JPH11149634A - 磁気記録媒体の製造方法及び塗料 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び塗料

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JPH11149634A
JPH11149634A JP33234697A JP33234697A JPH11149634A JP H11149634 A JPH11149634 A JP H11149634A JP 33234697 A JP33234697 A JP 33234697A JP 33234697 A JP33234697 A JP 33234697A JP H11149634 A JPH11149634 A JP H11149634A
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paint
coating
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magnetic recording
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JP33234697A
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Masayasu Sato
雅安 佐藤
Masaki Sakamoto
雅基 坂本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の塗布に際し、塗りむらのない
塗布状態を確保し、磁気記録媒体の電磁変換特性を向上
すること。 【解決手段】 重層エクストルージョン型ダイにより塗
料を塗布するに際し、少なくとも上層の最終希釈塗料と
して、平均剪断速度50Sec-1 以上、平均剪断印加時間10
0Sec以上の剪断をかけた際に、ある時間tでの貯蔵弾性
率G′(t)から微小時間Δt後の貯蔵弾性率G′(t
+Δt)の変化比 【数8】 が0.02以下である塗料を用いるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造方法及び塗料に係り、特に電磁変換特性の優れた磁気
記録媒体の製造方法及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録媒体の高密度化に伴い、
塗布型媒体の膜構成は単層型から多層型へと変化しつつ
ある。磁性層の厚みについては反磁界の減少を目的とし
た薄膜化が進み、磁性粉や磁性組成については高出力特
性を目的とした微細化、高パッキング化が要求されるよ
うになった。
【0003】以上の高性能化を目標とし、塗布技術の進
化にも幾つかの変遷が認められる。特公昭54-43362号公
報、特開昭51-119204 号公報のように支持体上に一層ず
つ塗布・乾燥を繰り返す多層形成方法から特開昭63-880
80号公報、特開平2-17971 号公報のようなエクストルー
ジョン型ダイ塗布機による同時重層塗布などの塗布技術
が開示されるようになった。エクストルージョン型ダイ
は、グラビア、リバース塗工方法といったロール塗布方
式と比較すると塗布時にロールニップされる箇所がない
ために同時重層塗布が可能である。また、スライド塗布
方法と比べると高粘度、高固形分塗料を扱うことが可能
である。例えば特開平5-329433号公報ではエクストルー
ジョン塗布を行うための塗布条件の開示が見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の塗布条件
の着目点は粘度であり、メディア性能としてますます高
密度化が要求されるようになった現在では十分な条件と
は言えなくなってきた。
【0005】本発明の課題は、磁気記録媒体の塗布に際
し、塗りむらのない塗布状態を確保し、磁気記録媒体の
電磁変換特性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、支持体を走行させ、この支持体に重層エクストルー
ジョン型ダイにより塗料を塗布する磁気記録媒体の製造
方法において、少なくとも上層の最終希釈塗料として、
平均剪断速度50Sec-1 以上、平均剪断印加時間100Sec以
上の剪断をかけた際に、ある時間tでの貯蔵弾性率G′
(t)から微小時間Δt後の貯蔵弾性率G′(t+Δ
t)の変化比
【数3】 が0.02以下である塗料を用い、上記塗料をダイのチャン
バーを含む塗料循環供給系で、平均剪断速度50Sec-1
上、平均剪断印加時間100Sec以上の剪断をかけて塗布す
るようにしたものである。
【0007】請求項2に記載の本発明は、重層エクスト
ルージョン型ダイにより少なくとも上層の最終希釈塗料
として支持体に塗布される磁気記録媒体のための塗料に
おいて、平均剪断速度50Sec-1 以上、平均剪断印加時間
100Sec以上の剪断をかけた際に、ある時間tでの貯蔵弾
性率G′(t)から微小時間Δt後の貯蔵弾性率G′
(t+Δt)の変化比
【数4】 が0.02以下であるようにしたものである。
【0008】磁性塗料は一般的に知られるように、非線
形な粘弾性特性を有している。しかし粘度には粘度値と
してスカラー情報しか持ち合わせていない。実際の塗料
には粘性値と弾性値をベクトル情報として含んでおり、
本発明はこの点に特に注目した。即ち本発明では、特に
エクストルージョン型ダイによる同時重層塗布方法につ
いての塗布条件を弾性特性に見いだしたものである。例
えば、弾性は塗料のネットワーク状態を表わしており、
弾性値を知ることは塗料の分散状態を知る上で重要であ
る。また、リップ先端の塗料の吐出は、低シェア状態か
ら高シェア状態に短時間で変化する状態であり、弾性項
が与える影響は大きい。
【0009】特に本発明を用いれば、塗料のエクストル
ージョン塗布法における最適条件を効率的に設計に反映
させることができる。
【0010】塗料に粘弾性を有することはよく知られて
いる所である。一般的にはフォークトモデル、マクセル
モデル及びその組み合わせなどで塗料の粘弾性状態を説
明することが試みられている。しかし複雑に組み合わさ
った粒子モデルを見いだすことは非常に難解なことであ
った。
【0011】本発明では粘弾性物質としての塗料の貯蔵
弾性率G′の経時変化率に着目した。即ち、少なくとも
上層の最終希釈塗料として、平均剪断速度50Sec-1
上、平均剪断印加時間100Sec以上の剪断をかけた際に、
ある時間tでの貯蔵弾性率G′(t)から微小時間Δt
後の貯蔵弾性率G′(t+Δt)の変化比
【数5】 が0.02以下である塗料を用い、上記塗料をダイのチャン
バーを含む塗料循環供給系で、平均剪断速度50Sec-1
上、平均剪断印加時間100Sec以上の剪断をかけて塗布す
ることを塗布条件とすることにより、塗りむらのない
(表面性の良い)塗布状態を確保できることを見出し
た。
【0012】尚、粘弾性物質の弾性率Gは複素数(G=
G′+iG″)であり、その実数部G′が貯蔵弾性率、
虚数部G″が損失弾性率と定義される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は実施例1の貯蔵弾性率G′
の経時変化を示す線図、図2は実施例2の貯蔵弾性率
G′の経時変化を示す線図、図3は比較例1の貯蔵弾性
率G′の経時変化を示す線図、図4は比較例2の貯蔵弾
性率G′の経時変化を示す線図、図5はエクストルージ
ョン型ダイを示す模式図、図6はインライン分散方式を
示す模式図である。
【0014】2層同時塗布用エクストルージョン型ダイ
20は、図5に示す如く、ダイヘッド21に上流側リッ
プ22と第1下流側リップ23と第2下流側リップ24
とを備え、上流側リップ22と第1下流側リップ23の
間に第1スロット部25を形成し、第1スロット部25
を液バッファ部26に連通するとともに、第1下流側リ
ップ23と第2下流側リップ24の間に第2スロット部
27を形成し、第2スロット部27を液バッファ部28
に連通している。下層塗料供給系29は、下層塗料(例
えば後述する塗料B)を液バッファ部26を経て第1ス
ロット部25へ供給する。上層塗料供給系30は、上層
塗料(例えば後述する塗料A)を液バッファ部28を経
て第2スロット部27へ供給する。これにより、非磁性
支持体1の表面に、第1スロット部25から押し出され
る下層塗料、第2スロット部27から押し出される上層
塗料がウェット・オン・ウェット方式により同時塗布さ
れ、これにより、上層塗料が下層塗料のウェット(湿
潤)時に塗布されるものとなる。次いで、これらの下層
塗料、上層塗料は乾燥装置で乾燥され、支持体1の表面
に下層、上層を備えた磁気記録媒体が製造される。
【0015】尚、本発明の磁気記録媒体には、上記非磁
性支持体、上記単層、もしくは上記上層、上記下層以外
に、バックコート層、更に、非磁性支持体と下層又はバ
ックコート層との間に設けられるプライマー層や、長波
長信号を使用するハードシステムに対応してサーボ信号
等を記録するために設けられる磁性層等の他の層を設け
ても良い。
【0016】本発明の磁気記録媒体において用いられる
上記非磁性支持体1は、通常公知のものを特に制限され
ることなく用いることができるが、具体的には、高分子
樹脂からなる可撓性フィルムやディスク;Cu,Al,
Zn等の非磁性金属、ガラス、磁器、陶器等のセラミッ
ク等からなるフィルム、ディスク、カード等を用いるこ
とができる。
【0017】上記可撓性フィルムや上記ディスクを形成
する上記高分子樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキシレート等
のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルロースアセテートプチレート、
セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテルケト
ン、ポリウレタン等が挙げられ使用に際しては、単独も
しくは2種以上併用して用いることができる。
【0018】また、本発明の磁気記録媒体において上記
非磁性支持体の裏面に必要に応じて設けられる上記バッ
クコート層は、公知のバックコート塗料を特に制限なく
用いて形成することができる。
【0019】本発明の磁気記録媒体において上記非磁性
支持体上に設けられる上記単層は支持体上に磁性塗料を
塗布することにより形成される。また、上記上層は、磁
気記録媒体の最上層、即ち、磁気記録媒体の表面に位置
する層として設けられる層であり、下層上に磁性塗料を
塗布することにより形成される。
【0020】上記磁性塗料は、磁性粉末、バインダ及び
溶剤を主成分とする塗料が好ましく用いられる。
【0021】上記磁性粉末としては、鉄を主体とする強
磁性金属粉末、又は六方晶系フェライト粉末が挙げられ
る。
【0022】上記強磁性金属粉末の保磁力は、1600〜25
00 Oe であるのが好ましく、1700〜2400 Oe であるのが
更に好ましい。また、上記六方晶系フェライト粉末の保
磁力は、1600〜2300 Oe であるのが好ましい。上記強磁
性金属粉末及び六方晶系フェライトの上記保磁力が、そ
れぞれ、上記の下限未満であると、減磁しやすいため短
波長RF出力が低下し、また、上記の上限を超えると、
ヘッド磁界が不充分となり書き込み能力が不足し、更に
はオーバーライト特性が低下するので、上記範囲内とす
るのが好ましい。
【0023】また、上記強磁性金属粉末の飽和磁化は、
100 〜180 emu/g であるのが好ましく、110 〜160 emu/
g であるのが更に好ましく、140 〜160 emu/g であるの
が最も好ましい。また、上記六方晶系フェライト粉末の
飽和磁化は、30〜70 emu/gであるのが好ましく、45〜70
emu/gであるのが更に好ましい。上記強磁性金属粉末及
び上記六方晶系フェライト粉末の上記飽和磁化が、それ
ぞれ、上記の下限未満であると、磁性粉末の充填率が低
くなり、出力が低下し、また、上記の上限を超えると、
結合剤を減少させる必要が生じ、各磁性粉末間の相互作
用が大きくなり、結果的に、磁性粉末が凝集状態となっ
て、所望の出力を得るのが困難となるので、上記範囲内
とするのが好ましい。
【0024】上記強磁性金属粉末としては、金属分が70
重量%以上であり、該金属分の80重量%以上がFeであ
る強磁性金属粉末が挙げられる。該強磁性金属粉末の具
体例としては、例えば、Fe−Co、Fe−Ni、Fe
−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Co−Ni、Fe−
Ni−Al−Zn、Fe−Al−Si等が挙げられる。
また、該強磁性金属粉末の形状は、針状又は紡錘状で、
その長軸長が好ましくは0.01〜0.25μm 、更に好ましく
は0.05〜0.2 μm であり、好ましい針状比が、3 〜20、
好ましいX線粒径が、130 〜250 オングストロームであ
るのが望ましい。
【0025】また、上記六方晶系フェライト粉末として
は、微小平板状のバリウムフェライト及びストロンチウ
ムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がTi、C
o、Ni、Zn、V等の原子で置換された磁性粉末等が
挙げられる。また、該六方晶系フェライト粉末の形状
は、板径が0.02〜0.09μm で板状比が2 〜7 であるのが
好ましい。
【0026】また、上記磁性粉末には、必要に応じて、
稀土類元素や遷移金属元素を含有せしめることもでき
る。
【0027】尚、本発明においては、上記磁性粉末の分
散性等を向上させるために、該磁性粉末に表面処理を施
しても良い。
【0028】上記表面処理は、「Characterization of
Powder Surfaces」;Academic Pressに記載されている方
法等と同様の方法により行なうことができ、例えば上記
磁性粉末の表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げら
れる。この際、用いることができる上記無機質酸化物と
しては、Al23 、SiO2 、TiO2 、ZrO2
SnO2 、Sb23 、ZnO等が挙げられ、使用に際
しては、単独もしくは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0029】上記表面処理は、上記の方法以外に、シラ
ンカップリング処理、チタンカップリング処理及びアル
ミナカップリング処理等の有機処理により行なうことも
できる。
【0030】また、上記バインダとしては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、及び反応型樹脂等が挙げられ、使用
に際しては単独又は混合物として用いることができる。
【0031】上記バインダの具体例としては、塩化ビニ
ル系の樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセル
ロース、エポキシ樹脂等が挙げられ、その他にも、特開
昭57-62128号公報の第 2頁右上欄19行〜第 2頁右下欄19
行等に記載されている樹脂等が挙げられる。更に、上記
バインダは、分散性等向上のために極性基を含有しても
良い。
【0032】上記バインダの使用量は、上記磁性粉末10
0 重量部に対して約5 〜100 重量部とするのが好まし
く、5 〜70重量部とするのが特に好ましい。
【0033】上記溶剤としては、ケトン系の溶剤、エス
テル系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の
溶剤、及び塩素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体
的には、特開昭57-62128号公報の第 3頁右下欄17行〜第
4頁左下欄10行等に記載されている溶剤を用いることが
できる。
【0034】また、上記溶剤の使用量は、上記磁性粉末
100 重量部に対して、80〜500 重量部が好ましく、100
〜350 重量部が更に好ましい。
【0035】また、上記磁性塗料には、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤
等の通常磁性記録媒体に用いられる添加剤を、必要に応
じて添加することができる。上記添加剤としては、具体
的には、特開昭57-62128号公報の第 2頁左上欄 6行〜第
2頁右上欄10行及び第 3頁左上欄 6行〜第 3頁右上欄18
行等に記載されている種々の添加剤を挙げることができ
る。
【0036】上記磁性塗料を調製するには、例えば、上
記磁性粉末及び上記バインダを溶剤の一部と共にナウタ
ーミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られ
た混合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次い
で、溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処
理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更に
ポリイソシアネート等の硬化剤や残りの溶剤を混合する
方法等を挙げることができる。
【0037】本発明の磁気記録媒体において、上記上層
に隣接して設けられる上記下層は、上記非磁性支持体上
に磁性塗料もしくは非磁性塗料を塗布して形成される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の具体的実施結果について説明
する。支持体として厚さ 6μm のポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムを用い、塗料として表1、表
2に示す配合の塗料A、Bを用いて磁気テープを製造
し、塗布状態、出力状態を調査し、図1〜図3、表3を
得た。
【0039】磁性塗料A(表1)
【表1】
【0040】磁性塗料B(表2)
【表2】
【0041】(磁気記録媒体の製造)厚さ 6μm のポリ
エチレンテレフタレートフィルムの表面上に上記の上層
及び下層の磁性塗料を剪断機により、塗料に与える剪断
条件を変えた後、塗布し、上層及び下層の塗膜を形成し
た。次いで、塗膜がウェット状態のうちに5000 Oe のソ
レノイド中を通過させて磁場配向処理を行ない、80℃に
て乾燥処理を行なった後、巻き取った。次いで85℃、35
0kg/cmの条件でカレンダー処理を行ない、同時重層塗布
後、上記非磁性支持体の裏面上にバックコート塗料を乾
燥厚さが0.5 μm になるよう塗布し、90℃にて乾燥処理
を行なった後、巻き取った。その後、50℃以下にて、16
時間エージング処理した後、8mm 幅のテープ状に裁断
し、磁気テープを得、得られた磁気テープを8mm カセッ
トケースに装填して録画時間120 分の8mm ビデオカセッ
トを作製した。
【0042】得られた磁気記録媒体としての磁気テープ
について、塗布状態とC/N出力特性(1MHz、9MHz) に
ついて評価した。
【0043】C/N出力特性(8mm の評価)の測定法 市販のHi8デッキを改造した8mm ビデオデッキを用
い、1MHz及び9MHzの単一波を記録し、再生出力(C)を
スペクトラムアナライザーで観測し、ノイズレベルを8M
Hzノイズレベル(N)としてC/Nを表わした。
【0044】塗料分散機により最終希釈塗料に剪断を与
える方式として、図6のインライン分散方式を用いた。
インライン分散方式は、タンク100 内の塗料を塗料供給
ポンプ101により塗布機(ダイ)102に供給するに
際し、ダイ102のチャンバーを含む塗料循環供給系1
03に通す。塗料循環供給系103は、循環ポンプ10
4を備え、循環ポンプ104の循環量を変えることによ
り塗料に所望の剪断を付与可能とする。尚、塗料循環供
給系103を用いずに塗料供給ポンプ101だけの塗料
流動でかかる剪断速度はせいぜい10Sec-1 であるのに対
し、循環ポンプ104の作動による積極的な塗料流動で
それ以上の剪断速度を付与できるものとなる。塗料循環
供給系103の循環路は配管にて構成できるが、特に配
管にて構成することにこだわらない。106はフィル
タ、107は乾燥機である。
【0045】貯蔵弾性率G′の変化比は、剪断速度50Se
c-1 以上、剪断印加時間100Sec以上の剪断力がかけられ
た後、剪断が除かれ、貯蔵弾性率G′が時間とともに増
加するが、単位時間あたりの増加比を指す。
【0046】時間tでの貯蔵弾性率G′をGtとし、Δ
t後にGt+Δtに増加したとすると、変化比Δは
【数6】 で表わされる。
【0047】(実施例)実施例1、2、比較例1、2に
おいて、塗料ラインに図6に示す塗料循環ラインを設
け、循環ポンプの循環量を変えることにより、循環条件
(シェア、シェア印加時間)を変えた。
【0048】ここで我々は、循環条件が塗料の貯蔵弾性
率の状態に関係し、また塗布性に影響を与えることを見
出した。更に、循環での実際の塗料状態を知ることはで
きないが、オフライン装置による循環条件を推定するこ
とで、実際の塗布条件の最適値を見出した。
【0049】上層に塗料A、下層に塗料Bを用いエクス
トルージョン型ダイによる同時重層塗布を行なった。上
層塗料に表3に示す循環条件を与え、塗布性に及ぼす効
果を調べた。
【0050】
【表3】
【0051】尚、変化比ΔG′の算出例を本実施例2
(図2)の剪断条件50Sec-1 の場合について示す。ある
貯蔵弾性率Gt′の時間をtとし、貯蔵弾性率が10倍に
到るのにΔtかかったとすると、本実施例の場合、Δt
=254 ×4 =1016秒である。従って、貯蔵弾性率の変化
比は、
【数7】 となる。これは、グラフの(t,Gt′)における傾き
にほかならないので、この傾きを他の方法により求めて
もよい。
【0052】粘弾性の測定については、例えば測定器に
はレオメトリック社製のレオメータ(RFS−II)を用
いる事ができる。また測定方法として以下の方法を取る
事ができる。
【0053】試料(塗料)をデイスポカッポに入れた状
態で何度か振り、シェアをかける。スポイトで試料を取
り出し、カップ(34mm径)に適量(約10cc)を入れた
後、ロータ(32mm径ボブ)のセットを行う。測定に入る
前に、塗料の分散を行う目的でロータを回転させ50〜10
0Sec-1程度のシェアを1分程度かける。その後ロータを
静止させ30秒程塗料を静止状態におき、測定に入る。測
定では、10rad/Sec 、ひずみ1 %の微少シェアを与えた
状態で、測定子にかかる貯蔵弾性応力の経時変化の測定
を行う。
【0054】尚、貯蔵弾性率の傾き(変化比)算出の
際、粘弾性G′経時変化比がふれる場合がある。測定器
のセッティング状態であるとか、測定条件などに原因が
起因する場合が多いが、測定データにふれが見られる場
合は、10回程度測定を行いデータがふれの小さい滑らか
な変化曲線の得られた条件を採用するものとする。
【0055】また、測定の始まり約20秒程度以内で高め
にG′が立ち上がる時があるが、立ち上がりが安定でな
い場合は立ち上がり時を除いた、安定領域の変化を採用
する(図1)。
【0056】表3によれば、塗料に付与する剪断速度を
50Sec-1 以上、平均剪断印加時間を100Sec以上とした状
態で、塗料の貯蔵弾性率G′の変化比が0.02以下である
ものとするときに、塗布状態良好、出力状態良好となる
ことを認めた。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気記録
媒体の塗布に際し、塗りむらのない塗布状態を確保し、
磁気記録媒体の電磁変換特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1の貯蔵弾性率G′の経時変化を
示す線図である。
【図2】図2は実施例2の貯蔵弾性率G′の経時変化を
示す線図である。
【図3】図3は比較例1の貯蔵弾性率G′の経時変化を
示す線図である。
【図4】図4は比較例2の貯蔵弾性率G′の経時変化を
示す線図である。
【図5】図5はエクストルージョン型ダイを示す模式図
である。
【図6】図6はインライン分散方式を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 20 エクストルージョン型ダイ 100 タンク 101 塗料供給ポンプ 102 塗布機(ダイ) 103 塗料循環供給系 104 循環ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体を走行させ、この支持体に重層エ
    クストルージョン型ダイにより塗料を塗布する磁気記録
    媒体の製造方法において、 少なくとも上層の最終希釈塗料として、平均剪断速度50
    Sec-1 以上、平均剪断印加時間100Sec以上の剪断をかけ
    た際に、ある時間tでの貯蔵弾性率G′(t)から微小
    時間Δt後の貯蔵弾性率G′(t+Δt)の変化比 【数1】 が0.02以下である塗料を用い、 上記塗料をダイのチャンバーを含む塗料循環供給系で、
    平均剪断速度50Sec-1以上、平均剪断印加時間100Sec以
    上の剪断をかけて塗布することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 重層エクストルージョン型ダイにより少
    なくとも上層の最終希釈塗料として支持体に塗布される
    磁気記録媒体のための塗料において、 平均剪断速度50Sec-1 以上、平均剪断印加時間100Sec以
    上の剪断をかけた際に、ある時間tでの貯蔵弾性率G′
    (t)から微小時間Δt後の貯蔵弾性率G′(t+Δ
    t)の変化比 【数2】 が0.02以下であることを特徴とする磁気記録媒体のため
    の塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2769709A1 (en) * 2008-07-11 2014-08-27 Amorepacific Corporation Pseudolipid complex mixture and a skin external application composition containing same
WO2016084718A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムの製造方法

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