JPH11144944A - 超電導コイル装置 - Google Patents
超電導コイル装置Info
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- JPH11144944A JPH11144944A JP9310618A JP31061897A JPH11144944A JP H11144944 A JPH11144944 A JP H11144944A JP 9310618 A JP9310618 A JP 9310618A JP 31061897 A JP31061897 A JP 31061897A JP H11144944 A JPH11144944 A JP H11144944A
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- superconducting coil
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】未反応の超電導線に被覆した絶縁材の割れを抑
制するこてとにある。 【解決手段】未反応の超電導材を用いて超電導線13a と
し、この超電導線13a を絶縁材13b で被覆して絶縁被覆
線13を構成し、この絶縁被覆線13を巻枠7に巻き付けて
巻線部12を成形し、この巻線部12に所定温度の熱処理を
加えて超電導材を反応させることで所定の超電導物質と
して構成するようにした超電導コイル装置において、絶
縁材13b は、少なくとも無機充填材及び無機バインダー
を用いてなる水性塗料を超電導線13a に塗布して乾燥す
ることで成形される。
制するこてとにある。 【解決手段】未反応の超電導材を用いて超電導線13a と
し、この超電導線13a を絶縁材13b で被覆して絶縁被覆
線13を構成し、この絶縁被覆線13を巻枠7に巻き付けて
巻線部12を成形し、この巻線部12に所定温度の熱処理を
加えて超電導材を反応させることで所定の超電導物質と
して構成するようにした超電導コイル装置において、絶
縁材13b は、少なくとも無機充填材及び無機バインダー
を用いてなる水性塗料を超電導線13a に塗布して乾燥す
ることで成形される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁被覆線を用い
た超電導コイル装置において、所定温度例えば摂氏40
0度以上の熱処理により反応する化合物系超電導線また
はセラミック系超電導線を巻いて形成される巻線部と冷
凍機が熱的に接続された超電導コイル装置に関する。
た超電導コイル装置において、所定温度例えば摂氏40
0度以上の熱処理により反応する化合物系超電導線また
はセラミック系超電導線を巻いて形成される巻線部と冷
凍機が熱的に接続された超電導コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】未反応の化合物系超電導線に絶縁材が被
覆された絶縁被覆線としては、例えば特公平7−894
54号公報に示されているようなものがある。図5乃至
図7は、従来のこの種の絶縁被覆線を用いた超電導コイ
ル装置の構成を示すもので、図5は超電導コイル装置の
構成を示す断面図、図6は超電導コイルの一部が切除さ
れた斜視図、図7は超電導コイルの断面図である。
覆された絶縁被覆線としては、例えば特公平7−894
54号公報に示されているようなものがある。図5乃至
図7は、従来のこの種の絶縁被覆線を用いた超電導コイ
ル装置の構成を示すもので、図5は超電導コイル装置の
構成を示す断面図、図6は超電導コイルの一部が切除さ
れた斜視図、図7は超電導コイルの断面図である。
【0003】図5において、超電導コイル装置1は中心
部に軸方向に抜ける中空部を有する真空容器2を備え、
この真空容器2内に超電導コイル4が設けられると共
に、熱伝導体5を介して冷凍機6に接続されている。
部に軸方向に抜ける中空部を有する真空容器2を備え、
この真空容器2内に超電導コイル4が設けられると共
に、熱伝導体5を介して冷凍機6に接続されている。
【0004】この超電導コイル4は、円筒状の巻枠胴部
7aと、この巻枠胴部7aの両開口端部に有するつば部
7b,7bから構成された巻枠7と巻枠胴部7aの外周
面及び両つば部7b,7bの互いに対向する面にそれぞ
れ装着されたセラミックスまたは石英ガラスからなる対
地絶縁物8と、巻枠7の外周に絶縁物8を介して巻装さ
れた巻線部9とから構成されている。
7aと、この巻枠胴部7aの両開口端部に有するつば部
7b,7bから構成された巻枠7と巻枠胴部7aの外周
面及び両つば部7b,7bの互いに対向する面にそれぞ
れ装着されたセラミックスまたは石英ガラスからなる対
地絶縁物8と、巻枠7の外周に絶縁物8を介して巻装さ
れた巻線部9とから構成されている。
【0005】上記超電導コイル4の巻線部9は、図7に
示すように絶縁被覆線10で構成されている。この絶縁
被覆線10は複数列、複数層を成すように巻枠胴部7a
の外周側に対地絶縁物8を介して巻き付けられている。
また、絶縁被覆線10は超電導線10aを無機充填材や
有機物などで構成された絶縁材10bで被覆したもので
ある。
示すように絶縁被覆線10で構成されている。この絶縁
被覆線10は複数列、複数層を成すように巻枠胴部7a
の外周側に対地絶縁物8を介して巻き付けられている。
また、絶縁被覆線10は超電導線10aを無機充填材や
有機物などで構成された絶縁材10bで被覆したもので
ある。
【0006】このようにして巻線部9の成形後、超電導
コイル4には摂氏700度の熱処理を加えて絶縁材10
bを無機化して焼結し、しかも未反応であった超電導材
が反応して所定の超電導物質になる。
コイル4には摂氏700度の熱処理を加えて絶縁材10
bを無機化して焼結し、しかも未反応であった超電導材
が反応して所定の超電導物質になる。
【0007】従って、上記のような構成の超電導コイル
装置において、冷凍機6より冷熱が熱伝導体5を通して
超電導コイル4に伝達されると超電導コイル4の巻線部
9が冷却されて超電導状態になる。このような状態で巻
線部9に電流を流すと真空容器2に存する中空部3に磁
場が発生する。
装置において、冷凍機6より冷熱が熱伝導体5を通して
超電導コイル4に伝達されると超電導コイル4の巻線部
9が冷却されて超電導状態になる。このような状態で巻
線部9に電流を流すと真空容器2に存する中空部3に磁
場が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような超電導
コイル装置を構成するには、超電導コイルに摂氏400
度以上、例えば摂氏700度の熱処理を加えるため、絶
縁被覆線10の絶縁材10bに有機物が多く含まれてい
ると熱処理の際、絶縁材10bの中で有機物が分解して
ガス化し、絶縁材10bが割れ易くなる。
コイル装置を構成するには、超電導コイルに摂氏400
度以上、例えば摂氏700度の熱処理を加えるため、絶
縁被覆線10の絶縁材10bに有機物が多く含まれてい
ると熱処理の際、絶縁材10bの中で有機物が分解して
ガス化し、絶縁材10bが割れ易くなる。
【0009】従って、絶縁材10bが割れた場合、割れ
た部分が真空断熱部となるので、冷凍機6による超電導
線10aの冷却能力を低下させるという問題がある。本
発明は上記の問題点を解消するためなされたもので、熱
処理時に発生する未反応の超電導線を被覆した絶縁材の
割れに起因する冷却能力の低下を抑制することができる
超電導コイル装置を提供することを目的とする。
た部分が真空断熱部となるので、冷凍機6による超電導
線10aの冷却能力を低下させるという問題がある。本
発明は上記の問題点を解消するためなされたもので、熱
処理時に発生する未反応の超電導線を被覆した絶縁材の
割れに起因する冷却能力の低下を抑制することができる
超電導コイル装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような構成とするものである。請求項
1に対応する発明は、未反応の超電導材を用いて超電導
線とし、この超電導線を絶縁材で被覆して絶縁被覆線を
構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻き付けて巻線部を形
成し、この巻線部に所定温度の熱処理を加えて前記未反
応の超電導材を所定の超電導物質に反応させることで超
電導コイルを構成してなる超電導コイル装置において、
前記絶縁材を、少なくとも無機充填材及び無機バインダ
ーを用いてなる水性塗料を前記超電導線に塗布して乾燥
することで構成したものである。
成するため、次のような構成とするものである。請求項
1に対応する発明は、未反応の超電導材を用いて超電導
線とし、この超電導線を絶縁材で被覆して絶縁被覆線を
構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻き付けて巻線部を形
成し、この巻線部に所定温度の熱処理を加えて前記未反
応の超電導材を所定の超電導物質に反応させることで超
電導コイルを構成してなる超電導コイル装置において、
前記絶縁材を、少なくとも無機充填材及び無機バインダ
ーを用いてなる水性塗料を前記超電導線に塗布して乾燥
することで構成したものである。
【0011】従って、このような構成とすることによ
り、絶縁材の主成分を無機物にしたので、所定温度の熱
処理の際、絶縁材から発生する分解ガス等を少なくし、
ガス発生による絶縁材の割れを少なくすることができ
る。
り、絶縁材の主成分を無機物にしたので、所定温度の熱
処理の際、絶縁材から発生する分解ガス等を少なくし、
ガス発生による絶縁材の割れを少なくすることができ
る。
【0012】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の超電導コイル装置において、所定温度より
融点の高い無機充填材を用いた水性塗料により超電導線
の絶縁材とする。
応する発明の超電導コイル装置において、所定温度より
融点の高い無機充填材を用いた水性塗料により超電導線
の絶縁材とする。
【0013】従って、このような構成とすることによ
り、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも所定温度の熱
処理の際、絶縁材が溶融しないようにしたので、ガス発
生による絶縁材の割れを少なくすることができる上、隣
合う超電導線同志の短絡を防ぐことができる。
り、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも所定温度の熱
処理の際、絶縁材が溶融しないようにしたので、ガス発
生による絶縁材の割れを少なくすることができる上、隣
合う超電導線同志の短絡を防ぐことができる。
【0014】請求項3に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の超電導コイル装置において、無機充填材と
してアルミナあるいはシリカを用いる。従って、このよ
うな構成とすることにより、絶縁材の主成分を無機物に
し、しかも所定温度の熱処理の際、無機充填質と無機バ
インダーが焼結し易くしたので、ガス発生による絶縁材
の割れを少なくすることができる上、絶縁材を強固にす
ることができる。
応する発明の超電導コイル装置において、無機充填材と
してアルミナあるいはシリカを用いる。従って、このよ
うな構成とすることにより、絶縁材の主成分を無機物に
し、しかも所定温度の熱処理の際、無機充填質と無機バ
インダーが焼結し易くしたので、ガス発生による絶縁材
の割れを少なくすることができる上、絶縁材を強固にす
ることができる。
【0015】請求項4に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の超電導コイル装置において、無機バインダ
ーとしてケイ酸塩を用いる。従って、このような構成と
することにより、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも
所定温度の熱処理の時、無機バインダーと無機充填質が
焼結し易くしたので、ガス発生による絶縁材の割れを少
なくすることができる上、絶縁材を強固にすることがで
きる。
応する発明の超電導コイル装置において、無機バインダ
ーとしてケイ酸塩を用いる。従って、このような構成と
することにより、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも
所定温度の熱処理の時、無機バインダーと無機充填質が
焼結し易くしたので、ガス発生による絶縁材の割れを少
なくすることができる上、絶縁材を強固にすることがで
きる。
【0016】請求項5に対応する発明は、未反応の超電
導材を用いて超電導線とし、この超電導線を絶縁材で被
覆して絶縁被覆線を構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻
き付けて巻線部を形成し、この巻線部に所定温度の熱処
理を加えて前記未反応の超電導材を所定の超電導物質に
反応させることで超電導コイルを構成してなる超電導コ
イル装置において、前記絶縁材を、少なくとも無機充填
材、無機バインダー及び水溶性有機物を用いてなる水性
塗料を前記超電導線に塗布して乾燥することで構成した
ものである。
導材を用いて超電導線とし、この超電導線を絶縁材で被
覆して絶縁被覆線を構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻
き付けて巻線部を形成し、この巻線部に所定温度の熱処
理を加えて前記未反応の超電導材を所定の超電導物質に
反応させることで超電導コイルを構成してなる超電導コ
イル装置において、前記絶縁材を、少なくとも無機充填
材、無機バインダー及び水溶性有機物を用いてなる水性
塗料を前記超電導線に塗布して乾燥することで構成した
ものである。
【0017】従って、このような構成とすることによ
り、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも巻線部に形成
する前の絶縁被覆線の絶縁材が一体に凝固しないように
したので、所定温度の熱処理の時、ガス発生による絶縁
材の割れを少なくすることができる上、絶縁被覆線を曲
げて巻線部を形成する際、絶縁被覆線の絶縁材の割れを
なくすことができる。
り、絶縁材の主成分を無機物にし、しかも巻線部に形成
する前の絶縁被覆線の絶縁材が一体に凝固しないように
したので、所定温度の熱処理の時、ガス発生による絶縁
材の割れを少なくすることができる上、絶縁被覆線を曲
げて巻線部を形成する際、絶縁被覆線の絶縁材の割れを
なくすことができる。
【0018】請求項6に対応する発明は、請求項5に対
応する発明の超電導コイル装置において、水溶性有機物
としてポリエチレングリコールを用いる。従って、この
ような構成とすることにより、水溶性有機物としてポリ
エチレングリコールを用いたので、絶縁被覆線を曲げて
巻線部を形成する際、絶縁被覆線の絶縁材の割れをなく
すことができる上、水性塗料の超電導線へのぬれ性及び
絶縁材と超電導線との密着性を高くすることができる。
応する発明の超電導コイル装置において、水溶性有機物
としてポリエチレングリコールを用いる。従って、この
ような構成とすることにより、水溶性有機物としてポリ
エチレングリコールを用いたので、絶縁被覆線を曲げて
巻線部を形成する際、絶縁被覆線の絶縁材の割れをなく
すことができる上、水性塗料の超電導線へのぬれ性及び
絶縁材と超電導線との密着性を高くすることができる。
【0019】請求項7に対応する発明は、請求項5に対
応する発明の超電導コイル装置において、水溶性有機物
としてグリセリンを用いる。従って、このような構成と
することにより、水溶性有機物としてグリセリンを用い
たので、絶縁被覆線を曲げて巻線部を形成する際、絶縁
被覆線の絶縁材の割れにくくすることができる上、水性
塗料の超電導線へのぬれ性を高くすることができる。
応する発明の超電導コイル装置において、水溶性有機物
としてグリセリンを用いる。従って、このような構成と
することにより、水溶性有機物としてグリセリンを用い
たので、絶縁被覆線を曲げて巻線部を形成する際、絶縁
被覆線の絶縁材の割れにくくすることができる上、水性
塗料の超電導線へのぬれ性を高くすることができる。
【0020】請求項8に対応する発明は、請求項5に対
応する発明の超電導コイル装置において、水性塗料に含
まれる水溶性有機物の含有量を5%以下とする。従っ
て、このような構成とすることにより、水性塗料に含ま
れる水溶性有機物の含有重量を5%以下にしたので、所
定恩での熱処理の時、ガス発生による絶縁材の割れを少
なくすることができる。
応する発明の超電導コイル装置において、水性塗料に含
まれる水溶性有機物の含有量を5%以下とする。従っ
て、このような構成とすることにより、水性塗料に含ま
れる水溶性有機物の含有重量を5%以下にしたので、所
定恩での熱処理の時、ガス発生による絶縁材の割れを少
なくすることができる。
【0021】請求項9に対応する発明は、未反応の超電
導材を用いて超電導線とし、この超電導線を絶縁材で被
覆して絶縁被覆線を構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻
き付けて巻線部を形成し、この巻線部に所定温度の熱処
理を加えて前記未反応の超電導材を所定の超電導物質に
反応させることで超電導コイルを構成してなる超電導コ
イル装置において、前記絶縁材を、少なくともケイ酸塩
及び水溶性有機物を用いてなる水性塗料を前記超電導線
に塗布して乾燥することで構成したものである。
導材を用いて超電導線とし、この超電導線を絶縁材で被
覆して絶縁被覆線を構成し、この絶縁被覆線を巻枠に巻
き付けて巻線部を形成し、この巻線部に所定温度の熱処
理を加えて前記未反応の超電導材を所定の超電導物質に
反応させることで超電導コイルを構成してなる超電導コ
イル装置において、前記絶縁材を、少なくともケイ酸塩
及び水溶性有機物を用いてなる水性塗料を前記超電導線
に塗布して乾燥することで構成したものである。
【0022】従って、このような構成とすることによ
り、所定温度の熱処理の時、ガス発生による絶縁材の割
れを少なくすることができる上、絶縁材の超電導線への
ぬれ性及び絶縁材と超電導線との密着性を高くすること
ができる。
り、所定温度の熱処理の時、ガス発生による絶縁材の割
れを少なくすることができる上、絶縁材の超電導線への
ぬれ性及び絶縁材と超電導線との密着性を高くすること
ができる。
【0023】請求項10に対応する発明は、請求項1乃
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、絶縁被覆線を巻枠に巻き付けながら、前記
絶縁被覆線に第二の絶縁材を塗布して巻線部を構成す
る。
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、絶縁被覆線を巻枠に巻き付けながら、前記
絶縁被覆線に第二の絶縁材を塗布して巻線部を構成す
る。
【0024】従って、このような構成とすることによ
り、絶縁被覆線を巻枠に巻き付けながら、絶縁被覆線に
第二の絶縁材を塗布して巻線部を成形したので、絶縁被
覆線相互間を接着することができる。
り、絶縁被覆線を巻枠に巻き付けながら、絶縁被覆線に
第二の絶縁材を塗布して巻線部を成形したので、絶縁被
覆線相互間を接着することができる。
【0025】請求項11に対応する発明は、請求項1乃
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、巻線部に熱処理を加えた後、前記巻線部の
隣合う絶縁被覆線相互間に液状樹脂を含浸し、この液状
樹脂を硬化する。
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、巻線部に熱処理を加えた後、前記巻線部の
隣合う絶縁被覆線相互間に液状樹脂を含浸し、この液状
樹脂を硬化する。
【0026】従って、このような構成とすることによ
り、巻線部に熱処理を加えた後、前記巻線部の隣合う絶
縁被覆線相互間に液状樹脂を含浸し、この液状樹脂を硬
化したので、巻線部を固着することができる。
り、巻線部に熱処理を加えた後、前記巻線部の隣合う絶
縁被覆線相互間に液状樹脂を含浸し、この液状樹脂を硬
化したので、巻線部を固着することができる。
【0027】請求項12に対応する発明は、請求項1乃
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、巻線部と冷凍機を熱的に接続する。従っ
て、このような構成とすることにより、巻線部と冷凍機
とを熱的に接続したので、ごく低温媒体に超電導コイル
を浸漬することなく、超電導コイルを所定の温度に冷却
することができる。
至請求項9の何ずれか一つの項に記載の超電導コイル装
置において、巻線部と冷凍機を熱的に接続する。従っ
て、このような構成とすることにより、巻線部と冷凍機
とを熱的に接続したので、ごく低温媒体に超電導コイル
を浸漬することなく、超電導コイルを所定の温度に冷却
することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明による超電導コイル装
置の第1の実施の形態における超電導コイルの部分断面
図を示すものであり、超電導コイル装置の構成及び超電
導コイルの構成は図5及び図6と同一なので、ここでは
その説明を省略する。また、図7と同一部分には同一符
号を付して示す。
参照して説明する。図1は本発明による超電導コイル装
置の第1の実施の形態における超電導コイルの部分断面
図を示すものであり、超電導コイル装置の構成及び超電
導コイルの構成は図5及び図6と同一なので、ここでは
その説明を省略する。また、図7と同一部分には同一符
号を付して示す。
【0029】図1に示すように、超電導コイル11は巻
枠胴部7a及びこの巻枠胴部7aの両開口端に有する図
示しない巻枠つば部からなる巻枠7、対地絶縁物8及び
巻線部12から構成されている。
枠胴部7a及びこの巻枠胴部7aの両開口端に有する図
示しない巻枠つば部からなる巻枠7、対地絶縁物8及び
巻線部12から構成されている。
【0030】巻枠胴部7aの外周面にはセラミックスま
たは石英ガラスからなる対地絶縁物8が装着され、この
対地絶縁物8の外周側には絶縁被覆線13からなる巻線
部12が形成されている。
たは石英ガラスからなる対地絶縁物8が装着され、この
対地絶縁物8の外周側には絶縁被覆線13からなる巻線
部12が形成されている。
【0031】この絶縁被覆線13は未反応の化合物系超
電導材及び銅で構成された超電導線13aを絶縁材13
bで被覆したもので、複数列、複数層に巻き付けられて
いる。この場合、絶縁被覆線13は巻線部12を形成す
る際、図2に示すように長手方向に曲げられた状態にな
る。
電導材及び銅で構成された超電導線13aを絶縁材13
bで被覆したもので、複数列、複数層に巻き付けられて
いる。この場合、絶縁被覆線13は巻線部12を形成す
る際、図2に示すように長手方向に曲げられた状態にな
る。
【0032】また、絶縁材13bは図3に示すように予
め超電導線13aに水性塗料を塗布した後、この水性塗
料を乾燥したものであり、無機充填材14と無機バイン
ダー15とから構成されている。この場合、無機バイン
ダー15の中に無機充填材14が詰まった状態となって
いる。
め超電導線13aに水性塗料を塗布した後、この水性塗
料を乾燥したものであり、無機充填材14と無機バイン
ダー15とから構成されている。この場合、無機バイン
ダー15の中に無機充填材14が詰まった状態となって
いる。
【0033】ここで、上記のような構成の超電導コイル
装置の作用を述べる。絶縁被覆線13からなる巻線部1
2を形成した後、超電導コイル11に真空雰囲気中で摂
氏400度以上、例えば摂氏700度の熱処理を加える
ことにより、超電導線13aの超電導材、例えばNbと
Snは反応して超電導物質Nb3 Snになる。しかも、
絶縁材13bに含まれる無機充填材14及び無機バイン
ダー15は焼結する。
装置の作用を述べる。絶縁被覆線13からなる巻線部1
2を形成した後、超電導コイル11に真空雰囲気中で摂
氏400度以上、例えば摂氏700度の熱処理を加える
ことにより、超電導線13aの超電導材、例えばNbと
Snは反応して超電導物質Nb3 Snになる。しかも、
絶縁材13bに含まれる無機充填材14及び無機バイン
ダー15は焼結する。
【0034】絶縁被覆線13を長手方向に曲げ、巻線部
12を成形する時、超電導線13aは歪むが、超電導線
13aの超電導材は未反応であり、未反応の超電導材は
機械的に損傷し難い。超電導材が反応して超電導物質に
なってからは、絶縁被覆線13を長手方向に曲げないの
で、超電導物質は機械的に損傷し難く、超電導コイル1
1に電流が安定して流れる。
12を成形する時、超電導線13aは歪むが、超電導線
13aの超電導材は未反応であり、未反応の超電導材は
機械的に損傷し難い。超電導材が反応して超電導物質に
なってからは、絶縁被覆線13を長手方向に曲げないの
で、超電導物質は機械的に損傷し難く、超電導コイル1
1に電流が安定して流れる。
【0035】このように第1の実施の形態によれば、超
電導線13aを被覆する絶縁材13bの主成分を無機物
である無機充填材14及び無機バインダー15にしたこ
とにより、熱処理の際、絶縁材13bの内部における有
機物の分解ガス等の発生を少なくでき、ガス発生による
絶縁材の割れを抑制することができる。
電導線13aを被覆する絶縁材13bの主成分を無機物
である無機充填材14及び無機バインダー15にしたこ
とにより、熱処理の際、絶縁材13bの内部における有
機物の分解ガス等の発生を少なくでき、ガス発生による
絶縁材の割れを抑制することができる。
【0036】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第2の実施の形態について説
明する。第2の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bの無機充填材14として、第1の実施
の形態での熱処理時の温度より融点の高いものを用いる
ものである。
による超電導コイル装置の第2の実施の形態について説
明する。第2の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bの無機充填材14として、第1の実施
の形態での熱処理時の温度より融点の高いものを用いる
ものである。
【0037】従って、この無機充填材14は、超電導コ
イル11に例えば摂氏700度の熱処理を加えても溶融
しない。このように第2の実施の形態によれば、絶縁材
13bの主成分を無機物にすると共に、熱処理の際、超
電導線1aと超電導線1aとの間の無機充填材14が溶
融しないようにしたので、有機物の分解ガス等の発生に
よる絶縁材13bの割れを少なくできる上、隣合う超電
導線13a間の短絡をなくすことができる。
イル11に例えば摂氏700度の熱処理を加えても溶融
しない。このように第2の実施の形態によれば、絶縁材
13bの主成分を無機物にすると共に、熱処理の際、超
電導線1aと超電導線1aとの間の無機充填材14が溶
融しないようにしたので、有機物の分解ガス等の発生に
よる絶縁材13bの割れを少なくできる上、隣合う超電
導線13a間の短絡をなくすことができる。
【0038】次に前述の図3を参照して本発明による超
電導コイル装置の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、超電導線13aを被覆する絶縁
材13bの無機充填材14として、アルミナあるいはシ
リカを用いるものである。
電導コイル装置の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、超電導線13aを被覆する絶縁
材13bの無機充填材14として、アルミナあるいはシ
リカを用いるものである。
【0039】かかる無機充填材14を用いると、超電導
コイル11に例えば摂氏700度の熱処理を加えた際、
無機充填材14と無機バインダー15は強く焼結する。
このように第3の実施の形態によれば、絶縁材13bの
主成分を無機物にすると共に、熱処理の際、無機充填材
14と無機バインダー15が焼結し易いので、有機物の
分解ガス等の発生による絶縁材13bの割れを少なくす
ることができる上、絶縁材13bを強固にすることがで
きる。
コイル11に例えば摂氏700度の熱処理を加えた際、
無機充填材14と無機バインダー15は強く焼結する。
このように第3の実施の形態によれば、絶縁材13bの
主成分を無機物にすると共に、熱処理の際、無機充填材
14と無機バインダー15が焼結し易いので、有機物の
分解ガス等の発生による絶縁材13bの割れを少なくす
ることができる上、絶縁材13bを強固にすることがで
きる。
【0040】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第4の実施の形態について説
明する。第4の実施の形態では、超電導線13の表皮を
銅金属で形成し、絶縁材13bの無機バインダー15と
してケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カ
リウムを用い、無機充填材14としてアルミナあるいは
シリカを用いるものである。
による超電導コイル装置の第4の実施の形態について説
明する。第4の実施の形態では、超電導線13の表皮を
銅金属で形成し、絶縁材13bの無機バインダー15と
してケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カ
リウムを用い、無機充填材14としてアルミナあるいは
シリカを用いるものである。
【0041】上記構成とすれば、ケイ酸塩と銅金属が反
応して超電導線13aと絶縁材13bの密着性が高くな
る。また、ケイ酸塩とアルミナあるいはケイ酸塩とシリ
カが反応して絶縁材13bが強固に焼結する。
応して超電導線13aと絶縁材13bの密着性が高くな
る。また、ケイ酸塩とアルミナあるいはケイ酸塩とシリ
カが反応して絶縁材13bが強固に焼結する。
【0042】このように第4の実施の形態によれば、絶
縁材13bの主成分を無機物にし、しかも超電導線13
aと絶縁材13bの密着性が高くなるようにし、無機バ
インダー15と無機充填材14が焼結し易くしたので、
有機物の分解ガス等の発生による絶縁材13bの割れを
少なくすることができる上、絶縁材13bを強固にする
ことができる。
縁材13bの主成分を無機物にし、しかも超電導線13
aと絶縁材13bの密着性が高くなるようにし、無機バ
インダー15と無機充填材14が焼結し易くしたので、
有機物の分解ガス等の発生による絶縁材13bの割れを
少なくすることができる上、絶縁材13bを強固にする
ことができる。
【0043】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第5の実施の形態について説
明する。第5の実施の形態では、超電導線13の表皮を
銅金属で形成し、無機充填材14及び無機バインダー1
5に水溶性有機物を添加して水性塗料とし、この水性塗
料を未反応の超電導線13aに塗布した後、乾燥して絶
縁材13bを構成するものである。
による超電導コイル装置の第5の実施の形態について説
明する。第5の実施の形態では、超電導線13の表皮を
銅金属で形成し、無機充填材14及び無機バインダー1
5に水溶性有機物を添加して水性塗料とし、この水性塗
料を未反応の超電導線13aに塗布した後、乾燥して絶
縁材13bを構成するものである。
【0044】この場合、水溶性有機物としてはポリエチ
レングリコール及びグリセリンが用いられる。上記構成
とすれば、超電導線13aに塗布された水性塗料の乾燥
時、水分は蒸発するが、水溶性有機物は絶縁材13bの
中に残留する。この絶縁材13bに残留した水溶性有機
物は無機バインダー15が徐々に凝固すること、及び無
機バインダー15と無機充填材14が徐々に凝固するこ
とを抑える。特に水溶性有機物であるポリエチレングリ
コールを添加することにより、絶縁材13bの皮膜厚さ
は一様になる。
レングリコール及びグリセリンが用いられる。上記構成
とすれば、超電導線13aに塗布された水性塗料の乾燥
時、水分は蒸発するが、水溶性有機物は絶縁材13bの
中に残留する。この絶縁材13bに残留した水溶性有機
物は無機バインダー15が徐々に凝固すること、及び無
機バインダー15と無機充填材14が徐々に凝固するこ
とを抑える。特に水溶性有機物であるポリエチレングリ
コールを添加することにより、絶縁材13bの皮膜厚さ
は一様になる。
【0045】このように第5の実施の形態によれば、絶
縁材13bの主成分を無機物であり、しかも熱処理前に
おける絶縁被覆線13の絶縁材13bが一体に凝固し難
くなるので、熱処理の際、有機物の分解ガス等の発生に
よる絶縁材13bの割れが少なくできる上、巻線部12
の形成の際、絶縁被覆線13を曲げても絶縁材13bは
割れないようにすることができる。特に水溶性有機物と
してポリエチレングリコールを用いると、絶縁被覆線1
3を曲げて巻線部12を形成する際、絶縁被覆線13の
絶縁材13bに割れが発生することがなく、しかも水性
塗料の超電導線13aへのぬれ性及び絶縁材と超電導線
の密着性を高くすることができる。
縁材13bの主成分を無機物であり、しかも熱処理前に
おける絶縁被覆線13の絶縁材13bが一体に凝固し難
くなるので、熱処理の際、有機物の分解ガス等の発生に
よる絶縁材13bの割れが少なくできる上、巻線部12
の形成の際、絶縁被覆線13を曲げても絶縁材13bは
割れないようにすることができる。特に水溶性有機物と
してポリエチレングリコールを用いると、絶縁被覆線1
3を曲げて巻線部12を形成する際、絶縁被覆線13の
絶縁材13bに割れが発生することがなく、しかも水性
塗料の超電導線13aへのぬれ性及び絶縁材と超電導線
の密着性を高くすることができる。
【0046】また、水溶性有機物としてグリセリンを用
いた場合にも、同様に絶縁被覆線13を曲げて巻線部1
2を形成する際、絶縁被覆線13の絶縁材13bは割れ
ないようにすることができる上、水性塗料の超電導線1
3aへのぬれ性を高くすることができる。
いた場合にも、同様に絶縁被覆線13を曲げて巻線部1
2を形成する際、絶縁被覆線13の絶縁材13bは割れ
ないようにすることができる上、水性塗料の超電導線1
3aへのぬれ性を高くすることができる。
【0047】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第6の実施の形態について説
明する。第6の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bの構成材料である水性塗料に含まれる
水溶性有機物の含有重量が5%以下に抑えるようにする
ものである。
による超電導コイル装置の第6の実施の形態について説
明する。第6の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bの構成材料である水性塗料に含まれる
水溶性有機物の含有重量が5%以下に抑えるようにする
ものである。
【0048】上記構成により、超電導コイル11の熱処
理時における水溶性有機物のガス化を少なくできる。こ
のように第6の実施の形態によれば、水溶性有機物のガ
ス化が少なくなるので、熱処理の際のガス発生による絶
縁材13bの割れを抑えることができる。
理時における水溶性有機物のガス化を少なくできる。こ
のように第6の実施の形態によれば、水溶性有機物のガ
ス化が少なくなるので、熱処理の際のガス発生による絶
縁材13bの割れを抑えることができる。
【0049】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第7の実施の形態について説
明する。第7の実施の形態では、少なくともケイ酸塩と
水溶性有機物が併用された水性塗料とし、この水性塗料
を超電導線13aに塗布した後、乾燥させて絶縁材13
bとするものである。ここで、ケイ酸塩としては、ケイ
酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムが用いられる。水溶
性有機物としては、ポリエチレングリコールまたはグリ
セリンが用いられる。
による超電導コイル装置の第7の実施の形態について説
明する。第7の実施の形態では、少なくともケイ酸塩と
水溶性有機物が併用された水性塗料とし、この水性塗料
を超電導線13aに塗布した後、乾燥させて絶縁材13
bとするものである。ここで、ケイ酸塩としては、ケイ
酸ナトリウムまたはケイ酸カリウムが用いられる。水溶
性有機物としては、ポリエチレングリコールまたはグリ
セリンが用いられる。
【0050】上記構成により、ケイ酸塩と銅金属が反応
して超電導線13aと絶縁材13bの密着性が高くな
る。水溶性有機物は無機バインダー15が助所に凝固す
ること、及び無機バインダー15と無機充填材14が徐
々に凝固することを抑える。しかも、ケイ酸塩による密
着性向上と水溶性有機物による凝固抑制は互いに疎外す
ることがない。
して超電導線13aと絶縁材13bの密着性が高くな
る。水溶性有機物は無機バインダー15が助所に凝固す
ること、及び無機バインダー15と無機充填材14が徐
々に凝固することを抑える。しかも、ケイ酸塩による密
着性向上と水溶性有機物による凝固抑制は互いに疎外す
ることがない。
【0051】このように第7の実施の形態によれば、超
電導線13aと絶縁材13bの密着性を高くすることが
できる上、絶縁被覆線13を曲げて巻線部12を形成す
る際、絶縁被覆線13の絶縁材13bの割れをなくすこ
とができる。
電導線13aと絶縁材13bの密着性を高くすることが
できる上、絶縁被覆線13を曲げて巻線部12を形成す
る際、絶縁被覆線13の絶縁材13bの割れをなくすこ
とができる。
【0052】次に前述の図2及び図3を参照して本発明
による超電導コイル装置の第8の実施の形態について説
明する。第8の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bはケイ酸塩及び水溶性有機物を用いた
水性塗料、またはこの水性塗料を塗布して乾燥したもの
である。ここで、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム
またはケイ酸カリウムが用いられる。水溶性有機物とし
ては、ポリエチレングリコールまたはグリセリンが用い
られる。
による超電導コイル装置の第8の実施の形態について説
明する。第8の実施の形態では、超電導線13aを被覆
する絶縁材13bはケイ酸塩及び水溶性有機物を用いた
水性塗料、またはこの水性塗料を塗布して乾燥したもの
である。ここで、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム
またはケイ酸カリウムが用いられる。水溶性有機物とし
ては、ポリエチレングリコールまたはグリセリンが用い
られる。
【0053】このように第8の実施の形態によれば、ケ
イ酸塩と被着金属の密着性を高くすることができる上、
絶縁材の割れをなくすことができる。次に本発明による
超電導コイル装置の第9の実施の形態を図4を参照して
説明する。
イ酸塩と被着金属の密着性を高くすることができる上、
絶縁材の割れをなくすことができる。次に本発明による
超電導コイル装置の第9の実施の形態を図4を参照して
説明する。
【0054】第9の実施の形態に係わる超電導コイル装
置の構成はず5に示したもののと同様であり、超電導コ
イルの構成は図6に示したものと同様であり、絶縁材の
構成は図3に示したものと同様である。また、図4にお
いて、図7と同一部分には同一符号を付して説明する。
置の構成はず5に示したもののと同様であり、超電導コ
イルの構成は図6に示したものと同様であり、絶縁材の
構成は図3に示したものと同様である。また、図4にお
いて、図7と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0055】図4において、超電導コイル16は所定温
度の熱処理が加えられる前のものであり、巻枠7(つば
部は図示されていない),対地絶縁物8及び巻線部17
から構成されている。巻枠銅部7aの外周面には対地絶
縁物8が装着され、この対地絶縁物8の外周側には巻線
部17が形成されている。この巻線部17は絶縁被覆線
18及び第二の絶縁材19から構成されている。
度の熱処理が加えられる前のものであり、巻枠7(つば
部は図示されていない),対地絶縁物8及び巻線部17
から構成されている。巻枠銅部7aの外周面には対地絶
縁物8が装着され、この対地絶縁物8の外周側には巻線
部17が形成されている。この巻線部17は絶縁被覆線
18及び第二の絶縁材19から構成されている。
【0056】この場合、絶縁被覆線13が複数列、複数
層に巻き付けられながら、石膏または無機塗料からなる
第二の絶縁材19が絶縁被覆線13に塗布され、凝固し
ている。
層に巻き付けられながら、石膏または無機塗料からなる
第二の絶縁材19が絶縁被覆線13に塗布され、凝固し
ている。
【0057】ここで、上記のような構成の超電導コイル
装置の作用について述べる。巻線部12を形成した後、
超電導コイル11に真空雰囲気中で摂氏400度以上、
例えば摂氏700度の熱処理を加えることにより、超電
導線13aの超電導材、例えばNbとSnは反応して所
定の超電導物質Nb3 Snは反応して所定の超電導物質
19が絶縁被覆線13の相互間で結合する。
装置の作用について述べる。巻線部12を形成した後、
超電導コイル11に真空雰囲気中で摂氏400度以上、
例えば摂氏700度の熱処理を加えることにより、超電
導線13aの超電導材、例えばNbとSnは反応して所
定の超電導物質Nb3 Snは反応して所定の超電導物質
19が絶縁被覆線13の相互間で結合する。
【0058】このように第9の実施の形態によれば、隣
合う絶縁被覆線13相互間は第二の絶縁材19により接
着されるので、電磁力による絶縁被覆線13の動きを抑
えることができる。
合う絶縁被覆線13相互間は第二の絶縁材19により接
着されるので、電磁力による絶縁被覆線13の動きを抑
えることができる。
【0059】従って、運転時の絶縁被覆線13の摩擦熱
による常電導転移の発生を抑制することができる。次に
前述の図4を参照して本発明による超電導コイル装置の
第10の実施の形態について説明する。
による常電導転移の発生を抑制することができる。次に
前述の図4を参照して本発明による超電導コイル装置の
第10の実施の形態について説明する。
【0060】第10の実施の形態では、第二の絶縁材1
9の代りに液状樹脂を用い、絶縁被覆線13を複数列、
複数層に巻き付けて巻線部17を形成する。この巻線部
13の形成後、超電導コイル16に真空雰囲気中で摂氏
400度以上、例えば摂氏700度の熱処理が加えら
れ、さらに熱処理の後、絶縁被覆線相互間に液状樹脂を
真空加圧含浸することで、液状樹脂を加熱硬化するよう
にしたものである。
9の代りに液状樹脂を用い、絶縁被覆線13を複数列、
複数層に巻き付けて巻線部17を形成する。この巻線部
13の形成後、超電導コイル16に真空雰囲気中で摂氏
400度以上、例えば摂氏700度の熱処理が加えら
れ、さらに熱処理の後、絶縁被覆線相互間に液状樹脂を
真空加圧含浸することで、液状樹脂を加熱硬化するよう
にしたものである。
【0061】ここで、上記のような構成の超電導コイル
装置の作用について述べる。超電導コイル11の熱処理
により、超電導線13aの超電導材、例えばNbとSn
は反応して所定の超電導物質Nb3 Snになる。液状樹
脂の加熱硬化により、複数列、複数層に巻き付けられた
絶縁被覆線13は固着され、摩擦熱が発生しなくなる。
装置の作用について述べる。超電導コイル11の熱処理
により、超電導線13aの超電導材、例えばNbとSn
は反応して所定の超電導物質Nb3 Snになる。液状樹
脂の加熱硬化により、複数列、複数層に巻き付けられた
絶縁被覆線13は固着され、摩擦熱が発生しなくなる。
【0062】このように第10の実施の形態によれば、
絶縁被覆線13が摩擦熱を発生しないので、超電導線の
常電導線の常電導転移をなくすことができる。次前述し
た図4及び図5を参照して本発明による超電導コイル装
置の第11の実施の形態を説明する。
絶縁被覆線13が摩擦熱を発生しないので、超電導線の
常電導線の常電導転移をなくすことができる。次前述し
た図4及び図5を参照して本発明による超電導コイル装
置の第11の実施の形態を説明する。
【0063】第11の実施の形態では、図5に示した超
電導コイル装置1の超電導コイル4の代りに図4に示し
た超電導コイル16を用いるものである。上記の構成に
より、超電導コイル16の超電導線18aと絶縁材18
bが剥がれにくく、絶縁材18bは割れにくいので、剥
がれた部分や割れた部分である真空断熱部は増え難くな
る。
電導コイル装置1の超電導コイル4の代りに図4に示し
た超電導コイル16を用いるものである。上記の構成に
より、超電導コイル16の超電導線18aと絶縁材18
bが剥がれにくく、絶縁材18bは割れにくいので、剥
がれた部分や割れた部分である真空断熱部は増え難くな
る。
【0064】このように第11の実施の形態によれば、
冷却の妨げとなる真空断熱部は増え難くなるので、冷凍
機6による超電導コイル16の冷却性能を保持すること
ができる。
冷却の妨げとなる真空断熱部は増え難くなるので、冷凍
機6による超電導コイル16の冷却性能を保持すること
ができる。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、巻き
付け前の絶縁財の凝固を抑制し、絶縁材と超電導線のぬ
れ性及び密着性を高くすることにより、所定温度の熱処
理に耐える絶縁材を被覆した超電導線を巻き付けても、
絶縁材の割れの発生をなくすことができ、その割れによ
る超電導線と冷凍機の間の冷却性能の低下を抑制するこ
とができる超電導コイル装置を提供できる。
付け前の絶縁財の凝固を抑制し、絶縁材と超電導線のぬ
れ性及び密着性を高くすることにより、所定温度の熱処
理に耐える絶縁材を被覆した超電導線を巻き付けても、
絶縁材の割れの発生をなくすことができ、その割れによ
る超電導線と冷凍機の間の冷却性能の低下を抑制するこ
とができる超電導コイル装置を提供できる。
【図1】本発明による超電導コイル装置の第1の実施の
形態を示す超電導コイルの部分断面図。
形態を示す超電導コイルの部分断面図。
【図2】本発明による超電導コイル装置の第1乃至第8
の実施の形態をそれぞれ説明するための絶縁被覆線の部
分斜視図。
の実施の形態をそれぞれ説明するための絶縁被覆線の部
分斜視図。
【図3】本発明による超電導コイル装置の第1乃至第8
の実施の形態をそれぞれ説明するための絶縁材の断面構
成図。
の実施の形態をそれぞれ説明するための絶縁材の断面構
成図。
【図4】本発明による超電導コイル装置の第9及び第1
0の実施の形態をそれぞれ説明するための超電導コイル
の部分断面図。
0の実施の形態をそれぞれ説明するための超電導コイル
の部分断面図。
【図5】従来の超電導コイル装置の構成を示す断面図。
【図6】従来の超電導コイルを示す一部が切断された斜
視図。
視図。
【図7】従来の超電導コイルを示す部分断面図。
1……超電導コイル装置 2……真空容器 3……空間部 4……超電導コイル 5……熱伝導体 6……冷凍機 7……巻枠 7a……巻枠胴部 7b……巻枠つば部 8……対地絶縁物 9……巻線部 11……超電導コイル 12……巻線部 13……絶縁被覆線 13a……超電導線 13b……絶縁材 14……無機充填材 15……無機バインダー 16……超電導コイル 17……巻線部 18……絶縁被覆線 18a……超電導線 18b……絶縁材 19……第二の絶縁材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 司 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 佐々木 高士 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 星野 昌幸 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 村井 成 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内
Claims (12)
- 【請求項1】 未反応の超電導材を用いて超電導線と
し、この超電導線を絶縁材で被覆して絶縁被覆線を構成
し、この絶縁被覆線を巻枠に巻き付けて巻線部を形成
し、この巻線部に所定温度の熱処理を加えて前記未反応
の超電導材を所定の超電導物質に反応させることで超電
導コイルを構成してなる超電導コイル装置において、 前記絶縁材を、少なくとも無機充填材及び無機バインダ
ーを用いてなる水性塗料を前記超電導線に塗布して乾燥
することで構成したことを特徴とする超電導コイル装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の超電導コイル装置におい
て、所定温度より融点の高い無機充填材を用いた水性塗
料により超電導線の絶縁材とすることを特徴とする超電
導コイル装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の超電導コイル装置におい
て、無機充填材としてアルミナあるいはシリカを用いた
ことを特徴とする超電導コイル装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の超電導コイル装置におい
て、無機バインダーとしてケイ酸塩を用いたことを特徴
とする超電導コイル装置。 - 【請求項5】 未反応の超電導材を用いて超電導線と
し、この超電導線を絶縁材で被覆して絶縁被覆線を構成
し、この絶縁被覆線を巻枠に巻き付けて巻線部を形成
し、この巻線部に所定温度の熱処理を加えて前記未反応
の超電導材を所定の超電導物質に反応させることで超電
導コイルを構成してなる超電導コイル装置において、 前記絶縁材を、少なくとも無機充填材、無機バインダー
及び水溶性有機物を用いてなる水性塗料を前記超電導線
に塗布して乾燥することで構成したことを特徴とする超
電導コイル装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の超電導コイル装置におい
て、水溶性有機物としてポリエチレングリコールを用い
たことを特徴とする超電導コイル装置。 - 【請求項7】 請求項5記載の超電導コイル装置におい
て、水溶性有機物としてグリセリンを用いたことを特徴
とする超電導コイル装置。 - 【請求項8】 請求項5記載の超電導コイル装置におい
て、水性塗料に含まれる水溶性有機物の含有量を5%以
下としたことを特徴とする超電導コイル装置。 - 【請求項9】 未反応の超電導材を用いて超電導線と
し、この超電導線を絶縁材で被覆して絶縁被覆線を構成
し、この絶縁被覆線を巻枠に巻き付けて巻線部を形成
し、この巻線部に所定温度の熱処理を加えて前記未反応
の超電導材を所定の超電導物質に反応させることで超電
導コイルを構成してなる超電導コイル装置において、 前記絶縁材を、少なくともケイ酸塩及び水溶性有機物を
用いてなる水性塗料を前記超電導線に塗布して乾燥する
ことで構成したことを特徴とする超電導コイル装置。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9の何ずれか一つ
の項に記載の超電導コイル装置において、絶縁被覆線を
巻枠に巻き付けながら、前記絶縁被覆線に第二の絶縁材
を塗布して巻線部を構成したことを特徴とする超電導コ
イル装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項9の何ずれか一つ
の項に記載の超電導コイル装置において、巻線部に熱処
理を加えた後、前記巻線部の隣合う絶縁被覆線相互間に
液状樹脂を含浸し、この液状樹脂を硬化したことを特徴
とする超電導コイル装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至請求項9の何ずれか一つ
の項に記載の超電導コイル装置において、巻線部と冷凍
機を熱的に接続したことを特徴とする超電導コイル装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9310618A JPH11144944A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 超電導コイル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9310618A JPH11144944A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 超電導コイル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11144944A true JPH11144944A (ja) | 1999-05-28 |
Family
ID=18007435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9310618A Pending JPH11144944A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 超電導コイル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11144944A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003023872A1 (en) * | 2001-09-10 | 2003-03-20 | Industrial Research Limited | Parting agents for metal-clad high-temperature superconductor wires and tapes |
JP2013254563A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-12-19 | Institute Of Physical & Chemical Research | 高温超伝導被覆線及びそれを有する高温超伝導コイル |
-
1997
- 1997-11-12 JP JP9310618A patent/JPH11144944A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003023872A1 (en) * | 2001-09-10 | 2003-03-20 | Industrial Research Limited | Parting agents for metal-clad high-temperature superconductor wires and tapes |
JP2013254563A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-12-19 | Institute Of Physical & Chemical Research | 高温超伝導被覆線及びそれを有する高温超伝導コイル |
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