JPH11153884A - 電子写真用トナーバインダー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー

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JPH11153884A
JPH11153884A JP27934598A JP27934598A JPH11153884A JP H11153884 A JPH11153884 A JP H11153884A JP 27934598 A JP27934598 A JP 27934598A JP 27934598 A JP27934598 A JP 27934598A JP H11153884 A JPH11153884 A JP H11153884A
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隆志 小野
Hiroshi Kishiki
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Shinichi Kamo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー混練前後の粘度変化が少なく、低温
定着性、耐ホットオフセット性を向上したトナーを安定
に製造できるトナーバインダーを提供する。 【解決手段】 温度100℃で熱混練した後の180℃
におけるメルトフローレートMIaが200(g/10
分)以下で、これと熱混練前のメルトフローレートMI
bとの比MIb/MIaが2〜0.05であるポリエス
テル樹脂(I)からなる電子写真用トナーバインダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナーバ
インダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真、静電記録、静電印
刷などにおいて静電荷像をトナーを用いて現像する方法
としては、感光体上に常法により静電潜像を形成し、ト
ナーで現像後、トナー画像をコピー用紙上に転写し、次
いで熱定着(通常熱ローラーを使用)してコピーを得て
いる。従来、このトナーの成分であるトナーバインダー
として、ポリエステル樹脂の利用が提案されており、米
国特許3,681,106号明細書では3価以上の多価
アルコール(トリメチロールプロパン等)のアルキレン
オキサイド付加物を使用したポリエステルを提案してい
る。また、米国特許5,294,682号明細書では、
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテ
ルを用いたポリエステル樹脂を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリエステル樹脂では、耐ホットオフセット性を満たす
ためには、3価以上のカルボン酸および/または3価以
上のアルコールを多量に使用し、高度な架橋構造を有す
る非線状ポリエステルとする必要がある。そのため樹脂
の溶融粘度が上がり、トナーの低温定着性が悪くなる。
また、樹脂の溶融粘度が高いためトナー混練時に多大の
エネルギーを必要とする。加えて、トナー混練前後の粘
度低下が著しいため、着色剤や離型剤, 荷電制御剤など
の分散のコントロールが難しくなり安定な品質のトナー
が得られにくい。 また、樹脂製造時、強力な撹拌力を
持つ特別な設備が必要になったり、重合末期に急激な増
粘が起こるため工業的に安定な品質の樹脂を製造するこ
とが困難になる、などの問題点がある。本発明の目的
は、上記問題を解決するものであって、トナー混練前後
の粘度変化が少なく、低温定着性、耐ホットオフセット
性を向上したトナーを安定に製造できるトナーバインダ
ーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭
意検討を行った結果、トナー混練前後の粘度変化が少な
く、低温定着性、耐ホットオフセット性にすぐれた電子
写真用トナーバインダーを見いだし、本発明に到達し
た。
【0005】すなわち本発明は、温度100℃で熱混練
した後の180℃におけるメルトフローレートMIaが
200(g/10分)以下で、これと熱混練前のメルト
フローレートMIbとの比MIb/MIaが2〜0.0
5であるポリエステル樹脂(I)からなる電子写真用ト
ナーバインダーである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、100℃での熱
混練とは、以下の条件でポリエステル樹脂を混練するこ
とを言う。 混練条件; 装置:ラボ・プラストミル モデル30R150(東洋
精機製作所製) ブレード形状:ローラ形(モデル R60B) サンプル量:65±0.5g チャンバー温度設定:100℃ 回転数:70回転/分 混練時間:30±1分 なお、装置はプラストミルであれば、特にメーカー、モ
デルは限定されない。またサンプル量もその装置のチャ
ンバー内容量に合わせて適宜設定して差し支えない。た
だし、ブレード形状(ローラー形)、チャンバー温度設
定、回転数および混練時間は上記設定のものに限定され
る。
【0007】本発明における、メルトフローレートは、
ASTMD1238−82に準じ、下記の条件で測定さ
れる。 装置:テスター産業製 自動メルトインデクサー サンプル量:5.0±0.1g 測定温度:180℃ ±0.1℃ 荷重:2160g サンプル予熱時間:6分間 なお、装置はメルトフローレート測定装置であれば、特
にメーカー、モデルは限定されない。またサンプル量も
その装置の内容量に合わせて適宜設定して差し支えな
い。ただし、保持時間、測定温度、および荷重は上記設
定のものに限定される。
【0008】本発明において、ポリエステル樹脂(I)
の100℃の熱混練した後の180℃におけるメルトフ
ローレートMIa(g/10分)は200以下である。
好ましくは160以下、さらに好ましくは0.1〜12
0である。MIaが200以下で良好な耐ホットオフセ
ット性が得られる。また,熱混練前のメルトフローレー
トMIb(g/10分)とMIaの比MIb/MIaは
2〜0.05である。好ましくは1.5〜0.07、さ
らに好ましくは1.0〜0.1である。MIb/MIa
が0.05未満では、トナー混練初期、混練機に多大の
負荷がかかり、また着色剤,離型剤,荷電制御剤等の分
散のコントロールが難しくなり安定したトナー品質を得
ることが困難になる。MIb/MIaが2を超えると、
混練中に混練機に過大の負荷がかかり、混練機内の温度
コントロールができなくなりトナー品質が安定しない。
【0009】ポリエステル系トナーバインダー(I)と
しては、ポリオールと、ポリカルボン酸またはその酸無
水物またはその低級アルキルエステルとの重縮合物など
が挙げられる。ポリオールとしては、(Ia)ジオール
および(Ic)3価以上のポリオールが、ポリカルボン
酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステル
としては、(Ib)ジカルボン酸および(Id)3価以
上のポリカルボン酸およびこれらの酸無水物または低級
アルキルエステルが挙げられる。
【0010】ジオール(Ia)としては、水酸基価18
0〜1900mgKOH/gのジオール類、具体的に
は、(1)炭素数2〜12のアルキレングリコール(エ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなど);(2)アルキレ
ンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコールなど);(3)脂環式ジ
オール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添
加ビスフェノールAなど);(4)ビスフェノール類
(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノー
ルSなど);(5)芳香族グリコール(キシリレングリ
コールなど);(6)キノン類のC2〜C4アルキレン
オキシド付加物(ハイドロキノンのエチレンオキシド2
モル付加物など);(7)上記脂環式ジオールのC2〜
C4アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;
(8)上記ビスフェノール類のC2〜C4アルキレンオ
キサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、(1)、(3)、
(5)、(6)および(8)であり、特に好ましいもの
は(3)、(5)、(8)およびこれらと(1)との併
用である。上記(1)の中では、エチレングリコールは
反応速度を増大し、1,2−プロピレングリコールおよ
びネオペンチルグリコールは低温定着性の点で好まし
い。また、上記(8)の中では、特にビスフェノールA
のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド
2〜4モル付加物がトナーに良好な耐オフセット性を与
える点で好ましい。3価以上のポリオール(Ic)とし
ては、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリ
オール類、具体的には、(1)3〜8価またはそれ以上
の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなど);(2)上記脂肪族多価アルコ
ールのC2〜C4アルキレンオキサイド(エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドな
ど)付加物;(3)トリスフェノール類(トリスフェノ
ールPAなど);(4)ノボラック樹脂(フェノールノ
ボラック、クレゾールノボラックなどフェノール類とア
ルデヒド類の重縮合物);(5)上記トリスフェノール
類のC2〜C4のアルキレンオキサイド付加物;(6)
上記ノボラック樹脂のC2〜C4のアルキレンオキサイ
ド付加物[例えばフェノールノボラック樹脂(核体数
5.6)のエチレンオキシド5.6モル付加物、フェノ
ールノボラック樹脂(核体数4.5)のプロピレンオキ
シド5モル付加物など]などが挙げられる。これらのう
ち好ましいものは、(1)および(6)であり、特に好
ましいものは(6)である。
【0011】上記アルコール類において、ジオール(I
a)単独でも良いが、ジオール(Ia)と3価以上のポ
リオール(Ic)を併用することがより好ましい。
【0012】ジカルボン酸(Ib)としては、酸価18
0〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的に
は、(1)炭素数2〜20のアルキレンジカルボン酸
(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);(2)炭
素数2〜20のアルケニレンジカルボン酸(マレイン
酸、フマル酸など);(3)炭素数8〜20の脂環式ジ
カルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸、メチルメジ
ック酸など);(4)炭素数8〜20の芳香族ジカルボ
ン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエ
ンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸など);
(5)側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアル
キルもしくはアルケニル(無水)コハク酸[ドデセニル
(無水)コハク酸、ペンタデセニル(無水)コハク酸な
ど];並びに、これら2価カルボン酸の無水物や低級ア
ルキル(C1〜C8のアルキル基例えばメチル、エチ
ル、ブチル、2−エチルヘキシルなど)エステルが挙げ
られる。これらの中では上記(1)、(2)、(4)、
(5)およびこれらジカルボン酸の無水物や低級アルキ
ルエステルが好ましく、(無水)マレイン酸、フマール
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレ
ート、ドデセニル(無水)コハク酸などがさらに好まし
い。(無水)マレイン酸およびフマール酸は反応性が大
きい点で好ましく、イソフタル酸、テレフタル酸および
ジメチルテレフタレートはポリエステルのガラス転移温
度を高くする点で好ましい。3価〜6価またはそれ以上
のポリカルボン酸(Id)としては、酸価150〜12
50mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、
(1)炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸(1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸など);(2)炭素数9〜20の脂環式ポ
リカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸など);(3)炭素数9〜20の芳香族ポリカルボ
ン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレン
トリカルボン酸および1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸など);並びにこれらの無水物や低級アルキル(メ
チル、ブチルなど)エステルが挙げられる。(Id)を
用いる場合、これらの中では(3)およびその無水物や
低級アルキルエステルが好ましく、特に1,2,4−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカル
ボン酸およびこれらの無水物や低級アルキルエステルが
価格及びトナーの耐オフセット性付与の点で好ましい。
【0013】上記カルボン酸類において、ジカルボン酸
類(Ib)単独でもよいが、ジカルボン酸(Ib)と3
価以上のカルボン酸類(Id)の併用がより好ましい。
【0014】本発明のポリエステル樹脂において、分子
量の調整や反応の制御を目的として、ポリカルボン酸
類、ポリオール類とともにモノカルボン酸、モノアルコ
ールなどが必要に応じて使用できる。その具体例として
は、安息香酸、パラオキシ安息香酸、トルエンカルボン
酸、サリチル酸、酢酸、ピプロピオン酸、およびステア
リン酸などのモノカルボン酸;ベンジルアルコール、ト
ルエンー4−メタノール、ノニルフェノールEO1モル
付加物およびシクロヘキサンメタノールなどのモノアル
コールが挙げられる。
【0015】モノクロ複写機等に有用である低光沢画像
を得る場合は、ジオール(Ia)、ジカルボン酸(I
b)とともに3価以上のポリオール(Ic)および/ま
たは3価以上のポリカルボン酸(Id)を用いた非線状
のポリエステルが好ましく、(Ia)、(Ib)、(I
c)、(Id)の4成分からなるポリエステルが特に好
ましい。(Ic)と(Id)の両方を用いることで耐ホ
ットオフッセト性がより向上する。
【0016】ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水
酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]
/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは
1.7/1〜1/1.8、さらに好ましくは1.5/1
〜1/1.7である。
【0017】ポリエステル樹脂(I)の分子量は、GP
Cにおいて分子量1000〜10000に極大値を有し
ていることが好ましく、さらに好ましくは極大値が20
00〜8500、特に好ましくは極大値が2500〜8
000である。1000以上で、耐熱保存性および粉体
流動性が良好となり、10000未満でトナーの粉砕性
が向上し、生産性が良好となる。また、テトラヒドロフ
ラン(THF)不溶分を5〜70重量%含有しているこ
とが好ましく、さらに好ましくは、15〜60%、特に
好ましくは20〜50%である。THF不溶分が5%を
超えると耐ホットオフセット性が良好になり、70%未
満で良好な低温定着性が得られる。
【0018】本発明の樹脂(I)の酸価は、通常50以
下、好ましくは45以下である。酸価が50未満で良好
な帯電の環境安定性が得られる。水酸基価は通常100
以下、好ましくは80以下、さらに好ましくは50以下
である。水酸基価が100未満で良好な帯電の環境安定
性が得られる。また、帯電量の観点から、酸価(AV)
と水酸基価(OHV)との比[OHV/AV]は、通常
1.0未満、好ましくは0.9未満、より好ましくは
0.8未満である。[OHV/AV]が1.0未満で適
正な帯電量レベルを維持できる。Tg(ガラス転移温
度)は40〜85℃、好ましくは45〜80℃、さらに
好ましくは50〜75℃である。Tgが40℃を超える
と良好な耐熱保存性を示し、85℃未満で良好な低温定
着性が得られる。また、軟化点は通常90℃〜180
℃、好ましくは100℃〜170℃である。
【0019】本発明のポリエステル系トナーバインダー
(I)の製造方法を例示する。本発明のポリエステル樹
脂(I)は、カルボン酸類とアルコール類とをエステル
化触媒の存在下、所定の割合で混合、加熱し、脱水縮合
を行うことによって得られる。反応は通常、触媒の存在
下150℃ 〜300℃ 、好ましくは170〜280℃
程度の温度条件下で行われる。また反応は、常圧下、減
圧下、もしくは加圧下で行うことができるが、反応の進
行を物性値(例えば酸価、メルトフローレートなど)や
反応機の撹拌トルクまたは動力値で追いながら、適宜系
内の圧力を調整するのが望ましい。物性値などが所定の
値に到達した時点で反応を停止させることによって本発
明のポリエステル樹脂(I)を得ることができる。
【0020】上記触媒としては、通常、ポリエステル化
に用いられる触媒、例えばスズ、チタン、アンチモン、
マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カ
ルシウム、ゲルマニウムなどの金属;およびこれら金属
含有化合物(ジブチルスズオキサイド、オルソジブチル
チタネート、テトラブチルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸
鉛、酢酸コバルト、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン
など)が挙げられる。
【0021】本発明のトナーバインダーは、本発明のポ
リエステル樹脂からなるものであるが、必要により上記
物性を満足する範囲内で他のトナーバインダー用樹脂を
含有してよい。他のトナーバインダー用樹脂としては、
ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、
スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体樹脂、スチレン−アクリル−アクリ
ロニトリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、本発明以外のポリエステル樹脂
などが挙げられる。
【0022】ポリエステル系トナーバインダーの具体例
としては、以下のものなどが挙げられる。 :ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物
/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
/フェノールノボラックのエチレンオキサイド付加物/
テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物 :シクロヘキサンジメタノール/ビスフェノールAプ
ロピレンオキサイド3モル付加物/フェノールノボラッ
クのエチレンオキサイド付加物/無水マレイン酸/テレ
フタル酸/テレフタル酸ジメチル/無水トリメリット酸
重縮合物 :ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加
物/キシレングリコール/フェノールノボラックのプロ
ピレンオキサイド付加物/テレフタル酸/テレフタル酸
ジメチル/無水トリメリット酸重縮合物 :ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加
物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加
物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加
物/テレフタル酸/アジピン酸/トリメリット酸重縮合
物 :ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加
物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加
物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加
物/イソフタル酸/イソフタル酸ジメチル/ドデセニル
無水コハク酸/無水トリメリット酸重縮合物
【0023】本発明のバインダーの用途となる静電荷像
現像用トナーの製法例を例示すると、トナー重量に基づ
いてトナーバインダーが通常45〜95重量%、公知の
着色剤(カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックS
M、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグ
メントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシ
ンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッ
ド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッ
ド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル
バイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメ
ントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニング
リーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾ
ールブラウンB、オイルピンクOPなどなどの顔料もし
くは染料)が通常5〜10重量%および磁性粉(鉄、コ
バルト、ニッケル、ヘマタイト、フェライトなどの化合
物)が通常0〜50重量%用いられたものがあげられ
る。さらに種々の添加剤[荷電調整剤(ニグロシン染
料、トリフェニルメタン誘導体、4級アンモニウム塩化
合物、4級アンモニウム塩基を有する重合性単位を構成
単位として含有する重合体、アゾ染料系化合物、サリチ
ル酸金属錯体、電子吸引基(ニトロ基、パーフルオロア
ルキル基など)により置換された芳香族環を有する重合
性単量体とスルホ基含有重合性単量体を構成単位として
含有する共重合体など)、離型剤(低分子量ポリプロピ
レン、低分子量ポリエチレン、これらの酸変性物;カル
ナウバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワ
ックス;長鎖脂肪酸アミドワックスなど)など]を含む
ことができる。これらの添加剤の量はトナー重量に基づ
いて通常0〜10重量%である。静電荷像現像用トナー
は上記成分を乾式ブレンドした後、溶融混練され、その
後粗粉砕され、最終的にジェット粉砕機などを用いて微
粉砕され粒径5〜20μmの微粒子として得られる。
【0024】前記静電荷像現像用トナーは、必要に応じ
て鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライトなどの
キャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用
いられる。また粉体の流動性改良のために流動性向上剤
(疎水性コロイダルシリカ微粉末など)を用いることも
できる。また、キャリア粒子のかわりに帯電ブレードな
どの部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもでき
る。本発明の静電荷像現像トナーは複写機、プリンター
などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に
定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法とし
ては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法な
どが適用できる。
【0025】本発明のポリエステル樹脂(A)は、
(a)ジオールと、(b)ジカルボン酸またはその酸無
水物またはその低級アルキルエステルと、(c)3価以
上のポリオール、および(d)3価以上のポリカルボン
酸またはその無水物とからなる重縮合物であり、下記関
係式(1)〜(3)を満たすものである。 (1) 0.60<(2Ma+nMc)/(2Mb+m
Md)<1.00 (2) 0.01< nMc/(2Mb+mMd) <
0.30 (3) 0.01< mMd/(2Mb+mMd) <
0.35 [ここでMa〜Mdは2価および3価以上のポリカルボ
ン酸の合計モル数を100モル%とした場合の(a)〜
(d)のそれぞれのモル%、nは(c)の価数、mは
(d)の価数である。]
【0026】ポリエステル樹脂(A)は、(a),
(c)のポリオール類と(b)、(d)のポリカルボン
酸とを重縮合して得られる。これらポリオール類、ポリ
カルボン酸類は、前記(Ia)〜(Id)に示したポリ
オール類、ポリカルボン酸類と同様の群から選ばれる1
種または2種以上のものを使用できる。また、前記モノ
カルボン酸、モノオールと同様のものを併用してもよ
い。ポリエステル樹脂(A)の製法は、前記ポリエステ
ル樹脂(I)の製法と同様に製造できる。
【0027】(1)式は、2価および3価以上の全モノ
マーのアルコール(OH)と酸(COOH)の当量比
[OH/COOH]が0.60〜1.00の範囲である
ことを示している。即ち、モノカルボン酸、モノオール
はカウントされず、また、ジカルボン酸およびジカルボ
ン酸の酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエス
テルはいずれもジカルボン酸としてカウントされる。
(2Ma+nMc)/(2Mb+mMd)が、0.60
〜1.00の範囲で適正な酸価及び水酸基価が得られ、
帯電量及び環境安定性が維持できる。 (2)式は2価および3価以上のポリカルボン酸の合計
当量に対する、3価以上のポリオールの当量の比が、
0.01〜0.30であることを示している。nMc/
(2Mb+mMd)が0.01を超えると良好な低温定
着性が得られ、0.30未満では熱混練した後に粘度低
下の小さな樹脂となり好ましい。 (3)式は2価および3価以上のポリカルボン酸の合計
当量に対する、3価以上のポリカルボン酸の当量の比
が、0.01〜0.35であることを示している。mM
d/(2Mb+mMd)が0.01を超えると良好なホ
ットオフセット性が得られ、0.35未満で適正な酸価
を有し帯電の環境安定性が良好になる。
【0028】ポリエステル樹脂(D)は、重量平均分子
量(Mw)が10000〜200000で重量平均分子
量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が3〜50でか
つ酸価が3以下であり水酸基価が5〜100である非線
状ポリエステル樹脂(B)と、3価以上のポリカルボン
酸(C)とを、重量比で99.5:0.5〜85:15
で反応させてなり、5〜50の酸価を有し、かつ下式
(4)を満たす樹脂である。 (4) 1.0 < Z(X−Y)/X < 0.9Z [ただし、Zはポリカルボン酸(C)の価数を表す。X
=AVb×Wb/(Wa+Wb)、(AVbはポリカル
ボン酸(C)の酸価、Waはポリエステル樹脂(B)の
重量部、Wbはポリカルボン酸(C)の重量部を表
す。)Yは樹脂(D)の酸価を表す。]
【0029】(D)を構成するポリエステル樹脂(B)
の重量平均分子量(Mw)は、通常10000〜200
000、好ましくは15000〜150000、より好
ましくは15000〜100000である。Mwが10
000未満では耐ホットオフセット性が不十分となり、
200000を超えると低温定着性が悪くなる。重量平
均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は通常3
〜50、好ましくは4〜30、より好ましくは5〜20
である。Mw/Mnが3を超えると、低温定着性と耐ホ
ットオフセット性の両立ができ、Mw/Mnが50を未
満で、ポリカルボン酸(C)との反応がスムーズである
ため均質で安定した品質のポリエステル樹脂(D)を得
ることができる。
【0030】ポリエステル樹脂(B)の酸価は通常3以
下、好ましくは2.5以下である。酸価が3以下で、ポ
リカルボン酸(C)との反応時、副反応を起こさずポリ
カルボン酸(C)の反応量をコントロールすることがで
き安定に所定の物性が得られる。また、水酸基価は、ポ
リエステル(B)とポリカルボン酸(C)との反応速度
の観点から、通常5〜100、好ましくは5〜85、さ
らに好ましくは7.5〜75である。
【0031】(D)を構成するポリエステル樹脂(B)
の組成は特に限定されないが、ジカルボン酸類、ジオー
ル類に、3価以上のポリカルボン酸類および/または3
価以上のポリオール類を併用して得ることができる。こ
れらのポリカルボン酸類およびポリオール類としては、
前記、(Ib)ジカルボン類および(Id)3価以上の
ポリカルボン酸類、(Ia)ジオール類および(Ic)
3価以上のポリオール類と同様のものが使用できる。前
記モノカルボン酸、モノアルコールを併用してもよい。
ポリエステル樹脂(B)の製法は、前記ポリエステル樹
脂(I)の製法と同様の方法で製造できる。
【0032】3価以上のポリカルボン酸(C)の組成
は、特に限定されないが、前記(Id)に示した3価以
上のカルボン酸類から選ばれる1種または2種以上のも
のを用いることができる。ポリエステル樹脂(B)とポ
リカルボン酸(C)との反応の比率は、重量比で、通常
0.5:99.5〜85:15、好ましくは99:1〜
87:13、さらに好ましくは98:2〜89:11で
ある。重量比が、99.5:0.5を超えるとトナーの
耐ホットオフセット性が良好となり、85:15未満で
良好な低温定着性が得られる。
【0033】ポリエステル樹脂(D)の製法を例示す
る。ポリエステル樹脂(B)を製造後、所定温度でポリ
カルボン酸(C)を仕込みさらに縮合反応を行い、所定
の物性(例えばメルトフローレート、軟化点、酸価、水
酸基価など)が得られた時点で反応を終結させることで
ポリエステル樹脂(D)を得ることができる。反応温度
は、通常150〜300℃、好ましくは160〜250
℃の条件で行われ、必要により触媒を追加してもよい。
また、反応は、常圧下、減圧下、加圧下で行うことがで
きるが、反応の進行を物性値で追いながら反応系内の圧
力を調整していくのが望ましい。特に、反応末期には微
妙な物性コントロールを行う必要があるため、常圧下な
いしは加圧下で反応を進行させるのが好ましい。
【0034】式(4)中、(X−Y)は使用したポリカ
ルボン酸(C)のポリエステル樹脂(B)とのエステル
化によるカルボキシル基の消費量(酸価の変化量)を表
し、式(4)は、ポリカルボン酸(C)のZ個のカルボ
キシル基の内、少なくとも1個を超え、最大0.9Z個
が反応で消費されることを意味する。即ち、ポリカルボ
ン酸(C)のカルボキシル基は、平均的には、ポリカル
ボン酸(C)1分子中のカルボキシル基の全ては反応せ
ず、ポリエステル樹脂(B)と反応していないカルボキ
シル基が残存する。ここでポリカルボン酸(C)のカル
ボキシル基とは、−COOH以外に、カルボン酸無水物
構造を持つ部分のことも言う。式(2)中、Z(X−
Y)/Xは、通常1.0〜0.9Z、好ましくは1.2
〜0.85Z、より好ましくは1.3〜0.8Zであ
る。Z(X−Y)/Xが1.0を超えると良好な耐ホッ
トオフセット性が得られ、0.9Z未満で良好な低温定
着性が得られる。
【0035】樹脂(D)の酸価は、帯電の立ち上がり性
および環境安定性の観点から、通常5〜50、好ましく
は5〜45、さらに好ましくは7〜40である。同様の
観点から、樹脂(D)の水酸基価は、通常100以下、
好ましくは80以下、さらに好ましくは60以下であ
る。樹脂(D)のTgは、トナー粒子同士の付着、凝集
(ブロッキング)の観点および低温定着性の観点から、
通常40〜85℃、好ましくは45〜80℃、さらに好
ましくは50〜75℃である。樹脂(D)の軟化点は、
通常90℃〜200℃、さらに好ましくは100℃〜1
70℃である。
【0036】本発明における、トナーの性能試験の方法
を以下に示す。カーボンブラックを使用したモノクロ用
トナーは、トナー30部とフェライトキャリア(パウダ
ーテック社製、FL961−150)800部を均一混
合し二成分現像剤として試験した。磁性粉を使用する磁
性トナーの場合は1成分現像剤としてそのまま使用し
た。 (i)カーボンブラック使用トナーの場合 最低定着温度(MFT) 市販モノクロ複写機(AR5030、シャープ(株)
製)を用いて現像した未定着画像を、市販モノクロ複写
機(SF8400A、シャープ(株)製)の定着ユニッ
トを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセ
ススピード180mm/secで定着した。定着画像を
布パッドで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上と
なる熱ローラー温度を最低定着温度とした。 ホットオフセット発生温度 上記MFTと同様に定着し、定着画像へのホットオフセ
ットの有無を目視判定した。ホットオフセットが発生し
はじめた温度をホットオフセット発生温度とした。 帯電量測定 トナー1gとフェライトキャリア(パウダーテック
(株)製;FL961−150)24gとをターブラー
シェイカーミキサーを用いて20分間混合し、帯電量を
ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を
用いて測定した。摩擦混合および帯電量測定を常温常湿
(23℃、85%RH)で測定したものを帯電量(N/
N)、高温高湿(28℃、85%RH)で測定したもの
を帯電量(H/H)とする。 (ii)磁性トナーの場合 市販レーザープリンター(LBP−210、キヤノン
(株)製)を用いて未定着画像を得ること、定着ユニッ
トのプロセススピードを72mm/secとすること以
外は上記、と同様に試験して最低定着温度、ホット
オフセット発生温度を得る。磁性トナーの画像濃度の測
定法を示す。市販レーザープリンター(LBP−21
0、キヤノン(株)製)を用いて黒ベタ画像を印字し、
その画像濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。現像
を常温常湿(23℃、50%RH)で行ったものを画像
濃度(N/N)、高温高湿(28℃、85%RH)で行
ったものを画像濃度(H/H)とする。
【0037】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重
量部を示す。実施例および比較例で得られたトナー及び
トナーバインダーの性質の測定法を次に示す。なお、下
記1,3については、試料にテトラヒドロフラン不溶分
がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料と
して用いた。 混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル
MODEL 30R150 混練条件 : 100℃、70rpmにて30分、サン
プル量65g 1.酸価および水酸基価 JIS K0070に規定の方法。 2.ガラス転移点(Tg) ASTM D3418−82に規定の方法(DSC
法)。 装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC
/580 3.分子量 THF可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定。GPCによる分子量測定の条件は
以下の通りである。 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK GEL GMH6 2本 (東洋曹達製) 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液 溶液注入量: 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子
量をピーク分子量と称する。なお、分子量校正曲線は標
準ポリスチレンを用いて作成した。 4.テトラヒドロフラン(THF)不溶分 試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間攪拌還
流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別
し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上
の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶分を算出す
る。
【0038】ポリエステル樹脂(B)製造例1 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物1
553部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル
付加物2693部、ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド2モル付加物3649部、フェノールノボラック樹脂
(核体数5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付
加物585部、テレフタル酸2390部、無水マレイン
酸353部およびジブチルチンオキサイド32部を入
れ、窒素気流下230℃で酸価が1.5になるまで脱水
反応した。次いで、これに1161部のジメチルテレフ
タレートおよびキシレン400部を加えて常圧下220
℃で3時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下
1時間反応させポリエステル樹脂(B−1)を得た。
(B−1)の酸価は、1.0mgKOH/g、水酸基価
32.1mgKOH/g、数平均分子量は3200,重
量平均分子量は30300,ピーク分子量は4090で
あった。
【0039】ポリエステル樹脂(B)製造例2 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物5
565部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル
付加物3018部、フェノールノボラック樹脂(核体数
5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付加物65
5部、テレフタル酸3420部、およびジブチルチンオ
キサイド24部を入れ、窒素気流下230℃で酸価が
2.5になるまで脱水反応した。次いで、これにジメチ
ルテレフタレート931部およびキシレン400部を加
えて常圧下220℃で3時間反応し、さらに10〜15
mmHgの減圧下1時間反応させポリエステル樹脂(B
−2)を得た。(B−2)の酸価は、1.9mgKOH
/g、水酸基価23.5mgKOH/g、数平均分子量
は2970,重量平均分子量は20600,ピーク分子
量は4100であった。
【0040】ポリエステル樹脂(B)製造例3 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物8
756部、フェノールノボラック樹脂(核体数5.6
個)のエチレンオキサイド5.6モル付加物526部、
テレフタル酸3407部、およびジブチルチンオキサイ
ド24部を入れ、窒素気流下230℃で酸価が2.4に
なるまで脱水反応させポリエステル樹脂(B−3)を得
た。(B−3)の酸価は、2.1mgKOH/g、水酸
基価33.3mgKOH/g、数平均分子量は428
0,重量平均分子量は56800,ピーク分子量は59
80であった。
【0041】実施例1 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ポリエステル樹脂(B−1)5831部と無水トリメリ
ット酸383部を入れ、200℃で10〜15mmHg
の減圧下2時間反応後、系内を常圧に戻し気相に窒素を
流しながら反応を続行した。反応物のメルトフローレー
ト(180℃、2160g荷重)が0.96g/10分
となったところで反応を停止し、本発明のポリエステル
樹脂(P−1)を得た。(P−1)のTgは62.9
℃、酸価は29.7mgKOH/g、水酸基価は6.0
mgKOH/g、THF不溶分は34.7%、ピーク分
子量は4870であった。(P−1)を100℃で熱混
練した後のメルトフローレートMIa(g/10分)は
3.01であった。
【0042】実施例2 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ポリエステル樹脂(B−2)6369部と無水トリメリ
ット酸203部を入れ、200℃で10〜15mmHg
の減圧下2時間反応後、系内を常圧に戻し気相に窒素を
流しながら反応を続行した。反応物のメルトフローレー
ト(180℃、2160g荷重)が7.5g/10分と
なったところで反応を停止し、本発明のポリエステル樹
脂(P−2)を得た。(P−2)のTgは58.6℃、
酸価は10.2mgKOH/g、水酸基価は7.9mg
KOH/g、THF不溶分は32.1%、ピーク分子量
は5770であった。(P−2)を100℃で熱混練し
た後のメルトフローレートMIa(g/10分)は7
4.0であった。
【0043】実施例3 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ポリエステル樹脂(B−3)6000部と無水トリメリ
ット酸276部を入れ、200℃で10〜15mmHg
の減圧下2時間反応後、系内を常圧に戻し気相に窒素を
流しながら反応を続行した。反応物の酸価が23.5m
gKOH/gとなったところで反応を停止し、本発明の
ポリエステル樹脂(P−3)を得た。(P−3)のTg
は62.0℃、水酸基価は10.8mgKOH/g、T
HF不溶分は35.7%、ピーク分子量は6050であ
った。(P−2)の熱混練前のメルトフローレートMI
b(180℃、2160g荷重)は8.2g/10分、
(P−3)を100℃で熱混練した後のメルトフローレ
ートMIa(g/10分)は34.1であった。
【0044】実施例4 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物1
599部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル
付加物5542部、ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド2モル付加物1503部、フェノールノボラック樹脂
(核体数5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付
加物941部、テレフタル酸3407部、ジブチルチン
オキサイド22部を入れ、常圧下230℃で脱水反応
し、次いで10〜15mmHgの減圧下酸価が2.0に
なるまで反応を続行した。次いで、ジメチルテレフタレ
ート935部とキシレン400部を加えて220℃常圧
下3時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧下
2時間反応させポリエステル樹脂(B−4)を得た。
(B−4)の酸価は2.0mgKOH/g、水酸基価は
33.1mgKOH/g、数平均分子量は2720,重
量平均分子量は23300,ピーク分子量は3360で
あった。(B−4)の液温を200℃に下げ、無水トリ
メリット酸585部を加え、10〜15mmHgの減圧
下で2時間反応後、系内を常圧に戻し気相に窒素を流し
ながら反応を続行した。反応物のメルトフローレート
(180℃、2160g荷重)が3.19g/10分と
なったところで反応を停止し、本発明のポリエステル樹
脂(P−4)を得た。(P−4)のTgは60.3℃、
酸価は29.2mgKOH/g、水酸基価は7.5mg
KOH/g、THF不溶分は31.9%、ピーク分子量
は4360であった。(P−4)を100℃で熱混練し
た後のメルトフローレートMIa(g/10分)は9.
49であった。
【0045】実施例5 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物6
513部、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付
加物1770部、フェノールノボラック樹脂(核体数
5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付加物65
8部、テレフタル酸3320部、ジブチルチンオキサイ
ド24部を入れ、常圧下230℃で脱水反応し、次いで
10〜15mmHgの減圧下、酸価が2.4mgKOH
/gになるまで反応を続行した。次いでジメチルテレフ
タレート421部とキシレン400部を加え、220℃
で常圧下3時間反応させ、さらに10〜15mmHgの
減圧下2時間反応させポリエステル樹脂(B−5)を得
た。(B−5)の酸価は1.5mgKOH/g,水酸基
価は39.0mgKOH/g、数平均分子量は420
0,重量平均分子量は54500,ピーク分子量は55
60であった。(B−5)の液温を200℃に下げ、無
水トリメリット酸467部を加え、10〜15mmHg
の減圧下で2時間反応後、系内を常圧に戻し気相に窒素
を流しながら反応を続行した。反応物のメルトフローレ
ート(180℃、2160g荷重)が0.49g/10
分となったところで反応を停止し、本発明のポリエステ
ル樹脂(P−5)を得た。(P−5)のTgは59.3
℃、酸価は17.2mgKOH/g、水酸基価は12.
5mgKOH/g、THF不溶分は40.5%、ピーク
分子量は5700であった。(P−5)を100℃で熱
混練した後のメルトフローレートMIa(g/10分)
は1.49であった。
【0046】比較例1 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物3
452部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル
付加物3243部、フェノールノボラック樹脂(核体数
5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付加物37
7部、テレフタル酸ジメチル4210部、無水マレイン
酸314部、キシレン1500部、ジブチルチンオキサ
イド16部を入れ、常圧下200℃で6時間縮合反応
し、次いで220℃に温度を上げ10〜15mmHgの
減圧下、酸価が1.5になるまで反応を続行しポリエス
テル樹脂(B−6)を得た。(B−6)の水酸基価は1
0.1mgKOH/g、数平均分子量は3230,重量
平均分子量は25000,ピーク分子量は5500であ
った。(B−6)の液温を200℃に下げ、無水トリメ
リット酸176部を加え、常圧下、気相に窒素を流しな
がら反応させた。反応物のメルトフローレート(180
℃、2160g荷重)が78.1g/10分となったと
ころで反応を停止し、ポリエステル樹脂(P−6)を得
た。(P−6)のTgは67.5℃、酸価は7.5mg
KOH/g、水酸基価は6.5mgKOH/g、THF
不溶分は19.2%、ピーク分子量は5790であっ
た。(P−6)を100℃で熱混練した後のメルトフロ
ーレートMIa(g/10分)は311であった。
【0047】比較例2 実施例5で、ポリエステル樹脂(B−5)に無水トリメ
リット酸を加え縮合反応を進める工程中、メルトフロー
レート(180℃、2160g荷重)が16.7g/1
0分となったところで取り出したものを、ポリエステル
樹脂(P−7)とした。(P−7)のTgは58.3
℃、酸価は20.7mgKOH/g、水酸基価は16.
0mgKOH/g、THF不溶分は25.0%、ピーク
分子量は5860であった。(P−7)を100℃で熱
混練した後のメルトフローレートMIa(g/10分)
は495であった。
【0048】比較例3 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物2
979部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル
付加物2799部、フェノールノボラック樹脂(核体数
5.6個)のエチレンオキサイド5.6モル付加物73
0部、テレフタル酸1750部、無水マレイン酸259
部、ジブチルチンオキサイド16部を入れ、常圧下23
0℃で脱水反応し、次いで10〜15mmHgの減圧下
酸価が2.0になるまで反応を続行した。次いで、ジメ
チルテレフタレート1758部とキシレン400部を加
えて220℃常圧下3時間反応させ、さらに10〜15
mmHgの減圧下2時間反応させポリエステル樹脂(B
−7)を得た。(B−7)の酸価は1.0mgKOH/
g、水酸基価は30.8mgKOH/g、数平均分子量
は2830,重量平均分子量は51400,ピーク分子
量は3030であった。(B−7)の液温を200℃に
下げ、無水トリメリット酸429部を加え、10〜15
mmHgの減圧下で2時間反応後、系内を常圧に戻し気
相に窒素を流しながら反応を続行した。反応物のメルト
フローレート(180℃、2160g荷重)が2.5g
/10分となったところで反応を停止し、ポリエステル
樹脂(P−8)を得た。(P−8)のTgは58.1
℃、酸価は21.0mgKOH/g、水酸基価は6.0
mgKOH/g、THF不溶分は28.6%、ピーク分
子量は3330であった。(P−8)を100℃で熱混
練した後のメルトフローレートMIa(g/10分)は
142.4であった。
【0049】 評価例1 実施例1のポリエステル樹脂(P−1) 87部 カーボンブラック(三菱化学(株)製 MA100) 8部 荷電制御剤(保土ヶ谷化学(株)製 スピロンブラックTRH) 1部 低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール550P)4部 上記材料をヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製
FM10B)を用いて予備混合した後、130℃に温度
設定した二軸混練機((株)池貝製 PCM−30)で溶
融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェッ
ト粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業(株)
製)を用いて微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマ
チック工業(株)製 MDS−I)で分級し、粒径d50
が9.0μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子
100部とコロイダルシリカ(日本アエロジル製 アエ
ロジルR972)0.3部とを混合(外添)して、トナ
ー(T−1)を得た。T−1を電子顕微鏡で観察したと
ころ、離型剤の平均分散粒径は約1.0ミクロンで、粒
径の揃った均一で良好な分散状態であった。(T−1)
の最低定着温度は140℃、ホットオフセットは230
℃以下では認められなかった。また、(T−1)の帯電
量(N/N)は−20.2μC/g、帯電量(H/H)
は−16.7μC/gであった。 評価例2〜5、比較評価例1〜3 ポリエステル樹脂(P−2)〜(P−8)について、評
価例1と同様に予備混合、溶融混練、粗粉砕、微粉砕、
外添しトナー(T−2)〜トナー(T−8)を得た。こ
れらカーボントナーのトナー粒径、離型剤分散粒径、離
型剤分散状態、定着試験、帯電量の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1中、離型剤の分散状態は電子顕微鏡で
観察し、下記基準で判定した。 離型剤分散状態 ○ ; 離型剤が全体に均一に分散し粒径が揃っている △ ; 粒径の小さな離型剤もあるが粗大粒子が存在する × ; 離型剤の粗大粒子が多い 環境安定性は、帯電量(H/H)を帯電量(N/N)で
割った数字を下記基準で判定した。 環境安定性 ○ ;帯電量(H/H)/帯電量(N/N)≧0.8 △ ;0.8> 帯電量(H/H)/帯電量(N/N)≧0.6 × ;0.6>帯電量(H/H)/帯電量(N/N)
【0052】表1に示すように、本発明のトナーバイン
ダーを使用したモノクロ用トナーは、従来のトナーに比
べ広い定着温度幅を持ち、良好な帯電特性を示し、混練
時の粘度低下が少ないために離型剤の分散性に優れてい
ることがわかる。
【0053】 評価例6 実施例1のポリエステル樹脂(P−1) 100部 磁性粉(戸田工業(株)製 EPT−1000) 100部 荷電制御剤(保土ヶ谷化学(株)製 スピロンブラックTRH) 2部 低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製サンワックスLEL400)1部 低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)3部 上記材料をヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製
FM10B)を用いて予備混合した後、130℃に温度
設定した二軸混練機((株)池貝製 PCM−30)で溶
融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェッ
ト粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業(株)
製)を用いて微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマ
チック工業(株)製 MDS−I)で分級し、粒径d50
が8.0μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子
100部とコロイダルシリカ(日本アエロジル製 アエ
ロジルR972)2.0部とを混合(外添)して、トナ
ー(T−9)を得た。(T−9)を電子顕微鏡で観察し
たところ、磁性粉の粗大粒子は存在せず、均一で良好な
分散状態であった。(T−9)の最低定着温度は135
℃、ホットオフセットは230℃以下では認められなか
った。また、(T−9)の画像濃度(N/N)は1.3
5、画像濃度(H/H)は1.15であった。
【0054】評価例7〜8、比較評価例4〜6 ポリエステル樹脂(P−2)、(P−3)および(P−
6)〜(P−8)について、評価例6と同様に予備混
合、溶融混練、粗粉砕、微粉砕、外添しトナー(T−1
0)〜トナー(T−14)を得た。これらカーボントナ
ーのトナー粒径、磁性粉分散状態、定着試験、画像濃度
の結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2中、磁性粉の分散状態は電子顕微鏡で
観察し、下記基準で判定した。 磁性粉分散状態 ○ ; 磁性粉が全体に均一に分散し粒径が揃っている △ ; 粒径の小さな磁性粉もあるが磁性粉粒子の凝集物 が存在する × ; 磁性粉粒子の凝集物が多い 環境安定性は、画像濃度(H/H)を画像濃度(N/
N)で割った数字を、下記基準で判定した。 環境安定性 ○ ;画像濃度(H/H)/画像濃度(N/N)≧0.8 △ ;0.8> 画像濃度(H/H)/画像濃度(N/N) ≧0.6 × ;帯電量(H/H)/帯電量(N/N)<0.6 表2に示すように、本発明のトナーバインダーを使用し
た磁性トナーは、従来のトナーに比べ広い定着温度幅を
持ち、良好な画像濃度特性を示し、混練時の粘度低下が
少ないために磁性粉の分散性が優れていることがわか
る。
【0057】上記の結果から本発明の樹脂組成物を使用
したトナーが、従来のトナーに比べ、広い定着温度幅を
持ち、良好な帯電特性を示し、混練時の粘度低下が少な
いために磁性粉の分散性が優れていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーバインダーを
用いてトナーを作成する事により、定着温度幅が広く、
磁性粉や離型剤の分散に優れているため、高画質のトナ
ーとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加茂 真一 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度100℃で熱混練した後の180℃
    におけるメルトフローレートMIaが200(g/10
    分)以下で、これと熱混練前のメルトフローレートMI
    bとの比MIb/MIaが2〜0.05であるポリエス
    テル樹脂(I)からなる電子写真用トナーバインダー。
  2. 【請求項2】 該(I)が、(a)ジオールと、(b)
    ジカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキ
    ルエステルと、(c)3価以上のポリオール、および
    (d)3価以上のポリカルボン酸またはその無水物とか
    らなる重縮合物であり、下記関係式(1)〜(3)を満
    たすポリエステル樹脂(A)である請求項1記載の電子
    写真用トナーバインダー。 (1) 0.60<(2Ma+nMc)/(2Mb+m
    Md)<1.00 (2) 0.01< nMc/(2Mb+mMd) <
    0.30 (3) 0.01< mMd/(2Mb+mMd) <
    0.35 [ここでMa〜Mdは2価および3価以上のポリカルボ
    ン酸の合計モル数を100モル%とした場合の(a)〜
    (d)のそれぞれのモル%、nは(c)の価数、mは
    (d)の価数である。]
  3. 【請求項3】 該(A)が、重量平均分子量(Mw)が
    10000〜200000で重量平均分子量(Mw)/
    数平均分子量(Mn)の比が3〜50でかつ酸価が3以
    下であり水酸基価が5〜100である非線状ポリエステ
    ル樹脂(B)と、3価以上のポリカルボン酸(C)と
    を、重量比で99.5:0.5〜85:15で反応させ
    てなり、5〜50の酸価を有し、かつ下式(4)を満た
    すポリエステル樹脂(D)である請求項2記載の電子写
    真用トナーバインダー。 (4) 1.0 < Z(X−Y)/X < 0.9Z [ただし、Zはポリカルボン酸(C)の価数を表す。X
    =AVb×Wb/(Wa+Wb)、(AVbはポリカル
    ボン酸(C)の酸価、Waはポリエステル樹脂(B)の
    重量部、Wbはポリカルボン酸(C)の重量部を表
    す。)Yは樹脂(D)の酸価を表す。]
  4. 【請求項4】 該3価以上のポリカルボン酸(C)が、
    脂肪族、芳香族または脂環式のポリカルボン酸である請
    求項3記載の電子写真用トナーバインダー。
  5. 【請求項5】 該ポリエステル樹脂(B)が、ジオール
    (a1)とジカルボン酸(b1)と3価以上のポリオー
    ル(c1)および必要により3価以上のポリカルボン酸
    (d1)との重縮合物であり、水酸基価が5〜100で
    ある請求項3または4記載の電子写真用トナーバインダ
    ー。
  6. 【請求項6】 該3価以上のポリオール(c1)が、ノ
    ボラック型フェノール樹脂のアルキレンオキシド付加物
    である請求項3〜5のいずれか記載の電子写真用トナー
    バインダー。
  7. 【請求項7】 該3価以上のポリカルボン酸(C)が、
    トリメリット酸またはトリメリット酸無水物である請求
    項3〜6のいずれか記載の電子写真用トナーバインダ
    ー。
  8. 【請求項8】 該樹脂(I)の水酸基価(OHV)と酸
    価(AV)の比OHV/AVが1.0未満である請求項
    1〜7のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
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