JPH1114417A - スロットルボディ一体型空気流量測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気流量信号の計測精度を向上させ低背形のス
ロットルボディ一体型空気流量測定装置を提供すること
にある。 【解決手段】スロットルボディ一体型空気流量測定装置
の副空気通路出口上流に突起を設けることで副空気通路
の流れを安定させる構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気流量を測定す
る空気流量測定装置に係わり、特に、内燃機関の吸入量
を測定するに好適なスロットルボディ一体型空気流量測
定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スロットルボディと発熱空気流量測定装
置を一体化した従来技術として、特願平7−210818 号公
報に開示されたものがある。これによれば主空気通路横
切るＬ字形の副空気通路により、空気流量測定装置の出
力ノイズの向上や脈動流の計測誤差を低減させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】空気流量測定装置は主
空気通路を横切るＬ字形の副空気通路を持つことで、空
気流量測定装置の出力は安定する。一方スロットルボデ
ィの全長を短くするいわゆる低背化では、スロットルバ
ルブの上流にある空気流量測定装置をスロットルシャフ
トに近づけることで達成できるが、スロットルバルブの
開閉時に、スロットルバルブがＬ字形の副空気通路に干
渉してしまう問題がある。

【０００４】低背化によるスロットルバルブとＬ字形副
空気通路の干渉を回避し、空気流量測定装置の出力を安
定させるには、副空気通路をボディ壁面に設け迂回させ
ることで、出力ノイズや脈動時の計測誤差を抑えられる
ことが可能になる。

【０００５】しかし副空気通路を迂回させたことで、副
空気通路の入口と出口が近くなり入口と出口の圧力差が
小さくなることや、副空気通路の管路抵抗が大きくなっ
たり、副空気通路を流れ出る空気と主空気通路を流れる
空気の合流損失が大きく、副空気通路を流れる空気の流
速が低下するため、特に、エンジンのアイドル回転数付
近における定常流域での計測ばらつきが大きくなり、計
測精度が悪化する要因となる。これを回避する手段が必
要となった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】空気流量測定装置の副空
気通路内の流速を上げる手段として、副空気通路の出口
上流の構造で副空気通路の流速を上げ課題を解決する。

【０００７】副空気通路の出口上流に突起を設けること
で、副空気通路出口から流れる空気が主空気通路を流れ
る空気の抵抗を受けにくくなる。その結果、副空気通路
を流れる空気は主空気通路を流れる空気に阻害されるこ
となく、流速が増し、安定した流れとなり、その結果、
空気流量測定装置の計測誤差が少ない低背形のスロット
ルボディ一体型空気流量測定装置が提供できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図１から図
１１により説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例を示すスロットル
ボディ一体型空気流量測定装置の横断面であり、図２は
その上流側（上側）から見た外観図である。また図３は
副空気通路部だけを図１の側面（左側）から見た断面図
である。

【００１０】主空気通路３を構成するスロットルボディ
一体型空気流量測定装置４は、主空気通路３内にスロッ
トルシャフト５を軸に回転し、主空気通路３を開閉する
スロットルバルブ６と、スロットルシャフト５上流の主
空気通路３内に配置された副空気通路２内には、空気流
量を測定する発熱抵抗体８，感温抵抗体９と支持部材１
１とを備えている。

【００１１】また、主空気通路３の外側に発熱抵抗体式
空気測定装置モジュール１０を備えており、発熱抵抗体
８，感温抵抗体９及び伝導部材からなる支持部材１１に
電気的に接続し、内部に備えた駆動回路により、発熱抵
抗体８から得た信号を、空気流量信号としてコネクタ１
３を介してコントロールユニットへ送る働きを持つ。副
空気通路２は、迂回している通路であり、主空気通路３
の空気の流れ１４に対しほぼ垂直に開口する副空気通路
入口２ａと、主空気通路３の空気の流れ１４に対しほぼ
真横に開口する副空気通路出口２ｂを有する。

【００１２】副空気通路２が迂回構造を持つ理由は、発
熱抵抗体式空気流量測定装置の脈動流の計測誤差を低減
するためである。迂回の方法は規定しないが図１から図
３では副空気通路入口２ａからほぼ主空気通路３の空気
の流れ１４と平行に進み、その後ほぼ垂直に２度曲が
り、その後曲線形で上流に迂回し、副空気通路出口２ｂ
に至る構造である。

【００１３】またスロットルボディ一体型空気流量測定
装置は、副空気通路入口２ａ上流に主空気通路３を流れ
る空気１４を整流する整流格子１２を備える。

【００１４】副空気通路出口２ｂ上流には副空気通路出
口２ｂの下流と一方の側面を開口するように突起１ａが
設けられている。この突起１ａを設けることにより、副
空気通路を流れる空気１４ａは主空気通路３を流れる空
気１４とほぼ同じ方向で合流することができ、副空気通
路２を流れる空気１４ａは流速が早くなり安定し、正確
な空気流量信号が得られる。

【００１５】一方、図４に示す様な副空気通路出口２ｂ
の上流に、突起の無い構造では副空気通路２を流れる空
気の流れ１４ａが、副空気通路出口２ｂから出て主空気
通路３を流れる空気の流れ１４と垂直に合流するため、
副空気通路２の空気の流れが悪く、不安定になり空気流
量信号の計測精度が落ちる。

【００１６】図５は、副空気通路出口２ｂの上流からの
びた突起１ｂを備える。突起１ｂは主空気通路３を流れ
る空気１４を副空気通路出口２ｂに当たらない様に、主
空気通路１４の流れに対し斜めの突起であり、副空気通
路２を流れる空気１４ａは、主空気通路１４を流れる空
気に阻害されることなく主空気通路３を流れる空気１４
と合流し、副空気通路２を流れる空気１４ａは流速が早
くなり安定した空気流量信号が得られる。

【００１７】図６は、副空気通路出口２ｂに接する様に
のびた突起１ｃを有する。突起１ｃは主空気通路３を流
れる空気１４を副空気通路出口２ｂ近傍に流れない様に
し、その結果副空気通路２を流れる空気１４ａは主空気
通路１４を流れる空気に阻害されることなく、主空気通
路３を流れる空気１４と合流し、副空気通路２を流れる
空気１４ａは、流速が早くなり安定した空気流量信号が
得られる。

【００１８】図８は、図７の上流（上側）から見た外観
図である。図７は基本的には図１と同じであるが、副空
気通路出口２ｂを覆う突起１ｄの開口部が、下流側の一
方向のみとなっており、整流格子１２を備えていない。

【００１９】図９は、基本的には図１と同じであるが、
スロットルシャフトとスロットルバルブを備えない空気
流量測定装置に本発明を適用した一実施例である。

【００２０】図１０は、電子燃料噴射方式の内燃機関に
本発明を適用した一実施例を示す。エアクリーナ１００
から吸入された吸入空気１０１は、吸気ダクト１０３，
スロットルボディ一体型空気流量測定装置１０４、及び
燃料を供給するインジェクタ１０５を備えたマニホール
ド１０６を経て、エンジンシリンダ１０７に吸入され
る。一方エンジンシリンダ１０７で発生したガス１０８
は排気マニホールド１０９を経て排出される。

【００２１】発熱抵抗体式空気流量測定装置の回路モジ
ュール１１０から出力される空気流量信号，スロットル
角度センサ１１１から出力されるスロットルバルブ開度
信号，排気マニホールド１０９に設けられた酸素濃度計
１１２から出力される酸素濃度信号及びエンジン回転速
度計１１３から出力される回転速度信号を入力するコン
トロールユニット１１４は、これらの信号を演算して最
適な燃料噴射量とアイドルエアコントロールバルブ開度
を求め、その値を前記インジェクタ１０５及びアイドル
コントロールバルブ１１５を制御する。

【００２２】また図１に示す本発明品、図４に示す従来
品のスロットルボディ一体型空気流量測定装置の空気流
量信号の計測誤差を図１１に示す。グラフの横軸は空気
流量を示し、縦軸は空気流量信号の基準からの誤差であ
る。本発明は、従来品に対し空気流量の測定精度が向上
していることが分かる。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、副空気通路内の流速増
加が可能となり、計測精度に優れた空気流量信号を出す
低背形のスロットルボディ一体型空気流量測定装置の提
供が可能となる。

【００２４】これによる内燃機関におけるアイドル回転
数付近の定常流において、燃料制御の高精度化が図れ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であり副空気通路出口上流に
副空気通路出口を覆う様な突起を備えたスロットルボデ
ィ一体型空気流量測定装置の横断面図。

【図２】図１の上流から見た外観図。

【図３】図１の副空気通路部を側面から見た断面図。

【図４】従来のスロットルボディ一体型空気流量測定装
置の横断面図。

【図５】本発明の一実施例であり副空気通路出口上流に
突起を備えたスロットルボディ一体型空気流量測定装置
の横断面図。

【図６】本発明の一実施例であり副空気通路出口上流に
突起を備えたスロットルボディ一体型空気流量測定装置
の横断面図。

【図７】本発明の一実施例であり副空気通路出口上流に
突起を備えたスロットルボディ一体型空気流量測定装置
の横断面図。

【図８】図７の上流から見た外観図。

【図９】本発明の一実施例であり副空気通路出口上流に
突起を備えた空気流量測定装置の横断面図。

【図１０】本発明を用いた内燃機関の制御システム図。

【図１１】本発明品及び従来品の空気流量測定の計測誤
差を示す図。

【符号の説明】

１…突起、２…副空気通路、３…主空気通路、４…スロ
ットルボディ一体型空気流量測定装置、５…スロットル
シャフト、６…スロットルバルブ、７…ボディ、８…発
熱抵抗体、９…感温抵抗体、１０…回路モジュール、１
１…支持部材、１２…整流格子、１３…コネクタ、１４
…空気の流れ、１００…エアクリーナ、１０１…吸入空
気、１０３…吸気ダクト、１０４…スロットルボディ一
体型空気流量測定装置、１０５…インジェクタ、１０６
…マニホールド、１０７…エンジンシリンダ、１０８…
ガス、１０９…排気マニホールド、１１０…回路モジュ
ール、１１１…スロットル角度センサ、１１２…酸素濃
度計、１１３…エンジン回転速度計、１１４…コントロ
ールユニット、１１５…アイドルスピードコントロール
バルブ。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スロットルシャフトを軸に回転し主空気通
   路を開閉するスロットルバルブと、該スロットルシャフ
   トの上流で副空気通路の入口と出口の間で迂回する副空
   気通路内に加熱電流を流して発熱し、吸入空気への放熱
   量に基づき空気流量を測定する発熱抵抗体を配置した、
   スロットルボディ一体型空気流量測定装置において、前
   記副空気通路の出口上流に突起を設けたことを特徴とす
   るスロットルボディ一体型空気流量測定装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の発熱抵抗体が配置される
   副空気通路は、前記スロットルボディと一体に構成され
   たことを特徴とするスロットルボディ一体型空気流量測
   定装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の発熱抵抗体が配置される副
   空気通路及び出口部突起は、同一部材にて構成されてい
   ることを特徴とするスロットルボディ一体型空気流量測
   定装置。
4. 【請求項４】請求項１において、前記突起は前記副空気
   通路出口に接していることを特徴とするスロットルボデ
   ィ一体型空気流量測定装置。
5. 【請求項５】請求項１において、前記突起は少なくとも
   前記副空気通路出口の上流方向以外に開口部を備えてい
   ることを特徴とするスロットルボディ一体型空気流量測
   定装置。
6. 【請求項６】請求項１〜５のいずれか記載の空気流量測
   定装置を用い、得られる空気流量の出力信号を用いて、
   内燃機関の制御を行うことを特徴とする内燃機関制御シ
   ステム。