JPS633422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内撚機関における燃料噴射弁を用いた
混合気供給装置に関する。

内撚機関における混合気供給装置は、吸気系通
路内に配設された燃料噴射弁により燃料を霧化し
つつ供給して吸入空気と混合して得られる混合気
を機関に供給するものである。

かかる混合気供給装置の従来例を第１図に参照
して説明する。

第１図に示された従来例においては、エアクリ
ーナー１とエンジン２の吸気口を連通せしめる吸
入空気通路３に配設されたスロツトル弁４の上流
に熱線流速計５が設けられている。また、スロツ
トル弁４の下流の適当な位置に燃料噴射弁６が設
けられている。噴射弁制御回路７、熱線流速計５
の出力信号に応じて燃料噴射弁６に駆動パルス信
号を供給する。燃料噴射弁６は、供給される駆動
パルス信号に応じて、燃料噴射口を開いて燃料を
噴射するのである。なお、熱線流速計５は、感熱
抵抗線８の抵抗が吸入空気の流速に応じて変化す
ることを利用したものである。

しかし、熱線流速計５は、燃料噴射弁６に対し
はるか上流部に配設されている故、熱線流速計５
により得られる吸入空気量信号は燃料噴射弁６の
近傍の吸入空気実際流量に対して時間的な遅れを
生じ応答性が悪いという欠点があつた。更に、熱
線流速計５、スロツトル弁４及び燃料噴射弁６が
縦列的に配置されているのでエンジン吸気系が長
くなり、近時のエンジン小型化の要請に応じきれ
ないという問題もあつた。

そこで本考案の目的は上記従来例の問題点を解
決して吸入空気量に対し遅滞なく応答して適切な
量の燃料を供給して所望の混合比の混合気を供給
し、かつコンパクトな形状の内撚機関の燃料噴射
弁を用いた混合気供給装置を提供することにあ
る。

本考案による内燃機関の混合気供給装置は、吸
入空気通路に配設されたスロツトル弁の上流に下
流方向に向けて配設された燃料噴射口を有する燃
料噴射弁近傍の吸入空気通路に連通したバイパス
通路を設け、バイパス通路内に熱線流速計設けた
ものである。

以下、本考案実施例を第２図を参照して詳細に
説明する。

第２図において示した本考案による混合気供給
装置においては、スロツトル弁４近傍の吸入空気
通路すなわちスロツトル部としてスロツトル室９
が形成されており、スロツトル室９の直ぐ上流の
吸入通路中央部に燃料噴射弁６が円盤状取付け部
上材１０により固定されている。燃料噴射弁６
は、下流方向に向つて開口している噴射口１１を
有する。円盤状取付け部材１０と、同軸的に対向
したフランジ状部材１２は円盤状取付け部材１０
と共にスロツトル室９と連通した空気導入部とな
るメイン通路１４を形成している。また、フラン
ジ状部材１２の下流側にこれも同軸的に設けられ
た円環状部材１３は、フランジ状部材１２と共に
流速測定用通路である第１バイパス通路１５及び
流量調整用通路である第２バイパス通路１６を形
成している。第１バイパス通路１５及び第２バイ
パス通路１６は、フランジ部材１２及び円環状部
材１３の中央軸に対して半径方向に向いており、
各バイパス通路の下流口１７は狭くなつて燃料噴
射弁６の噴射口１１のやや上流においてメイン通
路１４に連通している。第１バイパス通路１５内
には感熱抵抗線８を含む熱線流速計５が設けられ
て第１バイパス通路１５内を流れ吸入空気流量を
測定し、メイン通路１４内を流れる吸入空気量を
測定出来るようになつている。第１バイパス通路
１５の上流口近傍には防塵壁１８が設けられてエ
アクリーナー１のエアフイルター２０等からの大
きなゴミが感熱抵抗線８に当つてこれを損傷する
ことを防止するようになつている。また、熱線流
速計５と下流口１７との間にエアダンパー室１９
が形成されている。第２バイパス通路１６には、
メイン通路１４をバイパスするバイパス流量の調
整を可能にするバイパス流量調整ネジ２１が設け
られており、第２バイパス通路１６を通過する吸
入空気は混合気供給装置外部より、バイパス流量
調整ネジ２１により調整される。

上記構成の本考案による内撚機関の混合気供給
装置においては、エアクリーナー１のフイルター
エレメント２０を経て吸入された吸入空気が燃料
噴射弁６近傍で合流し、燃料噴射弁６から噴射さ
れた霧化燃料と混合される。こうして得られる混
合気はスロツトル室９を経てエンジン（図示せ
ず）に供給される。フイルターエレメント２０を
経てスロツトル室９に向う吸入空気の大部分は、
矢印に示すようにメイン通路１４を通過するので
あるが各バイパス通路１５，１６の下流口１７
は、適当に絞つてあり、メイン通路１４を通過す
る吸入空気量に対して一定の割合の吸入空気が第
１バイパス通路１５内を流れるのであり、熱線流
速計５の出力信号によつてスロツトル室９に流入
する吸入空気量を知ることが出来るのである。ま
た、エアダンパー室１９の存在によりバイパス吸
入空気流内に生ずる脈動圧が防止される。

このように本考案による混合気供給装置によれ
ば燃料噴射弁６に並列的に熱線流速計５が設けら
れており、エンジンに供給される吸入空気に対し
て必要な燃料が時間的な遅れをなくし供給出来る
ものである。また、燃料噴射弁６、熱線流速計５
及びエアクリーナー１の取付を一体的に行なうこ
とによりコストダウンを実現することが出来ると
共に小型化が図れるのでエンジンレイアウトが容
易である。また、バイパス通路に熱線流速計５が
配設されているのでエンジンのバツクフアイアー
より逆流高熱気体による感熱抵抗線の劣化あるい
は損傷が防止出来、信頼性が向上するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は内撚機関の混合気供給装置の従来例を
示す図、第２図は本考案の内撚機関の混合気供給
装置の断面図である。 主要部分の符号の説明、３……吸入空気通路、
４……スロツトル弁、５……熱線流速計、６……
燃料噴射弁、８……感熱抵抗線、１０……円盤状
取付け部材、１１……燃料噴射口、１４……メイ
ン通路、１５……第１バイパス通路、１６……第
２バイパス通路、１７……下流口、１８……防塵
壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エアフイルタに吸入開口端部を介して連通す
   る吸入空気通路のスロツトル部に下流方向に向
   けて配設された燃料噴射口を有する燃料噴射弁
   と、前記燃料噴射弁近傍に設けられて、前記吸
   入空気通路に連通したバイパス通路と、前記バ
   イパス通路内に設けられた熱線流速計とを有
   し、前記燃料噴射弁の支持部材が前記スロツト
   ル部中央にその空気流れ方向に沿つて突出する
   ように設けられて、前記吸入空気通路の前記吸
   入開口端部から前記スロツトル部までの空気導
   入部が略直角に屈曲し、前記バイパス通路が前
   記空気導入部の該屈曲部より上流の部分に並設
   され且つ前記燃料噴射弁の支持部材の下端部近
   傍にその下流端が連通していることを特徴とす
   る混合気供給装置。 (2) 前記バイパス通路は前記熱線流速計の設けら
   れた流速測定用通路と、バイパス流量調整用の
   流量調整用通路とからなることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の混合気供給
   装置。