JPH11143008A - ハロゲン化銀写真材料の作製方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真材料の作製方法

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JPH11143008A
JPH11143008A JP25994698A JP25994698A JPH11143008A JP H11143008 A JPH11143008 A JP H11143008A JP 25994698 A JP25994698 A JP 25994698A JP 25994698 A JP25994698 A JP 25994698A JP H11143008 A JPH11143008 A JP H11143008A
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photographic material
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JP25994698A
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Alain Dominique Sismondi
アラン・シモンディ・ドミニク
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低いDminと高い感光速度、および高いフィ
ルム貯蔵性を示すハロゲン化銀写真材料の作製方法の提
供。 【解決手段】 (I)ハロゲン化銀エマルションを調製す
る工程、(II)該ハロゲン化銀エマルションを化学増感お
よび光学的増感する工程、および(III)ハロゲン化銀エ
マルションを支持体に塗布する工程を含むハロゲン化銀
写真材料の作製方法であって、前記工程(III)の前に、
水酸基またはスルホン酸基で表される少なくとも2つの
置換基を有するアリール化合物を銀1モルにつき0.03モ
ル未満の量で前記ハロゲン化銀エマルションに添加する
工程を含むハロゲン化銀写真材料の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
材料の作製方法に関する。特に、本発明は、得られる写
真材料の感光速度およびDminを高めるための、ハロゲ
ン化銀エマルションの調製方法におけるアリール誘導体
の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀エマルションは、通常、ハ
ロゲン化銀(臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、またはそれら
の混合物)を親水性コロイドの存在下で沈殿させること
によって調製される。その後、銀エマルションは、その
感光性を高めるための増感工程に付される。増感工程は
主に、スペクトル増感と化学増感に分けられる。
【0003】スペクトル増感は、ハロゲン化銀粒子の表
面上に吸収されてエマルションを画像形成用放射線また
は放出される放射線に感光させるスペクトル増感染料の
添加を包含する。
【0004】化学増感は、規定された感度およびコント
ラストの値を得るために様々な化学物質の添加を伴う。
ハロゲン化銀写真エマルションを化学増感するための常
法としては、硫黄増感、貴金属増感、および還元増感が
挙げられる。硫黄−貴金属増感、還元−貴金属増感等の
ような、上記増感方法の組み合わせも、当業者には周知
である。
【0005】化学増感を高めるための具体的な方法は、
多数の特許および特許出願ならびに文献に開示されてい
る。すなわち、リサーチ・ディスクロージャー、199
4年9月、第36544項、第IV章、510〜511ページを参照
すれば、上記方法それぞれについての幅広い例示が得ら
れる。
【0006】さらに、ハロゲン化銀エマルションのエマ
ルション作製中には広範な金属が、粒子構造および特性
を変えるためにドーピング剤として使用されている。上
記ドーピング剤の使用に関する概説は、リサーチ・ディ
スクロージャー、1994年9月、第36544項、第II章
D.3、504〜505ページに見い出される。
【0007】最近の特許および特許出願には、化学増感
中におけるある種の金属の単独で、または上記の従来法
と組み合わせた使用が示唆されている。
【0008】例えば、欧州特許第467,106号公報には、
金および硫黄化合物によって、並びに水銀化合物によっ
て化学増感されるハロゲン化銀写真要素が開示されてい
る。特開平4-9,034号公報には、イリジウムまたは白金
錯体塩の存在下、金で化学増感されるハロゲン化銀写真
要素が開示されている。特開平4-9,837号公報には、還
元増感並びにパラジウム化合物で化学増感されるハロゲ
ン化銀写真要素が開示されている。欧州特許第476,345
号公報には、貴金属、硫黄増感剤、セレン化合物および
ハロゲン化銀溶媒の存在下で化学増感されるハロゲン化
銀写真要素が開示されている。
【0009】特開平4-51,232号公報には、金化合物、イ
リジウム化合物および第VIII族金属化合物の存在下で化
学増感されるハロゲン化銀写真要素が開示されている。
特開平5-45,768号公報には、テルニウム有機化合物と金
化合物の存在下で化学増感されるハロゲン化銀写真要素
が開示されている。特開平5-53,234号公報には、更に還
元増感される可能性が開示されている。特開平5-45,769
号公報には、テルニウム、硫黄および貴金属有機化合物
の存在下で化学増感されるハロゲン化銀写真要素が開示
されている。特開平4-335640号公報、特開平5-27,360号
公報、特開平5-27,388号公報、欧州特許第563,708号公
報および欧州特許第638,840号公報には、セレン、金お
よび硫黄増感剤の存在下で化学増感されるハロゲン化銀
写真要素が開示されている。
【0010】欧州特許第568,092号公報には、重金属お
よびチオウレア化合物の存在下で化学増感されるハロゲ
ン化銀写真要が開示されている。特開平6-51,418号公報
には、塩化水銀勇気誘導体、ナトリウムチオシアナート
およびクロル金酸カリウムの存在下で化学増感されるハ
ロゲン化銀写真要素が開示されている。
【0011】しかしながら、実質上の感度増加を提供す
る方法はいずれも、高感度が得られるが、特に、柱状エ
マルションを用いた場合には曇りも増加するは不利であ
る。写真特性は、通常、写真材料を製造中の迅速な乾
燥、貯蔵中の高温、自動化装置での現像中の高温または
ローラー圧のような別の緊張条件に付すと、変化する。
増感工程の後、ハロゲン化銀エマルションは、塗布助剤
と共に支持体上に塗布される。普通の塗布助剤について
の幅広い説明は、リサーチ・ディスクロージャー、19
96年9月、第38597項、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・エマルションズ、プリパレーション
ズ、アデンダ、システムズ・アンド・プロセッシン
グ」、第IX章に見出せる。
【0012】米国特許第5,028,520号公報には、表面光
沢度を低減するための、柱状ハロゲン化銀エマルション
上におけるヒドロキノンスルホン酸カリウム塩の、銀1
モルにつき0.03〜0.5モルの量での使用が開示されてい
る。上記公報には、銀1モルにつき0.03モル未満の量で
は有効でないことも記載されている。特開昭54-040729
号公報、特開昭56-1936号公報および特開昭62-21143号
公報には、グラフィックアートにおける感圧特性を低下
させるための、立方晶ハロゲン化銀エマルション上での
ポリヒドロキシベンゼン誘導体の使用が開示されてい
る。
【0013】欧州特許第452772号公報、欧州特許第4765
21号公報、欧州特許第482599号公報および欧州特許第48
8029号公報には、ハロゲン化銀粒子の吸収をより高めて
最終的に得られるフィルムの感圧特性を低減し得る官能
基を有するポリヒドロキシベンゼン誘導体の使用が開示
されている。欧州特許第339870号公報には、増感量のポ
リアルキレングリコール化合物と曇りを低減する量のア
リールヒドロキシ化合物が反応性会合したハロゲン化銀
写真エマルションが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような欠点を回避して、Dminに対してより高い感光
速度、および高いフィルム貯蔵性を有するハロゲン化銀
エマルションを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体に塗布
する前に、スルホン酸基で表される少なくとも2つの置
換基を有するアリール化合物を銀1モルにつき0.03モル
未満の量でハロゲン化銀エマルションに添加する工程を
含むハロゲン化銀写真材料の作製方法を提供する。アリ
ール化合物の添加は、ハロゲン化銀写真エマルションの
Dminに対する感光速度の比を高める。
【0016】本発明の別の態様において、ハロゲン化銀
写真材料は、少なくとも1つのハロゲン化銀エマルショ
ン層で被覆された支持体を含み、前記ハロゲン化銀エマ
ルション層は、水酸基またはスルホン酸基で表される少
なくとも2つの置換基を有するアリール化合物を銀1モ
ルにつき0.03モル未満の量で含有する。
【0017】
【発明の実施の形態】ハロゲン化銀写真材料の作製方法
には、通常、以下の工程が含まれる:(I)エマルション
作製工程、(II)化学的および光学的増感工程、並びに(I
II)塗布工程。
【0018】前記ハロゲン化銀エマルション調製工程
(I)は、一般に、(i)ハロゲン化銀粒子種が形成される
核形成工程、(ii)粒子種が最終寸法を達成する1つ以上
の成長工程、および(iii)溶解性塩を全て最終エマルシ
ョンから除去する洗浄工程を包含する。さらに、核生成
工程(i)と成長工程(ii)の間および/または成長工程(i
i)と洗浄工程(iii)の間で熟成工程を行ってもよい。
【0019】ハロゲン化銀エマルションは、シングルジ
ェット法、ダブルジェット法またはそれら方法の組み合
わせを用いて調製でき、例えば、アンモニア法または酸
性法を用いて熟成できる。pH、pAg、温度、反応容
器の形状および寸法並びに反応法(例えば、加速もしく
は一定の流速沈殿、断続沈殿、沈殿中の限外濾過、逆混
合法、およびそれらの組み合わせ)のような様々なパラ
メータを調整して粒子成長を制御してもよい。ハロゲン
化銀溶媒(例えば、アンモニア、チオエーテル、チオウ
レア等)を所望により、粒子寸法、粒子構造、粒子寸法
分布および粒子成長速度の制御のために使用してもよ
い。以下の文献が有用な指導を提供している:Trivelli
およびSmith著、ザ・フォトグラフィック・ジャーナ
、第LXXIX巻、1939年5月、330〜338ページ;T.
H. James著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィ
ック・プロセス、第4版、第3章;P. Glafkides著、
ミー・エ・フィジーク・フォトグラフィーク、Paul Mon
tel(1967年);G. F. Duffin著、フォトグラフィ
ック・エマルション・ケミストリー、The Focal Press
(1966年);V. L. Zelikman著、メイキング・アン
ド・コーティング・フォトグラフィック・エマルション
、The Focal Press(1966年);米国特許第2,22
2,264号公報;同第2,592,250号公報;同第3,650,757号
公報;同第3,917,485号公報;同第3,790,387号公報;同
第3,716,276号公報;および同第3,979,213号公報;並び
リサーチ・ディスクロージャー、1994年9月、第
36544項、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・エマルションズ、プリパレーションズ、アデンダ、シ
ステムズ・アンド・プロセッシング」。
【0020】ハロゲン化銀エマルションの調製におい
て、通常使用されているハロゲン化銀粒子のハロゲン組
成が使用できる。適したハロゲン化銀としては、塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、ヨウ化塩化銀、ヨウ化臭化銀、
ヨウ化臭化塩化銀等が挙げられる。中でも、臭化銀およ
びヨウ化臭化銀は、ヨウ化銀0から10モル%、好ましく
は0.2〜5モル%、特に0.5〜1.5モル%を含有するヨウ化
臭化銀組成物を含む好ましいハロゲン化銀組成物であ
る。個々の粒子のハロゲン組成は、均質でも不均質でも
よい。
【0021】ハロゲン化銀エマルションのためのバイン
ダーとしては、ゼラチンが好ましいが、デキストラン、
セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース)、コラーゲン誘導
体、コロイド状アルブミンまたはカゼイン、多糖類、合
成親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピラゾール)等のような他の親水性コロイドも単独でま
たは組み合わせて使用できる。高脱イオン化ゼラチン、
アセチル化ゼラチンおよびフタレート化ゼラチンのよう
なゼラチン誘導体も使用できる。親水性コロイドを、合
成ポリマーバインダーや、アクリルアミドおよびメタク
リルアミドポリマー、アルキルおよびスルホアルキルア
クリレートおよびメタクリレートのポリマー、ポリビニ
ルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルラクタム、
ポリアミド、ポリアミン、ポリビニルアセテート等のよ
うなペプタイザーと組み合わせて用いることも周知であ
る。
【0022】上記ハロゲン化銀エマルションの粒子は、
粗くても微細であってもよく、また、ハロゲン化銀エマ
ルションの粒子寸法分布は、狭くても広くてもよい。ハ
ロゲン化銀粒子は、立方体、八面体および14面体のよ
うな整った結晶構造または球状もしくは不規則な結晶構
造を有する規則的な粒子、双晶面のような結晶欠陥を有
する規則的な粒子や平板状の規則的な粒子、あるいはそ
れらの組み合わせであってもよい。さらに、ハロゲン化
銀の粒子構造は、その内部から外部までが均一であって
も、多層状であってもよい。単純な態様において、粒子
は、コアとシェルを含んでいてよく、コアおよびシェル
は、異なるハロゲン化物組成を有していても、および/
またはドーピング剤の添加のような別の変性を行っても
よい。別々の組成を有するコアとシェルを有すること以
外に、ハロゲン化銀粒子は、その間に別の形態を含んで
いてもよい。ハロゲン化銀は、主にその表面上に潜像が
形成できる種類または潜像がその粒子内部に形成できる
種類であってもよい。
【0023】好ましくは、平板状ハロゲン化銀エマルシ
ョンは、アスペクト比が少なくとも2:1、特に2:1
〜20:1、より好ましくは2:1〜14:1、最も好まし
くは2:1から8:1のものを使用する。本発明におい
て、アスペクト比は、ハロゲン化銀粒子の平均直径/厚
さ比をいう。平板状ハロゲン化銀粒子の平均直径は、約
0.3〜約5μm、好ましくは、約0.5〜約3μm、特に約
0.8〜約1.5μmの範囲である。適した平板状ハロゲン化
銀粒子の厚さは、0.4μm未満、好ましくは0.3μm
未満、特に0.1〜.3μmの範囲内である。平板状ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積は、エマルションの全ハロゲン
化銀粒子の投影面積の少なくとも50%、少なくとも80
%、特に少なくとも90%に対応しなくてはならない。
【0024】上述の平板状ハロゲン化銀粒子の寸法およ
び特徴は、当業者に周知の手順により、容易に確認する
ことができる。ここで、平板状ハロゲン化銀粒子の「直
径」は、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径
と定義する。また、平板状ハロゲン化銀粒子の「厚さ」
は、この粒子を構成する2つの実質上平行な主平面間の
距離をいう。各粒子の直径と厚さの測定によれば、各粒
子の直径/厚さの比が算出でき、全平板状粒子の直径/
厚さの比を平均することで、平均直径/厚さ比が得られ
る。この定義により、平均直径/厚さ比は、個々の平板
状粒子の直径/厚さ比の平均である。実際、平板状粒子
の平均直径と平均厚さの比を測定し、その2つの平均の
比として平均直径/厚さ比を算出するのがより簡単な方
法である。どのような方法を使用しようとも、得られる
平均直径/厚さ比に大差はない。
【0025】平板状ハロゲン化銀を含有するハロゲン化
銀エマルションは、写真材料の調製に従じる当業者に周
知の種々の方法で調製できる。
【0026】平板状ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲ
ン化銀エマルションの調製は、例えば、以下の文献等に
記載されている:de CugnacおよびChateau著、「エヴォ
リューション・オブ・ザ・モルフォロジー・オブ・シル
バー・ブロマイド・クリスタルズ・デュアリング・フィ
ジカル・リペニング」サイエンス・アンド・インダスト
リーズ・フォトグラフィークス、第33巻、第2号(1
962年)、121〜125ページ;Gutoff著、「ヌークリエ
ーション・アンド・グロウス・レイツ・デュアリング・
ザ・プリシピテイション・オブ・シルバー・ハライド・
フォトグラフィック・エマルションズ」、フォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング、第1
4巻、第4号(1970年)、248〜257ページ;Berry
ら著、「エフェクツ・オブ・エンヴァロンメント・オン
・ザ・グロウス・オブ・シルバー・ブロマイド・マイク
ロクリスタルズ」、第5巻、第6号(1961年)332〜
336ページ;リサーチ・ディスクロージャー、199
4年9月、第36544項、「フォトグラフィック・シ
ルバー・ハライド・エマルションズ、プリパレーション
ズ、アデンダ、システムズ・アンド・プロセッシン
グ」;米国特許第4,063,951号公報;同第4,067,739号公
報;同第4,184,878号公報;同第4,434,226号公報;同第
4,414,310号公報;同第4,386,156号公報;および同第4,
414,306号公報;並びに欧州特許出願第263,508号。
【0027】ハロゲン化銀粒子形成終了時に、エマルシ
ョンから、当該分野において既知の手順で水溶性塩を除
去する。適した洗浄法は、熟成媒体とそれに溶解した溶
解性塩がハロゲン化銀エマルションから、例えば溶解性
塩を除去するための透析または電気透析の組み合わせ、
あるいは熟成媒体を除去するための浸透または逆浸透の
組み合わせのような常法で除去できるものである。
【0028】ハロゲン化銀粒子を残りの分散体中に保持
しながら熟成媒体と溶解性塩を除去するための既知の方
法の中でも、限外濾過は、本発明の実施において特に有
利な洗浄法である。通常、不活性で非イオン性のポリマ
ー製メンブランを含む限外濾過装置を洗浄装置として使
用する。ハロゲン化銀粒子は、熟成媒体と溶解性塩また
はイオンとの組み合わせの中では大きいため、ハロゲン
化銀粒子は、熟成媒体とその中に溶解された溶解性塩を
除去している間、メンブランによって保持される。
【0029】ハロゲン化銀粒子エマルションは、通常、
使用前に完全に分散し、ゼラチンまたは他のペプタイザ
ー分散剤と混合して、最適な感度を達成するための既知
の方法に付される。化学増感および光学的増感に有用な
方法および化合物についての広範な説明は、リサーチ・
ディスクロージャー、1996年9月、第38597項、
「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・エマルシ
ョンズ、プリパレーションズ、アデンダ、システムズ・
アンド・プロセッシング」、第IV項および第V項に見出
せる。
【0030】化学増感は、化学増感剤および他の別の化
合物をハロゲン化銀エマルションに添加した後、高温に
おいて予め決められた時間、いわゆる化学的熟成するこ
とによって達成される。金、硫黄、還元剤、白金、セレ
ン、硫黄+金等の様々な化学増感剤によって化学増感で
きる。平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子形成および脱塩
後、少なくとも1種の金増感剤と少なくとも1種の硫黄
増感剤によって好ましく化学増感される。化学増感中、
曇り防止剤、安定剤、光学安定剤、超増感剤などのよう
な他の化合物を添加することによって、得られるハロゲ
ン化銀エマルションの写真性能を改良できる。
【0031】金増感は、金増感剤をエマルションに添加
し、そのエマルションを好ましくは40℃以上の高温で予
め決められた時間、撹拌することによって行われる。金
増感剤としては、通常、酸化数が+1価または+3価の
金化合物が使用できる。金増感剤の好ましい例は、米国
特許第2,399,083号公報に記載されているようなクロロ
金酸、およびクロロ金酸の塩並びに金錯体である。金増
感剤の具体例としては、クロロ金酸、クロロ金酸カリウ
ム、三塩化金、ナトリウム金チオスルフェート、カリウ
ム金チオシアナート、カリウムヨード金酸、テトラシア
ノ金酸、2-金スルホベンゾチアゾールメトクロライドお
よびアンモニウム金チオシアナートが挙げられる。
【0032】硫黄増感は、硫黄増感剤をハロゲン化銀エ
マルションに添加してそのエマルションを好ましくは40
℃以上の高温で予め決められた時間、撹拌することによ
り行われる。硫黄増感剤の有用な例としては、チオスル
ホナート、チオシアナート、スルフィナート、チオエー
テルおよび硫黄原子が挙げられる。
【0033】金増感剤および硫黄増感剤の量は、金増感
剤および硫黄増感剤の活性、ハロゲン化銀粒子の種類お
よび寸法、化学熟成の温度、pHおよび時間のような種
々の条件によって変化する。本発明において、金増感剤
の量は、好ましくは、銀1モルにつき1〜20mgであ
り、硫黄増感剤の量は、銀1モルにつき1〜100mgで
ある。また、化学熟成の温度は、好ましくは45℃以上、
特に50〜80℃である。pAgおよびpHは、任意の値を
とることができる。
【0034】化学増感中、金増感剤および硫黄増感剤を
添加する温度および順序は、特に限定されない。例え
ば、金増感剤および硫黄増感剤は、化学増感の初期段階
であるいはその後の段階で、同時にまたは別々に添加で
きる。通常、金増感剤および硫黄増感剤は、ハロゲン化
銀エマルションに水溶液、メタノール、エタノールおよ
びアセトンのような水混和性有機溶媒の溶液、あるいは
それらの混合液の状態で添加される。
【0035】安定剤は、硫黄増感剤の添加前であればい
つでも好ましく添加される。安定剤は、その作用が未だ
十分に理解されていないが、硫黄増感剤のための温浸安
定剤および配置指示剤として作用すると考えられる。好
ましくは、安定剤を硫黄化学増感剤の添加前に、銀1モ
ルにつき1〜500mg、特に10〜300mgの量で添加す
る。有用な安定剤の具体例としては、チアゾール誘導
体;ベンゾチアゾール誘導体;メルカプト置換された複
素環化合物(例えば、メルカプトテトラゾール、メルカ
プトトリアゾール、メルカプトジアゾール、メルカプト
ピリミジン、メルカプトアゾール等);アザインデン
(例えば、トリアザインデンおよびテトラアザインデン
等);トリアゾール;テトラゾール;並びにスルホン酸
誘導体およびベンゼンスルホン酸誘導体が挙げられる。
アザインデン、特に、テトラアザインデンが好ましく使
用される。
【0036】さらに、ハロゲン化銀粒子エマルション
を、所望の可視領域に光学増感してもよい。スペクトル
増感の方法は、特に限定されないが、例えば、シアニン
染料、メロシアニン染料、錯体シアニンおよびメロシア
ニン染料、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、
スチリル染料およびストレプトシアニン染料を含む光学
増感剤を単独でまたは組み合わせて用いることにより光
学増感してよい。有用な光学増感剤としては、キノリ
ン、ピリジン、イソキノリン、ベンズインドール、オキ
サゾール、チアゾール、セレナゾール、イミダゾールか
ら誘導されるシアニン類が挙げられる。特に有用な光学
増感剤は、ベンズオキサゾール−、ベンズイミダゾール
−およびベンゾチアゾール−カルボシアニン系の染料で
ある。スペクトル増感剤の添加は、通常、化学増感の完
了後に行う。あるいは、スペクトル増感は、化学増感と
同時に行うことも、化学増感の前に行うこともでき、ハ
ロゲン化銀の沈殿完了前に開始することもできる。化学
増感前にスペクトル増感を行うと、平板状粒子の結晶面
上でのスペクトル増感染料の優先的な吸収が、平板状粒
子の異なる結晶面で選択的に化学増感を起こさせると考
えられる。好ましくは、スペクトル増感剤は、ハロゲン
化銀粒子の表面上で吸収された場合、J凝集体と、水溶
液中の遊離染料の最大吸収に基づく深色効果によるシャ
ープな吸収バンド(J−バンド)を生成する。
【0037】感光性ハロゲン化銀粒子の表面で吸収され
るスペクトル増感染料に基づくシャープな吸収バンド
(J−バンド)の強度が、選ばれる特定の染料の量およ
びその粒子の寸法や化学組成によって変化することは、
X線写真材料の分野では既知である。ハロゲン化銀粒子
の合計表面積の単層被覆重量の25〜100%またはそれ以
上の濃度のJ−バンドスペクトル増感染料によって吸収
される上述の寸法および化学組成のハロゲン化銀粒子の
J−バンド強度が最も大きい。最適な染料濃度基準は、
ハロゲン化銀1モルにつき0.5〜20ミリモル、好ましく
は2〜10ミリモルの範囲で選ばれる。J−凝集体を生成
するスペクトル増感染料は、当業者に周知であり、例え
ば、F. M. Hamer著、シアニン・ダイズ・アンド・リレ
イテッド・コンパウンズ、John Wiley and Sons出版、
1964年、第XVII章、およびT. H. James著、ザ・セ
オリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス、第
4版、MacMillan出版、1977年、第8章に記載され
ている。
【0038】好ましい形態において、J−バンド励起染
料は、シアニン染料である。そのような染料は、メチン
基の結合によって連結された2種の基本的な複素環核か
ら成る。複素環核は、好ましくはJ凝集を高めるために
融合されたベンゼン環を包含する。複素環核は、好まし
くは、キノリニウム、ベンズオキサゾリウム、ベンゾチ
アゾリウム、ベンゾセレナゾリウム、ベンズイミダゾリ
ウム、ナフトオキサゾリウム、ナフトチアゾリウムおよ
びナフトセレナゾリウム4級塩である。
【0039】メチン結合で連結されたシアニン染料とし
ては、ピロリドン、オキサゾリン、チアゾリン、ピロー
ル、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、テトラ
ゾールおよびピリジン;および脂環式炭化水素または芳
香族炭化水素を上述の核(例えば、インドレニン、ベン
ズインドレニン、インドール、ベンズオキサゾール、ナ
フトオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ベンズイミダゾールおよびキ
ノリン)と融合して得られる核のような、2種の基本的
な複素環核が挙げられる。これらの核は、置換基を有す
ることができる。
【0040】メチン結合で連結されたメロシアニン染料
としては、上述の種類の基本的な複素環核および酸性核
(例えば、バルビツール酸、2-チオバルビツール酸、ロ
ーダニン、ヒダントイン、2-チオヒダントイン、4-チオ
ヒダントイン、2-ピラゾリン-5-オン、2-イソオキサゾ
リン-5-オン、インダン-1,3-ジオン、シクロヘキサン-
1,3-ジオンおよびイソキノリン-4-オンから生成された5
-または6-員で構成される複素環核)が挙げられる。
【0041】好ましい染料は、下記の式で表される種類
のシアニン染料である。
【化3】
【0042】上記の式において、n、mおよびdは、独
立して、0または1を表し;Lは、メチン結合(例え
ば、=CH-、≡C(C2H5)等)を表し;R1およびR2はそれ
ぞれ、置換または未置換のアルキル基、好ましくは炭素
数1〜4の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、シクロヘキシルおよびドデシル)、
ヒドロキシアルキル基(例えば、β-ヒドロキシエチル
およびΩ-ヒドロキシブチル)、アルコキシアルキル基
(例えば、β-メトキシエチルおよびΩ-ブトキシエチ
ル)、カルボキシアルキル基(例えば、β-カルボキシ
エチルおよびΩ-カルボキシブチル)、スルホアルキル
基(例えば、β-スルホエチルおよびΩ-スルホブチ
ル)、スルフェートアルキル基(例えば、β-スルフェ
ートエチルおよびΩ-スルフェートブチル)、アシロキ
シアルキル基(例えば、β-アセトキシエチル、γ-アセ
トキシプロピルおよびΩ-ブチリロキシブチル)、アル
コキシカルボニルアルキル基(例えば、β-メトキシカ
ルボニルエチルおよびΩ-エトキシカルボニルブチ
ル)、ベンジル、フェネチルまたは炭素数30までのアリ
ール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル、クロロ
フェニルおよびナフチル)を表し;Xは、酸性アニオン
(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ素化物、チオシアナー
ト、スルフェート、パークロレート、p-トルエンスルホ
ネートおよびメチルスルフェート)を表し;pが0の場
合、メチン結合は分子内塩を形成し;Z1およびZ2は、
同一または異なって、同一の一つまたは縮合された5-も
しくは6-員で構成される複素環核を形成するのに必要な
非金属原原子(ベンゾチアゾール、3-、5-、6-または7-
クロロベンゾチアゾール、4-、5-または6-メチルベンゾ
チアゾール、5-または6-ブロモベンゾチアゾール、4-ま
たは5-フェニルベンゾチアゾール、4-、5-または6-メト
キシベンゾチアゾール、5,6-ジメチルベンゾチアゾール
および5-または6-ヒドロキシベンゾチアゾール等のベン
ゾチアゾール核;α-ナフトチアゾール、β-ナフトチア
ゾール、5-メトキシ-β-ナフトチアゾール、5-エトキシ
-α-ナフトチアゾールおよび8-メトキシ-α-ナフトチア
ゾール等のナフトチアゾール核;ベンゾセレナゾール、
5-クロロ-ベンゾセレナゾールおよびテトラヒドロベン
ゾセレナゾール等のベンゾセレナゾール核;α-ナフト
セレナゾールおよびβ-ナフトセレナゾール等のナフト
セレナゾール核;ベンズオキサゾール、5-または6-ヒト゛ロキ
シヘ゛ンス゛オキサソ゛ール、5-クロロ-ベンズオキサゾール、5-または6-
メトキシベンズオキサゾール、5-フェニルベンズオキサ
ゾールおよび5,6-ジメチルベンズオキサゾール等のベン
ズオキサゾール核;α-ナフトオキサゾールおよびβ-ナ
フトオキサゾール等のナフトオキサゾール核;2-キノリ
ン、6-、7-または8-メチル-2-キノリン、4-、6-または8
-クロロ-2-キノリン、5-、6-または7-エトキシ-2-キノ
リンおよび6-または7-ヒドロキシ-2-キノリン等の2-キ
ノリン核;4-キノリン、7-または8-メチル-4-キノリン
および6-メトキシ-4-キノリン等の4-キノリン核;ベン
ズイミダゾール、5-クロロ-ベンズイミダゾールおよび
5,6-ジクロロ-ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾ
ール核;4-または5-メチルチアゾール、5-フェニルチア
ゾールおよび4,5-ジメチルチアゾール等のチアゾール
核;4-または5-メチルオキサゾール、4-フェニルオキサ
ゾール、4-エチルオキサゾールおよび4,5-ジメチルオキ
サゾール等のオキサゾール核;および4-メチルセレナゾ
ールおよび4-フェニルセレナゾール等のセレナゾール
核)を表す。上述の種類の範囲内において特に好ましい
染料は、内部塩基を有するものおよび/または上述のベ
ンズオキサゾール核およびベンズイミダゾール核から誘
導されるものである。通常のメチン系スペクトル増感染
料は、以下に列挙するものを包含する。
【0043】
【化4】
【化5】
【0044】メチン系スペクトル増感染料は、通常、当
該分野において既知である。具体的には、米国特許第2,
503,776号公報;同第2,912,329号公報;同第3,148,187
号公報;同第3,397,060号公報;3,573,916号公報;およ
び3,822,136号公報並びにフランス国特許第1,118,778号
公報等に記載されている。写真エマルションにおけるそ
の使用は周知であり、感度/曇り比の所望の値に対応す
る最適な濃度で使用される。スペクトル増感染料の最適
な濃度または最適に近い濃度は、通常、銀1モルにつ
き、10〜500mg、好ましくは50〜200mg、特に50〜10
0mgである。
【0045】スペクトル増感染料は、組み合わせて使用
すると、超増感(すなわち、染料単独の濃度から得られ
るスペクトル領域よりも広いスペクトル増感、または染
料の別の効果から生じるスペクトル増感)をもたらすこ
とがある。超増感は、スペクトル増感染料と、Gilman
著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング、第18号、418〜480ページ、1974年お
よび米国特許第2,933,390号公報;同第3,635,721号公
報;同第3,743,510号公報;同第3,615,613号公報;同第
3,615,641号公報;同第3,617,295号公報;および同第3,
635,721号公報に記載の、安定剤および曇り防止剤、現
像促進剤および抑制剤、蛍光漂白剤、界面活性剤および
帯電防止剤等の他の添加剤との選ばれた組み合わせによ
り得られる。
【0046】その後、得られたハロゲン化銀エマルショ
ンを、適した支持体上に塗布して、ハロゲン化銀写真材
料を調製する。本発明の方法によれば、ハロゲン化銀エ
マルションの塗布前に、水酸基またはスルホン酸基で表
される少なくとも2つの置換基を有するアリール化合物
を、銀1モルにつき0.03モル未満の量でハロゲン化銀エ
マルションに添加する。前記アリール化合物は、好まし
くは以下のものが挙げられる。
【化6】 (式中、R1およびR2はそれぞれ、水酸基およびスルホ
ン酸基から成る群より選ばれ、R3は、水酸基、スルホ
ン酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、
アルキルカルボキシル基およびカルボキシル基を表し、
mは、1〜4までの整数であり、およびnは、1〜6ま
での整数である。)
【0047】上式で表されるアリール化合物の有用な例
を以下に列挙する。
【化7】
【化8】
【0048】前記アリール化合物の量は、好ましくは銀
1モルにつき0.0001〜0.03モル、特に銀1モルにつき0.
001〜0.03モル、最も好ましくは銀1モルにつき0.005〜
0.03モルである。
【0049】例えば、アサインデン、トリアゾール、テ
トラゾール、イミダゾリウム塩、ポリヒドロキシ化合物
等の安定剤または曇り防止剤;ベンジルアルコール、ポ
リオキシエチレン系化合物等のような現像促進剤;クロ
マン、クマラン、ビスフェノール系等のような画像安定
剤;およびワックス、高級脂肪酸グリセリド、高級脂肪
酸の高級アルコールエステル等のような潤滑剤等の他の
添加物を、塗布前または塗布中にハロゲン化銀エマルシ
ョンに添加することができる。塗布助剤、現像液中での
浸透性変調剤、抑泡剤、帯電防止剤および艶消し剤を使
用してもよい。他の有用な添加剤については、リサーチ
・ディスクロージャー、第17643項、1978年12
月;リサーチ・ディスクロージャー、第18431項、19
79年8月;リサーチ・ディスクロージャー、第308119
項、第IV章、1989年12月;およびリサーチ・ディ
スクロージャー、第36544項、1994年9月に記載さ
れている。
【0050】適した支持体材料としては、ガラス、紙、
ポリエチレン被覆された紙、金属、ポリマーフィルム
(例えば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、ポリスチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等)が挙げられる。
【0051】好ましい感光性ハロゲン化銀写真材料は、
支持体(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート支持
体)の両面に塗布されたハロゲン化銀エマルション層を
含む、X線画像形成に使用される放射線感光性要素であ
る。好ましくは、ハロゲン化銀エマルションは、1つの
面につき1.5〜3g/m2の範囲の銀被覆量で支持体上に
塗布される。放射線感光性要素は、通常、増強スクリー
ンから発光される放射線で露光されるように、増強スク
リーンと結合している。増強スクリーンは、X線を画像
形成に有効な光(例えば、可視光)のような放射線に変
換する比較的薄い蛍燐光体層から成る。増強スクリーン
は、感光性要素が吸収する領域よりもよりも広範囲のX
線を吸収するものであって、有用な画像を得るのに必要
なX線照射量を低減するのに使用される。合計X線照射
量の25%以上を吸収する増強スクリーンが好ましく使用
される。蛍燐光体は、その化学組成に依存して、紫外
線、可視スペクトルの青色、緑色または赤色領域を発光
することができ、ハロゲン化銀エマルションは、スクリ
ーンによって発光される放射線の波長領域で増感され
る。増感は、上述のように,ハロゲン化銀粒子の表面で
吸収されるスペクトル増感染料を用いて行われる。
【0052】放射線要素には、例えば、下塗り層、界面
活性剤、フィルター染料、中間体層、保護層、ハレーシ
ョン防止層、バリヤー層、染料下地層、現像抑制化合
物、感光速度増進剤、安定剤、可塑剤、化学増感剤、U
V吸収剤等のような他の層および添加剤も含み得る。染
料下地層は、二重被覆されたハロゲン化銀X線写真材料
が混ざり合わないようにするのに特に有用である。周知
の染料下地層は、米国特許第4,900,652号公報;同第4,8
55,221号公報;同第4,857,446号公報;および同第4,80
3,150号公報に記載されている。好ましくは、少なくと
も2種のハロゲン化銀エマルションを塗布する前に、支
持体の少なくとも片面、特に支持体両面上に染料下地層
を塗布する。
【0053】好ましくは、ハロゲン化銀X線写真材料を
予め硬化する。有機または無機硬化剤の例としては、ク
ロム塩(例えば、クロムミョウバン、酢酸クロム)、ア
ルデヒド(例えば、ホルムアルデヒドおよびグルタルア
ルデヒド)、イソシアネート化合物(ヘキサメチレンジ
イソシアネート)、活性なハロゲン化合物(例えば、2,
4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン)、エポキシ化
合物(例えば、テトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル)、N-メチロール誘導体(例えば、ジメチロー
ルウレア、メチロールジメチルヒダントイン)、アジリ
ジン、ムコハロゲノ酸(例えば、ムコ塩素酸)、活性な
ビニル誘導体(例えば、ビニルスルホニル誘導体および
ヒドロキシ置換されたビニルスルホニル誘導体)等が挙
げられる。周知の硬化剤に関する他の文献は、リサーチ
・ディスクロージャー、1989年12月、第308巻、第30811
9項、第X章;およびリサーチ・ディスクロージャー、1
994年9月、第365巻、第36544項、第II章(b)に見出せ
る。写真材料並びに種々の層および添加剤の詳細な説明
は、リサーチ・ディスクロージャー、第17643項、19
78年12月;リサーチ・ディスクロージャー、第1843
1項、1979年8月;リサーチ・ディスクロージャー
第18716項、1979年11月;リサーチ・ディスクロ
ージャー、第22534項、1983年1月;リサーチ・デ
ィスクロージャー、第308119項、1989年12月;お
よびリサーチ・ディスクロージャー、第36544項、19
94年9月に見出せる。
【0054】ハロゲン化銀写真材料は、従来のプロセス
技術によって露光および現像できる。ジヒドロキシベン
ゼン(例えば、ヒドロキノン)、ピラゾリドン(1-フェ
ニル-3-ピラゾリドンまたは4,4-ジメチル-1-フェニル-3
-ピラゾリドン)およびアミノフェノール(例えば、N-
メチル-p-アミノフェノール)のような既知の現像剤
を、単独でまたはそれらを組み合わせて現像液に添加す
ることもできる。好ましくは、ハロゲン化銀写真材料
は、主要な現像剤としてのジヒドロキシベンゼン、およ
び補助現像剤としてのピラゾリドンとp-アミノフェノー
ルを含む現像液中で現像する。例えば、曇り防止剤(ベ
ンゾトリアゾール、インダゾール、テトラゾール)、ハ
ロゲン化銀溶媒(チオスルフェート、チオシアナー
ト)、沈殿防止剤(アミノポリカルボン酸、アミノポリ
ホスホン酸)、亜硫酸塩系酸化防止剤、緩衝液、抑制
剤、硬化剤、コントラスト促進剤、界面活性剤等のよう
な他の周知の添加剤を、現像剤中に含有していてよい。
KOH、NaOHおよびLiOHのような無機アルカリ
液を現像剤組成物に添加して、所望のpH(通常、pH
10以上)を得る。
【0055】ハロゲン化銀写真材料は、要求される用途
に対して通常の組成の定着剤を用いて現像することがで
きる。適した定着剤としては、チオスルフェート、チオ
シアネート、スルファイト、アンモニウム塩等が挙げら
れる。定着剤組成は、例えば、酸化合物(メタビスルフ
ェート)、緩衝液(カルボン酸、酢酸)、硬化剤(アル
ミニウム塩)、トーン改良剤等のような他の周知の添加
剤を含むことができる。
【0056】露光されたX線写真材料は、通常の現像法
で現像できる。そのような現像法は、前述のリサーチ・
ディスクロージャー、第17643項、1978年12月;
およびリサーチ・ディスクロージャー、第36544項、1
994年9月に記載されている。米国特許第3,025,779
号公報;同第3,515,556号公報;同第3,545,971号公報お
よび同第3,647,459号公報、並びに英国特許第1,269,268
号公報に記載のローラー転写現像が特に好ましい。米国
特許第3,232,761号公報に記載の硬化現像も使用でき
る。
【0057】ハロゲン化銀エマルションの調製方法や、
エマルション中および感光性要素中の特定成分の使用に
関しての文献は、リサーチ・ディスクロージャー、第38
957項、1996年9月の、特に以下の章に見い出せ
る。 I.エマルション粒子およびその調製 II.ビヒクル、ビヒクル増量剤、ビヒクル様の助剤およ
びビヒクルに関連した助剤 III.エマルション洗浄 IV.化学増感 V.スペクトル増感と感度抑制 VI.UV染料/蛍光増白剤/蛍光染料 VII.曇り防止剤および安定剤 VIII.吸収および散乱物質 IX.被覆物理特性変調助剤 X.染料画像形成剤および変調剤 XI.層および層配置 XV.支持体
【0058】
【実施例】以下の非限定的な実施例において本発明を詳
細に記載する。以下の実施例中に記載の量はいずれも、
特に限定しない限り、得られるハロゲン化銀エマルショ
ン中の銀1モルに対する量である。実施例1 試料1(対照試料): 平均粒径1.25μm、平均粒子厚0.
18μm、COV37%および合計ハロゲン化物イオンに対
するヨウ化物含量0.9モル%のヨウ化臭化銀エマルショ
ンを、ダブルジェット法で調製した。エマルションは、
硫黄増感剤、金増感剤、水銀増感剤およびパラジウム増
感剤と、スペクトル増感染料として5,5'-ジクロル-9-エ
チル-3,3'-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニ
ンのトリエチルアンモニウム塩を用いて化学増感および
スペクトル増感した。上記エマルションを60℃で約120
〜130分温浸した後、冷却する前に、ヨウ化カリウム200
mgと5-メチル-7-ヒドロキシ-2,3,4-トリアゾインドリ
ジン(4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザイン
デン)1366mgで連続的に安定化した。増感したハロゲ
ン化銀エマルションを、45℃で溶融し、実験的に塗布試
験した。塗布助剤として、硝酸カルシウム約1293mg、
アゾジカルボン酸ジモルホリド80mg、ポリエチルアク
リレート(水/ラウリルスルフェート367mgの混合液
中の20%分散液)18338mg、ゲル増量剤としてのデキ
ストラン[ファーマコスモス(Pharmacosmos)製]66738
mg、色度調整剤としてのColanyl blue(登録商標)
[ヘキスト・ケミカル・カンパニー製]267mgを添加し
た。SSMAコポリマー[スチレンスルホン酸と無水マ
レイン酸のコポリマー、アクアネス・コーポレーション
(Aquaness Corp.、米国テキサス州)製]3774mgを添
加する前に、pHを6.3に調節した。
【0059】得られたハロゲン化銀エマルションを即座
に、硬化剤を含有する通常の帯電防止トップコートで被
覆した青色の7miL厚のポリエステル支持体の2面に
塗布した。塗布速度は8.3m/分であり、銀被覆重量は
1面につき約2.25gであった。新しいフィルム試料を38
℃で3日間保持した後、2枚のTrimax(登録商標)中型
スクリーン(イメイション・コーポレイション製、米国
ミネソタ州)を用いて75Kvおよび300mAで0.06秒間
X線露光に付した。露光したフィルムを、標準試薬:X
AD3現像液およびXAF3定着液(いずれも、イメイ
ション・コーポレイション製、米国ミネソタ州)を用い
た乾燥医療用X線フィルム自動現像機(イメイション・
コーポレイション製、米国ミネソタ州)によって、90秒
間現像した。感度測定結果を表1に示す。
【0060】試料2(本発明):別のコーティング試験
中に化合物1(4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスル
ホン酸2ナトリウム塩)を、銀1モルあたり7.26g(こ
れは、銀1モルにつき前記化合物0.023モルに相当し、
かつ被覆されたフィルム1m2当たり300mgに相当す
る。)加えたこと以外は、同じエマルションと同じ増感
法を用いて試料1の手順を繰り返して、フィルム試料を
形成し、露光および現像した。感度測定結果を表1に示
す。
【0061】試料3(本発明):別のコーティング試験
中に化合物2(2,5−ジヒドロキシベンゼンジスルホン
酸2カリウム塩)を、銀1モルあたり5g(これは、銀
1モルにつき前記化合物0.0219モルに相当し、かつ被覆
されたフィルム1m2当たり209mgに相当する。)加え
たこと以外は、同じエマルションと同じ増感法を用いて
試料1の手順を繰り返して、フィルム試料を形成し、露
光および現像した。感度測定結果を表1に示す。
【0062】試料4(本発明):別のコーティング試験
中に化合物3(2,5−ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジスル
ホン酸2カリウム塩)を、銀1モルあたり7.55g(これ
は、銀1モルにつき前記化合物0.0218モルに相当し、か
つ被覆されたフィルム1m2当たり315mgに相当す
る。)加えたこと以外は、同じエマルションと同じ増感
法を用いて試料1の手順を繰り返して、フィルム試料を
形成し、露光および現像した。感度測定結果を表1に示
す。
【0063】
【表1】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 全ての速度値は、Dmin上の0.1LogEを測定し、
対照試料の感度は、100に規定した。表1の結果から
は、試料3および4が、感度を低下させることなくDm
inを低減することが分かる。その結果、速度とDmi
n比は、特許請求の範囲に定義したように向上する。
【0064】実施例2 試料5〜8: X線露光に付する前に、38℃で3日間保持
した後、11週間エージングしたこと以外は、同じエマル
ションと同じ増感法を用いて試料1〜4の手順をそれぞ
れ繰り返して、フィルム試料5〜8を形成し、露光およ
び現像した。感度測定結果を表2に示す。
【0065】
【表2】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表2には、エージング後、全ての化合物が、感度を僅か
に高めてDminを低下させることが明示されている。
その結果、速度/Dmin比は、実質上向上する。
【0066】実施例3 試料9〜12: X線露光に付する前に、38℃で3日間保
持した後、12週間エージングしたこと以外は、同じエマ
ルションと同じ増感法を用いて試料1〜4の手順をそれ
ぞれ繰り返して、フィルム試料9〜12を形成し、露光
および現像した。感度測定結果を表3に示す。
【0067】
【表3】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表3からは、12週間後、本発明の化合物を含む全てのフ
ィルムが有用性を保持していることが分かる。
【0068】実施例4 試料13〜16: X線露光に付する前に、38℃で3日間
保持した後、13週間エージングしたこと以外は、同じエ
マルションと同じ増感法を用いて試料1〜4の手順をそ
れぞれ繰り返して、フィルム試料9〜12を形成し、露
光および現像した。感度測定結果を表4に示す。
【0069】
【表4】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表4からは、13週間後、本発明のフィルムが、対照フィ
ルムに比べて、より低いDminおよびより高い感度を
保持していることが分かる。このことは、本発明の化合
物がいずれも、速度/Dmin比を実質上高め、かつエ
ージング時の感度特性を保護するのに有用であることを
表している。
【0070】実施例5 試料17(対照試料): 試料1の手順をそれぞれ繰り返
して、対照試料17を形成し、露光および現像した。感
度測定結果を表5に示す。
【0071】試料18(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を銀1モルに対して1.89g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0055モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり79mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料18の手順を繰り返
して、本発明の試料18を形成し、露光および現像し
た。感度測定結果を表5に示す。
【0072】試料19(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して3.78g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.011モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり158mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料17の手順をそれぞ
れ繰り返して、本発明の試料19を形成し、露光および
現像した。感度測定結果を表5に示す。
【0073】試料20(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して5.66g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0165モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり236mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料17の手順をそれぞ
れ繰り返して、本発明の試料20を形成し、露光および
現像した。感度測定結果を表5に示す。
【0074】試料21(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して7.55g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0218モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり315mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料17の手順をそれぞ
れ繰り返して、本発明の試料21を形成し、露光および
現像した。感度測定結果を表5に示す。
【0075】
【表5】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表5のデータは、本発明の化合物の1つである、化合物
3の良好な結果を示している。銀1モルにつき0.0055〜
0.022モルの間の化合物3の量が、速度を高めかつDm
inを低減できることから、実質上速度/Dmin比を
向上させることが分かった。
【0076】実施例6 試料22(対照試料): 試料17と同様にして、対照試
料22を形成し、露光および現像した。感度測定結果を
表6に示す。
【0077】試料23(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して1.89g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0055モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり79mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料22と同様にして本
発明の試料23を形成し、露光および現像した。感度測
定結果を表6に示す。
【0078】試料24(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルにつき化合物0.
011モルおよび被覆されたフィルム1m2当たりにつき化
合物158mgとなるように、銀1モルに対して3.78g添
加したこと以外は、試料22と同様にして本発明の試料
24を形成し、露光および現像した。感度測定結果を表
6に示す。
【0079】試料25(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して5.66g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0165モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり236mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料22と同様にして本
発明の試料25を形成し、露光および現像した。感度測
定結果を表6に示す。
【0080】試料26(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物3(2,5-ジヒドロキシ-1,4-ベンゼンジ
スルホン酸ジカリウム塩)を、銀1モルに対して7.55g
(これは、銀1モルにつき前記化合物0.0218モルに相当
し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり315mgに相当
する。)添加したこと以外は、試料22と同様にして本
発明の試料26を形成し、露光および現像した。感度測
定結果を表6に示す。
【0081】
【表6】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表6のデータは、本発明の化合物の1つである、化合物
3の良好な結果を示している。銀1モルにつき0.0055〜
0.022モルの間の化合物3の量が、速度を高めかつDm
inを低減できることから、実質上速度/Dmin比を
向上させることが分かった。
【0082】実施例7 試料27(対照試料): 試料17と同様にして、対照試
料27を形成し、露光および現像した。感度測定結果を
表7に示す。 本発明の試料28:別のコーティング試験中に、化合物
4(2,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸ジナ
トリウム塩)を、銀1モルに対して1.73g(これは、銀
1モルにつき前記化合物0.0055モルに相当し、かつ被覆
されたフィルム1m2当たり72mgに相当する。)添加
したこと以外は、試料27と同様にして本発明の試料2
8を形成し、露光および現像した。感度測定結果を表7
に示す。
【0083】試料29(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物4(2,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジ
スルホン酸ジナトリウム塩)を、銀1モルに対して3.46
g(これは、銀1モルにつき前記化合物0.011モルに相
当し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり144mgに相
当する。)添加したこと以外は、試料27と同様にして
本発明の試料29を形成し、露光および現像した。感度
測定結果を表7に示す。
【0084】試料30(本発明):別のコーティング試
験中に、化合物4(2,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジ
スルホン酸ジナトリウム塩)を、銀1モルに対して6.92
g(これは、銀1モルにつき前記化合物0.022モルに相
当し、かつ被覆されたフィルム1m2当たり288mgに相
当する。)添加したこと以外は、試料27と同様にして
本発明の試料30を形成し、露光および現像した。感度
測定結果を表7に示す。
【0085】
【表7】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 表7のデータは、銀1モルにつき0.022モル以下の
化合物4の量が、速度を高めかつDminを低減できる
ことから、実質上速度/Dmin比を向上させることが
分かった。
【0086】実施例8 試料31(対照試料): 試料1と同様にして、対照試料
31を形成し、フィルム試料を38℃で3日間または50℃
で5日間に保持した後、露光および現像した。感度測定
結果を表8に示す。
【0087】試料32〜43(本発明):別のコーティ
ング試験中に、表8に列挙した各化合物を、銀1モルに
つき0.022モル添加したこと以外は、試料30と同様に
して各試料を形成し、露光および現像した。感度測定結
果を表8に示す。
【0088】
【表8】 表中、量は、前述の如く、ハロゲン化銀中の銀1モルに
対する量を表す。比+は、下式から算出した。 比=(速度)/(Dmin)×100 また、表中、n.m.は測定不可を表す。表8のデータは、
本発明の範囲外の化合物に比べて、本発明の範疇にある
化合物が良好な結果であることを明示している。上記試
料において使用した化合物5〜15の化学式を表9にま
とめる。
【0089】
【表9】
【0090】
【発明の効果】本発明は、ハロゲン化銀写真材料内に含
まれるハロゲン化銀エマルションの調製方法において、
アリール誘導体を使用することにより、低いDminと高
い感光速度、および高いフィルム貯蔵性を達成すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)ハロゲン化銀エマルションを調製す
    る工程、(II)該ハロゲン化銀エマルションを化学増感お
    よび光学的増感する工程、および(III)ハロゲン化銀エ
    マルションを支持体に塗布する工程を含むハロゲン化銀
    写真材料の作製方法であって、前記工程(III)の前に、
    水酸基またはスルホン酸基で表される少なくとも2つの
    置換基を有するアリール化合物を銀1モルにつき0.03モ
    ル未満の量で前記ハロゲン化銀エマルションに添加する
    工程を含むハロゲン化銀写真材料の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記アリール化合物がベンゼンまたはナ
    フチレン誘導体である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記アリール化合物が式(1)および
    (2): 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ、水酸基およびスルホ
    ン酸基から成る群より選ばれ、R3は、水酸基、スルホ
    ン酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、
    アルキルカルボキシル基およびカルボキシル基を表し、
    mは、1〜4までの整数であり、およびnは、1〜6ま
    での整数である。)で表される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つのハロゲン化銀エマルシ
    ョン層で被覆された支持体を含むハロゲン化銀写真材料
    であって、該ハロゲン化銀エマルション層が、水酸基ま
    たはスルホン酸基で表される少なくとも2つの置換基を
    有するアリール化合物を銀1モルにつき0.03モル未満の
    量で含有することを特徴とするハロゲン化銀写真材料。
  5. 【請求項5】 前記アリール化合物が式(1)および
    (2): 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ、水酸基およびスルホ
    ン酸基から成る群より選ばれ、R3は、水酸基、スルホ
    ン酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルキル基、
    アルキルカルボキシル基およびカルボキシル基を表し、
    mは、1〜4までの整数であり、およびnは、1〜6ま
    での整数である。)で表される請求項4記載のハロゲン
    化銀写真材料。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀エマルションが、平均
    粒径と厚さの比であるアスペクト比少なくとも2:1の
    柱状粒子ハロゲン化銀のエマルションである請求項4記
    載のハロゲン化銀写真材料。
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