JP2012001022A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性と耐久性を向上することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカスプライ16の巻き上げ端をビードフィラー28の外周端28Aよりもタイヤ径方向外方側に延在させ、ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側面28Bにおいて、ビードフィラー高さHの20〜70%の範囲h内にタイヤ周方向に延びる凹部32を設けることにより、該凹部32のタイヤ径方向外方側に隣接してタイヤ周方向に延びる凸部34を設ける。カーカスプライ16の本体部分22をこれら凹部32及び凸部34に沿って凹凸状に形成し、その内側に重ね合わされるインナーライナー層30を、本体部分22の凹凸に沿って凹凸状に形成することにより、該インナーライナー層30のタイヤ内側面にビードフィラー28の凸部34に対応するタイヤ内面側凸部42を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
一般に、空気入りタイヤは、左右一対のビード部及びサイドウォール部と、左右のサイドウォール部の径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部間に設けられたトレッド部とで構成されている。ビード部周りの構造については、図8に示すように、ビード部間に跨って延びるカーカスプライ100が、ビード部に埋設されたビードコア102の周りにタイヤ内側から外側に巻き上げられている。また、ビードコア102の外周側には、カーカスプライ100の本体部分104と巻き上げ部106との間にビードフィラー108が配設されている。
かかる空気入りタイヤにおいては、トレッドショルダー領域における接地性をコントロールし、操縦安定性を向上するために、タイヤの最大幅をコントロールしたり、縦剛性(タイヤ径方向における剛性)を増加させることが望まれる。また、ビード部では、高硬度ゴムからなるビードフィラー108のタイヤ径方向外方端108Aと、カーカスプライ100の巻き上げ端106Aにおいて歪みが大きくなることから、ビード部の耐久性を向上させるために、上記歪みを分散させることが望まれる。
従来技術として、例えば、下記特許文献1には、カーカスプライの巻き上げ端近傍において、ビードフィラーを挟んで位置するカーカスプライの本体部分に、前記巻き上げ端に向かって凸状に迂曲する曲率変化域を設けることが開示されている。この文献では、内圧充填時に、カーカスプライのパスラインが滑らかに連続するような変形を生じさせ、巻き上げ端近傍のビード部に圧縮応力を生起することにより、巻き上げ端での引張歪みを低減すると記載されている。すなわち、この文献では、ビードフィラーの領域内にカーカスプライの巻き上げ端が位置し、この部分での歪みが大きいことから、カーカスプライの本体部分に曲率変化域を設けている。しかしながら、このような構成であると、ビードフィラーの領域内に、歪みの大きい部分(即ち、ビードフィラーのタイヤ径方向外方端、カーカスプライの巻き上げ端、及び曲率変化域)が集中することになり、ビード部の耐久性に劣る。
一方、下記特許文献2には、ビードフィラーのタイヤ幅方向内側面に、タイヤ周方向に沿って延在する窪み部を設け、カーカス層を該窪み部に沿って屈曲させるように延在させた構成が開示されている。この文献では、カーカス層の張力を屈曲部で低くすることにより、サイドウォール部が外側に倒れ易くなる一方、内側には倒れ込みにくくなり、これにより縦剛性を低くしつつ、横剛性を高くすると記載されている。しかしながら、この文献では、ビードフィラーの上記窪み部近傍において、タイヤ内面に凸部が設けられておらず、そのため、タイヤの内圧充填時にビードフィラーの径方向外方側をタイヤ幅方向内側に向かって起こすような力を発生させることができない。
特開平10−006709号公報 特開2006−256472号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、トレッドショルダー領域における接地性をコントロールして操縦安定性を向上するとともに、ビード部における歪みを分散して耐久性を向上することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部と該ビード部に続くサイドウォール部と該両サイドウォール部の間に設けられたトレッド部とで構成され、前記ビード部間に跨って延びるカーカスプライが前記ビード部に埋設されたビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げられ、前記ビードコアの外周側であって前記カーカスプライの本体部分と巻き上げ部との間にビードフィラーが設けられた空気入りタイヤにおいて、前記カーカスプライの巻き上げ端が、前記ビードフィラーの外周端を超えてタイヤ径方向外方側に延在して設けられ、前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側面には、前記ビードコアの外周面からビードフィラー高さの20〜70%の範囲内に位置してタイヤ周方向に延びる凹部と、前記凹部のタイヤ径方向外方側に隣接してタイヤ周方向に延びる凸部が設けられ、前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側に重ね合わされる前記カーカスプライの本体部分が、前記ビードフィラーの凹部及び凸部に沿って凹凸状に形成され、前記本体部分のタイヤ内側面に重ね合わされるインナーライナー層が、前記本体部分の凹凸に沿って凹凸状に形成されることにより、該インナーライナー層のタイヤ内側面に前記ビードフィラーの前記凸部に対応するタイヤ内面側凸部が設けられたものである。
本発明によれば、タイヤの内圧充填時に、タイヤ内面側凸部に内圧が集中することにより、ビードフィラーの径方向外方側をタイヤ幅方向内側に向かって起こすような力を発生させることができる。そのため、タイヤの最大幅をコントロールしたり、縦剛性を増加させることが可能となり、トレッドショルダー領域における接地性をコントロールして操縦安定性を向上することができる。また、ビード部における歪みを分散させて耐久性を向上することができる。
第1実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。 第1実施形態におけるビード部の断面図である。 第1実施形態における内圧充填時の作用を説明するための図である。 第2実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。 第2実施形態におけるビード部の断面図である。 第3実施形態に係るビード部の断面図である。 第4実施形態に係るビード部の断面図である。 従来例に係るビード部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
実施形態に係る空気入りタイヤは、左右一対のビード部10と、該ビード部10からタイヤ径方向に延びて続く左右一対のサイドウォール部12と、左右のサイドウォール部12の径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部12間に設けられたトレッド部14とで構成される乗用車用のラジアルタイヤである。
該タイヤは、タイヤ周方向に対してほぼ90°の角度で配され前記一対のビード部10間に跨って延びる少なくとも1枚のカーカスプライ16を備える。カーカスプライ16は、トレッド部14からサイドウォール部12をへて、ビード部10に埋設された環状のビードコア18にて両端部が係止されている。詳細には、カーカスプライ16は、ビードコア18の周りにタイヤ内側から外側に折り返すようにして巻き上げられており、タイヤ内面20に沿って一対のビードコア18間に連なる本体部分22と、ビードコア18にて巻き上げられた巻き上げ部24とからなる。なお、カーカスプライ16は、ポリエステルやナイロンなどの有機繊維等からなるコードを引き揃え、ゴム被覆してなるシート材からなるものである。
タイヤには、また、トレッド部14におけるカーカスプライ16の外周側に、2層以上のゴム被覆スチールコード層からなるベルト26が設けられており、カーカスプライ16の外周でトレッド部14を補強している。
ビードコア18の外周側には、カーカスプライ16の本体部分22と巻き上げ部24との間に、環状のビードフィラー28が設けられている。ビードフィラー28は、一般に、硬度(JIS K6253のタイプAデュロメータに準拠(20℃)、以下同じ。)が70以上のゴムからなり、硬度はより好ましくは70〜90である。ビードフィラー28は、断面三角形状、即ち、ビードコア18からタイヤ径方向外側に向けて先細り状の断面形状を有し、カーカスプライ16の本体部分22と巻き上げ部24との間に挟み込まれている。
カーカスプライ16の内側には、耐空気透過性を持つゴムからなるインナーライナー層30が設けられている。インナーライナー層30は、カーカスプライ16の本体部分22におけるタイヤ内側面の全体にわたって重ね合わされた薄肉のゴム層であり、該インナーライナー層30の内側面によりタイヤ内面20が構成されている。
カーカスプライ16は、その巻き上げ端24Aが、ビードフィラー28の外周端28Aを超えて、タイヤ径方向外方側に延在して設けられており、この例では、タイヤ最大幅位置Sよりもタイヤ径方向外方側まで延在している。
図2に拡大して示すように、ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側面28Bには、タイヤ周方向に全周にわたって延びる凹部32が設けられている。凹部32は、ビードコア18の外周面18Aからビードフィラー28の外周端28Aまでの高さであるビードフィラー高さHに対し、当該外周面18Aから20〜70%(即ち、0.2H〜0.7H)の範囲h内に設けられている。この例では、凹部32は、断面湾曲状に凹んで形成されており、上記範囲h内に1つ設けられている。ここで、仮に凹部32の位置が上記範囲hから外れて設けられると、内圧充填時にビードフィラー28の径方向外方側をタイヤ幅方向内側に向かって起こすような力を発生させることが難しくなる。なお、上記範囲hは、ビードフィラー高さHの30〜60%(即ち、0.3H〜0.6H)であることがより好ましい。
このように凹部32を設けたことにより、ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側面28Bには、該凹部32のタイヤ径方向外方側に隣接してタイヤ周方向に延びる凸部34が全周にわたって形成されている。凸部34は、タイヤ内面側に向かって断面山形の湾曲形状に膨出する凸部であり、この例では、凸部34も上記範囲h内に設けられている。
ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側に重ね合わされるカーカスプライ16の本体部分22は、上記凹部32及び凸部34に沿って凹凸状に形成されている。すなわち、本体部分22は、上記凹部32及び凸部34に沿って迂曲するようにして、ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側面28Bに積層されており、これにより、本体部分22のタイヤ内側面には、上記凹部32及び凸部34に対応する凹部36と凸部38が設けられている。
また、その内側に配設されるインナーライナー層30も、本体部分22の凹凸に沿って凹凸状に形成されている。すなわち、インナーライナー層30は、本体部分22の上記凹部36と凸部38に沿って迂曲するようにして、本体部分22のタイヤ内側面に積層されており、これにより、インナーライナー層30のタイヤ内側面には、ビードフィラー28の凹部32及び凸部34にそれぞれ対応するタイヤ内面側凹部40及びタイヤ内面側凸部42が設けられている。
ビードフィラー28における上記凹部32の深さ(即ち、凹部32の底部から凸部34の頂部までの高低差)Dは、特に限定するものではないが、タイヤの内圧充填後にも、ビードフィラー28及びカーカスプライ16の凹凸形状が残るように、0.2〜10.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0mmである。
上記のビード部10周りの構成を得るための方法としては、特に限定されないが、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、ビードフィラー28を押出成形する際に、上記凹部32及び凸部34を持つ断面形状に押し出し、得られたビードフィラー28を組み込んだグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製する際に、グリーンタイヤの内面側からステッチャーをかけてカーカスプライ16及びインナーライナー層28の凹部36,40及び凸部38,42の形状を出し、そして、対応箇所に凹凸が設けられたブラダーを用いて、インナーライナー層28の凹部40と凸部42を確保した状態で加硫成形すればよい。
以上よりなる本実施形態の空気入りタイヤであると、内圧充填時に、図3において矢印F1で示すように、タイヤ内面側凸部42に内圧が集中する。ビードフィラー28の径方向内方側は不図示のリムにより固定されているので、上記F1の内圧集中により、非固定側であるビードフィラー28の径方向外方側が、矢印F2で示すように、タイヤ幅方向内側に向かって起きるような力が発生する。このように、ビードフィラー28の径方向外方側を内側に起こすことができるので、タイヤの最大幅(総幅)及び最大幅位置をコントロールすることができ、例えば、最大幅を小さくすることができる。また、ビードフィラー28がタイヤ内面側に引っ張られることで、タイヤの横剛性を保ちつつ、縦剛性を増加させることができ、そのため、トレッドショルダー領域における接地性を高めて、操縦安定性を向上することができる。
内圧充填時には、また、図3において矢印F3で示すように、カーカスプライ16の本体部分22がその凹部36において、直線状に戻ろうとする力が作用する。このような力が生じると、図3において矢印F4,5に示すようにように、ビードフィラー28には凹部32に向かってゴムが引き寄せられるような力が作用する。この力、とりわけ矢印F4で示す力が上記矢印F2で示す力を助長するので、上記の操縦安定性向上効果をより高めることができる。
本実施形態であると、大きな歪みが生じるカーカスプライ16の巻き上げ端24Aを、同じく大きな歪みが生じるビードフィラー28の外周端28Aから離間させて配し、更に、ビードフィラー28の高さ方向の中央部に歪みを分担する凹部32を設けたので、ビード部10における歪みを分散させることができ、耐久性を向上することができる。従って、操縦安定性を向上しつつ、歪みを分散して耐久性も向上することができる。
(第2実施形態)
図4,5は、第2実施形態に係るタイヤを示したものである。この例は、ライトトラック用タイヤなどのような偏平率の大きなタイヤ(例えば、65〜85%)に関するものである。この例では、基本的なタイヤ構成については、上記実施形態と同様であるが、ビード部10のビードフィラー28における凹部32の数が上記実施形態とは異なる。
すなわち、この例では、ビードフィラー28のタイヤ幅方向内側面28Bには、ビードコア18の外周面18Aからビードフィラー高さHの20〜70%の範囲h内に、タイヤ周方向に延びる凹部32が2つ設けられている。詳細には、タイヤ径方向において、内側の第1凹部32Aと、外側の第2凹部32Bとの2つの凹部が設けられている。そして、第1実施形態の凸部34に対応するものとして、第1凹部32Aと第2凹部32Bとの間に第1凸部34Aが設けられ、第2凹部32Bのタイヤ径方向外方側に隣接して第2凸部34Bが設けられている。
ビードフィラー28に重ね合わされるカーカスプライ16の本体部分22についても、これらの凹部32A,32B及び凸部34A,34Bに沿って凹凸状に蛇行して形成されており、すなわち、本体部分22のタイヤ内側面には、タイヤ径方向内側から順に、第1凹部36A、第1凸部38A、第2凹部36B及び第2凸部38Bが設けられている。
また、その内側に配設されるインナーライナー層30も、本体部分22の凹凸に沿って凹凸状に蛇行して形成されており、すなわち、インナーライナー層30のタイヤ内側面には、タイヤ径方向内側から順に、第1凹部40A、第1凸部42A、第2凹部40B及び第2凸部42Bが設けられている。
このように凹部32を上記範囲h内の2箇所に配置した場合でも、上記と同様の作用効果を発揮することができる。特に、この例のような偏平率が大きいタイヤでは、ビードフィラー高さHも大きいので、このように複数の凹部32を設ける構成が有効である。なお、凹部32の数の上限については、特に限定しないが、通常は3つ以下であることが好ましい。
また、ライトトラック用タイヤでは、一般に大きな荷重が作用し、そのためビード部10に歪みが集中しやすく耐久性を確保することが難しいが、本実施形態では、内圧充填時に、ビードフィラー28をタイヤ内面側に引き起こすことにより、タイヤ幅方向外方側への膨らみを抑制することができ、歪みの分散を制御可能となるので、耐久性を向上することができる。その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るビード部を示す図面である。第3実施形態は、上記第1実施形態において、インナーライナー層30のタイヤ内側面に、タイヤ内面側凸部42を覆うゴム部材44を設けたものである。
ゴム部材44は、インナーライナー層30よりも高硬度、すなわち弾性率の高いゴムよりなり、タイヤ内面側に膨らんだ形状に形成されている。この例では、ゴム部材44は、タイヤ内面側凸部42のタイヤ径方向内方側に隣接するインナーライナー層30のタイヤ内面側凹部40をも埋めるように設けられている。すなわち、ゴム部材44は、タイヤ内面側凹部40のタイヤ径方向内方側端から、タイヤ内面側凸部42の全体を覆うように当該凸部42の頂部を超えて凸部42のタイヤ径方向外方端付近に至るまでの領域(但し、ビードフィラー28の外周端28Aよりも径方向内方側で終端する領域)に設けられている。また、ゴム部材44は、タイヤ内面20を形成するインナーライナー層30の内側面に対して、タイヤ内面側に凸状、より詳細には断面山形の湾曲形状に膨出するように形成されている。
ゴム部材44の硬度は、上記のようにインナーライナー層30よりも高く、かつ、ビードフィラー28に対して同等以下の硬度に設定されている。具体的には、ゴム部材44の硬度は、60〜80程度であることが好ましい。
本実施形態であると、タイヤ内面側凸部42を覆うように高硬度のゴム部材44を設けたことにより、タイヤの内圧充填時に、タイヤ内面側凸部42に内圧がより集中しやすくして、ビードフィラー28の径方向外方側をタイヤ内面側に引き起こすような力を発生しやすくすることができる。この例では、タイヤ内面側凹部40をゴム部材44で埋めているため、内圧充填時にカーカスプライ16が直線状に戻ろうとする力が抑制され、内圧によってタイヤ内面側凸部42を押す力のみで、ビードフィラー28の径方向外方側をタイヤ内面側に引き起こす力が生じ、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るビード部を示す図面である。第4実施形態は、上記ゴム部材44が、タイヤ内面側凸部42を中心とした狭い範囲で設けられ、タイヤ内面側凹部40を完全には埋めないように設けられた点で、上記第3実施形態とは相違する。すなわち、タイヤ内面側凹部40にはその一部にゴム部材44がかかっているものの、タイヤ内面にインナーライナー層30による凹形状が残るように設けられている。
このように、高硬度のゴム部材44によりタイヤ内面側凸部42の凸形状を強調させたことにより、タイヤの内圧充填時に、タイヤ内面側凸部42に内圧がより集中しやすくして、ビードフィラー28の径方向外方側をタイヤ内面側に引き起こすような力を発生しやすくすることができる。また、この場合、タイヤ内面側凹部40が完全に埋められていないので、カーカスプライ16が直線状に戻ろうとする力も作用させることができ、ビードフィラー28をタイヤ内面側に引き起こす力をより発生しやすくすることができる。
なお、これら第3及び第4実施形態のようなゴム部材44は、偏平率が低く、従って、ビードフィラー高さHも小さいタイヤに対して、特に好適に用いられる。その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。
(その他の実施形態)
第3及び第4実施形態のようなゴム部材44は、第2実施形態において適用することも可能である。また、上記実施形態では、カーカスプライ16が1枚のプライからなるものについて説明したが、本発明では2枚以上のプライからなるものについても適用することができる。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
上記第1、第3及び第4の各実施形態のビード部構成をライトトラックタイヤに適用した実施例の空気入りラジアルタイヤと、図8に示す従来例の空気入りラジアルタイヤ(但し、カーカスプライの巻き上げ端の位置は実施例と同じ。)を、それぞれ試作した。また、比較例として、第1実施形態のビード部構成において、カーカスプライ16の凹部36をゴム部材で埋めてそのタイヤ内面側に積層するインナーライナー層28が滑らかなタイヤ内面形状になるように構成した比較例1のタイヤと、第1実施形態のビード部構成において、巻き上げ端24Aを本体部分22の凹部36近傍で終端させた比較例2のタイヤを試作した。これらのタイヤについて、下記評価方法により、縦剛性、タイヤ総幅、操縦安定性、耐久性を評価した。
タイヤサイズはLT235/85R16、リムサイズは16×6.5とした。また、ビード高さH=54mmとし、ビードコア外周面からビードフィラー高さの35〜55%の範囲にわたって凹部32を形成し、凹部32の深さDは1.5mmに設定した。また、実施例2,3で用いたゴム部材44としては、硬度が70のものを用い、インナーライナー層30のゴム硬度=50よりも大きいものを用いた。なお、ビードフィラー28については、硬度が70のものを用いた。また、比較例1におけるゴム部材としては、硬度が50のものを用いた。
・縦剛性:タイヤの内圧を550kPaとし、荷重142Nを静負荷として縦方向(タイヤ径方向)の変位を与えたときの反力を測定し、単位長さ当たりの反力(N/mm)を計測して指数評価した。比較例1の結果を100とし、指数が大きいほど縦剛性が高いことを示す。
・タイヤ総幅:タイヤの内圧を550kPaとし、無負荷状態でのサイドウォール部間の直線距離(最大幅)を測定した。比較例1の結果を100とし、指数が小さいほどタイヤ総幅が狭いことを示す。
・操縦安定性:車両空気圧200kPaとし、実車による官能試験を行い、比較例1の結果を100とした指数評価を行った。指数が大きいほど操縦安定性に優れていることを示す。
・耐久性:米国自動車安全基準FMVSS139に定める延長条件に準拠し、ドラム式試験機にて耐久性試験を行い、ビード部に故障が認められるまでの走行距離を測定した。比較例1の結果を100とし、数値が大きいほど耐久性に優れることを示す。
結果は、下記表1に示す通りであり、実施例1〜3のタイヤでは、従来例のタイヤに対して、内圧充填時の総幅が小さく、縦剛性が高いので、操縦安定性に優れ、また、耐久性に優れていた。一方、比較例1のタイヤでは、タイヤ内面側に凸部がないため、内圧充填時にビードフィラーの径方向外方側をタイヤ幅方向内側に向かって起こすような力を発生させることができず、縦剛性の向上やタイヤ総幅の低減効果が得られなかった。また、比較例2のタイヤでは、ビード部に故障が起こりやすく耐久性が損なわれていた。
Figure 2012001022
10…ビード部 14…サイドウォール部 16…トレッド部
18…ビードコア 18A…外周面 20…タイヤ内面
22…本体部分 24…巻き上げ部 24A…巻き上げ端
28…ビードフィラー 28A…外周端 30…インナーライナー層
32…凹部 34…凸部 40…タイヤ内面側凹部
42…タイヤ内面側凸部 44…ゴム部材 H…ビードフィラー高さ

Claims (4)

  1. 一対のビード部と該ビード部に続くサイドウォール部と該両サイドウォール部の間に設けられたトレッド部とで構成され、前記ビード部間に跨って延びるカーカスプライが前記ビード部に埋設されたビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き上げられ、前記ビードコアの外周側であって前記カーカスプライの本体部分と巻き上げ部との間にビードフィラーが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスプライの巻き上げ端が、前記ビードフィラーの外周端を超えてタイヤ径方向外方側に延在して設けられ、
    前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側面には、前記ビードコアの外周面からビードフィラー高さの20〜70%の範囲内に位置してタイヤ周方向に延びる凹部と、前記凹部のタイヤ径方向外方側に隣接してタイヤ周方向に延びる凸部が設けられ、
    前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側に重ね合わされる前記カーカスプライの本体部分が、前記ビードフィラーの凹部及び凸部に沿って凹凸状に形成され、前記本体部分のタイヤ内側面に重ね合わされるインナーライナー層が、前記本体部分の凹凸に沿って凹凸状に形成されることにより、該インナーライナー層のタイヤ内側面に前記ビードフィラーの前記凸部に対応するタイヤ内面側凸部が設けられた
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記インナーライナー層のタイヤ内側面に、前記タイヤ内面側凸部を覆うとともにタイヤ内面側に膨らんだ形状を有しかつ前記インナーライナー層よりも高硬度のゴム部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム部材が、前記タイヤ内面側凸部のタイヤ径方向内方側に隣接するインナーライナー層のタイヤ内面側凹部を埋めるように設けられたことを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードフィラーのタイヤ幅方向内側面における前記範囲内に、前記凹部が複数設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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