JPH11147763A - 圧電磁器材料及びそれを用いた圧電振動ジャイロ - Google Patents
圧電磁器材料及びそれを用いた圧電振動ジャイロInfo
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- JPH11147763A JPH11147763A JP9312250A JP31225097A JPH11147763A JP H11147763 A JPH11147763 A JP H11147763A JP 9312250 A JP9312250 A JP 9312250A JP 31225097 A JP31225097 A JP 31225097A JP H11147763 A JPH11147763 A JP H11147763A
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- piezoelectric ceramic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 所定の特性を実現することができ,機械的品
質係数の温度安定性と,共振周波数の安定性とを両立さ
せた圧電磁器材料とそれを用いた圧電ジャイロとを提供
すること。 【解決手段】 圧電磁器材料は,組成式 aPbTiO
3 +bPbZrO3 +cPb(Co1/3 Nb2/3 )O3
において,aが30.0〜70.0mol%,bが2
5.0〜55.0mol%,cが6.0〜20.0mo
l%(但し,a+b+c=100mol%)とする主成
分と,主成分を重量で100%としたときLa2 O3 ,
Nd2 O3 ,Sm2 O3 のうちの少なくとも一種を0.
1〜0.5wt%として添加された副成分とを含む。
質係数の温度安定性と,共振周波数の安定性とを両立さ
せた圧電磁器材料とそれを用いた圧電ジャイロとを提供
すること。 【解決手段】 圧電磁器材料は,組成式 aPbTiO
3 +bPbZrO3 +cPb(Co1/3 Nb2/3 )O3
において,aが30.0〜70.0mol%,bが2
5.0〜55.0mol%,cが6.0〜20.0mo
l%(但し,a+b+c=100mol%)とする主成
分と,主成分を重量で100%としたときLa2 O3 ,
Nd2 O3 ,Sm2 O3 のうちの少なくとも一種を0.
1〜0.5wt%として添加された副成分とを含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,圧電振動ジャイロ
等に使用される圧電磁器組成物に関するものである。
等に使用される圧電磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,圧電振動子を用いた小型で低価格
のジャイロが市場に提供されるようになり,携帯ビデオ
カメラ及び携帯カメラの手ぶれ防止や自動車のナビゲー
ションシステム,ABSシステムに活用されている。
のジャイロが市場に提供されるようになり,携帯ビデオ
カメラ及び携帯カメラの手ぶれ防止や自動車のナビゲー
ションシステム,ABSシステムに活用されている。
【0003】これらの圧電ジャイロは,現在,大まかに
分類すると,次のものがある。
分類すると,次のものがある。
【0004】1)恒弾性金属の音叉に圧電セラミックを
貼りつけた振動子で直交する2方向の振動モードを利用
して一方を駆動,他方を角速度で発生するコリオリカで
誘起する直交方向の振動から角速度を検出に用いる方
式; 2)恒弾性金属の4角柱に,圧電セラミックを接合し,
棒の屈曲振動を発生させ,コリオリ力で発生する直交し
た屈曲振動を,別の圧電セラミックで検出する方式; 3)圧電セラミックの円柱に交差指電極を表面に長さ方
向に形成し,分極してなる振動子において,一組の電極
で一方向の屈曲振動を発生させ,他の二組の電極で発生
電圧を検出する構成で,コリオリ力に応じて発生する直
交方向の振動の効果で検出側の出力のアンバランスから
出力電圧差を検出し角速度を検出する方式;また,例え
ば2)と3)の折衷方式として,4)恒弾性金属の三角
柱の側面に圧電セラミック板を三枚接合し,一つを駆動
用,他の二つを検出用に用いる方式が実用化されてい
る。
貼りつけた振動子で直交する2方向の振動モードを利用
して一方を駆動,他方を角速度で発生するコリオリカで
誘起する直交方向の振動から角速度を検出に用いる方
式; 2)恒弾性金属の4角柱に,圧電セラミックを接合し,
棒の屈曲振動を発生させ,コリオリ力で発生する直交し
た屈曲振動を,別の圧電セラミックで検出する方式; 3)圧電セラミックの円柱に交差指電極を表面に長さ方
向に形成し,分極してなる振動子において,一組の電極
で一方向の屈曲振動を発生させ,他の二組の電極で発生
電圧を検出する構成で,コリオリ力に応じて発生する直
交方向の振動の効果で検出側の出力のアンバランスから
出力電圧差を検出し角速度を検出する方式;また,例え
ば2)と3)の折衷方式として,4)恒弾性金属の三角
柱の側面に圧電セラミック板を三枚接合し,一つを駆動
用,他の二つを検出用に用いる方式が実用化されてい
る。
【0005】上記3)の方式(以降セラミック円柱方式
と呼称)は,接着工程を必要とせず構成が単純で信頼性
が高いという利点を有する。一方,振動子特性の全てが
圧電セラミックの材質特性で決定されるため使用できる
材料の選択範囲が著しく限定されてしまうことになる。
と呼称)は,接着工程を必要とせず構成が単純で信頼性
が高いという利点を有する。一方,振動子特性の全てが
圧電セラミックの材質特性で決定されるため使用できる
材料の選択範囲が著しく限定されてしまうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】セラミック円柱方式に
よる振動ジャイロの特性は,圧電セラミックの材料特性
に密接に関連する。
よる振動ジャイロの特性は,圧電セラミックの材料特性
に密接に関連する。
【0007】まず,機械的品質係数Qmは,感度の大
きさに比例するが,一般に圧電セラミックの機械的品質
係数の温度係数は大きく,中には使用温度領域内で数百
%になる材質もある。この場合,感度の温度変化も大き
くなり実用上の問題が発生する。
きさに比例するが,一般に圧電セラミックの機械的品質
係数の温度係数は大きく,中には使用温度領域内で数百
%になる材質もある。この場合,感度の温度変化も大き
くなり実用上の問題が発生する。
【0008】対策として,駆動電圧にQmの温度変化と
逆の温度持性を持たせ,感度の温度変化を補正すること
で出力の温度変動を抑制できる。
逆の温度持性を持たせ,感度の温度変化を補正すること
で出力の温度変動を抑制できる。
【0009】しかしながら,この場合,駆動電圧が温度
によって変動することになり安定な動作が得られにくく
なる。特に,カーナビゲーシヨンへの応用の場合,ヌル
電圧の変動が位置精度の誤差要因となる実用上の問題が
あるが,駆動電圧が変動することは,このヌル電圧変動
の大きな要因となる。
によって変動することになり安定な動作が得られにくく
なる。特に,カーナビゲーシヨンへの応用の場合,ヌル
電圧の変動が位置精度の誤差要因となる実用上の問題が
あるが,駆動電圧が変動することは,このヌル電圧変動
の大きな要因となる。
【0010】また,共振周波数の温度変化も駆動周波
数の変動要因となり感度及びヌル電圧の変動要因にな
る。更に,感度を決める要素として,Qmの絶対値と電
気機械結合係数がある。基本的には,Qmが大きく,電
気機械結合係数も大きい方が好ましい。
数の変動要因となり感度及びヌル電圧の変動要因にな
る。更に,感度を決める要素として,Qmの絶対値と電
気機械結合係数がある。基本的には,Qmが大きく,電
気機械結合係数も大きい方が好ましい。
【0011】また,材料の組成によつては,特定の温
度範囲で,振動子特性に温度ショックを有し,急激な温
度変化に対して,Qmが急激に変化するものがある。こ
のような温度ショックは,感度変動の要因となるため,
ジャイロの使用温度範囲に,大きな熱ショックを持つ材
料は好ましくない。
度範囲で,振動子特性に温度ショックを有し,急激な温
度変化に対して,Qmが急激に変化するものがある。こ
のような温度ショックは,感度変動の要因となるため,
ジャイロの使用温度範囲に,大きな熱ショックを持つ材
料は好ましくない。
【0012】従って,ジャイロの使用温度範囲で,一定
値以上のQmを有し,その温度変化が少なく温度ショッ
クを持たない,また共振周波数の温度変化も少ない圧電
磁器組成物を提供する事が必要である。
値以上のQmを有し,その温度変化が少なく温度ショッ
クを持たない,また共振周波数の温度変化も少ない圧電
磁器組成物を提供する事が必要である。
【0013】また,圧電振動ジャイロの振動子の各特性
項目の内容については,下記表1及び表2に詳細をまと
める。
項目の内容については,下記表1及び表2に詳細をまと
める。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】また,材料特性とジャイロ特性の関連につ
いて以下のような傾向がある。
いて以下のような傾向がある。
【0017】イ)感度Sは,Qmに強く支配され,Qm
が同じ程度の場合,Kpが小さいほうか感度が高い。
が同じ程度の場合,Kpが小さいほうか感度が高い。
【0018】ロ)感度変化率ΔS/Sは,Qmの変化率
に支配され,Qm変化率が小さいほど感度の変化は小さ
くなる。
に支配され,Qm変化率が小さいほど感度の変化は小さ
くなる。
【0019】ハ)ヌル電圧変動ΔNは,共振周波数の温
度変動Tkfrに強く支配され,Tkfrが小さいほど
ヌル電圧変動の少ない材料が得られる。
度変動Tkfrに強く支配され,Tkfrが小さいほど
ヌル電圧変動の少ない材料が得られる。
【0020】ニ)S/N比は,感度に比例し感度が大き
いほど良好になる。
いほど良好になる。
【0021】以上の実験結果を踏まえてカーナビゲーシ
ヨンに使用できる感度が高くてその温度変動も少なく,
またヌル電圧の変動の少ない円柱型圧電ジャイロを実現
するための円柱型圧電セラミックジャイロの基準スペッ
クとして,下記表3の値を設けた。
ヨンに使用できる感度が高くてその温度変動も少なく,
またヌル電圧の変動の少ない円柱型圧電ジャイロを実現
するための円柱型圧電セラミックジャイロの基準スペッ
クとして,下記表3の値を設けた。
【0022】
【表3】
【0023】上記表3の基準スペックと,従来の実験結
果を対照させた結果,カーナビゲーシヨンに対応できる
円柱型圧電セラミツクを実現できる圧電セラミックを提
洪するためには圧電セラミックの基本特性として,下記
表4の特性を実現する事が必要であることが分かった。
果を対照させた結果,カーナビゲーシヨンに対応できる
円柱型圧電セラミツクを実現できる圧電セラミックを提
洪するためには圧電セラミックの基本特性として,下記
表4の特性を実現する事が必要であることが分かった。
【0024】
【表4】
【0025】従って,本発明の一技術的課題は,上記第
4表の特性を実現することができる圧電磁器材料を提供
することにある。
4表の特性を実現することができる圧電磁器材料を提供
することにある。
【0026】また,本発明のもう一つに技術的課題は,
従来にはみられない機械的品質係数の温度安定性と,共
振周波数の安定性とを両立させた圧電磁器材料を提供す
ることにある。
従来にはみられない機械的品質係数の温度安定性と,共
振周波数の安定性とを両立させた圧電磁器材料を提供す
ることにある。
【0027】さらに,本発明のさらにもう一つの技術的
課題は,前記圧電磁器材料を用いた圧電ジャイロを提供
することにある。
課題は,前記圧電磁器材料を用いた圧電ジャイロを提供
することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め種々の検討を行った結果,本発明者らは,組成式aP
bTiO3 +bPbZrO3 +cPb(Co1/3 Nb
2/3 )O3 において,aが30.0〜70.0mol
%,bが25.0〜55.0mol%,cが6.0〜2
0.0mol%(但し,a+b+c=100mol%)
とする主成分と,主成分を重量で100%としたとき,
La2 O3 ,Nd2 O3 ,Sm2 O3 のうちの少なくと
も一種を0.1〜0.5wt%として添加された副成分
とを含むことにより,温度安定性の高いジャイロを提供
することができる圧電磁器材料が得られることを見出だ
し,本発明を為すに至ったものである。
め種々の検討を行った結果,本発明者らは,組成式aP
bTiO3 +bPbZrO3 +cPb(Co1/3 Nb
2/3 )O3 において,aが30.0〜70.0mol
%,bが25.0〜55.0mol%,cが6.0〜2
0.0mol%(但し,a+b+c=100mol%)
とする主成分と,主成分を重量で100%としたとき,
La2 O3 ,Nd2 O3 ,Sm2 O3 のうちの少なくと
も一種を0.1〜0.5wt%として添加された副成分
とを含むことにより,温度安定性の高いジャイロを提供
することができる圧電磁器材料が得られることを見出だ
し,本発明を為すに至ったものである。
【0029】また,本発明の圧電振動ジャイロでは,前
記圧電磁器材料からなる棒材を用いたものである。ここ
で,本発明の圧電振動ジャイロにおいては,前記圧電磁
器材料からなる棒材,例えば,円柱の表面に長さ方向に
交差指電極を設け,一組の交差指電極を駆動用に他方を
発生電圧検出用に用いることが好ましい。
記圧電磁器材料からなる棒材を用いたものである。ここ
で,本発明の圧電振動ジャイロにおいては,前記圧電磁
器材料からなる棒材,例えば,円柱の表面に長さ方向に
交差指電極を設け,一組の交差指電極を駆動用に他方を
発生電圧検出用に用いることが好ましい。
【0030】高精度ジャイロ用材料は,前述のように使
用温度範囲(−30〜+80℃)でQmが1000〜4
00程度であること,Kpが30%以上であること,T
kfrが100ppm/℃以下であること,そしてジャイ
ロ実装時にΔS/Sが15%以下であることが必要であ
る。
用温度範囲(−30〜+80℃)でQmが1000〜4
00程度であること,Kpが30%以上であること,T
kfrが100ppm/℃以下であること,そしてジャイ
ロ実装時にΔS/Sが15%以下であることが必要であ
る。
【0031】一般に,圧電材料は,PbTiO3 −Pb
ZrO3 の固溶体(二成分系PZTセラミック)に,複
合ペロプスカイト化合物を一種,もしくは複数種固溶さ
せることにより,二成分系では得られなかった誘電的,
圧電的な特性改善がなされて広く実用に供されている。
そこで,ジャイロ用材料を考えた場合,第三成分として
Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 を固溶させたPbTiO
3 −PbZrO3 一Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 系圧
電セラミックか数百〜千数百のQmと高い誘電的,圧電
的な特性とが得られるという,ハード材料としての特徴
を持つ点で望ましい。
ZrO3 の固溶体(二成分系PZTセラミック)に,複
合ペロプスカイト化合物を一種,もしくは複数種固溶さ
せることにより,二成分系では得られなかった誘電的,
圧電的な特性改善がなされて広く実用に供されている。
そこで,ジャイロ用材料を考えた場合,第三成分として
Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 を固溶させたPbTiO
3 −PbZrO3 一Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 系圧
電セラミックか数百〜千数百のQmと高い誘電的,圧電
的な特性とが得られるという,ハード材料としての特徴
を持つ点で望ましい。
【0032】しかし,要求値,使用温度範囲(−30〜
+80℃)でQmが,1000〜400程度の材料は,
従来認められず,これを満たさない場合にはジャイロの
感度変動か大きくなり望ましくない。
+80℃)でQmが,1000〜400程度の材料は,
従来認められず,これを満たさない場合にはジャイロの
感度変動か大きくなり望ましくない。
【0033】また,Tkfr が100ppm/℃以下でな
くては,ヌル電圧変動か大きくなり,望ましくない。
くては,ヌル電圧変動か大きくなり,望ましくない。
【0034】よって,ジャイロとした場合に,これらの
条件を満足し,感度及びヌル電圧の温度安定性の低下を
防ぐことが必要となる。
条件を満足し,感度及びヌル電圧の温度安定性の低下を
防ぐことが必要となる。
【0035】改善には,副成分としてLa2 O3 ,Nd
2 O3 ,Sm2 O3 の内少なくとも一種を一定量添加す
ることにより達成できることが判明した。即ち,その合
計が0.1〜0.5wt%となるように添加した場合
に,他の振動子に大きな影響を与えずに,Qm,Tkfr
の改善がなされることが確認された。
2 O3 ,Sm2 O3 の内少なくとも一種を一定量添加す
ることにより達成できることが判明した。即ち,その合
計が0.1〜0.5wt%となるように添加した場合
に,他の振動子に大きな影響を与えずに,Qm,Tkfr
の改善がなされることが確認された。
【0036】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0037】主成分及び副成分の原料として,PbO,
TiO2 ,ZrO2 ,Co3 O4 ,Nb2 O5 ,そして
添加物を目的の組成となるように秤量した。この原料粉
をウレタンボールとともにアクリルポット中に入れ,2
0時間湿式混合した。この混合粉を脱水乾燥後,アルミ
ナこう鉢中で800℃,2時間の予焼を行つた。この予
焼粉をアクリルポット中ウレタンボールにて20時間湿
式粉砕した。続いて,脱水乾燥し,得られた予焼粉砕粉
にバインダを混合して加圧,φ20×15mmに成形し
た。この成形体を1200℃〜1265℃2時間焼成
し,得られた焼結体を1mmの厚さに,加工した後,両
面に銀ペーストを塗布し,450℃で焼き付けて電極を
形成し,試料とした。このようにして得られた試料に,
シリコンオイル中で40℃,3kV/mm,15分の分
極処理を行い,比誘電率εr,電気機械結合係数Kp,
機械的品質係数Qmを測定した。さらに,この試料を2
×10mmの矩形板に切断し,−30℃〜+80℃の温
度範囲で,Qmと共振周波数を測定し,Tkfrを求め
た。測定結果を下記表5,表6,及び表7に夫々示す。
TiO2 ,ZrO2 ,Co3 O4 ,Nb2 O5 ,そして
添加物を目的の組成となるように秤量した。この原料粉
をウレタンボールとともにアクリルポット中に入れ,2
0時間湿式混合した。この混合粉を脱水乾燥後,アルミ
ナこう鉢中で800℃,2時間の予焼を行つた。この予
焼粉をアクリルポット中ウレタンボールにて20時間湿
式粉砕した。続いて,脱水乾燥し,得られた予焼粉砕粉
にバインダを混合して加圧,φ20×15mmに成形し
た。この成形体を1200℃〜1265℃2時間焼成
し,得られた焼結体を1mmの厚さに,加工した後,両
面に銀ペーストを塗布し,450℃で焼き付けて電極を
形成し,試料とした。このようにして得られた試料に,
シリコンオイル中で40℃,3kV/mm,15分の分
極処理を行い,比誘電率εr,電気機械結合係数Kp,
機械的品質係数Qmを測定した。さらに,この試料を2
×10mmの矩形板に切断し,−30℃〜+80℃の温
度範囲で,Qmと共振周波数を測定し,Tkfrを求め
た。測定結果を下記表5,表6,及び表7に夫々示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】上記表5,表6,及び表7からは,本発明
の圧電材料に関して組成範囲を決定する理由として,排
除されるベき以下の(1)〜(3)の不適事項を列挙す
ることができる。即ち,30%≦Kp,400<Qm<
1000,Tkfr ≦100ppm/℃を満たさない場
合,本発明の請求範囲から除外することとした。
の圧電材料に関して組成範囲を決定する理由として,排
除されるベき以下の(1)〜(3)の不適事項を列挙す
ることができる。即ち,30%≦Kp,400<Qm<
1000,Tkfr ≦100ppm/℃を満たさない場
合,本発明の請求範囲から除外することとした。
【0042】(1)PbZrO3 量bが請求範囲を越え
ると,Tkfr が大きくなるため好ましくない。
ると,Tkfr が大きくなるため好ましくない。
【0043】(2)Pb(Co1/3 Nb2/3 )O3 量c
が6.0mol%未満では,ジャイロの使用温度範囲内
で温度ショックが見られるため望ましくない。また,c
が20.0mol%以上ではQmが低くなるため望まし
くない。
が6.0mol%未満では,ジャイロの使用温度範囲内
で温度ショックが見られるため望ましくない。また,c
が20.0mol%以上ではQmが低くなるため望まし
くない。
【0044】(3)添加物量が,0.5wt%を越える
と,Qmレベルの最低値が低下するため望ましくない。
上記の理由により,組成式 aPbTiO3 +bPbZ
rO3 +cPb(Co1/3 Nb2/3 )O3 において,a
が30.0〜70.0mol%,bが25.0〜55m
ol%,cが6.0〜20.0mol%(ただしa+b
+c=100mol%)とする主成分と,主成分を重量
で100%としたときLa2 O3 ,Nd2 O3 ,Sm2
O3 の内の少なくとも一種が0.1〜0.5wt%とし
て添加された副成分とを含むジャイロ用圧電磁器材料が
得られた。
と,Qmレベルの最低値が低下するため望ましくない。
上記の理由により,組成式 aPbTiO3 +bPbZ
rO3 +cPb(Co1/3 Nb2/3 )O3 において,a
が30.0〜70.0mol%,bが25.0〜55m
ol%,cが6.0〜20.0mol%(ただしa+b
+c=100mol%)とする主成分と,主成分を重量
で100%としたときLa2 O3 ,Nd2 O3 ,Sm2
O3 の内の少なくとも一種が0.1〜0.5wt%とし
て添加された副成分とを含むジャイロ用圧電磁器材料が
得られた。
【0045】本発明の実施の形態による材料について,
ジャイロ特性を評価した一例を下記表8に示す。
ジャイロ特性を評価した一例を下記表8に示す。
【0046】
【表8】
【0047】
【発明の効果】以上,本発明の圧電磁器材料を円筒型圧
電振動ジャイロに使用した場合,適度の電気機械結合係
数,及び機械的品質係数により高い感度を示すと同時に
共振周波数の安定性からヌル電圧変動が抑制される。
電振動ジャイロに使用した場合,適度の電気機械結合係
数,及び機械的品質係数により高い感度を示すと同時に
共振周波数の安定性からヌル電圧変動が抑制される。
【0048】また,機械的品質係数の温度安定性から感
度の温度安定性が得られ温度補正回路が不用となる。こ
の場合,駆動電圧の安定性が得られるのでヌル電圧変動
の他の要因も改善できる。
度の温度安定性が得られ温度補正回路が不用となる。こ
の場合,駆動電圧の安定性が得られるのでヌル電圧変動
の他の要因も改善できる。
【0049】以上の結果,ヌル電圧の安定性が得られカ
ーナビゲーションにも対応できる高精度で安価な圧電振
動ジャイロを提供することができる。
ーナビゲーションにも対応できる高精度で安価な圧電振
動ジャイロを提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 組成式 aPbTiO3 +bPbZrO
3 +cPb(Co1/ 3 Nb2/3 )O3 において,aが3
0.0〜70.0mol%,bが25.0〜55.0m
ol%,cが6.0〜20.0mol%(但し,a+b
+c=100mol%)とする主成分と,主成分を重量
で100%としたときLa2 O3 ,Nd2 O3 ,Sm2
O3 のうちの少なくとも一種を0.1〜0.5wt%と
して添加された副成分とを含むことを特徴とする圧電磁
器材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の圧電磁器材料からなる棒
材を用いたことを特徴とする圧電振動ジャイロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9312250A JPH11147763A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | 圧電磁器材料及びそれを用いた圧電振動ジャイロ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9312250A JPH11147763A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | 圧電磁器材料及びそれを用いた圧電振動ジャイロ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11147763A true JPH11147763A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18026980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9312250A Pending JPH11147763A (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | 圧電磁器材料及びそれを用いた圧電振動ジャイロ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11147763A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100471978B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-03-07 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 가속도 센서용 압전 세라믹스 조성물 |
JP2006500787A (ja) * | 2002-09-27 | 2006-01-05 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | Cu内部電極を備えた圧電トランス |
-
1997
- 1997-11-13 JP JP9312250A patent/JPH11147763A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100471978B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-03-07 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 가속도 센서용 압전 세라믹스 조성물 |
JP2006500787A (ja) * | 2002-09-27 | 2006-01-05 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | Cu内部電極を備えた圧電トランス |
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