JPH11142315A - 固体の熱分解反応の解析方法 - Google Patents
固体の熱分解反応の解析方法Info
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Abstract
御)法を実施して特定の解析手法で解析することによ
り、反応モデル式f(α)が未知であっても、熱分解反
応の活性化エネルギEの算出を可能にする。 【解決手段】 二種類の反応速度Ca、Cbを周期的に
繰り返して熱重量曲線を測定する。試料温度Ta,Tb
をデータ補完する。反応率αに達した時点における試料
温度Ta,Tbと、Ca,Cbを用いて、特定の数式で
活性化エネルギEを算出する。また、得られた活性化エ
ネルギEをもとにln[exp(E/RT)・C]を算出
し、複数の仮想反応モデル式と比較する。そして、もっ
とも近似する関係にある反応モデル式f(α)を求める。
さらにln(f(α))とln[exp(E/RT)・C]の
差から、前指数因子Aを求める。
Description
応の反応速度論的な解析方法に関し、特に、熱分解反応
の質量変化速度が一定になるように試料温度を制御し
て、そこで得られた熱重量曲線に基づいて熱分解反応を
解析する解析方法に関する。
み具合に応じて反応速度が変化していく。反応の進み具
合は反応率αで表し、この反応率αは次の(4)式で定
義される。
(4) ここで、α:反応率 Wi:熱分解反応の始期の試料重量 Wf:熱分解反応の終期の試料重量 W:熱分解反応の任意の時点の試料重量
(dα/dt)であり、この反応速度は、固体の熱分解
反応の一般的な反応速度式として、次の(1)式で表す
ことができる。
(α)は、反応率αに応じて反応速度がどのように変化す
るかを表現したものであり、αのみの関数になってい
る。特定の熱分解反応を解析しようとする場合に、一般
に、(1)式における、活性化エネルギEと、反応モデ
ル式f(α)の関数形と、前指数因子とは未知である。こ
れらを明らかにすることができれば、試料温度Tと反応
率αとに応じてどのように反応速度が変化するかを解明
できたことになる。
157(1990)171-179に記載されており、この論文には反応
モデル式f(α)の関数形も多く紹介されている。
料の重量変化を観測するには、熱重量測定法を用いるこ
とになる。固体の熱分解反応を観測するには、試料温度
を一定にして重量変化を観測する方法(等温法)と、試
料を等速昇温させて試料の重量変化を観測する方法(非
等温法のうちの等速昇温法)とがよく知られている。等
温法は高精度ではあるが、時間がかかるという問題があ
る。等速昇温法は、等温法よりも簡便なため、よく利用
されるが、試料内の温度分布・圧力分布・粒度分布が不
均一な状態で測定することになるため、測定精度が劣る
という問題がある。
の質量変化速度に応じて試料の昇温速度を変化させるよ
うな熱重量測定方法が開発されている(特開平7−26
0662号公報参照)。このように、昇温速度を変化さ
せる熱分析方法を、CRTA(Controlled Rate Therma
l Anallysis 、速度制御熱分析)法と呼んでいる。
応速度式とCRTA法とを利用して、熱分解反応の活性
化エネルギE、反応モデル式f(α)、および前指数因子
Aを簡易かつ高精度に求めるための新しい手法を提供す
ることにある。
て、反応率αの時間的変化(dα/dt)は反応速度C
であり、これは、熱重量測定で求めることのできる質量
変化速度(dW/dt)の絶対値に等しい。この反応速
度Cが一定になるように試料温度Tを制御する場合を考
えると、上述の(1)式の左辺はCとなって、次の
(5)式のように変形できる。 ln(1/f(α))=ln(A/C)−(E/RT) … (5)
/T)とが直線関係になることを示している。すなわ
ち、グラフの縦軸にln(1/f(α))を、横軸に試料温
度Tの逆数(1/T)をとって、反応率αと試料温度T
の関係をプロットすると、両者が直線関係になる。そし
て、その直線の傾きが(−E/R)になり、切片がln
(A/C)になる。
る熱分解反応について、その反応モデル式f(α)の関
数形が未知であるから、ln(1/f(α))を求めること
ができない。そこで、n種類の反応モデル式f(α)を仮
定すれば、n種類の直線関係が得られることになる。図
1は、このn種類の直線関係を模式的に示したグラフで
ある。縦軸はln(1/f(α))、横軸は(1/T)であ
る。直線の傾きは(−E/R)に等しいから、それぞれ
の直線の傾きを実測することで、n種類の活性化エネル
ギの仮定値Ei(i=1〜n)を得ることができる。な
お、図1では、5種類の反応モデル式を仮定している。
について、どの反応モデル式f(α)が実際の熱分解反応
に一番近いものであるのか決定することができず、それ
ゆえに、熱分解反応の活性化エネルギEがいくらなのか
を決定をすることができない。
類の反応速度CaとCbで熱重量曲線を測定することを
考える。すなわち、まず、反応速度が一定値Caとなる
ように試料温度を制御して熱重量曲線を測定し(第1の
測定)、次に、反応速度が一定値Cbとなるように試料
温度を制御して熱重量曲線を測定する(第2の測定)。
これに対して、上述の(5)式を変形すれば、次の
(6)式と(7)式が得られる。これらを整理すると
(2)式が得られる。
温度を意味し、Tbは、第2の測定における試料温度を
意味する。
まないので、反応モデル式f(α)が未知であっても、活
性化エネルギEを求めることができる。すなわち、複数
の異なる反応速度を用いて、反応速度が一定となるよう
な熱重量測定法を実施することで、反応モデル式f(α)
が未知であっても熱分解反応の活性化エネルギEを求め
ることができる。
解反応の活性化エネルギEを求めるために、第1の測定
および第2の測定といった複数の熱重量測定が必要とな
るので、トータルの測定時間が長くなり、しかも測定に
手間がかかるという問題がある。
よって簡易かつ高精度に熱分解反応の活性化エネルギE
を求める方法を発明した。すなわち、試料の質量変化速
度(dW/dt)の絶対値(これは、dα/dtに等し
い)が一定の第1反応速度Caになるように試料温度T
を変化させる工程と、試料の質量変化速度(dW/d
t)の絶対値(これは、dα/dtに等しい)が一定の
第2反応速度Cbになるように試料温度Tを変化させる
工程とを、反応率αの変化に対して周期的に繰り返し、
熱分解反応に起因する試料の重量変化を測定する。この
一回の測定により、上述の二回の測定(第1の測定,第
2の測定)に相当する実験曲線が得られることになる。
度Ca,Cbで得られる同一の反応率αに相当する温度
Ta,Tbを代入しなければならない。しかし、上記こ
の発明の熱重量測定では、各工程を反応率αの変化に対
して周期的に繰り返しているので、同一の反応率αに対
しては、第1反応速度Caに対応する試料温度Tのデー
タか、第2反応速度Cbに対応する試料温度Tのデータ
のいずれか一方しか得られない。
れた第1反応速度Caに対応する試料温度Tのデータを
抽出し、反応率αの変化に対する該試料温度Tのデータ
を補完して、前記第1反応速度Caに対応する連続的な
試料温度Tのデータを算出する。このデータ補完は、ス
プライン補完法などの周知のデータ補完法を利用してコ
ンピュータで自動的に処理することができるため、ユー
ザに煩雑な手間はかからない。
得られた第2反応速度Cbに対応する試料温度Tのデー
タを抽出し、反応率αの変化に対する該試料温度Tのデ
ータを補完して、前記第2反応速度Cbに対応する連続
的な試料温度Tのデータを算出する。
Ca,Cbで得られる同一の反応率αに相当する温度T
a,Tbを求めることが可能となる。すなわち、試料の
熱分解が特定の反応率αに達した時点における第1反応
速度Caに対応する試料温度Tを求めて、これを第1温
度Taとする。同様に、試料の熱分解が特定の反応率α
に達した時点における第2反応速度Cbに対応する試料
温度Tを求めて、これを第1温度Taとする。
a,Cb,Rを上述の(2)の式に代入することによ
り、特定の熱分解反応の活性化エネルギEが求まる。な
お、(2)の式において、Ca,Cb,Rは既知であ
る。
に変形する。 ln(f(α))+ln(A)=ln[exp(E/RT)・C] … (3)
右辺のln[exp(E/RT)・C]とは、互いに同じ
曲線を描くことがわかる。そこで、特定の熱分解反応に
ついて、反応モデル式f(α)の曲線をn種類(nは2
以上の自然数)仮定する。一方、特定の熱分解反応の活
性化エネルギE、ガス定数R、試料温度Tを用いて、l
n[exp(E/RT)・C]に関する曲線を求める。こ
のとき必要となる活性化エネルギEの値は、上述した各
方法で求めることができる。
(α)の曲線のうち、ln[exp(E/RT)・C]に
関する曲線ともっとも近似する曲線を示す反応モデル式
f(α)が、上記(3)式を満たす反応モデル式f(α)
であるため、上記仮定した反応モデル式f(α)の曲線
と、測定結果から求めたln[exp(E/RT)・C]
に関する曲線とを比較することにより、特定の熱分解反
応の反応モデル式f(α)を求めることができる。
おいて、その反応モデル式f(α)の直線の切片から、
前指数因子Aを求めることができる。しかし、図1の切
片に関する情報は、測定誤差によるバラツキがあるた
め、この方法では高精度に前指数因子Aを求めることが
できない。
定の熱分解反応の反応モデル式f(α)と、ln[exp
(E/RT)・C]との差がln(A)であることがわ
かる。本発明は、この関係に着目して、反応モデル式f
(α)とln[exp(E/RT)・C]との差から前指数
因子Aを高精度に算出するようにしている。
ル式f(α)の関数形、および前指数因子Aのすべてが
求められたことになり、熱分解反応が解明されたことに
なる。以上の説明では、二つの反応速度Ca、Cbを用
いているが、三つ以上の反応速度を用いて活性化エネル
ギEを求めることもできる。例えば、三つの反応速度C
a,Cb,Ccに対応する工程を、反応率αの変化に対
して周期的に繰り返し、熱分解反応に起因する試料の重
量変化を測定した後、各反応速度Ca,Cb,Ccに対
応する試料温度Tのデータを抽出し、反応率αの変化に
対する該試料温度Tのデータを補完して、各反応速度C
a,Cb,Ccに対応する連続的な試料温度Tのデータ
を算出する。そして、これら試料温度Tのデータから、
試料の熱分解が特定の反応率αに達した時点における各
反応速度Ca,Cb,Ccに対応する試料温度Ta,T
b,Tcを求めれば、次の(2),(8),(9)式に
より、特定の熱分解反応の活性化エネルギEを求めるこ
とができる。
な熱天秤を用いても実施可能であるが、以下に、熱天秤
の構成例を示す。図2は、この発明を実施するための熱
天秤の一例の概略構成を示す正面断面図である。
に測定試料容器12と標準試料容器14とがあり、これ
らの容器は試料ホルダ16で支持されている。二つの容
器12、14の周囲にはPt製またはNi製の均熱筒
(図示せず)が配置されている。保護管10の周囲に
は、合計4本の赤外線ランプ20があり、この赤外線ラ
ンプ20は楕円集光鏡22の焦点の位置に配置されてい
る。試料の温度は、容器12、14を支持する感熱板に
接着された示差熱電対18で測定できる。
の先端に支持されている。天秤ビーム24の他端には平
衝用分銅28があり、その先にスクリーン30が固定さ
れている。光源ランプ32からの光は、スクリーン30
を通過して光電素子34に入射する。試料ホルダ16の
重量変化は、光電素子34の出力変化として現れる。一
方、試料ホルダ16の下端には、磁石26と分銅36が
固定されている。光電素子34の出力は、天秤制御回路
38に入力され、この天秤制御回路38は、試料ホルダ
16の重量に応じて制御コイル40に電流を流す。すな
わち、試料ホルダ16の重量が制御コイル40にフィー
ドバックされる。そして、制御コイル40の電流に応じ
て磁石26に力が加わる。これにより、試料ホルダ16
の位置が保たれる。
プログラム自動温度制御装置42に入力される。また、
示差熱電対18で測定された示差熱温度は、直流増幅器
44で増幅されて、記録計46で記録される。また、天
秤制御回路38の出力、すなわち試料ホルダ16の重量
も、記録計46で記録される。
差熱電対18からの試料温度データと、天秤制御回路3
8からの重量データとが入力される。そして、このプロ
グラム自動温度制御装置42は、試料の重量変化速度が
一定になるように、赤外線ランプ20に電流を流して試
料温度を制御している。図2に示す赤外線加熱炉は、抵
抗加熱炉と比較して熱慣性が小さく、温度制御の応答性
に優れている。
には、試料を昇温しながら試料重量の時間的変化を測定
する。この実施形態では、試料の二種類の質量変化速度
が周期的に変化するように試料の昇温速度を制御する。
量変化と試料温度との関係を示すグラフである。グラフ
の縦軸は反応率αと試料温度Tを示し、横軸は測定時間
tを示している。図4は、図3に示した試料の重量変化
を時間で微分して得た質量変化速度と、試料温度との関
係を示すグラフである。なお、図4は図3に示す測定時
間50〜130までの領域に対応している。
a,Cb(各々一定の質量変化速度を意味する)は周期
的に繰り返されるように試料温度Tを制御して、熱重量
測定を実施することにより、図3に示すような試料の重
量変化を測定することができる。
対応する試料温度をTa、反応速度Cbに対応する試料
温度をTbとすると、特定の反応率αでの熱分解反応に
ついては、Ta,Tbのうちのいずれか一方の試料温度
しか得られない。例えば、図3において反応率α=−
0.4での熱分解反応は、試料温度Taのもとに行なわ
れている。
熱分解反応における活性化エネルギEを求めるには、同
一反応率αでの熱分解反応について、二種類の反応速度
Ca,Cbと、それに対応する試料温度Ta,Tbがわ
からなければならない。そこで、図4に示すごとく、試
料温度Ta,Tbについて、データがない領域Ta′,
Tb′を、周知のデータ補完法(例えば、スプライン
法)を用いてデータ補完する。
温度Ta,Tbと反応率αの関係を示すグラフである。
同図の四角マークでプロットした領域が試料温度Taの
実測データであり、それらを結ぶ実線がデータ補完した
領域を示す。また、黒丸でプロットした領域が、試料温
度Tbの実測データであり、それらを結ぶ実線がデータ
補完した領域を示す。
ータ補完を行なうことにより、同一反応率αでの熱分解
反応について、二種類の反応速度Ca,Cbに対応する
試料温度Ta,Tbが求められる。例えば、図5におい
て、反応率α=0.4での熱分解反応についての試料温
度Ta,Tbは、同図のTa(α=0.4),Tb(α
=0.4)となる。これらの試料温度Ta,Tb、およ
び反応速度Ca,Cbを既述した(2)式に代入するこ
とにより、特定の熱分解反応の活性化エネルギEを算出
することができる。
辺の関係をグラフにしたものである。同図のf
(a)1、f(a)2、f(a)3は仮想反応モデル式で
あり、三角マークおよび四角マークは、熱分析測定によ
り求めた活性化エネルギEに基づいて得られたln[ex
p(E/RT)・C]を示している。
形としては、例えば、新版 熱分析(神戸博太郎、小澤
丈夫 編/講談社サイエンティフィク/P67)に記載
されているが、それらのうちで比較的簡単な関数形を示
すと次のようなものがある。
(a)1、f(a)2、f(a)3を三角マークおよび四
角マークを結んだ曲線(ln[exp(E/RT)・C]
の曲線)と比較し、もっとも近似する曲線形状の仮想反
応モデル式も選択する。同図ではf(a)1がln[exp
(E/RT)・C]の曲線にもっとも近似している。こ
の比較結果から、本実施形態において実施した熱分解反
応に関する反応モデル式は、f(a)1であることがわ
かる。
縦軸とln(f(a))の縦軸とは、各々示す値が異な
っている。すなわち、ln[exp(E/RT)・C]の
曲線とf(a)1の曲線とは現実には縦軸方向にずれが
あり、その差が既述した(3)式のln(A)となる。
そこで、図6のグラフからln[exp(E/RT)・
C]とf(a)1の差を求めることにより、前指数因子
Aを求めることができる。
も二つの反応速度を周期的に変化させて熱分析測定を実
施し、その測定結果を特定の解析手法で解析することに
より、反応モデル式f(α)が未知であっても、熱分解
反応の活性化エネルギEを求めることができる。また、
この活性化エネルギEに基づいて、反応モデル式f
(α)の関数形や、反応速度式の前指数因子Aを求める
ことができる。
ロットして直線関係で表したグラフである。
示す正面断面図である。
温度との関係を示すグラフである。
得た質量変化速度と、試料温度との関係を示すグラフで
ある。
の関係を示すグラフである。
(a))の関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 固体の熱分解反応の反応速度式を次の
(1)式のように表した場合に、熱分解反応の活性化エ
ネルギEを以下の(イ)〜(ヘ)の操作によって求める
ことを特徴とする固体の熱分解反応の解析方法。 dα/dt=A・exp(−E/RT)・f(α) … (1) ここで、α=(Wi−W)/(Wi−Wf) α:反応率 Wi:熱分解反応の始期の試料重量 Wf:熱分解反応の終期の試料重量 W:熱分解反応の任意の時点の試料重量 t:時間 A:前指数因子 E:熱分解反応の活性化エネルギ R:ガス定数 T:試料温度 f(α):αの関数となる反応モデル式 (イ)少なくとも、試料の質量変化速度(dW/dt)
の絶対値(これは、dα/dtに等しい)が一定の第1
反応速度Caになるように試料温度Tを変化させる工程
と、試料の質量変化速度(dW/dt)の絶対値(これ
は、dα/dtに等しい)が一定の第2反応速度Cbに
なるように試料温度Tを変化させる工程とを、反応率α
の変化に対して周期的に繰り返し、熱分解反応に起因す
る試料の重量変化を測定する。 (ロ)前記測定で得られた第1反応速度Caに対応する
試料温度Tのデータを抽出し、反応率αの変化に対する
該試料温度Tのデータを補完して、前記第1反応速度C
aに対応する連続的な試料温度Tのデータを算出する。 (ハ)前記測定で得られた第2反応速度Cbに対応する
試料温度Tのデータを抽出し、反応率αの変化に対する
該試料温度Tのデータを補完して、前記第2反応速度C
bに対応する連続的な試料温度Tのデータを算出する。 (ニ)試料の熱分解が特定の反応率αに達した時点にお
ける前記第1反応速度Caに対応する試料温度Tを求め
て、これを第1温度Taとする。 (ホ)試料の熱分解が特定の反応率αに達した時点にお
ける前記第2反応速度Cbに対応する試料温度Tを求め
て、これを第1温度Taとする。 (ヘ)第1反応速度Ca、第2反応速度Cb、第1温度
Ta、第2温度Tbと、ガス定数Rとを用いて、次の
(2)式により、前記特定の熱分解反応の活性化エネル
ギEを求める。 ln(Cb/Ca)=(E/R){(1/Ta)−(1/Tb)} … (2) - 【請求項2】 試料の質量変化速度(dW/dt)の絶
対値(これは、dα/dtに等しい)を一定の反応速度
Cに制御したときの固体の熱分解反応の反応速度式を次
の(3)式のように表した場合に、反応モデル式f
(α)を以下の(ト)〜(ヌ)の操作によって求めるこ
とを特徴とする固体の熱分解反応の解析方法。 ln(f(α))+ln(A)=ln[exp(E/RT)・C] … (3) ここで、α=(Wi−W)/(Wi−Wf) α:反応率 Wi:熱分解反応の始期の試料重量 Wf:熱分解反応の終期の試料重量 W:熱分解反応の任意の時点の試料重量 f(α):αの関数となる反応モデル式 A:前指数因子 E:熱分解反応の活性化エネルギ R:ガス定数 T:試料温度 C:反応速度(一定) (ト)前記特定の熱分解反応について、反応モデル式f
(α)の曲線をn種類(nは2以上の自然数)仮定す
る。 (チ)試料の質量変化速度(dW/dt)の絶対値(こ
れは、dα/dtに等しい)が一定の反応速度Cになる
ように試料温度Tを変化させて、前記特定の熱分解反応
に起因する試料の重量変化を測定し、その測定データに
基づき、前記特定の熱分解反応の活性化エネルギEを求
める。 (リ)前記特定の熱分解反応の活性化エネルギE、ガス
定数R、試料温度Tを用いて、ln[exp(E/RT)
・C](前記(3)式の右辺)に関する曲線を求める。 (ヌ)前記(ト)で仮定した反応モデル式f(α)の曲
線と、前記(リ)で求めたln[exp(E/RT)・
C]に関する曲線とを比較し、もっとも近似する曲線を
示す反応モデル式f(α)を、前記特定の熱分解反応の
反応モデル式f(α)とする。 - 【請求項3】 請求項2記載の解析方法において、 請求項1記載の解析方法を用いて前記(チ)の操作を行
ない、前記特定の熱分解反応の活性化エネルギEを求め
ることを特徴とする固体の熱分解反応の解析方法。 - 【請求項4】 請求項2または3記載の解析方法におい
て、 前記求めた特定の熱分解反応の反応モデル式f(α)と、
ln[exp(E/RT)・C]との差に基づいて前指数
因子Aを求めることを特徴とする固体の熱分解反応の解
析方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30833897A JP3856173B2 (ja) | 1997-11-11 | 1997-11-11 | 固体の熱分解反応の解析方法 |
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JPH11142315A true JPH11142315A (ja) | 1999-05-28 |
JP3856173B2 JP3856173B2 (ja) | 2006-12-13 |
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CN111610119A (zh) * | 2019-02-25 | 2020-09-01 | 中国石油天然气股份有限公司 | 原油活化能测定方法 |
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-
1997
- 1997-11-11 JP JP30833897A patent/JP3856173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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