合には、その化合物を標識し、試験化合物が標識化合物
と競合するかどうかをもって、試験化合物の結合を測定
することもできる。これらの方法の例として、浅沼幹人
ら、実験医学11,22−29,1993年に挙げられ
ている方法がある。そのほかにも、SPA(Scintillat
ion Proximity Assay)のように複合体と未結合の試験
化合物を分離せずに測定する方法もある。
【0048】一方、試験化合物と本発明の7回膜貫通型
受容体蛋白質JEG62の結合によりひき起こされる反
応を測定する場合には、本発明の7回膜貫通型受容体蛋
白質JEG62の共役しているシグナル伝達系によって
様々な方法が考えられる。このような方法として、例え
ば唐木英明ら編、実験医学7,pp26−109,19
89年のように細胞内カルシウムを測定する方法、Sams
on,M.ら、Biochem.35,pp3362-3367,1996年のようにマ
イクロフィジオメーターを用いる方法、細胞内cAMP
の量を測定する方法、などがある。リガンドとの結合に
よって引き起こされる反応を測定する1つの例を実施例
7に示した。これらJEG62蛋白質もしくはその塩、
または、その部分ペプチドまたはその塩と試験化合物を
接触させるJEG62蛋白質に対するリガンドを決定す
る方法は7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62に結合し
て白血球細胞の反応を制御する、疾患の治療を行う物質
を検索する上で有用である。
【0049】さらに上記のようにして、リガンド、すな
わち、7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62に作用する
ものを発見した場合には、その作用の変化、すなわち、
その活性化を行ったり、活性化を阻害したりする物質を
検索することが可能である。そのことは、(i)7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62もしくはその塩またはそ
の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンドを接触させ
た場合と(ii)7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62も
しくはその塩またはその部分ペプチドもしくはその塩
に、リガンドおよび試験化合物を接触させた場合との比
較を行うことによって行うことができる。その一つの例
を実施例8に示した。この方法は、7回膜貫通型受容体
蛋白質JEG62に作用して白血球細胞の反応を制御す
る、疾患の治療を行う物質を検索する上で有用である。
【0050】7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62を特
異的に認識する抗体は実施例10に示したようにして作
製することができる。抗体を作製するためのペプチドの
長さは特に限定されないが、JEG62蛋白質を特徴づ
けられる長さがあればよく、好ましくは6アミノ酸以
上、特に好ましくは8アミノ酸以上のペプチドを用いれ
ばよい。このペプチドをそのまま、またはKLH(keyh
ole-limpet hemocyanin)やBSA(bovine serum albu
min)といったキャリア蛋白質と架橋した後に必要に応
じてアジュバントと共に動物へ接種せしめ、その血清を
回収することでJEG62蛋白質を認識する抗体(ポリ
クローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。ま
た、抗血清より抗体を精製して使用することも可能であ
る。接種する動物としては、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ウサ
ギ、マウス、ラット等であり、特にポリクローナル抗体
作製にはヒツジ、ウサギが好ましい。また、ハイブリド
ーマ細胞を作製する公知の方法によりモノクローナル抗
体を得ることも可能であるが、この場合にはマウスが好
ましい。また、配列表配列番号1に示したアミノ酸の全
長または6残基以上、望ましくは8残基以上のアミノ酸
配列をGST(グルタチオン S―トランスフェラー
ゼ)などと融合させたものを精製して、または未精製の
まま、抗原として用いることもできる。このような抗原
の作成の一例を実施例9に示し、抗体の作成の一例を実
施例10に示した。成書(Antibodies a laboratory ma
nual, E.Harlow et al., Cold Spring Harbor Laborato
ry)に示された各種の方法ならびに遺伝子クローニング
法などにより分離されたイムノグロブリン遺伝子を用い
て、細胞に発現させた遺伝子組換え体抗体によっても作
製することができる。このように作製された抗体は本発
明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62の精製に利用
できる。
【0051】また、実施例10に示したこれらの7回膜
貫通型受容体蛋白質JEG62を特異的に認識する抗体
を用いれば、本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
62の検出、測定が可能であり、細胞の分化異常を伴う
疾患、例えば悪性腫傷、ウイルス感染などの疾患の診断
薬として使用でき得る。また、実施例5に示すように、
この検出、測定には、Western Blotting, FACS(Fluore
scence Activated Cell Sorter)などを用いることがで
きる。FACSを用いた臨床診断の例は、例えば、天神
美夫ら編、フローサイトメトリーハンドブック、サイエ
ンスフォーラム社、1984年、の第4部 フローサイ
トメトリーの臨床医学への応用、に示されている。これ
ら検出、測定については、Western Blotting(Immunobl
otting)に関してはAntibodies laboratory manual, E.
Harlow et al., Cold Spring Harbor Laboratory, pp4
71-510にその方法の詳細が、免疫沈降、免疫測定な
どに関しては、同書pp421−470,pp553−
612にそれぞれ詳細が記されている。FACSの際の
細胞の染色については、高津聖志、瀧伸介、免疫研究の
基礎技術、羊土社、1995年、pp16−61に、F
ACSの操作については、天神美夫ら編、フローサイト
メトリーハンドブック、サイエンスフォーラム社、19
84年に詳細が示されている。
【0052】以上のように、配列表配列番号1で表され
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とする7回膜貫通型受容体蛋白質JEG6
2またはその塩、またはその部分ペプチドもしくはその
塩に対する抗体は本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質J
EG62を発現している細胞を同定する上で有用であ
る。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に発明を実施する形態につい
て例を示すが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0054】
【実施例1】 新規7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62断片の取得 白血球細胞Jurkat E6−1(ATCC TIB
−152)はATCC(American Type
Cell Culture Collection)よ
り入手し、IL―2(インターロイキン2)産生能の高
い亜株をさらに選択し、Jurkat Z18株と命名
した。この細胞株は、前述のように日本国通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号:FERM
BP−5866として寄託されている。これを拡大培
養して保存し実験に用いた。細胞はセルバンカー(十慈
化学工業(株))に1mlあたり約107の濃度で懸濁し、
液体窒素液漕にて凍結保存した。通常の培養の際には、
培地はRPMI1640(GIBCO BRL Cat.No.22400-07
1)を用い、最終濃度10%のFBS(Fetal BovineSeru
m;GIBCO BRL Cat.No.10099-141;摂氏56度20分間熱
処理して非働化した)、100分の1量のPenicillin-S
treptomycin溶液(大日本製薬(株)Cat.No.16-70D
-49DN)を加えた。104細胞/mlから105細胞/mlにな
るように細胞を加え、摂氏37度,5%二酸化炭素、湿
度100%で培養し、106細胞/ml前後になった時点でピ
ペットでよく混合した後に新しい培地に植え替えた。
【0055】全体で約5×107個の細胞を培養し、10
00rpmで15分の遠心(KS−8300型、久保田
製作所、RS3000/6型ローター)後、上清を吸引
・廃棄し、PBS(Phosphate Buffered Salts;大日本
製薬(株)製 Cat.No.28-103-05)を30ml加
え懸濁後、再度同じ条件で遠心した。以下、Quick Prep
mRNA Purification Kit(Pharmacia Biotech製)を用
い、製造者のプロトコル(Rev.4.XV-025-00-07)11〜
14頁に従って(second column purificationは行わな
かった)、mRNAを抽出した。エタノール沈殿後、Mo
lecular Cloning, A laboratory manual,1989, Eds. Sa
mbrook,J.,Fritsch,E.F., and Maniatis,T., Cold Spri
ng harbor Laboratory PressのE5,Spectrophotometric
Determination of the Amount of DNA or RNAに従って
定量した。1μgのmRNAを用い、SuperScript Choi
ce System for cDNA Synthesis(Life Technologies
製)を用いてcDNA合成を行った。プロトコル11〜
17頁(Protocol1および2)に従い、oligo(dT)プ
ライマーを用いて2重鎖(ds)DNAを合成した。そ
の後、フェノール・クロロフォルム抽出、エタノール沈
殿後、40μlの滅菌水に溶解した(これをcDNAサン
プルと呼ぶ)。
【0056】このcDNAサンプルのうち4μlを用い
てPCR(polymerase chain reaction)を行った。P
CRはTaqポリメラーゼ(宝酒造社製、コードR001
A)を用いた。酵素に添付のバッファーを5μl,酵素
に添付のdNTP mixture4μlと配列表の配列番号4に示
した合成オリゴヌクレオチドA および、配列表の配列番
号5に示した合成オリゴヌクレオチドBをそれぞれ20
0pmolを加え、最終容量50μlとした。
【0057】この混合物を、TaKaRa PCR thermal Cycle
r 480を用いて、摂氏95度1分、摂氏40度 2分、
摂氏72度3分を5サイクル行ったのち、摂氏95度1
分、摂氏50度2分、摂氏72度3分を25サイクル行
った。このPCR産物の一部を1.5%アガロース・ゲ
ル中で電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本ジ
ーン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約700b
pのcDNAが増幅されていることを確認した。このバ
ンドをゲルから切り出して Suprec01(宝酒造社製)で
精製後、TA cloningキット(Invitrogen社製)を用いて
クローニングした。すなわち、ベクターとしてpCRII Ve
ctor(Invitrogen社製、以下pCRIIという)を用い、ベ
クターと先のDNAとをそのモル比が1:3となるよう
に混ぜ合わせて、T4 DNAリガーゼ(Invitrogen社
製)にてベクターにDNAを組み込んだ。DNAが組み
込まれたベクターpCRIIを大腸菌One Shot Competent Ce
lls(Invitrogen社製)に遺伝子導入し、アンピシリン
(Sigma社製)を50μg/ml含むL-Broth(宝酒造社
製)半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度摂氏3
7度に放置し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同
濃度のアンピシリンを含むL-Broth液体培地2mlに植
え付け、8時間程度摂氏37度で震とう培養し、菌体を
回収し、ウィザードミニプレップ(Promega社製)を用
いて添付の説明書に従ってプラスミドを分離し、このプ
ラスミドを制限酵素EcoRIにて消化して、約700bp
のDNAが切り出されてくることで該PCR産物が組み
込まれていることを確認し、確認されたクローンについ
て、組み込まれているcDNAの塩基配列決定を行っ
た。
【0058】挿入cDNA断片の塩基配列の決定は、Ap
plied Biosystems社製の蛍光シークエンサーを用いて実
施した。シークエンスサンプルの調製はPRISM,Ready R
eaction Dye Terminator Cycle Sequencing Kit(Appli
ed Biosystems社製)を用いて行なった。0.5ml容
のマイクロチューブに9.5μlの反応ストック液、
4.0μlの0.8pmol/μlのT7プロモーター
プライマー(GIBCO BRL社製)および6.5μlの0.
16μg/μlのシークエンス用鋳型DNAを加えて混
合し、100μlのミネラルオイルを重層後、摂氏96
度30秒、摂氏55度15秒および摂氏60度4分を1
サイクルとするPCR増幅反応を25サイクル行ない、
摂氏4度で5分間保温した。反応後、80μlの滅菌精
製水を加えて撹梓し、遠心分離後、その水層を3回のフ
ェノール・クロロホルム抽出を行なった。100μlの
水層に10μlの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)お
よび300μlのエタノールを加えて撹栓後、室温、1
4,000rpmにて15分間の遠心を行ない沈殿を回
収した。沈殿を75%エタノールで洗浄後、真空下に2
分間静置して乾燥させ、シークエンス用サンプルとし
た。シークエンスサンプルは、4μlの10mMのED
TAを含むホルムアミドに溶解して摂氏90度,2分間
で変性後、氷中で冷却してシークエンスに供した。
【0059】116のクローンについてDNA配列決定
を行ったところ、1個のクローンが配列表配列番号2の
DNA配列の663番目から1307番目に対応する配
列を有していた(両端のプライマーの配列を含まな
い)。 GenBankリリース100.0,April,1997年のサーチ
の結果、この配列は7回膜貫通型受容体群と類似してい
ることが判明した(以下、この断片をJEG(Jurkat E
xpressed G-protein coupled Receptor)62断片とよ
ぶ)。
【0060】
【実施例2】 新規7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62全長遺伝子の
取得 ヒトBurkitt’sリンフォーマRaji細胞由来
のcDNAライブラリー(CLONTECH社、Cat# HL301
2b)からプラークハイブリダイゼーションにて全長c
DNAを持ったクローンの検索を行った。106個相当の
プラークをMolecular Cloning, A laboratory manua
l,1989,Eds.、Sambrook,J., Fritsch,E.F.,and Mania
tis,T., Cold Spring Harbor Laboratory Pressの2.109
-111,Immobilization of bacteriophage λ plaques o
n nitrocellulose filtersに従ってプレートし、出現し
たプラークをナイロンフィルター(Hybond N+;Amersh
am社製)に転写し、転写したナイロンフィルターをアル
カリ処理(1.5M NaCl,0.5M NaOHを染み込ませた濾紙上
に5分間放置)し、次いで中和処理(1.5M NaCl,0.5MTr
is-HCl(pH7.5)を染み込ませた濾紙上に5分間放置)を
2回行い、次に2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSS
C溶液は0.15M NaCl、15mMクエン酸pH7.0;以下SSC
と略す)中で5分間、2度振とう洗浄し風乾した。その
後、UVクロスリンカー(フナコシ社製、モデルCL-1
000)を用いて、このフィルターの紫外線照射を1200×1
60マイクロジュール/cm2で行った。このフィルターを用
いて放射性同位元素32Pにて標識されたヒト7回膜貫通型
受容体蛋白質遺伝子JEG62断片をプローブにしてハ
イブリダイゼーションを行った。
【0061】放射性同位元素32Pにて標識されたJEG
62断片プローブは以下のように作製した。すなわち、
JEG62断片が組み込まれたベクターpCRIIより、制
限酵素EcoRIにてベクターより切り出し、0.8%
アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、エチジウムブロ
マイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で観察
し、約700bpのバンドをゲルから切り出してGEN
ECLEAN IIKit(BIO101社製)を用い
て精製した。得られたDNA断片をDNAラベリングキ
ット(Megaprime DNA labeling
system:Amersham社製コードRPN1
607)を用いてラジオアイソトープ標識されたJEG
62断片のセンスおよびアンチセンスヌクレオチドを合
成した。すなわち、DNA100ngにプライマー液1
0μl、5×反応緩衝溶液20μl及び脱イオン水を加
えて全量を86μlとして沸騰水浴を5分間行い、その
後、α−32P −dCTP(アマーシャム社製、コード
AA 0005)10μl,及びKlenow酵素溶液
4μlを加えて、37°Cで10分間水浴し、放射標識
したJEG62断片を合成した。更にその後、セファデ
ックスカラム(Quick Spin Column
Sephadex G−50:独逸国ベーリンガーマン
ハイム社製)で精製し、5分間沸騰水浴をしたのち、2
分間氷冷後使用した。
【0062】前述の方法にて作成したフィルターを、各
々の成分の最終濃度が6倍濃度のSSC溶液、5倍濃度
のデンハルト液(和光純薬社製)、0.5%SDS(ド
デシル硫酸ナトリウム、和光純薬社製)、及び100μ
g/mlの沸騰水浴により変性したサケ精子DNA(S
igma社製)を含むハイブリダイゼーション液中に浸
し、65°Cにて2時間振とうしたのち、前述の方法で
32P標識されたプローブをハイブリダイゼーション液に
添加し、65°Cにて16時間振とうし、ハイブリダイ
ゼーションを行った。
【0063】次に、フィルターを0.1%SDSを含
む、各々の成分の最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸
し、室温で3回洗浄後、さらに同溶液で室温15分洗浄
した。洗浄を終了したフィルターを増感スクリーンを使
用して、−85°Cでオートラジオグラフィーを行っ
た。その結果、強く露光された部分のクローンを拾い、
再度プラークを蒔き直し前述の方法にてスクリーニング
を行い、完全に単独のクローンを分離した。
【0064】単離されたファージクローンのうち2クロ
ーンを以降の遺伝子配列決定に供した。Molecular Clon
ing, A laboratory manual,1989,Eds.,Sambrook,J.,
Fritsch,E.F., and Maniatis,T., Cold Spring Harbor
Laboratory Pressの2.70,の方法に従い、これらのすべ
てのクローンのファージを約109pfu(plaque formingun
it)調製し、Wizard lambda preps(Promega)を用いて
ファージDNAを精製し、制限酵素EcoRIにて消化し、
同様に制限酵素EcoRIで消化したプラスミドpBluescript
II KS(+)(Stratagene社製)に組み込んだ。これら
のクローンのDNA配列をDNAシークエンサーにより
解析し、配列表配列番号2にあるDNA配列を決定し
た。配列表配列番号2の402番目の塩基Aから152
3番目の塩基Gまでの塩基配列がJEG62の構造遺伝
子(タンパク質をコードしているDNA配列)である。
このJEG62の全構造遺伝子を含むcDNAを含むプ
ラスミドをpJEG62BSと命名した。
【0065】なお、このプラスミドpJEG62BSを
大腸菌INVαF’に導入した菌株E.coli: I
NVαF’−pJEG62BSは日本国通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所に受託番号:BPー60
07として寄託されている。
【0066】
【実施例3】 Northern解析 実施例1,2で得られたヒト7回膜貫通型受容体蛋白質
JEG62の各臓器におけるmRNA発現をNorth
ernで解析した。Multiple Tissue
Northern(MTN)Blots フィルター
(CLONTECH社製、コード#7757−1、#7
759−1、#7760−1及び#7767−1)を用
い、5倍濃度のSSPE溶液(1倍濃度のSSPE溶液
は0.15M NaCl,10mM NaH2P04,1
mM EDTA,pH7.4)、10倍濃度のデンハル
ト液(和光純薬社製)、2%SDS(ドデシル硫酸ナト
リウム、和光純薬社製)、終濃度50%ホルムアミド
(和光純薬社製)、及び沸騰水浴により変性したサケ精
子DNA(100μg/ml;Sigma社製)を含む
ハイブリダイゼーション液中に浸し、42℃にて2時間
振とうしたのち、実施例2と同様の方法で32P標識され
たJEG62遺伝子EcoRI断片プローブをハイブリ
ダイゼーション液に添加し、42℃にて16時間振とう
し、ハイブリダイゼーションを行った。
【0067】次に、フィルターを0.1%SDSを含
む、各々の成分の最終濃度が2倍濃度のSSC溶液に浸
し、室温で3回洗浄後、さらに同溶液で室温15分洗浄
した。さらに、0.1%SDSを含む、各々の成分の最
終濃度が0.2倍濃度のSSC溶液で室温15分間洗浄
を行った。洗浄を終了したフィルターを増感スクリーン
を使用して、−85°Cでオートラジオグラフィーを行
った。JEG62は、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格
筋、膵臓、胃、甲状腺、脊髄、リンパ節、気管、副腎、
骨髄、脾臓、胸腺、前立腺、睾丸、卵巣、小腸、結腸、
末梢血に約4〜5Kbのバンドが認められた。またヒト
細胞株ではHL60、Hela S3,K562,MO
LT4,Raji,SW480,A549,G361に
バンドが認められた。
【0068】
【実施例4】 7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62発現ベクターの作
製 実施例2で単離されたJEG62全長遺伝子を含むプラ
スミドクローンを鋳型としてJEG62遺伝子のPCR
(polymerase chain reactio
n)を行った。PCRにはHigh Fidelity
Taqポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)
を用いた。このプラスミド溶液1μl(DNA5ngを
含む)に脱イオン水37.5μl、Taqポリメラーゼ
0.5μlと、Taqポリメラーゼに添付のバッファー
5μlと、2.5mM dNTPmixture(宝酒
造社製)4μlと、配列表配列番号6に示したオリゴヌ
クレオチドA(配列表配列番号2の402番目のAから
427番目のCの26塩基配列の5’末端にスペーサー
配列GCGと制限酵素BamHIの酵素配列GGATC
Cを加えたもの)、および配列表配列番号7に示したオ
リゴヌクレオチドB(配列表配列番号3の115番目の
Tから150番目のGまでの36塩基配列の相補的配列
の5’末端にスペーサー配列GCGおよび制限酵素Xb
aIの認識配列TCTAGAを加えた。また、配列表配
列番号7の25番目と27番目のTをGに変換した。こ
の結果、コードするアミノ酸には変異は起こらないが、
この遺伝子変換によって、制限酵素SACIIの切断部
位が形成される)を、それぞれ20ピコモルを加え、最
終容量50μlとした。
【0069】この混合物を、TaKaRa PCR t
hermal Cycler 480を用いて、94℃
3分、55℃1分、72℃2分を1サイクル行ったの
ち、94℃30秒、55℃1分、72℃2分を2サイク
ル行い、94℃30秒、65℃1分、72℃2分を21
サイクル行って、最後に94℃30秒、65℃1分、7
2℃7分の反応を行った。このPCR産物の一部を0.
8%アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、エチジウム
ブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で
観察し、約1150bpのcDNAが増幅されているこ
とを確認した。
【0070】残りのPCR反応溶液を0.8%アガロー
スゲル上で分離し、目的とする遺伝子産物をゲルから切
り出し、GENECLEAN IIを用いて、DNAの
精製を行った。この精製DNAをpTARGET(T
M) Mammalian Expression V
ector System (Promega社製)を
用い、添付のプロトコールに従って、 pTARGET
(TM) ベクターに組み込んだ。DNAが組み込まれ
たpTARGET(TM)を大腸菌INVαF’Com
petent Cells(Invitrogen社
製)に遺伝子導入し、アンピシリン(Sigma社製)
を50μg/ml含むL−Broth(宝酒造社製)半
固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37℃に放置
し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃度のアン
ピシリンを含むL−Broth液体培地2mlに植え付
け、18時間程度37℃で振とう培養し、菌体を回収
し、ウイザードミニプレップ(Promega社製)を
用いて添付の説明書に従ってプラスミドを分離した。こ
のプラスミドを制限酵素EcoRIにて消化して、約1
150bpのDNAが切り出されたクローンについて、
組み込まれているDNAの塩基配列決定を行い、JEG
62の発現ベクター、pJEG62を得た。
【0071】
【実施例5】 発現ベクターの細胞への遺伝子導入と発現 実施例4で作製した発現ベクターを293細胞(大日本
製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CRL−15
73)に遺伝子導入した。 遺伝子導入前の細胞の継代
は、MEM with Earles Salts(M
EMアール液体培地、大日本製薬(株)Cat.No.
12−102−54CN)を用い、10%、馬血清(摂
氏56度20分間熱処理して非働化した;ICN Bi
omedicals,Inc. Cat.No.292
1149)、100分の1量のPenicillin−
Streptomycin溶液(大日本製薬(株)Ca
t.No.16−70D−49DN)を加えた。細胞
は、5×104個/mlから5×105個/mlの濃度で
培地中に植え付け、摂氏37度、5%二酸化炭素、湿度
100%で培養し、コンフルエントになるまで培養し
た。培地を吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液(Cosm
o Bio Co.,Ltd.)処理により、細胞をプレート底面よ
りはがした。前記の培地(血清を含む)を加えて反応を
停止させた。その後、ピペッティングによって細胞を均
一に懸濁し、遠心して(1000rpm 15分;KS
−8300型、久保田製作所、RS3000/6型ロー
ター)回収し、新しい培地に再度懸濁し継代した。 遺
伝子導入は、Invitrogen社のキット(Ca
t.No.IV2780−1)を用いリン酸カルシウム
共沈法にて行い(添付のプロトコル6ページ)、本発明
の7回膜貰通型受容体蛋白質JEG62をコードするD
NAを保持する形質転換体を作成した。DNAは35m
mプレートあたり5μgを用いた。
【0072】膜画分の調製は、以下のように行った。p
JEG62を遺伝子導入した細胞およびpcDNA3プ
ラスミドを導入した細胞を24〜48時間培養した。そ
の後、培地はアスピレータで吸引し廃棄し、PBS(大
日本製薬(株)Cat.No.28-103-05)を用いて細胞
を洗浄し、その後1ml/プレートのPBSを加え、Cell
Scraper-L(住友ベークライト、Cat.No.MS-93300)を
用いてプレートからはがした。その後、1ml/3プレー
トのPBSを加え、プレートを洗浄し、回収した細胞に
加えた。この細胞懸濁液をPolytron(KINEMATIKA社製、
PT10-SK)で破砕し、マイクロチュープ用遠心機(トミ
ー精工、MRX-150型)で摂氏4度,13000xgで15分
間遠心した。上清を捨て、さらに2度PBSを加え懸濁
後、同じ条件で遠心した。バイオ・ラッド社のプロテイ
ンアッセイキットを用いて蛋白質を定量し、蛋白質量
が、1mg/mlになるようPBSを加えて調製した。この
懸濁液を膜画分調製液とした。
【0073】こうして得られた膜画分調製液を用いてウ
ェスタンブロッティング法にて7回膜貫通型受容体蛋白
質JEG62の発現を確認した。すなわち、膜画分をA
CIジャパン社製のSDS―PAGE用電気泳動槽及び
SDS―PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラジエ
ントゲル5〜15%)を用い、添付の取扱い説明書に従
ってSDS―PAGEをおこなった。サンプルは2―メ
ルカプトエタノール(2―ME)を加えて5分間の沸騰
水浴加熱処理により還元処理を行った。マーカーとして
はAmersham社製レインボーマーカー(高分子量用)を用
い、サンプルバッファ一、泳動バッファーについては添
付の取扱い説明書に従って作製した。SDS―PAGE
終了後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブランフィ
ルター(BioRad社製)に同社製ミニトランスプロットセ
ルにより転写した。
【0074】このように作製されたフィルターをブロッ
クエース(大日本製薬社製)、TBS―T(20mM Tri
s,137mM NaCl(pH7.6)、0.1%Tween 20)に
摂氏4度で一晩振とうしてブロッキングした。ECLウ
ェスタンブロッティング検出システム(Amersham社)に
添付の説明書に従い、一次抗体として実施例9に記載し
た抗JEG62抗血清を用い、二次抗体としてペルオキ
シダーゼ標識抗ウサギIgロバ抗体(Amersham社製)を
反応させた。
【0075】抗体の反応時間は各々室温で一時間反応さ
せ、各反応間はTBS―Tにて10分間室温で振とう洗
浄する操作を3回ずつ繰り返した。最後の洗浄後、フィ
ルターをECLウエスタンブロッティング検出システム
(Amersham社製)の反応液に5分間浸し、ポリ塩化ビニ
リデンラップに包んでX線フィルムに感光させた。分子
量マーカーとの比較の結果、約38〜42kDのバンドが
遺伝子導入をしたものについてのみ得られ、遺伝子導入
をしていない細胞には観察されなかった。
【0076】
【実施例6】 リガンドのスクリーニング 遺伝子導入を行わない293細胞とJEG62形質転換
体293細胞の膜画分を実施例5と同様にして調製し
た。膜画分調製液50μlもしくはPBS(大日本製薬
(株)Cat.No.28-103-05)と放射性標識された候
補化合物CGS 21680(Dupont NEN社、カタログ番号
NET-1021)50μl(終濃度100nM)、PBS
50μlを加え、全量を150μlとした。混合して
候補化合物と7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62を接
触させ、摂氏37度で30分間保温した後、マイクロチ
ューブ用遠心機(トミー精工、MRX−150型)で室
温、15000xgで15分間遠心し、JEG62蛋白
質と結合した候補化合物と結合していないものを分離し
た。その上清を1μlとり、10mlの液体シンチレー
ター用カクテル(Dupont NEN,ECONOFLUOR-2)に加
え、混合した。その後、Beckman LS6000LL型シンチレー
ションカウンターを使用して放射活性をカウントし、J
EG62遺伝子導入の有無で得られた放射活性を比較し
た。
【0077】その結果、得られた放射活性はJEG62
遺伝子導入の有無で差がなかった。
【0078】
【実施例7】 リガンドのスクリーニング 実施例4で作製した発現ベクターをCHO細胞(大日本
製薬(株)から入手可能、原ATCC番号CCL-61)に
遺伝子導入した。遺伝子導入前の細胞の継代は、F-12
Nutrient Mixture(HAM培地、GIBCO BRL
カタログ番号11765-047)を用い、最終濃度10
%のFBS(Fetal Bovine Serum; GIBCO BRL Cat.No.
10099-141;摂氏56度20分間熱処理して非働化し
た)、100分の1量のPenicillin-Streptomycin溶液
(大日本製薬(株)Cat.No.16-70D-49DN)を加え
た。細胞は、5×104個/mlから5×105個/mlの濃度
で培地中に植え付け、摂氏37度、5%二酸化炭素、湿
度100%で培養し、コンフルエントになるまで培養し
た。培地は吸引・廃棄し、EDTAトリプシン液(Co
smo Bio Co.,Ltd.)処理により、細胞
をプレート底面よりはがした。前記の培地(血清を含
む)を加えて反応を停止させた。その後、ピペッティン
グによって細胞を均一に懸濁し、遠心して(1000r
pm 15分;KS−8300型、久保田製作所、RS
3000/6型ローター)回収した。新しい培地に再度
懸濁し、継代した。
【0079】遺伝子導入は、Invitrogen社のキット(Ca
t.No.IV2780-1)を用いリン酸カルシウム共沈法にて行
った(添付のプロトコル6ページ)。DNAは35mmプ
レートあたり5μg用いた。遺伝子導入後、約6時間後
に培地を新しいものと交換しさらに約48時間培養し
た。さらに培養上清を、種種の細胞濃度で400μg/ml
の濃度のネオマイシン(Geneticin,GIBCO BRL 181
1-023)を含む培地に植え替えた。その後、2週間前
後培養し増殖した細胞を発現細胞とした。
【0080】以上のように作成した7回膜貫通型受容体
蛋白質JEG62発現細胞を用いて、化学遊走の測定を
行った。リガンド候補物質としては、LPS(リポポリ
サッカライド)投与ラット血清を用いた。7週令のWist
arラットを(株)日本生物材料より購入した。サルモネ
ラミネソタRE595由来LPS(Sigma社製)を日本薬
局方生理食塩水に最終濃度1mg/mlになるように懸濁し
た。懸濁液をソニケーター(Branson)でソニケート
し、透明な液とした。これを日本薬局方生理食塩水で1
0倍に希釈し、400μl,尾静脈より投与した。投与後
約22時間後のラットをエーテル麻酔し開腹して心臓よ
り採血した。マイクロチュープ用遠心機(トミー精工、
MRX-150型)で摂氏4度,13000xgで15分間遠心
し、その上清を摂氏-20度で保存した。これを被検物質
溶液とした。
【0081】96穴マイクロプレートチャンバー(フナ
コシ(株)カタログ番号FE―2292-96)に96穴マ
イクロプレート(フナコシ(株)カタログ番号FE―2
300-02)および15μg/mlのフィブロネクチン(Sig
ma,PBS(大日本製薬(株)カタログ番号28-103
-05)中に溶解した)で処理した8μmのポアサイズの
フレームフィルター(フナコシ(株)カタログ番号FE
-2340-08)を据え付けた。下室には0.15%BSA
(Sigma社製)を含むRPMI 1640(GIBCO BRLカ
タログ番号22400-071)で被検物質溶液を10倍希釈して
加えた。上室には0.15%BSAを含むRPMI1640に
懸濁した7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62発現細胞
を加え、被検物質とJEG62蛋白質を接触させた。こ
の状態の96穴マイクロプレートチャンバーを5%二酸
化炭素、摂氏37度で5時間保温した。フィルターを固
定・染色して顕微鏡下で観察した。その結果、化学遊走
している細胞が観察された。
【0082】
【実施例8】 リガンドと桔抗する物質のスクリーニング JEG62形質転換CHO細胞を用い形質転換体の化学
遊走試験を行った。(i)実施例7で作製したJEG6
2形質転換CHO細胞に発現する7回膜貫通型受容体蛋
白質JEG62と実施例7に示したLPS投与ラット血
清をリガンドとして用いて実施例7と同様に化学遊走し
でいる細胞を観察した。さらに、(ii)実施例7の実験
の際に上室および下室に含まれる溶液に最終濃度100μ
MのNECAを加えて実施例7と同様に化学遊走してい
る細胞を観察した。そののち、(i)(ii)を比較した
が、両者に差はなかった。
【0083】
【実施例9】 JEG62の部分タンパク質の生産 融合タンパク質の生産、精製は以下のように行った。実
施例2に示したpJEG62BSを鋳型としてJEG6
2遺伝子のC末断片のPCR(Polymerase
Chain Reaction)を行った。PCRには
High Fidelity Taqポリメラーゼ(ベ
ーリンガーマンハイム社製)を用いた。このプラスミド
溶液1μl(DNA5ngを含む)に脱イオン水37.
5μl、Taqポリメラーゼ0.5μlと、Taqポリ
メラーゼに添付のバッファー5μlと、2.5mM d
NTP mixture(宝酒造社製)4μlと、配列
表配列番号8に示したオリゴヌクレオチドA(配列表配
列番号2のヌクレオチド1347番目のCから1373
番目のCまでの配列の5’側に制限酵素BamHIの認
識部位GGATCCとスペーサー配列GAGGを加えた
もの。)、および配列表配列番号9に示したオリゴヌク
レオチドB(配列表配列番号3の117番目のAから1
42番目のGまでの配列の5’側に制限酵素EcoRI
の認識部位GAATTCとスペーサー配列TGCGを加
えたもの。)を、それぞれ20ピコモルを加え、最終容
量50μlとした。
【0084】この混合物を、TaKaRa PCR t
hermal Cycler 480を用いて、94℃
3分、55℃1分、72℃2分を1サイクル行ったの
ち、94℃30秒、55℃1分、72℃2分を2サイク
ル行い、94℃30秒、65℃1分、72℃2分を21
サイクル行って、最後に94℃30秒、65℃1分、7
2℃7分の反応を行った。このPCR産物の一部を0.
8%アガロース・ゲル中で電気泳動を行い、エチジウム
ブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で
観察し、約210bpのcDNAが増幅されていること
を確認した。
【0085】残りのPCR反応溶液を制限酵素BamH
IおよびEcoRIで切断後、0.8%アガロースゲル
上で分離し、目的とする遺伝子産物をゲルから切り出
し、GENECLEAN IIを用いて、DNAの精製
を行った。この精製DNAをあらかじめ制限酵素Bam
HIおよびEcoRIで切断したベクターpGEX−4
T−2(Pharmacia Biotech)に組み
込んだ。DNAが組み込まれたプラスミドを大腸菌IN
VαF’Competent Cells(Invit
rogen社製)に遺伝子導入し、アンピシリン(Si
gma社製)を50μg/ml含むL−Broth(宝
酒造社製)半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度
37℃に放置し、現れてきたコロニーを無作為選択し、
同濃度のアンピシリンを含むL−Broth液体培地2
mlに植え付け、18時間程度37℃で振とう培養し、
菌体を回収し、ウイザードミニプレップ(Promeg
a社製)を用いて添付の説明書に従ってプラスミドを分
離した。このプラスミドを制限酵素EcoRIおよびB
amHIにて消化して、約200bpのDNAが切り出
されたクローンについて、組み込まれているDNAの塩
基配列決定を行い、JEG62のC末端部分タンパク質
の発現ベクター、pGST−JEG62を得た。
【0086】このpGST−JEG62を含む大腸菌I
NVαF’を一夜37℃で震とう培養し、アンピシリン
(Sigma社製)を100μg/ml含むL−Bro
th液体培地で10倍希釈し、600nmの吸光度が
0.6程度になるまでさらに37℃で震とう培養した。
isopropyl−beta−D−thiogala
ctoside(IPTG;Parmacia Bio
tech Catalog no.27−3054)を
終濃度1.0mM加え、3時間さらに37℃で震とう培
養した。以下、GST Purification M
odule (Parmacia Biotech C
atalog no.27−4570−01)を用い
て、添付のプロトコルに従って精製した。
【0087】
【実施例10】 JEG62蛋白質を認識する抗体の作成 配列表配列番号1の316番目のProから374番目
Glyまでのペプチドを実施例9に示すようにGST
(Glutathione S−transferas
e)融合タンパク質として大腸菌で生産し、精製後、免
疫原としてウサギに免疫した。精製した融合タンパク質
をフロイント完全アジュバントを用いてエマルジョンを
形成し、250μgを約2.5kgのウサギ1羽に背部皮
下投与し、その21日後、42日後および63日後にも
それぞれ等量の抗原をフロイント不完全アジュバントを
用いて同様に投与した。抗体価の測定後、全血の採血を
行い、血清を採取して、米国BioRad社製のエコノパック
血清IgG精製キットを用いて、添付の取扱い説明書に
従って、抗ヒトJEG62蛋白質ウサギポリクローナル
抗体を精製して作製した。
【0088】最初の投与から73日目にウサギより血液
を麻酔下頚動脈採血により採取後、血清を分離し抗血清
とした。
【0089】
【発明の効果】本発明の7回膜貫通型受容体蛋白質JE
G62は、白血球の機能を制御する医薬品を検索するこ
とに使用が可能である。
【0090】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:374 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Pro Thr Leu Asn Thr Ser Ala Ser Pro Pro Thr Phe Phe Trp Ala 5 10 15 Asn Ala Ser Gly Gly Ser Val Leu Ser Ala Asp Asp Ala Pro Met Pro 20 25 30 Val Lys Phe Leu Ala Leu Arg Leu Met Val Ala Leu Ala Tyr Gly Leu 35 40 45 Val Gly Ala Ile Gly Leu Leu Gly Asn Leu Ala Val Leu Trp Val Leu 50 55 60 Ser Asn Cys Ala Arg Arg Ala Pro Gly Pro Pro Ser Asp Thr Phe Val 65 70 75 80 Phe Asn Leu Ala Leu Ala Asp Leu Gly Leu Ala Leu Thr Leu Pro Phe 85 90 95 Trp Ala Ala Glu Ser Ala Leu Asp Phe His Trp Pro Phe Gly Gly Ala 100 105 110 Leu Cys Lys Met Val Leu Thr Ala Thr Val Leu Asn Val Tyr Ala Ser 115 120 125 Ile Phe Leu Ile Thr Ala Leu Ser Val Ala Arg Tyr Trp Val Val Ala 130 135 140 Met Ala Ala Gly Pro Gly Thr His Leu Ser Leu Phe Trp Ala Arg Ile 145 150 155 160 Ala Thr Leu Ala Val Trp Ala Ala Ala Ala Leu Val Thr Val Pro Thr 165 170 175 Ala Val Phe Gly Val Glu Gly Glu Val Cys Gly Val Arg Leu Cys Leu 180 185 190 Leu Arg Phe Pro Ser Arg Tyr Trp Leu Gly Ala Tyr Gln Leu Gln Arg 195 200 205 Val Val Leu Ala Phe Met Val Pro Leu Gly Val Ile Thr Thr Ser Tyr 210 215 220 Leu Leu Leu Leu Ala Phe Leu Gln Arg Arg Gln Arg Arg Arg Gln Asp 225 230 235 240 Ser Arg Val Val Ala Arg Ser Val Arg Ile Leu Val Ala Ser Phe Phe 245 250 255 Leu Cys Trp Phe Pro Asn His Val Val Thr Leu Trp Gly Val Leu Val 260 265 270 Lys Phe Asp Leu Val Pro Trp Asn Ser Thr Phe Tyr Thr Ile Gln Thr 275 280 285 Tyr Val Phe Pro Val Thr Thr Cys Leu Ala His Ser Asn Ser Cys Leu 290 295 300 Asn Pro Val Leu Tyr Cys Leu Leu Arg Arg Glu Pro Arg Gln Ala Leu 305 310 315 320 Ala Gly Thr Phe Arg Asp Leu Arg Ser Arg Leu Trp Pro Gln Gly Gly 325 330 335 Gly Trp Val Gln Gln Val Ala Leu Lys Gln Val Gly Arg Arg Trp Val 340 345 350 Ala Ser Asn Pro Arg Glu Ser Arg Pro Ser Thr Leu Leu Thr Asn Leu 355 360 365 Asp Arg Gly Thr Pro Gly 370
【0091】配列番号:2 配列の長さ:1640 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 TCTAGTTTGG TTCCTGTCAT CTCTGGGACA GGGAACCTCC AGCTCTCTCC CTGGGGTGGA 60 GGCTTGGGGC TGCCCTCCAT AGCGGGGTAA CTCTCCCTTC TCCCCTCCCT CTCTGCCATT 120 TAGAGCCCCT CTTACAGGCG GGCGCATGCA CATATACCCT GGCATTCAGG CTGTGCCTCG 180 CCCTGCCCCA CCTACCACCA ATCTTGACCA ACAGGAAGGT GGTGGGTTGT CCTTTCCACA 240 CCCCTCCCTC TGAGGTGTGG GCGTGGGCCA GGGCTCACCA GAGGCCCCAG AGAAGCACTT 300 AATTCTACAG CCTCCTTCCT AGAGCCTTCA GTGGCCTCTG CCAGTCTGGC AGACACTTGC 360 AGACCTCTCT TCTCAGCACC ACCAATCTCT GATGCCCTGC G ATG CCC ACA CTC AAT 416 Met Pro Thr Leu Asn 5 ACT TCT GCC TCT CCA CCC ACA TTC TTC TGG GCC AAT GCC TCC GGA GGC 464 Thr Ser Ala Ser Pro Pro Thr Phe Phe Trp Ala Asn Ala Ser Gly Gly 10 15 20 AGT GTG CTG AGT GCT GAT GAT GCT CCG ATG CCT GTC AAA TTC CTA GCC 512 Ser Val Leu Ser Ala Asp Asp Ala Pro Met Pro Val Lys Phe Leu Ala 25 30 35 CTG AGG CTC ATG GTT GCC CTG GCC TAT GGG CTT GTG GGG GCC ATT GGC 560 Leu Arg Leu Met Val Ala Leu Ala Tyr Gly Leu Val Gly Ala Ile Gly 40 45 50 TTG CTG GGA AAT TTG GCG GTG CTG TGG GTA CTG AGT AAC TGT GCC CGG 608 Leu Leu Gly Asn Leu Ala Val Leu Trp Val Leu Ser Asn Cys Ala Arg 55 60 65 AGA GCC CCT GGC CCA CCT TCA GAC ACC TTC GTC TTC AAC CTG GCT CTG 656 Arg Ala Pro Gly Pro Pro Ser Asp Thr Phe Val Phe Asn Leu Ala Leu 70 75 80 85 GCG GAC CTG GGA CTG GCA CTC ACT CTC CCC TTT TGG GCA GCC GAG TCG 704 Ala Asp Leu Gly Leu Ala Leu Thr Leu Pro Phe Trp Ala Ala Glu Ser 90 95 100 GCA CTG GAC TTT CAC TGG CCC TTC GGA GGT GCC CTC TGC AAG ATG GTT 752 Ala Leu Asp Phe His Trp Pro Phe Gly Gly Ala Leu Cys Lys Met Val 105 110 115 CTG ACG GCC ACT GTC CTC AAC GTC TAT GCC AGC ATC TTC CTC ATC ACA 800 Leu Thr Ala Thr Val Leu Asn Val Tyr Ala Ser Ile Phe Leu Ile Thr 120 125 130 GCG CTG AGC GTT GCT CGC TAC TGG GTG GTG GCC ATG GCT GCG GGG CCA 848 Ala Leu Ser Val Ala Arg Tyr Trp Val Val Ala Met Ala Ala Gly Pro 135 140 145 GGC ACC CAC CTC TCA CTC TTC TGG GCC CGA ATA GCC ACC CTG GCA GTG 896 Gly Thr His Leu Ser Leu Phe Trp Ala Arg Ile Ala Thr Leu Ala Val 150 155 160 165 TGG GCG GCG GCT GCC CTG GTG ACG GTG CCC ACA GCT GTC TTC GGG GTG 944 Trp Ala Ala Ala Ala Leu Val Thr Val Pro Thr Ala Val Phe Gly Val 170 175 180 GAG GGT GAG GTG TGT GGT GTG CGC CTT TGC CTG CTG CGT TTC CCC AGC 992 Glu Gly Glu Val Cys Gly Val Arg Leu Cys Leu Leu Arg Phe Pro Ser 185 190 195 AGG TAC TGG CTG GGG GCC TAC CAG CTG CAG AGG GTG GTG CTG GCT TTC 1040 Arg Tyr Trp Leu Gly Ala Tyr Gln Leu Gln Arg Val Val Leu Ala Phe 200 205 210 ATG GTG CCC TTG GGC GTC ATC ACC ACC AGC TAC CTG CTG CTG CTG GCC 1088 Met Val Pro Leu Gly Val Ile Thr Thr Ser Tyr Leu Leu Leu Leu Ala 215 220 225 TTC CTG CAG CGG CGG CAA CGG CGG CGG CAG GAC AGC AGG GTC GTG GCC 1136 Phe Leu Gln Arg Arg Gln Arg Arg Arg Gln Asp Ser Arg Val Val Ala 230 235 240 245 CGC TCT GTC CGC ATC CTG GTG GCT TCC TTC TTC CTC TGC TGG TTT CCC 1184 Arg Ser Val Arg Ile Leu Val Ala Ser Phe Phe Leu Cys Trp Phe Pro 250 255 260 AAC CAT GTG GTC ACT CTC TGG GGT GTC CTG GTG AAG TTT GAC CTG GTG 1232 Asn His Val Val Thr Leu Trp Gly Val Leu Val Lys Phe Asp Leu Val 265 270 275 CCC TGG AAC AGT ACT TTC TAT ACT ATC CAG ACG TAT GTC TTC CCT GTC 1280 Pro Trp Asn Ser Thr Phe Tyr Thr Ile Gln Thr Tyr Val Phe Pro Val 280 285 290 ACT ACT TGC TTG GCA CAC AGC AAT AGC TGC CTC AAC CCT GTG CTG TAC 1328 Thr Thr Cys Leu Ala His Ser Asn Ser Cys Leu Asn Pro Val Leu Tyr 295 300 305 TGT CTC CTG AGG CGG GAG CCC CGG CAG GCT CTG GCA GGC ACC TTC AGG 1376 Cys Leu Leu Arg Arg Glu Pro Arg Gln Ala Leu Ala Gly Thr Phe Arg 310 315 320 325 GAT CTG CGG TCG AGG CTG TGG CCC CAG GGC GGA GGC TGG GTG CAA CAG 1424 Asp Leu Arg Ser Arg Leu Trp Pro Gln Gly Gly Gly Trp Val Gln Gln 330 335 340 GTG GCC CTA AAG CAG GTA GGC AGG CGG TGG GTC GCA AGC AAC CCC CGG 1472 Val Ala Leu Lys Gln Val Gly Arg Arg Trp Val Ala Ser Asn Pro Arg 345 350 355 GAG AGC CGC CCT TCT ACC CTG CTC ACC AAC CTG GAC AGA GGG ACA CCC 1520 Glu Ser Arg Pro Ser Thr Leu Leu Thr Asn Leu Asp Arg Gly Thr Pro 360 365 370 GGG TGAAGGGCGC AAGCTGAACA CACTCCTCTT TCTGAGATCC ACCAAGTGTA GGATCC 1579 Gly TTGAGTCCTG GGGAGAAGCT GCCCTCTCTG CCAGGCTGCA GTGCCCTCAG GGAAAAGTCT 1639 G 1640
【0092】配列番号:3 配列の長さ:1640 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA アンチセンス:YES 配列 CAGACTTTTC CCTGAGGGCA CTGCAGCCTG GCAGAGAGGG CAGCTTCTCC CCAGGACTCA 60 AGGATCCTAC ACTTGGTGGA TCTCAGAAAG AGGAGTGTGT TCAGCTTGCG CCCTTCACCC 120 GGGTGTCCCT CTGTCCAGGT TGGTGAGCAG GGTAGAAGGG CGGCTCTCCC GGGGGTTGCT 180 TGCGACCCAC CGCCTGCCTA CCTGCTTTAG GGCCACCTGT TGCACCCAGC CTCCGCCCTG 240 GGGCCACAGC CTCGACCGCA GATCCCTGAA GGTGCCTGCC AGAGCCTGCC GGGGCTCCCG 300 CCTCAGGAGA CAGTACAGCA CAGGGTTGAG GCAGCTATTG CTGTGTGCCA AGCAAGTAGT 360 GACAGGGAAG ACATACGTCT GGATAGTATA GAAAGTACTG TTCCAGGGCA CCAGGTCAAA 420 CTTCACCAGG ACACCCCAGA GAGTGACCAC ATGGTTGGGA AACCAGCAGA GGAAGAAGGA 480 AGCCACCAGG ATGCGGACAG AGCGGGCCAC GACCCTGCTG TCCTGCCGCC GCCGTTGCCG 540 CCGCTGCAGG AAGGCCAGCA GCAGCAGGTA GCTGGTGGTG ATGACGCCCA AGGGCACCAT 600 GAAAGCCAGC ACCACCCTCT GCAGCTGGTA GGCCCCCAGC CAGTACCTGC TGGGGAAACG 660 CAGCAGGCAA AGGCGCACAC CACACACCTC ACCCTCCACC CCGAAGACAG CTGTGGGCAC 720 CGTCACCAGG GCAGCCGCCG CCCACACTGC CAGGGTGGCT ATTCGGGCCC AGAAGAGTGA 780 GAGGTGGGTG CCTGGCCCCG CAGCCATGGC CACCACCCAG TAGCGAGCAA CGCTCAGCGC 840 TGTGATGAGG AAGATGCTGG CATAGACGTT GAGGACAGTG GCCGTCAGAA CCATCTTGCA 900 GAGGGCACCT CCGAAGGGCC AGTGAAAGTC CAGTGCCGAC TCGGCTGCCC AAAAGGGGAG 960 AGTGAGTGCC AGTCCCAGGT CCGCCAGAGC CAGGTTGAAG ACGAAGGTGT CTGAAGGTGG 1020 GCCAGGGGCT CTCCGGGCAC AGTTACTCAG TACCCACAGC ACCGCCAAAT TTCCCAGCAA 1080 GCCAATGGCC CCCACAAGCC CATAGGCCAG GGCAACCATG AGCCTCAGGG CTAGGAATTT 1140 GACAGGCATC GGAGCATCAT CAGCACTCAG CACACTGCCT CCGGAGGCAT TGGCCCAGAA 1200 GAATGTGGGT GGAGAGGCAG AAGTATTGAG TGTGGGCATC GCAGGGCATC AGAGATTGGT 1260 GGTGCTGAGA AGAGAGGTCT GCAAGTGTCT GCCAGACTGG CAGAGGCCAC TGAAGGCTCT 1320 AGGAAGGAGG CTGTAGAATT AAGTGCTTCT CTGGGGCCTC TGGTGAGCCC TGGCCCACGC 1380 CCACACCTCA GAGGGAGGGG TGTGGAAAGG ACAACCCACC ACCTTCCTGT TGGTCAAGAT 1440 TGGTGGTAGG TGGGGCAGGG CGAGGCACAG CCTGAATGCC AGGGTATATG TGCATGCGCC 1500 CGCCTGTAAG AGGGGCTCTA AATGGCAGAG AGGGAGGGGA GAAGGGAGAG TTACCCCGCT 1560 ATGGAGGGCA GCCCCAAGCC TCCACCCCAG GGAGAGAGCT GGAGGTTCCC TGTCCCAGAG 1620 ATGACAGGAA CCAAACTAGA 1640
【0093】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:18、22、24残基めのNはイノシンを
示す。 配列 ATCTTAAGCT TGAACCTNGC CNTNGCDGAC 30 配列番号:5 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:22、28残基めのNはイノシンを示す。
21残基めのNはAまたはGまたはCまたはTを示す。 配列 CCCAACGAAT TCRTAGATSA NNGGRTTNAV RCA 33
【0094】配列番号:6 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGGGATCCA TGCCCACACT CAATACTTCT GCCTC 35配列番
号:7 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCGTCTAGAT CACCCGGGTG TCCCGCGGTC CAGGTTGGTG AGCAG 45 配列番号:8 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GAGGGGATCC CCCCGGCAGG CTCTGGCAGG CACCTTC 37 配列番号:9 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGCGGAATTC ACCCGGGTGT CCCTCTGTCC AGGTTG 36
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 33/577 B 33/577 C12P 21/08 // A61K 38/00 ABA C12N 5/00 B ADU A61K 37/02 ABA ADX ADU C12P 21/08 ADX (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表配列番号1で表されるアミノ酸配列
    と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する7回膜貫通型
    受容体蛋白質JEG62またはその塩。
  2. 【請求項2】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質
    JEG62の部分ペプチドまたはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質
    JEG62をコードする塩基配列を有する核酸を含有す
    る核酸。
  4. 【請求項4】配列表配列番号2で表される塩基配列を有
    する請求項3記載の核酸。
  5. 【請求項5】配列表配列番号2で表される塩基配列のう
    ち少なくとも一部の遺伝子配列を有する12merから1
    6mer以上、さらに望ましくは20mer以上の核酸、及び
    その誘導体。
  6. 【請求項6】請求項3記載の核酸であって、配列表配列
    番号2で表される塩基配列の402番目のAから152
    3番目のGまでの核酸またはその誘導体を含有する核
    酸、及びその誘導体
  7. 【請求項7】配列表配列番号3で表される塩基配列のう
    ち少なくとも一部の遺伝子配列を有する12merから1
    6mer以上、さらに望ましくは20mer以上の核酸、及び
    その誘導体。
  8. 【請求項8】請求項6記載の核酸を含有するベクター。
  9. 【請求項9】請求項8記載のベクターを保持する7回膜
    貫通型受容体蛋白質JEG62発現形質転換体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の形質転換体を培養し、形
    質転換体の細胞膜に7回膜貫通型受容体蛋白質JEG6
    2を生成せしめることを特徴とする7回膜貫通型受容体
    蛋白質JEG62またはその塩の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質JEG62もしくはその塩または請求項2記載の部分
    ペプチドもしくはその塩と、試験化合物とを接触させる
    ことを特徴とする7回膜貫通型受容体蛋白質JEG62
    に対するリガンドの決定方法。
  12. 【請求項12】(i)請求項1記載の7回膜貫通型受容
    体蛋白質JEG62もしくはその塩または請求項2記載
    の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンドを接触させ
    た場合と(ii)請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質JEG62もしくはその塩または請求項2記載の部分
    ペプチドもしくはその塩に、リガンドおよび試験化合物
    を接触させた場合との比較を行うことを特徴とするリガ
    ンドと請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白質JEG
    62との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリー
    ニング方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の7回膜貫通型受容体蛋白
    質JEG62もしくはその塩または請求項2記載の部分
    ペプチドもしくはその塩に対する抗体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0885960A3 (en) * 1997-06-18 2000-01-12 Smithkline Beecham Corporation G-protein coupled receptor (H7TBA62)
WO2001036471A3 (en) * 1999-11-17 2002-01-03 Arena Pharm Inc Endogenous and non-endogenous versions of human g protein-coupled receptors
WO2003000886A1 (en) * 2001-06-26 2003-01-03 Takeda Chemical Industries, Ltd. Novel g protein-coupled receptor protein and dna thereof
US7829298B2 (en) 2001-11-27 2010-11-09 Arena Pharmaceuticals, Inc. Human G protein-coupled receptors for metabolic-related disorders

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