JPH11147408A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH11147408A
JPH11147408A JP9315354A JP31535497A JPH11147408A JP H11147408 A JPH11147408 A JP H11147408A JP 9315354 A JP9315354 A JP 9315354A JP 31535497 A JP31535497 A JP 31535497A JP H11147408 A JPH11147408 A JP H11147408A
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rim
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Masami Nishikawa
真美 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロードノイズを低減する。 【解決手段】 正規リムJにリム組みしたタイヤに正規
内圧を充填しかつ無負荷である正規状態のビード部4の
外面は、リムフランジ高さHfの範囲において、リムフ
ランジfと接触するフランジ接触面9と、このフランジ
接触面9のタイヤ半径方向外側に位置しかつリムフラン
ジfとは非接触となるフランジ非接触面10とを含む。
フランジ非接触面10のタイヤ半径方向内端Aは、フラ
ンジ接触面9のタイヤ半径方向の外端Bとの間に2〜5
mmの距離dをタイヤ内腔側へ隔てる段差部11を介在さ
せている。またフランジ接触面9の外端Bは、ビードベ
ースラインBLからリムフランジ高さHfの0.5〜
0.8倍の範囲に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロードノイズを低
減しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤが関係する騒音の一つにロードノ
イズがある。このロードノイズは、比較的荒れた路面を
車両が走行するときに、車室内で発生する「ゴー」とい
う不快な音である。このロードノイズは、路面の凹凸が
タイヤを振動させ、さらにこの振動がリム、車軸、サス
ペンション、車体などに順次伝播し、車室内で聴取され
る。
【0003】このロードノイズには、2つのタイヤ特性
が大きく影響する。第一はタイヤ表面への振動の入力系
であり、もう一つはタイヤからリムへの伝播系である。
近年、車室内の居住性向上を図るべくこのロードノイズ
低減を図る手法が種々提案されており、例えば前記入力
系の改善として、トレッド面に柔軟なゴムを用いるほか
カーカスの折り返し高さを低くするなど、タイヤのエン
ベロープ特性(路面の突起包み込み能力)を向上させる
ことが提案されている。
【0004】また、前記伝播系の改善としては、例えば
特開平3−200407号公報のようにビード部に振動
吸収性に優れたゴムを設けることにより、リムからタイ
ヤへの振動伝達を減じるものなどが知られている。
【0005】ところが、これらの方法は未だ十分なロー
ドノイズ低減効果が得られていないのが現状である。本
発明は、リムフランジ高さの範囲において、ビード部の
外面をリムフランジと接触するフランジ接触面と、この
フランジ接触面のタイヤ半径方向外側に位置しかつ前記
リムフランジとは非接触となるフランジ非接触面との間
に段差部を介在させることを基本として、タイヤの横バ
ネを効果的に低下させ、ひいてはロードノイズを低減し
うる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0006】また、請求項2記載の発明は、前記タイヤ
の横バネ定数の低下とともにフランジ接触面を振動吸収
性に優れたゴムにて構成することを基本として、振動の
伝播系をも改善でき、より一層ロードノイズを低減しう
る空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0007】さらに請求項3記載の発明では、ビード部
において、カーカスがタイヤ軸方向外側に突出しかつ最
大突出部がビード部の曲げ中立軸に近づく湾曲凸部を設
けることを基本として、タイヤの横バネをさらに効果的
に減じ、より一層ロードノイズを低減しうる空気入りタ
イヤを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビ
ード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの回
りで折り返された折返し部を連設したカーカスを有する
空気入りタイヤであって、正規リムにリム組みしたタイ
ヤに正規内圧を充填しかつ無負荷である正規状態の前記
ビード部の外面は、リムフランジ高さHfの範囲におい
て、リムフランジと接触するフランジ接触面と、このフ
ランジ接触面のタイヤ半径方向外側に位置しかつ前記リ
ムフランジとは非接触となるフランジ非接触面とを含
み、かつ前記フランジ非接触面のタイヤ半径方向内端A
は、前記フランジ接触面のタイヤ半径方向の外端Bとの
間に2〜5mmの距離dをタイヤ内腔側へ隔てる段差部を
介するとともに、前記フランジ接触面の前記外端を、ビ
ードベースラインBLからリムフランジ高さHfの0.
5〜0.8倍の範囲に位置させたことを特徴としてい
る。
【0009】また、請求項2記載の発明は、前記フラン
ジ接触面は、少なくともビードコアのタイヤ半径方向外
側面からタイヤ半径方向外側に振動吸収ゴムを用いて形
成されるとともに、前記振動吸収ゴムは、複素弾性率E
* が2.3〜3.2(MPa)、かつ損失正接tanδ
が0.13〜0.16であることを特徴とする請求項1
記載の空気入りタイヤである。
【0010】また、請求項3記載の発明は、前記ビード
部は、前記正規状態において、前記カーカスの本体部が
タイヤ軸方向外側に突出しかつ最大突出部がビード部の
曲げ中立軸に近づく湾曲凸部を設けるとともに、この湾
曲凸部の前記最大突出部を、前記リムフランジよりもタ
イヤ半径方向外側に位置させたことを特徴とする請求項
1又は2記載の空気入りタイヤである。
【0011】なお本明細書において用いる定義は次の通
りである。先ず「正規リム」とは、タイヤが基づいてい
る規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に
定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リ
ム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTO
であれば "Measuring Rim"となる。
【0012】また、「正規内圧」とは、タイヤが基づい
ている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎
に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空
気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOU
S COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETR
TOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0013】また「リムフランジ高さ」とは、リム径位
置とフランジのタイヤ半径方向最外位置との間のタイヤ
半径方向距離である。
【0014】さらに、複素弾性率E* 、損失正接tan
δは、4mm巾×30mm長さ×2.0mm厚さの短冊状試料
を切り取って、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロ
メーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪±
2%の条件で測定した値として定める。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。本実施形態において、図1、2には
正規リムJにリム組みしたタイヤに正規内圧を充填しか
つ無負荷である正規状態の乗用車用ラジアルタイヤを例
示しており、該タイヤはトレッド部2からサイドウォー
ル部3を経てビード部4のビードコア5の周りで折り返
されて係止されるカーカス6と、トレッド部2の内方か
つ前記カーカス6のタイヤ半径方向外側に配されたベル
ト層7とを具える。
【0016】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジ
アル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6
aからなる。前記カーカスコードは、本例ではナイロ
ン、レーヨン若しくはポリエステル等の有機繊維コード
が採用されるが、必要に応じてさらにはタイヤの種類に
応じてスチールコードをも採用しうる。
【0017】また、前記カーカス6は、トレッド部2か
らサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5
に至る本体部6Aと、この本体部6Aからのびて前記ビ
ードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に向けて
折り返される折返し部6Bとを有する。該カーカスの折
返し部6Bは、そのタイヤ半径方向の外端部6tをタイ
ヤ最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向外側としたハイタ
ーンナップ構造を例示している。前記カーカスの折返し
部6Bの前記外端部高さH1は、ビードベースラインB
Lからタイヤ断高さHの0.5〜0.6倍としている。
このようなハイターンナップ構造は、ビード部4、サイ
ドウォール部の剛性を高めるのに役立つ。なお、カーカ
ス6の構造は、いわゆるローターンナップ構造でも良
い。
【0018】また、前記カーカス6の本体部6Aと折返
し部6Bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径
方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペック
ス8が配されビード部4を補強している。なおビードエ
ーペックス8は、ビードベースラインBLからタイヤ半
径方向の外端8tまでの高さHbは、前記タイヤ断面高
さHの0.15〜0.45倍、より好ましくは0.25
〜0.35倍としたものを例示している。
【0019】また、本例では図2に示すように、ビード
部4に、前記カーカスの折返し部6Bのタイヤ軸方向外
側からビードシート面4sを通りタイヤ内表面まで略U
字状にのびるコードチェーファ13を配するとともに、
そのタイヤ軸方向外側に硬質ゴムからなるクリンチゴム
14を配置しているものを示す。このクリンチゴムは、
本例では、半径方向内端がビードコア5のタイヤ半径方
向外側近傍に位置するとともに、半径方向外端が、正規
リムJのリムフランジfよりも半径方向外側に位置し、
例えばビードエーペックス8の外端8tと略同位置にて
終端している。またこのクリンチゴム14は、例えば複
素弾性率E* が9.0〜11.0MPa、損失正接ta
nδが0.15〜0.19のゴムを用いるのが好まし
い。
【0020】前記ベルト層7は、コードをタイヤ赤道C
に対して例えば15〜40°の小角度で傾けて配列した
少なくとも2枚、本例では内、外2枚のベルトプライ7
A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わ
せて構成しており、ベルトコードは、スチールコード又
はアラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必
要に応じて用いうる。
【0021】そして、本発明では、前記正規状態におい
てビード部4のタイヤ軸方向の外面は、リムフランジ高
さHfの範囲において、リムフランジfと接触するフラ
ンジ接触面9と、このフランジ接触面9のタイヤ半径方
向外側に位置しかつリムフランジfとは非接触となるフ
ランジ非接触面10とを含む。
【0022】また前記フランジ非接触面10のタイヤ半
径方向内端Aは、前記フランジ接触面9のタイヤ半径方
向の外端Bとの間に2〜5mmの距離dをタイヤ内腔側へ
隔てる段差部11を介するとともに、フランジ接触面9
の前記外端Bの高さH2を、ビードベースラインBLか
らリムフランジ高さHfの0.5〜0.8倍の範囲に位
置させたことを特徴の一つとしている。なおこのような
段差部11を有しない従来のタイヤでは、フランジ接触
面9の外端の高さは、ビードベースラインからリムフラ
ンジ高さHfの0.8倍よりも大であった。
【0023】このような段差部11を設けることによっ
て、タイヤの走行により路面から振動が入力されたとき
に、前記フランジ非接触面10がリムに接触することな
く撓む領域を従来に比して多く確保できるから、タイヤ
の横バネを低下させることができる。そしてタイヤの横
バネを低下させることにより、タイヤの周方向1次共振
周波数を低下させることができ、この共振周波数の低下
はオーバーオールの騒音中で比較的音圧レベルが高い2
00Hz以下の低周波ロードノイズを減じる効果があ
る。
【0024】また、路面から入力された振動は、ビード
部4のビードコア5の半径方向内側のビードシート面4
SからリムJに伝達される他、ビード部4がリムフラン
ジf側へと倒れ込む撓みによってリムフランジf部分へ
と伝達されるものもあり、前記のような段差部11を設
けたことにより、ロードノイズの発生の寄与率が大きい
タイヤ半径方向の振動伝達成分を削減できるから、さら
にロードノイズを低減しうる効果がある。
【0025】なお前記段差部11を設けたことにより、
タイヤの横バネが低下するが、この横バネの低下が大き
すぎると操縦安定性の悪化を招くため、本発明ではこの
段差部11の距離dを2〜5mmの範囲に限定している。
この距離dが2mm未満ではロードノイズの低減効果が期
待できず、逆に5mmを上回ると横バネの大きな低下によ
る操縦安定性の悪化を招く他、タイヤ重量の増加を招く
場合があるなど、採用し難い。なお図4に示すように、
段差部11とビード部4のフランジ非接触面10とが円
弧等を介して接続されている場合、前記フランジ非接触
面10の内端Aは、フランジ非接触面10と段差部11
とを仮想延長し両者が仮想に交わる位置と定める。ま
た、距離dは、フランジ接触面9の外端Bと、フランジ
非接触面10の内端Aとの間のリムフランジ表面からの
法線方向で測定する。
【0026】また前記フランジ接触面9の前記外端Bの
高さH2が、ビードベースラインBLからリムフランジ
高さHfの0.5倍を下回ると、リムフランジfとビー
ド部4の外面との接触領域が著しく少なくなり、高荷重
が作用したときなど、リムずれが生じる虞があり好まし
くない。逆に、フランジ接触面9の前記外端Bの高さH
2が、ビードベースラインBLからリムフランジ高さH
fの0.8倍を超えると、リムフランジへの振動伝達を
低減し得ず、また前記フランジ非接触面10の撓み領域
が少なくなってロードノイズの低減効果を期待し得な
い。このような観点より、フランジ接触面9の前記外端
Bの高さH2は、ビードベースラインBLからリムフラ
ンジ高さHfの0.6〜0.7倍の範囲とするのがさら
に好ましい。
【0027】本実施形態では、前記フランジ接触面9
は、少なくともビードコア5のタイヤ半径方向外側面か
らタイヤ半径方向外側にのびる振動吸収ゴム12を用い
て形成されるものを例示している。このように、フラン
ジ接触面9を振動吸収ゴム12を用いて形成することに
よって、このフランジ接触面9からリムフランジへの振
動伝達を低減でき、ロードノイズをさらに減じうる。
【0028】このような振動吸収ゴム12は、本例で
は、コードチェーファ13、クリンチゴム14の軸方向
外側に配され、前記段差部11の距離dと実質的に等し
い2〜5mmの略均一な厚さで前記ビードコア5のタイヤ
半径方向内側から前記段差部11までのびるものを例示
している。
【0029】前記振動吸収ゴム12は、リムフランジと
接触することを考慮し、例えば複素弾性率E* が2.3
〜3.2(MPa)とするのが望ましい。この振動吸収
ゴム12の複素弾性率E* が、2.3MPaを下回る
と、リムずれ等の問題が生じる虞があり、逆に3.2M
Paを超えると、振動吸収効果に劣りがちとなる。
【0030】また振動吸収ゴム12は、損失正接tan
δが0.13〜0.16であることが好ましい。この振
動吸収ゴム12の損失正接tanδが0.13を下回る
と、振動吸収効果に劣り、逆に0.16を超えると操縦
安定性の低下を招きやすいからである。
【0031】なお、振動吸収ゴム12は、本例のように
ビードコア5の半径方向内側に相当する高さ位置からの
びるものの他、ビードコア5のタイヤ半径方向外側面に
相当する高さ位置から半径方向外側にのびるものでも良
い。
【0032】図3には、本発明の他の実施形態を示して
いる。この実施形態では、前記正規状態において、ビー
ド部4に、カーカス6の本体部6Aがタイヤ軸方向外側
に突出しかつ最大突出部15がビード部4の曲げ中立軸
Nに近づく湾曲凸部16を設けていることを特徴として
おり、その他の点は前記実施形態と同じである。
【0033】一般にタイヤへの荷重負荷時、ビード部4
はリムフランジf側へと倒れ込むように撓むが、このと
きビード部4の曲げ中立軸Nよりも軸方向内側は引張荷
重が作用し、この引張荷重にカーカスの本体部6Aが抵
抗することによりビード部4の剛性が維持される。本例
ではカーカスの本体部6Aのビード部4において、局部
的に前記カーカスの本体部6Aが曲げ中立軸Nに近づく
湾曲凸部16を設けることにより、この部分においてビ
ード部4の剛性を減じることにより撓みやすくすること
ができ、タイヤのバネ定数をさらに効果的に低下させて
ロードノイズを低減することが可能となる。
【0034】また、このようなカーカスの本体部6aの
改善は、タイヤの質量を実質的に変えることなくタイヤ
の周方向1次共振周波数を下げることができ、ひいては
低周波ロードノイズを低減することができる。また、湾
曲凸部16を設けたことにより、タイヤの撓みに対する
バネ定数は下がるが、タイヤ周方向に対する剛性は実質
的に低下することがないため、操縦安定性が低下すると
いった不具合も抑制しうる。
【0035】前記湾曲凸部16の前記最大突出部15
は、カーカスの本体部6Aが滑らかに連なる仮想線VL
から最も軸方向外方に隔たる位置であって、カーカスコ
ードの中心間を測定した最大突出量tは例えば2〜6mm
程度が好ましい。またこの最大突出部16のビードベー
スラインBLからの半径方向高さH3は、前記フランジ
接触面の外端Bからカーカスの本体部6Aに引いた法線
L1と、前記リムフランジfの外端からカーカスの本体
部6Aに引いた法線L2との間とするのが好ましい。こ
のような湾曲凸部16を設けることによって、前記段差
部11との相乗作用により、タイヤのバネ定数をさらに
効果的に低下させ、ロードノイズを低減しうる。
【0036】
【実施例】タイヤサイズが、195/65R15であ
り、図1〜3に示すような構造のラジアルタイヤ(実施
例1〜7)を試作するとともに、段差部を有しないタイ
ヤ(従来例)、および段差部を有するものの本発明外の
タイヤ(比較例1〜3)についても併せて試作し、タイ
ヤの周方向1次共振周波数とロードノイズなどを測定し
性能を比較した。テスト方法は、次の通りである。
【0037】<タイヤの周方向1次共振周波数>インパ
クトハンマを用いたタイヤの振動伝達テストを行った。
すなわち、図5に示すようにタイヤをリム組みし(リ
ム:15×6JJ、内圧2.0kgf /cm2)、充分に剛
性の高い治具MBを用いて車軸部分で支持するととも
に、トレッド部のタイヤ赤道上をインパクトハンマーD
で打撃(振動の入力)し、車軸部分に伝達される振動
(振動の出力)を例えば圧電型の3軸ロードセルEを用
いて測定し振動伝達特性グラフからタイヤの周方向1次
共振周波数を求め、従来例を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほどタイヤの周方向1次共振周波数が
小さく良好であることを示している。
【0038】<ロードノイズテスト>試供タイヤをリム
組みし(リム:15×6JJ、内圧2.0kgf/c
m2 )、排気量2800ccのFR車両に装着してアス
ファルト路面を速度60km/hにて走行し、ドライバ
ーの右耳位置にてオーバーオールの騒音レベルdB
(A)を測定し、従来例を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど騒音レベルが小さく良好であるこ
とを示している。
【0039】<操縦安定性>試供タイヤをリム組みし
(リム:15×6JJ、内圧2.0kgf /cm2 )、排気
量2800ccのFR車両に装着してドライバーのみ乗
車しタイヤテストコースのドライアスファルト路面を走
行し、ドライバーの官能評価により従来例を100とす
る指数で評価した。数値が大きいほど、操縦安定性に優
れている。テストの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】テストの結果、実施例のタイヤは、従来例
に比べいずれもタイヤの周方向1次共振周波数を下げ、
その結果ロードノイズを低減していることが確認でき
た。また操縦安定性については、若干の性能低下が見受
けられるが実用上は全く問題のない範囲であった。さら
に、実施例の中でも湾曲凸部を設けたものはより一層ロ
ードノイズが低減されていることを確認し得た。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、ビード部外面のフランジ接触面とフランジ
非接触面との間かつ特定の位置に段差部を設けることに
よって、タイヤの走行により路面から振動が入力された
ときに、フランジ非接触面がリムに接触することなく撓
む領域を従来に比して多く確保できるから、タイヤの横
バネを低下させることができ、比較的音圧レベルが高い
200Hz以下の低周波ロードノイズを減じうる。
【0043】また、路面から入力された振動は、ビード
部がリムフランジ側へと倒れ込む撓みによってリムフラ
ンジ部分へと伝達されるが、前記段差部を設けたことに
より、ロードノイズの発生の寄与率が大きいタイヤ半径
方向の振動伝達成分を削減できるから、さらにロードノ
イズを低減しうる。
【0044】また請求項2記載の発明では、フランジ接
触面を振動吸収ゴムを用いて形成することによって、こ
のフランジ接触面からリムフランジへの振動伝達を低減
でき、さらにロードノイズを減じうる。
【0045】また請求項3記載の発明では、カーカスの
本体部に、ビード部の曲げ中立軸Nに近づく湾曲凸部を
設けることによって、この部分においてビード部を撓み
やすくすることができ、タイヤのバネ定数を効果的に低
下させることができるから、周方向共振周波数を下げ、
ひいては低周波ロードノイズをさらに低減しうる。また
このようなカーカスの本体部の配置の改善では、タイヤ
周方向に対する剛性は低下することがないため、操縦安
定性が低下するといった不具合もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すタイヤ子午断面図であ
る。
【図2】そのビード部の拡大断面図である
【図3】他の実施形態を示すビード部の拡大断面図であ
【図4】段差部の一例を示す拡大断面図である。
【図5】共振周波数の測定方法を説明する線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a カーカスプライ 6A カーカスの本体部 6B カーカスの折返し部 7 ベルト層 8 ビードエーペックス 9 フランジ接触面 10 フランジ非接触面 11 段差部 12 振動吸収ゴム 15 最大突出部 16 湾曲凸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を経てビ
    ード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの回
    りで折り返された折返し部を連設したカーカスを有する
    空気入りタイヤであって、 正規リムにリム組みしたタイヤに正規内圧を充填しかつ
    無負荷である正規状態の前記ビード部の外面は、リムフ
    ランジ高さHfの範囲において、リムフランジと接触す
    るフランジ接触面と、このフランジ接触面のタイヤ半径
    方向外側に位置しかつ前記リムフランジとは非接触とな
    るフランジ非接触面とを含み、 かつ前記フランジ非接触面のタイヤ半径方向内端Aは、
    前記フランジ接触面のタイヤ半径方向の外端Bとの間に
    2〜5mmの距離dをタイヤ内腔側へ隔てる段差部を介す
    るとともに、 前記フランジ接触面の前記外端を、ビードベースライン
    BLからリムフランジ高さHfの0.5〜0.8倍の範
    囲に位置させたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記フランジ接触面は、少なくともビード
    コアのタイヤ半径方向外側面からタイヤ半径方向外側に
    振動吸収ゴムを用いて形成されるとともに、前記振動吸
    収ゴムは、複素弾性率E* が2.3〜3.2(MP
    a)、かつ損失正接tanδが0.13〜0.16であ
    ることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビード部は、前記正規状態において、
    前記カーカスの本体部がタイヤ軸方向外側に突出しかつ
    最大突出部がビード部の曲げ中立軸に近づく湾曲凸部を
    設けるとともに、この湾曲凸部の前記最大突出部を、前
    記リムフランジよりもタイヤ半径方向外側に位置させた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイ
    ヤ。
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