JPH11144310A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JPH11144310A
JPH11144310A JP9321972A JP32197297A JPH11144310A JP H11144310 A JPH11144310 A JP H11144310A JP 9321972 A JP9321972 A JP 9321972A JP 32197297 A JP32197297 A JP 32197297A JP H11144310 A JPH11144310 A JP H11144310A
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dielectric layer
recording
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JP9321972A
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Eiji Noda
英治 野田
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Hiroko Iwasaki
博子 岩崎
Kenichi Aihara
謙一 相原
Takashi Hattori
恭士 服部
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CD−RWディスクの保存安定性の向上さ
せ、CD−RWディスクの製造工程における安定性、歩
留りを向上させること。 【解決手段】 円盤状の基板上に第1誘電体層、記録
層、第2誘電体層、金属又は合金層、UV硬化樹脂の順
に積層してなる光記録媒体において、第1誘電体層の膜
厚が65〜130nm、記録層の膜厚が15〜35n
m、第2誘電体層の膜厚が15〜45nm、金属又は合
金層の膜厚が70〜180nm、UV硬化樹脂層の膜厚
が7〜15μmであり、記録を担う物質の相変化により
記録消去を行なう光記録媒体の記録層の構成元素が主に
Ag、In、Sb、Te、N或いはOであり、それぞれ
の構成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が、0<α≦
6、3≦β≦15、50≦γ≦65、20≦δ≦35、
0≦ε≦5、α+β+γ+δ+ε=100である光記録
媒体であって、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、
金属又は合金層、各々の層の形成領域の異なることを特
徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体、特に光
ビームを照射することにより記録層材料に相変化を生じ
させ、情報の記録・再生を行ない、且つ、書き換えが可
能である相変化形情報記録媒体に関し、光メモリ関連機
器、特に書き換え可能なコンパクトディスク(CD−R
W)に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の真空成膜による積層型光ディスク
は、内マスク・外マスクと呼ばれる防着治具を基板に密
着させたまま成膜している。そのため、各層は基板の露
出部に同一に形成されている。ターゲットの焼結度の差
によるターゲット間バラツキや、経時変化によるターゲ
ット内バラツキで生じる成膜レートの変化を補正する為
に、ターゲット毎に成膜レートを測定したり、定期的に
成膜レートを測定し膜厚の維持管理を行なっていた。ま
た、成膜領域の内外端では記録層が露出し腐食しやす
い、マスク端で発生する異常放電で膜や基板が焦げる、
成膜レートの測定は通常の生産とは異なる作業であるた
め連続生産を中断させてしまう等、突発的な膜厚の変化
により品質が不安定になるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第一の目的は、CD−RWディスクの保存安定性の向上
にあり、第二の目的は、CD−RWディスクの製造工程
における安定性、歩留りの向上にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光記録媒体
の改善に鋭意研究を重ねた結果、前記目的に合致する光
記録媒体、その光記録媒体の記録方法、その光記録媒体
の製造方法を見い出した。すなわち、上記課題は、本発
明の(1)「円盤状の基板上に第1誘電体層、記録層、
第2誘電体層、金属又は合金層、UV硬化樹脂の順に積
層してなる光記録媒体において、第1誘電体層の膜厚が
65〜130nm、記録層の膜厚が15〜35nm、第
2誘電体層の膜厚が15〜45nm、金属又は合金層の
膜厚が70〜180nm、UV硬化樹脂層の膜厚が7〜
15μmであり、記録を担う物質の相変化により記録消
去を行なう光記録媒体の記録層の構成元素が主にAg、
In、Sb、Te、N或いはOであり、それぞれの構成
比α、β、γ、δ、ε(原子%)が、0<α≦6、3≦
β≦15、50≦γ≦65、20≦δ≦35、0≦ε≦
5、α+β+γ+δ+ε=100である光記録媒体であ
って、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、金属又は
合金層、各々の層の形成領域の異なることを特徴とする
光記録媒体」、(2)「基板のグルーブ形成領域の内径
及び外径が(R01〜R02)で、各々の層の形成領域
の内径及び外径が第1誘電体層(R11〜R12)、記
録層(R21〜R22)、第2誘電体層(R31〜R3
2)、金属又は合金層(R41〜R42)であり、R1
1<R21<R01、R02<R22<R12かつR3
1<R21<R01、R02<R22<R32であるこ
とを特徴とする前記(1)項に記載の光記録媒体」、
(3)「R41<R11<R31若しくはR41<R3
1<R11であることを特徴とする前記(2)項に記載
の光記録媒体」、(4)「放電の種類(RF、DC)を
変える真空成膜により、各層の形成領域を異ならせるこ
とを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1に記載の
光記録媒体」によって解決される。
【0005】また、(5)「マスクと基板間の距離を変
える真空成膜により、各層の形成領域を異ならせること
を特徴とする前記(1)〜(3)項のうちいずれか1に
記載の光記録媒体の製造方法」、(6)「R41〜R1
1の反射率、R(1)%、R11〜R31の反射率、R
(2)%、R31〜R21の反射率、R(3)%、より
第1誘電体層、第2誘電体層の膜厚を管理することを特
徴とする前記(3)項に記載の光記録媒体の製造方法」
によって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて更に
詳細に説明する。図12は従来の光記録媒体の形態例を
示したものである。基本的な構成は、案内溝を有する基
板(1)上に第1保護層(2)、記録層(3)、第2保
護層(4)、反射放熱層(5)、オーバーコート層
(6)を有する。更に好ましくは、基板鏡面にハードコ
ート層(7)を有する。
【0007】基板の材料は通常ガラス、セラミックス、
或いは樹脂であり、樹脂基板が成型性、コストの点で好
適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系
樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、
成型性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネー
ト樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。また、基板の形状
としてはディスク状、カード状或いは、シート状であっ
てもよい。但し、本発明の光記録媒体を書き換え可能な
コンパクトディスク(CD一RW)に応用する場合に
は、以下のような特定の条件が付与されることが望まし
い。その条件は、使用する基板に形成される案内溝(グ
ルーブ)の幅が0.25〜0.65μm、好適には0.
30〜0.55μm、その案内溝の深さが250〜65
0Å、好適には300〜550Åとなっていることであ
る。基板の厚さは特に制限されるものではないが、1.
2mm、0.6mmが好適である。
【0008】記録層としては、Ag、In、Sb、Te
を含む4元系の相変化形記録材料を主成分として含有す
る材料が、記録(アモルファス化)感度・速度、消去
(結晶化)感度・速度、及び消去比が極めて良好なため
適している。しかしながら、AgInSbTeは、その
組成比によって最適な記録線速度が存在する。そのた
め、目的とする記録線速度及び線速度領域によって、A
gInSbTeの組成比を調整する必要がある。これま
での検討の結果、AgInSbTe記録層のTeの組成
比が記録線速度に高い相関があることが分かっている。
【0009】次に、図1に種々の組成比を有するAgI
nSbTeを記録層として作製した相変化形光ディスク
の最適記録線速度のTe組成比依存性を示す。層構成
は、ハードコート層3〜5μm/基板1.2mm/第1
誘電体層100nm/AgInSbTe25nm/第2
誘電体層30nm/反射放熱層140nm/オーバーコ
ート層8〜10μmとした。記録は、NA0.50、λ
780nmのピックアップを用い、EFM変調による記
録をした。記録パルスストラテージは、オレンジブック
パートIIIに準拠した(図2)。記録パワー、イレース
パワー、バイアスパワーは、12mW、6mW、1mW
とした。最適記録線速とは、オーバーライト回数がもっ
とも多くなる線速とした。
【0010】図1に示すように、最適記録線速と記録層
のTe組成比がR2=0.9133の高い相関があるこ
とが分かった。この結果及び実験精度±1at%を考慮
すると、記録線速がどんなに遅くとも(0m/s)、T
e組成比は35at%以下と推測される。CD線速1
X、2X、4X、8Xに対応した光記録媒体を得るため
には、その線速1.2〜1.4m/s、2.4〜2.8
m/s、4.8〜5.6m/s、9.6〜11.2に対
応するTe組成比は、33、30、27、20at%程
度と推測される。
【0011】一方、AgInSbTeを記録層とする相
変化形記録媒体は、それらの組成によって、保存信頼性
に影響を与える。Agが6at%を超えると、オーバー
ライトシェルフの劣化が顕著になる。つまり、製造後数
年たって記録したときに十分な信号が記録できなくなっ
てしまう。また、Inが15at%を超えるとアーカイ
バルの劣化が顕著になる。一万、3at%より少ない
と、記録感度の低下をもたらす。Sbはその組成比が大
きい方がオーバーライトの繰り返し特性に優れるが、6
5at%を超えるとアーカイバル劣化をもたらす。ま
た、アーカイバル劣化の低減に、NおよびまたはOの添
加が効果的である。それによって、アモルファスマーク
が安定化される。それらのメカニズムの詳細は、必ずし
も明確ではないが、膜中への適量の窒素混入により、膜
密度の減少、微小欠陥の増加等により、構造的には粗の
方向に変化する。その結果、窒素無添加の状態に比べ、
膜の秩序性が緩和され、アモルファスから結晶への転移
は抑制される方向になる。したがって、アモルファスマ
ークの安定性が増し、保存寿命が向上する。N及びO
は、Te及び/又はSbに結合していることがIRスペ
クトルから明らかになっている。
【0012】好適なNおよびOの組成比は、5at%以
下である。5at%を超えると、記録層の窒化が進み過
ぎてしまい、結晶化が困難になる。その結果、初期化不
足や消去比の低減を生じてしまう。記録眉へのN、Oの
導入はスパッタリング時のアルゴンガスに窒素ガスや酸
素ガスを0mol%以上10mol%以下混合したガス
を用いることで得られる。また、窒素ガスとアルゴンガ
スとの混合ガスを用いることにより記録層へのN、Oの
導入を可能にする。混合ガスは所望のモル比であらかじ
め混合したガスを用いても、チャンバー導入時に所望の
モル比になるように流量をそれぞれ調整してもよい。
【0013】さらに、NおよびOの添加効果の一つとし
て、転移線速度の制御法としても有効である。具体的に
は、NおよびOの添加により、転移線速度すなわち最適
な記録線速度を低線速度側に変化させることができる。
これは、同一のターゲットを使っても、記録膜作製時の
2(O2)/Arガス混合比の制御のみで、相変化光デ
ィスクの最適記録線速度を調整することができる。
【0014】記録膜中のNおよびOの化学結合状態とし
ては、Ag、In、Sb、Teのいずれか一種以上と結
合していることが望ましいが、特に、Teに結合した状
態、具体的には、Te−N、Te−○、Sb−Te−
N、といった化学結合が存在した時に、O/Wの繰り返
し回数の向上に、より効果が大きい。そのような化学結
合状態の分析手段としては、FT−IRやXPS等の分
光分析法が有効である。例えば、FT−IRでは、Te
−Nによる吸収帯は500〜600cm-1付近にそのピ
ークをもち、Sb−Te−Nは、600〜650cm-1
付近にそのピークが出現する。
【0015】さらに、本発明の記録層材料には、さらな
る性能向上、信頼性向上等の目的に、他の元素や不純物
を添加することができる。一例としては、特開平5−1
85782号公報に記載されている元素(B、N、C、
P、Si)やO、S、Se、Al、Ti、V、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sn、Pd、P
t、Au等が好ましい例として挙げられる。
【0016】本発明においては、記録層の組成は記録膜
を発光分析法により測定して得られる値を用いたが、そ
の他にもX線マイクロアナリシス、ラザフォード後方散
乱、オージェ電子分光、蛍光X線等の分光法が考えられ
る。その場合は、発光分光法で得られる値との比較検討
をする必要がある。また、一般に発光分析法の場合、測
定値のおよそ±5%は分析誤差と考えられる。2次イオ
ン質量分析法等の質量分析も有効である。
【0017】記録層中に含まれる物質の観測はX線回折
または電子線回折が適している。すなわち結晶状態の判
定として、電子線回折像でスポット状及至およびまたは
デバイリング状のパターンが観測される場合には、結晶
状態、リング状のパターン及至ハローパターンが観測さ
れる場合には非結晶(アモルファス)状態とする。結晶
子径はX線回折ピークの半値幅からシェラーの式を用い
て求めることができる。さらに、記録層中の化学結合状
態、例えば酸化物、室化物等の分析にはFT−IR、X
PS等の分析手法が有効である。
【0018】記録層の膜厚としては10〜100nm、
好適には15〜50nmとするのがよい。さらに、ジッ
ター等の初期特性、オーバーライト特性、量産効率を考
慮すると、好適には15〜35nmとするのがよい。1
0nmより薄いと光吸収能が著しく低下し、記録層とし
ての役割を果たさなくなる。また、100nmより厚い
と高速で均一な相変化がおこりにくくなる。このような
記録層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッ
タリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプ
レーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成で
きる。なかでも、スパッタリング法が量産性、膜質等に
優れている。
【0019】第1保護層および第2保護層の材料として
は、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、T
iO2、In23、Mg○、ZrO2などの金属酸化物、
Si34、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化
物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、Si
C、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化
物やダイヤモンド状カーボン、或いはそれらの混合物が
挙げられる。
【0020】これらの材料は、単体で保護層とすること
もできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に
応じて不純物を含んでもよい。必要に応じて、誘電体層
を多層化することもできる。ただし、第1保護層および
第2保護層の融点は記録層よりも高いことが必要であ
る。このような第1保護層および第2保護層の材料とし
ては、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリ
ング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレー
ティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成でき
る。なかでも、スパッタリング法が量産性、膜質等に優
れている。
【0021】第1保護層の膜厚は、DVD(デジタルビ
デオディスク)の再生波長である650nmの反射率に
大きく影響する。図3に、記録層25nm、第2保護届
(屈折率2.0)30nm、反射放熱層140nmのと
きのグルーブ反射率の第1保護層(屈折率2.0)厚依
存性を示す。780nmと650nmの再生波長でCD
−RWディスクの規格である反射率0.15〜0.25
を満足するためには、第1保護層を65〜130nmと
することが要求される。また、650nmの再生波長で
も十分な反射率(18%程度)を得るためには、第1保
護層を110nm以下とすることが望ましい。したがっ
て、波長780nmでの記録再生および650nmの再
生で十分な信号特性を得るためには、第1保護層を80
〜110nmとすることが好適と判断される。
【0022】第2保護層の膜厚としては、15〜45n
m、好適には20〜40nmとするのがよい。15nm
より導くなると耐熱性保護層としての機能を果たさなく
なる。また、感度の低下を生じる。一方、45nmより
厚くなると、1.2〜5.6m/sの低線速度で使用し
た場合、界面剥離を生じやすくなり、繰り返し記録性能
も低下する。
【0023】反射放熱層としては、Al、Au、Ag、
Cu、Taなどの金属材料、または、それらの合金等を
用いることができる。また、添加元素としては、Cr、
Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Ta等が使用される。
このような反射放熱層は、各種気相成長法、例えば真空
蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CV
D法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法等に
よって形成できる。反射放熱層の膜厚としては、70〜
180nm、好適には100〜160nmとするのがよ
い。
【0024】反射放熱層の上には、その酸化防止とし
て、オーバーコート層を有することが望ましい。オーバ
ーコート層しては、スピンコートで作製した紫外線硬化
樹脂が一般的である。その厚さは、7〜15μmが適当
である。7μm以下では、オーバーコート層上に印刷層
を設ける場合、エラーの増大が認められることがある。
一方、15μm以上の厚さでは、内部応力が大きくなっ
てしまい、ディスクの機械特性に大きく影響してしま
う。
【0025】ハードコート層としては、スピンコートで
作製した紫外線硬化樹脂が一般的である。その厚さは、
2〜6μmが適当である。2μm以下では、十分な耐擦
傷性が得られない。6μm以上の厚さでは、内部応力が
大きくなってしまい、ディスクの機械特性に大きく影響
してしまう。その硬度は、布でこすっても大きな傷がつ
かない鉛筆硬度であるH以上とする必要がある。必要に
応じて、導電性の材料を混入させ、帯電防止を図り、埃
等の付着を防止することも効果的である。用いられるハ
ードコート層の紫外線硬化樹脂としては、再現性よくか
つ精度よく塗布位置を制御するために、粘度が40cp
s以上のものが望ましい。それによって、精度よく半径
22〜20mmという狭い領域に精度よくハードーコー
トの端が形成される(図5)。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明する。 実施例1〜3及び比較例1 幅0.5μm、深さ35nmのグルーブを有する1.2
mm厚のポリカーボネート基板に、以下の実施例及び比
較例に示す第1保護層、記録層、第2保護層、反射層を
表1の半径に成膜し、保護層を記録層より内外に広い領
域に成膜する方法としては、(1)保護層をRF放電で
スパッタすることで基板とマスクの隙間に保護層を回り
込ませる、(2)各層を成膜する際のマスクの大きさを
変える、(3)基板とマスクの距離が広ければ広い範囲
に成膜できるということを利用して、成膜時に基板とマ
スクの距離を各々変える、等の方法を用いた。
【0027】次いで、紫外線硬化樹脂のスピンコートに
よるハードコート、オーバーコートを形成し、相変化形
光ディスクを作製した。第1保護層及び第2保護層はZ
nSSiO2を用いた。反射層はアルミニウム合金を用
いた。次いで、大口径のLDを有する初期化装置によっ
て、ディスクの記録層の結晶化処理を行なった。初期化
条件は飽和反射率の95%以上を確保できる条件で行な
った。
【0028】
【表1】
【0029】次いで、紫外線硬化樹脂のスピンコートに
よるハードコート、オーバーコートを形成し、相変化形
光ディスクを作製した。第1保護層及び第2保護層はZ
nSSiO2を用いた。反射層はアルミニウム合金を用
いた。次いで、大口径のLDを有する初期化装置によっ
て、ディスクの記録層の結晶化処理を行なった。初期化
条件は飽和反射率の95%以上を確保できる条件で行な
った。実施例2、3の各保護層の膜厚は、図8に示す膜
厚−反射率の関係から求めて制御した。
【0030】このようにして得た相変化形光ディスク評
価は、波長780nm、NA0.5のピックアップを搭
載した評価機を用いて行なった。記録ストラテージは、
消去パワー/書込みパワー(Pe/Pw)を0.50と
した。記録パワー、バイアスパワーは、それぞれ12m
W、1mWとした。再生パワーは1.0mWとした。表
2に保存試験(80℃、85%RH、500時間)の結
果を示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、本発明は記録層より広い領域に第1保護層お
よび第2保護層が形成されているのでバリア性が向上
し、保存信頼性に優れた相変化形光記録媒体を獲得で
き、R41〜R11の反射率、R(1)%とR11〜R
31の反射率、R(2)%とR31〜R21の反射率、
R(3)%を管理することで、第1保護層および第2保
護層の膜厚が精度よく管理できるので、信号品質の量産
安定性に優れた相変化形光記録媒体を獲得でき、また、
スパッタの放電の種類で成膜範囲が制御できるので、機
械的な変更なしで請求項2の相変化形光記録媒体を獲得
できるという極めて優れた効果を奏する。また、各層毎
にマスクを変更すること無しに基板とマスク間の距離で
成膜範囲が制御できるので、成膜範囲の差をより大きく
することができて、第1保護層および第2保護層の反射
率が測定しやすくなり、安価な測定装置で管理できるよ
うになるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の相変化形光記録媒体における最適記録
線速度のTe組成比依存性を示す図である。
【図2】本発明の相変化形光記録媒体における記録パル
スストラテージの1例を示す図である。
【図3】本発明の相変化形光記録媒体におけるグルーブ
反射率の第1保護層(屈折率2.0)厚依存性を示す図
である。
【図4】本発明の相変化形光記録媒体の形態の1例を示
す構成図である。
【図5】本発明の相変化形光記録媒体の形態の他の1例
を示す構成図である。
【図6】本発明の相変化形光記録媒体の形態の別の1例
を示す構成図である。
【図7】本発明の相変化形光記録媒体の形態のまた別の
1例を示す構成図である。
【図8】本発明の相変化形光記録媒体の形態のまた別の
1例を示す構成図である。
【図9】本発明の相変化形光記録媒体の形態のまた別の
1例を示す構成図である。
【図10】本発明の相変化形光記録媒体の形態のまた別
の1例を示す構成図である。
【図11】比較例の相変化形光記録媒体の形態を示す構
成図である。
【図12】従来の光記録媒体の形態例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 第1保護層(65〜130nm) 3 記録層(15〜35nm) 4 第2保護層(15〜45nm) 5 反射放熱層(70〜180nm) 6 オーバーコート層(7〜15nm) 7 ハードコート層(2〜6nm)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 561 G11B 7/24 561B (72)発明者 相原 謙一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 服部 恭士 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の基板上に第1誘電体層、記録
    層、第2誘電体層、金属又は合金層、UV硬化樹脂の順
    に積層してなる光記録媒体において、第1誘電体層の膜
    厚が65〜130nm、記録層の膜厚が15〜35n
    m、第2誘電体層の膜厚が15〜45nm、金属又は合
    金層の膜厚が70〜180nm、UV硬化樹脂層の膜厚
    が7〜15μmであり、記録を担う物質の相変化により
    記録消去を行なう光記録媒体の記録層の構成元素が主に
    Ag、In、Sb、Te、N或いはOであり、それぞれ
    の構成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が、0<α≦
    6、3≦β≦15、50≦γ≦65、20≦δ≦35、
    0≦ε≦5、α+β+γ+δ+ε=100である光記録
    媒体であって、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、
    金属又は合金層、各々の層の形成領域の異なることを特
    徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板のグルーブ形成領域の内径及び外径
    が(R01〜R02)で、各々の層の形成領域の内径及
    び外径が第1誘電体層(R11〜R12)、記録層(R
    21〜R22)、第2誘電体層(R31〜R32)、金
    属又は合金層(R41〜R42)であり、R11<R2
    1<R01、R02<R22<R12かつR31<R2
    1<R01、R02<R22<R32であることを特徴
    とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 R41<R11<R31若しくはR41
    <R31<R11であることを特徴とする請求項2に記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 放電の種類(RF、DC)を変える真空
    成膜により、各層の形成領域を異ならせることを特徴と
    する請求項1〜3のうちいずれか1に記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 マスクと基板間の距離を変える真空成膜
    により、各層の形成領域を異ならせることを特徴とする
    請求項1〜3のうちいずれか1に記載の光記録媒体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 R41〜R11の反射率、R(1)%、
    R11〜R31の反射率、R(2)%、R31〜R21
    の反射率、R(3)%、より第1誘電体層、第2誘電体
    層の膜厚を管理することを特徴とする請求項3に記載の
    光記録媒体の製造方法。
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