JPH11148041A - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents
水性ボールペン用インキ組成物Info
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- JPH11148041A JPH11148041A JP31546597A JP31546597A JPH11148041A JP H11148041 A JPH11148041 A JP H11148041A JP 31546597 A JP31546597 A JP 31546597A JP 31546597 A JP31546597 A JP 31546597A JP H11148041 A JPH11148041 A JP H11148041A
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Abstract
し、かつ経時保存性及び書き味に優れた水性ボールペン
用インキ組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも着色剤と水とを含有すると共
に、0.2重量%以下のイオン性を有する多糖類と、粘
土増粘剤とを含有することを特徴とする水性ボールペン
用インキ組成物。
Description
直接インキを収容する水性ボールペン用インキ組成物に
おいて、筆記に必要なインキの流出を過不足なく供給
し、かつ経時保存性に優れた水性ボールペン用インキ組
成物に関する。
容せしめる水性ボールペンには、インキにチクソトロピ
ー性を付与する等、塑性若しくは擬塑性を付与する場合
がある。これは、筆記時においては、インキの過剰供給
やインキの供給不足による掠れや線飛びを防止するばか
りでなく、筆記描線の滲みを抑制する効果があり、更に
非筆記時に於いてはインキの逆流を抑制する効果も有す
るものである。
擬塑性を付与した最も効果的な例としては、例えば、キ
サンタンガムを0.20〜0.45重量%含有すること
を特徴とする水性ボールペン用インキ組成物(特公昭6
4−8673号公報)、並びに、キサンタンガムを0.
20〜0.45重量%及び浸透乾燥剤を0.5〜10.
0重量%含有することを特徴とする水性ボールペン用イ
ンキ組成物(特公平1−16437号公報)等が挙げら
れる。これらの公報は、インキ中にキサンタンガムを特
定量含有させることにより、擬塑性粘性を与えるもので
あり、本発明者等の実験でも上記公報の本文中に見られ
るように、0.30〜0.40重量%の含有で最も好ま
しい擬塑性粘性を示すものである。
しい擬塑性粘性を定義すると、東機産業(株)製E型粘
度計(ELD、EMD、EHD等)の標準コーン(1°
34’)/プレートで測定した場合、10回転の時(約
38sec-1)に100〜400mPa・secの範囲で、かつ
100回転(約380sec-1)の時に30〜60mPa・se
cの範囲を示す粘性である。
場合、筆記時にはインキが過剰供給となり、かつ非筆記
時においてはインキの逆流を抑制する効果が小さい。1
0回転時の粘度が400mPa・secを超える場合、筆記時
にインキの供給不足が生じ、掠れや線飛びが起こり易く
なる。特に10cm/sec(定規を用いて直線を書く程度)
以上の筆記速度で顕著である。100回転時の粘度が3
0mPa・sec未満の場合、筆記時にはインキが過剰供給と
なる場合がある。但し、低回転における粘度設定が適当
なものであれば問題にならないことの方が多い。100
回転時の粘度が60mPa・secを超える場合、ペン先に余
剰インキが溜り、これが落下して紙面上を汚す所謂「ボ
テ」「ボタ落ち」の現象が起きる。これらの本発明者等
の試験は、特公昭64−8673号公報等に記載される
粘度データと全く矛盾しないものであり、キサンタンガ
ムの添加量として0.20〜0.45重量%という数字
は妥当な設定と言える。
インキを充填した水性ボールペンでは、通常、半年〜1
年の常温保存で筆記不良になるものが多発してしまうの
が現状である。この原因として考えられる理由は、キサ
ンタンガムはイオン性の多糖類であり、前記特公昭64
−8673号公報及び特公平1−16437号公報に記
載されるように、キサンタンガムを0.20〜0.45
重量%、あるいは米国特許第5013361号公報に記
載されるように、0.7〜6重量%の高濃度で使用する
場合には、インキ中のイオン性材料と反応してしまいペ
ンの経時保存性に悪影響を及ぼすものである。
糖類を多量に使用した場合、例えば、着色剤に顔料を用
いたインキ系では顔料の分散系を崩し、顔料の凝集・沈
降を引き起こして最悪の場合筆記不能に陥る課題があ
る。また、染料を着色剤に用いたインキでも、ほとんど
の水溶性染料はイオン性であるため、結晶の析出、沈降
等顔料と同様の心配がある。更に言えば、染料や顔料の
分散剤の他にも水性ボールペン用インキ中には、防錆
剤、防黴剤、潤滑剤等のイオン性の配合物が添加されて
いる。これらは長い水性インキ開発の過程で、染料と反
応しないもの(及びしにくいもの)から選ばれたもので
あり、キサンタンガム等のイオン性多糖類と反応し難い
ことが保証されたものではない。そのため、キサンタン
ガム等のイオン性多糖類と反応しにくいインキ材料を選
択しなければならないが、書味、初筆性、描線堅牢性等
インキに要求される性能を満足させることは、非常に困
難である。
加量を極小に抑え、非イオン性の多糖類との相乗効果を
利用して粘度を得た水性ボールペン用インキ組成物を出
願しているが(特開平6−256700号公報)、似た
ような組成の天然物を用いるためか、材料ロット毎のバ
ラツキが大きく、異常な増粘を起こす物や、凝集分離し
てしまう物などが度々見られる。
剤は、先に定義した粘度の条件を満たし、良好な筆記描
線が得られるものもあるが、この場合でも降伏値が小さ
いため顔料の沈降防止にやや難があり、同時にボールペ
ンのキャップを外してペン先を何物にも非接触で静置し
た場合の漏れだし(以下、これを「直流」と言う言葉で
定義する)が起こりやすいという課題を有する。更に、
微粒子シリカなどの無機微粒子増粘剤は、アルコール類
の存在下では効果が少なく、インキ全体の設計に大きな
制約ができるほかに、微量で使用した場合には書き味が
著しく低下する。粘土増粘剤も書き味を悪くする傾向に
あり、また単独では先に定義した粘度範囲にはなりにく
い。
載されている知見のとおり、イオン性多糖類であっても
量が少なければインキに対する悪影響も極小に抑えるこ
とができ、その限界の量が0.2重量%である。イオン
性多糖類と非イオン性多糖類は、特異な相乗効果で粘度
を大きく得ることができるが、その他の増粘剤の場合で
あっても相乗効果による増粘がないもののボールペンに
適した粘度が得られる。しかしながら、微粒子増粘剤は
微量であっても書き味を著しく悪くし、また、アルカリ
増粘型のアクリル樹脂では、比重の高い顔料の沈降防止
や直流防止に影響のある降伏値が足りないものとなる。
にキサンタンガムなどのイオン性を有する多糖類は、少
量の添加で大きな増粘効果があり、かつ溶解させ易く、
また適度な擬塑性を与えると言う利点があるが、イオン
性であることが災いし、イオン配合物としては非常に使
用困難なものである。そこで、本発明は、他の特定の増
粘剤を併用することによって、キサンタンガムなどのイ
オン性多糖類の増粘効果を利用するものの、インキ中へ
の添加を極小に抑え、他のインキ配合物との干渉を経時
保存上問題無い程度に抑えた水性ボールペン用インキ組
成物を提供することを目的とする。
土増粘剤の書き味に対する悪影響は微粒子増粘剤と比べ
て小さいという点を勘案した。これは微粒子増粘剤の場
合、シリコンやチタニウム或いはアルミニウムの酸化物
がインキ中にはそのまま存在する。それらは非常に硬
く、極めて微細な粒子とは言え、ボールペンのペン先の
ボールとホルダーとの間に挟まれる形になって滑らかさ
を阻害するのである。これに対し、粘土増粘剤、就中ス
メクタイト・パーミキュライト類は水や有機溶剤で膨潤
して柔らかい形でインキ中に存在するため無機微粒子ほ
どには滑らかさを失わないものである。すなわち、微粒
子増粘剤は、僅かな添加でも書き味を悪くするのに対
し、粘土増粘剤は少量の添加であれば書き味に悪影響を
与えない範囲があるはずである。本発明者等は、上記仮
説に基づき、多糖類増粘剤と粘土増粘剤の互いの欠点が
現れない範囲を鋭意探索した結果、キサンタンガムなど
のイオン性多糖類の含有量を特定範囲で使用すると共
に、粘土増粘剤を併せて使用すればインキ収容管に直接
インキを収容せしめる水性ボールペン用インキ組成物と
して適度な粘性を持ち、かつ両者の欠点が現出しない目
的の水性ボールペン用インキ組成物が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至ったのである。
キ組成物は、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 少なくとも着色剤と水とを含有すると共に、0.2
重量%以下のイオン性を有する多糖類と、粘土増粘剤と
を含有することを特徴とする水性ボールペン用インキ組
成物。 (2) 粘土増粘剤が、インキ組成物全量に対して、0.0
1重量%〜0.5重量%含有される上記(1)記載の水性
ボールペン用インキ組成物。 (3) イオン性を有する多糖類が、キサンタンガム、ウエ
ランガムなどに代表されるイオン性のヘテロ多糖類から
選ばれる少なくとも1種であり、粘土増粘剤が、ベント
ナイト、モンモリロナイト、合成スメクタイトなどに代
表されるスメクタイト・パーミキュライト類から選ばれ
る少なくとも1種である上記(1)又は(2)記載の水性ボー
ルペン用インキ組成物。 (4) イオン性を有する多糖類が、キサンタンガムである
上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水性ボールペン用イ
ンキ組成物。
しく説明する。本発明の水性ボールペン用インキ組成物
は、少なくとも着色剤と水とを含有すると共に、0.2
重量%以下のイオン性を有する多糖類と、粘土増粘剤と
を含有することを特徴とするものである。
しては、例えば、キサンタンガム、ウエランガム、ペク
チン、ランザンガム、レオザンなどに代表されるイオン
性のヘテロ多糖類(増粘多糖類)から選ばれる少なくと
も1種(1種又は2種以上、以下同じ)が挙げられ、特
に好ましくは、キサンタンガムである。これらのイオン
性を有する多糖類を特定量使用したものは、インキ収容
管に直接インキを収容する水性ボールペン用インキに理
想的な粘弾性を付与するものとなる。イオン性を有する
多糖類の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.2
重量%以下、好ましくは、0.05〜0.2重量%とす
ることが望ましい。イオン性を有する多糖類の含有量
が、0.2重量%を越えると、他のインキ中の成分と反
応等して経時保存性が悪くなり、析出物が目詰りした
り、顔料の分散安定性がくずれるなどの点で、好ましく
ない。
又は合成の粘土増粘剤が挙げられ、具体的には、ベント
ナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、リーコナイト、ボル
コンスコアイト等の天然スメクタイト類又は合成スメク
タイト類、パーミキュライト、加水クロウンモ等のパー
ミキュライト類などと呼ばれるものに代表されるスメク
タイト・パーミキュライト類から選ばれる少なくとも1
種が挙げられる。これらの粘土増粘剤が、インキ組成物
全量に対して、0.01重量%〜0.5重量%、好まし
くは、0.1重量%〜0.5重量%であることが望まし
い。粘土増粘剤の含有量が0.01重量%未満である
と、顔料の沈降が多くなり、インキの経時保存性上好ま
しくなく、また、0.5重量%を越えると、書き味を悪
化させ、好ましくない。
成物では、上述の如く、インキ中へのイオン性多糖類の
添加を極小に抑え、他のインキ配合物との干渉を経時保
存上問題無い程度に抑えることが可能になったため、従
来から水性ボールペン用インキに用いられてきた全ての
材料を問題なく使用することができる。すなわち、本発
明のインキに用いる着色剤としては、染料及び/又は顔
料が使用できる。染料としては、例えば、C.I.AC
ID YELLOW 1,C.I.ACID YELL
OW 3,C.I.ACID YELLOW 23,
C.I.ACID YELLOW 36,C.I.AC
ID YELLOW 42,C.I.ACID YEL
LOW 73,C.I.ACID RED 27,C.
I.ACID RED 18,C.I.ACID RE
D 14,C.I.ACIDRED 13,C.I.A
CID RED 26,C.I.ACID RED5
1,C.I.ACID RED 87,C.I.ACI
D RED 92,C.I.ACID RED 94,
C.I.ACID RED 52,C.I.ACID
ORANGE 10,C.I.ACID GREEN
16,C.I.ACID BLUE 9,C.I.AC
ID BLUE 1,C.I.ACID BLUE 7
4,C.I.ACID VIOLET 49,FOOD
RED 1,FOOD YELLOW 3,FOOD
GREEN 3,FOODBROWN 3,C.I.
ACID BLACK 2,C.I.ACID BLU
E 90等の酸性染料が挙げられる。
2,C.I.BASIC YELLOW 28,C.
I.BASIC YELLOW 36,C.I.BAS
ICRED 1,C.I.BASIC RED 18,
C.I.BASIC RED 36,C.I.BASI
C RED 37,C.I.BASIC VIOLET
1,C.I.BASIC VIOLET 3,C.
I.BASIC BLUE 1,C.I.BASIC
BLUE 3,C.I.BASIC BLUE5,C.
I.BASIC BLUE 7,C.I.BASIC
BLUE 9,C.I.BASIC BLUE 24,
C.I.BASIC BLUE 26,C.I.BAS
IC BLUE 45,C.I.BASIC BLUE
47,C.I.BASIC GREEN 1,C.
I.BASIC GREEN 4,C.I.BASIC
BLACK 2,C.I.BASIC BLACK
8等の塩基性染料が挙げられる。更に、C.I.DIR
ECT YELLOW 1,C.I.DIRECT Y
ELLOW 8,C.I.DIRECT YELLOW
26,C.I.DIRECT YELLOW 44,
C.I.DIRECT YELLOW 100,C.
I.DIRECT ORANGE 29,C.I.DI
RECT RED1,C.I.DIRECT RED
2,C.I.DIRECT RED 4,C.I.DI
RECT RED 13,C.I.DIRECT RE
D 23,C.I.DIRECT RED 31,C.
I.DIRECT RED 75,C.I.DIREC
T RED 81,C.I.DIRECT BLUE
1,C.I.DIRECT BLUE 2,C.I.D
IRECT BLUE 6,C.I.DIRECT B
LUE 8,C.I.DIRECT BLUE 15,
C.I.DIRECT BLUE 86,C.I.DI
RECT BLUE168,C.I.DIRECT G
REEN 1,C.I.DIRECT GREEN
6,C.I.DIRECT GREEN 8,C.I.
DIRECTBROWN 1,C.I.DIRECT
BROWN 2,C.I.DIRECT BLACK
17,C.I.DIRECT BLACK 19,C.
I.DIRECT BLACK 22,C.I.DIR
ECT BLACK 118,C.I.DIRECT
BLACK 154等の直接染料が挙げられる。
ク、チタンホワイト、チタンブラック、亜鉛華、べんが
ら、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワ
イト、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カ
ドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブ
デードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムク
ロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、
沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛
白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真
鍮粉等の無機顔料が挙げられ、また、C.I.PIGM
ENT YELLOW 34,C.I.PIGMENT
RED 104,C.I.PIGMENT BLUE
27,C.I.PIGMENT BLUE 17,
C.I.PIGMENT RED 81,C.I.PI
GMENT VIOLET 1,C.I.PIGMEN
T BLUE 1,C.I.PIGMENT VIOL
ET3,C.I.PIGMENT RED 53,C.
I.PIGMENT RED49,C.I.PIGME
NT RED 57,C.I.PIGMENT RED
48,C.I.PIGMENT YELLOW 3,
C.I.PIGMENT YELLOW 1,C.I.
PIGMENT YELLOW 74,C.I.PIG
MENT YELLOW 167,C.I.PIGME
NT YELLOW 12,C.I.PIGMENT
YELLOW 14,C.I.PIGMENT YEL
LOW 17,C.I.PIGMENT YELLOW
13,C.I.PIGMENT YELLOW 5
5,C.I.PIGMENT YELLOW 83,
C.I.PIGMENT ORANGE 16,C.
I.PIGMENT ORANGE 13,C.I.P
IGMENT ORANGE5,C.I.PIGMEN
T RED 38,C.I.PIGMENT RED2
2,C.I.PIGMENT RED 5,C.I.P
IGMENT RED 146,C.I.PIGMEN
T RED 245,C.I.PIGMENT VIO
LET 50,C.I.PIGMENT BLUE 1
5,C.I.PIGMENT GREEN 7,C.
I.PIGMENT YELLOW 95,C.I.P
IGMENT YELLOW 166,C.I.PIG
MENTVIOLET 19,C.I.PIGMENT
VIOLET 23等の有機顔料等が挙げられる。上
記各種の染料及び/又は顔料は、1種又は複数種を組合
せて使用することができ、また、その含有量は、インキ
組成物全量に対して、0.01重量%〜30重量%であ
る。
インキ組成物全量に対して、5重量%以上、好ましく
は、40重量%以上の水分(精製水)が必要である。更
に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、チオジグリコール、グリセリン、ジ
グリセリン、2−ピロリドン、n−メチル−2−ピロリ
ドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジ
ノン等の保湿性を有する水溶性の有機溶剤を1種又は複
数種用いることが好ましい。
素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナト
リウムなど炭酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリ
ウムなどアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、フェ
ノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノール
ナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−ワン、
2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニ
ル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど安息香酸やソル
ビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダ
ゾール系化合物等の防腐若しくは防黴剤、ベンゾトリア
ゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、
ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリ
アゾール等の防錆剤、ポリオキシエチレンラウリルエー
テルなどポリオキシエチレンやポリオキシプロピレン或
はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの誘導体、
テトラグリセリルジステアレートなどグリセリンやジグ
リセリン或はポリグリセリンの誘導体、ソルビタンモノ
オレートなどソルビタン誘導体、パーフルオロアルキル
燐酸エステルなど弗素化アルキル基を有する界面活性
剤、ジメチルポリシロキ酸のポリエチレングリコール付
加物などのポリエーテル変性シリコーン等の潤滑及び湿
潤剤を添加して使用することができる。
いた場合には、先に潤滑及び湿潤剤として例示した界面
活性剤も分散安定剤としての機能を有するが、高級脂肪
酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリル
スルフォン酸塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、アクリル酸共重合体、アクリルメタクリル酸系樹
脂、スチレンアクリル系樹脂、マレイン酸樹脂、スチレ
ンマレイン酸系樹脂等の水溶性高分子を分散剤として用
いることが好ましい。
性ボールペンインキの製造法と比べて特に注意するべき
ことはなく、撹拌温度、濾過方法等水性ボールペンイン
キとして常識的な範囲であれば何等問題はない。本発明
のインキの簡単な製造法を例示すると、先ず染料を着色
剤として用いる場合は、常温下で水と保湿性を有する水
溶性の有機溶剤を撹拌し、イオン性多糖類と粘土増粘剤
を均一になるまで溶解及び分散させる。イオン性多糖類
と粘土増粘剤は別々に均一化させた後に併せてもよい。
る。この際pH調整剤は染料より先に入れる方が好まし
い場合もあるが、同時若しくは後になっても出来上がっ
たインキ性能には全く影響はない。更に言えば、どの様
な配合順序でも出来上がったインキ性能には影響を与え
ない。配合剤が均一に溶解又は分散した後、濾過するこ
とが望ましい。本発明では、図1に示される簡単な構造
の水性ボールペン用に用いることを前提としているた
め、未溶解物やゴミが混入した場合にペン先のボール周
辺部分で目詰まりしてしまうおそれがあるためである。
濾過は、通常の濾紙を用い工業生産的には加圧濾過が最
も効率がよいものであるが、常圧でも減圧濾過でもイン
キ性能に影響はない。濾過に際してはセライト等の濾過
助剤を用いると更に効率よく濾過できる。
を併用する場合は調製手順に若干の制約を受ける。これ
は顔料を分散する際にかかる剪断力によって添加する多
糖類の分子が寸断されてしまう場合があるからである。
これを避けるために、例えば、次のような方法でインキ
が調製される。まず、水と水溶性有機溶剤に分散剤と顔
料、必要に応じてイオン性多糖類以外の添加物の一部又
は全部を加える。この時点で粘土増粘剤を加えると粘度
が上昇して扱いにくい場合があるが、より均一に分散す
るためには粘土増粘剤も分散機に掛かった方がよい。こ
の際に、水と水溶性有機溶剤は最終的な希望配合量の全
量を用いず、三本ロールミル、ビーズミル、ニーダー
等、使用する分散器で最も効率良く顔料分散できる粘度
になるような配合量とする。次いで、分散器で均一に分
散した後に、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子及
び未溶解物及び混入固形物を取り除いた後、残りの水及
び添加剤を加えイオン性多糖類を添加し、均一になるま
で撹拌してインキを得る。粘土増粘剤を最初に添加する
と扱いにくい場合は粘土増粘剤もイオン性多糖類と同時
又は同様の方法で添加する。最後にもう一度濾過して粗
大な固形物を取り除く方が好ましい。
ルペン用インキでは、筆記に必要なインキの流出を過不
足なく供給し、かつ経時保存性及び書き味に優れたもの
となる。すなわち、増粘多糖類の内、イオン性を有する
キサンタンガムやウェランガムなどの多糖類を含有する
インキでは、インキ収容管に直接インキを収容する水性
ボールペン用インキに理想的な粘弾性を付与するが、他
のインキ中の成分と反応して経時保存性が悪い。この使
用量を最小限に押さえるために粘土増粘剤を併用する
と、他の増粘剤よりバラツキが少なく、かつ理想的な粘
度が得られ、その上、経時的な安定性が良いものとなる
のである(これらの点については、後述する実施例等で
更に詳しく説明する)。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。以下、配合単位「重量部」を「部」と略す
る。
にて粗大粒子を取り除き黒インキベース2を調製した。
にて粗大粒子を除去し、黒インキベース3を調製した。
にて粗大粒子を除去し、青インキベース1を調製した。
た。
と比較例1〜6のインキを試作し、以下の測定方法によ
り、粘度等の物性試験、書き味試験、直流試験を行って
評価した。これらの結果を下記表1に示す。
c-1)に100〜600mPa・secの範囲で、かつ100
回転(約400sec-1)の時に60mPa・sec以下を示す
ものはペンに充填した場合、良い結果が得られる可能性
があるので「○」、どちらか片方でも外れるものを
「×」と判定した。更に、試料を50mlサンプル管中に
密栓して6ケ月間放置し、インキの粘度を測定した。初
期の粘度と比較して著しい違い(±20%以上)のある
もの、初期値と同様の粘度範囲に入らないものは好まし
くないと判断し「×」と判定した。粘度の変化が少なく
初期値の合格範囲に入っているものは「○」と判定し
た。また、粘度測定は、東機産業(株)製EMD型粘度
計及びEHD型粘度計を使用し10rpmと100rpmの条
件で測定した。この試験は、両項目が「○」でなければ
水性ボールペンのインキとして不適であると判断した。
ペンに組み、20人のモニターによって官能試験を行っ
た。書き味が軽く滑らかで美しい描線が得られるものを
5点、滑らかさや軽さに欠ける、或いは描線の太さが変
わったり途切れたりするものは順次4点、3点と点数を
減らし、書き味が重く滑らかさがなく、描線が途切れた
り太さが換わったりするものを1点、描線が書けないも
のを0点として、20人の合計点で優劣とした。最も良
いのは100点であるが、サンプル組立時の筆記検査で
不良は無かったので、事実上20点が最低点である。
ペン先を下に向け且つ何処にも接触しないように宙吊り
にした試料を各20本ずつ室温で1週間静置して、イン
キの漏れだし量を観察した。チップの先端からインキが
全く漏れ出していないものを5点、漏れ出したインキが
概ねボールと同じ大きさ迄のものを4点、概ねボールの
3倍程度の体積までを3点、直径1mm程度の半球程度の
もの迄を2点、それ以上の漏れ出しがペン先についてい
るものを1点、漏れ落ちているものを0点として、20
本の合計点で評価した。点数が高い程良い結果である。
ち、初期値は本来全ての実施例1〜6及び比較例1〜6
が範囲内に入る設計とするべきであるが、比較例1と比
較例6は外れてしまった。比較例1はイオン性多糖類と
非イオン性多糖類の組み合わせである。本来は全項目に
わたって良い結果が得られる場合が多いが、グアーガム
単独での粘度バラツキか、又はキウェランガムとの相性
のバラツキか(材料ロットによっては良い結果が得られ
る)、今回のように過剰に増粘してインキの出が悪く筆
記し難いボールペンとなってしまうことがある。比較例
6は、如何な粘土増粘剤であっても使用量が多いと過剰
に増粘してしまい、ボールペンインキとしては機能を損
なう例である。
2、比較例3が悪くなっていることが判る。これは、と
もにインキ中のキサンタンガムが他のインキ成分と反応
してしまったためと考えられる。本発明者等の経験で
は、キサンタンガムが0.2%を超えて添加されている
場合には粘度が経時的に上がっていく傾向が見られ、ア
ルカリ増粘型アクリル樹脂は下がっていく傾向が見られ
る。前者はキサンタンガムとインキ中の成分が反応して
部分的なゲル化をするものと考えている。後者はインキ
中に微量存在する黴菌類の排泄物や死骸の影響や、添加
剤や溶剤中に含まれるエチレン鎖やプロピレン鎖が分解
してギ酸やグリコール酸に変化するためにpHが下がる
ためである。
子増粘剤を用いた比較例4と粘度増粘剤のみの比較例5
が本文中に記載されたとおり悪い結果となっている。ま
た、粘度が許容範囲に入っていない比較例1と比較例6
も非常に悪い評価となっている。更に、試験3の直流試
験では、比較例3のアルカリ増粘型アクリル樹脂で粘度
を補ったものが本文中に記載の通り悪い結果となってい
る。また、無機微粒子増粘剤としては最も増粘効果の高
い部類であるアエロジル380を用いたにも関わらず、
無機微粒子増粘剤で増粘させた比較例4も比較的悪い結
果である。
は、配合手順の違いであるが、粘度等の物性試験、書き
味試験及び直流試験のいずれにおいても同様の好結果が
得られている。また、実施例4及び比較例6は、青イン
キであるが、黒インキと比べて特異な傾向は見られなか
った。更に、参考に他の色で本実施例に準じた試験を行
ったときも色差による特異的な傾向は見られなかった。
明範囲となる実施例1〜6のインキは、イオン性多糖類
と粘土増粘剤との少量の添加量で増粘効果を発揮するこ
とができると共に、経時的にも変位度少なく安定してい
るのは明白である。以上の如く、本発明の水性ボールペ
ン用インキ組成物は、イオン性多糖類と粘土増粘剤とを
併用することによって、増粘効果を経時的に安定に保つ
ことができ、書き味に優れ、直流も起こりにくいもので
あることが判明した。
流出を過不足なく供給し、かつ経時保存性及び書き味に
優れた水性ボールペン用インキ組成物が提供される。
の一例を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも着色剤と水とを含有すると共
に、0.2重量%以下のイオン性を有する多糖類と、粘
土増粘剤とを含有することを特徴とする水性ボールペン
用インキ組成物。 - 【請求項2】 粘土増粘剤が、インキ組成物全量に対し
て、0.01重量%〜0.5重量%含有される請求項1
記載の水性ボールペン用インキ組成物。 - 【請求項3】 イオン性を有する多糖類が、キサンタン
ガム、ウエランガムなどに代表されるイオン性のヘテロ
多糖類から選ばれる少なくとも1種であり、粘土増粘剤
が、ベントナイト、モンモリロナイト、合成スメクタイ
トなどに代表されるスメクタイト・パーミキュライト類
から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載
の水性ボールペン用インキ組成物。 - 【請求項4】 イオン性を有する多糖類が、キサンタン
ガムである請求項1〜3の何れか一つに記載の水性ボー
ルペン用インキ組成物。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003531267A (ja) * | 2000-04-20 | 2003-10-21 | ベロル・コーポレイション | 剪断減粘性筆記用組成物、筆記用具及び方法 |
WO2011115046A1 (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-22 | パイロットインキ株式会社 | 可逆熱変色性ボールペン用水性インキ組成物、並びにそれを用いたボールペンレフィル及びボールペン |
JP2012097168A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Pilot Ink Co Ltd | 可逆熱変色性ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
-
1997
- 1997-11-17 JP JP31546597A patent/JP3874510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP5807813B2 (ja) * | 2010-03-16 | 2015-11-10 | パイロットインキ株式会社 | 可逆熱変色性ボールペン用水性インキ組成物、並びにそれを用いたボールペンレフィル及びボールペン |
JP2012097168A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Pilot Ink Co Ltd | 可逆熱変色性ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
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