JPH11155223A - グロメット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウオッシャホース等を前後にずらしたときに
も防水性を保つことができるグロメットを提供する。 【解決手段】 複数の線状体が貫通する複数の貫通孔部
４、５と、貫通孔部４、５と交差する壁面３を形成する
グロメット本体とを備え、貫通孔部４、５のうち何れか
が、軸方向に離間する複数の環状のシールリップ２を設
けた内周部と、少なくとも軸方向一端の近傍に環状のシ
ールリップ６を設けた外周部とを有し、貫通孔部の軸方
向一端が線状体の軸方向移動に伴って内側に折り返され
たとき、外周部の環状のシールリップ６がシールとして
機能するようにしたグロメットである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両に使用される
グロメット、特にワイヤハーネスやパイプ、ケーブル等
が車体構造物を貫通する部位に設置される防塵性および
防水性を有するグロメットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワイヤハーネスやパイプ、ケーブ
ル等（以下、これらを単に線状体という）が自動車の車
室内外にわたる場合、線状体がパネル状の車体構造物を
貫通する部分に防塵や防水のためのシール作用をなすグ
ロメットが設置されている。このグロメットは、ゴムや
樹脂等から一体成形されたもので、車体構造物の貫通穴
形状に対応する外周形状と、線状体の外形に合わせて形
成され線状体を貫通させる貫通穴部とを有している。

【０００３】ワイヤハーネスのみならずウオッシャホー
ス、オープナーケーブル等をも貫通させるグロメットが
実開平４−１１９２５２号に開示されている。かかるグ
ロメットを図５に示す。グロメット１０は入口部１６と
出口部１７を有する。また、グロメット１０には、ワイ
ヤハーネスを通すための第１貫通孔１１と、ウオッシャ
ホース、オープナーケーブル等を通すための第２貫通孔
１２がある。第１貫通孔１１は出口部１７に設けられ、
第２貫通孔１２は入口部１６に設けられている。

【０００４】図６に実開平４−１１９２５２号に開示さ
れているグロメットの使用態様を示す。グロメット１０
は、ワイヤハーネス等を自動車の室内からエンジンルー
ムに貫通させるために使用されている。ダッシュボード
１３を境界として、右側が自動車の室内であり入口部１
６が、左側がエンジンルームであり出口部１７がある。
ワイヤハーネス１４が孔１１を通る。また、ウオッシャ
ホース１５が筒状部１２を通る。さらに、グロメット１
０によりエンジンルーム側から室内側へと水が浸入する
ことを防止している。

【０００５】ウオッシャホース１５を一定の位置に取り
付けるためには、ウオッシャホース１５を前後にずら
す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウオッ
シャホース１５を前後にずらすと、筒状部１２の一部が
ひきずられる。すると、図６に示すように、筒状部１２
の一部が、筒状部１２の内側に折れ込む。折れ込むこと
により、折れ込んだ部分にすきまが発生し、エンジンル
ーム側から室内側へと水が浸入する。すなわち、防水性
が保たれなくなる。

【０００７】そこで、本発明はワイヤハーネスのみなら
ずウオッシャホース、オープナーケーブル等を通すグロ
メットにおいて、ウオッシャホース、オープナーケーブ
ル等を前後にずらしたときにも防水性を保つことができ
るグロメットを供給することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明に
係るグロメットは、車両のパネル状構造物に形成された
開口に装着され、パネル状構造物を貫通する線状体を水
密的に保持するグロメットであって、複数の線状体が貫
通する複数の貫通孔部と、貫通孔部と交差する壁面を形
成するグロメット本体と、を備え、貫通孔部のうち何れ
かが、軸方向に離間する複数の環状のシールリップを設
けた内周部と、少なくとも軸方向一端の近傍に環状のシ
ールリップを設けた外周部と、を有し、貫通孔部の軸方
向一端が線状体の軸方向移動に伴って内側に折り返され
たとき、外周部の環状のシールリップがシールとして機
能するようにしたことを特徴とする。

【０００９】請求項２に記載の発明に係るグロメット
は、請求項１に記載のグロメットにおいて、第１の線状
体が貫通する第１の貫通孔部および第２の線状体が貫通
する第１の貫通孔部より小経の第２の貫通孔部を有し、
第２の貫通孔部が一端部および他端部を有することを特
徴とする。請求項３に記載の発明に係るグロメットは、
請求項１又は２に記載のグロメットにおいて、外周部の
環状のシールリップが貫通孔部の軸方向に離間するよう
複数もうけられたことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図１に、本発明の実施の形態に
かかるグロメットを示す。なお、同図において１はワイ
ヤハーネス等を自動車の室内からエンジンルーム側に貫
通させるためのゴム製のグロメットである。このグロメ
ット１は車両のパネル状構造物に形成された開口に装着
されるグロメット本体とその外壁面３と交差する軸線を
有するほぼ円筒状の第１貫通孔部４および第２貫通孔部
５とを有している。第１貫通孔部４はワイヤハーネスを
通すためのものであり、第２貫通孔部５はウオッシャホ
ース、オープナーケーブル等を通すためのもので、第１
貫通孔部４より小径になっている。第２貫通孔部５の外
周には防水性のあるシールリップ６が設けられている。
そして、第２貫通孔部５の内周には防水性のある複数の
シールリップ２が設けられている。なお、前記パネル構
造物としてのダッシュボード７を境界として、右側が自
動車の室内側であり、左側がエンジンルーム側である。
ワイヤハーネス８が第１貫通孔部４を通る。また、ウオ
ッシャホース９が第２貫通孔部５を通る。さらに、第１
貫通孔部４および第２貫通孔部５によりエンジンルーム
側から室内側へと水が浸入することを防止する機能を有
する。

【００１１】ところでウオッシャホース９を一定の位置
に取り付けるためには、ウオッシャホース９を前後にず
らす。ウオッシャホース９を前後にずらしたときの、グ
ロメットの断面を図２に示す。図２に示すように、第２
貫通孔部５の一部が、第２貫通孔部５の内側に折れ込
む。しかし、シールリップ６がウオッシャホース９に接
触し、エンジンルーム側から室内側へと水が浸入するこ
とを防止している。

【００１２】図３に、本発明の第２の実施の形態にかか
るグロメットを示す。グロメット１は第１貫通孔部４、
第２貫通孔部５とそれらと交差する壁面３を有する。第
１貫通孔部４はワイヤハーネスを通すためのものであ
り、第２貫通孔部５はウオッシャホース、オープナーケ
ーブル等を通すためのである。第１貫通孔部４および第
２貫通孔部５は壁面３に設けられている。そして、第２
貫通孔部５の内周には防水性のある複数のシールリップ
２が設けられている。なお、筒状部５の外周には防水性
のあるシールリップ６が複数設けられており、この点が
第１の実施の形態と異なる。

【００１３】この使用態様においては、ワイヤハーネス
等を自動車の室内からエンジンルームに貫通させるため
にグロメット１を使用している。なお、ダッシュボード
７を境界として、右側が自動車の室内であり、左側がエ
ンジンルームである。ワイヤハーネス８が第１貫通孔部
４を通る。また、ウオッシャホース９が第２貫通孔部５
を通る。さらに、グロメット１によりエンジンルーム側
から室内側へと水が浸入することを防止している。

【００１４】ウオッシャホース９を一定の位置に取り付
けるためには、ウオッシャホース９を前後にずらす。ウ
オッシャホース９を前後にずらしたときの、第２貫通孔
部５の断面を図４に示す。図４に示すように、第２貫通
孔部５の一部が、第２貫通孔部５の内側に折れ込む。し
かし、シールリップ６がウオッシャホース９に接触し、
エンジンルーム側から室内側へと水が浸入することを防
止している。シールリップ６が一つだけならば、シール
リップ６が存在する位置まで折れ込まなければ防水性は
保たれない。しかし、第２の実施の形態においては、シ
ールリップ６が複数ある。よって、折れ込み量に関係な
く防水性が保たれる。また、シールリップが複数あるた
め、より完全に防水性が保たれる。

【００１５】

【発明の効果】請求項１、２に記載の発明によれば、第
２貫通孔部の外周部に環状のシールリップが設けられて
いるため、第２貫通孔部の一部が第２貫通孔部に折れ込
んでもグロメットの防水性が保たれる。請求項３に記載
の発明によれば、第２貫通孔部の外周部に環状のシール
リップが複数、設けられているため、第２貫通孔部の一
部が第２貫通孔部に折れ込んでもグロメットの防水性が
保たれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態にかかるグロメット
を示した図である。

【図２】ウオッシャホースを前後にずらしたときの、本
発明の第１の実施の形態にかかるグロメットの筒状部の
断面を示した図である。

【図３】本発明の第２の実施の形態にかかるグロメット
を示した図である。

【図４】ウオッシャホースを前後にずらしたときの、本
発明の第２の実施の形態にかかるグロメットの筒状部の
断面を示した図である。

【図５】従来例である、実開平４−１１９２５２号に開
示されているグロメットを示した図である。

【図６】従来例である、実開平４−１１９２５２号に開
示されているグロメットの使用態様を示した図である。

【符号の説明】

１ グロメット ２ シールリップ ３ 壁面 ４ 第１貫通孔部 ５ 第２貫通孔部 ６ シールリップ ７ ダッシュボード ８ ワイヤハーネス ９ ウオッシャホース １０ グロメット １１ 第１貫通孔部 １２ 第２貫通孔部 １３ ダッシュボード １４ ワイヤハーネス １５ ウオッシャホース １６ 入口部 １７ 出口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のパネル状構造物に形成された開口に
   装着され、該パネル状構造物を貫通する線状体を水密的
   に保持するグロメットであって、 複数の線状体が貫通する複数の貫通孔部と、該貫通孔部
   と交差する壁面を形成するグロメット本体と、を備え、 前記貫通孔部のうち何れかが、軸方向に離間する複数の
   環状のシールリップを設けた内周部と、少なくとも軸方
   向一端の近傍に環状のシールリップを設けた外周部と、
   を有し、 該貫通孔部の前記軸方向一端が前記線状体の軸方向移動
   に伴って内側に折り返されたとき、前記外周部の環状の
   シールリップがシールとして機能するようにしたことを
   特徴とするグロメット。
2. 【請求項２】第１の線状体が貫通する第１の貫通孔部お
   よび第２の線状体が貫通する第１の貫通孔部より小経の
   第２の貫通孔部を有し、該第２の貫通孔部が前記一端部
   および他端部を有することを特徴とする請求項１に記載
   のグロメット。
3. 【請求項３】前記外周部の環状のシールリップが前記貫
   通孔部の軸方向に離間するよう複数もうけられたことを
   特徴とする請求項１又は２に記載のグロメット。