JPH10114571A - 圧電磁器材料 - Google Patents
圧電磁器材料Info
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- JPH10114571A JPH10114571A JP8267380A JP26738096A JPH10114571A JP H10114571 A JPH10114571 A JP H10114571A JP 8267380 A JP8267380 A JP 8267380A JP 26738096 A JP26738096 A JP 26738096A JP H10114571 A JPH10114571 A JP H10114571A
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Landscapes
- Gyroscopes (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気機械結合係数が30%≦Kp≦60%,
比誘電率がεr>500,機械品質係数Qm>500,
Qmの温度変化率ΔQm/Qm<50%,共振周波数T
kfr<100ppm/℃を満たしている圧電磁器材料
を提供する。 【解決手段】 圧電磁器材料は,主成分と,これに添加
された副成分としてSm2 O3 とを含み,組成式 Pb
[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd ]O3 +eSm
2 O3 (但し,a=0.150〜0.333,b=0.
02〜0.10,c=0.44〜0.60,d=0.3
0〜0.54,b+c+d=1であり,前記主成分の重
量を100%としたときに,0≦e≦2.0wt%)示
される。
比誘電率がεr>500,機械品質係数Qm>500,
Qmの温度変化率ΔQm/Qm<50%,共振周波数T
kfr<100ppm/℃を満たしている圧電磁器材料
を提供する。 【解決手段】 圧電磁器材料は,主成分と,これに添加
された副成分としてSm2 O3 とを含み,組成式 Pb
[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd ]O3 +eSm
2 O3 (但し,a=0.150〜0.333,b=0.
02〜0.10,c=0.44〜0.60,d=0.3
0〜0.54,b+c+d=1であり,前記主成分の重
量を100%としたときに,0≦e≦2.0wt%)示
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,圧電磁器材料に関
し,詳しくは,圧電振動子ジャイロに使用される圧電磁
器材料に関するものである。
し,詳しくは,圧電振動子ジャイロに使用される圧電磁
器材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,圧電振動子を用いた小型で低価格
のジャイロが市場に提供されるようになり,携帯ビデオ
カメラ及び携帯カメラの手ぶれ防止や自動車のナビゲー
ションシステム,ABSシステムに活用されている。こ
れらの圧電ジャイロは現在大まかに以下の(イ)〜
(ニ)の4つの方式に分類され,いずれも実用化されて
いる。
のジャイロが市場に提供されるようになり,携帯ビデオ
カメラ及び携帯カメラの手ぶれ防止や自動車のナビゲー
ションシステム,ABSシステムに活用されている。こ
れらの圧電ジャイロは現在大まかに以下の(イ)〜
(ニ)の4つの方式に分類され,いずれも実用化されて
いる。
【0003】(イ)恒弾性金属の音叉に圧電セラミック
を貼りつけた振動子で直交する2方向の振動モードを利
用して,一方を駆動に,他方を角速度で発生するコリオ
リ力で誘起する直交方向の振動から角速度を検出する方
式。
を貼りつけた振動子で直交する2方向の振動モードを利
用して,一方を駆動に,他方を角速度で発生するコリオ
リ力で誘起する直交方向の振動から角速度を検出する方
式。
【0004】(ロ)恒弾性金属の四角柱に圧電セラミッ
クを接合し,棒の屈曲振動を発生させコリオリ力で発生
する直交した屈曲振動を別の圧電セラミックで検出する
方式。
クを接合し,棒の屈曲振動を発生させコリオリ力で発生
する直交した屈曲振動を別の圧電セラミックで検出する
方式。
【0005】(ハ)圧電セラミックの円柱表面に公差指
電極を長さ方向に形成し分極してなる振動子を用いた方
式である。この方式は,一組の電極で一方向の屈曲振動
を発生させ,他の二組の電極で発生電圧を検出する構成
で,コリオリ力に応じて発生する直交方向の振動の効果
で検出側の出力のアンバランスから出力電圧差を検出す
る方式。
電極を長さ方向に形成し分極してなる振動子を用いた方
式である。この方式は,一組の電極で一方向の屈曲振動
を発生させ,他の二組の電極で発生電圧を検出する構成
で,コリオリ力に応じて発生する直交方向の振動の効果
で検出側の出力のアンバランスから出力電圧差を検出す
る方式。
【0006】(ニ)上記(ロ)と(ハ)の折衷方式とし
て,恒弾性金属の三角柱の側面に圧電セラミック板を三
枚接合し,一つを駆動用,他の二つを検出用に用いる方
式。
て,恒弾性金属の三角柱の側面に圧電セラミック板を三
枚接合し,一つを駆動用,他の二つを検出用に用いる方
式。
【0007】ここで,上記した(ハ)の方式(以下,セ
ラミック丸棒方式と呼ぶ)は,接着工程を必要とせず構
成が単純で信頼性が高い利点を有する。一方,振動子特
性の全てが圧電セラミックの材料特性で決定されるた
め,使用できる材料の選択範囲は著しく限定されてしま
うことになる。
ラミック丸棒方式と呼ぶ)は,接着工程を必要とせず構
成が単純で信頼性が高い利点を有する。一方,振動子特
性の全てが圧電セラミックの材料特性で決定されるた
め,使用できる材料の選択範囲は著しく限定されてしま
うことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】セラミック丸棒方式に
よる振動ジャイロの特性は圧電セラミックの材料特性に
密接に関連する。具体的には,まず,第1に機械的品質
係数Qmは,感度の大きさに比例するが,一般に圧電セ
ラミックの機械的品質係数の温度変化は大きく,中には
使用温度範囲領域内で数百%になる材料もある。この場
合,感度の温度変動も大きくなり,実用上の問題が発生
する。
よる振動ジャイロの特性は圧電セラミックの材料特性に
密接に関連する。具体的には,まず,第1に機械的品質
係数Qmは,感度の大きさに比例するが,一般に圧電セ
ラミックの機械的品質係数の温度変化は大きく,中には
使用温度範囲領域内で数百%になる材料もある。この場
合,感度の温度変動も大きくなり,実用上の問題が発生
する。
【0009】対策として駆動電圧にQmの温度変化と逆
の温度特性を持たせ,感度の温度変化を補正することで
出力の温度変動を制御できる。しかしながら,この場
合,駆動電圧が温度によって変動することになり,安定
な動作が得られにくくなる。特にカーナビゲーションへ
の応用の場合,ヌル電圧の変動が位置精度の誤差要因と
なるという実用上の問題があるが,駆動電圧が変動する
ことは,このヌル電圧変動の大きな要因となる。
の温度特性を持たせ,感度の温度変化を補正することで
出力の温度変動を制御できる。しかしながら,この場
合,駆動電圧が温度によって変動することになり,安定
な動作が得られにくくなる。特にカーナビゲーションへ
の応用の場合,ヌル電圧の変動が位置精度の誤差要因と
なるという実用上の問題があるが,駆動電圧が変動する
ことは,このヌル電圧変動の大きな要因となる。
【0010】また,第2に共振周波数frの温度変化も
駆動周波数の変動要因となり,感度及びヌル電圧の変動
要因になる。
駆動周波数の変動要因となり,感度及びヌル電圧の変動
要因になる。
【0011】更に,第3として,感度を決める要素にQ
mの絶対値と電気機械結合係数がある。基本的には,Q
mが大きく電気機械結合係数も大きい方が好ましい。
mの絶対値と電気機械結合係数がある。基本的には,Q
mが大きく電気機械結合係数も大きい方が好ましい。
【0012】従って,一定値以上のQmを有し,その温
度変化が少なく,frの温度変化も少ない圧電磁器材料
を提供することが必要である。
度変化が少なく,frの温度変化も少ない圧電磁器材料
を提供することが必要である。
【0013】ここで,本発明者らが,ジャイロ特性と材
料特性値の関連を把握するために,種々の特性を有する
従来の圧電磁器材料で丸棒型のジャイロを試作した結果
を下記表1に示す。なお,下記表1の各特性項目の内容
については,下記表2,及び下記表3に詳細をまとめ
る。
料特性値の関連を把握するために,種々の特性を有する
従来の圧電磁器材料で丸棒型のジャイロを試作した結果
を下記表1に示す。なお,下記表1の各特性項目の内容
については,下記表2,及び下記表3に詳細をまとめ
る。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】上記表1から材料特性とジャイロ特性の関
連について以下の(i)〜(v)のように結論づけられ
る。
連について以下の(i)〜(v)のように結論づけられ
る。
【0018】(i)感度Sは,Qmに強く支配され,Q
mが同じ程度の場合,Kpが大きい方が感度が高い傾向
にあるが,60%以上の場合も十分な感度が得られてい
ない。 (ii) 感度Sはεrに依存する。 (iii)感度変化率ΔS/Sは,Qm変化率ΔQm/Qm
に支配され,ΔQm/Qmが小さいほど,感度の変化は
小さくなる。 (iv) ヌル電圧変動ΔNは共振周波数の温度係数Tkfrに
強く支配され,Tkfrが小さいほどヌル電圧変動の少ない
材料が得られる。 (v)S/Nは感度に比例し,感度が大きいほど良好に
なる。
mが同じ程度の場合,Kpが大きい方が感度が高い傾向
にあるが,60%以上の場合も十分な感度が得られてい
ない。 (ii) 感度Sはεrに依存する。 (iii)感度変化率ΔS/Sは,Qm変化率ΔQm/Qm
に支配され,ΔQm/Qmが小さいほど,感度の変化は
小さくなる。 (iv) ヌル電圧変動ΔNは共振周波数の温度係数Tkfrに
強く支配され,Tkfrが小さいほどヌル電圧変動の少ない
材料が得られる。 (v)S/Nは感度に比例し,感度が大きいほど良好に
なる。
【0019】以上の実験結果を踏まえて,感度が高くて
その温度変動が少なく,またヌル電圧変動が少ない丸棒
型圧電ジャイロとして,カーナビゲーションに使用でき
る丸棒型圧電セラミックジャイロの基準スペック値を下
記表4のように設けた。
その温度変動が少なく,またヌル電圧変動が少ない丸棒
型圧電ジャイロとして,カーナビゲーションに使用でき
る丸棒型圧電セラミックジャイロの基準スペック値を下
記表4のように設けた。
【0020】
【表4】
【0021】上記表1の実験結果と上記表4の基準スペ
ックとを対照させた結果,カーナビゲーションに対応で
きる丸棒型ジャイロを実現できる圧電セラミックを提供
するためには,圧電セラミックの基本特性として下記表
5の要求条件を実現することが必要であることがわかっ
た。
ックとを対照させた結果,カーナビゲーションに対応で
きる丸棒型ジャイロを実現できる圧電セラミックを提供
するためには,圧電セラミックの基本特性として下記表
5の要求条件を実現することが必要であることがわかっ
た。
【0022】
【表5】
【0023】従って,本発明の一般的な技術的課題は,
上記表5の特性を実現した圧電磁器材料を提供すること
にある。
上記表5の特性を実現した圧電磁器材料を提供すること
にある。
【0024】また,本発明の特定の技術的課題は,Qm
の温度安定性とfrの温度安定性を両立させた圧電磁器
材料を提供することにある。
の温度安定性とfrの温度安定性を両立させた圧電磁器
材料を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題を解決す
るため,種々の検討を行った結果,本発明者らは,組成
式 Pb[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd ]O3
で示される主成分と,Sm2 O3 からなる副成分とを含
む組成にすることにより,温度安定性の高いジャイロを
提供できる圧電磁器材料が得られることを見いだしたも
のである。
るため,種々の検討を行った結果,本発明者らは,組成
式 Pb[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd ]O3
で示される主成分と,Sm2 O3 からなる副成分とを含
む組成にすることにより,温度安定性の高いジャイロを
提供できる圧電磁器材料が得られることを見いだしたも
のである。
【0026】即ち,本発明によれば,組成式 Pb
[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd]O3 (但し,
a=0.150〜0.333,b=0.02〜0.1
0,c=0.44〜0.60,d=0.30〜0.54
であり,b+c+d=1)で示されることを特徴とする
圧電磁器材料が得られる。
[(Mna ,Sb1-a )b Tic Zrd]O3 (但し,
a=0.150〜0.333,b=0.02〜0.1
0,c=0.44〜0.60,d=0.30〜0.54
であり,b+c+d=1)で示されることを特徴とする
圧電磁器材料が得られる。
【0027】また,本発明によれば,前記圧電磁器材料
からなる主成分と,これに添加された副成分としてSm
2 O3 とを含み,組成式 Pb[(Mna ,Sb1-a )
b Tic Zrd ]O3 +eSm2 O3 (但し,a=0.
150〜0.333,b=0.02〜0.10,c=
0.44〜0.60,d=0.30〜0.54,b+c
+d=1であり,前記主成分の重量を100%としたと
きに,0<e≦2.0wt%)示されることを特徴とす
る圧電磁器材料が得られる。
からなる主成分と,これに添加された副成分としてSm
2 O3 とを含み,組成式 Pb[(Mna ,Sb1-a )
b Tic Zrd ]O3 +eSm2 O3 (但し,a=0.
150〜0.333,b=0.02〜0.10,c=
0.44〜0.60,d=0.30〜0.54,b+c
+d=1であり,前記主成分の重量を100%としたと
きに,0<e≦2.0wt%)示されることを特徴とす
る圧電磁器材料が得られる。
【0028】ジャイロ用材料は,前述のように,Qmが
500以上であること,ΔQm/Qmが50%以下であ
ること(−40〜+80℃),Kpが30%〜60%で
あること,εrが500以上であること,そしてTkfrが
100ppm/℃以下であること(−40〜+80℃)
が必要である。
500以上であること,ΔQm/Qmが50%以下であ
ること(−40〜+80℃),Kpが30%〜60%で
あること,εrが500以上であること,そしてTkfrが
100ppm/℃以下であること(−40〜+80℃)
が必要である。
【0029】一般に,圧電材料はPbTiO3 −PbZ
rO3 の固溶体(二成分系PZTセラミック)に,複合
ペロブスカイト化合物を一種もしくは複数種固溶させる
ことにより,二成分系では得られなかった誘電的,圧電
的な特性改善がなされて広く実用に供されている。
rO3 の固溶体(二成分系PZTセラミック)に,複合
ペロブスカイト化合物を一種もしくは複数種固溶させる
ことにより,二成分系では得られなかった誘電的,圧電
的な特性改善がなされて広く実用に供されている。
【0030】ジャイロ用材料を考えた場合,第三成分と
してPb(Mn1/3 Sb2/3 )O3を固溶させたPbT
iO3 −PbZrO3 −Pb(Mn1/3 Sb2/3 )O3
系圧電セラミックは数百〜数千のQmと高い誘電的,圧
電的な特性とが得られるという,ハード材料としての特
徴を持つ点で望ましい。
してPb(Mn1/3 Sb2/3 )O3を固溶させたPbT
iO3 −PbZrO3 −Pb(Mn1/3 Sb2/3 )O3
系圧電セラミックは数百〜数千のQmと高い誘電的,圧
電的な特性とが得られるという,ハード材料としての特
徴を持つ点で望ましい。
【0031】しかし,第三成分量が5mol%以上にな
るとΔQm/Qmが50%以上に劣化してしまうためジ
ャイロ材としては使用できなかった。つまり,ΔQm/
Qmは第三成分量によってのみ決まり,それ以外にこの
特性を調整できる手段はなかった。
るとΔQm/Qmが50%以上に劣化してしまうためジ
ャイロ材としては使用できなかった。つまり,ΔQm/
Qmは第三成分量によってのみ決まり,それ以外にこの
特性を調整できる手段はなかった。
【0032】そこで,今回組成の検討をした結果,この
第三成分のMnとSbの比率を変化させることにより,
(ΔQm/Qm)を改善できることを見いだした。即
ち,Pb(Mn1/3 Sb2/3 )O3 はMn:Sb=1:
4であるが,Mn比率をこれより少なくすることによっ
て,ΔQm/Qmを小さくすることが可能となり,ジャ
イロ感度およびヌル電圧の温度安定性において必要とさ
れるレベルを達成できた。
第三成分のMnとSbの比率を変化させることにより,
(ΔQm/Qm)を改善できることを見いだした。即
ち,Pb(Mn1/3 Sb2/3 )O3 はMn:Sb=1:
4であるが,Mn比率をこれより少なくすることによっ
て,ΔQm/Qmを小さくすることが可能となり,ジャ
イロ感度およびヌル電圧の温度安定性において必要とさ
れるレベルを達成できた。
【0033】なお,全体の組成に占めるMn量が一定量
より少ないとQmレベルが低下し,多くなるとやはりΔ
Qm/Qmが劣化することが確認された。また,PbT
iO3 とPbZrO3 の比率も本請求範囲を超えるとK
pやεrが低下し,十分な感度が得られなくなるため適
さないことを確認した。さらに,本発明では,主成分の
みでは共振周波数の温度変化(Tkfr)が大きい範囲も含ま
れており,この場合Tkfrを改善し100ppm/℃以下
とすることで,感度及びヌル電圧の温度安定性の低下を
防ぐことが必要となる。
より少ないとQmレベルが低下し,多くなるとやはりΔ
Qm/Qmが劣化することが確認された。また,PbT
iO3 とPbZrO3 の比率も本請求範囲を超えるとK
pやεrが低下し,十分な感度が得られなくなるため適
さないことを確認した。さらに,本発明では,主成分の
みでは共振周波数の温度変化(Tkfr)が大きい範囲も含ま
れており,この場合Tkfrを改善し100ppm/℃以下
とすることで,感度及びヌル電圧の温度安定性の低下を
防ぐことが必要となる。
【0034】本発明において,Tkfrの改善は,副成分と
してSm2 O3 を添加することにより達成できることが
判明した。
してSm2 O3 を添加することにより達成できることが
判明した。
【0035】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て,説明する。
て,説明する。
【0036】主成分及び副成分の原料として,PbO,
TiO2 ,ZrO,MnCO3 ,Sb2 O3 ,Sm2 O
3 を目的の組成となるように秤量した。この原料粉をジ
ルコニアボールとともにアクリルポット中に入れ,20
時間湿式混合した。この混合粉を脱水乾燥後,アルミナ
こう鉢中で,800℃,2時間の予焼を行った。この予
焼粉をアクリルポット中ジルコニアボールにて,15時
間湿式粉砕した。続いて蒸発乾燥し,得られた予焼粉砕
粉にバインダを混合して加圧し,φ20×15mm厚に
成形した。この成形体を1200℃〜1260℃で2時
間焼成し,得られた焼結体を1mmの厚さに加工した
後,両面に銀ペーストを塗布し,450℃で焼き付けて
電極を形成し,試料とした。このようにして得られた試
料を,100℃,4kV/mm,15分で分極処理を
し,比誘電率εr電気機械結合係数Kp機械的品質係数
Qmを測定した。さらにこの試料を2×10mmの矩形
板に切断し,−40℃〜+80℃の温度範囲でQmと共
振周波数frを測定し,ΔQm/Qm及びTkfrを求め
た。測定結果を下記表6に示す。
TiO2 ,ZrO,MnCO3 ,Sb2 O3 ,Sm2 O
3 を目的の組成となるように秤量した。この原料粉をジ
ルコニアボールとともにアクリルポット中に入れ,20
時間湿式混合した。この混合粉を脱水乾燥後,アルミナ
こう鉢中で,800℃,2時間の予焼を行った。この予
焼粉をアクリルポット中ジルコニアボールにて,15時
間湿式粉砕した。続いて蒸発乾燥し,得られた予焼粉砕
粉にバインダを混合して加圧し,φ20×15mm厚に
成形した。この成形体を1200℃〜1260℃で2時
間焼成し,得られた焼結体を1mmの厚さに加工した
後,両面に銀ペーストを塗布し,450℃で焼き付けて
電極を形成し,試料とした。このようにして得られた試
料を,100℃,4kV/mm,15分で分極処理を
し,比誘電率εr電気機械結合係数Kp機械的品質係数
Qmを測定した。さらにこの試料を2×10mmの矩形
板に切断し,−40℃〜+80℃の温度範囲でQmと共
振周波数frを測定し,ΔQm/Qm及びTkfrを求め
た。測定結果を下記表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】上記表6からは,本発明の圧電材料に関し
て組成範囲を決定する理由として,排除されるべき以下
の(い)〜(は)の不適事項を列挙することができる。
即ち,εr≧500,30%≦Kp≦60%,Qm≧5
00,ΔQm/Qm≦50%,Tkfr≦100ppm/℃
を満たさない場合,本発明の範囲から除外することとし
た。
て組成範囲を決定する理由として,排除されるべき以下
の(い)〜(は)の不適事項を列挙することができる。
即ち,εr≧500,30%≦Kp≦60%,Qm≧5
00,ΔQm/Qm≦50%,Tkfr≦100ppm/℃
を満たさない場合,本発明の範囲から除外することとし
た。
【0039】(い)Mn比率aが0.150未満,及び
第三成分量bが0.02未満では,Qm,Kpが低い値
となるため望ましくない(上記表6中試料No. 1及び
5)。
第三成分量bが0.02未満では,Qm,Kpが低い値
となるため望ましくない(上記表6中試料No. 1及び
5)。
【0040】また,aが0.333を越えるか,bが
0.10を越えるとΔQm/Qmが大きくなり好ましく
ない(試料No. 4及び8)。
0.10を越えるとΔQm/Qmが大きくなり好ましく
ない(試料No. 4及び8)。
【0041】(ろ)PbTiO3 量cが,0.44未
満,及びPbZrO3 量dが0.54を越えると,εr
が低下するため好ましくない(試料No. 9)。また,c
が0.60を越え,dが0.30未満では,Kpが低い
値となるため好ましくない(試料No. 12)。
満,及びPbZrO3 量dが0.54を越えると,εr
が低下するため好ましくない(試料No. 9)。また,c
が0.60を越え,dが0.30未満では,Kpが低い
値となるため好ましくない(試料No. 12)。
【0042】(は)Sm2 O3 量eが,2.0wt%を
越えると,Qmが低下するので適さない(試料No. 1
4)。
越えると,Qmが低下するので適さない(試料No. 1
4)。
【0043】上記の理由により,組成式Pb[(Mna
Sb1-a )b Tic Zrd )O3 +eSm2 O3 におい
て,a=0.150〜0.333,b=0.02〜0.
10,c=0.44〜0.60,d=0.30〜0.5
4(ただしb+c+d=1)とする主成分と,主成分の
重量を100%としたとき,e=0〜2.0wt%とし
て添加された副成分とを含むジャイロ用圧電磁器材料が
得られた。
Sb1-a )b Tic Zrd )O3 +eSm2 O3 におい
て,a=0.150〜0.333,b=0.02〜0.
10,c=0.44〜0.60,d=0.30〜0.5
4(ただしb+c+d=1)とする主成分と,主成分の
重量を100%としたとき,e=0〜2.0wt%とし
て添加された副成分とを含むジャイロ用圧電磁器材料が
得られた。
【0044】本発明の実施の形態の圧電磁器材料につい
て,ジャイロ特性を評価した一例を下記表7に示す。
て,ジャイロ特性を評価した一例を下記表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】上記表7より明らかなように,本発明の実
施の形態による磁器材料試料No.15は,上記表5に
規定される要求条件,即ち,電気機械結合係数が30%
≦Kp≦60%,比誘電率がεr>500,機械品質係
数Qm>500,Qmの温度変化率ΔQm/Qm<50
%,共振周波数Tkfr<100ppm/℃を満たして
いるとともに,上記表4に規定されたスペック,即ち,
感度S>15 mV/(deg/sec),感度変化率ΔS/S<5
0%,ヌル電圧変動ΔN<5(deg/sec) ,S/N比>1
0の優れたジャイロ特性を満たしていることが判る。
施の形態による磁器材料試料No.15は,上記表5に
規定される要求条件,即ち,電気機械結合係数が30%
≦Kp≦60%,比誘電率がεr>500,機械品質係
数Qm>500,Qmの温度変化率ΔQm/Qm<50
%,共振周波数Tkfr<100ppm/℃を満たして
いるとともに,上記表4に規定されたスペック,即ち,
感度S>15 mV/(deg/sec),感度変化率ΔS/S<5
0%,ヌル電圧変動ΔN<5(deg/sec) ,S/N比>1
0の優れたジャイロ特性を満たしていることが判る。
【0047】
【発明の効果】以上の説明により,本発明の圧電磁器材
料を丸棒型圧電振動ジャイロに使用した場合,適度の電
気機械結合係数,及び機械的品質係数により高い感度を
示すと同時に,共振周波数の温度安定性からヌル電圧変
動が抑制される。
料を丸棒型圧電振動ジャイロに使用した場合,適度の電
気機械結合係数,及び機械的品質係数により高い感度を
示すと同時に,共振周波数の温度安定性からヌル電圧変
動が抑制される。
【0048】また,本発明の圧電磁器材料では,機械的
品質係数の温度安定性から感度の温度安定性が得られ,
温度保証回路が不要となる。この場合,駆動電圧の安定
性が得られるので,他にヌル電圧変動も改善できる。
品質係数の温度安定性から感度の温度安定性が得られ,
温度保証回路が不要となる。この場合,駆動電圧の安定
性が得られるので,他にヌル電圧変動も改善できる。
【0049】以上の結果,本発明の圧電磁器材料によれ
ば,カーナビゲーションにも対応できる高精度で安価な
圧電振動ジャイロが提供できるようになった。
ば,カーナビゲーションにも対応できる高精度で安価な
圧電振動ジャイロが提供できるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 組成式 Pb[(Mna ,Sb1-a )b
Tic Zrd ]O3(但し,a=0.150〜0.33
3,b=0.02〜0.10,c=0.44〜0.6
0,d=0.30〜0.54であり,b+c+d=1)
で示されることを特徴とする圧電磁器材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の圧電磁器材料からなる主
成分と,これに添加された副成分としてSm2 O3 とを
含み,組成式 Pb[(Mna ,Sb1-a )b Tic Z
rd ]O3 +eSm2 O3 (但し,a=0.150〜
0.333,b=0.02〜0.10,c=0.44〜
0.60,d=0.30〜0.54,b+c+d=1で
あり,前記主成分の重量を100%としたときに,0<
e≦2.0wt%)示されることを特徴とする圧電磁器
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8267380A JPH10114571A (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 圧電磁器材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8267380A JPH10114571A (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 圧電磁器材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10114571A true JPH10114571A (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17444045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8267380A Withdrawn JPH10114571A (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 圧電磁器材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10114571A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027927A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
-
1996
- 1996-10-08 JP JP8267380A patent/JPH10114571A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027927A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Nec Tokin Corp | 圧電磁器組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040106 |