JPH1114385A - 経路探索装置 - Google Patents

経路探索装置

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JPH1114385A
JPH1114385A JP17064497A JP17064497A JPH1114385A JP H1114385 A JPH1114385 A JP H1114385A JP 17064497 A JP17064497 A JP 17064497A JP 17064497 A JP17064497 A JP 17064497A JP H1114385 A JPH1114385 A JP H1114385A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い経路長の迂回路を経由する経路が推奨経
路となることを防ぐ。 【解決手段】 探索処理装置9では、まず出発位置と目
的位置とが設定される。次いで探索部13が、地図デー
タ内のうちから出発位置から目的位置までの経路を構成
する道路リンクを順次探索する。演算部14は、各経路
の道路リンクの経路コストを読出し累積加算して、その
和を累積コストとして求める。続いて属性変化判定部1
5が、経路内の各接続ノードで道路の属性が変化するか
否かを判定し、変化するときだけ調整部16で累積コス
トに調整用コストを加算する。さらに組合わせ判定部1
7が、経路内の各接続ノードに接続された全道路リンク
の組合わせを調べ、その組合わせが予め定める組合わせ
であるときだけ、調整部18で累積コストに調整用コス
トを加算する。最後に、確定部19が、全経路のうちで
累積コストが最小の経路を推奨経路として確定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナビゲーション装
置に好適に実施される経路探索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナビゲーション装置には、経路探索装置
が備えられる。経路探索装置は、予め設定された出発点
と目的点との間で車両が走行すべき推奨経路を、予め定
める探索条件に基づいて探索する。この探索手法とし
て、いわゆるダイクストラ法が挙げられる。予め経路探
索のために、道路地図の道路は、複数の道路リンクをノ
ードを介して連ねて近似して表され、各道路リンクに経
路コストを予め付されている。ダイクストラ法では、出
発位置から目的位置に向かって、またはその逆に向かっ
て、道路地図上のノードから、そのノードに単一の道路
リンクを介して接続されたノードを順次探索して、各ノ
ード間に介在された道路リンクの経路コストを累積加算
して、経路コストの和が最小の経路を推奨経路として確
定する。
【0003】経路コストは、各道路リンクの選択の優先
度を表す重みであり、値が大きいほど選択されにくくな
る。経路コストは、たとえば各道路リンクを走行するの
に必要な所要時間に比例して定められるので、所要時間
が短いほど値が小さい。このため、道路リンクの経路長
が等しい場合、高速道路であるような有料道路を構成す
る道路リンクの経路コストは、一般道路であるような無
料道路を構成する道路リンクの経路コストよりも小さい
ことが多い。
【0004】このため、たとえば複数の道路リンクを接
続して構成される一般道路に高速道路の同じ地点から分
岐した入口線と出口線とが接続されている場合、一般道
路から入口線と出口線とを通って再び一般道路に戻る経
路の経路コストの和は、入口線と出口線とを通らずに一
般道路だけを走行する経路の経路コストの和よりも小さ
くなることがある。このために、上述の構造の道路の推
奨経路を確定するとき、実際に走行する経路としては後
者の経路が好ましいのに拘わらず、前者の経路が推奨経
路として探索されてしまうことがある。これによって、
推奨経路が実際の走行に適合しない不適切な経路になる
ことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経路
探索において、実際の走行に不適切な経路の探索を防止
することができる経路探索装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の道路リ
ンクおよび複数のノードからなる道路データと、道路の
属性に関する属性データとを含む地図データを記憶する
地図データ記憶手段と、地図データ上の出発位置を設定
する出発位置設定手段と、地図データ上の目的位置を設
定する出発位置設定手段と、地図データ記憶手段から地
図データを読出し、出発位置と目的位置とを結ぶ推奨経
路を探索する探索手段とを備える経路探索装置におい
て、前記探索手段は、道路の属性が変化するか否かを判
定する属性変化判定手段と、該属性変化判定手段によっ
て道路の属性が変化すると判定されたとき、この経路に
対して予め定める重み付けを行う調整手段とを含むこと
を特徴とする経路探索装置である。
【0007】本発明に従えば、経路探索装置は、上述す
るように、出発位置と目的位置とを結ぶ推奨経路を探索
する。このために経路探索装置は、まず出発位置設定手
段と目的位置設定手段とによって上述のように出発位置
と目的位置とを設定し、次いで、探索手段によって、出
発位置から目的位置に至る経路を探索する。このとき、
たとえば探索手段は、経路を構成する道路リンクに付加
される経路コストの和を、各経路毎に求める。従来技術
の経路探索装置では、この時点で経路コストの和を比較
し、経路コストの和が最小の経路を推奨経路として確定
していたので、前述したように、1km程度の短い距離
だけ有料道路を経由するような不適切な経路を推奨経路
として確定することがあった。
【0008】本発明の経路探索装置は、経路コストの和
を算出後、各経路毎に、属性変化判定手段によって、経
路内のノードで道路の属性が変化するか否かを判定す
る。道路の属性とは、道路リンクが表す道路の種類を表
し、その種類とは、有料道路と無料道路とのどちらか、
国道と県道と細街路とのいずれか、トンネルであるか否
かを含む。道路の属性が変化するとき、調整手段は、前
記経路コストの和に予め定める値を加算するような重み
付けを行い、経路コストの和を増加させる。これによっ
て、経路内で道路の属性が変化するほど、経路コストの
和が増加する。経路コストの和を調整後、経路コストの
和を比較して、経路コストの和が最小の経路を、推奨経
路として確定する。
【0009】たとえば、或る道路の属性の基準道路と、
基準道路に接続されかつほぼ並列に伸び道路の属性が異
なる迂回路がある場合、基準道路の道路の属性の道路リ
ンクの経路コストは、道路リンクの長さが等しいとき、
迂回路の道路の属性の道路リンクの経路コストよりも大
きいとする。この道路地図は、図5の道路地図に相当す
る。この道路地図上で、基準道路の両端を出発位置と目
的位置として設定したとき、探索手段は、基準道路から
迂回路を経由して基準道路に戻る第1経路と、基準道路
だけを経由する第2経路とのどちらかを推奨経路として
求める。
【0010】このとき、基準道路と迂回路とが平行して
伸びる区間の長さに拘わらず、調整手段による重み付け
前の第1経路の経路コストの和は、調整手段による重み
付け前の第2経路の経路コストの和よりも小さい。この
とき、第1経路は、基準道路と迂回路とのノードを通過
する時点で道路の属性が変化するので、調整手段によっ
て経路コストの和が増加される。また第2経路は、道路
の属性が変化しないので、経路コストの和が加算手段に
よって求められた値に保たれる。
【0011】調整手段による重み付け前の各経路の経路
コストの和の差分が前記予め定める値未満である場合、
すなわち前記区間の長さが予め定める経路長未満である
場合、調整後には、第1経路の経路コストの和が第2経
路の経路コストの和よりも大きくなる。ゆえに、第2経
路を推奨経路として確定することができる。このとき、
推奨経路内では道路の属性が変化しない。すなわち、車
両が単一の道路を通過する経路が、推奨経路として確定
される。また、前記差分が前記予め定める値以上である
場合、すなわち前記区間の長さが予め定める経路長以上
である場合、調整後にも、第1経路の経路コストの和が
第2経路の経路コストの和よりも小さいまま保たれる。
ゆえに、第1経路を推奨経路として確定することができ
る。
【0012】このように、本発明の経路探索装置では、
属性変化判定手段と調整手段とによって、経路内の道路
の属性の変化の有無に応答して、経路コストの和を調整
するような重み付けを行い、調整後の経路コストの和を
比較して、その経路コストの和が最小の経路を推奨経路
として確定する。これによって、上述のように、経路途
中で道路の属性が変化する経路を全て回避するのではな
く、前記区間の長さに応じて、このような経路を回避す
るかどうかが定められる。ゆえに、基準経路から短い経
路長の迂回路を経由して再び基準道路に戻るような、車
両が実際に走行するのに適さない経路を推奨経路として
確定することを未然に防止することができる。したがっ
て、リーズナブルな探索結果を、車両の乗員に提供する
ことができる。また、この経路の回避の手法は、経路内
の属性変化の有無に応答して予め定める値を加算するだ
けなので、従来技術の経路探索装置に、この機能を容易
に付加することができる。したがって、実現が容易であ
る。
【0013】この予め定める値は、たとえばノードで接
続される2つの道路リンクの各道路の属性の組合わせに
対応して定められる調整用経路コストである。予め定め
る値は、その経路を車両が走行するときの進行方向に無
関係に、2つの道路の組合わせだけによって設定されて
も良い。また予め定める値は、進行方向に応じて、車両
が上述のノードを通過する場合に道路の属性が第1の道
路の属性から第2の道路の属性に変化するときと、前記
場合に道路の属性が第2の道路の属性から第1の道路の
属性に変化するときとで、異なる値に設定してもよい。
さらに、予め定める値は、前記予め定める距離に応じて
設定するべき値であり、この値を道路の属性の組合わせ
の種類に応じて、異なる値にしてもよい。すなわち、道
路の属性の組合わせが異なる場合、前記予め定める距離
を変更してもよい。これらの条件の変更は、予め定める
値の具体的な数値を変更するだけなので、変更が容易で
ある。したがって、これらの条件を増やす場合も、経路
探索のための演算処理を行う回路の負担を軽減すること
ができる。
【0014】また上述の属性変化判定手段の第1の別の
例として、この属性変化判定手段が、連続する2つの道
路リンクの道路の属性を地図データ記憶手段から読出し
比較して、前記2つの道路リンクの道路の属性が異なる
とき、両道路リンク間のノードで道路の属性が変化した
と判定し、前記2つの道路リンクとの道路の属性が一致
するとき、前記ノードで道路の属性が変化していないと
判定するようにしてもよい。
【0015】このとき、各道路リンクの道路の属性は、
従来技術の経路探索装置で用いられる地図データにも含
まれるデータである。したがって、本発明の経路探索装
置によって経路探索を行う場合、道路の属性の変化の有
無を判定するためのデータを、従来技術の地図データに
さらに付加することなく、道路の属性の変化の有無を判
定することができる。また、上述の手法では、前記2つ
の道路リンクの道路の属性が異なるか否かを判定するだ
けなので、処理が極めて容易である。したがって、道路
の属性の変化の有無を判定するための処理の処理量が少
ないので、経路探索を実施する演算処理のための回路部
品の負担を軽減することができる。
【0016】さらにまた、前記属性変化判定手段の第2
の別の例として、この属性変化判定手段が、連続する2
つの道路リンクのうちでいずれか一方の道路リンクの道
路の属性が両道路リンクの間のノードで道路の属性が変
化し得る予め定める属性であるか否かを判定し、前記い
ずれか一方の道路リンクの道路の属性が予め定める属性
であるとき、前記ノードで道路の属性が変化すると判定
し、前記いずれか一方の道路リンクの道路の属性が予め
定める属性ではないとき、前記ノードで道路の属性が変
化しないと判定するようにしてもよい。
【0017】これによって、上述した第1の別の例と同
じ理由から、道路の属性の変化の有無を判定するための
データを従来技術の地図データにさらに付加することな
く、道路の属性の変化の有無を判定することができる。
また、上述の手法では、前記2つの道路リンクのうちの
いずれか一方の道路リンクの道路の属性だけを取得すれ
ば、道路の属性の変化の有無を判定することができる。
したがって、第1の別の例の属性変化判定手段の判定処
理よりも、さらに処理が容易である。したがって、道路
の属性の変化の有無を判定するための処理の処理量が、
第1の別の例の属性変化判定手段よりもさらに減少す
る。これによって、第2の別の例の属性変化判定手段を
含む経路探索装置は、第1の別の例の属性変化判定手段
を含む経路探索装置よりも、経路探索を実施する演算処
理のための回路部品の負担をさらに軽減することができ
る。
【0018】この予め定める属性は、たとえば有料道路
と無料道路とを接続する道路であり、属性変化判定手段
は、前記2つの道路リンクのうちのいずれか一方の道路
リンクの道路の属性が、有料道路と無料道路とを接続す
る道路であるとき、前記ノードで道路の属性が変化した
と判定する。この道路とは、いわゆる有料道路の入口線
および出口線である。たとえば経路に入口線が含まれる
とき、その経路は必ず有料道路の入口を通って無料道路
から有料道路に、道路の属性が変わる。また、前記予め
定める属性は、たとえば有料道路と有料道路に付随する
駐車場とを接続する道路であり、属性変化判定手段は、
前記2つの道路リンクのうちのいずれか一方の道路リン
クの道路の属性が、有料道路と前記駐車場とを接続する
道路であるとき、前記ノードで道路の属性が変化したと
判定してもよい。この駐車場は、いわゆるパーキングエ
リアおよびサービスエリアであり、この道路とは、いわ
ゆるパーキングエリアおよびサービスエリアへの入口線
および出口線である。たとえば経路に入口線が含まれる
とき、その経路は必ず駐車場内を通る。
【0019】これらのことから、上述の2つの予め冷め
る属性を用いて第1の別の例の属性変化判定手段を動作
させることによって、上述のような道路の属性の変化の
有無を判定することができる。また、道路リンクが有料
道路の入口線および出口線であることを表すデータ、お
よび道路リンクが駐車場の入口線および出口線であるこ
とを表すデータは、従来技術の地図データにも、道路の
属性として予め記憶されていることが多い。したがっ
て、第1の別の例と同じ理由から、道路の属性の変化の
有無を判定するためのデータを従来技術の地図データに
さらに付加することなく、有料道路の入口および出口を
通過したか否か、および駐車場への出入りがあったか否
かを判定することができる。
【0020】また本発明は、前記属性変化判定手段は、
ノードが有料道路の入口または出口であるとき、道路の
属性が変化すると判断することを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、属性変化判定手段は、上
述のように、道路の属性の変化の有無を判定する。有料
道路の入口および出口に相当するノードが経路上にあれ
ば、そのノードを通過した時点で経路が有料道路から無
料道路に、または無料道路から有料道路に変わる。した
がって、経路の道路の属性が変化する。したがって、上
述の処理動作によって、道路の属性の変化の有無を判定
することができる。この判定は、たとえば、ノードが道
路地図上でどのような地点に相当するかを表すデータを
調べて、ノードが有料道路の入口および出口であるか否
かを判定してもよい。このようなデータは、いわゆるノ
ードデータとして、経路案内のためにナビゲーション装
置に地図データに関連づけて記憶されるていることが多
い。ゆえに、この判定処理は、このデータを利用して、
容易に実施することができる。
【0022】有料道路への入口と出口とが同じ無料道路
に接続されているとき、探索手段は、有無料道路から入
口を通って有料道路に入り、そのまま出口を通って無料
道路に戻る経路を探索することがある。このような経路
は実際に車両が走行するのに不適切な経路なので回避す
ることが好ましい。上述した手法で道路の属性の変化を
判定する場合、このような経路を推奨経路として確定す
ることを確実に防止することができる。
【0023】また本発明は、前記属性変化判定手段は、
連続する2つの道路リンクのうちのいずれか一方が有料
道路、いずれか他方が無料道路であるとき、道路の属性
が変化すると判断することを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、請求項3の経路探索装置
の属性変化判定手段は、上述のように2つの道路リンク
の道路の属性の組合わせを用いて、道路の属性の変化の
有無を判定する。これは、この組合わせによって、ノー
ドが有料道路の入口および出口であるか否かの判定を、
行うことと等しい。これによって、ノードが有料道路の
入口および出口であるか否かを判定するためのデータを
従来技術の地図データにさらに付加することなく判定を
行うことができる。またまた、上述の手法では、前記2
つの道路リンクの道路の属性が異なるか否かを判定する
だけなので、処理が極めて容易である。したがって、道
路の属性の変化の有無を判定するための処理の処理量が
少ないので、経路探索の演算処理のための回路部品の負
担を軽減することができる。
【0025】また本発明は、複数の道路リンクおよび複
数のノードからなる道路データと、道路の属性に関する
属性データとを含む地図データを記憶する地図データ記
憶手段と、地図データ上の出発位置を設定する出発位置
設定手段と、地図データ上の目的位置を設定する出発位
置設定手段と、地図データ記憶手段から地図データを読
出し、出発位置と目的位置とを結ぶ推奨経路を探索する
探索手段とを備える経路探索装置において、前記探索手
段は、複数の道路リンクの道路の属性の組合わせが予め
定める組合わせであるか否かを判定する属性組合わせ判
定手段と、該属性組合わせ判定手段によって道路の属性
の組合わせが予め定める組合わせであると判定されたと
き、この経路に対して予め定める重み付けを行う調整手
段とを含むことを特徴とする経路探索装置である。
【0026】本発明に従えば、本請求項の経路探索装置
は、請求項1の経路探索装置と比較して、属性変化判定
手段に代わって属性組合わせ判定手段を備え、調整手段
が属性組合わせ判定手段の判定結果に応答して動作する
点が異なり、他の手段の挙動および接続関係は等しい。
【0027】本発明の経路探索装置は、経路コストの和
を算出後、各経路毎に、属性組合わせ判定手段によっ
て、たとえば経路内のノード毎に、そのノードに接続さ
れた全道路リンクの道路の属性の組合わせが前記予め定
める組合わせであるか否かを判定する。そうであると
き、調整手段は、たとえばその経路の経路コストの和に
予め定める値を加算するような重み付けを行い、経路コ
ストの和を増加させる。これによって、経路内で道路の
属性が変化するか否かに拘わらず、経路が道路の属性が
異なる2つの道路リンク間のノードを経由するほど、経
路コストの和が増加する。経路コストの和を調整後、経
路コストの和を比較して、経路コストの和が最小の経路
を、推奨経路として確定する。
【0028】たとえば、或る道路の属性の第1道路が第
1ノードで湾曲し、第1ノードから第1道路とは道路の
属性が異なる第2道路が接続されて、第1道路と第2道
路とによって直線道路が形成され、さらに第1道路が、
第1ノードよりも車両の進行方向前方の第2ノードで第
2の道路と同じ道路の属性の迂回路と接続され、この迂
回路が第2道路に接続される道路地図があるとする。第
1道路の道路リンクの経路コストと第2道路の道路リン
クの経路コストとの関係は、請求項1の説明と等しいと
する。この道路地図は、図6の道路地図に相当する。
【0029】この道路地図上で、第1道路上の第1のノ
ードよりも進行方向後方の点を出発位置として第2道路
上の第1のノードよりも進行方向前方の点を目的位置と
して設定されたとき、探索手段は、第1道路から第2ノ
ードと迂回路とを経由して第2道路に至る第1経路と、
第1道路から第1ノードを経由して第2道路に至る第2
経路のうちのいずれかを推奨経路とする。このとき、第
2経路よりも第1経路のほうか第1道路を走行する距離
が長いので、第1ノードと第2ノード間の区間の経路長
に拘わらず、第1経路の経路コストの和は、第2経路の
経路コストの和よりも小さい。
【0030】第1ノードには第1道路と第2道路とが接
続され、第2ノードには第1道路と迂回路とが接続され
ているので、属性組合わせ判定手段によって、第1およ
び第2ノードに接続された全道路リンクの道路の属性の
組合わせが、予め定める組合わせであると判定されると
する。このとき、第1経路は、第1ノードと第2ノード
とを経由するので、調整手段によって経路コストの和が
2回増加される。また第2経路は、第1ノードだけを経
由するので、経路コストの和が1回だけ増加される。し
たがって、全道路リンクの道路の属性の組合わせが予め
定める組合わせになるノードを通過する回数が多いほ
ど、経路の経路コストの和が増加される。
【0031】調整手段によって調整された各経路の経路
コストの和の差分が前記予め定める値未満である場合、
すなわち前記区間の長さが予め定める経路長未満である
場合、第1経路の経路コストの和が第2経路の経路コス
トの和よりも大きくなる。ゆえに、第2経路を推奨経路
として確定することができる。また、前記差分が前記予
め定める値以上である場合、すなわち前記区間の長さが
予め定める経路長以上である場合、第1経路の経路コス
トの和が第2経路の経路コストの和よりも小さいまま保
たれる。ゆえに、第1経路を推奨経路として確定するこ
とができる。
【0032】このように本発明の経路探索装置では、属
性組合わせ判定手段と調整手段とによって、経路内で全
道路リンクの道路の属性の組合わせが予め定める組合わ
せになるノードを通過する回数に応じて経路コストの和
を調整し、調整後の経路コストの和を比較して、その経
路コストの和が最小の経路を推奨経路として確定する。
したがって、経路途中で上述のノードを通過する経路を
全て回避するのではなく、前記区間の長さに応じて、こ
のような経路を回避するかどうかが定められる。
【0033】これによって、異なる道路の属性の2本の
道路が上述のように連結され、かつ第1ノードと第2ノ
ードとの間の区間の経路長が短い場合、第2ノードと迂
回路とを経由するような、車両が実際に走行するのに適
しない経路を推奨経路として確定することを未然に防止
することができる。したがって、リーズナブルな探索結
果を、車両の乗員に提供することができる。また、この
経路の回避の手法は、前記回数に応じて予め定める値を
加算するだけなので、従来技術の経路探索装置に、この
機能を容易に付加することができる。したがって、実現
が容易である。
【0034】この予め定める値は、請求項1と同様に、
前記区間の経路長に応じて設定するべき値であり、この
値を道路の属性の組合わせの種類に応じて、異なる値に
してもよい。すなわち、道路の属性の組合わせが異なる
場合、前記予め定める距離を変更してもよい。これらの
条件の変更は、予め定める値の具体的な数値を変更する
だけなので、変更が容易である。したがって、これらの
条件を増やす場合も、経路探索のための演算処理を行う
回路の負担を軽減することができる。
【0035】また、この経路探索装置の属性組合わせ判
定手段と調整手段とを、請求項1の経路探索装置にさら
に付加してもよい。請求項1の経路探索装置は、請求項
4で説明した道路地図で第1経路と第2経路とが探索さ
れた場合、第1経路を推奨経路として確定することがあ
った。請求項1の経路探索装置に属性組合わせ判定手段
と調整手段とを付加することによって、請求項4で説明
した道路地図上の推奨経路を求める場合にも、第2経路
を推奨経路として確定することができる。
【0036】上述の予め定める組合わせは、たとえば、
前記2つの道路リンクのうちで前記進行方向後方の道路
リンクの道路の属性が有料道路であってかつ前記全道路
リンクの道路の属性のうちの少なくとも1つが無料道路
である組合わせである。属性組合わせ判定手段は、ノー
ドに接続された全道路リンクの道路の属性の組合わせ
が、その全道路リンクのうちで経路を構成する前記2つ
の道路リンクのうちで進行方向後方の道路リンクが有料
道路であり、かつ全道路リンクのうちの少なくとも1つ
が無料道路であるとき、そのノードの全道路リンクの道
路の属性の組合わせが予め定める組合わせであると判定
する。このようなノードは、たとえば有料道路の出口で
ある。これは、請求項4の属性組合わせ判定手段によっ
て、経路が有料道路の出口を経由するか否かを判定する
ことと等しい。
【0037】有料道路の2つの出口が同じ無料道路に接
続され、2つの出口間の有料道路が無料道路とほぼ平行
にのびているとき、探索手段は、2つの出口のうちで進
行方向前方の出口を経由して無料道路に変わる経路を探
索することがある。このような経路は実際に車両が走行
するのに不適切な経路なので回避することが好ましい。
上述した手法で道路の属性の変化を判定する場合、この
ような経路を推奨経路として確定することを確実に防止
することができる。
【0038】また本発明は、前記予め定める組合わせ
は、2つの連続する道路リンクのうちで探索方向後方の
道路リンクの道路の属性が無料道路であって、かつ探索
方向前方の道路リンクの道路の属性が有料道路である組
合わせであり、この組合わせのときには有料道路の入口
であると判断することを特徴とする。
【0039】本発明に従えば、属性組合わせ手段は、前
記2つの道路リンクが上述の組合わせであるとき、経路
が有料道路の入口を経由すると判定する。探索方向と
は、たとえば、探索手段が経路探索を行うときに道路地
図上で経路を構成する道路リンクを探す方向である。こ
れは、請求項4の属性組合わせ判定手段によって、経路
が有料道路の入口を経由するか否かを判定することと等
しい。経路に入口が含まれるとき、その経路は有料道路
の入口を通って無料道路から有料道路に変わることがあ
る。すなわち、請求項4の経路探索装置に請求項5を適
用した場合、請求項2の判定を請求項4の装置で実現し
たことと等しい。ゆえに、請求項4と同じ理由から、本
請求項の属性組合わせ判定手段を含む経路探索装置は、
請求項2の経路探索装置よりも、経路探索を実施する演
算処理のための回路部品の負担をさらに軽減することが
できる。
【0040】またたとえば、有料道路の2つの入口が同
じ無料道路に接続され、2つの入口間の有料道路が無料
道路とほぼ平行にのびているとき、探索手段は、2つの
入口のうちで進行方向後方の入口を経由して無料道路に
変わる経路を探索することがある。このような経路は実
際に車両が走行するのに不適切な経路なので回避するこ
とが好ましい。上述した手法で道路の属性の変化を判定
する場合、このような経路を推奨経路として確定するこ
とを確実に防止することができる。
【0041】また本発明は、前記予め定める組合わせ
は、2つの連続する道路リンクのうちで探索方向後方の
道路リンクの道路の属性が有料道路であって、かつ探索
方向前方の道路リンクの道路の属性が無料道路である組
合わせであり、この組合わせのときには有料道路の出口
であると判断することを特徴とする。
【0042】本発明に従えば、属性組合わせ手段は、前
記2つの道路リンクが上述の組合わせであるとき、経路
が有料道路の出口を経由すると判定する。これは、請求
項4の属性組合わせ判定手段によって、経路が有料道路
の出口を経由するか否かを判定することと等しい。経路
に出口が含まれるとき、その経路は有料道路の出口を通
って有料道路から無料道路に変わることがある。すなわ
ち、請求項4の経路探索装置に請求項6を適用した場
合、請求項2の判定を請求項4の装置で実現したことと
等しい。ゆえに、請求項4と同じ理由から、本請求項の
属性組合わせ判定手段を含む経路探索装置は、請求項2
の経路探索装置よりも、経路探索を実施する演算処理の
ための回路部品の負担をさらに軽減することができる。
【0043】またたとえば有料道路の2つの出口が同じ
無料道路に接続され、2つの出口間の有料道路が無料道
路とほぼ平行に伸びているとき、探索手段は、2つの出
口のうちで進行方向前方の出口を経由して無料道路に変
わる経路を探索することがある。このような経路は実際
に車両が走行するのに不適切な経路なので回避すること
が好ましい。上述した手法で道路の属性の変化を判定す
る場合、このような経路を推奨経路として確定すること
を確実に防止することができる。
【0044】また本発明は、前記予め定める組合わせ
は、2つの連続する道路リンクのうちで探索方向後方の
道路リンクの道路の属性が有料道路であって、かつ探索
方向前方の道路リンクの道路の属性が有料道路である組
合わせであり、この組合わせのときには有料道路に付随
する駐車場と接続する道路であると判断することを特徴
とする。
【0045】本発明に従えば、属性組合わせ手段は、前
記2つの道路リンクが上述の組合わせであるとき、経路
が有料道路に付随する駐車場と接続する道路を含むと判
定する。これは、請求項4の属性組合わせ判定手段によ
って、経路が駐車場を経由するか否かを判定することと
等しい。この駐車場は、いわゆるパーキングエリアおよ
びサービスエリアであり、この道路とは、いわゆるパー
キングエリアおよびサービスエリアへの入口線および出
口線である。たとえば経路に入口線が含まれるとき、そ
の経路は必ず駐車場内を通る。したがって、この時点で
経路の道路の属性が変化する。したがって、本請求項の
属性組合わせ判定手段を含む経路探索装置は、請求項1
の経路探索装置よりも、経路探索を実施する演算処理の
ための回路部品の負担をさらに軽減することができる。
【0046】また本発明は、前記地図データ記憶手段に
は、実際の道路の距離および通りやすさ等に基づいて予
め設定された経路コストに関する情報が記憶され、前記
探索手段は、経路コストに基づいて推奨経路を探索する
ことを特徴とする。
【0047】本発明に従えば、探索手段は、経路コスト
に基づいて、推奨経路を探索する。これによって、たと
えば請求項1〜7の説明にあるように、経路コストの和
の大小によって、推奨経路を定めることができる。した
がって、推奨経路の探索が容易になる。また、上述のよ
うに経路コストに加えて重み付けを行うので、上述した
ように、不適切な経路を推奨経路とすることを防止する
ことができる。
【0048】また、上述の経路探索装置は、道路を、複
数の道路リンクを連ねて近似して表す地図データと、各
道路リンクの選択の優先度を表し値が大きいほど選択さ
れにくくなり、かつ各道路リンク毎に道路リンクとその
道路リンクに接続された道路リンクとの組合わせに応じ
て予め設定され、両道路リンクの道路の属性が異なるほ
ど値が大きい組合わせ用経路コストとを記憶する地図デ
ータ記憶手段と、地図データ記憶手段に記憶された地図
データを読出し、車両が走行を開始すべき地図データ上
の出発位置を設定する出発位置設定手段と、地図データ
記憶手段に記憶された地図データを読出し、車両が到達
すべき地図データ上の目的位置を設定する目的位置設定
手段と、地図データ記憶手段と出発位置設定手段と目的
位置設定手段との出力に応答し、地図データ記憶手段か
ら地図データを読出し、地図データ内の道路リンクのう
ちから、出発位置設定手段によって設定された出発位置
から目的位置設定手段によって設定された目的位置まで
の経路を探索する探索手段と、地図データ記憶手段と探
索手段との出力に応答し、探索手段によって探索された
各経路毎に、その経路を構成する全道路リンクの組合わ
せ用経路コストであってその経路の進行方向に向かって
順次的に隣接した2つの道路リンクの組合わせに応じた
組合わせ用経路コストを地図データ記憶手段から読出し
て、その全組合わせ用経路コストを加算してその和を求
める加算手段と、探索手段と加算手段との出力に応答
し、和が最小の経路を推奨経路として確定する確定手段
とを含むような構成であってもよい。
【0049】この経路探索装置は、請求項1の経路探索
装置と比較して、地図データ記憶装置に記憶された経路
コストと、加算手段の動作と、属性変化判定手段と調整
手段とが削除されている点とが異なり、他は等しい。こ
の経路探索装置では、加算手段は、上述のように、経路
を構成する各道路リンクに対応した組合わせ用経路コス
トであって、かつその道路リンクと該道路リンクの進行
方向前方または後方に順次的に隣接した道路リンクとの
組合わせに応じた組合わせ用経路コストを全て加算し
て、その和を求める。
【0050】この組合わせ用経路コストは、上述したよ
うに予め設定されている。すなわちこの組合わせ用経路
コストは、前記両道路リンクの道路の属性が等しい場
合、請求項1の経路探索装置の地図データ記憶手段に記
憶された経路コストと等しい。また前記両道路リンクの
道路の属性が異なる場合、前記経路コストと、請求項1
の経路探索装置の調整手段によって加算される前記予め
定める値との和である。したがって、加算手段で組合わ
せ用経路コストの和は、請求項1の経路探索装置で調整
手段によって調整された経路コストの和と等しい。この
組合わせ用経路コストのわを用いて確定手段に推奨経路
の確定を行わせると、推奨経路は請求項1の説明と同様
に確定される。にこれによって、本請求項の経路探索装
置は、請求項1の経路探索装置と同じ効果を、請求項1
の経路探索装置よりも少ない数の手段を用いて得ること
ができる。したがって、本請求項の経路探索装置は、請
求項1の経路探索装置よりも、構造および処理手順を簡
略化することができる。
【0051】またこの組合わせ用経路コストを、請求項
1の経路コストに、請求項1の予め定める値と請求項4
の予め定める値とを加算して定めても良い。これによっ
て、本請求項の経路探索装置によって、請求項1の経路
探索装置の効果と請求項4との経路探索装置との効果を
共に得ることができる。さらに、請求項1の経路探索装
置に属性組合わせ判定手段と調整手段とをさらに付加す
る場合と比較して、本請求項の経路探索装置では、手段
の数を増加させることなく両効果を得ることができる。
したがって、前記場合の経路探索装置と比較して、経路
探索装置の構造および処理手順を簡略化することができ
る。
【0052】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある経路探索装置9を含むナビゲーション装置1の概略
的な電気的構成を表すブロック図である。ナビゲーショ
ン装置1は、たとえば車両に搭載され、車両が走行する
べき経路の探索と案内とを行う。ナビゲーション装置1
は、概略的には、地図データ記憶装置3、自車位置検索
装置44、入力装置5、探索処理装置6、経路案内装置
7、および出力装置8を含む。地図データ記憶装置3と
探索処理装置6とから、経路探索装置9が構成される。
【0053】地図データ記憶装置3は、道路地図を表す
地図データを記憶する。道路地図は、実際の道路地図の
道路を、いわゆる折線近似によって、道路リンクを連ね
て近似して表し、さらに道路地図上の地点をノードによ
って表す。この道路データには、各道路リンクの道路の
属性と経路コストとが併せて記憶される。道路地図と地
図データとの詳細は後述する。自車位置検索装置4は、
車両の現在の自車位置を探索する。入力装置5は、車両
の乗員によって操作される。乗員は入力装置5を操作し
て、探索処理装置6および経路案内装置7の動作の開始
/終了の指示と、車両が走行を開始すべき出発地点の指
定と、車両が到達すべき目的地点の指定とを行う。
【0054】探索処理装置6は、出発位置設定部11、
目的位置設定部12、探索部13、演算部14、属性変
化判定部15、調整部16,18、組合わせ判定部1
7、確定部19および探索結果記憶部20を含む。
【0055】出発位置設定部11は、地図データと、入
力装置5から入力された出発地点に基づいて、道路地図
上に車両が走行を開始すべき出発位置を設定する。出発
地点は、自車位置検索装置4によって検索された自車位
置であってもよい。目的位置設定部12は、地図データ
と、入力装置5から入力された目的地点とに基づいて、
道路地図上に車両が到達すべき目的位置を設定する。
【0056】探索部13は、出発および目的位置設定部
11,12と地図データ記憶装置3の出力に応答し、出
発位置から目的位置に至る経路であって推奨経路となる
べき経路を複数探索する。概略的には、探索の起点とな
る起点リンクを設定し、その起点リンクの端部の接続ノ
ードに道路リンクを介して接続される接続ノードを全て
探索して、この道路リンクを次の起点リンクとする。こ
の一連の探索処理を、出発位置または目的位置を通る道
路リンクを最初の起点リンクとし、次の起点リンクが目
的位置または出発位置を通る道路リンクになるまで繰返
す。演算部14は、探索部13が道路リンクを探索する
たびに、最初の起点リンクとその道路リンクとを両端と
する経路の累積コストを求める。経路の累積コストは、
その経路を構成する全道路リンクの経路コストの和であ
る。
【0057】属性変化判定部15は、探索部13が道路
リンクを探索するたびに、その道路リンクと起点リンク
とが接続された接続点で道路の属性が変化したか否かを
判定しする。調整部16は、属性変化判定部15の判定
結果に応答し、道路の属性が変化したときその接続点を
経由する経路の前記累積コストを増加させ、変化しない
とき前記経路の前記累積コストをそのまま保つように、
累積コストを調整する。
【0058】さらに組合わせ判定部17は、探索部13
が道路リンクを探索するたびに、その道路リンクと起点
リンクとが接続された接続点に接続された全道路リンク
の道路の属性の組合わせが、予め定める道路の属性の組
合わせであるか否かを判定する。調整部18は、組合わ
せ判定部17の判定結果に応答し、道路の属性の組合わ
せが予め定める組合わせであるときその接続点を通る経
路の前記累積コストを増加させ、そうでないとき前記経
路の前記累積コストをそのまま保つように、累積コスト
を調整する。
【0059】確定部19は、調整部16,18によって
調整された各経路の累積コストを比較して、探索部13
によって探索された複数の経路のうちで、累積コストが
最小の経路を選択する。この経路の両端のうちで最初の
起点リンクと反対側の端の道路リンクが目的位置または
出発位置を通る道路リンクでなければ、その道路リンク
を次の道路リンクとして、探索部13から調整部18ま
での処理を繰返す。道路リンクが目的位置または出発位
置を通る道路リンクであれば、その経路を推奨経路とし
て確定する。探索部13と演算部14と確定部19との
処理は、たとえば、いわゆるダイクストラ法によって実
現することができる。
【0060】このような手順で確定された推奨経路は、
累積コストが最小となる経路であり、このような経路
は、出発位置から目的位置に至る複数の経路のうちで、
たとえば車両が経路を走行して出発位置から目的位置に
至るために要する時間が最短の経路、または経路の経路
長が最短の経路である。確定部19によって確定された
推奨経路は、探索結果記憶部17に記憶される。
【0061】経路案内装置7は、探索処理装置6の探索
結果記憶部17の記憶内容と、地図データ記憶装置3か
ら読出された地図データと、自車位置検索装置4によっ
て検索された自車位置とに基づいて、案内情報を作成す
る。案内情報には、たとえば、車両の現在位置、車両の
進行方向前方の交差点の有無、および車両が今後走行す
べき方向を表すためのデータが含まれる。この案内情報
は、出力装置8によって目視表示または音声表示され
て、車両の乗員に提供される。また出力装置8には、自
車位置検索装置4によって探索された自車位置と、探索
処理装置6の探索結果記憶部17に記憶された推奨経路
とが与えられ、自車位置と推奨経路とが道路地図に重ね
られて表示される。
【0062】図2は、ナビゲーション装置1の具体的な
電気的構造を表すブロック図である。ナビゲーション装
置1は、具体的には、レギュレータ21、電力検出回路
22、中央処理回路23、メモリ24,25、入力装置
5、記憶媒体26,データ読み取り装置27,データ変
換装置28、センサ29〜31、インタフェイス32,
GPS装置33、表示装置34,グラフィックメモリ3
5,グラフィックコントローラ36、表示コントローラ
37、およびシステムバス39を含む。中央処理装置2
3、メモリ24,25、入力装置5、データ変換装置2
8、グラフィックコントローラ36、表示コントローラ
37、およびインタフェイス32は、システムバス39
を介して接続され、信号を相互に授受することができ
る。
【0063】ナビゲーション装置1の各部品21〜37
には、車両の電源41から、電源スイッチ42とレギュ
レータ21とを介して、電力が供給される。電源41
は、車両の照明装置43および車両の電気部品に電力を
供給するための電源であり、たとえば電源スイッチ42
と照明スイッチ44とを介して車両の照明装置43に接
続される。照明スイッチ44と電源スイッチ42とが共
に導通されたとき、照明装置43に電力が供給される。
電源スイッチ42は、たとえばイグニッションスイッチ
で実現される。レギュレータ21は、電源41から供給
される電力の電圧を安定化させる。電力検出回路22
は、電源スイッチ42とレギュレータ21との間の導線
45への電力供給の有無を検出することによって、車両
の電源41からナビゲーション装置1の各部品21〜3
7への電力供給が開始されたことを検出する。中央処理
回路23は、電力検出回路22によって電力供給開始が
検出された時点から動作を開始する。
【0064】中央処理回路23は、メモリ24,25に
記憶された動作プログラムを読出し、その動作プログラ
ムに従って動作する。メモリ24は、動作プログラム
と、プログラムの実施に必要な不変のデータを記憶す
る。メモリ25は、書込み可能なメモリであり、プログ
ラムの実施に必要な可変のデータを記憶する。またこの
メモリ25内に、探索結果記憶部20が設けられる。メ
モリ24はたとえばリードオンリメモリで実現され、メ
モリ25はランダムアクセスメモリで実現される。中央
処理回路23とメモリ24,25とは、実施する動作プ
ログラムを変更することによって、探索処理装置6とし
て、および経路案内装置7として動作する。また後述す
るように、自車位置検索装置4の演算処理のための部品
として動作する。探索処理装置6内の各部11〜19お
よび経路案内装置7は、中央処理回路23の演算処理に
よって実現される仮想回路である。これら各部11〜1
9および経路案内装置7は、実在の回路として個別に準
備されてもよい。
【0065】地図データ記憶装置3は、記録媒体26と
データ読取り装置27とデータ変換装置28とを含む。
記憶媒体26は、地図データをたとえば電気的、磁気的
または光学的に記憶し、データ読取り装置27に装着さ
れる。データ読取り装置27は、データ変換装置28を
介して中央処理回路23から与えられた制御信号に応答
して動作し、記憶媒体26から地図データのうちの所望
の部分を電気的、磁気的、または光学的に読出す。デー
タ変換装置28は、データ読取り装置27によって読取
られた地図データを、探索処理装置6、経路案内装置7
および出力装置8によって処理可能な形態に変換して出
力する。データ変換装置28から出力された地図データ
はメモリ25に記憶される。地図データは、データ読取
り装置27に着脱可能であって、交換することができる
記憶媒体に記憶されることが好ましい。このために記憶
媒体26は、たとえばCD−ROMによって実現され
る。
【0066】自車位置検索装置4は、方位センサ29、
角速度センサ30、距離センサ31インタフェイス3
2、GPS装置33、中央処理回路23およびメモリ2
4,25を含む。自車位置は、たとえば緯度経度と高度
とで表される。
【0067】方位センサ29は、車両の進行方向を検出
する。角速度センサ30は、車両の進行方向が角変位す
るときの角速度を検出する。距離センサ31は、車両の
走行距離を検出する。中央処理回路23には、インタフ
ェイス32を介してセンサ29〜31の検出結果が与え
られる。中央処理回路23は、メモリ24から自車位置
検索動作用の動作プログラムを読出し、センサ29〜3
1の検出結果に基づいて、自車位置を、基準位置に対し
て相対的な位置として算出する。具体的には、たとえ
ば、まず角速度センサで検出された角速度から車両の進
行方向の角変位の有無および角変位量を求める。角変位
するたびに、角変位前に或る進行方向を保って車両が走
行した間に距離センサ31で計測された走行距離を、方
位センサ29で検出された進行方向に応じて補正しつつ
累積加算して、予め定める基準地点からの車両の距離を
算出し、基準位置からその距離だけ離れた位置を自車位
置とする。GPS(Grobal Positioning System)装置3
3は、地球周回軌道を回る複数の測位衛星からの信号を
利用して三角測量を行い、自車位置と車両の進行方向と
現在の時刻とを検出する。GPS装置33の検出結果
は、インタフェイス32を介して中央処理回路23に与
えられる。
【0068】入力装置5は、たとえば、キーボードを備
えたリモートコントローラ、および表示装置とタッチパ
ネルとを組合わせた入力装置によって実現される。
【0069】出力装置8は、表示装置34と、グラフィ
ックメモリ35と、グラフィックコントローラ36と、
表示コントローラ37とを含む。表示装置34は、画像
表示が可能な2次元の表示画面を備え、たとえば液晶表
示装置および陰極線管で実現される。グラフィックメモ
リ35には、各種の画像を表す描画データが記憶され
る。グラフィックコントローラ36は、中央処理回路2
3によって制御され、グラフィックメモリ35から描画
データを読出し、表示装置34の表示画面に描画すべき
画像を表す画像データを作成する。この画像データもま
た、グラフィックメモリ35に記憶される。表示コント
ローラ37は、中央処理回路23によって制御され、グ
ラフィックコントローラ36によって作成された画像デ
ータを表示装置34に与えて、表示画面に画像を表示さ
せる。また出力装置5には、音響表示のためのスピーカ
が含まれていても良い。
【0070】図3は、地図データを説明するための道路
地図の模式図である。道路地図は、実際の道路を複数の
道路リンクの連なりによって折線近似して表し、さらに
道路地図上の地点をノードによって表す。道路リンクと
は、実際の道路を折線近似した折線を構成する線分であ
って、実際の道路の変曲点または交差点をその両端とす
る線分である。ノードとは、前記折線の変曲点および折
線の交点に相当する点であり、道路地図上の地点を表
す。ノードが表す地点には、道路の交差点および変曲
点、すなわち道路リンクの両端となる地点が含まれる。
このノードと道路リンクとが交互に順次接続されて、前
記折線が形成される。
【0071】以後の説明では、リンクの両端に相当する
ノードを接続ノードと称し、リンク途中の点およびリン
クから離れた点に相当するノードを補間ノードと称す
る。道路リンクと接続ノードとには、予め定める番号が
付されている。以後、番号Nnの接続ノードにはその番
号と同じ参照符を付し、接続ノードNa,Nbを両端と
し接続ノードNaから接続ノードNbに車両が走行する
ことができる道路リンクには、参照符Labを付す。
n,a,bは、1以上N未満の自然数であり、Nは任意
の自然数である。たとえば図3の道路地図は、5つの接
続ノードN0〜N4と8本のリンクL01〜L04,L
10〜L40を含み、各リンクL01〜L04,L10
〜L40を介して、接続ノードN0と接続ノードN1〜
N4とが個別に接続されている。
【0072】地図データを以下に説明する。地図データ
は、道路リンクデータと、ノードデータと、探索道路デ
ータとを含む。
【0073】道路リンクデータは、たとえば、リンク長
さ、道路方位、道路の属性、経路コスト、および交通規
制を含む。道路方位は、予め定める基準方位を基準にし
て道路リンクが伸びる向きを表す値であり、基準方位は
たとえば北緯0度である。経路コストは、道路リンクL
naを経路として選択するときの選択され易さを表す重
みである。経路コストの具体的な数値は、実際の道路を
車両が走行するための所要時間に関連して決定される。
たとえば所要時間に比例して数値が増加する。またこの
経路コストの具体的な数値は、道路リンクが表す道路の
長さ、その道路の幅員に関連して決定されてもよく、こ
のとき数値は長さおよび幅に比例して増加する。ノード
データは、接続ノードおよび補間ノードを含み、各ノー
ドの表す地点の緯度経度、地名、交差点等の属性、およ
び建造物の有無を含む。探索用道路データは、具体的に
は、交差点等の道路の分岐点および道路の属性変化点の
間をリンクによって接続して形成された地図を表し、経
路探索に用いられる。
【0074】一般的に、接続ノードNa,nbを両端と
した道路リンクであっても、接続ノードNaから接続ノ
ードNbに向かって車両が走行することができる道路リ
ンクLabと、接続ノードNbから接続ノードNaに向
かって車両が走行することができる道路リンクLbaと
では、その道路リンクに関連するデータ、たとえば経路
コストが異なる。道路リンクデータとノードデータと探
索道路データとは、それぞれ、たとえばテーブル形式の
データとして記憶される。探索道路データには、道路リ
ンクデータおよびノードデータのうちで対応するテーブ
ルがそれぞれ割付けられ、また同じ道路リンクおよびノ
ードに関する情報には、その道路リンクの同じ番号が付
される。ゆえに、探索道路データと道路リンクデータと
ノードデータとは相互に関連付けられている。
【0075】図4は、探索道路データの具体的構成を表
す模式図である。図4の探索道路データは、図3に表す
道路地図を表すものと仮定する。探索道路データには、
図4(1)に表すように、第0〜第Mノード情報が含ま
れる。このノード情報は、道路地図に含まれる全接続ノ
ードの数M+1と同数準備される。各ノード情報は、各
接続ノードと個別に対応する。或る接続ノードNnの第
nノード情報には、図4(2)に表すように、接続リン
ク数と、接続ノード情報と、接続リンク情報とが含まれ
る。
【0076】接続リンク数情報は、接続ノードNnに接
続される道路リンクの数xを表す。この道路リンクの数
xは、接続ノードNnに単一本の道路リンクを介して接
続された接続ノードnaの個数と等しい。接続ノード情
報は、単一本の道路リンクを介して接続ノードNnに接
続された接続ノードNaの番号をすべて表す。図面で
は、番号aを「na」と記載する。
【0077】接続リンク情報は、接続ノードNnと各接
続ノードNaを両端とする道路リンクLnaに関連する
情報であり、接続ノード情報に番号が記憶される各接続
ノードNa毎に、各接続ノードNaに関連して準備され
る。図面では、道路リンクLabを「na→nb」と記
載する。接続ノード情報と接続リンク情報とは、図4
(3)に表すように、たとえばテーブル形式で記憶され
る。たとえば、接続ノードNnのノード情報nのうち
で,接続ノードNaに関連する接続リンク情報は、道路
リンクLnaに関連する情報である。接続リンク情報
は、接続ノードの数xと同数準備される。
【0078】各道路リンクLnaの接続リンク情報は、
交通規制、道路種別、道路幅員、リンク長さを含む。交
通規制は、たとえば一方通行の有無および制限速度を表
す。道路種別は、いわゆる道路の属性であり、たとえ
ば、その道路リンクLnaが高速道路であるか一般道路
であるか、国道と県道と細街路のいずれであるか、トン
ネるであるか否かを表す。道路幅員は、道路リンクLn
aが表す道路の実際の幅を表す。リンク長さは、道路リ
ンクLnaが表す実際の道路の長さを表す。
【0079】リンク間情報は、接続ノードNnを介して
接続された2本の道路リンクLbn,Lnaからなる経
路Xbnaに関連する情報であり、図4(4)に表すよ
うに、各経路Xbna毎に準備される。ゆえに、リンク
間情報は、接続ノードの数xとその数xよりも1少ない
数x−1との積{x×(x−1)}と同数準備される。
図面では、経路Xbnaを「nb→nn→na」と記載
する。或る経路Xbnaに関連するリンク間情報には、
交通規制が含まれる。経路Xbnaの交通規制は、たと
えば、接続ノードNnと道路リンクLbn,Lnaとの
交通規制を集約したものである。
【0080】経路探索装置9が実施する経路探索動作
を、以下に説明する。
【0081】まず、図5に表すような構成の道路地図上
の推奨経路を探索する場合の経路探索動作を概略的に説
明する。図5の道路地図は、接続ノードN0〜N7と道
路リンクL01,L12,L13,L27,L23,L
36とを含む。道路リンクL01,L13が接続ノード
N1を介して接続され、道路リンクL13,L36が接
続ノードN3を介して接続され、道路リンクL01,L
13,L36が直線道路を構成する。この直線道路上の
接続ノードN1に有料道路の入口線である道路リンクL
12が接続され、直線道路上の接続ノードN3に有料道
路の出口線である道路リンクL23が接続される。道路
リンクL12,L13は、直線道路の一部分を迂回する
迂回路を構成する。道路リンクL12,L23は、接続
ノードN2を介して、有料道路の本線である道路リンク
L27に接続される。図面では、無料道路を細実線、有
料道路を太実線で表す。
【0082】道路リンクL12,L23の経路コストは
1であり、道路リンクL13の経路コストは5であると
する。さらに、接続ノードN1,N3間の迂回路の経路
長は、推奨経路全体の一般的な経路長よりも短く、たと
えば1km程度であるとする。図5の例では、出発位置
を道路リンクL01上の点Psとし、目的位置を道路リ
ンクL36上の地点Pgとする。図5では、車両が実際
に走行するのに適した適切経路を、網掛けを付して示
す。図5の例では、有料道路を通ることなく無料道路を
車両が直進することが好ましいので、適切経路は、道路
リンクL101,L13,L36を順に通る直線状の経
路になる。
【0083】経路探索動作では、まず探索部13は、経
路探索の起点となる最初の起点リンクと、経路探索の終
点となる終点リンクとを設定する。図5の例では、最初
の起点リンクは道路リンクL01であり、終点リンクは
道路リンクL36である。次いで探索部13は、この道
路地図上で、最初の起点リンクと終点リンクとを両端と
する経路を探索する。この経路は、道路リンクL12,
L23を順に通る第1経路と、道路リンクL13を通る
第2経路との2種類である。第1経路は、無料道路から
該無料道路にほぼ平行して伸びる迂回路を経由して再び
無料道路に戻る経路である。第2経路は、無料道路だけ
を通る経路である。
【0084】演算部14は、これら2つの経路の累積コ
ストを求める。第1経路の累積コストは、道路リンクL
12,L23の経路コストの和なので、式(1)から2
であることが分かる。第2経路は道路リンクL13だけ
で構成されるのでその累積コストは道路リンクL13の
経路コストと等しく、式(2)から5であることが分か
る。 第1経路の累積コスト=1+1=2 …(1) 第2経路の累積コスト=5 …(2)
【0085】従来技術の経路探索装置では、この時点で
第1経路の累積コストと第2経路の累積コストとを比較
して、累積コストが最小の経路を推奨経路として確定す
る。ゆえに、推奨経路として、第1経路が確定される。
これによって、車両が実際に走行する場合には、1km
程度の短い経路長の迂回路を経由するような経路を通ら
ないことが好ましいにも拘わらず、第1経路が推奨経路
として確定されてしまう。第1経路は、適切経路にも一
致しない。
【0086】本実施形態の経路探索装置9は、上述の累
積コストに、道路の属性の変化の有無に応答した調整コ
ストをさらに付加して、経路中で道路の属性が変化する
経路ほど、累積コストを増大させる。調整用コストは、
或る道路の属性の道路リンクからなる経路の累積コスト
と、その経路の途中で或る道路の属性とは異なる予め定
める長さの道路の属性の経路を経由して再び元の経路に
戻る経路の累積コストとの差分よりも大きな値に設定さ
れることが好ましい。たとえば、前記道路リンクの経路
コストが1〜5であれば、調整用コストは10〜20に
設定する。図5の例では、調整用コストを10とする。
【0087】具体的には、まず、属性変化判定部15
が、第1および第2経路それぞれに、各経路上の接続ノ
ードを境にして、経路を構成する道路リンクの道路の属
性が変化するか否かを判定する。図5の例では、第1経
路では、接続ノードN1で、道路の属性が無料道路から
有料道路に変化する。接続ノードN2では、道路の属性
は有料道路のまま変化しない。接続ノードN3では、道
路の属性が有料道路から無料道路に変化する。第2経路
では、接続ノードN1,N3で、道路の属性は無料道路
のまま変化しない。
【0088】次いで、調整部16は、各接続ノード毎
に、属性変化判定部15が道路の属性が変化したと判定
した場合には、予め定める調整用コストを、その接続ノ
ードを通る経路の累積コストに加算する。図5の例で
は、第1経路は接続ノードN1,N3で道路の属性が変
化するので、調整用コストを2回加算する。ゆえに、第
1経路の累積コストは22になる。第2経路は、どの接
続ノードでも道路の属性が変化しないので調整用コスト
は加算されず、第2経路の累積コストは5のままであ
る。したがって、この時点で第1経路の累積コストと第
2経路の累積コストとを比較すると、第2経路の累積コ
ストが第1経路の累積コストよりも大きくなるので、確
定部19は、適切経路と一致する第2経路を推奨経路と
して確定することができる。
【0089】次いで、図6,7に表すような構成の道路
地図上の推奨経路を探索する場合の経路探索動作を概略
的に説明する。図6,7の道路地図は、図5の道路地図
と比較して、各道路リンクの道路の属性と経路コストと
が異なり、他は等しいので、同一の部分の説明は省略す
る。この道路地図の全道路リンクのうち、道路リンクL
01,L12は有料道路であり、道路リンクL13,L
23,L27,L36は無料道路である。道路リンクL
01,L12の経路コストは1であり、道路リンクL2
3の経路コストは2であり、道路リンクL13の経路コ
ストは5であるとする。
【0090】まず、この道路地図上の推奨経路を、図5
の例で説明した経路探索動作によって探索する場合を考
える。図6の例では、出発地点を接続ノードN0上の点
Psとし、目的地点を道路リンクL36上の地点Pgと
する。ゆえに、最初の起点リンクは接続ノードN0を一
端とする道路リンクであり、終点リンクは道路リンクL
36である。車両はできるだけ交差点を直進することが
好ましいので、図6の例の適切経路は、道路リンクL0
1,L13,L36を順に通る経路である。
【0091】探索部13は、道路リンクL01,L1
2,L23を順に通る第1経路と、道路リンクL01,
L13を順に通る第2経路とを探索する。第1経路は、
直線道路から迂回路を経由して再び直線道路に戻るよう
な経路である。第2経路は、第1経路よりも有料道路を
通過する経路長が短いが、常に直線道路だけを走行する
経路である。図6の例では、調整用コストを3とする。
【0092】第1経路は、接続ノードN2を境にして道
路の属性が有料道路から無料道路に変化する。ゆえに、
第1経路の累積コストは、道路リンクL01,L12,
L23の経路コストの和に調整用コストを1回加算した
値なので、式(3)から9であることが分かる。第2経
路は接続ノードN1を境にして道路の属性が有料道路か
ら無料道路に変化する。ゆえに、第2経路の累積コスト
は道路リンクL01,L13の経路コストの和に調整用
コストを1回加算した値なので、式(4)から7である
ことが分かる。 第1経路の累積コスト=1+1+3+2=7 …(3) 第2経路の累積コスト=1+3+5=9 …(4)
【0093】このように、図6のような構造の道路地図
上では、図5の例の経路探索動作によって累積コストを
求めた場合、第1経路の累積コストが第2経路の累積コ
ストよりも小さくなる。これによって、車両が実際に走
行する場合には、できるだけ交差点を直進することが好
ましいにも拘わらず、第1経路が推奨経路として確定さ
れてしまう。
【0094】経路探索装置9は、上述の累積コストに、
接続ノードに接続された全道路の組合わせに応答した調
整コストをさらに付加して、異なる道路の属性の道路リ
ンクが接続された接続ノードを通る経路ほど、累積コス
トを増大させる。調整用コストは、異なる道路の属性の
道路リンクが接続された接続ノードを通過する経路の累
積コストが、全て同じ道路の属性の道路リンクだけが接
続された経路の累積コストよりも大きくなるように設定
される。この設定手法は、図5の例と類似し、図6の例
では、調整用コストを3とする。
【0095】具体的には、まず、組合わせ判定部17
が、第1および第2経路それぞれに、各経路上の接続ノ
ードに接続された全道路リンクの道路の属性の組合わせ
が、予め定める組合わせであるか否かを判定する。図6
の例では、接続ノードN1に接続された全道路リンクL
01,L12,L13のうちで、道路リンクL13は無
料道路であり道路リンクL01,L12は有料道路であ
る。接続ノードN2に接続された全道路リンクL12,
L23,L27のうちで、道路リンクL23,L27は
無料道路であり道路リンクL12は有料道路である。接
続ノードN3に接続された全道路リンクL13,L2
3,L36は、全て無料道路である。予め定める組合わ
せは、全道路リンクのうちで探索の起点となる起点リン
クが有料道路であってかつ全道路リンクのうちで少なく
とも1つが無料道路である組合わせである。したがっ
て、接続ノードN1,N3の全道路リンクの道路の属性
の組合わせが、この予め定める組合わせに相当する。
【0096】次いで、調整部18は、各接続ノード毎
に、組合わせ判定部17が道路の属性の組合わせが予め
定める組合わせであると判定した場合には、予め定める
調整用コストを、その接続ノードを通る経路の累積コス
トに加算する。図6の例では、第1経路は接続ノードN
1,N3を通り、接続ノードN1,N3の全道路リンク
の道路の属性の組合わせが予め定める組合わせに相当す
るので、図7に示すように、第1経路の累積コストに調
整用コストを2回加算する。ゆえに、第1経路の累積コ
ストは式(5)から13になることが分かる。第2経路
は、接続ノードN1を通り、接続ノードN1の全道路リ
ンクの道路の属性の組合わせが予め定める組合わせに相
当するので、第2経路の累積コストに調整用コストを1
回加算する。ゆえに、累積コストは式(6)から12で
あることが分かる。したがって、この時点で第1経路の
累積コストと第2経路の累積コストとを比較すると、第
2経路の累積コストが第1経路の累積コストよりも大き
くなるので、第2経路を推奨経路として確定することが
できる。 第1経路の累積コスト=1+3+1+3+3+2=13 …(5) 第2経路の累積コスト=1+3+3+5=12 …(6)
【0097】図8は、経路探索動作を説明するためのフ
ローチャートである。経路探索動作は、たとえば、入力
装置5から経路探索動作の開始が指示されたときに実施
される。開始が指示されると、ステップa1からステッ
プa2に進む。
【0098】ステップa2では、出発位置設定部11が
出発位置を設定し、さらに目的位置設定部12が目的位
置を設定する。具体的には、たとえば、出発位置設定部
11は、操作者に、車両が走行を開始すべき出発位置
を、入力装置5から入力させる。このとき、出発位置の
緯度経度自体が直接入力されてもよい。また、表示装置
34に予め出発位置を含む地域の道路地図を目視表示さ
せ、その道路地図内の点を操作者にカーソルまたはタッ
チパネルを用いて指示させ、指示された点が表す地点の
緯度経度を、出発位置の緯度経度として地図データから
取得するようにしてもよい。目的位置の具体的な設定手
法は、出発位置の設定手法と等しい。また出発位置設定
部11は、操作者に出発位置を入力させる代わりに、自
車位置検索装置4によって検索された自車位置を取得
し、この自車位置を出発位置としてもよい。
【0099】次いでステップa3では、探索部13が、
最初の起点リンクと終点リンクとを設定する。経路探索
のための道路リンクの探索は、出発位置から目的位置に
向かって行っても良く、目的位置から出発位置に向かっ
て行っても良い。出発位置から目的位置に向かって探索
する場合、出発位置を通る道路リンクを最初の起点リン
クとして設定し、目的位置を通る道路リンクを探索の終
点とすべき終点リンクとして設定する。目的位置から出
発位置に向かって探索する場合、目的位置を通る道路リ
ンクを最初の起点リンクとして設定し、出発位置を通る
道路リンクを終点リンクとして設定する。最初の起点リ
ンクの両端の接続ノードのうちのいずれか一方の接続ノ
ードと、終点リンクの両端の接続ノードのいずれか一方
の接続ノードとが、推奨経路の両端の接続ノードにな
る。
【0100】たとえば、自車位置を出発位置にしている
場合、探索は目的位置から出発位置に向かって行うこと
が好ましい。これは以下の理由からである。経路探索動
作中に車両が走行していると、経路探索動作開始時点の
自車位置が経路探索動作終了時点の自車位置よりも車両
の進行方向後方に移動していることがある。このとき探
索を出発位置から目的位置に向かって行うと、経路探索
開始時点の自車位置から目的位置までの経路が推奨経路
として確定される。その推奨経路の始端に移動するため
に、経路探索動作終了時点の自車位置から推奨経路の始
端まで車両がUターンして逆戻りする必要があることが
ある。これとは逆に、探索を目的位置から出発位置に向
かって行うと、経路探索終了時点の自車位置から目的位
置までの経路が推奨経路として確定されるので、経路探
索終了時点の自車位置が推奨経路の始端とほぼ一致す
る。ゆえに、推奨経路の始端に移動するために車両がU
ターンして逆戻りする必要がなくなる。したがって、上
述の場合には探索を目的位置から出発位置に向かって行
うことが好ましい。
【0101】たとえば出発位置を通る道路リンクを最初
の起点リンクとして設定するには、具体的には、まず出
発位置または目的位置を中心として予め定める取得範囲
の道路地図を表す地図データを、地図データ記憶装置3
から取得してメモリ25に記憶させる。続いて探索部1
3は、出発位置が取得した前記地図データ内のどの道路
リンク上の点であるかを判定し、その道路リンクを、最
初の起点リンクとして設定する。このとき、出発位置が
地図データ内の道路リンクと一致しない場合、出発位置
が、該出発位置に近接した道路リンクまたは接続ノード
上の点となるように補正し、補正後の出発位置を通る道
路リンクを最初の起点リンクとしてもよい。目的位置を
通る道路リンクを最初の起点リンクとして設定する場
合、および終点リンクを設定する場合の具体的な手法
は、上述の手法と等しい。
【0102】地図データは一般的に総データ量が極めて
多いので、全地図データをメモリ25に記憶させておく
には、メモリ25のメモリエリアを極めて大きくする必
要がある。この問題を解決するために、地図データを使
用する処理では、当座の処理に必要な地域の道路地図の
地図データだけを地図データ記憶装置3から読出してメ
モリ25に記憶させ、処理に必要な地域が変更されるた
びに、地図データ記憶装置3からその地域の地図データ
を読出しメモリ25に記憶させる。これによって、メモ
リ25のメモリエリアを全地図データを記憶することが
できる大きさよりも縮小することができるので、ナビゲ
ーション装置の製品コストが低くなる。またデータの読
出し時間が長くなるために処理時間が増大することを防
止することができる。
【0103】続いて、ステップa4で、探索部14は、
経路の累積コストの初期値を設定する。経路の累積コス
トの初期値は、最初の起点リンクの両端の接続ノードに
個別に設定され、この初期値は、たとえば0である。ま
た、車両の進行方向が分かっているとき、最初の起点リ
ンクの両端の接続ノードのうちで進行方向前方の接続ノ
ードに設定される初期値を0とし、進行方向後方の接続
ノードに設定される初期値を無限大に設定してもよい。
さらにまた、最初の起点リンクが目的位置を通過する道
路リンクであるとき、最初の起点リンクの両端の接続ノ
ードのうちで一方の接続ノードに設定される初期値を0
とし、他方の接続ノードに設定される初期値を無限大と
してもよい。
【0104】次いでステップa5では、探索部13は、
最初の起点リンクの両端の接続ノードに単一本の道路リ
ンクを介して接続される全接続ノードを、メモリ25に
記憶された地図データのうちから全て探索する。これら
接続ノードと最初の起点リンクの両端のうちのいずれか
一方の接続ノードとの間に個別に介在される全道路リン
クが、探索部13の探索処理の次の起点リンクとなる。
【0105】続いてステップa6で、探索部13は、ま
ず、ステップa5で求められた次の起点リンク毎に、そ
の次の起点リンクの両端の接続ノードのうちで最初の起
点リンクが接続された接続ノードとは逆側の接続ノード
を求める。続いて、求められた接続ノードを基準の接続
ノードとして、基準の接続ノードに単一本の道路リンク
を介して接続された接続ノードを、メモリ25に記憶さ
れた地図データのうちから全て探索する。基準の接続ノ
ードに接続された接続ノードが複数あるとき、その全て
の接続ノードを探索する。
【0106】また、この基準の接続ノードが現在メモリ
25に記憶された地図データが表す道路地図の端部近傍
に位置する場合、その端部に続く別の地域の道路地図を
表す地図データを、再度地図データ記憶装置3から読出
し、メモリ25に記憶させる。地図記憶後、上述の接続
ノードの探索を行う。
【0107】続いて、ステップa7では、演算部14
は、ステップa6で探索された接続ノードのうちのいず
れか1つを選択し、その接続ノードと前記基準の接続ノ
ードとの間の道路リンクを、以後の処理対象とする処理
リンクとする。このとき、基準の接続ノードは、起点リ
ンクと処理リンクとの間で両リンクを接続する。次い
で、ステップa8では、演算部14は、最初の起点リン
クのいずれか一方の接続ノードとステップa7で選択さ
れた接続ノードとを両端とし、処理リンクを経由する経
路の累積コストを求める。この累積コストは、前記経路
を構成する全ての道路リンクの経路コストの和である。
この累積コストは、ステップa8で算出されるたびに、
各経路毎に、ステップa7で選択された接続ノードに対
応付けて、メモリ25に順次記憶される。
【0108】具体的には、累積コスト演算の1回目の処
理では、演算部14は、処理リンクとステップa6の処
理リンクの探索時の起点リンクとからなる経路の累積コ
ストを求める。この起点リンクは、ステップa6の探索
のうちで最新の探索時の起点リンクを指す。この累積コ
ストは、処理リンクの経路コストと、起点リンクの経路
コストと、ステップa4で設定された2つの初期値のう
ちでこの道路リンクが接続された接続ノードに設定され
た初期値とを加算した値である。累積コスト演算の2回
目以後の処理では、演算部14は、まず、最初の起点リ
ンクのいずれか一方の接続ノードと前記基準の接続ノー
ドとを両端とする経路の累積コストと、処理リンクの経
路コストとを、メモリ25から読出す。前記経路の累積
コストとは、前記逆側の接続ノードに対応づけられた累
積コストである。さらに探索部13は、その累積コスト
に処理リンクの経路コストを加算する。この和が、最初
の起点リンクの両端のいずれか一方の接続ノードとステ
ップa7で選択された接続ノードとを両端とする経路の
累積コストとなる。
【0109】ステップa9,a10では、属性変化判定
部15が、基準の接続ノードで道路の属性が変化したか
否かを判定する。たとえば道路の属性を有料道路と無料
道路とに限って判定する場合、具体的には、ステップa
9では、起点リンクの道路の属性が有料道路ではなくか
つ処理リンクが有料道路であるか否かが判定される。ま
たステップa10では、処理リンクの道路の属性が有料
道路ではなく、かつ起点リンクの道路の属性が有料道路
であるか否かが判定される。ステップa9で判定が肯定
されたときステップa9からステップa11に進み、判
定が否定されたときステップa9からステップa10に
進む。ステップa10で判定が肯定されたときステップ
a11に進み、判定が否定されたときステップa12に
進む。
【0110】ステップa11では、調整部16が、ステ
ップa8で計算された累積コスト、すなわち最初の起点
リンクのいずれか一方の接続ノードとステップa7で選
択された接続ノードとを両端とする経路の累積コストを
増加させる。具体的には、図5,6で説明したように、
前記経路の累積コストに予め定める調整用コストを加算
する。またこの増加の手法は、予め定める調整用コスト
の加算に限らず他の手法であってよい。たとえば、経路
の累積コストと予め定める値とを乗算してもよい。調整
用コスト加算後、ステップa11からステップa12に
進む。
【0111】すなわち、起点リンクの道路の属性と処理
リンクの道路の属性との組合わせが2つの判定条件の組
合わせのうちのいずれか一方である場合、基準の接続ノ
ードで道路の属性が有料道路から無料道路にまたは無料
道路から有料道路に変化すると考えられる。このとき、
基準の接続ノードは、実際の道路では有料道路の入口ま
たは出口であり、図5の道路地図では接続ノードN1,
N3に相当する。ゆえに、このときはステップa12
で、最初の起点リンクのいずれか一方の接続ノードとス
テップa7で選択された接続ノードとを両端とする経路
の累積コストに、調整用コストを加算する。また、起点
リンクと処理リンクとが共に無料道路であるとき、また
は起点リンクと処理リンクとが共に有料道路であると
き、基準の接続ノードでは道路の属性が変化しないと考
えられる。このとき、基準の接続ノードは実際の道路で
は、有料道路上の変曲点または交差点あるいは無料道路
上の変曲点または交差点であり、図5の道路地図では接
続ノードN2に相当する。このときは、前記経路の累積
コストに調整用コストを加算しない。したがって、有料
道路の出口を経由して有料道路から無料道路にかわる経
路の累積コストと、有料道路の入口を経由して無料道路
から有料道路にかわる経路の累積コストとは、有料道路
だけからなる経路の累積コストと無料道路だけからなる
経路の累積コストとよりも大きくなる。
【0112】ステップa12では、組合わせ判定部17
が、基準の接続ノードに接続された全道路リンクの道路
の属性の組合わせが予め定める組合わせであるか否かを
判定する。たとえば道路の属性を有料道路と無料道路と
に限って判定する場合、具体的には、予め定める組合わ
せは、起点リンクの道路の属性が有料道路であってかつ
前記全道路リンクのうちの少なくとも1つが無料道路で
ある組合わせである。ステップa12で判定が肯定され
たときステップa13に進み、判定が否定されたときス
テップa14に進む。ステップa13では、調整部18
が、ステップa8で計算された累積コスト、すなわち最
初の起点リンクのいずれか一方の接続ノードとステップ
a7で選択された接続ノードとを両端とする経路の累積
コストに、予め定める調整用コストを加算する。調整用
コスト加算後、ステップa13からステップa14に進
む。
【0113】起点リンクが有料道路であってかつ全道路
リンクのうちの少なくとも1つが無料道路である場合、
実際の道路では、基準の接続ノードは、有料道路の端部
の入口および出口、あるいは有料道路の途中の入口およ
び出口、すなわち前述の図6で説明した道路地図のうち
の接続ノードN1,N2に相当する。ゆえに、このとき
はステップa13で、最初の起点リンクのいずれか一方
の接続ノードとステップa7で選択された接続ノードと
を両端とする経路の累積コストに、調整用コストを加算
する。また、全道路リンクが有料道路であるとき、この
接続ノードは実際の道路では、有料道路上の変曲点また
は交差点あるいは無料道路上の変曲点または交差点に相
当する。このときは、前記経路の累積コストに調整用コ
ストを加算しない。また、起点リンクが無料道路である
とき、全道路リンクの道路の属性の組合わせに拘わら
ず、前記経路の累積コストに調整用コストを加算しな
い。
【0114】これによって、有料道路の入口および出口
に相当する接続ノードを経由する経路の累積コストは、
その入口および出口を通過して車両が有料道路から無料
道路に移動するか否かに拘わらず、およびその入口およ
び出口を通過して車両が有料道路から無料道路に移動す
るか否かに拘わらず、有料道路の入口および出口に相当
する接続ノードを通過しない経路の累積コストよりも大
きくなる。
【0115】ステップa14では、確定部19が、最初
の起点リンクのいずれか一方の接続ノードとステップa
7で選択された接続ノードとを両端とし、異なる道路リ
ンクを経由する経路が複数あるか否かを判定する。この
ような経路は、図5,図6の第1および第2経路に相当
する。経路が1つしかないとき、ステップa14からそ
のままステップa15に進む。このとき、その経路の累
積コストが、そのままステップa7で選択されたノード
に対応づけられる。選択されたノードまでの経路がすで
に存在するとき、ステップa14からステップa15に
進み、これら経路のうちで累積コストが最小の経路を選
択する。選択された経路が、この処理リンクを通過する
経路のうちで最初の起点リンクから処理リンクまでの経
路として確定されたことになる。またこの経路の累積コ
ストが、ステップa7で選択された接続ノードに対応づ
けられる累積コストとして確定される。これによって、
最初の起点リンクのいずれか一方の接続ノードとステッ
プa7で選択された接続ノードとを両端とする経路が1
本に限定される。この経路は、推奨経路の一部となる。
【0116】この時点では、ステップa9〜a13の処
理によって、有料道路の入口および出口を通過して有料
道路から無料道路へまたはその逆に車両が移動する経
路、および有料道路に入る/出るに拘わらず有料道路の
入口および出口に相当する接続ノードを通過する経路の
累積コストが、そのほかの経路の累積コストよりも増加
されている。ゆえに、この時点で累積コストを比較する
と、図5および図6の第2経路の累積コストのほうが、
第1経路の累積コストよりも小さくなる。したがって、
第2経路が選択される。これによって、ステップa9〜
a15の処理によって、上述の2種類の経路が推奨経路
の一部となることを防止することができる。
【0117】ステップa16では、確定部19は、ステ
ップa6で探索した全ての接続ノードについて、ステッ
プa7〜a15の処理が終了したか否かを判定する。す
なわち、最初の起点リンクの両端のうちのいずれか一方
の接続ノードとステップa6で探索された各接続ノード
とを両端とする全経路の累積コストを算出し終えたか否
かを判定する。未算出の経路が残っているとき、ステッ
プa16からステップa7に戻り、ステップa7で、未
だ処理していない接続ノードとステップa6で求められ
た前記逆側の接続ノードとの間に介在される道路リンク
を処理リンクとして選択して、ステップa8〜a15の
処理を行う。全ての経路の算出が終了したとき、ステッ
プa16からステップa17に進む。
【0118】ステップa17では、確定部19は、推奨
経路を確定することができるか否かを判定する。この判
定は、具体的には、ステップa7で選択された接続ノー
ドのうちに、終点リンクの両端の接続ノードのうちのい
ずれか一方であるかか否かを判定する。このステップの
処理動作が、請求項の確定手段の動作に当たる。そうで
はないとき、ステップa17からステップa6に戻る。
以後、ステップa6で探索された接続ノードのうちのい
ずれか1つを次の基準の接続ノードとし、かつその基準
の接続ノードと元の基準の接続ノードとの間の道路リン
クを起点リンクとして、ステップa6〜a17の処理動
作を、終点リンクの両端の接続ノードのうちのいずれか
一方がステップa6で探索されるまで繰返す。これによ
って、ステップa15で選択された経路が、終点リンク
に順次近付くように延長されることになる。ステップa
7で選択された接続ノードが終点リンクの両端のうちの
いずれか一方の接続ノードと一致するとき、確定部19
は、その接続ノードと最初の起点リンクの両端のうちの
いずれか一方の接続ノードとを両端としステップa15
で選択された経路を経由する経路を、推奨経路として確
定する。確定された推奨経路は、探索結果記憶部17に
記憶される。推奨経路記憶後、ステップa18で当該経
路探索動作を終了する。
【0119】上述の経路探索動作では、2つの経路の累
積コストが一致する場合、どちらか一方を推奨経路とす
ることは困難である。この場合、確定部19は、累積コ
スト以外の要素を比較して推奨経路を決定する。たとえ
ば、経路内の有料道路と無料道路との比率を比較して、
無料道路の比率が大きい方を推奨経路として確定する。
また、確定部19は、経路全体の経路長を比較して、経
路長の短い方の経路を推奨経路として確定する。これに
よって、累積コストが一致する場合にも、推奨経路を確
定することができる。
【0120】このような一連の動作によって、図5,6
の道路地図では、第2経路を推奨経路として確定するこ
とができる。また、この道路探索で、有料道路の本線を
たとえば1km以上の長い距離にわたって経由する経路
が適切経路である場合、有料道路の本線に平行する無料
道路を経由する経路と前記経路との2つの経路が探索さ
れることがある。このとき、演算部14で得られる累積
コストのうち、有料道路の本線を経由する経路の累積コ
ストは、本線を構成する各道路リンクの経路コストが無
料道路を構成する各道路リンクの経路コストよりも小さ
いので、無料道路を経由する経路の累積コストよりも小
さい。また有料道路の入口および出口を通って有料道路
から無料道路に移動しないので、ステップa11で調整
用コストが加算されない。したがって、有料道路の本線
を経由する経路の累積コストは、無料道路を経由する経
路の累積コストよりも充分に小さくなる。したがって、
この場合は、有料道路を経由する経路を推奨経路として
確定することができる。
【0121】さらに、上述の2つの経路のうち、有料道
路の入口および出口が無料道路に接続され、かつ有料道
路内で入口と出口との間にさらに道路リンクが介在され
その間隔が1km以上であるとき、有料道路を経由する
経路の累積コストには、調整用コストが加算される。こ
のとき、演算部14で得られる両累積コストの差は、調
整用コストの加算分よりも大きい。これによって有料道
路を経由する経路の調整後の累積コストは、無料道路を
経由する経路の調整後の累積コストよりも小さい、ゆえ
に、この場合にも、有料道路を経由する経路を、推奨経
路として確定することができる。
【0122】このように、本実施形態の経路探索動作で
は、或る道路の属性の道路に予め定める経路長未満であ
って道路の属性が異なる迂回路が付加されているとき、
その迂回路を通る経路を推奨経路とすることを回避する
ことができる。また、ある道路の属性の道路に、異なる
道路の属性の道路が接続され、さらにその接続点から迂
回路を介して進行方向前方でこの2つの道路が接続され
ている場合、迂回路を通る経路を推奨経路とすることを
回避することができる。したがって、ダイクストラ法を
用いた経路探索動作によって、上述の場合に、車両が実
際に走行するのに適した適切経路を、推奨経路として確
定することができる。
【0123】上述の経路探索動作では、道路の属性を有
料道路と無料道路とに限定して説明した。この道路の属
性の変化の有無および道路の属性の組合わせは、有料道
路と無料道路とに限らず、他の道路の属性であってもよ
い。たとえば、有料道路/無料道路に代わって道路の属
性を国道/県道/細街路として、上述のように経路探索
動作を行っても良い。
【0124】この経路探索装置9は、上述したように、
中央処理装置23の演算処理によって実現することがで
きる。したがって、上述の探索処理装置6を実現するた
めのプログラムと地図データとを、フロッピーディスク
等の記憶媒体に記憶させ、このプログラムと地図データ
とを、たとえばパーソナルコンピュータにインストール
することによって、上述の経路探索装置9を実現するこ
とができる。
【0125】以下に、本発明の第2実施形態である経路
探索装置について説明する。この経路探索装置は、第1
実施形態の経路探索装置9と比較して、属性変化判定部
15の詳細な動作だけが異なり、経路探索装置9の概略
的な電気的構造のうちで各構成部品の接続関係、経路探
索装置9の詳細な電気的構造、および属性変化判定部1
5以外の構成部品の動作は等しい。経路探索装置9と同
一の構成部品には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0126】図9は、前記経路探索装置で実施される経
路探索動作を説明するためのフローチャートである。こ
のフローチャートは、図8のフローチャートと同一の動
作を行うステップを含み、同一の動作を行うステップの
説明は省略する。経路探索動作が開始されると、ステッ
プb1からステップb2に進む。ステップb2〜b8の
動作は、図8のフローチャートのステップa2〜a8の
動作と等しい。
【0127】属性変化判定部15は、ステップb9で、
処理リンクが有料道路の入口線であるか否かを判定す
る。入口線であればステップb9からステップb11に
進み、入口線でなければステップb9からステップb1
0に進む。ステップb10では、属性変化判定部15
は、処理リンクが有料道路の出口線であるか否かを判定
する。入口線であればステップb10からステップb1
1に進み、入口線でなければステップb10からステッ
プb12に進む。ステップb11では、調整部16が、
最初の起点リンクと処理リンクとを両端とする経路の累
積コストに、予め定める調整用コストを加算する。ステ
ップb11〜b18の処理動作は、図8のフローチャー
トのステップa11〜a18と等しい。ステップb18
で、終点リンクの両端のうちのいずれか一方の接続ノー
ドに到達したと判定されたとき、ステップb18で当該
フローチャートの処理動作を終了する。
【0128】処理リンクが有料道路の入口線および出口
線であるとき、その処理リンクの両端のうちのいずれか
一方の接続ノードに接続される道路リンクは無料道路で
あり、いずれか他方の接続ノードに接続される道路リン
クは有料道路である。したがって、この処理リンクの両
端の接続ノードのうちのいずれか一方で、道路の属性が
変化する。したがって、処理リンクが有料道路の入口線
および出口線であれば、その処理リンクを経由する経路
のうちで、道路の属性が変化する。したがって、上述の
ように、処理リンクの道路の属性が予め定める属性であ
るか否かを判定することによって、経路内の接続リンク
で道路の属性が変化したか否かを判定することができ
る。したがって、第1実施形態と同じ理由から、車両が
実際に走行するのに適した適切経路を推奨経路として確
定することができる。
【0129】また、上述の説明では、道路の属性を有料
道路と無料道路とに限定したので、予め定める属性を有
料道路の入口線および出口線とした。予め定める属性
は、その属性の道路リンクのいずれか一方で道路の属性
が変化しうる道路の属性であれば、上述の属性には限ら
ない。たとえば、予め定める属性を高速道路に付随する
駐車場への入口線および出口線としてもよい。予め定め
る属性をこのような属性とすることによって、高速道路
を通過するときに駐車場を経由する経路を推奨経路とし
て確定することを未然に防止することができる。
【0130】また、この判定方法では、処理リンクだけ
の道路の属性を基準に判定を行う。道路リンクが有料道
路の入口線および出口線であるか否かは、その道路リン
クの道路の属性として、予め地図データに記憶されてい
る。したがって、処理リンクの道路の属性だけを地図デ
ータ記憶装置3から取得するだけで、属性変化の有無を
判定することができる。したがって、属性変化の有無を
判定するときに、起点リンクの道路の属性を取得する必
要がなくなる。したがって、判定手法が容易になる。
【0131】またこの判定手法では、経路途中で有料道
路から無料道路に道路の属性が変化すること、および無
料道路から有料道路に道路の属性が変化することがなく
とも、入口線および出口線を通過するだけで経路の累積
コストに調整用コストが加算される。これによって、前
述の図6の例でも、ステップb9〜b11の処理を行う
だけで、第1経路の累積コストが第2経路の累積コスト
よりも大きくなる。したがって、第2実施形態の経路探
索装置では、ステップb12,b13の処理動作を省略
することができる。したがって、経路探索動作をさらに
簡略化することができる。
【0132】以下に、本発明の第3実施形態である経路
探索装置について説明する。この経路探索装置は、第1
実施形態の経路探索装置9と比較して、経路探索装置9
と同一の構成部品には同一の符号を付し、説明は省略す
る。この経路探索装置は、地図データ記憶装置3と探索
処理装置とを含む。探索処理装置は、出発位置設定部1
1,目的位置設定部12,探索部13,接続判定部、演
算部,および確定部を含む。これら各部は、中央処理装
置23の演算処理によって実現される仮想回路である。
【0133】図10は、探索道路データの具体的構成を
表す模式図である。図10の探索道路データは、図4の
探索道路データと類似のデータ構造を有し、また同一の
データを含み、同一の部分の詳細な説明は省略する。
【0134】探索道路データは、M+1個のノード情報
を含む。各ノードNnの第nノード情報は、探索ノード
数x、x個の接続ノード情報、x個の接続リンク情報、
およびリンク間情報を個別に含む。各道路リンクLna
の接続リンク情報は、交通規制、道路種別、幅員、リン
ク長さ、および経路コストを含む。この経路コストは、
道路リンクLnaの経路コストである。各ノード情報
は、接続リンク情報に経路コストが付加された点以外
は、図4の探索道路データのノード情報と等しい。
【0135】ノード情報nのリンク間情報は、{x×
(x−1)}個含まれる。経路Xbnaに関連するリン
ク間情報には、交通規制と経路コストと組合わせ用別コ
ストとが含まれる。経路XbnaのノードNnの経路コ
ストは、たとえば、ノードNnへの進入側の道路リンク
Lbnと、ノードNnからの脱出側の道路リンクLna
との組合わせで決められるノードNnの経路コストであ
る、また別コストは、経路XbnaのノードNnの経路
コストに、さらに調整用コストを加算して定められたも
のである。この調整用コストは、第1実施形態の経路探
索装置の調整部16,18で加算された調整用コストと
等しい。
【0136】図11は、上述の経路探索装置で実施され
る経路探索動作を説明するためのフローチャートであ
る。このフローチャートは図8のフローチャートと同一
の動作を行うステップを含み、同一の動作を行うステッ
プの説明は省略する。経路探索動作が開始されると、ス
テップc1からステップc2に進む。ステップc2〜c
7の動作は、図8のフローチャートのステップa2〜a
7の動作と等しい。
【0137】ステップc8では、接続判定部が、起点リ
ンクと処理リンクとの組合わせが予め定める組合わせで
あるか否かを判定する。この判定では、たとえば起点リ
ンクである道路リンクのリンク番号と、処理リンクであ
る道路リンクのリンク番号とから、これら2つの道路リ
ンクからなる経路が、探索道路データに別コストが記憶
された経路であるか否かを判定する。この経路が別コス
トが記憶された経路であるとき、ステップc8からステ
ップc9に進み、この経路が別コストが記憶された経路
ではないときには、ステップc8からステップc10に
進む。
【0138】ステップc9では、演算部は、組合わせ用
の別コストを用いて、最初の起点リンクと処理リンクと
を両端とする経路の累積コストを求める。具体的には、
まず、起点リンクと処理リンクとからなる経路の経路コ
ストを前述のリンク間情報から読出す。さらにメモリ2
5から、最初の起点リンクの両端のうちのいずれか一方
の接続ノードと起点リンクの両端のうちで前記基準の接
続ノードとは反対側の接続ノードとを両端とする経路の
累積コストを読出す。この経路コストと累積コストとを
加算して、その和を、最初の起点リンクの両端のうちの
いずれか一方の接続ノードと処理リンクの両端のうちで
前記基準の接続ノードと反対側の接続ノードとを両端と
する経路の累積コストとする。これによって、前記経路
の累積コストに、前述の調整用コストを併せて加算する
ことができる。
【0139】ステップc10では、演算部は、経路の経
路コストを用いて、最初の起点リンクのいずれか一方の
接続ノードと処理リンクの両端のうちで前記基準の接続
ノードとは反対側の接続ノードとを両端とする経路の累
積コストを求める。この算出手法の具体的な処理は、ス
テップc9の算出手法のうちで、別コストに代わって経
路の経路コストを用いる点が異なり、他は等しい。ステ
ップc9,c10で累積コストが算出されると、ステッ
プc11に進む。ステップc11〜c15の処理動作
は、図8のフローチャートのステップa14〜a18と
等しい。ステップc14で、終点リンクのいずれか一方
の接続ノードに到達したと判定されたとき、ステップc
15で当該フローチャートの処理動作を終了する。
【0140】第3実施形態の経路探索動作では、累積コ
ストに調整コストを加算するための処理動作が、累積コ
ストを演算するための処理動作に含まれている。ゆえ
に、図8,9のフローチャートのうちのステップa9〜
a14,b9〜b14の処理が省略されており、代わり
にステップc8の判定動作とステップc9の演算動作と
が加わっている。これによって、第3実施形態の経路探
索動作は、第1および第2実施形態の経路探索動作より
も簡略化されている。したがって、実施が容易である。
また、ステップc8の判定では、起点リンクと処理リン
クとのリンク番号自体を比較しているので、この判定の
ために、地図データ記憶装置3から起点リンクの道路の
属性と処理リンクの道路の属性とを読出し比較する必要
がない。これによって、ステップa8の判定は、第1お
よび第2実施形態の経路探索動作のステップa9,a1
0,a12;b9,b10,b12の判定と比較して、
処理動作が簡略化されている。これによって、さらに経
路探索動作を簡略化することができる。
【0141】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、本発明の
経路探索装置では、出発位置から目的位置に至る経路を
探索した後、その経路を構成する道路リンクに付加され
た経路コストを全て加算する。さらに、経路内の道路の
属性の変化の有無に応答して、経路コストの和を調整す
るような重み付けを行い、調整後の経路コストの和を比
較して、その経路コストの和が最小の経路を推奨経路と
して確定する。したがって、或る道路に経路コストの低
い道路の属性の道路リンクからなる迂回路を付加されて
いるとき、その迂回路を通る経路の経路コストの和が迂
回路を通らない経路の経路コストの和よりも小さい場合
にも、迂回路を通らない経路を推奨経路として探索する
ことができる。
【0142】さらにまた本発明によれば、属性変化判定
手段は、ノードが有料道路の入口または出口であるか否
かを判定することによって、道路の属性の変化の有無を
判定する。無料道路から入口を通って有料道路に入りそ
のまま出口を通って無料道路に戻る経路は実際に車両が
走行するのに不適切な経路なので回避することが好まし
い。この手法で道路の属性の変化の有無を判定する場
合、このような経路を推奨経路として確定することを確
実に防止することができる。
【0143】また本発明によれば、属性変化判定手段
は、ノードが有料道路の入口および出口であるか否かの
判定を、2つの道路リンクの道路の属性が異なるか否か
によって判定する。これによって、経路探索の演算処理
のための回路部品の負担を軽減することができる。
【0144】さらにまた本発明によれば、本発明の経路
探索装置では、出発位置から目的位置に至る経路を探索
した後、その経路を構成する道路リンクに付加された経
路コストを全て加算する。さらに、経路内で全道路リン
クの道路の属性の組合わせが予め定める組合わせになる
ノードを通過する回数に応答して経路コストの和を調整
するような重み付けを行い、調整後の経路コストの和を
比較して、その経路コストの和が最小の経路を推奨経路
として確定する。これによって、異なる道路の属性の2
本の道路が接続され、さらにそのノードから迂回路を介
して進行方向前方で再度接続されている場合、迂回路を
通るような車両が実際に走行するのに適しない経路を推
奨経路として確定することを未然に防止することができ
る。
【0145】また本発明によれば、属性組合わせ判定手
段は、連続する2つの道路リンクの道路の属性の組合わ
せが、有料道路の入口または出口を表すとき、予め定め
る組合わせであると判定する。さらにまた本発明によれ
ば、属性変化判定手段は、前記2つの道路リンクの道路
の属性の組合わせが、有料道路と前記駐車場とを接続す
る道路を表すとき、予め定める組合わせであると判定す
る。したがって、経路探索を実施する演算処理のための
回路部品の負担をさらに軽減することができる。
【0146】また本発明によれば、探索手段は経路コス
トを用いて推奨経路を探索する。これによって、重み付
けを有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である経路探索装置9を
含むナビゲーション装置1の概略的な電気的構成を表す
ブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置1の具体的な電気的構成を
表すブロック図である。
【図3】道路地図を表す模式図である。
【図4】探索地図データの構成を表す模式図である。
【図5】経路探索動作を概略的に説明するための道路地
図の模式図である。
【図6】経路探索動作を概略的に説明するための道路地
図の模式図である。
【図7】経路探索動作を概略的に説明するための道路地
図の模式図である。
【図8】経路探索動作を説明するためのフローチャート
である。
【図9】本発明の第2実施形態である経路探索装置で実
施される経路探索動作を説明するためのフローチャート
である。
【図10】本発明の第3実施形態である経路探索装置で
用いられる探索地図データの構成を表す模式図である。
【図11】本発明の第3実施形態である経路探索装置で
実施される経路探索動作を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 ナビゲーション装置 3 地図データ記憶装置 4 自車位置検索装置 5 入力装置 6 探索処理装置 7 経路案内装置 8 出力装置 11 出発位置設定部 12 目的位置設定部 13 探索部 14 演算部 15 属性変化判定部 16,18 調整部 17 組合わせ判定部 19 確定部 20 探索結果記憶部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の道路リンクおよび複数のノードか
    らなる道路データと、道路の属性に関する属性データと
    を含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、地
    図データ上の出発位置を設定する出発位置設定手段と、
    地図データ上の目的位置を設定する出発位置設定手段
    と、地図データ記憶手段から地図データを読出し、出発
    位置と目的位置とを結ぶ推奨経路を探索する探索手段と
    を備える経路探索装置において、 前記探索手段は、道路の属性が変化するか否かを判定す
    る属性変化判定手段と、該属性変化判定手段によって道
    路の属性が変化すると判定されたとき、この経路に対し
    て予め定める重み付けを行う調整手段とを含むことを特
    徴とする経路探索装置。
  2. 【請求項2】 前記属性変化判定手段は、ノードが有料
    道路の入口または出口であるとき、道路の属性が変化す
    ると判断することを特徴とする請求項1記載の経路探索
    装置。
  3. 【請求項3】 前記属性変化判定手段は、連続する2つ
    の道路リンクのうちのいずれか一方が有料道路、いずれ
    か他方が無料道路であるとき、道路の属性が変化すると
    判断することを特徴とする請求項1記載の経路探索装
    置。
  4. 【請求項4】 複数の道路リンクおよび複数のノードか
    らなる道路データと、道路の属性に関する属性データと
    を含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、地
    図データ上の出発位置を設定する出発位置設定手段と、
    地図データ上の目的位置を設定する出発位置設定手段
    と、地図データ記憶手段から地図データを読出し、出発
    位置と目的位置とを結ぶ推奨経路を探索する探索手段と
    を備える経路探索装置において、 前記探索手段は、複数の道路リンクの道路の属性の組合
    わせが予め定める組合わせであるか否かを判定する属性
    組合わせ判定手段と、該属性組合わせ判定手段によって
    道路の属性の組合わせが予め定める組合わせであると判
    定されたとき、この経路に対して予め定める重み付けを
    行う調整手段とを含むことを特徴とする経路探索装置。
  5. 【請求項5】 前記予め定める組合わせは、2つの連続
    する道路リンクのうちで探索方向後方の道路リンクの道
    路の属性が無料道路であって、かつ探索方向前方の道路
    リンクの道路の属性が有料道路である組合わせであり、
    この組合わせのときには有料道路の入口であると判断す
    ることを特徴とする請求項4記載の経路探索装置。
  6. 【請求項6】 前記予め定める組合わせは、2つの連続
    する道路リンクのうちで探索方向後方の道路リンクの道
    路の属性が有料道路であって、かつ探索方向前方の道路
    リンクの道路の属性が無料道路である組合わせであり、
    この組合わせのときには有料道路の出口であると判断す
    ることを特徴とする請求項4記載の経路探索装置。
  7. 【請求項7】 前記予め定める組合わせは、2つの連続
    する道路リンクのうちで探索方向後方の道路リンクの道
    路の属性が有料道路であって、かつ探索方向前方の道路
    リンクの道路の属性が有料道路である組合わせであり、
    この組合わせのときには有料道路に付随する駐車場と接
    続する道路であると判断することを特徴とする請求項4
    記載の経路探索装置。
  8. 【請求項8】 前記地図データ記憶手段には、実際の道
    路の距離および通りやすさ等に基づいて予め設定された
    経路コストに関する情報が記憶され、 前記探索手段は、経路コストに基づいて推奨経路を探索
    することを特徴とする請求項1または4記載の経路探索
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250662A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Alpine Electronics Inc ナビゲーション装置および誘導経路の探索方法
US8175801B2 (en) 2009-02-28 2012-05-08 Alpine Electronics, Inc. Link promotion method and apparatus for improving route search performance for navigation system
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JP2020118471A (ja) * 2019-01-21 2020-08-06 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 経路探索システムおよび経路探索プログラム

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