JPH11145097A - 処理槽及びそれを備えた基板処理装置 - Google Patents

処理槽及びそれを備えた基板処理装置

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JPH11145097A
JPH11145097A JP30168097A JP30168097A JPH11145097A JP H11145097 A JPH11145097 A JP H11145097A JP 30168097 A JP30168097 A JP 30168097A JP 30168097 A JP30168097 A JP 30168097A JP H11145097 A JPH11145097 A JP H11145097A
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processing liquid
processing
pipe
liquid injection
tank
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JP30168097A
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Hajime Shirakawa
元 白川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理槽内で行う基板に対する処理を均一に行
う。 【解決手段】 処理槽10には、先端部4が閉塞され、
基端部3側から導入される処理液を、側面に並設された
多数の処理液噴出孔2から処理槽10内に噴出させる処
理液注入管1が取り付けられている。この処理液注入管
1の各処理液噴出孔2に、管内壁から管外側に向かって
孔径が徐々に小さくなるスロープ部6を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端部が閉塞さ
れ、基端部側から導入される処理液を、側面に並設され
た多数の処理液噴出孔から槽内に噴出させる処理液注入
管を有し、基板を処理液に浸漬させて処理するための処
理槽及びその処理槽を備えた基板処理装置に係り、特に
は、処理槽に取り付ける処理液注入管の改良技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の処理槽は、処理槽内に処理液の
流れを形成するために、図11に示すように、先端部1
00が閉塞され、基端部101側から導入される処理液
を、側面に並設された多数の処理液噴出孔102から処
理槽110内に噴出させる処理液注入管103が底部付
近に取り付けらている。この処理液注入管103は、従
来、図11に示すように、基端部101から先端部10
0に至る管全体の内径が均一に形成された管の側面に円
筒状の多数の処理液噴出孔102が予め決められた位置
に穿設されて製作されている。各処理液噴出孔102
は、従来、管の外壁側からドリルなどを用いて穿設され
ている。また、処理液注入管103の基端部101への
処理液の供給は処理液供給管120を介して処理液供給
部130から行われる。
【0003】そして、処理槽110内に複数枚の基板W
が配列されて支持され、処理液注入管103の各処理液
噴出孔102から噴出される処理液によって、処理槽1
10内全体に形成される処理液の上昇流の中に各基板W
が浸漬されてこれら基板Wに所定の処理が行われる。
【0004】例えば、エッチング処理は、処理液注入管
103の各処理液噴出孔102から噴出された純水によ
り処理槽110内に純水が満たされた中に複数枚の基板
Wが浸漬された状態で、処理液注入管103の各処理液
噴出孔102からエッチング作用があるフッ酸などの薬
液を噴出させて、処理槽110内の処理液を純水から薬
液に置換することで行われる。
【0005】このように処理液注入管103の各処理液
噴出孔102から処理槽110内に全体的に薬液を噴出
して、処理槽110内全体に薬液の流れを形成すること
で、処理槽110内全体の処理液の置換を効率よく行う
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されていた処理液注入管103は、図12に示すよう
に、各処理液噴出孔102から噴出される処理液の水頭
長wlの差が大きく、また、各処理液噴出孔102から
処理槽110内に噴出される処理液の噴出方向にバラツ
キがあるという欠点があった。なお、図中のラインwl
tは、先端部100に最も近い処理液噴出孔102から
噴出される処理液の水頭長を示すラインである。
【0007】そのため、従来の処理槽110で、例え
ば、エッチング処理を行うと、各処理液噴出孔102か
ら噴出される処理液の水頭長wlの差と、各処理液噴出
孔102から処理槽110内に噴出される処理液の噴出
方向のバラツキとによって、処理槽110内の純水から
薬液への置換が均一に行えず、各基板Wごとのエッチン
グ量に差が生じるなど、各基板Wに対する処理にバラツ
キが生じて複数枚の基板Wを均一に処理することができ
なかった。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、処理槽内で行う基板に対する処理を均
一に行うことができる処理槽及びそれを備えた基板処理
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来使用さ
れていた処理液注入管103の欠点の発生原因について
調査、研究した。
【0010】その結果、従来使用されていた処理液注入
管103において、各処理液噴出孔102から噴出され
る処理液の水頭長wlに差が生じる原因は、処理液噴出
孔102からの処理液の噴出圧力が、各処理液噴出孔1
02ごとにバラツキがあることに起因するという結論に
達した。すなわち、処理液注入管103の基端部101
側から先端部100側に近づくに従って、処理液噴出孔
102からの処理液の噴出圧力が高くなっていくので、
図12に示すように、処理液注入管103の基端部10
1側の処理液噴出孔102から先端部100側の処理液
噴出孔102に近づくに従って、噴出される処理液の水
頭長wlが序々に大きくなるように水頭長wlに差が生
じるものである。
【0011】また、各処理液噴出孔102から処理槽1
10内に噴出される処理液の噴出方向にバラツキが生じ
るのは、次のような原因によるものと考えられる。
【0012】すなわち、処理液注入管103の管内壁1
04側の処理液噴出孔102の噴出孔入口105に流れ
込む処理液の方向は一定していない。一方で、従来品の
ように単なる円筒状の処理液噴出孔102の場合、処理
液噴出孔102の噴出孔入口105に流れ込む処理液の
種々の方向の流れが整流されることがなく、そのまま、
処理液注入管103の管外壁106側の処理液噴出孔1
02の噴出孔出口107から処理液が噴出されることに
なる。従って、処理液噴出孔102の噴出孔出口107
から処理槽110内に噴出される処理液の噴出方向が、
処理液噴出孔102の噴出孔入口105に流れ込む処理
液の種々の方向の流れの影響をそのまま受けて、各処理
液噴出孔102から処理槽110内に噴出される処理液
の噴出方向にバラツキが生じるものと考えられる。
【0013】以上の調査、研究結果を基に、本発明者は
従来品の欠点を解消し得る以下のような発明をなすに至
った。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明に係る処
理槽は、先端部が閉塞され、基端部側から導入される処
理液を、側面に並設された多数の処理液噴出孔から槽内
に噴出させる処理液注入管を有し、基板を処理液に浸漬
させる処理槽において、前記処理液注入管は、前記各処
理液噴出孔に、管内壁から管外側に向かって孔径が徐々
に小さくなるスロープ部を備えたことを特徴とするもの
である。
【0015】請求項2に記載の発明に係る処理槽は、上
記請求項1に記載の処理槽において、前記処理液注入管
を内管とし、その外周に、前記処理槽内に処理液を最終
的に噴出する多数の第2の処理液噴出孔が側面に並設さ
れた処理液注入外管を配設し、外側の処理液注入外管の
第2の処理液噴出孔からの処理液の噴出方向に対して、
内側の処理液注入管の処理液噴出孔からの処理液の噴出
方向がずらされていることを特徴とするものである。
【0016】請求項3に記載の発明に係る基板処理装置
は、上記請求項1または2に記載の処理槽を備えたこと
を特徴とするものである。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、処理液注入管
の各処理液噴出孔に、管内壁から管外側に向かって孔径
が徐々に小さくなるスロープ部を備えたので、管外壁側
の処理液噴出孔の噴出孔出口の口径に比べて、管内壁側
の処理液噴出孔の噴出孔入口の口径が大きくなり、処理
液が噴出孔入口に流れ込み易くなり、各処理液噴出孔で
の処理液の噴出圧力差が抑制され、各処理液噴出孔から
の処理液の水頭長の差が従来品に比べて抑制されること
になる。
【0018】また、処理液噴出孔の噴出孔入口に流れ込
む処理液の種々の方向の流れは、スロープ部の内周壁に
ぶつかり、処理液噴出孔の中心軸線方向以外の流れは互
いに干渉し、相殺される結果、最終的に処理液の噴出方
向が処理液噴出孔の中心軸線方向に収束され、各処理液
噴出孔から処理槽内に噴出される処理液の噴出方向のバ
ラツキが抑制されることになる。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、処理液注
入管を内管とし、その外周に、処理槽内に処理液を最終
的に噴出する多数の第2の処理液噴出孔が側面に並設さ
れた処理液注入外管を配設し、外側の処理液注入外管の
第2の処理液噴出孔からの処理液の噴出方向に対して、
内側の処理液注入管の処理液噴出孔からの処理液の噴出
方向がずらされているので、内側の処理液注入管の処理
液噴出孔から噴出された処理液は、外側の処理液注入外
管の内壁面にぶつかって流速(圧力)が減ぜられた後、
流れが二分され、それぞれの流れが、内側の処理液注入
管の外壁面と外側の処理液注入外管の内壁面と間の空間
を別方向から回り込み、第2の処理液噴出孔で各流れが
合流して、第2の処理液噴出孔から処理槽内に噴出され
ることになる。従って、処理液の流れは、内側の処理液
注入管の処理液噴出孔より噴出されてから外側の処理液
注入外管の第2の処理液噴出孔より処理槽内に噴出され
るまでの間にさらに整流され、処理槽内に噴出される処
理液の噴出方向のバラツキを一層抑制することができ
る。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、装置に備
えられた請求項1または2に記載の発明に係る処理槽
で、基板を処理液に浸漬させて処理する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1(a)は本発明の第1実施形
態に係る処理槽の構成を示す縦断面図であり、図1
(b)はその平面図、図2(a)はその横断面図、図2
(b)は処理液噴出孔を処理液注入管の内壁面から見た
図である。
【0022】図に示す処理槽10は、略箱型の形状を有
し、その底面10aが正面視でV字型となるように中央
部を下方に窪ませて形成されている。処理槽10の側面
10bの上部には、処理槽10の上部から溢れた処理液
を回収する回収部11が設けられている。この回収部1
1には、排液管12が接続されていて、回収部11で回
収した処理液を排液ドレイン13に流すように構成され
ている。また、処理槽10の底面10aには、排液口1
4が設けられている。この排液口14は、開閉弁15が
介装された配管16を介して排液管12に接続され、開
閉弁15を開に切り換えることで、処理槽10内の処理
液を底部から排液ドレイン13に排出することができる
ようになっている。
【0023】この処理槽10内には、複数枚の基板Wを
所定の間隔を開けて整列させて支持する支持部材17が
設けられている。この支持部材17は図示しない昇降機
構により昇降自在に構成されている。
【0024】そして、この処理槽10には、2本の処理
液注入管1が処理槽10の底面10aと側面10bとを
連結するように取り付けられている。各処理液注入管1
はそれぞれ、各処理液噴出孔2を処理槽10内に臨ま
せ、かつ、各処理液噴出孔2からの処理液の噴出方向が
水平面よりやや下方を向くように配設されている。この
処理液注入管1の詳細構成は後述する。
【0025】各処理液注入管1の基端部3には、先端部
が二股に分かれた処理液供給管20が接続され、この処
理液供給管20を介して、各処理液注入管1に、処理液
供給部21から処理液が供給されるようになっている。
【0026】処理槽10での処理が単一の処理液を用い
たもの(例えば、純水のみによる純水洗浄処理や、単一
の薬液を用いた薬液洗浄処理など)である場合には、処
理液供給部21は単一の処理液を供給するように構成さ
れる。また、処理槽10での処理が複数の処理液を用い
たものである(例えば、純水による純水洗浄処理と薬液
による薬液洗浄処理とを行う)場合には、処理液供給部
21は複数の処理液を選択的に供給できるように構成さ
れる。
【0027】処理槽10(底面10a、側面10b、回
収部11など)や、処理液注入管1は、例えば、石英
や、PVC(塩化ビニル樹脂)、PEEK(ポリエーテ
ルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエ
チレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)な
どの材料で構成される。
【0028】次に、本発明の要部である処理液注入管1
の構成を図1ないし図4を参照して説明する。図3は処
理液注入管の拡大横断面図であり、図4(a)は処理液
噴出孔部分の拡大縦断面図、図4(b)は処理液噴出孔
部分の拡大横断面図である。
【0029】この処理液注入管1は、先端部4が閉塞さ
れ、基端部3側から導入される処理液を、側面に並設さ
れた多数の処理液噴出孔2から処理槽10内に噴出させ
るものである。そして、各処理液噴出孔2に、管内壁5
から管外側に向かって孔径が徐々に小さくなるテーパー
状のスロープ部6を備えている。また、そのスロープ部
6に連なるように、管外壁7に向かって円筒状の(孔径
が同じ)ストレート部8が形成されている。
【0030】このように構成したことにより、管外壁7
側の処理液噴出孔2の噴出孔出口2aの口径roに比べ
て、管内壁5側の処理液噴出孔2の噴出孔入口2bの口
径riが大きくなり、処理液が噴出孔入口2bに流れ込
み易くなり、各処理液噴出孔2での処理液の噴出圧力差
が抑制される。その結果、図3に示すように、各処理液
噴出孔2からの処理液の水頭長wlの差が、従来の処理
液注入管103(図12参照)に比べて抑制されること
になる。
【0031】また、図4に示すように、処理液噴出孔2
の噴出孔入口2bに流れ込む処理液の種々の方向の流れ
(矢印で示している)は、スロープ部6の内周壁にぶつ
かり、処理液噴出孔2の中心軸線hj方向以外の流れは
互いに干渉し、相殺される結果、最終的に処理液の噴出
方向FHが処理液噴出孔2の中心軸線hj方向に収束さ
れ、図3に示すように各処理液噴出孔2から処理槽10
内に噴出される処理液の噴出方向のバラツキが抑制され
ることになる。
【0032】なお、噴出孔出口2aの口径roに比べて
噴出孔入口2bの口径riが大きければ、水頭長wlの
差を抑制することが可能であるので、例えば、図5
(a)、(b)に示すように、スロープ部6の軸芯sl
jとストレート部8の軸芯stjとがずれていたり、図
5(c)、(d)に示すように、スロープ部6の内周壁
の傾斜角度が上下(左右)方向に対称でないような場合
などでも、水頭長wlの差を抑制できる。しかしなが
ら、上記図5(a)〜(d)の各場合には、噴出孔入口
2bに流れ込む処理液の種々の方向の流れが、スロープ
部6の内周壁にぶつかって方向を変えられても、その方
向にバラツキが生じて処理液の種々の方向の流れが相殺
されずに、処理液の噴出方向が処理液噴出孔2の中心軸
線方向からずれる可能性もあり、各処理液噴出孔2から
処理槽10内に噴出される処理液の噴出方向のバラツキ
が十分に抑制されないことも考えられる。従って、スロ
ープ部6とストレート部8とは同芯軸となるように構成
するとともに、スロープ部6の内周壁を上下(左右)方
向に対称になるように構成することが好ましい。なお、
スロープ部6の内周壁を上下(左右)方向に対称にする
には、スロープ部6が円錐状であることに限らず、例え
ば、図5(e)、(f)に示すように、スロープ6は、
処理液注入管1の内壁面から見て楕円形となるように構
成してもよい。図5(a)、(c)は処理液噴出孔の部
分の断面図、図5(b)、(d)、(e)は処理液噴出
孔を処理液注入管の内壁面から見た図、図5(f)は処
理液噴出孔全体形状を立体的に描いた図である。
【0033】上述したように、処理槽10に取り付けら
れた各処理液注入管1は、各処理液噴出孔2から噴出さ
れる処理液の水頭長wlの差が抑制されているととも
に、各処理液噴出孔2から処理槽10内に噴出される処
理液の噴出方向のバラツキが抑制されているので、各処
理液注入管1の各処理液噴出孔2から処理槽10内への
処理液の噴出を、従来装置よりも均一な条件で行うこと
ができ、複数枚の各基板Wに対する処理を均一に行うこ
とができる。
【0034】例えば、上記実施形態に係る処理槽10に
おいて、処理液注入管1の各処理液噴出孔2から噴出さ
れた純水により処理槽10内に純水が満たされた中に複
数枚の基板Wが支持部材17に支持されて浸漬された状
態で、処理液注入管1の各処理液噴出孔2からフッ酸な
どの薬液が噴出させて、処理槽10内の処理液を純水か
ら薬液に置換してエッチング処理を行う場合、各処理液
注入管1の各処理液噴出孔2から噴出される薬液の水頭
長wlや薬液の噴出方向の均一化が図られているので、
処理槽10内での純水から薬液への置換の進行が均一に
行われ、各基板Wごとのエッチング量に差が生じること
になく、各基板Wに対する処理を均一に行うことができ
る。
【0035】また、上記実施形態に係る処理槽10によ
れば、処理液注入管1の各処理液噴出孔2から噴出され
た所定の処理液により処理槽10内にその処理液が満た
された中に複数枚の基板Wが支持部材17に支持されて
浸漬された状態で、処理液注入管1の各処理液噴出孔2
から処理槽10内の処理液と同じ処理液を噴出させ続け
て行うような、単一の処理液による処理の場合にも、各
処理液注入管1の各処理液噴出孔2から噴出される薬液
の水頭長wlや処理液の噴出方向の均一化が図られてい
るので、各基板Wは同じ処理条件で処理され、各基板W
の処理を均一に行うことができる。
【0036】なお、上記実施形態では、スロープ部6を
テーパー状(断面で見て孔径が直線状に変化する形状)
に形成しているが、図6(a)に示すように、R形状
に、すなわち、断面で見て孔径が曲線状に変化するよう
に形成しても上記実施形態の処理液注入管1と同様の効
果を得ることができる。また、上記実施形態では、各処
理液噴出孔2をスロープ部6とストレート部8とを備え
て構成しているが、図6(b)、(c)に示すように、
各処理液噴出孔2をスロープ部6のみで構成しても上記
実施形態の処理液注入管1と同様の効果を得ることがで
きる。なお、図6(b)、(c)に示すように各処理液
噴出孔2を加工すると、加工後の各処理液噴出孔2の噴
出孔出口2aの口径roや形成位置が予め決められた口
径や形成位置に対してズレ易くなる。すなわち、各処理
液噴出孔2をスロープ部6のみで構成する場合、加工後
の各処理液噴出孔2の噴出孔出口2aの口径roを予め
決められた口径に形成し、噴出孔出口2aの形成位置を
予め決められた形成位置に形成するのには加工上困難性
を伴うことになる。これに対して各処理液噴出孔2にス
ロープ部6とストレート部8とを備えて構成する場合、
スロープ部6を加工した後、ストレート部8を加工する
ときに、加工後の各処理液噴出孔2の噴出孔出口2aの
口径roや形成位置を調整して加工することができるの
で、加工の上からは、各処理液噴出孔2にスロープ部6
とストレート部8とを備えて構成する方が好ましい。
【0037】なお、処理液注入管1は、円管に限らず、
図7(a)、(b)などに示すように、断面形状が矩形
や三角形など多角形の角管であってもよく、また、図7
(c)、(d)に示すように、断面形状で円弧部と直線
部とを有するD字形状の管であってもよい。
【0038】図6、図7の変形例については、後述する
実施形態でも同様に変形実施可能である。
【0039】次に、スロープ部6を備えた処理液噴出孔
2を有する処理液注入管1の製造方法を図7(c)の形
状の処理液注入管1を製造する場合を例に採り、図8を
参照して説明する。
【0040】従来の処理液注入管103のように各処理
液噴出孔102が円筒状であれば、管外壁106から処
理液噴出孔102を穿設することが可能である。しかし
ながら、管内壁5側にスロープ部6を備えた処理液噴出
孔2を管外壁7から穿設することは不可能である。
【0041】そこで、まず、図8(a)に示す切断線C
Lで円管1’の軸線方向(図の紙面に垂直な方向)に沿
って円管1’を切断して、図8(b)に示すように管断
片1aと1bとに分離して、管内壁5側から加工が行え
るようにする。そして、大きい方の管断片1aにスロー
プ部6を備えた各処理液噴出孔2を形成する。各処理液
噴出孔2をレーザー加工で形成する場合は、図8(c)
に示すように、レーザー光LBを円錐状に変位させてス
ロープ部6を形成し、次に、図8(d)に示すように、
レーザー光LBを円形に変位させてストレート部8を形
成して処理液噴出孔2を形成する。また、各処理液噴出
孔2をドリルで形成する場合は、図8(e)に示すよう
な円錐状のドリル部分31と円柱状のドリル部分32と
を備えたドリル33を用いて、図8(f)に示すように
処理液噴出孔2を穿設する。なお、図6(a)に示すよ
うに、スロープ部6をR形状に構成する場合には、図8
(e)、(f)のドリル33の円錐状のドリル部分31
の形状を、球状、楕円球状、紡錘状などに構成したドリ
ルを用いればよい。その他、超音波加工などで処理液噴
出孔2を形成してもよい。管断片1aにスロープ部6を
備えた処理液噴出孔2を全て形成し終わると、図8
(g)に示すように、その管断片1aの開口を塞ぐよう
に、別途用意しておいた板状の部材1cを溶接などによ
り接合して図7(c)に示す形状の処理液注入管1を得
る。
【0042】図7(d)に示す形状の処理液注入管1
は、板状の部材1c側に各処理液噴出孔2を形成したも
のである。
【0043】また、図8(a)、(b)において切断し
た際の残りの管断片1bを、各処理液噴出孔2を形成し
た管断片1aに接合すれば、円管状の処理液注入管1を
得ることができる。
【0044】図7(a)、(b)に示す形状の処理液注
入管1も同様に、角管を切断して得られた管断片に各処
理液噴出孔2を形成し、その後、各処理液噴出孔2を形
成した管断片の開口を塞いで角管にすればよい。
【0045】次に、本発明の第2実施形態の構成を図9
を参照して説明する。図9(a)は本発明の第2実施形
態に係る処理槽の底部付近の構成を示す縦断面図であ
り、図9(b)は処理液注入管及び処理液注入外管の構
成を示す横断面図、図9(c)は処理液注入管及び処理
液注入外管の構成を示す拡大縦断面図である。
【0046】この実施形態は、上記第1実施形態で説明
した構造の処理液注入管1を内管とし、その外周に処理
液注入外管40を配設して2重管構造に構成している。
各処理液注入外管40は、両端部が閉塞されており、そ
の側面に、処理液注入管1の処理液噴出孔2と同数の第
2の処理液噴出孔41が、処理液注入管1の各処理液噴
出孔2の間隔と同じ間隔で形成されている。各第2の処
理液噴出孔41は円筒状に形成されている。各処理液注
入外管40はそれぞれ、各第2の処理液噴出孔41を処
理槽10内に臨ませ、かつ、各第2の処理液噴出孔41
からの処理液の噴出方向を水平面よりやや下方を向くよ
うに配設されている。各処理液注入管1と各処理液注入
外管40とは同芯状に配設され、各処理液噴出孔2から
の処理液の噴出方向と、各第2の処理液噴出孔41から
の処理液の噴出方向とは、互いに略反対方向となるよう
にずらされている。また、各処理液噴出孔2と各第2の
処理液噴出孔41との軸方向の位置にズレがないよう
に、すなわち、軸線CJに直交する軸VJ上に各処理液
噴出孔2と各第2の処理液噴出孔41とが配置されるよ
うに構成され、処理液注入外管40の第2の処理液噴出
孔41の孔径は、処理液注入管1の各処理液噴出孔2の
処理液の噴出孔出口2aの口径よりも大きく形成されて
いる。処理液注入外管40は、処理液注入管1と同様の
材料で構成される。その他の構成は上記第1実施形態と
同様の構成を有するので、共通する部分は図1ないし図
4と同一符号を付してその詳述を省略する。
【0047】この処理槽10によれば、図9(c)に示
すように、内側の処理液注入管1の処理液噴出孔2から
の噴出された処理液は、外側の処理液注入外管40の内
壁面にぶつかって流速(圧力)が減ぜられた後、流れが
二分され、それぞれの流れが、内側の処理液注入管1の
外壁面と外側の処理液注入外管40の内壁面と間の空間
42を別方向から回り込み、第2の処理液噴出孔41で
各流れが合流して、第2の処理液噴出孔41から処理槽
10内に噴出されることになる。従って、処理液の流れ
は、内側の処理液注入管1の処理液噴出孔2より噴出さ
れてから外側の処理液注入外管40の第2の処理液噴出
孔41より処理槽10内に噴出されるまでの間にさらに
整流され、処理槽10内に噴出される処理液の噴出方向
のバラツキを一層抑制することができ、処理槽10によ
る各基板Wに対する処理を一層均一に行うことができ
る。
【0048】なお、上記第2実施形態のように2重管構
造とした場合の外側の処理液注入外管40の各第2の処
理液噴出孔41にもスロープ部6を備えるように構成し
てもよい。
【0049】また、上記各実施形態に係る処理槽10に
は、回収部11を備えているが、回収部11を備えてい
ない処理槽であっても本発明は同様に適用できる。
【0050】上記各実施形態やその変形例に係る処理槽
10は、各種のバッチ式の基板処理装置に備えられる処
理槽として用いることができる。
【0051】例えば、図10(a)の平面図に示すよう
な、複数枚の基板に各種の洗浄処理を施す複数個の処理
槽を備えたウエットステーションと呼ばれる基板処理装
置の各処理槽として、上記実施形態に係る処理槽10を
用いることにより、各処理槽での洗浄処理を均一に行う
ことができる。なお、図中の符号50は搬入搬出部を示
し、この搬入搬出部50で、カセットに収容された複数
枚の基板を取り出すととともに、処理済の基板をカセッ
トに収容する処理が行われる。符号51は、搬入搬出部
50でカセットから取り出された複数枚の基板を一括保
持して、各処理槽10に順次搬送するとともに、処理済
の複数枚の基板を搬入搬出部50に引き渡す動作を行う
搬送装置である。
【0052】また、図10(b)の縦断面図に示すよう
に、複数枚の基板Wに1または複数の洗浄処理を1台で
行う処理槽を密閉チャンバ60内に収容し、かつ、ノズ
ル61から密閉チャンバ60内にIPA(イソプロピー
ルアルコール)などの有機溶剤を供給可能に構成した
り、さらに、密閉チャンバ60内を減圧可能に構成する
などして複数枚の基板Wに対する洗浄処理と乾燥処理と
を密閉チャンバ60内で行うように構成した基板処理装
置の処理槽として、上記実施形態に係る処理槽10を用
いることにより、処理槽での洗浄処理を均一に行うこと
ができる。なお、図10(b)では、密閉チャンバ60
の底部に排気・排液口61を備えていて、処理槽10か
ら溢れ出た処理液を密閉チャンバ60内に流して、排気
・排液口61から排液管12を介して排液ドレイン13
に排出するように構成しているので、処理槽10に回収
部11を備えていないが、回収部11を備えた処理槽1
0を密閉チャンバ60に収容してもよい。
【0053】さらに、実開平6−31142号公報に開
示されているような1台以上の処理槽と基板乾燥装置と
を組み込んだ基板処理装置の処理槽として、上記実施形
態に係る処理槽10を用いることにより、処理槽での洗
浄処理を均一に行うことができる。
【0054】その他の構成で洗浄処理、または、洗浄処
理及び乾燥処理を行う基板処理装置の処理槽としても上
記実施形態に係る処理槽10を用いることもできる。
【0055】さらに、洗浄処理や、洗浄処理及び乾燥処
理以外の基板処理を行う基板処理装置であっても、先端
部が閉塞され、基端部側から導入される処理液を、側面
に並設された多数の処理液噴出孔から槽内に噴出させる
処理液注入管を有し、基板を処理液に浸漬させて処理す
る処理槽を備えたものであれば、上記実施形態に係る処
理槽10を適用することができる。
【0056】また、基板を1枚だけ浸漬する処理槽にも
適用することができ、基板の主面と処理液噴出孔の並び
とが平行となるように浸漬する場合には、基板の全面を
均一に処理できる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、処理槽に取り付ける処理液注
入管の各処理液噴出孔に、管内壁から管外側に向かって
孔径が徐々に小さくなるスロープ部を備えたので、従来
の処理液注入管に比べて各処理液噴出孔から噴出される
処理液の水頭長の差を抑制することができるとともに、
各処理液噴出孔から処理槽に噴出される処理液の噴出方
向のバラツキを抑制することができる。従って、従来装
置に比べて、基板に対する処理をより均一に行うことが
できる処理槽を実現することができる。
【0058】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の処理液注入管を内管とし、その外周に、処理槽
内に処理液を最終的に噴出する多数の第2の処理液噴出
孔が側面に並設された処理液注入外管を配設し、外側の
処理液注入外管の第2の処理液噴出孔からの処理液の噴
出方向に対して、内側の処理液注入管の処理液噴出孔か
らの処理液の噴出方向がずらされているので、処理槽内
に噴出される処理液の噴出方向のバラツキを一層抑制す
ることができ、基板に対する処理をさらに均一に行うこ
とができる処理槽を実現することができる。
【0059】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
または2に記載の発明で説明した効果が得られる処理槽
を備えた基板処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る処理槽の構成を示
す縦断面図と平面図である。
【図2】第1実施形態に係る処理槽の横断面図と、処理
液噴出孔を処理液注入管の内壁面から見た図である。
【図3】本発明の要部の処理液注入管の拡大横断面図で
ある。
【図4】処理液噴出孔部分の拡大縦断面図と拡大横断面
図である。
【図5】処理液噴出孔の各種の構造を示す図である。
【図6】処理液噴出孔に備えるスロープ部の各種の変形
例の構成を示す断面図である。
【図7】処理液注入管の変形例の構成を示す縦断面図で
ある。
【図8】スロープ部を備えた処理液噴出孔が形成された
処理液注入管の製造方法の一例を説明するための図であ
る。
【図9】本発明の第2実施形態に係る処理槽の底部付近
の構成を示す縦断面図と、処理液注入管及び処理液注入
外管の構成を示す横断面図及び拡大縦断面図である。
【図10】本発明に係る処理槽を適用できる基板処理装
置の一例の構成を示す図である。
【図11】従来の処理槽の構成を示す縦断面図と横断面
図、及び処理液噴出孔を処理液注入管の内壁面から見た
図である。
【図12】従来の処理液注入管の欠点を示す図である。
【符号の説明】
1:処理液注入管 2:処理液噴出孔 3:処理液注入管の基端部 4:処理液注入管の先端部 5:処理液注入管の管内壁 6:スロープ部 10:処理槽 40:処理液注入外管 41:第2の処理液噴出孔 W:基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が閉塞され、基端部側から導入さ
    れる処理液を、側面に並設された多数の処理液噴出孔か
    ら槽内に噴出させる処理液注入管を有し、基板を処理液
    に浸漬させる処理槽において、 前記処理液注入管は、前記各処理液噴出孔に、管内壁か
    ら管外側に向かって孔径が徐々に小さくなるスロープ部
    を備えたことを特徴とする処理槽。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理槽において、 前記処理液注入管を内管とし、その外周に、前記処理槽
    内に処理液を最終的に噴出する多数の第2の処理液噴出
    孔が側面に並設された処理液注入外管を配設し、外側の
    処理液注入外管の第2の処理液噴出孔からの処理液の噴
    出方向に対して、内側の処理液注入管の処理液噴出孔か
    らの処理液の噴出方向がずらされていることを特徴とす
    る処理槽。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の処理槽を備え
    たことを特徴とする基板処理装置。
JP30168097A 1997-10-20 1997-11-04 処理槽及びそれを備えた基板処理装置 Pending JPH11145097A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217160A (ja) * 2001-01-17 2002-08-02 Tokyo Electron Ltd 基板処理装置

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217160A (ja) * 2001-01-17 2002-08-02 Tokyo Electron Ltd 基板処理装置
JP4562109B2 (ja) * 2001-01-17 2010-10-13 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置

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