JPH11154360A - 光磁気記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその再生方法

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JPH11154360A
JPH11154360A JP32020997A JP32020997A JPH11154360A JP H11154360 A JPH11154360 A JP H11154360A JP 32020997 A JP32020997 A JP 32020997A JP 32020997 A JP32020997 A JP 32020997A JP H11154360 A JPH11154360 A JP H11154360A
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JP
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magneto
magnetic
optical recording
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JP32020997A
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Katsusuke Shimazaki
勝輔 島崎
Yoshitane Tsuburaya
欣胤 円谷
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光磁気記録媒体の情報記録密度及び再生信号
のS/N比を高める。 【解決手段】 光磁気記録媒体の再生用磁性膜の熱拡散
を大きくする熱伝導性膜を積層し、光磁気記録媒体の少
なくとも再生用磁性膜からトラッキングフオマットを除
いて一様な平面で用い、光磁気記録媒体の透明基板およ
び/または保護膜の大気表面側にトラッキングフオマッ
トを設ける膜構造にする。この方法は高S/N、低エラ
ーレート、且つ低コストであり、量産可能な産業上有効
な手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光磁気記録媒体に係
わり、詳細には、通常の再生光スポットよって再生する
ことが困難である微小な記録磁区によって情報を記録
し、その記録した微小な記録磁区の再生を可能にする光
磁気記録媒体の構成、及び実用的な再生方式に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体の一層の高密度化を図る
ために、再生時に外部磁界を印加しつつ、再生用レーザ
ー光を照射して再生信号を得る技術が注目されている。
【0003】例えばJournal of Magnetic Society of J
apan, Vol. 17 Supplement No. S1,p. 201 (1993)に記
載されているような磁気超解像技術が提案されている。
これは、光磁気記録媒体における磁性膜の工夫と再生光
照射時にスポット内部に生ずる温度分布を利用する事に
より、スポット内に磁気的マスクを発生させ、信号の再
生に寄与する実効的なスポット径を縮小させる技術であ
る。この技術を用いれば、光学的スポット径を縮小させ
る事なしに、再生分解能を向上させる事が出来る。
【0004】また、例えば特開平1−143041号公
報に開示されているように、再生時に外部磁界を印加し
て磁区を拡大させることによって、微小な再生信号を増
幅する技術も提案されている。特開平6−259823
号公報においても磁区を拡大させる技術が開示されてい
る。
【0005】これらの磁気超解像や磁区拡大再生を用い
ることによって再生光スポット内に存在する複数の微小
磁区を互いに識別して再生することを可能にしようとす
るものであった。しかしながら、これらの微小磁区は高
密度記録されているために記録クロック周期が短く、こ
れらの信号を再生した場合に波形間干渉が生じることに
よってC/Nが低下するものであり、実用化に充分な域
に達していない。このため、高密度記録された磁区をそ
れらの技術を用いて再生する際に、C/Nを向上させる
技術がさらに必要となる。
【0006】上記の従来技術では、磁気超解像を用いる
にせよ、再生時に外部磁界を印加して磁区を拡大させる
ことによって微小な再生信号を増幅するにせよ、再生時
に得る再生信号は、光磁気記録媒体上に記録された情報
に対応するものであり、記録された情報を忠実に再生す
るということが前提である。構築する応用システムの用
途によっては、記録された情報を全て忠実に再生するよ
りも、用途及び目的に応じた異なる再生情報を得たい場
合がある。例えば、セキュリティ用途に関連する応用シ
ステムにおいては、光磁気記録媒体に記録された情報を
再生する際に、光磁気記録媒体上の特定の部分に記録さ
れた情報のみを再生したい場合があり、あるいは、セキ
ュリティあるいは暗号記載用途に関連する応用システム
において、光磁気記録媒体に記録された情報を再生する
際に、該情報を特定の関数で変換した再生信号を直接得
たい場合もある。さらに、応用システムの用途によって
は、光磁気記録媒体に記録された情報を再生する際に、
特定の間隔ごとに間引いて直接再生することが望まれ
る。
【0007】しかしこれらは全て光磁気記録媒体に記録
されたソフト情報を全て正確に再生することができると
ゆうこと、即ち再生信号のエラーによって誤った情報に
ならないことが前提にあって始めて実現が可能になるこ
とである。このことは記録再生信号のS/Nが充分に大
きな値が得らる光磁気記録媒体、記録再生装置、及び記
録再生方式等を用いることが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高密度記録された記録
ビット等の記録信号を再生するためには、再生用レーザ
ビームのスポット径によって決まる光学的分解能が問題
になる。例えばスポット径が1μmの再生光を用いて
0.15μmの微小記録ビット信号を識別して再生する
ことは現在不可能な状態にある。このような再生光の光
学的スポット径による再生分解能の制約をなくすための
の1つのアプローチとして、例えば、Journal of Magne
tic Society of Japan, Vol. 17 Supplement No. S1, p
p. 201 (1993) に記載されているような磁気超解像技術
(MSR)が提案されている。これは、光磁気記録媒体
に再生光が照射された時に再生光スポット内部の磁性膜
に温度分布が生じることを利用して、スポット内に磁気
的マスクを発生させ、信号の再生に寄与する実効的なス
ポット径を縮小させたものである。この技術を用いれ
ば、実際の再生光スポット径を縮小させずに、再生分解
能を向上させることができる。しかし、この手法では、
磁気的マスクにより実効的なスポット径を小さくする
為、再生出力に寄与する光量が低下し、その分、再生C
/Nが低下してしまう。この結果充分なC/Nを得るこ
とが困難になり、依然として問題は解決されてはいな
い。
【0009】特開平1−143041号公報には、室温
で互いに磁気的に結合した第1磁性膜、第2磁性膜及び
第3磁性膜を有し、第1,第2及び第3磁性膜のキュリ
ー温度をTC1,TC2及びTC3とするとき、TC2>室温で
且つTC2<TC1,TC3とされ、第1磁性膜の保磁力HC1
は第2磁性膜のキュリー温度TC2近傍で充分小さく、第
3磁性膜の保磁力HC3は室温からTC2より高い所要の温
度TPBまでの温度範囲で所要の磁場よりも充分大きい光
磁気記録媒体を用いて、第1磁性膜の記録磁区を拡大さ
せて再生を行う光磁気記録媒体の再生方法が開示されて
いる。しかし、この再生磁性層に転写拡大された記録磁
区信号から充分なC/Nの再生信号を得ることが困難で
あった。
【0010】次に、従来の光磁気記録媒体の記録磁区は
図1に示すように、再生用レーザビームスポットを光磁
気記録媒体に照射して光磁気記録層10のトラッキング
用トラックLの記録磁区を直接読み取り再生できる大き
さに記録形成されたが、高密度記録では記録磁区は図2
で示すように、光磁気記録層10のトラッキング用トラ
ックLに微小記録磁区130を用いる。図2から明らか
なように光磁気記録媒体のトラッキング用トラックLの
幅が従来と同じであれば微小記録磁区130を再生用磁
性層24へ転写拡大することによって従来の大きさの再
生用レーザビームスポットによって容易に再生すること
ができる。しかるに、充分な高密度記録を行うには光磁
気記録層10のトラッキング用トラックLの幅を微小記
録磁区130に最適な幅まで縮める必要がある。光磁気
記録層10のトラッキング用トラックLを縮めた光磁気
記録媒体について微小記録磁区130の記録再生を行う
と、図3(a)で示すように、再生用磁性層24におけ
る微小記録磁区130の転写拡大記録磁区61は一つて
まいの隣設微小記録磁区130の残留転写拡大記録磁区
の一部と重なって再生される問題が発生する。またさら
に、図3(b)で示すように、再生用レーザビームスポ
ットに複数の微小記録磁区130が入ったしまう場合で
は、62の微小記録磁区Aと63の微小記録磁区Bの各
転写拡大記録磁区が二重に重なって再生される問題も発
生する。
【0011】次に図4から明らかなように光磁気記録媒
体の光磁気記録層10及び再生用磁性層24がランド部
Lとグルーブ部Gから構成される場合には、トラッキン
グ用トラック幅が従来と同じであれば微小記録磁区13
0を再生用磁性層24へ転写拡大することによって従来
の大きさの再生用レーザビームスポットによって容易に
再生することができる。しかるに、充分な高密度記録を
行うために光磁気記録層10及び再生用磁性層24のラ
ンド部Lとグルーブ部Gの幅を微小記録磁区130に最
適な幅まで縮めた光磁気記録媒体では図5で示すよう
に、再生用磁性層24における微小記録磁区130の転
写拡大記録磁区61はランド部L或いはグルーブ部Gの
幅からはみ出して転写される問題がある。ランド部L或
いはグルーブ部Gの幅からはみ出して転写されると再生
読み取り信号のエラーレートが大きくなり、さらに再生
信号のS/N比が低下する。
【0012】本発明の目的は、光磁気記録媒体に高密度
記録された情報を、高C/Nで再生することができる光
磁気再生方法及びその再生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明で用いる光磁気記
録媒体は図6に示すように少なくとも光磁気記録膜10
と補助磁性膜(再生用磁性層)24とを備え、対物レン
ズ301を備える光ヘッドと磁気ヘッド40を用いて記
録再生を行うものであって、従来の再生用レーザビーム
フオカシングスポットによって読み取ることができない
程微小な記録磁区を上記光磁気記録膜10に記録する、
高密度記録光磁気記録媒体である。再生レーザビームフ
オカシングスポットを記録媒体に照射すると光磁気記録
媒体内部の積層膜体には図6で示すような加熱温度分布
が生じ、再生用レーザビームフオカシングスポットの中
心度程高温で、Tat以上の温度領域502、Tat以下T
cr2以上の温度領域501、Tcr2以下Tbt以上の温度領
域等に分けることができる。補助磁性膜(再生用磁性
層)24が再生用レーザビームフオカシングスポットの
照射を受けると、図2で示したように、補助磁性膜(再
生用磁性層)24の臨界温度Tcr2以上の加熱領域へ光
磁気記録膜10の微小記録磁区130が転写、拡大させ
ることによって、転写、拡大した信号を記録磁区の再生
信号として読み取ることが可能になる。但し、温度Tcr
2は再生用磁性層24が常温の面内磁化状態から垂直磁
化の状態へ転移する臨界温度である。
【0014】図7は、図6に記載の光磁気記録媒体の反
射層8と光磁気記録層10との間に第1補助磁性層25
を設けた膜構成の記録媒体に再生用レーザビームフオカ
シングスポットを照射した場合の積層膜体が加熱される
温度分布である。第1補助磁性層25は、例えば常温の
面内磁化状態から垂直磁化の状態へ転移する磁性材料を
用いるもので、垂直磁化への転移温度Tcr1はTcr1≫T
cr2の関係を満たす磁性材料を選択して用いる。すると
再生用レーザビームフオカシングスポットを照射した場
合、第1補助磁性層25のTcr1温度以上の垂直磁化転
移部の幅は、再生用磁性層24のTcr2温度以上の垂直
磁化転移部の幅より著しく小さくすることができる。
【0015】本発明の第1は、例えば図8の(a),
(b),(c)に示すように、少なくとも光磁気記録層
10と第1補助磁性層25と再生用磁性層24とからな
り、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レンズ301
から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/NA以下
の大きさの微小記録磁区120が記録される光磁気記録
媒体から記録情報を再生する再生方式において、前記再
生光の、前記第1補助磁性層の臨界温度Tcr1以上の温
度領域に相当する幅Ltに対して、前記光磁気記録層に
直列に記録する微小記録磁区の磁区間の最小間隔Lが
Lt≦L なる関係にあり、且つ前記再生用磁性層の臨
界温度Tcr2以上温度領域の幅L2tに対してL2t≧λ/
NA なる関係になるような再生光ビームスポットを用
いて再生することを特徴とする記録再生方式に特徴があ
る。但し、λは再生光の波長であり、NAは光ヘッド対
物レンズの開口数である。
【0016】さらに、本発明の第2は、例えば図8の
(a),(b),(c)に示すように、上記光磁気記録
媒体を用いる記録再生装置において、再生光に、前記第
1補助磁性層の臨界温度Tcr1以上の温度領域の幅Ltに
対して、前記光磁気記録層に直列に記録する微小記録磁
区の磁区間の最小間隔Lが Lt≦L なる関係にあ
り、且つ前記再生用磁性層の臨界温度Tcr2以上の温度
領域の幅L2tに対して L2t≧λ/NA なる関係にあ
る再生光ビームスポットを用いる記録再生装置に特徴が
ある。
【0017】本発明の第3は、例えば図8の(b),
(c)に示すように、少なくとも光磁気記録層10と再
生用磁性層24からなる光磁気記録媒体において、光磁
気記録媒体に第1補助磁性層を形成し、該第1補助磁性
層及び前記再生用磁性層は室温以上の転移温度より高い
温度では垂直磁化へ転移すると共に、光ヘッドの対物レ
ンズから該光磁気記録媒体に垂直に投入される再生光に
よって、前記第1補助磁性層には、前記光磁気記録層に
直列に記録する微小記録磁区の磁区間の最小間隔Lに対
応する位置に、間隔の最小値に相当する幅の垂直磁化の
透磁口が形成される第1補助磁性材料を用い、前記再生
用磁性層には、前記第1補助磁性材料の前記垂直磁化の
透磁口を透って光磁気記録層の微小記録磁区が前記再生
用磁性層にλ/NA相当以上の幅で転写、拡大される垂
直磁化が形成される再生用磁性膜材料を用いる光磁気記
録媒体特徴がある。
【0018】本発明の原理を説明する。まず再生光パル
スを用いる場合では、光磁気記録媒体のクロック信号に
同期する再生光パルスを用い、再生光のTcr1以上の温
度の部分によって第1補助磁性層25に光磁気記録層1
0の微小記録磁区一個分相当の垂直磁化窓口130を再
生光の照射時間だけ形成させる。一方再生用磁性層に
は、図8(b)(c)に示すように、再生光照射部分の
Tcr2以上の温度部分に垂直磁化部140が生じて、図
9に示すように、再生用スポットで、第1補助磁性層2
5の垂直磁化窓口130からの磁界より小さい保持力に
達した部分に交換結合によって微小記録磁区一個分の転
写と拡大が行われ、発生する再生信号が読み取られる。
再生後温度がTcr2以下になると第1補助磁性層25の
垂直磁化窓口130、及び再生用磁性層の垂直磁化部1
40は閉じて元の面内磁化に戻る。再生光が連続光であ
る場合では再生信号は信号強度の連続波形が得られる。
微小記録磁区は信号強度ピークについてクロック信号に
対応する位置を検出して読み取ることができる。
【0019】本発明の第4は、例えば図9及び図11に
示すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁
性層25と再生用磁性層24とからなり、光磁気記録媒
体のクロック信号に同期する再生光パルスを用い、開口
数NAの対物レンズから照射する再生光スポット径で読
み取る幅のトラッキング用トラックが形成される光磁気
記録媒体において、光磁気記録層10に記録する微小記
録磁区一個分相当が転写、拡大される再生用磁性層24
の垂直磁化部140と直近で最短距離の転写、拡大され
た再生用磁性層24の垂直磁化部の位置139とが重な
らない大きさの間隔によって微小記録磁区を光磁気記録
層10に記録する光磁気記録媒体に特徴がある。
【0020】本発明の第5は、例えば図9に示すよう
に、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性層25
と再生用磁性層24とからなる光磁気記録媒体におい
て、前記光磁気記録媒体に記録される微小な記録磁区の
大きさと記録間隔は、照射される再生用レーザビームス
ポットから発生する温度範囲の内、前記第1補助磁性層
の臨界温度Tcr1以上の範囲に相当するスペース径以下
に収まる微小な記録磁区であって、微小な記録磁区の磁
区と磁区の間の最小間隔が前記再生用レーザビームスポ
ットの前記温度Tcr1以上の範囲に相当するスペース径
以下に収まる範囲であるように光磁気記録層10に記録
し、該光磁気記録層10の微小記録磁区を前記再生用レ
ーザビームスポットによって臨界温度がTcr2の再生用
磁性層24上に転写、拡大して再生する光磁気記録媒体
に特徴がある。
【0021】本発明の第6は、例えば図10及び図12
に示すように、少なくとも光磁気記録層と補助磁性層と
からなる光磁気記録媒体において、光磁気記録媒体のク
ロック信号に同期する再生光を用い、光磁気記録媒体に
おける再生光照射スポット内の温度が前記補助磁性層の
臨界温度Tcr1以上の範囲に相当する寸法Lt内の幅のト
ラッキング用トラック及びLt内の直径の微小記録磁区
とが形成される光磁気記録媒体に特徴がある。
【0022】本発明の第7は、例えば図10及び図12
に示すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助
磁性層25と再生用磁性層24とからなる光磁気記録媒
体において、光磁気記録層10の微小記録磁区と記録ト
ラッキング用トラックとをいっそう小さくして、光磁気
記録媒体の情報記録密度を高めるために、光磁気記録媒
体のクロック信号に同期する再生光を用い、光磁気記録
媒体における再生光照射スポット内の温度が前記第1補
助磁性層25の臨界温度Tcr1以上の範囲に相当する寸
法Lt内の幅のトラッキング用トラック、Lt内の直径の
微小記録磁区とが形成され、寸法Ltが最小値(微小記
録磁区の直径)から最大値(微小記録磁区の直径+微小
記録磁区間の間隔×2)の範囲で用いられ、再生光照射
スポット内の温度が前記再生用磁性層24の臨界温度T
cr2以上の範囲で光磁気記録層10の微小記録磁区の転
写磁区が再生光スポットによって読み取り可能な大きさ
λ/NA以上に拡大して再生される光磁気記録媒体に特
徴がある。但し、NAは光ヘッド対物レンズの開口数で
あり、λは再生光の波長である。
【0023】さらに、本発明の第8は、例えば図9、及
び図10に示すように、再生用磁性層24に微小記録磁
区一個分が転写、拡大された垂直磁化部140がトラッ
キング用トラックの両サイドの案内溝に交差しないよう
にするため、及び隣接トラッキング用トラックへはみ出
すことのないようにするために、少なくとも案内溝を持
たない再生用磁性層24を用いる光磁気記録媒体である
ことに特徴がある。再生用磁性層24の微小記録磁区一
個分が転写、拡大された垂直磁化部140が案内溝に交
差したり、案内溝をまたがったりすることによって発生
するトラッキングエラー、記録情報の再生エラー、或い
は再生信号のS/N比低下等を防止することができる。
【0024】さらに、本発明の第9は、少なくとも光磁
気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層24
とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レン
ズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/
NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される光
磁気記録媒体において、記録再生用ヘッドがトラッキン
グするための案内溝を、光磁気記録媒体の外表面に形成
して用いることに特徴がある。即ち、光磁気記録媒体の
少なくとも再生用磁性層には一様に平らな膜面を形成
し、記録再生用ヘッドのトラッキングトラックフオマッ
トを光磁気記録媒体の透明基板および/または保護膜の
大気側外表面に形成して用いる光磁気記録媒体に特徴が
ある。少なくとも再生用磁性層24の記録磁区が転写、
拡大された垂直磁化部140の記録磁区と案内溝とが直
接交わることを回避することによってトラッキングエラ
ー、記録情報の再生エラー、或いは再生信号のS/N比
低下等を防止することができる。
【0025】さらに、本発明の第10は、少なくとも光
磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、前記再生用磁性層24及び前
記第1補助磁性層25から選択される少なくとも再生用
磁性層24の少なくとも片面に熱伝導性の高い材料から
なる薄膜を接触形成する光磁気記録媒体であることに特
徴がある。
【0026】さらに、本発明の第11は、少なくとも光
磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、再生用磁性層24の少なくと
も片面に熱伝導性の高い薄膜を接触形成し、前記第1補
助磁性層25の少なくとも片面に断熱性の材料からなる
薄膜を接触形成する膜構成の光磁気記録媒体であること
に特徴がある。
【0027】さらに、本発明の第12は、少なくとも光
磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、前記再生用磁性層24及び前
記第1補助磁性層25から選択される少なくとも再生用
磁性層24の少なくとも片面に、膜面に平行な方向の熱
伝導性が大きく膜面に垂直な方向の熱伝導性が小さい材
料からなる薄膜を接触形成する光磁気記録媒体であるこ
とに特徴がある。
【0028】さらに、本発明の第13は、少なくとも光
磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、前記再生用磁性層24及び前
記第1補助磁性層25から選択される少なくとも再生用
磁性層24の少なくとも片面に、断熱性の材料からなる
薄膜を接触形成する光磁気記録媒体であることに特徴が
ある。
【0029】本発明の第14は、少なくとも光磁気記録
層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層24とから
なり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レンズ30
1から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/NA以
下の大きさの微小記録磁区120が記録される光磁気記
録媒体において、光磁気記録層10の微小記録磁区間の
間隔を少なくとも再生用磁性層24上に転写、拡大させ
る再生光スポットによって読み取り可能な大きさ(λ/
NA−D)以上(λ/NA)以下の範囲に設定して微小
記録磁区を光磁気記録層10のトラッキング用トラック
に記録すると共に、前記再生用磁性層24及び前記第1
補助磁性層25から選択される少なくとも再生用磁性層
24の少なくとも片面に、熱伝導性の高い材料からなる
薄膜を接触形成する光磁気記録媒体であることに特徴が
ある。但し、Dは光磁気記録層10の微小記録磁区の長
径である。
【0030】本発明の第15は、少なくとも光磁気記録
層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層24とから
なり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レンズ30
1から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/NA以
下の大きさの微小記録磁区120が記録される光磁気記
録媒体において、光磁気記録層10の微小記録磁区間の
間隔を少なくとも再生用磁性層24上の転写、拡大磁区
が再生光スポットによって読み取り可能な大きさ(λ/
NA−D)以上に設定して微小記録磁区を光磁気記録層
10のトラッキング用トラックに記録すると共に、前記
再生用磁性層24及び前記第1補助磁性層25から選択
される少なくとも再生用磁性層24の少なくとも片面
に、断熱性の材料からなる薄膜を接触形成する光磁気記
録媒体であることに特徴がある。但し、Dは光磁気記録
層10の微小記録磁区の長径である。
【0031】本発明の第16は、図13から図20に示
すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性
層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層
10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録
磁区120が記録される光磁気記録媒体において、ラン
ド部とグルーブ部が形成される熱伝導性の大きい材料か
らなる薄膜について前記ランド部及び前記グルーブ部の
間に熱伝導を著しく妨げる境界領域部31をトラッキン
グ用トラックの長さ方向に平行に形成すると共に、前記
薄膜を前記第1補助磁性層25及び再生用磁性層24の
中から選択される少なくとも再生用磁性層24の少なく
とも片面に接触形成する光磁気記録媒体であることに特
徴がある。本発明の原理は、第1補助磁性層25及び再
生用磁性層24に再生光スポットの加熱温度を加えるこ
とによって、光磁気記録膜の微小記録磁区を再生用磁性
層24のランド部或いはグルーブ部からなるトラッキン
グ用トラックへ転写拡大して再生する際に、ランド部或
いはグルーブ部領域内における転写拡大速度を高め、転
写拡大磁区が隣接する隣のトラッキング用トラックへは
み出すこと、或いは隣のトラッキング用トラックへまた
がって拡大することを防止するために温度拡散区域を制
御する。再生光スポットはトラッキング用トラック幅以
内の磁区を読み取るようにスポットの大きさ及びスポッ
ト位置が制御されており、再生光スポットの走査トラッ
キングを正常に動作させ、クロストークを防止すること
ができる。
【0032】本発明の第17は、図21から図26に示
すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性
層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層
10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録
磁区120が記録される光磁気記録媒体において、前記
光磁気記録層10及び第1補助磁性層25から選択され
る少なくとも光磁気記録層にランド部とグルーブ部から
なるトラッキング構造を形成し、少なくとも前記再生用
磁性層24は一様な平面に形性する膜層によって構成さ
れる光磁気記録媒体であることに特徴がある。
【0033】本発明の第18は、図21から図26に示
すように、少なくとも、片面に光ヘッドのトラッキング
を可能にするプリフオマッテイングを形成した基板と光
磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4とからなり、該光磁気記録層10に光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、前記基板のプリフオマッテイ
ング形成面側に、光磁気記録層10及び第1補助磁性層
25から選択される少なくとも光磁気記録層を積層形成
し、前記基板のプリフオマッテイング形成面側とは反対
の面側に少なくとも前記再生用磁性層24の一様な平面
の膜層を形成する膜構成の光磁気記録媒体であることに
特徴がある。
【0034】本発明の第19は、図21から図26に示
すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性
層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層
10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録
磁区120が記録される光磁気記録媒体において、前記
光磁気記録媒体における再生光照射スポット内の温度が
前記第1補助磁性層25の臨界温度Tcr1以上の範囲に
相当する寸法Lt内の幅のトラッキング用トラック及び
Lt内の直径の微小記録磁区とが形成される光磁気記録
層10と、前記第1補助磁性層25及び前記再生用磁性
層24から選択される少なくとも前記再生用磁性層24
は一様に平らな面の膜層とによって構成される光磁気記
録媒体であることに特徴がある。
【0035】本発明の第20は、図27から図35に示
すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性
層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層
10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録
磁区120が記録される光磁気記録媒体において、前記
光磁気記録媒体の透明基板の一様に平滑な面上に前記少
なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生
用磁性層24とから構成される一様に平らな面からなる
膜の積層体を形成し、前記透明基板の一様に平滑な面側
とは反対側に少なくともトラッキング用トラックを含む
プリフオマットパターンを形成する光磁気記録媒体であ
ることに特徴がある。
【0036】本発明の第21は、図27から図35に示
すように、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性
層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層
10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録
磁区120が記録される光磁気記録媒体において、前記
光磁気記録媒体の透明基板の一様に平滑な面上に前記少
なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生
用磁性層24とから構成される一様に平らな面からなる
膜の積層体を形成し、前記透明基板の一様に平滑な面側
とは反対側に、少なくとも前記光磁気記録媒体における
再生光照射スポット内の温度が前記第1補助磁性層25
の臨界温度Tcr1以上の範囲に相当する寸法Lt内の幅の
トラッキング用トラックを含む、プリフオマットパター
ンを形成すると共に、前記光磁気記録層10に記録され
る微小記録磁区120は前記光磁気記録媒体における再
生光照射スポット内の温度が前記第1補助磁性層25の
臨界温度Tcr1以上の範囲に相当する寸法Lt内の直径の
微小記録磁区を形成する光磁気記録媒体であることに特
徴がある。
【0037】本発明で用いる光磁気記録媒体はさらに下
記タイプに分類することができる。第1のタイプの光磁
気記録媒体は磁性層は光磁気記録膜上に第1補助磁性膜
及び再生用磁性膜24が順次積層された構造を有し、光
磁気記録膜、第1補助磁性膜及び再生用磁性膜24が、
光磁気記録膜、第1補助磁性膜及び再生用磁性膜24の
キュリー温度をそれぞれTCO、TC1及びTC2とし、第1
補助磁性膜及び再生用磁性膜24の上記臨界温度をそれ
ぞれTCR1 及びTCR2 としたときに、室温<TCR2 <T
CR1 <TCO,TC1,TC2となる関係を満たす磁気特性を
有する。第1補助磁性膜及び再生用磁性膜24は、室温
から室温以上のある臨界温度(TCR)までは面内磁化膜
であり、TCR以上では垂直磁化膜になるという磁気特性
を有している。光磁気記録膜は室温以上で垂直磁化膜で
ある。
【0038】第1のタイプの光磁気記録媒体の動作(再
生)原理を以下に説明する。媒体に、磁性膜の最高到達
温度が、所望の温度になるような適当なパワーの再生光
を照射すると、まず、第1補助磁性膜中の温度がTCR1
以上となった領域に、光磁気記録膜10中の垂直磁化の
磁区22が転写される。その際に、再生光が照射された
場合の媒体内の温度プロファイルを考慮して、光磁気記
録膜10中の磁区と同じ大きさかまたはそれより小さい
磁区が第1補助磁性膜25に転写されるように再生パワ
ー及びTCR1 を設定する。次いで第1補助磁性膜25に
転写された磁区130は再生用磁性膜24に転写され
る。本発明では、第1補助磁性膜25及び再生用磁性膜
24はそれらの臨界温度がTCR2 <TCR1 となるように
設定されているため、図6の媒体内の温度プロファイル
に示すように、再生用磁性膜24中の垂直磁化状態とな
りうる領域は、第1補助磁性膜中のそれよりも径が大き
くなる。このため、再生用磁性膜24中の転写磁区14
0は再生用磁性膜24中の垂直磁化状態となりうる領域
内の垂直磁気異方性と第1補助磁性膜25中の垂直磁化
からの交換結合力とにより拡大される。この磁区拡大
は、第1補助磁性膜25中の面内磁化が光磁気記録膜1
0の磁区Sから再生用磁性膜24への交換結合力を弱め
ていることからも促進されているといえる。上記磁区拡
大により、面内磁化の磁気的マスクによる再生出力に寄
与する光量の低下を低減し、高C/N比の再生が可能と
なる。
【0039】再生用磁性膜24の磁区140の拡大の効
果は、再生用磁性膜24中の転写磁区が再生光スポット
径以上に拡大されたときに最大になる。この状態では、
光磁気記録膜10中に記録された磁区の大きさや形状に
関係しない、再生用磁性膜24の性能指数と再生ビーム
光のみによって決まる極めて大きい再生出力が得られ
る。再生後、即ち再生レーザー光の照射部が移動した後
は、読み出し部はTCR2以下に冷却され、第1補助磁性
膜25と再生用磁性膜24は面内磁化状態に戻る。以上
のような再生動作時の温度においても、光磁気記録膜1
0の保磁力は充分大きいために、磁化として記録された
情報は完全に保持されている。
【0040】本発明の第2のタイプの光磁気記録媒体
は、補助磁性膜と光磁気記録膜10との間に非磁性膜2
6を備え、光磁気記録膜10及び補助磁性膜が、光磁気
記録膜及び補助磁性膜のキュリー温度をそれぞれTCO、
TC とし、補助磁性膜の上記臨界温度をそれぞれTCRと
したときに、室温<TCR<TCO,TC となる関係を満た
す磁気特性を有することを特徴とする。
【0041】第2のタイプの光磁気記録媒体の再生原理
を説明する。光変調記録方式等により媒体の光磁気記録
膜10に記録磁区を書き込んだ後、再生を行う前の補助
磁性膜、非磁性膜26及び光磁気記録膜10の磁化状態
を概略的に示す。この光磁気記録媒体に、磁性膜の最高
到達温度が、所望の温度になるような適当なパワーの再
生光を照射すると、補助磁性膜中に、TCR以上となり垂
直磁化状態となりうる領域が発生する。その領域の大き
さが光磁気記録膜10に記録されている磁区Mの径以
上、好ましくは再生光スポット径以上となるようにTCR
及び再生パワーが設定されている。
【0042】光磁気記録膜10はTCR以上の領域内の温
度分布に対応する磁化の分布を有し、最高到達温度とな
る領域及びその近傍でその値が充分大きくなるような磁
気特性を有している。各磁性膜の磁気特性を上記のよう
に設定したため、光磁気記録膜10中の温度が高く且つ
磁化が充分大きい領域の磁区Mのみが、磁区Mの領域で
作用する光磁気記録膜10と補助磁性膜間の大きな静磁
結合力により、補助磁性膜中の温度が高く且つ保磁力が
充分小さい領域に転写される。これにより、まず充分な
再生分解能が得られる。
【0043】次いで、補助磁性膜に転写された磁区は、
TCR以上の領域内の垂直磁気異方性と転写された磁区か
らの交換結合力により拡大すると考えられる。この磁区
拡大により第1のタイプの光磁気記録媒体と同様に再生
信号が増大され、C/Nが向上する。再生後、即ち再生
レーザー光が移動した後、読み出し部はTCR以下に冷却
され、補助磁性膜は面内磁化膜の状態に戻る。
【0044】記録層に印された記録磁区を再生用磁性膜
24へ転写し、そして高い再生信号を得るために、該再
生用磁性膜24の転写信号を拡大して読みとる方法は”
磁気増幅を行う光磁気システム(MAMMOS)”と呼
ばれ、本出願人らにより外部磁界変調再生法を用いて確
認されている(特願平8−182901号)。この外部
磁界変調再生法では、再生時に、交番磁界を用いて再生
用磁性膜24に転写した磁区の拡大及び縮小を実行して
いる。本発明では、上記磁気増幅を行う光磁気システム
について、様々な側面から実験を行い、詳細な分析と検
討を進めた結果、直流磁界を用いて、再生光パワーを2
種類以上に変調することにより転写された磁区の拡大及
び縮小を確実に実現することができる方法を開発するこ
とに成功した。
【0045】光磁気記録媒体の垂直磁化を有する光磁気
記録膜と、臨界温度Tcrを超えると面内磁化膜から垂直
磁化膜に転移する補助磁性膜24とを非磁性膜を介して
備える光磁気記録媒体の構造例として図36に示す。基
板11上に、誘電体膜3、補助磁性膜24、非磁性膜2
6、光磁気記録膜10及び保護膜7を積層して有する。
補助磁性膜24は、臨界温度Tcrとそのキュリー温度T
cとの間に補償温度Tcompを持ち、この光磁気記録媒体
は、光磁気記録膜10のキュリー温度Tcoと、補助磁性
膜の臨界温度Tcr、キュリー温度Tc及び補償温度Tco
mpとの間で、室温<Tcr<Tcomp<Tco<Tcなる関係
を満たす。
【0046】本発明の再生方法において、上記磁気特性
を有する光磁気記録媒体に外部DC磁界を印加しながら
光パワー変調された再生光を照射して再生が行われる。
ここで、光磁気記録媒体に一定のDC磁界Hexが記録
方向に印加されている状態における、光磁気ディスクの
光磁気記録膜10と補助磁性膜24の磁気特性を図37
に示す。図中の磁気温度曲線Aは、光磁気記録膜10
(以下、単に記録層という)から補助磁性膜(以下、再
生用磁性膜24という)に対して、記録層の磁化によっ
て生成される転写磁界(静磁界)の温度変化を示す。な
お、曲線Aの転写磁界は、外部磁界Hexのオフセット
分を加えた磁界の大きさを示している。従って、記録層
の磁区の向きによって転写磁界全体として、(Hex−
Ht)なる大きさの磁界及び(Hex+Ht)なる大き
さの磁界が記録層のキュリー温度Tcoを境として存在
し、それらが曲線Aを構成する。図中、下向きが記録方
向であり、Hexも下向きに印加されている。ここで、
外部磁界Hexは、室温における記録層の磁化から生成
される初期化方向の静磁界Htの大きさに比べて小さく
なるように調整してあるので、転写磁界全体としては、
曲線Aで表したように記録層の記録磁区の磁化方向によ
って上向き(負)および下向き(正)が存在することに
なる。
【0047】磁気温度曲線Bは、垂直磁化を有する状態
における再生用磁性膜24の垂直方向の保磁力の温度変
化を示す。この保磁力には、純粋な垂直方向の再生用磁
性膜24の磁区の保磁力Hrに再生用磁性膜24の磁壁
(magnetic wall )の生成によって印加されるとみなす
仮想的磁界に相当する磁界Hw(別な言い方すると、再
生用磁性膜24の面内方向の交換結合磁界)を含めてH
r+Hwとして表すものとする。すなわち、Hr+Hw
は再生用磁性膜24膜面に垂直な方向における磁化反転
を行うに必要な磁界を示すことになる。再生用磁性膜2
4の膜面に垂直な方向への磁化は再生用磁性膜24が垂
直磁化膜となる臨界温度Tcr以上で現われ、補償温度T
compでは再生用磁性膜24の磁化がゼロになるために保
磁力が極大を示す。
【0048】図37の温度曲線A及びBは、同図に示す
ように三つのエリア(a)〜(c)に分けられる。この
3つのエリア(a)〜(c)は、本発明の再生方法にお
けるi)記録層から再生用磁性膜24への磁区転写、i
i) 再生用磁性膜24での転写磁区の拡大、iii)拡大磁
区の消滅の3つのステップにそれぞれ対応する。このた
め、図37のエリア(a)〜(c)における記録層及び
再生用磁性膜24に要求される磁気特性について説明す
る。エリア(a)は、本発明の再生方法において記録層
から再生用磁性膜24に磁区転写が行われる温度エリア
であり、図中、Tcr〜T1の温度範囲に属する。T1
は、磁気温度曲線AのHex−Ht側が磁気温度曲線B
と最初に交差する温度である。この温度範囲Tcr〜T1
は、後述するように再生光の光パワーを比較的低パワー
に調整することにより達成できる。この温度領域で磁気
転写が行われるためには、この温度領域内で転写磁界の
大きさが再生用磁性膜24の垂直方向の保磁力を超える
ようにしなければならない。すなわち、記録層に記録さ
れている磁化が↓向き(記録方向)である場合、Hex
+Htで表される転写磁界は、Hr+Hwまたは−(H
r+Hw)よりも大きくなるようにしなければならない
(磁区転写要件)。また、記録層に記録されている磁化
が↑向き(消去方向)である場合、Hex−Htで表さ
れる負の転写磁界は、再生用磁性膜24の垂直方向の保
磁力Hr+Hwまたは−(Hr+Hw)よりも小さくな
るようにしなければならない(磁区転写要件)。
【0049】一方、図37のエリア(a)において、磁
気温度曲線A及びBを比較すると、下記式(a1)〜
(a3)の関係が成立することがわかる。
【0050】 Hr<Hex+Ht−Hw (a1) −Hr>Hex−Ht+Hw (a2) Hr>Hex−Ht−Hw (a3) 従って、エリア(a)は、上記磁区転写要件を満足し、
記録層の記録磁区の磁化方向に拘らず、それを再生用磁
性膜24に転写することができる。
【0051】次に、図37のエリア(b)では、再生層
に転写された磁区の磁区拡大が行われる。この温度領域
は、図中、T1〜T2で示した範囲である。温度T2
は、磁気温度曲線AのHex−Ht側が磁気温度曲線B
と高温側で交差する温度である。なお、図37に示した
磁気特性を有する光磁気ディスクは外部磁界Hexとの
関係において、T2が再生用磁性膜24の補償温度Tco
mpにほぼ一致する(補償温度Tcompと記録層のキュリー
温度Tcoの間にあり、極めて補償温度Tcompに近い温度
になる)ように調整してある。この温度領域では、再生
用磁性膜24に転写された磁区の両側には、再生光スポ
ット内でTcr〜T1に加熱された結果、記録層の上向き
の磁区から磁気転写を受けた磁区が存在する。再生用磁
性膜24に転写された磁区が面内方向に拡大を始めるた
めには、その両側の磁区の向きを記録方向(↓向き)に
向かせる必要がある。ここで、磁区は外部磁界Hexに
直上の記録層の磁区からの上向きの静磁界Htを加えた
転写磁界(Hex−Ht)(トータルで↑向き)を受け
ており、一方、磁区からの交換結合磁界Hw(下向き)
と磁区自体の磁化を反転させるための保磁力Hrとを含
めた垂直方向保磁力を有する。それゆえ、磁区の転写磁
界(Hex−Ht)よりも垂直方向保磁力(Hr+H
w)を大きくすれば、磁区は反転する(磁区反転要
件)。
【0052】エリア(b)において再生用磁性膜24の
磁区の磁区拡大が生じる。記録層に記録方向の磁区がな
い場合には、再生用磁性膜24に下向きの磁区は現われ
ない。
【0053】次に、エリア(c)では、転写及び拡大さ
れた磁区が反転(消滅)し、消去方向の磁区201cが
形成される。この温度領域は、再生用磁性膜24の補償
温度を僅かに超えるT2から、記録層のキュリー温度T
coの範囲である。拡大再生された磁区は、消去方向に再
生用磁界を印加することによって、すなわち、再生用磁
界として交番磁界を用いることによって消滅または縮小
させることができるが、本発明の再生方法ではDC磁界
を用い、磁気転写及び拡大のために用いた再生光パワー
よりも高いパワーに再生光をパワー変調することによっ
て拡大磁区を消滅させる。なお、拡大磁区消滅のために
再生光パワーを一層小さく変調してもよい。
【0054】エリア(c)にて、拡大磁区が反転(消
滅)する原理を説明する。再生用磁性膜24の温度がそ
の補償温度Tcomp未満の場合には、再生用磁性膜24の
希土類金属の磁化が優勢であり、転写元の記録層(遷移
金属の磁化が優勢)の磁化方向と平行である。次いで、
本発明の再生方法に従い高パワーレーザの照射により再
生用磁性膜24が補償温度Tcompを超えると、再生用磁
性膜24の遷移金属の磁気モーメントが優勢となる。磁
区の保磁力Hrは、磁区に作用する記録方向の全磁界
(Hex+Ht−HwまたはHex−Ht−Hw)より
小さい。その結果、再生用磁性膜24の温度がその補償
温度Tcomp以上(厳密にはT2以上)では、優勢となっ
た遷移金属の磁気モーメントはかかる記録方向に向くよ
うに反転する。それゆえ、拡大磁区201bの下向きの
希土類金属の磁気モーメントは、エリア(c)の温度、
すなわち、補償温度Tcomp以上に加熱された領域で反転
して、反転磁区が生じる。なお、反転磁区の両側の磁区
は、その温度はT1〜T2の間にあるため、拡大磁区と
同じ磁化方向を有する。
【0055】本発明に従う再生方法では、上記3つの温
度エリア(a)〜(c)は再生光パワーを少なくとも2
段階のパワーPr1 及びPr2 に変調することによって
達成することができる。すなわち、再生光の光パワーP
r1 を、上記再生用磁性膜24をTcr〜Tcompの温度に
加熱して光磁気記録膜の記録磁区を再生用磁性膜24に
転写及び磁区拡大することができるようなパワーとし、
再生光の光パワーPr2 を、上記再生用磁性膜24をT
comp〜Tcoの温度に加熱してかかる拡大された磁区を縮
小または消滅させるパワーとすればよい。そして、Pr
1 /Pr2 再生光パワー変調を再生クロックと同期させ
て再生光として使用することにより、記録層の記録磁区
を、i)再生用磁性膜24への転写、ii) 転写磁区の拡
大、及び拡大磁区の消滅のステップを経て再生すること
ができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光磁気記録媒体、
その再生方法及び再生装置の具体例を添付の図面を用い
て詳細に説明する。
【0057】
【実施例1】本実施例の第1種の光磁気記録媒体は片面
に所望のプリフォーマットパターン2が形成された透明
基板111とプリフォーマットパターン2上に誘電体膜
3と、再生用磁性層24と、非磁性層(断熱層)26
と、反射層8と、第1補助磁性膜25と、光磁気記録膜
10と、保護膜7とをこの順に積層形成したもので、図
8(a),(b),(c)に示したものである。
【0058】本実施例の第2種の光磁気記録媒体は第1
種の光磁気記録媒体の再生用磁性層24と第1補助磁性
膜25と光磁気記録膜10とを直接接触させて積層した
もので、その他は第1種の光磁気記録媒体と同じであ
る。
【0059】透明基板11としては、例えばポリカーボ
ネートやアモルファスポリオレフィンなどの透明樹脂材
料を所望の形状に成形したものや、所望の形状に形成さ
れたガラス板の片面に所望のプリフォーマットパターン
2が転写された透明樹脂膜を密着したものなど光透過性
のある任意の基板を用いることができる。誘電体膜3
は、膜内で再生用光ビームを多重干渉させ、見かけ上の
カー回転角を増加するために設けられるものであって、
透明基板11よりも屈折率が大きい、例えばSiNから
なる無機誘電体で形成することができる。保護膜7は、
基板1と保護膜7との間に積層される膜体3〜6を腐食
等の化学的な悪影響から保護するためのものであって、
例えば、SiN膜よりなる。光磁気記録膜10は、室温
を含む広い温度範囲で垂直磁気異方性を示す垂直磁化膜
であり、例えば、TbFeCo、DyFeCo、TbD
yFeCoなどの希土類と遷移金属の非晶質合金が好ま
しいが、Pt膜とCo膜の交互積層体やガーネット系酸
化物磁性体などの他の知られた光磁気記録材料を用いる
こともできる。
【0060】第1補助磁性膜25及び再生用磁性膜24
は、図37に示すように、室温(R.T)から室温以上
のある臨界温度(TCR)までは面内磁化膜であり、T
CR以上では垂直磁化膜に転移する磁気特性を有する。
図37には、磁化方向を表すために、補助磁性膜の膜面
に垂直な方向に外部磁界を印加した場合のカー回転角の
ヒステリシスループから求めたθKR/θKS(θK
R:残留カー回転角、θKS:飽和カー回転角)を、温
度に対して表してある。なお、本明細書において、「室
温」とは光磁気記録媒体が使用される雰囲気温度を示
し、使用場所に応じて多少異なるが、一般には15℃〜
25℃である。第1補助磁性膜25及び再生用磁性膜2
4材料としては、例えば、GdFeCo、GdFe、G
dTbFeCo、GdDyFeCoなどの希土類と遷移
金属の非晶質合金が好ましく、第1補助磁性膜25及び
再生用磁性膜24の臨界温度Tcr1、Tcr2を超え
る温度領域と光磁気記録層の磁区の大きさとの関係を考
慮して決定される。
【0061】図8の(a),(b),(c)で示すよう
に、本実施例は少なくとも光磁気記録層10と第1補助
磁性層25と再生用磁性層24とを用いており、光ヘッ
ドの開口数がNAの対物レンズ301から光磁気記録媒
体へ垂直に投入される、波長λの再生光によって読み取
ることができる限界以下、即ち前記光ヘッドの分解能で
ある、d=λ/NAより小さい大きさの微小記録磁区1
20を、光磁気記録層10に記録して用いる光磁気記録
媒体である。この光磁気記録媒体の光磁気記録層10か
ら記録情報を再生する再生方式では、第1補助磁性層2
5に及ぶ再生光スポット範囲内の、第1補助磁性層25
の臨界温度Tcr1以上に達している温度領域5の幅Ltに
対して、光磁気記録層10に記録されている直列に並ぶ
複数の微小記録磁区の無作為に選択する一つの微小記録
磁区120とその微小記録磁区の両側に隣接する磁区間
の間隔の最小値130との合計値であるL値が Lt≦
L であるように微小記録磁区120を記録することが
できる。さらに光磁気記録層10に記録される微小記録
磁区120の大きさは、再生用磁性層24に及ぶ再生光
スポット範囲内の、再生用磁性層24の臨界温度Tcr2
以上に達している温度領域6の幅L2tに対して L2t≧
λ/NA の範囲に再生用磁性層24に転写拡大されて
読みとれる大きさでなければならない。
【0062】即ち、再生用磁性層24においては臨界温
度Tcr2以上で再生光スポットいっぱいまの大きさにま
で転写磁区の拡大が得られる必要があり、臨界温度Tcr
1以上の温度になるスペースの直径Lt相当以下、Lt/
3程度以上大きさの微小記録磁区まで記録に用いること
が可能である。従って、記録再生装置から照射される記
録媒体に垂直に投入される再生用レーザビームスポット
の温度プロフアイルが、ビームスポット内の臨界温度T
cr2以上に達する温度領域の直径がλ/NA以上、スポ
ット外径ほぼいっぱいまで達する程、そして、再生用レ
ーザビームスポット内の第1補助磁性層25の臨界温度
Tcr1相当以上の温度になるスペースの直径Ltが小さく
なるほど、光磁気記録層10に記録する微小記録磁区を
小さくすることができ、再生記録磁区をより大きく拡大
できるので、光磁気記録媒体の記録密度のレベルがいっ
そう高くなる。
【0063】光磁気記録媒体の誘電体膜3、再生用磁性
膜24、第1補助磁性膜25、光磁気記録膜10及び保
護膜7は、例えば、マグネトロンスパッタ装置による連
続スパッタリング等のドライプロセスにより形成するこ
とができる。
【0064】以下に、図8に示した光磁気記録媒体の一
例として、光磁気ディスクのサンプルの作製例を示す。
光磁気ディスクのサンプルは、プリフォーマットパター
ンを有するガラス基板上に、SiN膜よりなる誘電体膜
と、Gd25Fe56Co19膜(II)よりなる再生用磁
性膜24と、Gd28Fe53Co19膜(I) よりなる
第1補助磁性膜と、Tb21Fe66Co13膜よりな
る光磁気記録膜と、AlTi合金からなる反射膜と、S
iN膜よりなる非磁性膜と保護膜とを順次スパッタリン
グ法により積層して作製した。この場合の各補助磁性膜
及び光磁気記録膜の厚さ並びに磁気特性を表1に示す。
表中のTcはキュリー温度を表し、Tcrは補助磁性膜の
面内磁化膜が垂直磁化膜に変化する臨界温度を表す。
【0065】 表1 材料 膜厚 TC TCR (nm) (℃) (℃) 光磁気記録膜 TbFeCo 50 270 − 第1補助磁性膜 GdFeCo(I) 60 >300 200 再生用磁性膜 GdFeCo(II) 50 >300 90 上記のように作製したサンプルディスクのデータ記録領
域に、レーザービームを一定周期のパルス状に照射しな
がら外部磁界を記録信号に応じて変調させて、すなわ
ち、光磁界変調方式を用いてテスト信号を記録した。記
録光パルスのデューティー比は50%であった。種々の
記録マーク長の記録マークが形成されるようなテスト信
号を用いた。その領域の大きさが光磁気記録膜10に記
録されている磁区Mの径以上、好ましくは再生光スポッ
ト径以上となるようにTCR及び再生パワーが設定されて
いる。
【0066】次いで、対物レンズの開口数NA=0.5
5、レーザー波長780nmの光ピックアップを用い、
線速度7.5m/sec、再生パワー2.5mW、再生
時の外部印加磁界をゼロとして、種々の長さの記録マー
クを再生した。サンプルディスクの光磁気記録膜、第1
補助磁性膜及び再生用磁性膜24の組成及び再生パワー
を上記のように調整したことによって、前述の検証方法
により、光磁気記録膜の微小記録磁区120の大きさ
(径)よりも第1補助磁性膜に転写された垂直磁化の磁
区130の大きさ(径)が小さいことがわかった。
【0067】本実施例に係るサンプルディスクでは、記
録マーク長0.2μmにおいても、従来ディスクに比べ
著しく高い再生C/Nが得られることがわかる。従っ
て、本発明を用いれば、従来の再生限界を超えた極めて
微小な記録マークの再生が可能となり、記録密度を向上
させることができる。
【0068】この実施例で用いた再生用磁性膜24であ
るGd28Fe53Co19膜の磁壁の厚みは、前記計
算方法を用いて算出すると、ほぼ50nmであり、第1
補助磁性層の膜厚が60nmであることからすれば、本
発明の第1補助磁性層の膜厚の条件を満足している。ま
た、ホール効果を用いて測定した場合の磁壁の厚さは6
0nmより小さいことがわかっている。
【0069】本実施例の第2種の光磁気記録媒体は光磁
気記録膜10、第1補助磁性膜25及び再生用磁性膜2
4の3つの磁性膜の膜間を接触させて積層し各膜間を交
換結合させたが、光磁気記録膜10と第1補助磁性膜2
5との間に、または、第1補助磁性膜25と再生用磁性
膜24との間に、若しくはその両方に非磁性膜を挿入
し、磁性膜間を静磁結合させた場合とほぼ同じ結果が得
られた。本実施例に用いた第1補助磁性膜25及び再生
用磁性膜24の臨界温度Tcr1、Tcr2ではTcr1>Tcr2
の条件にあるが、一般に第1補助磁性膜、第2補助磁性
膜、…………、再生用磁性膜の臨界温度Tcr1、Tcr2、
…………、Tcrnの間では、TCR2>.... >T
CRn >室温(但し、TCRi は第i補助磁性膜の
Tcr)と設定したn(n≧3)層の補助磁性膜を順次
積層して用いてもよい。但し、この場合、第1補助磁性
膜が光磁気記録膜10側に設けられ、第n補助磁性膜が
誘電体膜3側に設けられる再生用磁性膜である。
【0070】また、再生用光ビームが照射された時の媒
体の温度プロファイルを所望の形状にするために、ある
いは、温度プロファイルの線速度依存性を小さくするた
め、適当な熱伝導率の熱制御膜を光磁気記録媒体の保護
膜7上、若しくは保護膜7と光磁気記録媒体10との間
に設けてもよい。また、本実施例では、通常のDCレー
ザー光で再生を行ったが、最短マーク長に対応する周波
数のパルスレーザー光で再生を行い、さらに良好な再生
C/Nを得ることも可能である。
【0071】また、更に良好な再生CN比を得るため
に、再生光を照射したときの媒体の最高到達温度でカー
回転角θk が再生用磁性膜24のθk 以上であり且つ室
温以上で垂直磁化膜である他種磁性材料からなる再生用
磁性膜を本実施例の誘電体膜3と再生用磁性膜24との
間に付加してもよい。かかる再生用磁性膜の材料とし
て、例えば、GdFeCoを用いることができる。
【0072】
【実施例2】本実施例に用いる光磁気記録媒体は少なく
とも光磁気記録層10と第1補助磁性層25と再生用磁
性層24とが形成されるものであり、光磁気記録層10
及び再生用磁性層24において案内溝によって仕切られ
るトラッキングトラック、光磁気記録層10に記録され
る微小記録磁区、及び再生用磁性層24に転写されて拡
大する磁区等についての各局部を図9及び図11に示
す。本実施例の光磁気記録媒体のその他は実施例1と同
じである。記録再生装置に挿入した本実施例の光磁気記
録媒体では、開口数NAの光ヘッド対物レンズ301か
ら記録媒体に対して垂直に投入される波長λの再生光に
よって読み取ることができる限界以下、即ち光ヘッドの
分解能d=λ/NAより小さいので読み取ることのでき
ない大きさの微小記録磁区120が、光磁気記録層10
に記録される。
【0073】再生光には、光磁気記録媒体のクロック信
号に同期する再生光パルスを用い、トラッキング用トラ
ックは、再生光スポット径で読み取れる幅を用いる。光
磁気記録層10の微小記録磁区を再生用磁性層24に転
写記録、拡大する垂直磁化部140を読み取り再生する
場合に重要なことは、一つ手前の直近に再生が済んだ拡
大垂直磁化の残留磁区139と重なりによるクロストー
クを防止することである。
【0074】これを防ぐ第1の方法は、再生用磁性層2
4における転写、拡大残留磁区139が消失する速度が
遅い場合にとられる手段であって、光磁気記録層10の
微小記録磁区の記録配置を、再生中の再生用磁性層24
の転写、拡大された垂直磁化部140の位置が、転写、
拡大残留磁区139に重ならない位置になるように設定
することである。即ち再生用磁性層24の転写、拡大さ
れた垂直磁化部140の大きさは、再生用磁性層24に
おける再生スポット内の臨界温度Tcr2以上に達してい
る温度領域6の幅L2tが少なくとも分解能λ/NAより
大で且つ再生スポット径以下、即ち λ/NA≦L2t≦
(再生スポット径)でなければならない。従って光磁気
記録層10の微小記録磁区は少なくともλ/NA以上、
再生スポット径以下の間隔に記録する必要があり、再生
用磁性層24における再生スポット径程度ならば充分で
ある。
【0075】第2の方法は、後の実施例に述べる、再生
用磁性層24における転写、拡大残留磁区139の消失
速度を大きくする手段である。この手段によって瞬時に
消失することができる場合では、例えば図9に示すよう
に、光磁気記録層10に記録される微小な記録磁区の大
きさと記録間隔は、投入される再生用レーザビームスポ
ットの第1補助磁性層における温度範囲の内、第1補助
磁性層臨界温度Tcr1以上の温度に達する範囲相当の直
径Lt内に収まる程度以下の大きさまでのものを記録す
ることが可能である。微小な記録磁区の磁区と磁区の間
の最小間隔は再生用レーザビームスポットの温度Tcr1
以上の温度範囲に相当する径以下に収まる大きさであ
り、好ましくは(再生用レーザビームスポットの温度T
cr1以上の温度範囲に相当する径)×(1/3)の大き
さ程度である。さらに好ましくは、光磁気記録層10に
記録される微小な記録磁区の大きさが、第1補助磁性層
の再生用レーザビームスポットにおける臨界温度Tcr1
以上の温度に達する範囲相当の直径Lt内に(微小記録
磁区の直径+微小記録磁区間の間隔×2)の範囲が収ま
る程度まで微小記録磁区を縮小させて用いることができ
る。
【0076】再生用磁性層24における転写、拡大残留
磁区139を瞬時に消失することができる場合では、例
えば図10及び図12に示すように、再生用磁性層24
における転写、拡大磁区140はトラッキングトラック
からはみ出しても、トラッキングトラック以内に納めて
もどちらでもよい。光磁気記録媒体のクロック信号に同
期する再生光を用い、光磁気記録媒体に対して垂直に投
射する再生光スポット内の温度が補助磁性層の臨界温度
Tcr1以上の範囲に相当する幅Lt内に収まるトラッキン
グ用トラック及びLt内に収まる直径の微小記録磁区を
用いると、いっそう高密度記録ができるので好ましい。
【0077】光磁気記録媒体の再生時には、外部磁界及
び/または再生用レーザビームが適用される。磁区拡大
による再生に最も好適な磁界印加条件について検討した
ところ、本発明の光磁気記録媒体の再生方法において、
磁界とレーザビームの各々が”連続(DC)”または”
パルス”のいずれかを選択できるためにその組み合わせ
は次の4通りが考えられる。
【0078】 (1) レーザビーム:連続光、磁界:連続磁界 (2) レーザビーム:連続光、磁界:パルス (3) レーザビーム:パルス、磁界:連続磁界 (4) レーザビーム:パルス、磁界:パルス 上記の4つの場合のうち、(2)〜(4)についてはパ
ルス化されたレーザ光若しくは磁界またはその両方の大
きさ及び適用するタイミングを調整する必要がある。上
記(2)の場合は、サンプリング点となる磁区拡大のプ
ロセスで印加される外部磁界Hepと次のサンプリング
までの間のプロセスで印加される外部磁界Hsrとは異
なる大きさとして、効果的に磁化反転を生じさせること
ができる。また、隣接する磁区の再生に拡大再生の影響
が残らないようにするという理由から磁区拡大のための
時間T1(記録方向の磁界のデューティ)は次のサンプ
リングまでの時間T2より短く、0.15≦T1/(T
1+T2)≦0.9の範囲が好ましい。この範囲は、後
述する再生磁界の波形におけるオーバーシュートを防止
するという観点からも好ましい。さらに好ましくは、
0.15≦T1/(T1+T2)≦0.6である。この
時間T1は、光磁気記録媒体を構成する磁性層の磁化特
性等の種々の要因に基づいて最適値が選定される。
【0079】上記(3)の場合は、記録層の磁区を再生
用磁性膜24に転写し、広範な温度分布を与えて磁区拡
大の条件を整えるために時間がかかるためレーザビーム
のパルスのデューティは20〜70%の範囲が好まし
い。サンプリングのための磁化拡大の時間T1、次のサ
ンプリングまでの時間T2の各々において、レーザビー
ムのON/OFFが1回行われるようにレーザビーム
(レーザパワーをPrで表した)を照射するのが好まし
い。本発明においては、上記(1)〜(4)のいずれの
方法も用いることが可能である。しかしながら、磁区拡
大再生を最も確実に行わせるには、再生の都度、媒体の
温度を低下させ、面内磁化膜の状態に戻す必要がある。
このような要請より、パルス光照射を用いることが好ま
しく、また磁区拡大縮小を確実に行えるパルス再生磁界
が好ましい。これらのことより、条件(4)での再生が
最適である。
【0080】
【実施例3】本実施例を図9によって記載する。再生用
磁性層24に微小記録磁区一個分が転写、拡大された垂
直磁化部140がトラッキング用トラックの両サイドの
案内溝に交差しないようにするため、及び隣接トラッキ
ング用トラックへはみ出すことのないようにするため
に、少なくとも案内溝を持たない再生用磁性層24を用
いる光磁気記録媒体について検討した。再生用磁性層2
4に案内溝を形成しない光磁気記録媒体では、微小記録
磁区が再生用磁性層24に転写、拡大された垂直磁化部
140を読み取り再生する際のトラッキングエラー、ク
ロストーク、或いは再生信号のS/N比低下等を防止す
ることができる。
【0081】少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁
性層25と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録
層10に光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入さ
れる再生光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記
録磁区120が記録される光磁気記録媒体について、材
料がガラスの透明基板11のトラッキングトラックを含
むプリフオマットパターン2を形成した面に透明非磁性
層26、第1補助磁性層25、光磁気記録層10、第2
透明非磁性層260、反射層8、及び保護層7をこの順
に積層形成する。さらに、ガラスの透明基板11のプリ
フオマットパターン2の形成面とは反対側に、SiO2
(酸化シリコン)の透明層290、再生用磁性層24、
誘電体3、及び保護膜(ダイヤモンド状炭素)29をこ
の順に積層形成する。上記の構成に作成した光磁気記録
媒体について図21に示す。
【0082】図21の積層構成のうち第1補助磁性層2
5を透明基板11のプリフオマットパターン2を形成し
ない面側のSiO2(酸化シリコン)の透明層290の
上に配置形成し、第1補助磁性層25と再生用磁性層2
4間に透明な非磁性層29を形成し、透明基板11の材
料にポリカーボネイト樹脂を用いた媒体の実施例を図2
2に示す。
【0083】さらに、ポリカーボネイト樹脂を用いた透
明基板11の片面にランド部及びグルーブ部からなり、
トラッキングトラックを含むプリフオマットパターン2
を形成した側に反射層8、誘電体3、光磁気記録層1
0、透明非磁性層260、及び保護層7をこの順に積層
形成し、反対面にSiO2(酸化シリコン)の透明層2
90、第1補助磁性層25、透明な非磁性層29、再生
用磁性層24、誘電体3、及び保護膜29をこの順に積
層形成する光磁気記録媒体の実施例を図23に示す。
【0084】さらに、ポリカーボネイト樹脂を用いた透
明基板11の片面にランド部及びグルーブ部からなり、
トラッキングトラックを含むプリフオマットパターン2
を形成した側に第1補助磁性層25を配置しその上に光
磁気記録層10を接触積層する媒体構成の実施例を図2
4に示す。
【0085】図25はポリカーボネイト樹脂を用いた透
明基板11の片面にランド部及びグルーブ部からなり、
トラッキングトラックを含むプリフオマットパターン2
を形成した側には反射層8と保護膜7なだけを形成し、
透明基板11のプリフオマットパターン2のない面にS
iO2(酸化シリコン)の透明層290、光磁気記録層
10、第1補助磁性層25、透明な非磁性層29、再生
用磁性層24、誘電体3、及び保護膜29等の主な膜層
の全部を配置する構成の実施例である。この光磁気記録
媒体ではヘッドのトラッキングは反射膜で行い、光磁気
記録層10、第1補助磁性層25、透明な非磁性層2
9、再生用磁性層24等には一様な平面膜であり、ラン
ド部及びグルーブ部等を形成しない。
【0086】図26に示す光磁気記録媒体は図23の媒
体の膜構成について熱伝導性の大きな反射膜(金(A
u),銀(Ag),Al,AlTi合金等の材料を用い
る)を再生用磁性層24に接触積層させるように変えた
ものである。
【0087】上記各図に示した光磁気記録媒体の何れに
おいても、微小記録磁区が再生用磁性層24に転写、拡
大された垂直磁化部140を読み取り再生する際のトラ
ッキングエラー、クロストーク、或いは再生信号のS/
N比低下等を防止する効果が得られる。
【0088】
【実施例4】光磁気記録層10と第1補助磁性層25と
再生用磁性層24とを用い、光ヘッドの対物レンズ30
1から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/NA以
下の大きさで光磁気記録層10に微小記録磁区120を
記録する光磁気記録媒体について、再生用磁性層24及
び第1補助磁性層25のうち再生用磁性層24だけの、
或いは再生用磁性層24と第1補助磁性層25の両方の
片面に、或いは両面に熱伝導性の高い材料からなる薄膜
を接触形成する光磁気記録媒体である。熱伝導性の高い
材料としては金(Au),銀(Ag),Al,AlTi
合金、その他の熱伝導性の高い金属、合金等を記録再生
光が透過する薄膜で積層形成して用いる。
【0089】図8(b),(c)に示す媒体はガラス材
料からなる透明基板11のトラッキングトラックを含む
プリフオマットパターン2を形成した面に誘電体3、再
生用磁性層24、熱伝導性の高い材料の金(Au),銀
(Ag),Al,AlTi合金、その他の熱伝導性の高
い金属、合金等から選択して用いる、記録再生光が透過
する薄膜の反射膜8、透明な断熱性の高い非磁性層2
6、第1補助磁性層25、光磁気記録層10、及び保護
層7をこの順に積層形成した光磁気記録媒体である。再
生用磁性層24にはAlTi合金等の光反射性で且つ膜
面方向の熱拡散速度が大きく、膜の厚み方向に熱伝導性
の高い材料を接触形成する。
【0090】光磁気記録媒体における光磁気記録層10
の微小記録磁区を再生用磁性層24に転写記録、拡大す
ることによって垂直磁化部140を読み取り再生する手
段において重要なことは、一つ手前の直近に再生の済ん
だ拡大垂直磁化の残留磁区139と重なりを生ずること
によって発生するクロストーク、トラッキングエラー、
或いは読み取りエラー等を防止することである。この防
止手段として再生用磁性層24における転写、拡大残留
磁区139の消失速度を大きくすることである。別な言
い方をすると、再生用磁性層24の冷却速度を大きくす
ることである。従って図8のような膜構成の記録媒体に
よって効果が得られる。
【0091】図13、図14、及び図15に示す光磁気
記録媒体の実施例は、ポリカーボネイト樹脂からなる透
明基板11のトラッキングトラックを含むプリフオマッ
トパターン2を形成した面に誘電体3、再生用磁性層2
4、透明な断熱性の高い非磁性層26、第1補助磁性層
25、光磁気記録層10、及び保護層7を積層する膜構
成の光磁気記録媒体に、熱伝導性の高い材料の金(A
u),銀(Ag),Al,AlTi合金、その他の熱伝
導性の高い金属、合金等から選択して用いる、記録再生
光が透過する薄膜の反射膜8を、再生用磁性層24に接
触形成し、透明な断熱性の高い非磁性層26を再生用磁
性層24と第1補助磁性層25の間に形成したもの(図
13)、薄膜の反射膜8を誘電体3と再生用磁性層24
の間に形成したもの(図14)、薄膜の反射膜8を、再
生用磁性層24に接触形成し、透明な断熱性の高い非磁
性層26を再生用磁性層24と第1補助磁性層25の間
に形成し、さらに第1補助磁性層25と光磁気記録層1
0との間に透明な断熱性の高い非磁性層27を形成した
もの(図15)等である。図13及び図14の媒体では
再生用磁性層24の熱を膜面に平行な方向へ素早く拡散
させて、第1補助磁性層25との間での熱拡散を低下さ
せる機能を示す。図15の媒体では、図13及び図14
の示す機能の他に、第1補助磁性層25と光磁気記録層
10との間での熱拡散を低下させる機能をも示す。第1
補助磁性層25の熱拡散を防ぐことによってより微小な
記録磁区の記録を可能にする効果が得られる。
【0092】光磁気記録層10に光ヘッドの対物レンズ
301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/N
A以下の大きさの微小記録磁区120が記録される光磁
気記録媒体において、高密度記録をさらに向上させる手
段として、光磁気記録層10の微小記録磁区間の間隔を
できるだけ小さくする方法が用いられる。即ち、再生用
磁性層24上に転写、拡大して再生光スポットによって
区間の間隔を読み取ることができる大きさとしては、
(λ/NA−D)以上(λ/NA)以下の範囲の大きさ
に設定して微小記録磁区と磁区間隔とを光磁気記録層1
0のトラッキング用トラックに記録する。この場合も少
なくとも再生用磁性層24の少なくとも片面に、熱伝導
性の高い材料からなる薄膜を接触形成する光磁気記録媒
体を用いることが好ましい。但し、Dは光磁気記録層1
0の微小記録磁区の長径である。
【0093】
【実施例5】少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁
性層25と再生用磁性層24とからなり、光磁気記録層
10へ光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入され
る再生光の分解能d=λ/NAよりも小さい微小記録磁
区120を記録して用いる光磁気記録媒体において、再
生用磁性層24及び第1補助磁性層25の両方の、或い
は少なくとも再生用磁性層24だけの少なくとも片面
に、図33(b)に示すような、膜面に平行な方向の熱
伝導性が大きく膜面に垂直な方向の熱伝導性が小さい材
料の薄膜を接触形成して用いる。
【0094】図33(a)、図34、及び図35は本発
明の実施例を記載したものである。即ち、ポリカーボネ
イト樹脂からなる透明基板11のトラッキングトラック
を含むプリフオマットパターン2を形成した面に誘電体
3、再生用磁性層24、透明な断熱性の高い非磁性層2
6、第1補助磁性層25、光磁気記録層10、第2誘電
体層30、薄膜の反射膜8、及び保護層7等の膜を積層
構成する光磁気記録媒体である。透明な断熱性の高い非
磁性膜26は第1補助磁性層25と光磁気記録層10と
の間に(図34)、或いは再生用磁性層24と第1補助
磁性層25との間に(図33(a))に用いられる。膜
面に平行な方向の熱伝導性が大きく膜面に垂直な方向の
熱伝導性が小さい材料の薄膜80は主として再生用磁性
層24と第1補助磁性層25との間に再生用磁性層24
と接触させて用いる。薄膜80を再生用磁性層24の両
面に接触配置して用いてもよい。
【0095】
【実施例6】光磁気記録層10と第1補助磁性層25と
再生用磁性層24とを用い、光ヘッドの対物レンズ30
1から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/NA以
下の大きさで光磁気記録層10に微小記録磁区120を
記録する光磁気記録媒体について、再生用磁性層24及
び第1補助磁性層25のうち第1補助磁性層25だけ
の、或いは再生用磁性層24と第1補助磁性層25の両
方の片面に、或いは両面に熱伝導性の悪い材料からなる
薄膜を接触形成する光磁気記録媒体である。熱伝導性の
小さい材料としては酸化硅素(SiO2),窒化珪素
(Si3N4),硫化亜鉛(ZnS),Al2O3,T
iO2,SiC(炭化珪素)、ダイヤモンド状カーボ
ン、窒化アルミ、ガラス、セラミック等を記録再生光が
透過する薄膜で積層形成して用いる。
【0096】図8(b),(c)に示す媒体はガラス材
料からなる透明基板11のトラッキングトラックを含む
プリフオマットパターン2を形成した面に誘電体3、再
生用磁性層24、薄膜の反射膜8、透明な断熱性の高い
非磁性層26、第1補助磁性層25、光磁気記録層1
0、及び保護層7をこの順に積層形成した光磁気記録媒
体である。第1補助磁性層25には窒化珪素(Si3N
4)、窒化アルミ、酸化硅素(SiO2)等の光透過性
で且つ膜の厚み方向に断熱性の高い材料を接触形成す
る。
【0097】光磁気記録媒体における光磁気記録層10
の微小記録磁区を再生用磁性層24に転写記録、拡大す
ることによって垂直磁化部140を読み取り再生する手
段において重要なことは、光磁気記録層10に記録する
微小記録磁区が再生用磁性層24に転写記録、拡大して
読み取れる微小記録磁区がよりいっそう小さくできるこ
とである。このことによって記録媒体の記録密度をより
いっそう大きくすることが可能になる効果が得られる。
【0098】図13、図14、及び図15に示す光磁気
記録媒体の実施例は、ポリカーボネイト樹脂からなる透
明基板11のトラッキングトラックを含むプリフオマッ
トパターン2を形成した面に誘電体3、再生用磁性層2
4、光が透過する薄膜の反射膜8、第1補助磁性層2
5、光磁気記録層10、及び保護層7を積層する膜構成
の光磁気記録媒体に、透明な断熱性の高い非磁性層26
を第1補助磁性層25にあるいは光磁気記録層10に接
触形成したもの等である。図13及び図14の媒体では
再生用磁性層24の熱を膜面に平行な方向へ素早く拡散
させて、第1補助磁性層25との間での熱拡散を低下さ
せる機能を示す。図15の媒体では、図13及び図14
の示す機能の他に、第1補助磁性層25と光磁気記録層
10との間での熱拡散を低下させる機能をも示す。第1
補助磁性層25の熱拡散を防ぐことによってより微小な
記録磁区の記録を可能にする効果が得られる。
【0099】光磁気記録層10に光ヘッドの対物レンズ
301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ/N
A以下の大きさの微小記録磁区120が記録される光磁
気記録媒体において、高密度記録をさらに向上させる手
段として、光磁気記録層10の微小記録磁区間の間隔を
できるだけ小さくする方法が用いられる。即ち、再生用
磁性層24上に転写、拡大して再生光スポットによって
区間の間隔を読み取ることができる大きさとしては、
(λ/NA−D)以上(λ/NA)以下の範囲の大きさ
に設定して微小記録磁区と磁区間隔とを光磁気記録層1
0のトラッキング用トラックに記録する。この場合も少
なくとも第1補助磁性層25の少なくとも片面に、断熱
性の高い材料からなる薄膜を接触形成する光磁気記録媒
体を用いることが好ましい。但し、Dは光磁気記録層1
0の微小記録磁区の長径である。
【0100】
【実施例7】本実施例は、図13から図20に示すよう
に、少なくとも光磁気記録層10と第1補助磁性層25
と再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層10に
光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入される再生
光の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録磁区1
20が記録される光磁気記録媒体の膜層がランド部とグ
ルーブ部から構成されるものが対象である。熱伝導性の
大きい材料例えば、反射層8、再生用磁性層24、第1
補助磁性層25、光磁気記録層10等の薄膜についてラ
ンド部及びグルーブ部の境界に熱伝導を著しく妨げる境
界領域部31をトラッキング用トラックの長さ方向に平
行に形成し、例えば反射膜8を前記第1補助磁性層25
及び再生用磁性層24の中から選択される少なくとも再
生用磁性層24の少なくとも片面に接触形成する。
【0101】第1補助磁性層25及び再生用磁性層24
に再生光スポットの加熱温度を加えることによって、光
磁気記録膜の微小記録磁区を再生用磁性層24のランド
部或いはグルーブ部のトラッキング用トラックへ転写拡
大して再生する際に、ランド部或いはグルーブ部領域内
における転写拡大速度を高め、転写拡大磁区が隣接する
隣のトラッキング用トラックへはみ出すことなく消滅す
るように、或いは隣のトラッキング用トラックへまたが
って拡大することを防止するために、ランド部とグルー
ブ部の境界で温度拡散を抑制する。再生光スポットはト
ラッキング用トラックの幅以内に記録される記録磁区を
読み取るようにスポットの大きさとスポット位置が制御
されており、再生光スポットの走査におけるトラッキン
グを正常に動作させ、クロストークを防止することがで
きる。
【0102】図16はポリカーボネイト樹脂からなる透
明基板11のトラッキングトラックを含むプリフオマッ
トパターンを形成した面に誘電体3、再生用磁性層2
4、光が透過する薄膜の反射膜8、非磁性層26、第1
補助磁性層25、光磁気記録層10、及び保護層7をこ
の順に積層する膜構成の光磁気記録媒体であり、各膜層
はランド部とグルーブ部との境界がほぼ垂直壁状の断層
で仕切られておるために、各積層膜をスパッタリング等
によって成膜すると、ランド部とグルーブ部との境界域
では膜厚を極めて薄く抑制することができる。図17
(a)は反射膜8のランド部8Lとグルーブ部8Gとの
境界域8Bを示す。図17(b)は非磁性層26のラン
ド部26Lとグルーブ部26Gとの境界域26Bを示
す。図17(c)は再生用磁性層24のランド部24L
とグルーブ部24Gとの境界域24Bを示す。図17
(d)は非磁性層26と反射膜8と再生用磁性層24の
積層膜のランド部Lとグルーブ部Gとの境界域Bを示
し、再生用磁性層24に記録磁区が転写拡大した磁区の
状態を示す。このランド部とグルーブ部との境界域での
極端な薄膜化はランド部とグルーブ部との間の熱の拡散
伝導を著しく低下させる。このためランド部或いはグル
ーブ部で発生した熱の伝導はほとんどトラック方向へ限
られるとみなせる状態にすることが可能になる。
【0103】低パワーの再生光スポットを用いて、でき
るだけ低い加熱温度で微小記録磁区を転写拡大によって
再生するように、エネルギーの省力化をはかるために
は、温度の拡散範囲の無駄を省き、必要な範囲に必要な
最小時間の照射を効率良く使うことを可能にする効果が
得られる。
【0104】図18、図19、及び図20はランド部と
グルーブ部との境界の形状が異なる場合の実施例を示す
ものである。
【0105】
【実施例8】光磁気記録層10と第1補助磁性層25と
再生用磁性層24とからなり、該光磁気記録層10に光
ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入される再生光
の分解能d=λ/NA以下の大きさの微小記録磁区12
0が記録される光磁気記録媒体について、図21から図
26に示すように、光磁気記録層10及び第1補助磁性
層25から選択される少なくとも光磁気記録層にランド
部とグルーブ部からなるトラッキング構造を形成し、少
なくとも再生用磁性層24は一様に平らな膜面に形成す
る膜構成の光磁気記録媒体について実施する。
【0106】図21から図26に示すように、片面に光
ヘッドのトラッキングを可能にするプリフオマッテイン
グを形成した基板を用い、主に光磁気記録層10と反射
層8は基板のプリフオマッテイングを形成側に形成し、
主に第1補助磁性層25と再生用磁性層24を基板の平
滑な面側に形成する。
【0107】図21は基板の平滑な面側に非磁性層29
0、再生用磁性層24、誘電体層3、及び硬度の大きな
透明保護膜29をこの順に積層形成し、その他の積層
膜、透明な断熱層26、第1補助磁性層25、光磁気記
録層10、断熱層260、反射膜8、保護膜7等を基板
のプリフオマッテイング形成側に形成する。
【0108】図22は基板の平滑な面側に非磁性層29
0、第1補助磁性層25、非磁性層29、再生用磁性層
24、誘電体層3を形成して、その他の膜を基板のプリ
フオマッテイング形成側に形成する。
【0109】図23は基板の平滑な面側に非磁性層29
0、第1補助磁性層25、非磁性層29、再生用磁性層
24、誘電体層3、及び硬度の大きな透明保護膜29を
この順に積層形成し、その他の積層膜を基板のプリフオ
マッテイング形成側に形成する。
【0110】図24は基板の平滑な面側に非磁性層29
0、再生用磁性層24、誘電体層3をこの順に積層形成
し、その他の積層膜を基板のプリフオマッテイング形成
側に形成する。
【0111】図25は基板の平滑な面側に反射膜8と保
護膜7以外の全ての積層膜を形成し基板のプリフオマッ
テイング形成側に反射膜8と保護膜7を形成する。
【0112】図21から図26に示す光磁気記録媒体
は、光磁気記録媒体に投射する再生光スポット内の温度
が前記第1補助磁性層25の臨界温度Tcr1以上の範囲
に相当する径Ltの幅のトラッキング用トラック及び直
径がLtの微小記録磁区とが形成される光磁気記録層1
0と、第1補助磁性層25及び再生用磁性層24から選
択される少なくとも再生用磁性層24は一様に平らな面
の膜層が用いられる光磁気記録媒体である。
【0113】
【実施例9】本実施例の、図27から図35で示す光磁
気記録媒体は、少なくとも光磁気記録層10と第1補助
磁性層25と再生用磁性層24とが用いられ、光磁気記
録層10へ光ヘッドの対物レンズ301から垂直に投入
される再生光スポットの分解能d=λ/NA以下の大き
さの微小記録磁区120が記録される記録媒体であっ
て、透明基板の一様に平滑な面上に少なくとも光磁気記
録層10、第1補助磁性層25、及び再生用磁性層24
等を一様に平らな面からなる膜の状態で積層形成し、透
明基板の一様に平滑な面側とは反対側に少なくともトラ
ッキング用トラックを含むプリフオマットパターンを形
成する構成の光磁気記録媒体である。
【0114】さらに、透明基板のプリフオマットパター
ンは、少なくとも光磁気記録媒体に投射する再生光スポ
ット内の温度が第1補助磁性層25の臨界温度Tcr1以
上の範囲に相当する直径Lt以内の幅のトラッキング用
トラックを含むでおり、光磁気記録層10に記録される
微小記録磁区120は、再生光スポット内の温度が第1
補助磁性層25の臨界温度Tcr1以上の温度範囲に相当
する幅値Ltより小さい直径の微小記録磁区を記録する
光磁気記録媒体である。
【0115】透明基板のプリフオマットパターンの種類
としては、平滑な面にトラックの境界、或いは区域のフ
オマットを記す案内溝20を用いる場合の実施例を図2
7、図28、図30、及び図32に示す。基板の材料は
ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリエート等の樹
脂、或いはガラス等を用い、基板の大気露出面側にトラ
ッキング用トラックを含むプリフオマットパターンを形
成する。光ヘッド、光磁気ヘッド、或いは磁気ヘッドに
この基板の大気露出面側のトラックをトラッキングさせ
て、光磁気記録層10へ微小記録磁区120を記録さ
せ、再生においても基板の大気露出面側のトラックをト
ラッキングすることによって光磁気記録層10の微小記
録磁区120を第1補助磁性層25の転写窓口を透して
再生用磁性層24へ転写拡大させて読み取る。
【0116】図27、図30等で示すように、基板のト
ラックを含むプリフオマットパターン形成面の汚れ、
傷、腐食、変形等を防止するために、硬度の大きな材
料,例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC),コ
ランダム、鋼玉、長石等の保護膜29を表面に形成する
ことが好ましい。トラックを含むプリフオマットパター
ンを保護膜7に形成して用いることもできる。さらに、
トラックを含むプリフオマットパターンを透明基板11
に形成して、さらに保護膜7にも形成して用いる図29
及び図32で示す光磁気記録媒体では媒体の表裏両面の
何れでもヘッドのトラッキングが可能になる。
【0117】図29及び図31は基板11の大気露出面
側にランド部とグルーブ部からなるトラックを含むプリ
フオマットパターン200を形成する実施例である。基
板11のプリフオマットパターン200の大気表面に高
い硬度の硬い材料からなる保護膜29を形成して用い
る。
【0118】図27から図32までに、光磁気記録媒体
はそれぞれ膜の組み合わせに違いのある、膜構成の種類
の例について実施例を記載する。積層膜の構成は、基板
11の平滑な面側に誘電体層3、再生用磁性層24、第
1補助磁性層25、光磁気記録層10、第2誘電体層3
0、及び保護膜7等の主要な膜層順に対して、光磁気記
録媒体に固有な特性を持たせるために、透明な断熱性の
非磁性層26と熱伝導係数の大きな反射膜8の配置を工
夫して用いられる。図29の膜構成のように透明な断熱
性の非磁性層26を用いなくともよいが、反射膜8を保
護膜7と積層して用い、透明な断熱性の非磁性層26を
再生用磁性層24と第1補助磁性層25間に形成したも
の(図27)、再生用磁性層24と第1補助磁性層25
間、及び第1補助磁性層25と光磁気記録層10の間に
形成したもの(図28)等は、低パワーの再生光スポッ
トを用いることができる効果が得られる。再生用磁性層
24に熱伝導係数の大きな反射膜8を接触形成して用い
る図30、図31、図32では再生用磁性層24に光磁
気記録層10の微小記録磁区を迅速に転写拡大して再生
し、読み取り後迅速に消滅させることが可能になるた
め、再生信号のクロストーク、再生信号エラー等を防止
できる効果が得られる。
【0119】以上、本発明を実施の形態及び実施例を用
いて具体的に説明してきたが、本発明は特にそれらに限
定されるものではない。例えば、光磁気記録媒体を構成
する材料は本発明の作用を有するものであれば種々の材
料を使用することができ、補助磁性層の前後や光磁気記
録層前後等の任意の位置に任意の中間層を介在させるこ
とも可能である。また、実施例2及び3において情報の
記録を光磁界記録方式を用いて行ったが、それに限定さ
れず、光変調方式及び磁界変調方式を用いることも可能
である。本発明は、ランドグルーブ型の光磁気記録媒体
であって、ランドの幅がグルーブよりも狭い構造の媒体
に有効となる。すなわち、本発明においては再生用磁性
膜24に転写された磁区の拡大が可能であるために狭い
幅のランド部に微小磁区が記録されても高いC/Nで再
生が可能である。
【0120】
【発明の効果】本発明は、少なくとも光磁気記録層10
と第1補助磁性層25と再生用磁性層24とからなる光
磁気記録媒体の光磁気記録層10に、光ヘッドの対物レ
ンズ301から垂直に投入される再生光の分解能d=λ
/NA以下の大きさの微小記録磁区120が記録される
光磁気記録媒体において、第1補助磁性層25における
再生光スポットの温度が臨界温度Tcr1以上の温度領域
に相当する大きさの微小記録磁区及び記録トラックを用
い、第1補助磁性層25の垂直窓口を透過する磁界を再
生用磁性層24における再生光スポットの臨界温度Tcr
2以上の温度領域に微小記録磁区120を転写し拡大す
ることによって分解能d=λ/NA以上の再生信号を得
る記録密度の高い光磁気記録媒体を実用可能にするもの
である。本発明は再生用磁性層24の熱拡散速度を大き
くすること、及び光磁気記録媒体の少なくとも再生用磁
性層24からトラッキングトラック等のフオマットを取
り除き、光磁気記録媒体の透明基板および/または保護
膜の外表面にトラッキングトラック等のフオマットを形
成すること等の手段を講じることによって、高S/Nで
且つ低いエラーレートで再生することのできる。さら
に、この方法は低コストで、量産可能であり、産業上有
効な記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の光磁気記録媒体の光磁気記録層
のトラックと記録磁区を概念的に示す図である。
【図2】図2は本発明の光磁気記録媒体で、従来方式の
トラックを用い、光磁気記録層の微小な記録磁区を再生
用磁性層に転写拡大する方式を示す概念図である。
【図3】図3は(a),(b)共に、本発明の光磁気記
録媒体で、本発明の微細化したトラッキングトラックを
用い、光磁気記録層の微小な記録磁区を再生用磁性層に
転写拡大する方式でクロストークの発生を示す概念図で
ある。
【図4】図4は、本発明の光磁気記録媒体で、従来方式
のトラックを用い、光磁気記録層の微小な記録磁区を再
生用磁性層に転写拡大する方式を示す概念図である。
【図5】図5Aは本発明の光磁気記録媒体で、本発明の
微細化したトラッキングトラックを用い、光磁気記録層
の微小な記録磁区を再生用磁性層に転写拡大する方式を
示す概念図である。
【図6】図6は、本発明の光磁気記録媒体の再生原理を
温度分布を用いて説明した図である。
【図7】図7は、本発明の光磁気記録媒体の再生原理を
温度分布を用いて説明した図である。
【図8】図8は、本発明の光磁気記録媒体のレ−ザビ−
ム照射時の温度状態(a)、再生時の磁化状態(第1補
助磁性層の転写幅が大きい状態)(b)、再生時の磁化
状態(第1補助磁性層の転写幅が小さい状態)(c)を
示す図である。
【図9】図9は、本発明の光磁気記録媒体で、本発明の
微細化したトラッキングトラックを用い、光磁気記録層
の微小な記録磁区を再生用磁性層に転写拡大する方式を
示す概念図である。
【図10】図10は、本発明の光磁気記録媒体で、本発
明の微細化したトラックに記録した微小記録磁区をトラ
ック形成のない再生用磁性層に転写拡大する方式を示す
概念図である。
【図11】図11は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図14】図14は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図15】図15は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例の光磁気記録媒体
の反射膜の断面構造(a),非磁性膜の断面構造
(b),再生用磁性膜の断面構造(c),非磁性膜と反
射膜と再生用磁性膜の積層の断面構造(d)についての
概念図である。
【図18】図18は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図19】図19は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図20】図20は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図21】図21は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図22】図22は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図23】図23は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図24】図24は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図25】図25は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。。
【図26】図26は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図27】図27は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図28】図28は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図29】図29は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図30】図30は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図31】図31は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図32】図32は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図33】図33は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造(a)、熱の流れの状態(b)を示す図である。
【図34】図34は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図35】図35は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図36】図36は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図37】図37は、本発明の光磁気記録媒体に用いる
第1補助磁性膜と再生用磁性膜の保磁力、及び光磁気記
録層の飽和磁化についての温度特性を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
3 誘電体膜 10 光磁気記録膜 11 基板 20 案内溝 24 再生用磁性膜 25 第1補助磁性膜 120 微小記録磁区 140 拡大磁区 200 トラッキングトラック 301 対物レンズ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光磁気記録層と第1補助磁性
    層と再生用磁性層とからなり、該光磁気記録層に光ヘッ
    ドの対物レンズから垂直に投入される再生光の分解能d
    =λ/NA以下の大きさの微小記録磁区が記録される光
    磁気記録媒体において、光磁気記録媒体の少なくとも再
    生用磁性層には一様に平らな膜面を形成し、記録再生用
    ヘッドのトラッキングトラックフオマットを光磁気記録
    媒体の透明基板および/または保護膜の大気側外表面に
    形成して用いることを特徴とする光磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6426865B2 (en) 2000-03-07 2002-07-30 Nec Corporation Electric double layer capacitor
US6802073B1 (en) * 1999-06-11 2004-10-05 Tosoh Corporation Magneto-optical recording medium

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