JPH11141537A - 弾性ヒンジ機構およびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置 - Google Patents

弾性ヒンジ機構およびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置

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JPH11141537A
JPH11141537A JP30176997A JP30176997A JPH11141537A JP H11141537 A JPH11141537 A JP H11141537A JP 30176997 A JP30176997 A JP 30176997A JP 30176997 A JP30176997 A JP 30176997A JP H11141537 A JPH11141537 A JP H11141537A
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elastic hinge
swing lever
rotation
measuring device
swing
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JP30176997A
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English (en)
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Nobuhisa Nishioki
暢久 西沖
Hisayoshi Sakai
久嘉 境
Ryosuke Watanabe
亮介 渡辺
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機構自体の簡略化および小型化を図るととも
に、制御操作を必要とせず、保守性に優れた弾性ヒンジ
機構、および計測装置を提供する。 【解決手段】 プローブ本体10に対して、所要剛性の
弾性ヒンジ部20を介して揺動レバー30を揺動回転可
能に保持し、プローブ本体10と揺動レバー30との間
に揺動レバー30の揺動回転を助勢する方向へ吸引作用
する投入エネルギー不要の吸引手段40を設ける。弾性
ヒンジ部20の回転位置の復元特性を、弾性ヒンジ部2
0に作用する外部トルクで定まる揺動レバー30の平衡
位置近傍の所定回転範囲内では、吸引作用の影響が少な
く弾性ヒンジ部20固有の高剛性に略等しいままの復元
特性に、また、所定回転範囲を超えると、吸引作用の増
加に従い次第に低剛性となる復元特性に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性ヒンジ機構お
よびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置に関する。詳
しくは、固定子または固定部材と、この固定子または固
定部材に対して揺動回転可能な回転子または揺動レバー
とによる微小回転機構を高精度のもとで構成するための
弾性ヒンジ機構およびその弾性ヒンジ機構を回転中心に
用いた計測装置に関する。たとえば、被測定面の表面粗
さや平面度、真円度などを計測するための計測装置に利
用できる。
【0002】
【背景技術】一般に、微小回転機構、特に、微小な回転
角を高精度で検出するための微小回転機構については、
装置を構成するための主な機構要素として、物質のもつ
固有の弾性を効果的に活用した弾性ヒンジ機構が知られ
ている。たとえば、素材物質の一部を比較的狭小に形成
した所要剛性の弾性ヒンジ部(内部が中実化されてお
り、与えられている剛性対応に外部から加えられる作用
力を撓みによって受容することが可能な構造)を固定子
側に設けるとともに、その弾性ヒンジ部を回転中心にし
て回転子側を相対的に揺動回転可能に設けた構造の弾性
ヒンジ機構が知られている。
【0003】このような固定子側の弾性ヒンジ部を回転
中心として回転子側を揺動回転可能に構成した高精度微
小回転機構の適用例としては、たとえば、被測定面の表
面粗さや平面度などを計測するための計測装置(計測プ
ローブ)がある。これらの計測装置は、基本的には、固
定側に対して所要剛性の弾性ヒンジ部からなる回転中心
を通して揺動レバーを配設するとともに、その揺動レバ
ーの一端側先端部に被測定面に接触させるための接触針
を固定し、かつ、他端側先端部に接触針に対応するバラ
ンスウエイトを軸方向位置調整可能に設けて両者の平衡
を保ち、この状態で接触針の接触による被測定面の表面
変位を揺動レバーの揺動回転量として検出し、この検出
量から被測定面の表面粗さや平面度などを求める構造で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回転を許容
するための一般的な機械装置の構成としては、回転軸と
この回転軸を回転自在に軸支する軸受部とによる機構が
代表的である。この回転軸と軸受部とによる回転機構
は、回転軸側の回転量に制限されずに回転作用が得られ
るという特徴を有しているものの、通常の場合、相互に
接触されている軸支部品間に不可避的に発生する摩擦力
の管理が不可能であり、しかも、これに加えて部品相互
間でのサブミクロンメートル級程度の機構的なガタツキ
を十分には避け難い。このため、上述した計測装置のよ
うな、アンダーサブミクロンメートル単位からナノメー
トル単位程度にまで及ぶ高精度な計測分野への適用には
到底不向きであった。
【0005】これに反して、上記構成の弾性ヒンジ機構
を回転中心に用いた計測装置では、回転子または揺動レ
バー側の揺動回転作動が弾性ヒンジ部自体を回転中心に
してなされるために、その中実にされた回転中心部での
挙動に機械的なガタツキを生ずる惧れとか、これに加え
て摩擦を生ずることも全くないという精度保持上の極め
て好ましい利点を有しており、併せて、弾性ヒンジ部全
体を小型に形成でき、しかも、揺動回転作動時の復元ト
ルクに関する剛性についても比較的容易かつ自在に実現
でき、さらには、揺動回転作動の再現性にも優れてい
る。
【0006】しかし一方で、この弾性ヒンジ部において
は、上記構成による計測装置に適用した場合、回転子ま
たは揺動レバー側に外部から加えられる回転量(揺動回
転量)に比例して弾性ヒンジ部に蓄勢される復元トルク
が次第に大きくなることから、特別に小さな変位の計測
には効果的に許容されても、計測領域範囲の拡大、換言
すると、変位量が比較的大きくなるのに伴い、次第に増
加する復元トルクが接触針の被測定面に対する当接圧の
増大をもたらし、この結果として、接触針の寿命低下や
被測定面へのダメージ発生などの問題点を生ずる。
【0007】この場合、たとえば、弾性ヒンジ部に直結
した回転モータを設け、被測定面での変位計測信号を用
いてこれを増幅し、この信号を基に回転モータの回転ト
ルクを制御しながら、前記復元トルクを打ち消すように
制御することで、上記欠点を是正することも考えられ
る。しかし、このようなフィードバック制御では、回転
モータへの作動エネルギの供給が不可欠であるために、
その機構自体の複雑さを招き高価になり、装置構成も全
体的に大型化し、弾性ヒンジ部の小型性を大幅に損なう
ことになるほか、保守性に欠けて制御操作もまた煩雑に
なるなど種々の欠点を避け得ない。
【0008】ここに、本発明の目的は、上記従来の欠点
に鑑み、弾性ヒンジ部のもつ利点を十分に活用した上
で、機構構成を可及的に簡略化するとともに、必ずしも
制御操作を必要とせず、併せて、保守性に優れた弾性ヒ
ンジ機構およびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、揺動回転作動時に復元トルクの
増大を招く弾性ヒンジ部に対して、揺動回動を助勢する
方向に吸引作用する簡単な構成の投入エネルギー不要の
吸引手段を設けることで、復元トルクの増大を抑制する
ようにしたものである。
【0010】具体的には、本発明に係る弾性ヒンジ機構
は、固定子に対して所要剛性の弾性ヒンジ部を介して揺
動回転可能に保持された回転子を有する弾性ヒンジ機構
であって、前記固定子と回転子との間には、回転子の揺
動回転を助勢する方向へ吸引作用する投入エネルギー不
要の吸引手段が設けられ、この吸引手段によって前記回
転子の回転位置からの復元特性が、前記弾性ヒンジ部に
作用する外部より加えられる外部トルクで定まる回転子
の平衡位置近傍の所定回転範囲内では、前記吸引作用の
影響が少なく弾性ヒンジ部固有の高剛性に略等しいまま
の復元特性に設定され、かつ、前記所定回転範囲を超え
るに従い、前記吸引作用の増加に伴って次第に低剛性と
なる復元特性に設定されていることを特徴とする。
【0011】この構成による弾性ヒンジ機構によれば、
回転子の平衡位置近傍における所定回転範囲内の回転子
の揺動回転作動については、弾性ヒンジ部固有の剛性を
基準にした比較的高剛性のもとでなされ、また、所定回
転範囲を超える回転子の揺動回転作動については、固定
子と回転子との間に設けられた吸引手段によって助勢さ
れるため、必ずしも弾性ヒンジ部の剛性に拘束されずに
比較的低剛性のもとでなされる。結果的に、弾性ヒンジ
部の剛性が自動的に調整されることになるため、たと
え、所定回転範囲を超える回転子の揺動回転時にあって
も復元トルクの増大を招く惧れがなく、これによって所
期通りの高精度微小回転機構を容易に構成できる。この
ため、回転子の揺動回転作動を高精度で円滑に行える。
【0012】以上の構成において、前記吸引手段は、前
記固定子に対する回転子の揺動回転を助勢する方向へ磁
気吸引作用をもたらす磁気吸引回路によって構成され、
この磁気吸引回路は、前記回転子の回転位置が平衡位置
近傍の所定回転範囲内では、磁気抵抗が比較的大きく、
かつ、前記所定回転範囲を超えるに従って、磁気抵抗が
次第に小さくなるように構成されていることが好まし
い。このようにすれば、弾性ヒンジ部における回転子の
揺動回転作用を容易に達成でき、かつ、装置構成の簡略
化が可能になる。
【0013】また、前記磁気吸引回路は、前記回転子の
平衡位置に応じて磁気抵抗を調整可能な磁気抵抗調整手
段を有していることが望ましい。これによれば、磁気吸
引回路の磁気抵抗を回転子の平衡位置に応じて調整でき
るので、弾性ヒンジ部のもつ剛性の低減程度を任意に設
定でき、回転子の揺動回転角の検出精度をより一層向上
させることができる。
【0014】本発明に係る計測装置は、固定部材に対し
て所要剛性の弾性ヒンジ部を介して揺動回転可能に保持
された揺動レバーと、この揺動レバーの先端部に設けら
れ被測定面に接触される接触針と、この接触針が接触し
た被測定面の表面状況に応じて揺動回転される揺動レバ
ーの揺動回転角を検出する回転角検出手段とを備えた計
測装置において、前記固定部材と揺動レバーとの間に
は、揺動レバーの揺動回転を助勢する方向へ吸引作用す
る投入エネルギー不要の吸引手段が設けられ、この吸引
手段によって、前記揺動レバーの回転位置からの復元特
性が、前記弾性ヒンジ部に作用する外部より加えられる
外部トルクで定まる揺動レバーの平衡位置近傍の所定回
転範囲内では、前記吸引作用の影響が少なく弾性ヒンジ
部固有の高剛性に略等しいままの復元特性に設定され、
かつ、前記所定回転範囲を超えるに従い、前記吸引作用
の増加に伴って次第に低剛性となる復元特性に設定され
ていることを特徴とする。
【0015】この構成による計測装置によれば、上記弾
性ヒンジ機構の場合と同様に、揺動レバーの平衡位置近
傍における所定回転範囲内の揺動レバーの揺動回転作動
については、弾性ヒンジ部固有の剛性を基準にした比較
的高剛性のもとでなされ、また、所定回転範囲を超える
揺動レバーの揺動回転作動については、固定部材と揺動
レバーとの間に設けられる吸引手段によって助勢される
ため、必ずしも弾性ヒンジ部の剛性に拘束されずに比較
的低剛性のもとでなされる。従って、弾性ヒンジ部の剛
性が自動的に調整され、所定回転範囲を超える揺動レバ
ーの揺動回転作動時にあっても復元トルクの増大を招く
惧れがなく、揺動レバーの揺動回転作動を高精度で円滑
かつ容易に行える。
【0016】以上の構成において、前記吸引手段は、前
記固定部材に対する揺動レバーの揺動回転を助勢する方
向へ磁気吸引作用をもたらす磁気吸引回路によって構成
され、この磁気吸引回路は、前記揺動レバーの回転位置
が平衡位置近傍の所定回転範囲内では、磁気抵抗が比較
的大きく、かつ、前記所定回転範囲を超えるに従って、
磁気抵抗が次第に小さくなるように構成されていること
が好ましい。これによれば、投入エネルギー不要の吸引
手段に磁気吸引回路を用いているため、上記弾性ヒンジ
機構の場合と同様に、揺動レバーの揺動回転作用を容易
に達成でき、これに合わせて装置構成の簡略化が可能に
なる。
【0017】また、前記磁気吸引回路は、前記揺動レバ
ーの平衡位置に応じて磁気抵抗を調整可能な磁気抵抗調
整手段を有していることが望ましい。これによれば、磁
気吸引回路の磁気抵抗を回転子の平衡位置に応じて調整
できるので、上記弾性ヒンジ機構の場合と同様に、弾性
ヒンジ部のもつ剛性の低減程度を任意に設定でき、揺動
レバーの揺動回転角の検出精度をより一層向上させるこ
とができる。
【0018】また、前記揺動レバーは前記弾性ヒンジ部
からなる回転中心を貫通して配設されているとともに、
その揺動レバーの一端側には被測定面に接触される前記
接触針が固定され、かつ、他端側には前記接触針に対応
するバランスウエイトが軸方向位置調整可能に設けられ
ていることが好ましい。これによれば、弾性ヒンジ部で
の回転中心に揺動レバーを一致させるとともに、この揺
動レバーの一端側に接触針を固定し、他端側にバランス
ウエイトを軸方向位置調整可能に設けてあるから、揺動
レバーの平衡を容易に確保でき、計測精度をより一層効
向上させることができる。
【0019】また、前記回転角検出手段は、前記固定部
材に設けられ前記揺動レバーの揺動回転角を非接触で検
出する非接触変位検出器によって構成されていることが
好ましい。これによれば、回転角検出手段として非接触
変位検出器を用いているため、接触針による被測定面の
計測結果、ひいては、揺動レバーの揺動回転角を弾性ヒ
ンジ部などの影響を排除した状態で容易かつ的確に検出
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る弾性ヒンジ機
構およびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置の好まし
い実施形態を図1ないし図3を参照して詳細に説明す
る。なお、以下に説明する各実施形態は、弾性ヒンジ機
構を回転中心に備えた表面粗さプローブの例である。
【0021】(第1実施形態)図1は本実施形態による
表面粗さプローブの概要を一部破断して示す側面図であ
る。同図に示すように、本実施形態の表面粗さプローブ
は、弾性ヒンジ部20を備えた固定子(固定部材)を兼
ねるプローブ本体10と、前記弾性ヒンジ部20に支持
された回転子としての揺動レバー30と、吸引手段とし
ての磁気吸引回路40と、前記揺動レバー30の揺動回
転角変位を非接触で検出する回転角検出手段としての非
接触変位検出器50,50とを備える。
【0022】前記プローブ本体10は、比較的剛性が高
い素材によって形成され、基端となる後端部側に取付軸
部11が突設され、先端となる前端部側を占める固定子
部12の下面側所要範囲に亘って前後方向に延びる固定
面13が形成されている。固定面13の長さ方向中間部
から下方へ向かう弾性ヒンジ部20を介して同程度の長
さを有する支持部14が形成され、かつ、その支持部1
4の上面側には、所要の高さ方向間隔を隔てて固定面1
3に平行して対向する支持面15が形成されている。
【0023】ここで、前記弾性ヒンジ部20について
は、プローブ本体10の剛性、ひいては、素材自体のも
つ剛性に一致する所要程度の剛性を備え、その主要部が
比較的狭小になるように、前後方向から弧状に削り取ら
れて略中間位置に回転中心部21が形成されたもので、
詳細については後述するが、回転中心部21を中心とす
る腰の強いばね性の撓み作用によって外部から加えられ
る作用力を良好かつ効果的に受容することができるよう
になっている。
【0024】前記揺動レバー30は、前記固定面13と
支持面15間の高さ方向間隔よりも小さな高さ寸法で所
要断面形状に形成されたレバー本体31を備える。レバ
ー本体31の前端側には、やや細径の支持杆32を介し
て被測定面101、つまり、ワーク100の被測定面1
01に設定圧で接触するための接触針33が固定されて
いるとともに、後端側のねじ軸34には、前記接触針3
3に対応するバランスウエイト35が軸方向へ位置調整
可能に螺合されている。
【0025】前記プローブ本体10の支持面15上に対
して、前記揺動レバー30のレバー本体31が平衡状態
もしくは略平行状態に載置され、かつ、前記弾性ヒンジ
部20の回転中心部21を境にした前後対向位置におい
て止めビス36,36を用いて止着保持されている。こ
の場合、揺動レバー30の前後方向平衡度は、後述する
磁気吸引回路40の重さを含めて、バランスウエイト3
5の螺合進退操作による軸方向前後位置の移動調整によ
って良好に維持される。なお、各止めビス36,36の
上面側には、磁性体からなる被検出片37,37がレバ
ー本体31の上面と面一に埋設されている。
【0026】従って、このようなプローブ本体10に対
する揺動レバー30の保持態様では、レバー本体31の
上面と固定子部12の下面、つまり、固定面13との間
に所要寸法の測定間隔Gが設定され、かつ、各被検出片
37,37が、固定面13の各該当部分にそれぞれ一定
の設定間隔で対向されている。これにより、揺動レバー
30、ひいては、接触針33が回転中心部21を中心に
して測定間隔Gの範囲内で揺動回転可能になっている。
【0027】また、前記プローブ本体10の固定面13
に対しては、各被検出片37,37と対向する各位置に
前記非接触変位検出器50,50が個別に配置されてい
る。これらの各非接触変位検出器50,50によって、
接触針33の揺動回転量、換言すると、接触針33が接
触したワーク100の被測定面101の表面粗さに対応
して揺動される揺動レバー30の揺動回転角変位が測定
される。この場合、非接触変位検出器50,50として
は、各被検出片37,37との間隔、換言すると、接触
針33の変位を非接触のままで検出し得るものであれ
ば、任意仕様の変位検出センサを用いてよい。
【0028】前記磁気吸引回路40は、回転中心部21
から可及的に離間した位置でレバー本体31の上面と固
定面13との間に対向して配置される少なくとも1組の
永久磁石41A,41Bから構成されている。これらの
各永久磁石41A,41Bは、個々のS極とN極とを相
互に向かい合わせた状態、つまり、吸引方向に設定され
るもので、ここでは、予め着磁によって磁性力を付与し
た永久磁石を用いるために、外部からの投入エネルギー
が不要である。
【0029】この場合、磁気吸引回路40の吸引力と弾
性ヒンジ部20の復元特性については、次のように設定
されている。即ち、弾性ヒンジ部20に作用する外部よ
り加えられる外部トルク、ここでは、永久磁石41A,
41B間の磁気吸引作用によって定められる揺動レバー
30の平衡位置近傍の所定回転範囲内では、永久磁石4
1A,41B間の磁気吸引作用の影響が少なく弾性ヒン
ジ部20固有の高剛性に略等しいままの復元特性に設定
され、かつ、前記所定回転範囲を超えるに従い、前記磁
気吸引作用の増加に伴って次第に低剛性となる復元特性
に設定されている。
【0030】より具体的には、揺動レバー30の回転位
置が平衡位置近傍の所定回転範囲内では、永久磁石41
A,41B間の磁気抵抗が比較的大きく、この結果、磁
気吸引力の作用が小さくなっている。従って、弾性ヒン
ジ部20に与えられている本来の比較的高いままの剛性
を保持した状態での復元特性となるように設定されてい
る。一方、前記所定回転範囲を超えるに従って、永久磁
石41A,41B間の磁気抵抗が次第に小さくなり、こ
の結果、磁気吸引力が次第に大きくなる。従って、弾性
ヒンジ部20のもつ本来の剛性が、磁気吸引作用の増加
に伴い次第に打ち消され、次第に低剛性となる復元特性
に設定されている。
【0031】従って、上記構成の表面粗さプローブの場
合、揺動レバー30の平衡位置近傍における揺動回転作
動、ここでは、接触針33の表面粗さによる揺動回転作
動については、弾性ヒンジ部20に与えられている固有
の剛性を基準にした比較的高剛性のものでなされること
になり、このときの表面粗さに対応する揺動レバー30
の揺動回転角変位は、それぞれの各非接触変位検出器5
0,50によって検出される。
【0032】また、この平衡位置近傍の所定回転範囲を
超える揺動レバー30の揺動回転作動については、磁気
吸引回路40を構成する各永久磁石41A,41B間に
働く磁気吸引作用によって助勢されるために、必ずしも
弾性ヒンジ部20のもつ剛性に拘束されずに比較的低剛
性のもとでなされる。つまり、弾性ヒンジ部20の剛性
が回転角変位の程度に略比例して自動的に調整される。
従って、所定回転範囲を超える揺動レバー30の揺動回
転作動時にあっても、復元トルクの増大を招く虞がな
い。以上の結果として、計測操作時の全期間を通じて揺
動レバー30の揺動回転作動を高精度で円滑かつ容易に
行える。
【0033】ちなみに、本実施形態による弾性ヒンジ部
20の復元特性を先に述べた従来の場合に比較すると、
図2に示す通りである。図2において、Aは本実施形態
の吸引手段の吸引特性、Bは本実施形態によって補正さ
れた弾性ヒンジ部の剛性、Cは従来の弾性ヒンジ部の剛
性をそれぞれ示す。これらの各特性の比較結果から明ら
かなように、本実施形態では、弾性ヒンジ部の復元特性
がきわめて効果的に改善されていることが判る。
【0034】(第2実施形態)図3は図1に対応して第
2実施形態による表面粗さプローブの概要構成を一部破
断して示す側面図である。なお、同図の説明にあたっ
て、図1と同一構成要件については、同一符号を付し、
その説明を省略する。第2実施形態の表面粗さプローブ
は、前記磁気吸引回路40のもつ磁気抵抗を調整可能に
して計測精度の向上を図ったもので、第1実施形態の構
成において、磁気吸引回路40を構成する各永久磁石4
1A,41Bのうち、プローブ本体10側の永久磁石4
1Aを揺動レバー30側の永久磁石41Bに対し、その
対向間隔を変更できるようにしたものである。
【0035】具体的には、永久磁石41Aを磁気抵抗調
整手段としての調整ビス16の螺合進退操作により永久
磁石41Bに対する対向間隔位置を調整可能にしたもの
である。このように構成することで、各永久磁石41
A,41B間に働く磁気抵抗を微細に調節でき、この結
果、前記第1実施形態で得られる効果を一層助長し得
る。
【0036】なお、前記各実施形態においては、吸引手
段として1組の永久磁石41A,41Bによる磁気吸引
回路40の構成を用いた場合について述べたが、同様な
作用ならびに効果が得られるものであれば、このような
磁気吸引回路40にのみ限定されるものでない。たとえ
ば、ばねによる弾圧力や空圧、液圧などの蓄勢力を利用
することが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明の可変剛性の弾性ヒ
ンジ機構および計測装置によれば、回転子または揺動レ
バーの揺動回転作動時に復元トルクの増大を招く弾性ヒ
ンジ部に対し、揺動回転を助勢する方向に吸引作用する
投入エネルギー不要の吸引手段を設け、この吸引手段に
よって、揺動レバーの揺動回転角が所定回転範囲を超え
ると、弾性ヒンジ部での復元トルクの増大を抑制するよ
うにしたから、回転子または揺動レバーの揺動回転作動
を高精度のもとに円滑かつ容易に行うことができる。ま
た、適用する吸引手段に投入エネルギー不要の構成を用
い、かつ、揺動レバーの動作が所定回転範囲を超える場
合には、弾性ヒンジ部の剛性を自動的に低減するように
しているので、従来のように制御操作などを一切必要と
せず、しかも、装置構成自体を全体的に小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による表面粗さプローブ
の概略構成を一部断面して示す側面図である。
【図2】同上装置における弾性ヒンジ部と従来の弾性ヒ
ンジ部との各復元特性を比較して示す特性説明図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態による表面粗さプローブ
の概略構成を一部断面して示す側面図である。
【符号の説明】
10 プローブ本体(固定子、固定部材) 20 弾性ヒンジ部 16 磁気抵抗調整手段としての調整ビス 21 回転中心部 30 揺動レバー(回転子) 33 接触針 34 ねじ軸 35 バランスウエイト 40 磁気吸引回路(吸引手段) 41A 永久磁石 41B 永久磁石 50 非接触変位検出器(回転角検出手段) G 測定間隔 100 ワーク 101 被測定面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子に対して所要剛性の弾性ヒンジ部
    を介して揺動回転可能に保持された回転子を有する弾性
    ヒンジ機構であって、 前記固定子と回転子との間には、回転子の揺動回転を助
    勢する方向へ吸引作用する投入エネルギー不要の吸引手
    段が設けられ、 この吸引手段によって、前記回転子の回転位置からの復
    元特性が、前記弾性ヒンジ部に作用する外部より加えら
    れる外部トルクで定まる回転子の平衡位置近傍の所定回
    転範囲内では、前記吸引作用の影響が少なく弾性ヒンジ
    部固有の高剛性に略等しいままの復元特性に設定され、
    かつ、前記所定回転範囲を超えるに従い、前記吸引作用
    の増加に伴って次第に低剛性となる復元特性に設定され
    ていることを特徴とする弾性ヒンジ機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の弾性ヒンジ機構におい
    て、前記吸引手段は、前記固定子に対する回転子の揺動
    回転を助勢する方向へ磁気吸引作用をもたらす磁気吸引
    回路によって構成され、この磁気吸引回路は、前記回転
    子の回転位置が平衡位置近傍の所定回転範囲内では、磁
    気抵抗が比較的大きく、かつ、前記所定回転範囲を超え
    るに従って、磁気抵抗が次第に小さくなるように構成さ
    れていることを特徴とする弾性ヒンジ機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の弾性ヒンジ機構におい
    て、前記磁気吸引回路は、前記回転子の平衡位置に応じ
    て磁気抵抗を調整可能な磁気抵抗調整手段を有している
    ことを特徴とする弾性ヒンジ機構。
  4. 【請求項4】 固定部材に対して所要剛性の弾性ヒンジ
    部を介して揺動回転可能に保持された揺動レバーと、こ
    の揺動レバーの先端部に設けられ被測定面に接触される
    接触針と、この接触針が接触した被測定面の表面状況に
    応じて揺動回転される揺動レバーの揺動回転角を検出す
    る回転角検出手段とを備えた計測装置において、 前記固定部材と揺動レバーとの間には、揺動レバーの揺
    動回転を助勢する方向へ吸引作用する投入エネルギー不
    要の吸引手段が設けられ、 この吸引手段によって、前記揺動レバーの回転位置から
    の復元特性が、前記弾性ヒンジ部に作用する外部より加
    えられる外部トルクで定まる揺動レバーの平衡位置近傍
    の所定回転範囲内では、前記吸引作用の影響が少なく弾
    性ヒンジ部固有の高剛性に略等しいままの復元特性に設
    定され、かつ、前記所定回転範囲を超えるに従い、前記
    吸引作用の増加に伴って次第に低剛性となる復元特性に
    設定されていることを特徴とする計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の計測装置において、前
    記吸引手段は、前記固定部材に対する揺動レバーの揺動
    回転を助勢する方向へ磁気吸引作用をもたらす磁気吸引
    回路によって構成され、この磁気吸引回路は、前記揺動
    レバーの回転位置が平衡位置近傍の所定回転範囲内で
    は、磁気抵抗が比較的大きく、かつ、前記所定回転範囲
    を超えるに従って、磁気抵抗が次第に小さくなるように
    構成されていることを特徴とする計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の計測装置において、前
    記磁気吸引回路は、前記揺動レバーの平衡位置に応じて
    磁気抵抗を調整可能な磁気抵抗調整手段を有しているこ
    とを特徴とする計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜請求項6のいずれかに記載の
    計測装置において、前記揺動レバーは前記弾性ヒンジ部
    からなる回転中心を貫通して配設されているとともに、
    その揺動レバーの一端側には被測定面に接触される前記
    接触針が固定され、かつ他端側には前記接触針に対応す
    るバランスウエイトが軸方向位置調整可能に設けられて
    いることを特徴とする計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の計測装置において、前
    記回転角検出手段は、前記固定部材に設けられ前記揺動
    レバーの揺動回転角を非接触で検出する非接触式変位検
    出器によって構成されていることを特徴とする計測装
    置。
JP30176997A 1997-11-04 1997-11-04 弾性ヒンジ機構およびその弾性ヒンジ機構を用いた計測装置 Withdrawn JPH11141537A (ja)

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