JPH1114576A - 実装基板の劣化診断方法および装置 - Google Patents
実装基板の劣化診断方法および装置Info
- Publication number
- JPH1114576A JPH1114576A JP16892597A JP16892597A JPH1114576A JP H1114576 A JPH1114576 A JP H1114576A JP 16892597 A JP16892597 A JP 16892597A JP 16892597 A JP16892597 A JP 16892597A JP H1114576 A JPH1114576 A JP H1114576A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- image data
- image
- rise
- divided
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 実装基板の表面温度分布から基板の劣化を診
断する。 【解決手段】 電気・電子部品を実装した実装基板10
に、一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装基板
の実装表面温度が定常状態になるまでの時間において、
温度画像計測手段11により、段所定のサンプリング時
点毎に前記実装表面の温度分布を計測・画像化した昇温
画像データを出力する。この温度画像計測手段11によ
り前記実装基板10を異なる時期において計測・画像化
し、出力された前記昇温画像データを昇温画像データベ
ース18に格納する。温度分布変化量計算手段20は、
前記昇温画像データの内、前記実装基板の経年使用上、
最も過去の昇温画像データを基準昇温画像データとし
て、前記昇温画像データと比較し、両者の間の温度分布
変化量を計算する。
断する。 【解決手段】 電気・電子部品を実装した実装基板10
に、一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装基板
の実装表面温度が定常状態になるまでの時間において、
温度画像計測手段11により、段所定のサンプリング時
点毎に前記実装表面の温度分布を計測・画像化した昇温
画像データを出力する。この温度画像計測手段11によ
り前記実装基板10を異なる時期において計測・画像化
し、出力された前記昇温画像データを昇温画像データベ
ース18に格納する。温度分布変化量計算手段20は、
前記昇温画像データの内、前記実装基板の経年使用上、
最も過去の昇温画像データを基準昇温画像データとし
て、前記昇温画像データと比較し、両者の間の温度分布
変化量を計算する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気・電子部品を実
装した実装基板の劣化・故障診断方法および装置に関わ
り、特に、故障診断にも適用可能な劣化診断方法および
装置に関するものである。
装した実装基板の劣化・故障診断方法および装置に関わ
り、特に、故障診断にも適用可能な劣化診断方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子部品が実装された各種の実装
基板の劣化を、その動作状態において診断する技術はこ
れまでのところでは実用化されていない。実装基板の劣
化の原因は実装部品の劣化であり、部品単独では、その
電気的特性低下や部品材料の構造劣化(半導体デバイス
ではアルミ配線腐食,マイグレーション,ボイドなど)
で劣化状態を検出できる。しかし,基板回路に実装され
た状態では,部品個々の電気的特性や構造劣化を検出す
ることはてきない。また、実装基板の入出力特性が唯一
計測可能であるが、複数部品が実装され回路構成が作ら
れているので、個々の部品劣化の影響が回路出力にどの
ように現れるか解析が困難てある。
基板の劣化を、その動作状態において診断する技術はこ
れまでのところでは実用化されていない。実装基板の劣
化の原因は実装部品の劣化であり、部品単独では、その
電気的特性低下や部品材料の構造劣化(半導体デバイス
ではアルミ配線腐食,マイグレーション,ボイドなど)
で劣化状態を検出できる。しかし,基板回路に実装され
た状態では,部品個々の電気的特性や構造劣化を検出す
ることはてきない。また、実装基板の入出力特性が唯一
計測可能であるが、複数部品が実装され回路構成が作ら
れているので、個々の部品劣化の影響が回路出力にどの
ように現れるか解析が困難てある。
【0003】さらに、部品劣化は部品仕様規格内て動作
していれば故障(又は異常)ではなく、回路出力の変動
に与える影響は少ない。特にデジタル回路では0、1の
動作であるため、少々の劣化により動作電圧余裕が変動
しても0,1の出力(反転)には影響がない。また、実
装基板の回路制御の補償機能により、部品劣化の影響が
吸収され、出力変動としては現れにくい。さらに、劣化
による実装基板の表面温度(個々の部品表面温度)変化
で劣化現象を高感度に検出する有効な技術がない。
していれば故障(又は異常)ではなく、回路出力の変動
に与える影響は少ない。特にデジタル回路では0、1の
動作であるため、少々の劣化により動作電圧余裕が変動
しても0,1の出力(反転)には影響がない。また、実
装基板の回路制御の補償機能により、部品劣化の影響が
吸収され、出力変動としては現れにくい。さらに、劣化
による実装基板の表面温度(個々の部品表面温度)変化
で劣化現象を高感度に検出する有効な技術がない。
【0004】他方、実装基板の故障検出に関しては、部
品故障が出力特性、基板回路動作に直接影響を与えるの
で、実装基板の入出力特性の観察により容易である。し
かし、故障個所(故障部品)を特定しようとすると、実
装基板から部品を取り外し、一個一個検査しないと故障
部品を特定できない。そこで、実装状態のまま、故障部
品を特定するために、実装表面温度を赤外線カメラ等に
より計測し、故障が高い発熱で現れる部品を正常時の実
装表面温度データと比較して特定する方法が実施されて
いる。
品故障が出力特性、基板回路動作に直接影響を与えるの
で、実装基板の入出力特性の観察により容易である。し
かし、故障個所(故障部品)を特定しようとすると、実
装基板から部品を取り外し、一個一個検査しないと故障
部品を特定できない。そこで、実装状態のまま、故障部
品を特定するために、実装表面温度を赤外線カメラ等に
より計測し、故障が高い発熱で現れる部品を正常時の実
装表面温度データと比較して特定する方法が実施されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の実装表面温度を
赤外線カメラ等により計測する方法は、定常状態の温度
分布を比較するが、定常状態では、自己発熱の大きさが
異なる部品混合による温度の平均化、故障部品の影響で
正常部品も大きく発熱してしまうなどの現象があり、正
確な故障部品の検出には難点がある。
赤外線カメラ等により計測する方法は、定常状態の温度
分布を比較するが、定常状態では、自己発熱の大きさが
異なる部品混合による温度の平均化、故障部品の影響で
正常部品も大きく発熱してしまうなどの現象があり、正
確な故障部品の検出には難点がある。
【0006】そこで本発明は、自己発熱の大きさが異な
る部品混合による温度の平均化、故障部品の影響で正常
部品も大きく発熱してしまうなどの現象に左右されるこ
となく、実装基板の表面温度から基板の劣化診断、故障
箇所の正確な特定を可能とする劣化診断方法および装置
を提供することにある。
る部品混合による温度の平均化、故障部品の影響で正常
部品も大きく発熱してしまうなどの現象に左右されるこ
となく、実装基板の表面温度から基板の劣化診断、故障
箇所の正確な特定を可能とする劣化診断方法および装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の劣化診断方法
は、電気・電子部品を実装した実装基板に、一定の入出
力条件下で電源を投人後、前記実装基板の実装表面温度
が定常状態になるまでの時間において、所定のサンプリ
ング時点毎に前記実装表面の温度分布を計測・画像化し
た昇温画像データを出力する温度画像計測手段と、この
温度画像計測手段により前記実装基板を異なる時期にお
いて計測・画像化し、出力された前記昇温画像データを
昇温画像データベースに格納する手段と、この手段によ
り前記昇温画像データベースに格納された前記昇温画像
データの内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の昇
温画像データを基準昇温画像データとして、前記昇温画
像データと比較し、両者の間の温度分布変化量を計算す
る手段と、この温度分布変化量計算手段により得られた
温度分布変化量を予め設定されたしきい値と比較し、前
記温度分布変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣化
あり」と判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴と
するものである。
は、電気・電子部品を実装した実装基板に、一定の入出
力条件下で電源を投人後、前記実装基板の実装表面温度
が定常状態になるまでの時間において、所定のサンプリ
ング時点毎に前記実装表面の温度分布を計測・画像化し
た昇温画像データを出力する温度画像計測手段と、この
温度画像計測手段により前記実装基板を異なる時期にお
いて計測・画像化し、出力された前記昇温画像データを
昇温画像データベースに格納する手段と、この手段によ
り前記昇温画像データベースに格納された前記昇温画像
データの内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の昇
温画像データを基準昇温画像データとして、前記昇温画
像データと比較し、両者の間の温度分布変化量を計算す
る手段と、この温度分布変化量計算手段により得られた
温度分布変化量を予め設定されたしきい値と比較し、前
記温度分布変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣化
あり」と判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴と
するものである。
【0008】また、本発明の劣化診断装置は、電気・電
子部品を実装した実装基板に、一定の入出力条件下で電
源を投人後、前記実装基板の実装表面温度が定常状態に
なるまでの時間において、所定のサンプリング時点毎に
前記実装表面の温度分布を計測・画像化した昇温画像デ
ータを出力する温度画像計測手段と、この温度画像計測
手段により前記実装基板を異なる時期において計測・画
像化し、出力された前記昇温画像データを格納する昇温
画像データベースと、この昇温画像データベースに格納
された前記昇温画像データの内、前記実装基板の経年使
用上、最も過去の昇温画像データを基準昇温画像データ
として、前記昇温画像データと比較し、両者の間の温度
分布変化量を計算する手段と、この温度分布変化量計算
手段により得られた温度分布変化量を予め設定されたし
きい値と比較し、前記温度分布変化量が前記しきい値を
越えた場合、「劣化あり」と判定する劣化判定手段とを
備えたことを特徴とするものである。
子部品を実装した実装基板に、一定の入出力条件下で電
源を投人後、前記実装基板の実装表面温度が定常状態に
なるまでの時間において、所定のサンプリング時点毎に
前記実装表面の温度分布を計測・画像化した昇温画像デ
ータを出力する温度画像計測手段と、この温度画像計測
手段により前記実装基板を異なる時期において計測・画
像化し、出力された前記昇温画像データを格納する昇温
画像データベースと、この昇温画像データベースに格納
された前記昇温画像データの内、前記実装基板の経年使
用上、最も過去の昇温画像データを基準昇温画像データ
として、前記昇温画像データと比較し、両者の間の温度
分布変化量を計算する手段と、この温度分布変化量計算
手段により得られた温度分布変化量を予め設定されたし
きい値と比較し、前記温度分布変化量が前記しきい値を
越えた場合、「劣化あり」と判定する劣化判定手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、前記所定のサンプリン
グ時点のうちの同一サンプリング時点における前記基準
昇温画像データと前記昇温画像データとの間の変化量を
計算することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、前記所定のサンプリン
グ時点のうちの同一サンプリング時点における前記基準
昇温画像データと前記昇温画像データとの間の変化量を
計算することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記実装基板の劣化診断装置はさらに、前記昇温画像デ
ータおよび基準昇温画像データをそれぞれ画像分割する
画像分割手段と、この画像分割手段によりそれぞれ分割
された前記基準昇温画像データおよび前記昇温画像デー
タがそれぞれ前記温度分布変化量計算手段に供給する手
段とを備え、前記温度分布変化量計算手段は前記分割さ
れた基準昇温画像データおよび昇温画像データの同一分
割領域、同一サンプリング時点における両温度画像間の
温度分布変化量を各々計算することを特徴とするもので
ある。
前記実装基板の劣化診断装置はさらに、前記昇温画像デ
ータおよび基準昇温画像データをそれぞれ画像分割する
画像分割手段と、この画像分割手段によりそれぞれ分割
された前記基準昇温画像データおよび前記昇温画像デー
タがそれぞれ前記温度分布変化量計算手段に供給する手
段とを備え、前記温度分布変化量計算手段は前記分割さ
れた基準昇温画像データおよび昇温画像データの同一分
割領域、同一サンプリング時点における両温度画像間の
温度分布変化量を各々計算することを特徴とするもので
ある。
【0011】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記劣化判定手段は、前記全ての分割領域に少なくとも
一カ所以上で「劣化あり」と判定された場合、「劣化あ
り」と判定された分割領域の位置情報をマップ作成手段
へ出力し、このマップ作成手段は前記実装基板の可視画
像に前記分割領域の位置情報を重ね合わせて表示するこ
とを特徴とするものである。
前記劣化判定手段は、前記全ての分割領域に少なくとも
一カ所以上で「劣化あり」と判定された場合、「劣化あ
り」と判定された分割領域の位置情報をマップ作成手段
へ出力し、このマップ作成手段は前記実装基板の可視画
像に前記分割領域の位置情報を重ね合わせて表示するこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一サンプリング時点
における前記基準昇温画像データの分割温度画像の累積
濃度値と診断時に計測・画像化した前記昇温画像データ
の前記分割温度画像と同一分割領域の分割温度画像の累
積濃度値との差分を前記分割温度画像間の温度分布変化
量として計算することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、同一サンプリング時点
における前記基準昇温画像データの分割温度画像の累積
濃度値と診断時に計測・画像化した前記昇温画像データ
の前記分割温度画像と同一分割領域の分割温度画像の累
積濃度値との差分を前記分割温度画像間の温度分布変化
量として計算することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一分割領域内の同一座標における
前記診断時に計測・画像化した昇温画像の画素濃淡値を
差分計算するとともに、この差分計算を前記同一分割領
域内の全画素に対して計算し、得られた各差分値の2乗
和平均を前記分割温度画像間の温度分布変化量とするこ
とを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一分割領域内の同一座標における
前記診断時に計測・画像化した昇温画像の画素濃淡値を
差分計算するとともに、この差分計算を前記同一分割領
域内の全画素に対して計算し、得られた各差分値の2乗
和平均を前記分割温度画像間の温度分布変化量とするこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一の分割領域における前記診断時
に計測・画像化した昇温画像データの分割温度画像との
相互相関係数を前記分割温度画像の温度分布変化量とし
て出力することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一の分割領域における前記診断時
に計測・画像化した昇温画像データの分割温度画像との
相互相関係数を前記分割温度画像の温度分布変化量とし
て出力することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一の分割領域における前記診断時
に計測・画像化した昇温画像データの前記分割温度画像
とのフラクタル次元を計算するとともに、これらの分割
温度画像間のフラクタル次元の差分値を前記分割温度画
像間の温度分布変化量とすることを特徴とするものであ
る。
前記温度分布変化量計算手段は、前記同一サンプリング
時点における基準昇温画像データの分割温度画像および
この分割温度画像と同一の分割領域における前記診断時
に計測・画像化した昇温画像データの前記分割温度画像
とのフラクタル次元を計算するとともに、これらの分割
温度画像間のフラクタル次元の差分値を前記分割温度画
像間の温度分布変化量とすることを特徴とするものであ
る。
【0016】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、前記同サンプリング時
点における基準昇温画像データの分割温度画像およびこ
の分割温度画像と同分割領域における前記診断時に計測
・画像化した昇温画像データの前記分割温度画像におけ
る代表点温度またはピーク温度値間の差分値を計算し、
この差分値を前記分割温度画像間の温度分布変化量とす
ることを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、前記同サンプリング時
点における基準昇温画像データの分割温度画像およびこ
の分割温度画像と同分割領域における前記診断時に計測
・画像化した昇温画像データの前記分割温度画像におけ
る代表点温度またはピーク温度値間の差分値を計算し、
この差分値を前記分割温度画像間の温度分布変化量とす
ることを特徴とするものである。
【0017】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域での前記
基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化した昇
温画像データがそれぞれ示す昇温時間に対する昇温変化
の傾向である昇温特性の特徴を定量化し、これらの定量
値間のを差分値である昇温特性変化量を温度分布変化量
として出力することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域での前記
基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化した昇
温画像データがそれぞれ示す昇温時間に対する昇温変化
の傾向である昇温特性の特徴を定量化し、これらの定量
値間のを差分値である昇温特性変化量を温度分布変化量
として出力することを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データの代表点が示す、昇温時間に対する昇
温度データの立ち上がり付近の角度である昇温変化率を
計算し、これらの昇温変化率の差分値を昇温特性変化量
として出力することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データの代表点が示す、昇温時間に対する昇
温度データの立ち上がり付近の角度である昇温変化率を
計算し、これらの昇温変化率の差分値を昇温特性変化量
として出力することを特徴とするものである。
【0019】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データがサンプリング毎に逐次示す、昇温時
間に対する累積濃度値の立ち上がり付近の角度である累
積濃度変化率を計算し、これらの累積濃度変化率の差分
値を昇温特性変化量として出力することを特徴とするも
のである。
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データがサンプリング毎に逐次示す、昇温時
間に対する累積濃度値の立ち上がり付近の角度である累
積濃度変化率を計算し、これらの累積濃度変化率の差分
値を昇温特性変化量として出力することを特徴とするも
のである。
【0020】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データがサンプリング毎に逐次示す、昇温時
間に対するフラクタル次元データの立ち上がり付近の角
度であるフラクタル次元変化率を計算し、これらのフラ
クタル次元変化率の差分値を昇温特性の変化量として出
力することを特徴とするものである。
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データがサンプリング毎に逐次示す、昇温時
間に対するフラクタル次元データの立ち上がり付近の角
度であるフラクタル次元変化率を計算し、これらのフラ
クタル次元変化率の差分値を昇温特性の変化量として出
力することを特徴とするものである。
【0021】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データ間の相互相関係数がサンプリング毎に
逐次示す、昇温時間に対する立ち上がり付近の角度であ
る相関変化率を計算し、これらの相関変化率の差分値を
昇温特性の変化量として出力することを特徴とするもの
である。
前記温度分布変化量計算手段は、同一分割領域における
前記基準昇温画像データおよび診断時に計測・画像化し
た昇温画像データ間の相互相関係数がサンプリング毎に
逐次示す、昇温時間に対する立ち上がり付近の角度であ
る相関変化率を計算し、これらの相関変化率の差分値を
昇温特性の変化量として出力することを特徴とするもの
である。
【0022】また、本発明の劣化診断装置は、電気・電
子部品を実装した実装基板に、一定の入出力条件下で電
源を投人後、前記実装基板の実装表面温度が定常状態に
なるまでの時間において、所定のサンプリング時点毎に
前記実装表面から放射される赤外線を2次元走査して昇
温画像データを出力する赤外線温度カメラと、前記実装
基板の周囲温度を検出する温度検出器と、この温度検出
器で検出した周囲温度データおよび前記赤外線温度カメ
ラで計測した温度値との差分値である昇温度を計算する
差分手段と、この差分手段で計算した前記差分温度を入
力し、この差分温度を濃淡値に変換して2次元配列の温
度画像データを得る濃淡画像化手段と、この濃淡画像化
手段で画像化した温度画像データを一時格納するバッフ
ァと、前記濃淡画像化手段から温度画像データが入力さ
れ、このデータの全画素の濃淡値を合計した累積濃度値
を各サンプリング時点で算出するとともに、隣接するサ
ンプリング時点で計測・画像化した温度画像の累積濃度
値の差分を計算し、この差分値が連続して予め設定した
上下限値の範囲に入った時点で、前記赤外線温度カメラ
に計測停止指示信号を出力するとともに前記バッファに
動作指示信号を供給する入力制御手段とを備え、この入
力制御手段から供給される前記動作指示信号の入力で動
作し、前記バッファに格納された昇温画像データを取り
出し、外部へ出力することを特徴とするものである。
子部品を実装した実装基板に、一定の入出力条件下で電
源を投人後、前記実装基板の実装表面温度が定常状態に
なるまでの時間において、所定のサンプリング時点毎に
前記実装表面から放射される赤外線を2次元走査して昇
温画像データを出力する赤外線温度カメラと、前記実装
基板の周囲温度を検出する温度検出器と、この温度検出
器で検出した周囲温度データおよび前記赤外線温度カメ
ラで計測した温度値との差分値である昇温度を計算する
差分手段と、この差分手段で計算した前記差分温度を入
力し、この差分温度を濃淡値に変換して2次元配列の温
度画像データを得る濃淡画像化手段と、この濃淡画像化
手段で画像化した温度画像データを一時格納するバッフ
ァと、前記濃淡画像化手段から温度画像データが入力さ
れ、このデータの全画素の濃淡値を合計した累積濃度値
を各サンプリング時点で算出するとともに、隣接するサ
ンプリング時点で計測・画像化した温度画像の累積濃度
値の差分を計算し、この差分値が連続して予め設定した
上下限値の範囲に入った時点で、前記赤外線温度カメラ
に計測停止指示信号を出力するとともに前記バッファに
動作指示信号を供給する入力制御手段とを備え、この入
力制御手段から供給される前記動作指示信号の入力で動
作し、前記バッファに格納された昇温画像データを取り
出し、外部へ出力することを特徴とするものである。
【0023】また、本発明の劣化診断装置は、遠隔地の
計測・診断端末装置と、診断ホストセンタ装置と、これ
らを相互に接続する通信回線網都を備え、前記遠隔地の
計測・診断端末装置は、電気・電子部品を実装した実装
基板に、一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装
基板の実装表面温度が定常状態になるまでの時間におい
て、所定のサンプリング時点毎に前記実装表面から放射
される赤外線を2次元走査して昇温画像データを出力す
る赤外線温度カメラと、前記実装基板の周囲温度を検出
する温度検出器と、この温度検出器で検出した周囲温度
データおよび前記赤外線温度カメラで計測した温度値と
の差分値である昇温度を計算する差分手段と、この差分
手段で計算した前記差分温度を入力し、この差分温度を
濃淡値に変換して2次元配列の濃淡画像化手段と、この
濃淡画像化手段で画像化した昇温画像データを一時格納
するバッファと、前記濃淡画像化手段から昇温画像デー
タが入力され、このデータの全画素の濃淡値を合計した
累積濃度値を各サンプリング時点で算出するとともに、
隣接するサンプリング時点で計測・画像化した昇温画像
の累積濃度値の差分を計算し、この差分値が連続して予
め設定した上下限値の範囲に入った時点で、前記赤外線
温度カメラに計測停止指示信号を出力するとともに前記
バッファに動作指示信号を供給する入力制御手段と、こ
の入力制御手段から供給される前記動作指示信号の入力
で動作し、前記バッファに格納された昇温画像データを
取り出し、前記通信回線網を介して前記診断ホストセン
タ装置との間でデータ送受信を行う端末側通信制御手段
と、この通信制御信手段が前記通信回線網を介して前記
診断ホストセンタから受信した診断結果データが供給さ
れる出力制御手段と、この出力制御手段によりその出力
が制御されるデータ表示装置とを備え、前記診断ホスト
センタ装置は、前記遠隔地の計測・診断端末装置からの
出力データである前記昇温画像データを通信回線網を介
して受信し、前記診断結果を前記遠隔地の計測・診断端
末装置へ送信するホスト側通信制御手段と、このホスト
側通信制御手段により受信された前記昇温画像データが
供給され、このデータを格納する温度画像データベース
と、この昇温画像データベースに格納された前記温度画
像データの内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の
昇温画像データを基準昇温画像データとして、前記昇温
画像データと比較し、両者の間の温度分布変化量を計算
する手段と、この温度分布変化量計算手段により得られ
た温度分布変化量を予め設定されたしきい値と比較し、
前記温度分布変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣
化あり」と判定する劣化判定手段と、この劣化判定手段
により判定された結果を前記ホスト側データ送受信手段
に出力する通信制御手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
計測・診断端末装置と、診断ホストセンタ装置と、これ
らを相互に接続する通信回線網都を備え、前記遠隔地の
計測・診断端末装置は、電気・電子部品を実装した実装
基板に、一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装
基板の実装表面温度が定常状態になるまでの時間におい
て、所定のサンプリング時点毎に前記実装表面から放射
される赤外線を2次元走査して昇温画像データを出力す
る赤外線温度カメラと、前記実装基板の周囲温度を検出
する温度検出器と、この温度検出器で検出した周囲温度
データおよび前記赤外線温度カメラで計測した温度値と
の差分値である昇温度を計算する差分手段と、この差分
手段で計算した前記差分温度を入力し、この差分温度を
濃淡値に変換して2次元配列の濃淡画像化手段と、この
濃淡画像化手段で画像化した昇温画像データを一時格納
するバッファと、前記濃淡画像化手段から昇温画像デー
タが入力され、このデータの全画素の濃淡値を合計した
累積濃度値を各サンプリング時点で算出するとともに、
隣接するサンプリング時点で計測・画像化した昇温画像
の累積濃度値の差分を計算し、この差分値が連続して予
め設定した上下限値の範囲に入った時点で、前記赤外線
温度カメラに計測停止指示信号を出力するとともに前記
バッファに動作指示信号を供給する入力制御手段と、こ
の入力制御手段から供給される前記動作指示信号の入力
で動作し、前記バッファに格納された昇温画像データを
取り出し、前記通信回線網を介して前記診断ホストセン
タ装置との間でデータ送受信を行う端末側通信制御手段
と、この通信制御信手段が前記通信回線網を介して前記
診断ホストセンタから受信した診断結果データが供給さ
れる出力制御手段と、この出力制御手段によりその出力
が制御されるデータ表示装置とを備え、前記診断ホスト
センタ装置は、前記遠隔地の計測・診断端末装置からの
出力データである前記昇温画像データを通信回線網を介
して受信し、前記診断結果を前記遠隔地の計測・診断端
末装置へ送信するホスト側通信制御手段と、このホスト
側通信制御手段により受信された前記昇温画像データが
供給され、このデータを格納する温度画像データベース
と、この昇温画像データベースに格納された前記温度画
像データの内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の
昇温画像データを基準昇温画像データとして、前記昇温
画像データと比較し、両者の間の温度分布変化量を計算
する手段と、この温度分布変化量計算手段により得られ
た温度分布変化量を予め設定されたしきい値と比較し、
前記温度分布変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣
化あり」と判定する劣化判定手段と、この劣化判定手段
により判定された結果を前記ホスト側データ送受信手段
に出力する通信制御手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0024】また、本発明の劣化診断装置においては、
前記診断ホストセンタ装置はさらに、前記昇温画像デー
タおよび基準昇温画像データをそれぞれ画像分割し、前
記温度分布変化量計算手段に供給する画像分割手段と、
前記温度分布変化量計算手段により計算された結果を格
納するトレンドデータベースと、このトレンドデータベ
ースに格納されている前記温度分布変化量の最小二乗近
似により劣化判定しきい値に達する予測時間を計算し、
この予測時間が許容範囲になければ「劣化兆候あり」と
評価するトレンド評価手段とを備え、前記温度分布変化
量計算手段は、前記画像分割手段によりそれぞれ分割さ
れた前記基準昇温画像データおよび前記昇温画像データ
がそれぞれ供給され、前記分割された基準昇温画像デー
タおよび昇温画像データの同一分割領域、同一サンプリ
ング時点における両温度画像間の温度分布変化量を各々
計算し、また、前記ホスト側通信制御手段は前記トレン
ド評価手段の評価結果を前記劣化判定手の判定結果とと
もに前記遠隔地の計測・診断端末装置へ送信することを
特徴とするものである。
前記診断ホストセンタ装置はさらに、前記昇温画像デー
タおよび基準昇温画像データをそれぞれ画像分割し、前
記温度分布変化量計算手段に供給する画像分割手段と、
前記温度分布変化量計算手段により計算された結果を格
納するトレンドデータベースと、このトレンドデータベ
ースに格納されている前記温度分布変化量の最小二乗近
似により劣化判定しきい値に達する予測時間を計算し、
この予測時間が許容範囲になければ「劣化兆候あり」と
評価するトレンド評価手段とを備え、前記温度分布変化
量計算手段は、前記画像分割手段によりそれぞれ分割さ
れた前記基準昇温画像データおよび前記昇温画像データ
がそれぞれ供給され、前記分割された基準昇温画像デー
タおよび昇温画像データの同一分割領域、同一サンプリ
ング時点における両温度画像間の温度分布変化量を各々
計算し、また、前記ホスト側通信制御手段は前記トレン
ド評価手段の評価結果を前記劣化判定手の判定結果とと
もに前記遠隔地の計測・診断端末装置へ送信することを
特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明の電気・電子部品用
実装基板の劣化診断装置の一実施例を示す機能ブロック
図である。
いて詳細に説明する。図1は本発明の電気・電子部品用
実装基板の劣化診断装置の一実施例を示す機能ブロック
図である。
【0026】実装基板10は電気・電子部品が実装され
たプリント基板であり、この基板に一定の入出力条件下
で電源投入後、実装表面から赤外線10aが放射され
る。この赤外線aは、実装基板10の実装表面温度変化
が定常状態になるまでの時間、赤外線温度カメラ11に
より2次元走査により集光され、集光された赤外線放射
エネルギーは電圧信号に変換される。赤外線温度カメラ
11の出力側には、変換された電圧信号をさらに電圧ー
温度特性から再変換された実装基板10表面の2次元座
標上の各座標点(画素)の温度値情報bが出力情報とし
て取り出される。赤外線温度カメラ11は、また、実装
基板10の全表面の2次元走査を、あらかじめ設定され
たサンプリング周期で繰り返し、後述する計測停止指示
信号が供給されたとき、その2次元走査を停止する。赤
外線温度カメラ11の出力情報である温度値情報bは差
分演算手段12に供給される。差分演算手段12には、
また、実装基板10の周囲温度を検出する温度検出器1
3の出力情報cが供給され、これらの差分が演算され、
その結果を昇温度情報dとして出力する。
たプリント基板であり、この基板に一定の入出力条件下
で電源投入後、実装表面から赤外線10aが放射され
る。この赤外線aは、実装基板10の実装表面温度変化
が定常状態になるまでの時間、赤外線温度カメラ11に
より2次元走査により集光され、集光された赤外線放射
エネルギーは電圧信号に変換される。赤外線温度カメラ
11の出力側には、変換された電圧信号をさらに電圧ー
温度特性から再変換された実装基板10表面の2次元座
標上の各座標点(画素)の温度値情報bが出力情報とし
て取り出される。赤外線温度カメラ11は、また、実装
基板10の全表面の2次元走査を、あらかじめ設定され
たサンプリング周期で繰り返し、後述する計測停止指示
信号が供給されたとき、その2次元走査を停止する。赤
外線温度カメラ11の出力情報である温度値情報bは差
分演算手段12に供給される。差分演算手段12には、
また、実装基板10の周囲温度を検出する温度検出器1
3の出力情報cが供給され、これらの差分が演算され、
その結果を昇温度情報dとして出力する。
【0027】差分演算手段12の差分温度情報である昇
温度情報dは、濃淡画像化手段14に供給され、ここで
昇温度情報dは256階調の濃淡値に変換される。した
がって濃淡画像化手段14の出力側には、256階調の
濃淡値が2次元配列された温度画像データeが得られ
る。濃淡画像化手段14の出力はその温度画像データe
を一時格納するバッファ15と入力制御手段16に供給
される。入力制御手段16は、供給された温度画像デー
タeを用い、赤外線温度カメラ11による1回の2次元
走査により得られる全画素の濃淡値を合計した累積濃度
値を算出する。この累積濃度値は、あらかじめ設定され
たサンプリング周期で繰り返される赤外線温度カメラ1
1による2次元走査毎に算出され、1周期前のサンプリ
ング時点に得られた温度画像データeの累積濃度値との
差分が演算される。入力制御手段16はこの累積濃度値
の差分演算を、温度画像データeの入力毎に行い、その
結果得られる累積濃度値の差分が連続してあらかじめ設
定された上下限値の範囲内に入った時点で、赤外線温度
カメラ11に計測停止指示信号fを出力する。入力制御
手段16は、また、計測停止指示信号fと同時に動作指
示信号gをバッファ制御手段17に出力する。バッファ
制御手段17は動作指示信号gが供給されると、バッフ
ァ15に格納された各サンプリング周期毎に得られた一
連の温度画像データeである昇温画像データhを取り出
し、これを昇温画像データベ−ス18に格納する。
温度情報dは、濃淡画像化手段14に供給され、ここで
昇温度情報dは256階調の濃淡値に変換される。した
がって濃淡画像化手段14の出力側には、256階調の
濃淡値が2次元配列された温度画像データeが得られ
る。濃淡画像化手段14の出力はその温度画像データe
を一時格納するバッファ15と入力制御手段16に供給
される。入力制御手段16は、供給された温度画像デー
タeを用い、赤外線温度カメラ11による1回の2次元
走査により得られる全画素の濃淡値を合計した累積濃度
値を算出する。この累積濃度値は、あらかじめ設定され
たサンプリング周期で繰り返される赤外線温度カメラ1
1による2次元走査毎に算出され、1周期前のサンプリ
ング時点に得られた温度画像データeの累積濃度値との
差分が演算される。入力制御手段16はこの累積濃度値
の差分演算を、温度画像データeの入力毎に行い、その
結果得られる累積濃度値の差分が連続してあらかじめ設
定された上下限値の範囲内に入った時点で、赤外線温度
カメラ11に計測停止指示信号fを出力する。入力制御
手段16は、また、計測停止指示信号fと同時に動作指
示信号gをバッファ制御手段17に出力する。バッファ
制御手段17は動作指示信号gが供給されると、バッフ
ァ15に格納された各サンプリング周期毎に得られた一
連の温度画像データeである昇温画像データhを取り出
し、これを昇温画像データベ−ス18に格納する。
【0028】上述した赤外線温度カメラ11による実装
基板10表面の計測・画像化は、例えば3カ月毎のよう
に、所定の使用期間経過毎に行われ、得られた昇温画像
データhは経年使用データとして、昇温画像データベ−
ス18に格納される。
基板10表面の計測・画像化は、例えば3カ月毎のよう
に、所定の使用期間経過毎に行われ、得られた昇温画像
データhは経年使用データとして、昇温画像データベ−
ス18に格納される。
【0029】赤外線温度カメラ11による実装基板10
表面の1回の計測・画像化により得られる一連の温度画
像データeである昇温画像データhは、入力制御手段1
6の動作指示信号gにより、画像分割手段19に供給さ
れる。この画像分割手段19には、また、昇温画像デー
タベ−ス18に格納された昇温画像データhの中の、実
装基板0の経年使用上、最も過去の昇温画像データであ
る基準昇温画像データiが入力される。
表面の1回の計測・画像化により得られる一連の温度画
像データeである昇温画像データhは、入力制御手段1
6の動作指示信号gにより、画像分割手段19に供給さ
れる。この画像分割手段19には、また、昇温画像デー
タベ−ス18に格納された昇温画像データhの中の、実
装基板0の経年使用上、最も過去の昇温画像データであ
る基準昇温画像データiが入力される。
【0030】画像分割手段19は入力された昇温画像デ
ータhおよび基準昇温画像データiをそれぞれ実装基板
10表面に想定される複数のマトリクス領域に分割し、
対応するサンプリング時点における対応する分割領域に
属する昇温画像データhおよび基準昇温画像データiか
らなる温度分割画像jを分割領域毎に順次出力し、温度
分布変化量計算手段20に供給する。温度分布変化量計
算手段20は順次供給される温度分割画像jに対し、温
度分割画像jに含まれる昇温画像データhおよび基準昇
温画像データiの対応する画素間の濃淡値の差分である
温度分布変化量データkを演算し、これを劣化判定手段
21に供給する。
ータhおよび基準昇温画像データiをそれぞれ実装基板
10表面に想定される複数のマトリクス領域に分割し、
対応するサンプリング時点における対応する分割領域に
属する昇温画像データhおよび基準昇温画像データiか
らなる温度分割画像jを分割領域毎に順次出力し、温度
分布変化量計算手段20に供給する。温度分布変化量計
算手段20は順次供給される温度分割画像jに対し、温
度分割画像jに含まれる昇温画像データhおよび基準昇
温画像データiの対応する画素間の濃淡値の差分である
温度分布変化量データkを演算し、これを劣化判定手段
21に供給する。
【0031】劣化判定手段21は、入力された温度分布
変化量kをあらかじめ設定されたしきい値と比較し、設
定しきい値以上のデータkが属する分割領域に対応する
実装基板10表面の実装部品を「劣化あり」と判定し、
前記設定しきい値未満のデータkが属する分割領域の実
装部品を「劣化なし」と判定し、これらの結果を判定結
果情報lとして出力する。各分割領域において、劣化判
定手段21が少なくも1つの「劣化あり」との判定結果
情報lを出力した場合、「劣化あり」と判定された分割
領域の位置情報mをマップ作成手段22へ出力する。こ
のマップ作成手段22には、また、実装基板10の可視
画像を格納した可視画像データベース23からの可視画
像データnが入力され、実装基板10の可視画像上の位
置情報mに対応する分割領域がマップ表示されたマップ
表示画像データoが作成され、出力される。
変化量kをあらかじめ設定されたしきい値と比較し、設
定しきい値以上のデータkが属する分割領域に対応する
実装基板10表面の実装部品を「劣化あり」と判定し、
前記設定しきい値未満のデータkが属する分割領域の実
装部品を「劣化なし」と判定し、これらの結果を判定結
果情報lとして出力する。各分割領域において、劣化判
定手段21が少なくも1つの「劣化あり」との判定結果
情報lを出力した場合、「劣化あり」と判定された分割
領域の位置情報mをマップ作成手段22へ出力する。こ
のマップ作成手段22には、また、実装基板10の可視
画像を格納した可視画像データベース23からの可視画
像データnが入力され、実装基板10の可視画像上の位
置情報mに対応する分割領域がマップ表示されたマップ
表示画像データoが作成され、出力される。
【0032】以上のように構成した実施例の作用を図2
により説明する。
により説明する。
【0033】実装基盤10は電源投入から実装部品の発
熱により昇温し、ある時間経過後定常温度(正確には2
次元であるので、定常温度分布)に達する。すなわち、
電源投入(電圧印加)による直流バイアス電流が部品に
流れ、その消費(損失)電力に相当する熱量が発生し部
品が昇温する。電源電圧以外にも入力信号のパターンや
負荷電流による消費電力が加わると、さらに熱量は多く
なる。したがって本実施例においては、電源電圧、入力
信号パターン、負荷電流などの入出力条件を一定に決
め、その条件下での温度分布変化を診断することにす
る。
熱により昇温し、ある時間経過後定常温度(正確には2
次元であるので、定常温度分布)に達する。すなわち、
電源投入(電圧印加)による直流バイアス電流が部品に
流れ、その消費(損失)電力に相当する熱量が発生し部
品が昇温する。電源電圧以外にも入力信号のパターンや
負荷電流による消費電力が加わると、さらに熱量は多く
なる。したがって本実施例においては、電源電圧、入力
信号パターン、負荷電流などの入出力条件を一定に決
め、その条件下での温度分布変化を診断することにす
る。
【0034】図1に示した赤外線温度カメラ11は前述
したように、実装基板10の実装表面温度を計測する。
すなわち、赤外線温度カメラ11は水平、垂直方向に動
くレンズ機構(図示せず)により2次元走査を行い、実
装表面の放射赤外線aを集光する(ステップS1)。赤
外線温度カメラ11はその2次元走査の各走査点におい
て、赤外線のある波長帯での強度(放射エネルギ一)を
起電力(温度信号電圧)に変換する。そして、温度と温
度信号電圧の特性から温度値を換算し、放射率により前
記温度値を補正して温度の絶対値bを決める。これによ
り実装表面の温度分布bが計測できたことになる。以上
の計測は図5に示すように、あらかじめ設定したサンプ
リング周期tsAで逐次計測する(ステップS2)。
したように、実装基板10の実装表面温度を計測する。
すなわち、赤外線温度カメラ11は水平、垂直方向に動
くレンズ機構(図示せず)により2次元走査を行い、実
装表面の放射赤外線aを集光する(ステップS1)。赤
外線温度カメラ11はその2次元走査の各走査点におい
て、赤外線のある波長帯での強度(放射エネルギ一)を
起電力(温度信号電圧)に変換する。そして、温度と温
度信号電圧の特性から温度値を換算し、放射率により前
記温度値を補正して温度の絶対値bを決める。これによ
り実装表面の温度分布bが計測できたことになる。以上
の計測は図5に示すように、あらかじめ設定したサンプ
リング周期tsAで逐次計測する(ステップS2)。
【0035】図1の差分演算手段12では、この温度分
布データbが入力され、この温度分布bの周囲温度cの
影響を除去するため、次式により昇温度dを求める演算
を実行する。
布データbが入力され、この温度分布bの周囲温度cの
影響を除去するため、次式により昇温度dを求める演算
を実行する。
【0036】 d=b−c (1) すなわち、実装表面の温度は周囲温度で変化するが、実
装部品から外気への移動熱量が同じ場合,その実装表面
の昇温度も同じである。これは,熱伝達が次式で与えら
れることから、熱量Qが同じ場合、熱伝達率ha、表面
積Aが一定であるため、昇温度dも同じになることがわ
かる。
装部品から外気への移動熱量が同じ場合,その実装表面
の昇温度も同じである。これは,熱伝達が次式で与えら
れることから、熱量Qが同じ場合、熱伝達率ha、表面
積Aが一定であるため、昇温度dも同じになることがわ
かる。
【0037】 Q=haxAXd (2) 以上より周囲温度cに依存しない実装部品の発熱を特徴
付ける物理量として昇温度dを使用する。周囲温度cは
実装基板10の周囲温度であり、温度検出器13により
検出する。
付ける物理量として昇温度dを使用する。周囲温度cは
実装基板10の周囲温度であり、温度検出器13により
検出する。
【0038】温度検出器13は熱電対回路と読み取り装
置で構成する。読み取り装置は熱電対回路の出力電圧を
使用熱電対に対する熱起電力の温度特性から温度値cに
変換し、差分演算手段12へ出力する(ステップS
3)。
置で構成する。読み取り装置は熱電対回路の出力電圧を
使用熱電対に対する熱起電力の温度特性から温度値cに
変換し、差分演算手段12へ出力する(ステップS
3)。
【0039】濃淡画像化手段14は2次元分布上の各昇
温度dを入力とし、昇温度dを濃淡値に変換する。この
濃淡値は濃淡デジタル画像の画素値である。本実施例で
は、256階調の濃淡値で温度画像を表現する。変換方
法を図3に示す。図3は一例であるが、昇温度上限を1
00゜Cと設定した場合、次式で変換できる。
温度dを入力とし、昇温度dを濃淡値に変換する。この
濃淡値は濃淡デジタル画像の画素値である。本実施例で
は、256階調の濃淡値で温度画像を表現する。変換方
法を図3に示す。図3は一例であるが、昇温度上限を1
00゜Cと設定した場合、次式で変換できる。
【0040】 D=[θ×d]、 θ=255/100=2.55 (3) 但し、Dは濃淡値、θは変換係数、dは昇温度(℃)、
[]はガウス記号を示す。(3)式で得られる濃淡値D
を2次元配列データとして、図1のバッファ15にファ
イルにする。図4はそのデータファイルの様子を図4に
示す。実装基盤10の実装表面10SにX−Y軸座標系
を設定し、赤外線温度カメラ11の2次元走査解像度と
同様の解像度を座標格子間隔とする。座標点(同図中の
黒丸点)が画像の画素点となり,その画素値が濃淡値D
である。実装表面10Sの濃淡値Dはこの座標配列で1
個のデータファイルとして扱われる。以下ではこのデー
タファイルを濃淡画像または温度画像と呼ぶ(ステップ
S4)。
[]はガウス記号を示す。(3)式で得られる濃淡値D
を2次元配列データとして、図1のバッファ15にファ
イルにする。図4はそのデータファイルの様子を図4に
示す。実装基盤10の実装表面10SにX−Y軸座標系
を設定し、赤外線温度カメラ11の2次元走査解像度と
同様の解像度を座標格子間隔とする。座標点(同図中の
黒丸点)が画像の画素点となり,その画素値が濃淡値D
である。実装表面10Sの濃淡値Dはこの座標配列で1
個のデータファイルとして扱われる。以下ではこのデー
タファイルを濃淡画像または温度画像と呼ぶ(ステップ
S4)。
【0041】濃淡画像化手段14は濃淡画像である温度
画像データeをバッファ15に格納するとともに、入力
制御手段16にも出力する。バッファ15は温度画像を
一時格納するメモリRAMてある(ステップS5)。
画像データeをバッファ15に格納するとともに、入力
制御手段16にも出力する。バッファ15は温度画像を
一時格納するメモリRAMてある(ステップS5)。
【0042】入力制御手段16は温度画像データeが入
力され、実装基盤10の実装表面の温度上昇である昇温
度dが定常状態になったかどうか判別し、定常状態と判
別すれば赤外線温度カメラ11による計測を停止する。
この動作を図5に基づき説明する。入力制御手段16に
濃淡画像化手段14から温度画像データeを入力する
と、まず温度両像データeの累積濃度値TDを計数す
る。ここで、累積濃度値TDを、温度画像における昇温
度を表す濃淡画素値を全画素について合計した総濃淡値
と定義する。
力され、実装基盤10の実装表面の温度上昇である昇温
度dが定常状態になったかどうか判別し、定常状態と判
別すれば赤外線温度カメラ11による計測を停止する。
この動作を図5に基づき説明する。入力制御手段16に
濃淡画像化手段14から温度画像データeを入力する
と、まず温度両像データeの累積濃度値TDを計数す
る。ここで、累積濃度値TDを、温度画像における昇温
度を表す濃淡画素値を全画素について合計した総濃淡値
と定義する。
【0043】この定義に基づき,累積濃度値TDは次式
で計算する。
で計算する。
【0044】 但し,E[X、Y]は温度画像データeの座標(x、
y)における濃淡値、MはX軸(水平軸)方向の画素
数、NはY軸(垂直軸)方向の画素数である。
y)における濃淡値、MはX軸(水平軸)方向の画素
数、NはY軸(垂直軸)方向の画素数である。
【0045】赤外線温度カメラ11は実装基盤10の表
面温度をサンプリング周期tSAで繰り返し計測する。し
たがって図5に示されるように、サンプリング周期tSA
間隔の「温度上昇する実装表面10Sの温度画像」(e
l、e2、・・)が得られる。同図はまた、実装表面10
Sが温度上昇を継続する昇温時間tA とサンプリング周
期tSA間隔で得られる温度画像(el,e2,・・・)、及
びその画像データから計算した累積濃度値TDの変化の
様子、すなわち、累積濃度変化の過渡応答を示してい
る。
面温度をサンプリング周期tSAで繰り返し計測する。し
たがって図5に示されるように、サンプリング周期tSA
間隔の「温度上昇する実装表面10Sの温度画像」(e
l、e2、・・)が得られる。同図はまた、実装表面10
Sが温度上昇を継続する昇温時間tA とサンプリング周
期tSA間隔で得られる温度画像(el,e2,・・・)、及
びその画像データから計算した累積濃度値TDの変化の
様子、すなわち、累積濃度変化の過渡応答を示してい
る。
【0046】入力制御手段16は、各サンプリング時点
で計測・画像化された温度画像データeの累積濃度値T
Dを計算し、1周期前のサンプリング時点の温度画像デ
ータeに対して計算した累積濃度値TDとの差分(変化
量)を逐次計算する。そしてこの変化量が設定したしき
い値の上下限範囲内に入れば実装表面10Sの昇温度d
が定常状態てあると判別する。
で計測・画像化された温度画像データeの累積濃度値T
Dを計算し、1周期前のサンプリング時点の温度画像デ
ータeに対して計算した累積濃度値TDとの差分(変化
量)を逐次計算する。そしてこの変化量が設定したしき
い値の上下限範囲内に入れば実装表面10Sの昇温度d
が定常状態てあると判別する。
【0047】いま、図5において、サンプリング時点t
A1、tA2における前記累積濃度変化量ΔTD[2]は、 ΔTD[2]=TD2−TD1 (5) 但し、TD1およびTD2はそれぞれサンプリング時点
tA1、tA2で得られた温度画像データe1およびe2の
累積濃度値である(ステップS6)。そして累積濃度変
化量を各サンプリング時点で逐次計算し、次式の論理積
条件が真となれば実装表面10Sの昇温度は定常と判別
する。
A1、tA2における前記累積濃度変化量ΔTD[2]は、 ΔTD[2]=TD2−TD1 (5) 但し、TD1およびTD2はそれぞれサンプリング時点
tA1、tA2で得られた温度画像データe1およびe2の
累積濃度値である(ステップS6)。そして累積濃度変
化量を各サンプリング時点で逐次計算し、次式の論理積
条件が真となれば実装表面10Sの昇温度は定常と判別
する。
【0048】 (しきい値>|ΔTD[u]|)AND(u=z、z+1、z+2 、・・z+Mu-1) (6) 但し、|ΔTD[u]|はサンプリング時点tAu、t
Au-1間の温度画像の累積濃度変化量、u、zは任意の整
数、Muは連続して|ΔTD[u]|がしきい値内に入
る回数である。すなわち、(6)式は入力制御手段16
で逐次計算した累積濃度変化量が設定したしきい値上下
限範囲内に連続してMu回入れば実装表面10Sの2次
元分布する各昇温度が定常状態と判別することを意味し
ている。この(6)式が真となると、入力制御手段16
は計測停止指示信号fを赤外線温度カメラ11に出力す
る。赤外線温度カメラ11は信号fを受け取ると計測を
停止する(ステップS7)。
Au-1間の温度画像の累積濃度変化量、u、zは任意の整
数、Muは連続して|ΔTD[u]|がしきい値内に入
る回数である。すなわち、(6)式は入力制御手段16
で逐次計算した累積濃度変化量が設定したしきい値上下
限範囲内に連続してMu回入れば実装表面10Sの2次
元分布する各昇温度が定常状態と判別することを意味し
ている。この(6)式が真となると、入力制御手段16
は計測停止指示信号fを赤外線温度カメラ11に出力す
る。赤外線温度カメラ11は信号fを受け取ると計測を
停止する(ステップS7)。
【0049】以上のステップS1−S7(プロセスP
I)は、実装表面10Sが定常状態になるまで繰り返し
実行される。
I)は、実装表面10Sが定常状態になるまで繰り返し
実行される。
【0050】さらに、(6)式が真となると、入力制御
手段16はバッファ制御手段17に動作指示信号gを出
力する。バッファ制御手段17は信号gが入力される
と、バッファ15に一時格納された昇温画像データh
(実装表面10Sが定常温度分布に達するまでに計測・
画像化した全温度画像データ)を取り出し、これを画像
分割手段19と昇温画像データベース18に出力する。
このようにバッファ制御手段17は入力制御手段16か
らの動作命令を受けてデータの流れを制御するゲート機
能を実現している(ステップS8)。
手段16はバッファ制御手段17に動作指示信号gを出
力する。バッファ制御手段17は信号gが入力される
と、バッファ15に一時格納された昇温画像データh
(実装表面10Sが定常温度分布に達するまでに計測・
画像化した全温度画像データ)を取り出し、これを画像
分割手段19と昇温画像データベース18に出力する。
このようにバッファ制御手段17は入力制御手段16か
らの動作命令を受けてデータの流れを制御するゲート機
能を実現している(ステップS8)。
【0051】画像分割手段19はバッファ制御手段17
から昇温画像データhが入力されると同時に、実装基板
10の経年使用上、最も過去に計測した基準昇温画像デ
ータiを昇温画像データベース18から取り出し、入力
される。基準昇温画像データiとして、実装基板10の
経年使用上最も過去に計測した昇温画像データを基準に
する理由は、劣化の程度がもっとも小さい状態時の実装
基板10の昇温画像データと現在の昇温画像データを比
較することにより、劣化進行の程度が感度よく検出でき
るためである。しかし、経年上未使用時の実装基板10
の昇温画像データが得られているならば,この未使用時
の昇温画像データを基準とすることにより、もっとも高
い劣化検出感度が得られることは、いうまでもない(ス
テップS9)。
から昇温画像データhが入力されると同時に、実装基板
10の経年使用上、最も過去に計測した基準昇温画像デ
ータiを昇温画像データベース18から取り出し、入力
される。基準昇温画像データiとして、実装基板10の
経年使用上最も過去に計測した昇温画像データを基準に
する理由は、劣化の程度がもっとも小さい状態時の実装
基板10の昇温画像データと現在の昇温画像データを比
較することにより、劣化進行の程度が感度よく検出でき
るためである。しかし、経年上未使用時の実装基板10
の昇温画像データが得られているならば,この未使用時
の昇温画像データを基準とすることにより、もっとも高
い劣化検出感度が得られることは、いうまでもない(ス
テップS9)。
【0052】画像分割手段19は昇温画像データhの全
温度画像と基準昇温画像データiの全温度画像を同じ分
割数、分割領域で分割するが、この様子を図6に示す。
図6は実装基板10の実装表面10Sの温度分布を示す
概略図で、図TBOはZ軸方向が温度値を表す3次元座
標に濃淡値の分布を示し、また、図TMBは温度分布を
等温線で表示した鳥観図である。これらの図では、温度
分布はそれぞれ16分割されている。任意の分割領域M
Bの座標点はP11、P12、P13、P14である。
ここでは16分割であるが分割数は実装基板10の実装
密度に比例して他の分割数に設定してもよいことはいう
までもない。
温度画像と基準昇温画像データiの全温度画像を同じ分
割数、分割領域で分割するが、この様子を図6に示す。
図6は実装基板10の実装表面10Sの温度分布を示す
概略図で、図TBOはZ軸方向が温度値を表す3次元座
標に濃淡値の分布を示し、また、図TMBは温度分布を
等温線で表示した鳥観図である。これらの図では、温度
分布はそれぞれ16分割されている。任意の分割領域M
Bの座標点はP11、P12、P13、P14である。
ここでは16分割であるが分割数は実装基板10の実装
密度に比例して他の分割数に設定してもよいことはいう
までもない。
【0053】画像分割手段19は分割温度画像データj
を温度分布変化量計算手段20へ出力する(ステップS
10)。
を温度分布変化量計算手段20へ出力する(ステップS
10)。
【0054】温度分布変化量計算手段20は、画像分割
手段19から入力された分割温度画像jに含まれる昇温
画像データhと基準昇温画像データiに対して同じ分割
領域、同じサンプリング時点の分割温度画像間の温度分
布変化量を計算する。ここで、2枚の分割温度画像間で
「温度分布の特徴がどのように異なるか」を定量化した
ものが温度分布変化量である。温度分布の特徴には温度
分布の分布形状と温度の大きさがある。したがって温度
分布の特徴を定量化し、その定量値の差分を温度分布変
化量とする。図7によりこの温度分布変化量を説明す
る。
手段19から入力された分割温度画像jに含まれる昇温
画像データhと基準昇温画像データiに対して同じ分割
領域、同じサンプリング時点の分割温度画像間の温度分
布変化量を計算する。ここで、2枚の分割温度画像間で
「温度分布の特徴がどのように異なるか」を定量化した
ものが温度分布変化量である。温度分布の特徴には温度
分布の分布形状と温度の大きさがある。したがって温度
分布の特徴を定量化し、その定量値の差分を温度分布変
化量とする。図7によりこの温度分布変化量を説明す
る。
【0055】図7は実装基板10の例えば数か月の間隔
で選定された期日tB1〜tB3において実装基板10を計
測・画像化(以下では診断という。)して得られた昇温
画像データFB1〜FB3を示す図である。ここで、基
準昇温画像データをFB1とすると、昇温画像データF
B2、FB3はFB1と比較され、温度分布変化量が計
算される。
で選定された期日tB1〜tB3において実装基板10を計
測・画像化(以下では診断という。)して得られた昇温
画像データFB1〜FB3を示す図である。ここで、基
準昇温画像データをFB1とすると、昇温画像データF
B2、FB3はFB1と比較され、温度分布変化量が計
算される。
【0056】また、図中のIB11〜IB35は実装基
板10における同じ分割領域の温度画像すなわち分割温
度画像であり、昇温画像データFB1〜FB3の分割温
度画像である。これらはまた、昇温時間tA1〜tA5のサ
ンプリング時に得られた分割温度画像である。分割温度
画像IB11〜IB35は、また、累積濃度値TDと昇
温時間tA のグラフ上に示されている。
板10における同じ分割領域の温度画像すなわち分割温
度画像であり、昇温画像データFB1〜FB3の分割温
度画像である。これらはまた、昇温時間tA1〜tA5のサ
ンプリング時に得られた分割温度画像である。分割温度
画像IB11〜IB35は、また、累積濃度値TDと昇
温時間tA のグラフ上に示されている。
【0057】ここで、基準昇温画像データFB1と同じ
分割領域、同じサンプリング時の分割温度画像間の温度
分布変化量を計算する。例えば、昇温時間tA1のサンプ
リング時において、昇温画像データFB2の分割温度画
像IB21では、基準昇温画像データFB1の分割温度
画像IB11との温度分布変化量C1を計算する。ま
た、昇温画像データFB3の分割温度画像IB31で
は、基準昇温画像デ一タFB1の分割温度画像IB11
との温度分布変化量C2を計算する。これを各昇温時間
tA1〜tA5について同様に計算する。
分割領域、同じサンプリング時の分割温度画像間の温度
分布変化量を計算する。例えば、昇温時間tA1のサンプ
リング時において、昇温画像データFB2の分割温度画
像IB21では、基準昇温画像データFB1の分割温度
画像IB11との温度分布変化量C1を計算する。ま
た、昇温画像データFB3の分割温度画像IB31で
は、基準昇温画像デ一タFB1の分割温度画像IB11
との温度分布変化量C2を計算する。これを各昇温時間
tA1〜tA5について同様に計算する。
【0058】図8は以上の計算により得られる結果を、
表RSとして示す図である。同図においては、診断日t
B2において計算した昇温画像データFB2と基準昇温画
像データFB1間の全分割領域に対する温度分布変化量
を示している。すなわち、B1は診断日tB1まで使用し
た実装基板10、または、経年使用してない実装基板1
0の温度画像を表し、これらの実装基板10を、さら
に、診断日tB1から診断日tB2まで経年使用した状態の
温度画像をB2で表している。
表RSとして示す図である。同図においては、診断日t
B2において計算した昇温画像データFB2と基準昇温画
像データFB1間の全分割領域に対する温度分布変化量
を示している。すなわち、B1は診断日tB1まで使用し
た実装基板10、または、経年使用してない実装基板1
0の温度画像を表し、これらの実装基板10を、さら
に、診断日tB1から診断日tB2まで経年使用した状態の
温度画像をB2で表している。
【0059】さらに、温度画像B1、B2には、それぞ
れ16分割された分割領域MB[1]〜MB[16]が
示されている。いま温度画像B1、B2がサンプリング
時tA2の温度画像とすると、例えば分割領域MB[1
2]の分割温度画像IB12、IB22に対し温度分布
変化量がC[2、12]であるとすると、表RSの列t
A2、行MB[12]の要素にC[2、1]が入る。
れ16分割された分割領域MB[1]〜MB[16]が
示されている。いま温度画像B1、B2がサンプリング
時tA2の温度画像とすると、例えば分割領域MB[1
2]の分割温度画像IB12、IB22に対し温度分布
変化量がC[2、12]であるとすると、表RSの列t
A2、行MB[12]の要素にC[2、1]が入る。
【0060】以上のように分割領域MB[1]〜MB
[16]、昇温時間tA1〜tA5について温度分布変化量
C[u、v](u=1〜5、V=1〜16)を計算す
る。その結果を表にまとめると表RSになる。この結果
RSは診断日毎に計算される(ステップSll)。
[16]、昇温時間tA1〜tA5について温度分布変化量
C[u、v](u=1〜5、V=1〜16)を計算す
る。その結果を表にまとめると表RSになる。この結果
RSは診断日毎に計算される(ステップSll)。
【0061】次に,温度分布変化量の計算方法を4つの
具体例で述べる。温度分布変化量は基準昇温画像データ
iと診断時の昇温画像データhにおいて、同じサンプリ
ング時、同じ分割領域の分割温度画像間の温度分布変化
量である。なお、以下の説明で表RSに示す行要素u
(サンプリング時点tAu)と列要素v(分割領域MB
[v])のマトリックス位置を2次元配列[u、v]で
表記する。
具体例で述べる。温度分布変化量は基準昇温画像データ
iと診断時の昇温画像データhにおいて、同じサンプリ
ング時、同じ分割領域の分割温度画像間の温度分布変化
量である。なお、以下の説明で表RSに示す行要素u
(サンプリング時点tAu)と列要素v(分割領域MB
[v])のマトリックス位置を2次元配列[u、v]で
表記する。
【0062】<温度分布変化量の計算具体例1>この具
体例1においては、累積濃度値TDを利用する。累積濃
度値TDは実装表面10Sから放射される熱量の総和を
代替(又は比例する)するものである。言い換えると累
積濃度値TDは全濃淡値の総和であるので、温度分布の
温度レベルの総和と言える。この累積濃度値TDを温度
分布の定量値に採用する。よって温度分布変化量C
[u、v]は次式で計算する。
体例1においては、累積濃度値TDを利用する。累積濃
度値TDは実装表面10Sから放射される熱量の総和を
代替(又は比例する)するものである。言い換えると累
積濃度値TDは全濃淡値の総和であるので、温度分布の
温度レベルの総和と言える。この累積濃度値TDを温度
分布の定量値に採用する。よって温度分布変化量C
[u、v]は次式で計算する。
【0063】 C[u、v]−|TD[u、v]−TDs[u、v]| (7) 但し、TD[u、v]は診断時のサンプリング時点
tAv、分割領域MB[v]の分割温度画像の累積濃度値
TD、TDS [u、v]は基準昇温画像データのサンプ
リング時点tAv、分割領域MB[v]の分割温度画像の
累積濃度値TD、そして||は絶対値である。
tAv、分割領域MB[v]の分割温度画像の累積濃度値
TD、TDS [u、v]は基準昇温画像データのサンプ
リング時点tAv、分割領域MB[v]の分割温度画像の
累積濃度値TD、そして||は絶対値である。
【0064】また、類似の方法として画像間の同一座標
の画素濃淡値を差分し、これを全画素で同様に計算し、
それら差分値の2乗和の平均(2乗平均)を温度分布変
化量としても良い。これを次式に示す。
の画素濃淡値を差分し、これを全画素で同様に計算し、
それら差分値の2乗和の平均(2乗平均)を温度分布変
化量としても良い。これを次式に示す。
【0065】
【数1】 但し、F[u、v][x、y]は基準昇温画像データの
サンプリング時点tAu、分割領域MB[v]における座
標(x、y)の濃淡値、G[u、v][x、y]は診断
時のサンプリング時点tAu、分割領域MB[v]におけ
る座標(x、y)の濃淡値であり、図8の分割数16を
例にするとv=1〜16である。また、Mは分割領域M
B[v]の分割温度画像の水平画素数であり、Nは分割
領域MB[v]の分割温度画像の垂直画素数である。
サンプリング時点tAu、分割領域MB[v]における座
標(x、y)の濃淡値、G[u、v][x、y]は診断
時のサンプリング時点tAu、分割領域MB[v]におけ
る座標(x、y)の濃淡値であり、図8の分割数16を
例にするとv=1〜16である。また、Mは分割領域M
B[v]の分割温度画像の水平画素数であり、Nは分割
領域MB[v]の分割温度画像の垂直画素数である。
【0066】なお、この方法は、(7)式による方法に
比較してよりは温度変化検出感度は低くなる。
比較してよりは温度変化検出感度は低くなる。
【0067】<温度分布変化量の計算具体例2>分割画
像間の相互相関係数を温度分布変化量とする。相互相関
係数r[u、v]は次式で計算できる。
像間の相互相関係数を温度分布変化量とする。相互相関
係数r[u、v]は次式で計算できる。
【0068】
【数2】 ここで、r[u、v]は画像F[u、v]と画像G
[u、v]間の相互相関係数、F[u、v][x、y]
は基準昇温画像データのサンプリング時点tAu分割領域
MB[v]におけ分割温度画像F[u、v]の座標
(x、y)の濃淡値G[u、v][x、y]は診断時の
サンプリング時点tAu、分割領域MB[v]における分
割温度画像G[u、v]の座標(x、y)の濃淡値であ
り、図8図の分割数16を例にするとv=1〜16であ
る。また、Mは分割領域MB[v]の分割温度画像の水
平画素数、Nは分割領域MB[v]の分割温度画像の垂
直画素数である。
[u、v]間の相互相関係数、F[u、v][x、y]
は基準昇温画像データのサンプリング時点tAu分割領域
MB[v]におけ分割温度画像F[u、v]の座標
(x、y)の濃淡値G[u、v][x、y]は診断時の
サンプリング時点tAu、分割領域MB[v]における分
割温度画像G[u、v]の座標(x、y)の濃淡値であ
り、図8図の分割数16を例にするとv=1〜16であ
る。また、Mは分割領域MB[v]の分割温度画像の水
平画素数、Nは分割領域MB[v]の分割温度画像の垂
直画素数である。
【0069】相互相関係数は温度濃淡画像の代わりに、
温度分布の等温線図を利用する方法もある。等温線図は
温度分布形状を表すので,この等温線図の画像間の相互
相関係数が形状変化の定量値と考えられる。この相互相
関係数を温度分布変化量として扱ってもよい。等温線図
は図6のTMBに示した。等温線図は濃淡画像でなく、
2値化画像(濃淡2色の画像で、通常、黒と白で構成)
である。この等温線図は図6の温度分布の鳥瞰図TB0
を一定の温度(濃淡)間隔で平面上のスライスすること
により、鳥瞰図と平面の切り口線を等温線(黒)とした
図てある。
温度分布の等温線図を利用する方法もある。等温線図は
温度分布形状を表すので,この等温線図の画像間の相互
相関係数が形状変化の定量値と考えられる。この相互相
関係数を温度分布変化量として扱ってもよい。等温線図
は図6のTMBに示した。等温線図は濃淡画像でなく、
2値化画像(濃淡2色の画像で、通常、黒と白で構成)
である。この等温線図は図6の温度分布の鳥瞰図TB0
を一定の温度(濃淡)間隔で平面上のスライスすること
により、鳥瞰図と平面の切り口線を等温線(黒)とした
図てある。
【0070】<温度分布変化量の計算具体例3>画像の
フラクタル次元で温度分布を定量化し、画像間のフラク
タル次元の差を温度分布分変化量とする方法を述べる。
フラクタル次元は図形の複雑さを表現する指標である。
画像に適用するならば、画像濃淡曲面(図6の鳥瞰図で
示される曲面)の起伏の複雑さを表す特徴量となる。よ
って,温度画像が示す温度分布(濃淡曲面)の形状の定
量値として扱える。フラクタル次元は以下のように計算
できる。
フラクタル次元で温度分布を定量化し、画像間のフラク
タル次元の差を温度分布分変化量とする方法を述べる。
フラクタル次元は図形の複雑さを表現する指標である。
画像に適用するならば、画像濃淡曲面(図6の鳥瞰図で
示される曲面)の起伏の複雑さを表す特徴量となる。よ
って,温度画像が示す温度分布(濃淡曲面)の形状の定
量値として扱える。フラクタル次元は以下のように計算
できる。
【0071】画像濃淡曲面を一辺の画素間隔がrP 画素
の立方体で被覆する場合に必要な個数をN(rP )個と
すると、スケールrP によらず、 N(rP )×rP H =CN、 (10) ただし、CNは定数 (10)が成立す
るHを求める。このHがフラクタル次元と呼ばれてい
る。
の立方体で被覆する場合に必要な個数をN(rP )個と
すると、スケールrP によらず、 N(rP )×rP H =CN、 (10) ただし、CNは定数 (10)が成立す
るHを求める。このHがフラクタル次元と呼ばれてい
る。
【0072】水平rP 画素、垂直rP 画素の正方形領域
を単位領域とすると、画像上でこの単位領域上の濃淡曲
面を被覆するのに必要な画素間隔rP の立方休の個数を
n(rP )とすると、
を単位領域とすると、画像上でこの単位領域上の濃淡曲
面を被覆するのに必要な画素間隔rP の立方休の個数を
n(rP )とすると、
【数3】 但し、floor{}は{}内を切り捨て整数化する関
数と定義され、fD [x]は単位領域(rP ×rP )の
四隅の座標(x=1、2、3、4)であり、MAXは4点
fD [x]の濃淡値の最大値、MINは4点fD [x]の
濃淡値の最小値である。
数と定義され、fD [x]は単位領域(rP ×rP )の
四隅の座標(x=1、2、3、4)であり、MAXは4点
fD [x]の濃淡値の最大値、MINは4点fD [x]の
濃淡値の最小値である。
【0073】いま、画像面積S内のすべての単位領域で
上記n(rP )を計算し、その平均値n(rP )によ
り、N(rP )が次式で計算される。
上記n(rP )を計算し、その平均値n(rP )によ
り、N(rP )が次式で計算される。
【0074】
【数4】 また,(10)式の両辺の対数をとると、
【数5】 任意のスケールrP に対する個数N(rP )を計算し、
結果(log10rP 、log10N(rP )のデータをプ
ロットしたグラフから最小二乗法で線形近似すれば、そ
の傾きが−Hの推定値となる。
結果(log10rP 、log10N(rP )のデータをプ
ロットしたグラフから最小二乗法で線形近似すれば、そ
の傾きが−Hの推定値となる。
【0075】フラクタル次元は相互相関係数のところで
も述べたように、等温線図にも同様に適用してもよい。
も述べたように、等温線図にも同様に適用してもよい。
【0076】<温度分布変化量の計算具体例4>分割領
域での代表点またはピーク温度点を使用する方法を述べ
る。分割数が大きい場合、分割領域は小領域になる。こ
のような場合、温度分布変化量は近似的に代表点または
ピーク温度点の温度値(濃淡値)の変化量で代用しても
十分変化量を捕まえることができる。また、分割を実装
基板10の実装部品単位で行う場合、その部品のピーク
温度点にだけ着目し、分布情報を切り捨てる方法もあ
る。本計算具体例4は分布の定量化とは言い難いが、温
度変化による劣化検出が十分に確保出来る場合、本方法
は画像演算時間を大幅に短縮できるメリットがある。
域での代表点またはピーク温度点を使用する方法を述べ
る。分割数が大きい場合、分割領域は小領域になる。こ
のような場合、温度分布変化量は近似的に代表点または
ピーク温度点の温度値(濃淡値)の変化量で代用しても
十分変化量を捕まえることができる。また、分割を実装
基板10の実装部品単位で行う場合、その部品のピーク
温度点にだけ着目し、分布情報を切り捨てる方法もあ
る。本計算具体例4は分布の定量化とは言い難いが、温
度変化による劣化検出が十分に確保出来る場合、本方法
は画像演算時間を大幅に短縮できるメリットがある。
【0077】ステップ11において温度分布変化量が計
算された後、図1の劣化判定手段21には温度分布変化
量(k)が入力され、ここでしきい値比較により劣化が
あるかどうか判定される。すなわち、分割領域MB
[v](但し、v=1〜MN 、MN は分割数)におい
て、しきい値L[u、v]に対し、 L[u、v]−(温度分布変化量)C[u、v]≦0 (14) となるC[u、v]一個でも存在する場合、分割領域M
B[v]に「劣化あり」と判定し、 L[u、v]−(温度分布変化量)C[u、v]>0 (15) がすべてのC[u、v]について成立する場合、分割領
域MB[v]に「劣化なし」と判定する。但し、(1
4)(15)式において。V=1〜tN 、tN tはサン
プリング回数である。また、しきい値L[u、v]は分
割領域MB[v]の昇温時間(サンプリング時tA )固
有の値である。すなわち,図8において表RS中の温度
分布変化量C[u、v]、(u=l〜5、v=1〜1
6)を各々固有のしきい値L[u、v]、(u=l〜
5、v=1〜16)と差分し、差分値の正負により劣化
を判定する。
算された後、図1の劣化判定手段21には温度分布変化
量(k)が入力され、ここでしきい値比較により劣化が
あるかどうか判定される。すなわち、分割領域MB
[v](但し、v=1〜MN 、MN は分割数)におい
て、しきい値L[u、v]に対し、 L[u、v]−(温度分布変化量)C[u、v]≦0 (14) となるC[u、v]一個でも存在する場合、分割領域M
B[v]に「劣化あり」と判定し、 L[u、v]−(温度分布変化量)C[u、v]>0 (15) がすべてのC[u、v]について成立する場合、分割領
域MB[v]に「劣化なし」と判定する。但し、(1
4)(15)式において。V=1〜tN 、tN tはサン
プリング回数である。また、しきい値L[u、v]は分
割領域MB[v]の昇温時間(サンプリング時tA )固
有の値である。すなわち,図8において表RS中の温度
分布変化量C[u、v]、(u=l〜5、v=1〜1
6)を各々固有のしきい値L[u、v]、(u=l〜
5、v=1〜16)と差分し、差分値の正負により劣化
を判定する。
【0078】例えば、表RSに示す温度分布変化量(C
[3、5]、C[4、5]、C[5、5]、C[2、
8])が(14)式を満たし、他の温度分布変化量が(1
7)式を満たしたとすると、上記判定に従い、分割領域
MB[5]、MB[8]で「劣化あり」、他の分割領域
では「劣化なし」と判定されることになる。
[3、5]、C[4、5]、C[5、5]、C[2、
8])が(14)式を満たし、他の温度分布変化量が(1
7)式を満たしたとすると、上記判定に従い、分割領域
MB[5]、MB[8]で「劣化あり」、他の分割領域
では「劣化なし」と判定されることになる。
【0079】ここで、しきい値L[u、v]の決定方法
について説明する。
について説明する。
【0080】実装基板10と同種の実装基板を強制的に
劣化させ、本実施例で示した測定方法により、この劣化
の前後の実装基板の昇温画像データから温度分布変化量
Cr[u、v]を計算しておく。この温度分布変化量C
r[u、v]と実装基盤10が劣化した場合に示す温度
分布変化量C[u、v]は、これらの基板が同種である
ため同じと判断し、温度分布変化量Cr[u、v]をし
きい値L[u、v]に採用する。上述した強制的に劣化
させる手段としては、具体的には実装基板にサージ、過
電圧等を故意に印加させることにより劣化状態を模擬す
る。また、温湿度ストレスによる加速試験て経年劣化さ
せてもよい。また、強制的に劣化させる実装基板には、
できるだけ実装基板10と同じ使用状態(経年使用時
間,使用環境)のものを使う。実装基板10を搭載した
装置が複数台、工場や電力設備で稼働しているようなケ
ースでは、実装基板10と同じ使用状態の同種基板を装
置から取り出し入手できる。
劣化させ、本実施例で示した測定方法により、この劣化
の前後の実装基板の昇温画像データから温度分布変化量
Cr[u、v]を計算しておく。この温度分布変化量C
r[u、v]と実装基盤10が劣化した場合に示す温度
分布変化量C[u、v]は、これらの基板が同種である
ため同じと判断し、温度分布変化量Cr[u、v]をし
きい値L[u、v]に採用する。上述した強制的に劣化
させる手段としては、具体的には実装基板にサージ、過
電圧等を故意に印加させることにより劣化状態を模擬す
る。また、温湿度ストレスによる加速試験て経年劣化さ
せてもよい。また、強制的に劣化させる実装基板には、
できるだけ実装基板10と同じ使用状態(経年使用時
間,使用環境)のものを使う。実装基板10を搭載した
装置が複数台、工場や電力設備で稼働しているようなケ
ースでは、実装基板10と同じ使用状態の同種基板を装
置から取り出し入手できる。
【0081】図1の劣化判定手段21では、(14)、
(15)式で分割領域に一カ所でも「劣化あり」と判定
すると,「実装基板10に劣化あり」との結果を、ま
た、そうでない場合、「実装基板10に劣化なし」との
2値の結果(l)を外部へ出力する。また、劣化がある
場合、劣化のある分割領域の位置情報(m)をマップ作
成手段22へ出力する(ステップS12、13)。
(15)式で分割領域に一カ所でも「劣化あり」と判定
すると,「実装基板10に劣化あり」との結果を、ま
た、そうでない場合、「実装基板10に劣化なし」との
2値の結果(l)を外部へ出力する。また、劣化がある
場合、劣化のある分割領域の位置情報(m)をマップ作
成手段22へ出力する(ステップS12、13)。
【0082】マップ作成手段22は劣化のある分割領域
の箇所情報(m)の入力で動作し、実装基板10の可視
画像(n)を可視画像データベース23から取り出す。
可視画像データベース23は本実施例の診断対象となる
実装基板10のすべての可視画像(光学写真像)を格納
している(ステップSI4)。マップ作成手段22は
「劣化あり」と判定された分割領域と同じ可視画像の領
域にマークを図示する。領域のマークは輪線でも、領域
を別色で重ね合わせ表示してもよい(ステップS1
5)。マップ作成手段22は劣化領域をマークした可視
画像(o)を外部へ出力する。
の箇所情報(m)の入力で動作し、実装基板10の可視
画像(n)を可視画像データベース23から取り出す。
可視画像データベース23は本実施例の診断対象となる
実装基板10のすべての可視画像(光学写真像)を格納
している(ステップSI4)。マップ作成手段22は
「劣化あり」と判定された分割領域と同じ可視画像の領
域にマークを図示する。領域のマークは輪線でも、領域
を別色で重ね合わせ表示してもよい(ステップS1
5)。マップ作成手段22は劣化領域をマークした可視
画像(o)を外部へ出力する。
【0083】以上のプロセスにより、実装基盤10に劣
化が認められるかどうかの判定(l)と劣化がある場合
に劣化領域をマークした可視画像(o)が診断結果とし
て得られる(ステップS16)。
化が認められるかどうかの判定(l)と劣化がある場合
に劣化領域をマークした可視画像(o)が診断結果とし
て得られる(ステップS16)。
【0084】以上説明した実施例によれば、実装基板の
昇温時の温度画像を画像分割してそれらの個々を劣化評
価するので、劣化領域の特定が可能になる。また、実装
基板の全昇温過程(温度の過渡応答から定常まで)を劣
化評価の対象にするので、定常状態では判断できない部
品劣化を感度よく検出できる。
昇温時の温度画像を画像分割してそれらの個々を劣化評
価するので、劣化領域の特定が可能になる。また、実装
基板の全昇温過程(温度の過渡応答から定常まで)を劣
化評価の対象にするので、定常状態では判断できない部
品劣化を感度よく検出できる。
【0085】ここで、定常状態では判断できない部品劣
化は例えば、自己発熱の大きな発熱部品(ICではパワ
ートランジスタやパワーオペアンプ、電気部品ではトラ
ンスなど)の近くにある部品であり、定常時の発熱部品
の高温度の影響で劣化による小さな温度変動分が検出で
きない。実装基板の実装表面温度は電源印加で昇温し、
一定値(定常)になるが定常状態では表面全体温度が平
均化され、劣化部品を特定することは難しい。しかし、
温度の過渡状態(昇温状態)では周囲部品も温度が低い
ので、周囲の影響が少ない。とくに昇温過程の初段階で
は、複数部品との実装状態でも、部品一つーつは他部品
とは無関係に昇温していると考えられる。したがって、
劣化評価範囲に昇温の過渡状態(動特性)を入れるの
で、感度の良い劣化検出が可能になる。
化は例えば、自己発熱の大きな発熱部品(ICではパワ
ートランジスタやパワーオペアンプ、電気部品ではトラ
ンスなど)の近くにある部品であり、定常時の発熱部品
の高温度の影響で劣化による小さな温度変動分が検出で
きない。実装基板の実装表面温度は電源印加で昇温し、
一定値(定常)になるが定常状態では表面全体温度が平
均化され、劣化部品を特定することは難しい。しかし、
温度の過渡状態(昇温状態)では周囲部品も温度が低い
ので、周囲の影響が少ない。とくに昇温過程の初段階で
は、複数部品との実装状態でも、部品一つーつは他部品
とは無関係に昇温していると考えられる。したがって、
劣化評価範囲に昇温の過渡状態(動特性)を入れるの
で、感度の良い劣化検出が可能になる。
【0086】さらに、上記の実施形態によれば、劣化領
域が図示された実装基板の可視画像が得られるので、ど
の実装部品に劣化があるのかビジュアルに理解できる。
域が図示された実装基板の可視画像が得られるので、ど
の実装部品に劣化があるのかビジュアルに理解できる。
【0087】上記の実施形態においては、実装基板表面
の温度分布を画像化し、その温度画像を診断データとし
ているが、画像化を行わず、直接温度分布データ(3次
元データ)を診断データとして扱ってもよい。
の温度分布を画像化し、その温度画像を診断データとし
ているが、画像化を行わず、直接温度分布データ(3次
元データ)を診断データとして扱ってもよい。
【0088】図9乃至図13は本発明の他の実施形態で
ある、画像化を行うことなく診断を可能とする診断装置
を示す図である。すなわち、上記の実施形態における温
度分布変化量計算(ステップS11)では、昇温過程の
各時間で計測した温度画像について基準と比較し、その
温度分布変化量を各昇温時間(サンプリング時)毎に計
算した。これに対し、この実施形態では、昇温過程の特
徴を一指標で定量化し、この指標値と基準の指標値の差
分(昇温特性変化量と以後呼ぶ)を温度分布変化量の代
替量とする。この場合、図8の結果表RSに示すよう
に、1つの分割領域にサンプリング時毎のC[u、v]
はなく、1つの分割領域に1つの昇温特性変化量しか存
在しない。したがって、以下、昇温特性変化量はQ
[v](MB[v]、v=1〜MN 、MN は分割数)と
表す。
ある、画像化を行うことなく診断を可能とする診断装置
を示す図である。すなわち、上記の実施形態における温
度分布変化量計算(ステップS11)では、昇温過程の
各時間で計測した温度画像について基準と比較し、その
温度分布変化量を各昇温時間(サンプリング時)毎に計
算した。これに対し、この実施形態では、昇温過程の特
徴を一指標で定量化し、この指標値と基準の指標値の差
分(昇温特性変化量と以後呼ぶ)を温度分布変化量の代
替量とする。この場合、図8の結果表RSに示すよう
に、1つの分割領域にサンプリング時毎のC[u、v]
はなく、1つの分割領域に1つの昇温特性変化量しか存
在しない。したがって、以下、昇温特性変化量はQ
[v](MB[v]、v=1〜MN 、MN は分割数)と
表す。
【0089】昇温特性変化量は昇温過程の特徴量の変化
量である。この説明にあたり、部品の昇温過程(温度の
過渡応答)のメカニズムを述べ、昇温と劣化の関係を示
し、どのような特徴が劣化指標になりえるか説明する。
そして、昇温特性変化量の計算方法を示す。
量である。この説明にあたり、部品の昇温過程(温度の
過渡応答)のメカニズムを述べ、昇温と劣化の関係を示
し、どのような特徴が劣化指標になりえるか説明する。
そして、昇温特性変化量の計算方法を示す。
【0090】先ず、部品の昇温過程(温度の過渡応答)
のメカニズムは次の通りである。
のメカニズムは次の通りである。
【0091】電子部品の電源電圧印加による昇温過程を
ICパッケージを例に説明する。ICパッケージの温度
はパッケージで封止されたチップの消費電力に比例す
る。負荷電流等,電源電圧(直流バイアス)印加により
チップの自己発熱が起こり、パッケージに熱拡散し、パ
ッケージ表面温度(実際は表面で温度分布が生じる)が
上がり、パッケージ表面から外気への熱伝達により熱平
衡に達してパッケージ表面温度が定常になる。以上の熱
過程を正確に定式化することは困難であるので、簡単な
近似モデルで昇温過程を説明する。図9にそのモデルを
示す。
ICパッケージを例に説明する。ICパッケージの温度
はパッケージで封止されたチップの消費電力に比例す
る。負荷電流等,電源電圧(直流バイアス)印加により
チップの自己発熱が起こり、パッケージに熱拡散し、パ
ッケージ表面温度(実際は表面で温度分布が生じる)が
上がり、パッケージ表面から外気への熱伝達により熱平
衡に達してパッケージ表面温度が定常になる。以上の熱
過程を正確に定式化することは困難であるので、簡単な
近似モデルで昇温過程を説明する。図9にそのモデルを
示す。
【0092】図9では、パッケージPC物質内での温度
Tcを均一と考え、チップPaを単なる抵抗体と考てい
る。また、直流電源PE により直流バイアス電流Iがチ
ップPaに流れ、消費電力に相当する熱量Pが発生する
と考える。この場合,熱バランスから次式の微分方程式
が成り立つ。
Tcを均一と考え、チップPaを単なる抵抗体と考てい
る。また、直流電源PE により直流バイアス電流Iがチ
ップPaに流れ、消費電力に相当する熱量Pが発生する
と考える。この場合,熱バランスから次式の微分方程式
が成り立つ。
【0093】
【数6】 但し、VはパッケージPCの休積、ρはパッケージPC
の密度、CP はパッケージPCの比熱、Aはパッケージ
PCの表面積、haはパッケージPC表面から外気への
熱伝達率、Pは単位時間あたりの熱量、Taは外気温度
(定数)、Tcはパッケージ温度、tは時間である。
の密度、CP はパッケージPCの比熱、Aはパッケージ
PCの表面積、haはパッケージPC表面から外気への
熱伝達率、Pは単位時間あたりの熱量、Taは外気温度
(定数)、Tcはパッケージ温度、tは時間である。
【0094】(16)式を書き換えて、
【数7】 時刻t=0におけるパッケージ温度Tcを、Tc=外気
温度Taとし、(17)式をラプラス変換すると、伝達
関数G(s)(sはラプラス演算子)は次のようにな
る。
温度Taとし、(17)式をラプラス変換すると、伝達
関数G(s)(sはラプラス演算子)は次のようにな
る。
【0095】
【数8】 いま、熱量Pをステップ入力(P(s)=P/s)とし
て、G(s)×P(s)を逆ラプラス変換して次式が導
かれる。
て、G(s)×P(s)を逆ラプラス変換して次式が導
かれる。
【0096】
【数9】 但し、τは時定数、K×P×τは常昇温度値である。
【0097】(19)式のT(t)が任意の時刻tにお
けるパッケージPCの昇温度である。
けるパッケージPCの昇温度である。
【0098】つぎに、昇温と劣化の関係について述べ
る。(19)式をグラフ表示したものが図10である。
同図中の曲線F1は(19)式の近似モデル、F2は消
費電力が増加するケースの劣化ICの昇温曲線を想定し
た略図てある。FIとF2は時定数τが同じで、定常温
度値T1、T2が異なる。劣化ICにおいて、劣化によ
り消費電力が増加することは、相当する熱量Pが増加す
ることにほかならない。(17)式からわかるように時
定数τはパッケージ固有の物理定数で決まる値であり、
チップの劣化に影響受けない。よって、F1とF2は時
定数τを同じと仮定している(自己発熱が高温になった
り,パワートランジスタのようにスイッチ動作で熱スト
レスのON/OFFを受ける場合,パッケージの熱膨張
で物理定数が変わる可能性があるがここでは無視す
る)。
る。(19)式をグラフ表示したものが図10である。
同図中の曲線F1は(19)式の近似モデル、F2は消
費電力が増加するケースの劣化ICの昇温曲線を想定し
た略図てある。FIとF2は時定数τが同じで、定常温
度値T1、T2が異なる。劣化ICにおいて、劣化によ
り消費電力が増加することは、相当する熱量Pが増加す
ることにほかならない。(17)式からわかるように時
定数τはパッケージ固有の物理定数で決まる値であり、
チップの劣化に影響受けない。よって、F1とF2は時
定数τを同じと仮定している(自己発熱が高温になった
り,パワートランジスタのようにスイッチ動作で熱スト
レスのON/OFFを受ける場合,パッケージの熱膨張
で物理定数が変わる可能性があるがここでは無視す
る)。
【0099】(19)式より、熱量P−P+ΔP(但
し,ΔP>0)と増加すると定常昇温度が上昇すること
がわかる。Tl=k×P×τ、T2=k×(P+ΔP)
×τより、Tl<T2となる。
し,ΔP>0)と増加すると定常昇温度が上昇すること
がわかる。Tl=k×P×τ、T2=k×(P+ΔP)
×τより、Tl<T2となる。
【0100】上述したように、実装状態の部品はその実
装密度が高くなるほど定常付近では周囲部品の影響を受
ける。よって、定常値T1,T2は実際、理論値と異な
る。すなわち、周囲との平均化により部品単独の温度を
示さない。しかし、温度立ち上がり付近は周囲部品の発
熱も小さいので、実装密度が高くても個々の部品の温度
は部品の自己発熱そのものである。そこで,温度立ち上
がり付近の昇温曲線の傾き(昇温変化率と以後呼ぶ)に
着目する。この昇温変化率は温度立ち上がり点における
接線である。
装密度が高くなるほど定常付近では周囲部品の影響を受
ける。よって、定常値T1,T2は実際、理論値と異な
る。すなわち、周囲との平均化により部品単独の温度を
示さない。しかし、温度立ち上がり付近は周囲部品の発
熱も小さいので、実装密度が高くても個々の部品の温度
は部品の自己発熱そのものである。そこで,温度立ち上
がり付近の昇温曲線の傾き(昇温変化率と以後呼ぶ)に
着目する。この昇温変化率は温度立ち上がり点における
接線である。
【0101】図10では、曲線F1、F2の昇温変化率
は原点から引いた接線FLI、FL2の傾きα1、
α2である。この一次遅れ系の昇温応答で昇温変化率
α1,α2は次式で与えられる。
は原点から引いた接線FLI、FL2の傾きα1、
α2である。この一次遅れ系の昇温応答で昇温変化率
α1,α2は次式で与えられる。
【0102】
【数10】 当然、α1<α2であり、この昇温変化率で劣化を示
せることがわかる。
せることがわかる。
【0103】この昇温変化率は物理定数、熱量(または
消費電力)がわからないと計算できないので、実際は昇
温度立ち上がり付近のデータを線形最小二乗近似し、そ
の近似線の傾きを昇温変化率の推定値とすればよい。そ
の様子を図10のエリアA1を拡大したエリアA2に示
した。エリアA2では、立ち上がり近傍の昇温度点PT1
〜PT4の最小二乗近似線がFL2てあることを示してい
る。昇温度特性の特徴量を昇温変化率とし、次式により
昇温特性変化量を計算する。
消費電力)がわからないと計算できないので、実際は昇
温度立ち上がり付近のデータを線形最小二乗近似し、そ
の近似線の傾きを昇温変化率の推定値とすればよい。そ
の様子を図10のエリアA1を拡大したエリアA2に示
した。エリアA2では、立ち上がり近傍の昇温度点PT1
〜PT4の最小二乗近似線がFL2てあることを示してい
る。昇温度特性の特徴量を昇温変化率とし、次式により
昇温特性変化量を計算する。
【0104】
【数11】 但し、v=1−MN 、MN は分割数、α[v]は診断
時の分割領域MB[v]における温度変化率、αs
[v]は基準昇温画像データの計測時の分割領域MB
[v]における温度変化率である。
時の分割領域MB[v]における温度変化率、αs
[v]は基準昇温画像データの計測時の分割領域MB
[v]における温度変化率である。
【0105】(21)式は、その絶対値を昇温特性変化
量として扱ってもよい。昇温変化率は電子部品の表而温
度に対するものである。よって、分割領域一つに部品一
つが入るように温度分割し、部品表面の一点の昇温過程
を計測する。(通常はピーク温度点)。
量として扱ってもよい。昇温変化率は電子部品の表而温
度に対するものである。よって、分割領域一つに部品一
つが入るように温度分割し、部品表面の一点の昇温過程
を計測する。(通常はピーク温度点)。
【0106】以上の説明では、昇温度値そのものの変化
を考えてきたが、温度画像の累積濃度値TD、フラクタ
ル次元FD及び相互相関係数の変化で代用することもで
きる。この様子を図11〜図13に示す。図11は任意
の昇温時間(サンプリング時)に計測した分割温度画像
に対し、その累積濃度値TDの曲線FTD(略図)を示し
ている。この場合の累積濃度値TDの立ち上がりの傾き
αTDを昇温変化率の代替値とする。また、第12図で
は、任意の昇温時間(サンプリング時)に計測した分割
温度画像に対し、そのフラクタル次元FDの曲線F
FD(略図)を示している。この場合のフラクタル次元F
Dの立ち上がりの傾きαFDを昇温変化率の代替値とす
る。図13では、任意の昇温時間(サンプリング時)に
計測した分割温度画像と昇温時間が0の分割温度画像と
の相互相関係数に対し、1一前記相互相関係数(=C
D)の曲線FCDを示している。この場合のCDの立ち上
かりの傾きαCDを昇温変化率の代替値とする。
を考えてきたが、温度画像の累積濃度値TD、フラクタ
ル次元FD及び相互相関係数の変化で代用することもで
きる。この様子を図11〜図13に示す。図11は任意
の昇温時間(サンプリング時)に計測した分割温度画像
に対し、その累積濃度値TDの曲線FTD(略図)を示し
ている。この場合の累積濃度値TDの立ち上がりの傾き
αTDを昇温変化率の代替値とする。また、第12図で
は、任意の昇温時間(サンプリング時)に計測した分割
温度画像に対し、そのフラクタル次元FDの曲線F
FD(略図)を示している。この場合のフラクタル次元F
Dの立ち上がりの傾きαFDを昇温変化率の代替値とす
る。図13では、任意の昇温時間(サンプリング時)に
計測した分割温度画像と昇温時間が0の分割温度画像と
の相互相関係数に対し、1一前記相互相関係数(=C
D)の曲線FCDを示している。この場合のCDの立ち上
かりの傾きαCDを昇温変化率の代替値とする。
【0107】この実施形態においては、実装密度が高い
場合でも、温度が平均化する定常状態でなく、温度立ち
上がり近傍で劣化評価するので、周囲(実装状態)の影
響による劣化誤判定を最大限低減でき、判定の正確さが
増す。
場合でも、温度が平均化する定常状態でなく、温度立ち
上がり近傍で劣化評価するので、周囲(実装状態)の影
響による劣化誤判定を最大限低減でき、判定の正確さが
増す。
【0108】図14および図15は本発明をネットワー
クシステム化した実施形態を示す図である。すなわち診
断センタからネットワーク網を介して遠隔地の設備を診
断するリモート診断システムに本発明を適用した実施形
態を示すものである。なお、図1と重複する構成部分に
は同一符号を付して示し、詳細説明は省略する。同図の
システムは、遠隔地の計測・診断端末装置142、14
4と、診断ホストセンタ143と、これらを相互に接続
する通信回線網145から構成されている。計測・診断
端末装置142および144の構成は同じであるが、次
のように構成されている。赤外線温度カメラ11、差分
手段12、温度検出手器13、濃淡画像化手段14、バ
ッファ15、入力制御手段16、バッファ制御手段17
からなる昇温画像データ発生部を備えている。この昇温
画像データ発生部で得られた昇温画像データ(h)は通
信制御手段24に供給される。通信制御手段24は入力
されたデータ(h)をビット列(p1)に分解し、通信
回線網145との伝送制御を行う。通信制御手段24か
ら出力されるデータ(p1)はモデム25に供給され、
ここでアナログ信号に変調され、通信回線網145に送
り出される。モデム25は、また、通信回線網145か
らのアナログ受信データ(t1)をデジタルデータ(p
2)に復調して通信制御手段24に供給する。通信制御
手段24からの出力は後述するように診断結果(w)で
あるが、この出力は出力制御手段26を介してプリンタ
27およびディスプレイ28に供給される。すなわち、
出力制御手段27からプリンタ出力データ(q1)をプ
リンタ27に入力し、また、ディスプレイ表示データ
(q2)をディスプレイ28に供給する。
クシステム化した実施形態を示す図である。すなわち診
断センタからネットワーク網を介して遠隔地の設備を診
断するリモート診断システムに本発明を適用した実施形
態を示すものである。なお、図1と重複する構成部分に
は同一符号を付して示し、詳細説明は省略する。同図の
システムは、遠隔地の計測・診断端末装置142、14
4と、診断ホストセンタ143と、これらを相互に接続
する通信回線網145から構成されている。計測・診断
端末装置142および144の構成は同じであるが、次
のように構成されている。赤外線温度カメラ11、差分
手段12、温度検出手器13、濃淡画像化手段14、バ
ッファ15、入力制御手段16、バッファ制御手段17
からなる昇温画像データ発生部を備えている。この昇温
画像データ発生部で得られた昇温画像データ(h)は通
信制御手段24に供給される。通信制御手段24は入力
されたデータ(h)をビット列(p1)に分解し、通信
回線網145との伝送制御を行う。通信制御手段24か
ら出力されるデータ(p1)はモデム25に供給され、
ここでアナログ信号に変調され、通信回線網145に送
り出される。モデム25は、また、通信回線網145か
らのアナログ受信データ(t1)をデジタルデータ(p
2)に復調して通信制御手段24に供給する。通信制御
手段24からの出力は後述するように診断結果(w)で
あるが、この出力は出力制御手段26を介してプリンタ
27およびディスプレイ28に供給される。すなわち、
出力制御手段27からプリンタ出力データ(q1)をプ
リンタ27に入力し、また、ディスプレイ表示データ
(q2)をディスプレイ28に供給する。
【0109】次に、診断ホストセンタ143は次のよう
に構成されている。
に構成されている。
【0110】モデム31は計測・診断端末装置142か
らのデータ(t1)および計測・診断端末装置144か
らのデータ(t2)を受信し、デジタルデータ(P1)
に復調する。モデム31はまた、通信制御手段32から
のデータ(p2)をアナログデータ(t1、t2)に変
調し、それぞれ、計測・診断端末装置142および計測
・診断端末装置144に出力する。
らのデータ(t1)および計測・診断端末装置144か
らのデータ(t2)を受信し、デジタルデータ(P1)
に復調する。モデム31はまた、通信制御手段32から
のデータ(p2)をアナログデータ(t1、t2)に変
調し、それぞれ、計測・診断端末装置142および計測
・診断端末装置144に出力する。
【0111】モデム31からのデータ(p1)は通信制
御手段32に入力され、ここでビット列(p1)を昇温
画像データに組み立てられる。通信制御手段32から出
力された昇温画像データ(h)は画像分割手段19に供
給される。画像分割手段19により分割された昇温画像
データ(h)は温度分布変化量計算手段20に供給され
る。診断ホストセンタ143はまた、昇温画像データベ
ース18、劣化判定手段21、可視画像データベース2
3、マップ作成手段22を備え、図1に示した計測・診
断装置と同じ画像処理が行われる。診断ホストセンタ1
43は、さらに、温度分布変化量計算手段20て計算し
た結果(k)を格納するトレンドデータベース33と、
トレンドデータベース33に格納された温度分布変化量
のトレンドデータ(r)が入力され、劣化のトレンド評
価を行うトレンド評価手段34と、トレンド評価手段3
4の評価結果(s)、劣化判定手段21の判定結果
(l)、およびマップ作成手段22が作成した出力マッ
プ図(o)がそれぞれ入力され、診断結果のレポート
(w)を作成し、これを通信制御手段32へ出力する出
力手段35を備えている。
御手段32に入力され、ここでビット列(p1)を昇温
画像データに組み立てられる。通信制御手段32から出
力された昇温画像データ(h)は画像分割手段19に供
給される。画像分割手段19により分割された昇温画像
データ(h)は温度分布変化量計算手段20に供給され
る。診断ホストセンタ143はまた、昇温画像データベ
ース18、劣化判定手段21、可視画像データベース2
3、マップ作成手段22を備え、図1に示した計測・診
断装置と同じ画像処理が行われる。診断ホストセンタ1
43は、さらに、温度分布変化量計算手段20て計算し
た結果(k)を格納するトレンドデータベース33と、
トレンドデータベース33に格納された温度分布変化量
のトレンドデータ(r)が入力され、劣化のトレンド評
価を行うトレンド評価手段34と、トレンド評価手段3
4の評価結果(s)、劣化判定手段21の判定結果
(l)、およびマップ作成手段22が作成した出力マッ
プ図(o)がそれぞれ入力され、診断結果のレポート
(w)を作成し、これを通信制御手段32へ出力する出
力手段35を備えている。
【0112】次に、このように構成された実施形態の動
作を説明する。
作を説明する。
【0113】先ず、診断ホストセンタ143において、
通信制御手段32はデータバッファと伝送データのデー
タ分解、組立、誤り制御を行い、モデム31との回線接
続・制御を行う通信制御処理装置であり、モデム31と
通信制御手段32によりデータ伝送・制御が行われる
(なお、回線接続先はあらかじめ設定されているものと
する)。診断ホストセンタ143では、遠隔地の計測・
診断端末装置で計測した昇温画像データ(h)を受信
し、センタ143で温度分布変化量(k)を計算し、そ
のデータをトレンドデータベース33に逐次格納する。
この温度分布変化量(k)のトレンドデータ(r)はト
レンド評価手段34で自動評価される。その様子を図1
5を用いて説明する。
通信制御手段32はデータバッファと伝送データのデー
タ分解、組立、誤り制御を行い、モデム31との回線接
続・制御を行う通信制御処理装置であり、モデム31と
通信制御手段32によりデータ伝送・制御が行われる
(なお、回線接続先はあらかじめ設定されているものと
する)。診断ホストセンタ143では、遠隔地の計測・
診断端末装置で計測した昇温画像データ(h)を受信
し、センタ143で温度分布変化量(k)を計算し、そ
のデータをトレンドデータベース33に逐次格納する。
この温度分布変化量(k)のトレンドデータ(r)はト
レンド評価手段34で自動評価される。その様子を図1
5を用いて説明する。
【0114】診断時tB13 において、トレンドデータベ
ス33から取り出したトレンドデータ(r)が図15の
ようになっていたとする。ここでは説明上、単に過去デ
ータを2点(診断月tB11 、tB22 の温度分布変化量デ
ータ)を図示している。
ス33から取り出したトレンドデータ(r)が図15の
ようになっていたとする。ここでは説明上、単に過去デ
ータを2点(診断月tB11 、tB22 の温度分布変化量デ
ータ)を図示している。
【0115】自動評価では、温度分布変化量データ
PC1、PC2、PC3を最小二乗法により線形近似し、近似
線FLCと劣化判定しきい値Lが交差する点PC *を計算
する。このときの点PC *に達するまでの時間tL 、す
なわち、 tL =t*−tB13 (22) を計算する。このtL が、 tL >ty (23) となった場合(但しtyはユーザ設定の許容時間)、
「劣化の兆候あり」と評価し、そうでない場合、「劣化
の兆候なし」と評価する。
PC1、PC2、PC3を最小二乗法により線形近似し、近似
線FLCと劣化判定しきい値Lが交差する点PC *を計算
する。このときの点PC *に達するまでの時間tL 、す
なわち、 tL =t*−tB13 (22) を計算する。このtL が、 tL >ty (23) となった場合(但しtyはユーザ設定の許容時間)、
「劣化の兆候あり」と評価し、そうでない場合、「劣化
の兆候なし」と評価する。
【0116】出力手段35にはトレンド評価手段34の
評価結果(s)、劣化判定結果(l)、劣化判定結果
(l)で「劣化あり」と判定された場合に劣化領域がマ
ークされたマップ(可視画像)出力(o)がせ入力され
る。出力手段35は、これらのデータ(s,l,o)を
レポートにまとめ、レポートデータ(診断結果レポー
ト)(w)を通信制御手段32へ出力する。このレポー
トは通信制御手段32とモデム31により遠隔地の計測
・診断端末装置へデータtlまたはt2として伝送され
る。
評価結果(s)、劣化判定結果(l)、劣化判定結果
(l)で「劣化あり」と判定された場合に劣化領域がマ
ークされたマップ(可視画像)出力(o)がせ入力され
る。出力手段35は、これらのデータ(s,l,o)を
レポートにまとめ、レポートデータ(診断結果レポー
ト)(w)を通信制御手段32へ出力する。このレポー
トは通信制御手段32とモデム31により遠隔地の計測
・診断端末装置へデータtlまたはt2として伝送され
る。
【0117】次に、この実施形態における通信回線網
は、モデム接続であるので、電話回線であるが、電話回
線以外にもデジタル通信網ISDNなどを利用できる。
但し、この場合、デジタル伝送になるので,宅内回線終
端装置DSUをモデムに置き換える必要がある。また、
リモート診断をLAN(ローカルエリアネットワーク)
で構成することもできる。この場合、通信制御手段およ
びモデムがルータに置き変わり、同軸ケーブルまたは光
ファイバのネットワーク網となる。さらに、フレームリ
レー網、ATMネットワーク、衛生通信などあらゆるネ
ッワーク経由のリモート診断が可能である。
は、モデム接続であるので、電話回線であるが、電話回
線以外にもデジタル通信網ISDNなどを利用できる。
但し、この場合、デジタル伝送になるので,宅内回線終
端装置DSUをモデムに置き換える必要がある。また、
リモート診断をLAN(ローカルエリアネットワーク)
で構成することもできる。この場合、通信制御手段およ
びモデムがルータに置き変わり、同軸ケーブルまたは光
ファイバのネットワーク網となる。さらに、フレームリ
レー網、ATMネットワーク、衛生通信などあらゆるネ
ッワーク経由のリモート診断が可能である。
【0118】計測・診断端末装置142については、モ
デム22、通信制御手段21は、上記のホストセンタ1
43におけるモデム31および通信制御手段32と同じ
である。すなわち、計測・診断端末装置142で計測し
た実装基板の昇温画像データ(h)がモデム22、通信
制御手段21により診断ホストセンタ1433へ伝送さ
れる。診断ホストセンタ143から受信した劣化診断結
果(w)が、通信制御手段21を介して入力された出力
制御手段23はその内容を認識可能なデ一タ(ql)に
変換しこれをプリンタ27に出力する。
デム22、通信制御手段21は、上記のホストセンタ1
43におけるモデム31および通信制御手段32と同じ
である。すなわち、計測・診断端末装置142で計測し
た実装基板の昇温画像データ(h)がモデム22、通信
制御手段21により診断ホストセンタ1433へ伝送さ
れる。診断ホストセンタ143から受信した劣化診断結
果(w)が、通信制御手段21を介して入力された出力
制御手段23はその内容を認識可能なデ一タ(ql)に
変換しこれをプリンタ27に出力する。
【0119】なお、計測・診断端末装置4も計測・診断
端末装置2と同じ作用である。
端末装置2と同じ作用である。
【0120】このような実施形態によれば、複数の遠隔
地と診断ホストセンタがネットワーク(または通信回
線)網で接続されるので,診断サービスを複数遠隔地に
提供でき,診断の一元管理が可能になる。
地と診断ホストセンタがネットワーク(または通信回
線)網で接続されるので,診断サービスを複数遠隔地に
提供でき,診断の一元管理が可能になる。
【0121】以上説明した実施形態においては、実装基
板の電源ONからの温度変化を計測対象にしたが、実装
基板の動作条件には、電源ONから電源OFFへの切り
替え後の温度低下の変化も測定対象としてもよい。ま
た、電源ONとOFFへの切り替えを繰り返した場合の
温度変化を測定してもよい。すなわち、入力信号条件、
電源ON/OFF条件の種々の組み合わせに対して本発
明を適用することが可能である。
板の電源ONからの温度変化を計測対象にしたが、実装
基板の動作条件には、電源ONから電源OFFへの切り
替え後の温度低下の変化も測定対象としてもよい。ま
た、電源ONとOFFへの切り替えを繰り返した場合の
温度変化を測定してもよい。すなわち、入力信号条件、
電源ON/OFF条件の種々の組み合わせに対して本発
明を適用することが可能である。
【0122】本発明は、上記入力信号条件、電源ON/
OFF条件の組み合わせ以外に、環境条件との組み合わ
せに対しても適用可能である。例えば、実装基板温度を
ヒーターなどで故意に上昇させたり、逆に、恒温槽によ
り冷却したり、あるいは回路の一部にレーザービームを
照射して温度を上昇させた状態において適用することも
可能である。
OFF条件の組み合わせ以外に、環境条件との組み合わ
せに対しても適用可能である。例えば、実装基板温度を
ヒーターなどで故意に上昇させたり、逆に、恒温槽によ
り冷却したり、あるいは回路の一部にレーザービームを
照射して温度を上昇させた状態において適用することも
可能である。
【0123】また、以上説明した実施形態においては、
実装基板の劣化の診断を目的としたが、故障(異常も含
む)診断にも本発明は適用できる。この場合、上記の実
施形態と異なる点は、劣化のしきい値判定が故障のしき
い値判定に変わるだけである。すなわち、この場合、故
障させた実装基板と基準実装基板との温度分布変化量
(又は昇温特性変化量)をしきい値に採用する点が異な
るだけである。劣化の場合より故障の場合の方が温度変
化が大きいので、故障検出感度は劣化検出感度よりも当
然高くなる。上述した各実施形態はこの変更により、そ
のまま故障診断装置あるいはリモー卜故障診断システム
となる。
実装基板の劣化の診断を目的としたが、故障(異常も含
む)診断にも本発明は適用できる。この場合、上記の実
施形態と異なる点は、劣化のしきい値判定が故障のしき
い値判定に変わるだけである。すなわち、この場合、故
障させた実装基板と基準実装基板との温度分布変化量
(又は昇温特性変化量)をしきい値に採用する点が異な
るだけである。劣化の場合より故障の場合の方が温度変
化が大きいので、故障検出感度は劣化検出感度よりも当
然高くなる。上述した各実施形態はこの変更により、そ
のまま故障診断装置あるいはリモー卜故障診断システム
となる。
【0124】また、以上の各実施形態において、例え
ば、マイクロスコープ等高倍率レンズを利用した赤外線
温度カメラを利用することにより、温度検出の空間分解
能をあげることにより、半導休デバイスの劣化や故障個
所を高感度に検出できる。すなわち、半導休デバイスの
パッケージを開封してチップ表面を撮影して、チップ回
路表面温度を計測し、本発明の診断手段を適用すればチ
ップ回路内の劣化や故障個所を高感度に検出できる。
ば、マイクロスコープ等高倍率レンズを利用した赤外線
温度カメラを利用することにより、温度検出の空間分解
能をあげることにより、半導休デバイスの劣化や故障個
所を高感度に検出できる。すなわち、半導休デバイスの
パッケージを開封してチップ表面を撮影して、チップ回
路表面温度を計測し、本発明の診断手段を適用すればチ
ップ回路内の劣化や故障個所を高感度に検出できる。
【0125】さらに、電気計装機や電動機、電力設備な
どの劣化検出に対しても本発明を適用することができ
る。
どの劣化検出に対しても本発明を適用することができ
る。
【0126】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、次のよう
な効果が得られる。
な効果が得られる。
【0127】第1に、実装基板の実装表面温度を計測す
るだけで、高感度に実装基板の劣化を検出し、かつ劣化
部品(劣化領域)を特定することがてきる。
るだけで、高感度に実装基板の劣化を検出し、かつ劣化
部品(劣化領域)を特定することがてきる。
【0128】第2に、本発明を通信回線網を介したリモ
ート診断システムとして動作させることにより,遠隔診
断サービスが実現できる。
ート診断システムとして動作させることにより,遠隔診
断サービスが実現できる。
【0129】第3に、本発明を故障診断に適用し、正確
性の高い故障個所の特定を実現することができる。
性の高い故障個所の特定を実現することができる。
【図1】本発明の劣化診断装置の1実施形態を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図3】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の昇温度・濃淡値変換グラフである。
の昇温度・濃淡値変換グラフである。
【図4】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の温度画像の座標図である。
の温度画像の座標図である。
【図5】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の温度画像累積濃度の時間変化図である。
の温度画像累積濃度の時間変化図である。
【図6】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の温度画像の分割方法を示す図である。
の温度画像の分割方法を示す図である。
【図7】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の経年日数と分割昇温画像データ図である。
の経年日数と分割昇温画像データ図である。
【図8】図1に示す劣化診断装置の動作を説明するため
の温度分布変化量の計算結果表である。
の温度分布変化量の計算結果表である。
【図9】本発明の他の実施形態を説明するためのICパ
ッケージの抽象化モデル図である。
ッケージの抽象化モデル図である。
【図10】図9に示すICパッケージの昇温グラフであ
る。
る。
【図11】本発明の他の実施形態を説明するための昇温
時の累積濃度の時間変化グラフである。
時の累積濃度の時間変化グラフである。
【図12】本発明の他の実施形態を説明するための昇温
時のフラクタル次元の時間変化グラフである。
時のフラクタル次元の時間変化グラフである。
【図13】本発明の他の実施形態を説明するための昇温
時の相互相関係数の時間変化グラフである。
時の相互相関係数の時間変化グラフである。
【図14】本発明のさらに他の実施形態を示すリモート
劣化診断システムのブロック図である。
劣化診断システムのブロック図である。
【図15】図14に示すリモート劣化診断システムの動
作を説明するための温度分布変化量のトレンドグラフで
ある。
作を説明するための温度分布変化量のトレンドグラフで
ある。
【符号の説明】 10:実装基板 11:赤外線温度カメラ 12:差分手段 13:温度検出器 14:濃淡画像化手段 15:バッファ 16:入力制御手段 17:バッファ制御手段 18:昇温画像データベース 19:画像分割手段 20:温度分布変化量計算手段 21:劣化判定手段 22:マップ作成手段 23:可視画像データベース 142:遠隔地の計測・診断端末装置 24:通信制御手段 25:モデム 26:出力制御手段 27:プリンタ 28:ディスプレイ 143:診断ホストセンタ 31:モデム 32:通信制御手段 33:トレンドデータベース 34:トレンド評価手段 35:出力手段 144:遠隔地の計測・診断端末装置 145:通信回線網
Claims (18)
- 【請求項1】 電気・電子部品を実装した実装基板に、
一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装基板の実
装表面温度が定常状態になるまでの時間において、所定
のサンプリング時点毎に前記実装表面の温度分布を計測
・画像化した昇温画像データを出力する温度画像計測手
段と、この温度画像計測手段により前記実装基板を異な
る時期において計測・画像化し、出力された前記昇温画
像データを昇温画像データベースに格納する手段と、こ
の手段により前記昇温画像データベースに格納された前
記昇温画像データの内、前記実装基板の経年使用上、最
も過去の昇温画像データを基準昇温画像データとして、
前記昇温画像データと比較し、両者の間の温度分布変化
量を計算する手段と、この温度分布変化量計算手段によ
り得られた温度分布変化量を予め設定されたしきい値と
比較し、前記温度分布変化量が前記しきい値を越えた場
合、「劣化あり」と判定する劣化判定手段とを備えたこ
とを特徴とする実装基板の劣化診断方法。 - 【請求項2】 電気・電子部品を実装した実装基板に、
一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装基板の実
装表面温度が定常状態になるまでの時間において、所定
のサンプリング時点毎に前記実装表面の温度分布を計測
・画像化した昇温画像データを出力する温度画像計測手
段と、この温度画像計測手段により前記実装基板を異な
る時期において計測・画像化し、出力された前記昇温画
像データを格納する昇温画像データベースと、この昇温
画像データベースに格納された前記昇温画像データの
内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の昇温画像デ
ータを基準昇温画像データとして、前記昇温画像データ
と比較し、両者の間の温度分布変化量を計算する手段
と、この温度分布変化量計算手段により得られた温度分
布変化量を予め設定されたしきい値と比較し、前記温度
分布変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣化あり」
と判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴とする実
装基板の劣化診断装置。 - 【請求項3】 前記温度分布変化量計算手段は、前記所
定のサンプリング時点のうちの同一サンプリング時点に
おける前記基準昇温画像データと前記昇温画像データと
の間の変化量を計算することを特徴とする請求項2記載
の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項4】 前記昇温画像データおよび基準昇温画像
データをそれぞれ画像分割する画像分割手段と、この画
像分割手段によりそれぞれ分割された前記基準昇温画像
データおよび前記昇温画像データをそれぞれ前記温度分
布変化量計算手段に供給する手段とを備え、前記温度分
布変化量計算手段は前記分割された基準昇温画像データ
および昇温画像データの同一分割領域、同一サンプリン
グ時点における両温度画像間の温度分布変化量を各々計
算することを特徴とする請求項3記載の実装基板の劣化
診断装置。 - 【請求項5】 前記劣化判定手段は、前記全ての分割領
域に少なくとも一カ所以上で「劣化あり」と判定された
場合、「劣化あり」と判定された分割領域の位置情報を
マップ作成手段へ出力し、このマップ作成手段は前記実
装基板の可視画像に前記分割領域の位置情報を重ね合わ
せて表示することを特徴とする請求項3記載の実装基板
の劣化診断装置。 - 【請求項6】 前記温度分布変化量計算手段は、同一サ
ンプリング時点における前記基準昇温画像データの分割
温度画像の累積濃度値と診断時に計測・画像化した前記
昇温画像データの前記分割温度画像と同一分割領域の分
割温度画像の累積濃度値との差分を前記分割温度画像間
の温度分布変化量として計算することを特徴とする請求
項5記載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項7】 前記温度分布変化量計算手段は、前記同
一サンプリング時点における基準昇温画像データの分割
温度画像およびこの分割温度画像と同一分割領域内の同
一座標における前記診断時に計測・画像化した昇温画像
の画素濃淡値を差分計算するとともに、この差分計算を
前記同一分割領域内の全画素に対して計算し、得られた
各差分値の2乗和平均を前記分割温度画像間の温度分布
変化量とすることを特徴とする請求項4記載の実装基板
の劣化診断装置。 - 【請求項8】 前記温度分布変化量計算手段は、前記同
一サンプリング時点における基準昇温画像データの分割
温度画像およびこの分割温度画像と同一の分割領域にお
ける前記診断時に計測・画像化した昇温画像データの分
割温度画像との相互相関係数を前記分割温度画像の温度
分布変化量として出力することを特徴とする請求項4記
載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項9】 前記温度分布変化量計算手段は、前記同
一サンプリング時点における基準昇温画像データの分割
温度画像およびこの分割温度画像と同一の分割領域にお
ける前記診断時に計測・画像化した昇温画像データの前
記分割温度画像とのフラクタル次元を計算するととも
に、これらの分割温度画像間のフラクタル次元の差分値
を前記分割温度画像間の温度分布変化量とすることを特
徴とする請求項4記載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項10】 前記温度分布変化量計算手段は、前記
同サンプリング時点における基準昇温画像データの分割
温度画像およびこの分割温度画像と同分割領域における
前記診断時に計測・画像化した昇温画像データの前記分
割温度画像における代表点温度またはピーク温度値間の
差分値を計算し、この差分値を前記分割温度画像間の温
度分布変化量とすることを特徴とする請求項4記載の実
装基板の劣化診断装置。 - 【請求項11】 前記温度分布変化量計算手段は、同一
分割領域での前記基準昇温画像データおよび診断時に計
測・画像化した昇温画像データがそれぞれ示す昇温時間
に対する昇温変化の傾向である昇温特性の特徴を定量化
し、これらの定量値間のを差分値である昇温特性変化量
を温度分布変化量として出力することを特徴とする請求
項4記載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項12】 前記温度分布変化量計算手段は、同一
分割領域における前記基準昇温画像データおよび診断時
に計測・画像化した昇温画像データの代表点が示す、昇
温時間に対する昇温度データの立ち上がり付近の角度で
ある昇温変化率を計算し、これらの昇温変化率の差分値
を昇温特性変化量として出力することを特徴とする請求
項4記載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項13】 前記温度分布変化量計算手段は、同一
分割領域における前記基準昇温画像データおよび診断時
に計測・画像化した昇温画像データがサンプリング毎に
逐次示す、昇温時間に対する累積濃度値の立ち上がり付
近の角度である累積濃度変化率を計算し、これらの累積
濃度変化率の差分値を昇温特性変化量として出力するこ
とを特徴とする請求項4記載の実装基板の劣化診断装
置。 - 【請求項14】 前記温度分布変化量計算手段は、同一
分割領域における前記基準昇温画像データおよび診断時
に計測・画像化した昇温画像データがサンプリング毎に
逐次示す、昇温時間に対するフラクタル次元データの立
ち上がり付近の角度であるフラクタル次元変化率を計算
し、これらのフラクタル次元変化率の差分値を昇温特性
の変化量として出力することを特徴とする請求項4記載
の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項15】 前記温度分布変化量計算手段は、同一
分割領域における前記基準昇温画像データおよび診断時
に計測・画像化した昇温画像データ間の相互相関係数が
サンプリング毎に逐次示す、昇温時間に対する立ち上が
り付近の角度である相関変化率を計算し、これらの相関
変化率の差分値を昇温特性の変化量として出力すること
を特徴とする請求項4記載の実装基板の劣化診断装置。 - 【請求項16】 電気・電子部品を実装した実装基板
に、一定の入出力条件下で電源を投人後、前記実装基板
の実装表面温度が定常状態になるまでの時間において、
所定のサンプリング時点毎に前記実装表面から放射され
る赤外線を2次元走査して昇温画像データを出力する赤
外線温度カメラと、 前記実装基板の周囲温度を検出する温度検出器と、 この温度検出器で検出した周囲温度データおよび前記赤
外線温度カメラで計測した温度値との差分値である昇温
度を計算する差分手段と、 この差分手段で計算した前記差分温度を入力し、この差
分温度を濃淡値に変換して2次元配列の温度画像データ
を得る濃淡画像化手段と、 この濃淡画像化手段で画像化した温度画像データを一時
格納するバッファと、 前記濃淡画像化手段から温度画像データが入力され、こ
のデータの全画素の濃淡値を合計した累積濃度値を各サ
ンプリング時点で算出するとともに、隣接するサンプリ
ング時点で計測・画像化した温度画像の累積濃度値の差
分を計算し、この差分値が連続して予め設定した上下限
値の範囲に入った時点で、前記赤外線温度カメラに計測
停止指示信号を出力するとともに前記バッファに動作指
示信号を供給する入力制御手段とを備え、この入力制御
手段から供給される前記動作指示信号の入力で動作し、
前記バッファに格納された昇温画像データを取り出し、
外部へ出力することを特徴とする劣化診断装置。 - 【請求項17】 遠隔地の計測・診断端末装置と、診断
ホストセンタ装置と、これらを相互に接続する通信回線
網都を備え、前記遠隔地の計測・診断端末装置は、 電気・電子部品を実装した実装基板に、一定の入出力条
件下で電源を投人後、前記実装基板の実装表面温度が定
常状態になるまでの時間において、所定のサンプリング
時点毎に前記実装表面から放射される赤外線を2次元走
査して昇温画像データを出力する赤外線温度カメラと、 前記実装基板の周囲温度を検出する温度検出器と、 この温度検出器で検出した周囲温度データおよび前記赤
外線温度カメラで計測した温度値との差分値である昇温
度を計算する差分手段と、 この差分手段で計算した前記差分温度を入力し、この差
分温度を濃淡値に変換して2次元配列の濃淡画像化手段
と、 この濃淡画像化手段で画像化した昇温画像データを一時
格納するバッファと、 前記濃淡画像化手段から昇温画像データが入力され、こ
のデータの全画素の濃淡値を合計した累積濃度値を各サ
ンプリング時点で算出するとともに、隣接するサンプリ
ング時点で計測・画像化した昇温画像の累積濃度値の差
分を計算し、この差分値が連続して予め設定した上下限
値の範囲に入った時点で、前記赤外線温度カメラに計測
停止指示信号を出力するとともに前記バッファに動作指
示信号を供給する入力制御手段と、 この入力制御手段から供給される前記動作指示信号の入
力で動作し、前記バッファに格納された昇温画像データ
を取り出し、前記通信回線網を介して前記診断ホストセ
ンタ装置との間でデータ送受信を行う端末側通信制御手
段と、 この通信制御信手段が前記通信回線網を介して前記診断
ホストセンタから受信した診断結果データが供給される
出力制御手段と、この出力制御手段によりその出力が制
御されるデータ表示装置とを備え、 前記診断ホストセンタ装置は、 前記遠隔地の計測・診断端末装置からの出力データであ
る前記昇温画像データを通信回線網を介して受信し、前
記診断結果を前記遠隔地の計測・診断端末装置へ送信す
るホスト側通信制御手段と、 このホスト側通信制御手段により受信された前記昇温画
像データが供給され、このデータを格納する温度画像デ
ータベースと、 この昇温画像データベースに格納された前記温度画像デ
ータの内、前記実装基板の経年使用上、最も過去の昇温
画像データを基準昇温画像データとして、前記昇温画像
データと比較し、両者の間の温度分布変化量を計算する
手段と、 この温度分布変化量計算手段により得られた温度分布変
化量を予め設定されたしきい値と比較し、前記温度分布
変化量が前記しきい値を越えた場合、「劣化あり」と判
定する劣化判定手段と、 この劣化判定手段により判定された結果を前記ホスト側
データ送受信手段に出力する通信制御手段とを備えたこ
とを特徴とする劣化診断装置。 - 【請求項18】 前記診断ホストセンタ装置はさらに、
前記昇温画像データおよび基準昇温画像データをそれぞ
れ画像分割し、前記温度分布変化量計算手段に供給する
画像分割手段と、前記温度分布変化量計算手段により計
算された結果を格納するトレンドデータベースと、この
トレンドデータベースに格納されている前記温度分布変
化量の最小二乗近似により劣化判定しきい値に達する予
測時間を計算し、この予測時間が許容範囲になければ
「劣化兆候あり」と評価するトレンド評価手段とを備
え、前記温度分布変化量計算手段は、前記画像分割手段
によりそれぞれ分割された前記基準昇温画像データおよ
び前記昇温画像データがそれぞれ供給され、前記分割さ
れた基準昇温画像データおよび昇温画像データの同一分
割領域、同一サンプリング時点における両温度画像間の
温度分布変化量を各々計算し、また、前記ホスト側通信
制御手段は前記トレンド評価手段の評価結果を前記劣化
判定手の判定結果とともに前記遠隔地の計測・診断端末
装置へ送信することを特徴とする請求項17記載の劣化
診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16892597A JPH1114576A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 実装基板の劣化診断方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16892597A JPH1114576A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 実装基板の劣化診断方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1114576A true JPH1114576A (ja) | 1999-01-22 |
Family
ID=15877099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16892597A Pending JPH1114576A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 実装基板の劣化診断方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1114576A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002228575A (ja) * | 2001-02-01 | 2002-08-14 | Asahi Eng Co Ltd | タンク鋼板の腐食診断システム |
US7091870B2 (en) | 2001-07-05 | 2006-08-15 | Hitachi, Ltd. | Security system and method of security service business |
JP2008128960A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Eteitsuku:Kk | 鉄系構造物の腐食評価方法 |
JP2012042393A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Toshiba Corp | はんだ接合部の非破壊による劣化診断方法 |
WO2013031900A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | シャープ株式会社 | 配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに半導体基板の製造方法 |
JP2014224688A (ja) * | 2013-05-15 | 2014-12-04 | 日本電信電話株式会社 | 塗膜劣化評価方法 |
KR102092535B1 (ko) * | 2018-11-14 | 2020-03-24 | 주식회사 라온솔루션 | 최소자승법을 이용하여 주변장치의 온도변화를 분석하는 모바일용 부품 실장 테스트 장치 |
JP2021009116A (ja) * | 2019-07-03 | 2021-01-28 | Necプラットフォームズ株式会社 | 出力装置、出力方法及び出力プログラム |
CN112444718A (zh) * | 2019-08-29 | 2021-03-05 | 上海原动力通信科技有限公司 | 一种芯片老化监控方法、装置及系统 |
WO2021049188A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 村田機械株式会社 | 温度監視方法、温度監視装置及び制御盤 |
-
1997
- 1997-06-25 JP JP16892597A patent/JPH1114576A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002228575A (ja) * | 2001-02-01 | 2002-08-14 | Asahi Eng Co Ltd | タンク鋼板の腐食診断システム |
US7091870B2 (en) | 2001-07-05 | 2006-08-15 | Hitachi, Ltd. | Security system and method of security service business |
JP2008128960A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Eteitsuku:Kk | 鉄系構造物の腐食評価方法 |
JP2012042393A (ja) * | 2010-08-20 | 2012-03-01 | Toshiba Corp | はんだ接合部の非破壊による劣化診断方法 |
WO2013031900A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | シャープ株式会社 | 配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに半導体基板の製造方法 |
JPWO2013031900A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2015-03-23 | シャープ株式会社 | 配線欠陥検出方法および配線欠陥検出装置、並びに半導体基板の製造方法 |
JP2014224688A (ja) * | 2013-05-15 | 2014-12-04 | 日本電信電話株式会社 | 塗膜劣化評価方法 |
KR102092535B1 (ko) * | 2018-11-14 | 2020-03-24 | 주식회사 라온솔루션 | 최소자승법을 이용하여 주변장치의 온도변화를 분석하는 모바일용 부품 실장 테스트 장치 |
JP2021009116A (ja) * | 2019-07-03 | 2021-01-28 | Necプラットフォームズ株式会社 | 出力装置、出力方法及び出力プログラム |
CN112444718A (zh) * | 2019-08-29 | 2021-03-05 | 上海原动力通信科技有限公司 | 一种芯片老化监控方法、装置及系统 |
WO2021049188A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 村田機械株式会社 | 温度監視方法、温度監視装置及び制御盤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5032727A (en) | Product defect detection using thermal ratio analysis | |
US5440566A (en) | Fault detection and diagnosis for printed circuit boards | |
US9435740B2 (en) | Method for measuring a semiconductor structure, which is a solar cell or a precursor of a solar cell | |
Bhoopathy et al. | Outdoor photoluminescence imaging of solar panels by contactless switching: Technical considerations and applications | |
JPH1114576A (ja) | 実装基板の劣化診断方法および装置 | |
US20060086815A1 (en) | Device and method for heat test | |
Jaffery et al. | Temperature measurement of solar module in outdoor operating conditions using thermal imaging | |
US12104960B2 (en) | Apparatus for hot spot sensing | |
KR100844961B1 (ko) | 열화상 패턴 인식을 이용한 전기설비 자동 감시 진단 방법및 시스템 | |
AU2010251436A1 (en) | Method for spatially determining the series resistance of a semiconductor structure | |
CN112881786A (zh) | 一种漏电检测方法、装置和系统 | |
Ciocia et al. | Realization and Use of an IR Camera for Laboratory and On-field Electroluminescence Inspections of Silicon Photovoltaic Modules | |
KR102574002B1 (ko) | 드론을 이용한 태양광 발전소 점검 시스템 및 방법 | |
Truong et al. | An improved accelerated degradation model for LED reliability assessment with self-heating impacts | |
Chrzanowski et al. | Testing and evaluation of thermal cameras for absolute temperature measurement | |
CN116878669A (zh) | 基于短波红外测温的温度补偿方法、火情监测方法及系统 | |
JP6890568B2 (ja) | エレクトロルミネセント・モジュールを備える設備の定量分析のための方法 | |
CN112556855A (zh) | 一种自动校准的热像仪系统及校准方法 | |
Kaminski et al. | Non-destructive characterisation of defects in devices using infrared thermography | |
Bakır | A comparative evaluation and real-time measurement of failures in solar power plants by thermal imaging in Turkey | |
Hecht | Thermal Drift Compensation in Non-Uniformity Correction for an InGaAs PIN Photodetector 3D Flash LiDAR Camera | |
JPH09252512A (ja) | サーモグラフィを用いた電気機器診断方法及び装置 | |
Kobayashi et al. | A proposal of a procedure to estimate a standard line for contactless estimation of a solar cell voltage in a module using modulated light | |
Miles | Infrared thermography as applied to thermal testing of power systems circuit boards | |
KR102489138B1 (ko) | 전자 부품 및 모듈의 열 분포 모니터링 방법 및 시스템 |