JPH11141427A - 樹脂製燃料タンク - Google Patents

樹脂製燃料タンク

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JPH11141427A
JPH11141427A JP31640297A JP31640297A JPH11141427A JP H11141427 A JPH11141427 A JP H11141427A JP 31640297 A JP31640297 A JP 31640297A JP 31640297 A JP31640297 A JP 31640297A JP H11141427 A JPH11141427 A JP H11141427A
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンク壁に燃料油及び燃料ガスの漏洩の生じ
ないよう燃料ポンプ等のタンク取付部を取付けることが
できる新規な樹脂製燃料タンクを提供する。 【解決手段】 少なくともタンク壁1を樹脂のブロー成
形により成形した樹脂製燃料タンクにおいて、上記タン
ク壁1のタンク外面2からタンク壁1の肉厚とほぼ同じ
高さ外側に突出する筒状突出部3と、上記筒状突出部3
の端面4の軸芯線方向の穿設により形成され、燃料ポン
プ等を取付けるための取付フランジ6bからその軸芯線
に沿って延びた嵌合部6aの嵌合を許容する嵌合孔13
と、上記筒状突出部3の嵌合孔13周りの端面4とこれ
に着座する上記取付フランジ6bとの間をシールするパ
ッキン14と、上記取付フランジ6bの外周部から径方
向外方に延びた延出部6cとこれに対峙する上記タンク
壁1とを互に上記嵌合部5の軸方向に引寄せて固定する
締結部(取付基部7、植込ボルト11,ナット15)と
を備え、燃料の漏れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は樹脂製燃料タンク
に係り、特に、ポンプフランジのシール性を向上するよ
うに構成した樹脂製燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より防錆、軽量化、コストダウン、
容量確保等のためタンク壁を樹脂のブロー成形により形
成した樹脂製燃料タンクが提供されている。この種の燃
料タンクにインタンク式燃料ポンプを取付ける場合は、
一般に、タンク壁を開口してこれにポンプフランジを取
付け、このポンプフランジにタンク内のインタンク式燃
料ポンプをハンガーを介して懸架する構造が採用され、
インタンク式燃料ポンプのインジェクションパイプをポ
ンプフランジを貫いて外部に導き、これをエンジン側へ
輸送するようにしている。
【0003】上記ポンプフランジの取付けは、例えば、
図3(A)に示すように、タンク壁21に開口する筒状
突出部23を形成し、この筒状突出部23の外周面にキ
ャップ25を螺合するための雌ねじ26を成形したもの
が一般的で、筒状突出部23の嵌合孔周りの端面27に
パッキン30を装着した後、筒状突出部23の嵌合部2
8にポンプフランジ29の嵌合筒部32を嵌合し、そし
て上記筒状突出部23の雌ねじ26に上記キャップ25
を螺入して締め付けることにより、一定のシール性を得
るようになっている。
【0004】しかし、通常燃料タンクはブロー成形で作
られるが、ブロー成形で筒上突出部23の肉厚や高さを
精度よく成形するのは難しく、筒上突出部23が傾いた
り、変形するなどの虞がありキャップ25を螺合しよう
としても硬くて螺合することができないといった問題が
ある。また、キャップ25によりポンプフランジ29を
取付ける場合にはキャップ25の嵌合時にパッキン30
が嵌合孔28を介してタンク内に落ち込んでしまうとい
う場合もある。
【0005】そこで、図3(B)に示すように、タンク
壁21の開口部40周りに筒状のポンプフランジ取付部
材32aを溶着すると共に、このポンプフランジ取付部
材32aにOリング30aを介して着座するポンプフラ
ンジ29をポンプフランジ取付部材32aの外周部にリ
ベット37止めされる押え金具38aで押圧することに
より、シールする構造のものが提供されているが、係る
構造とすると溶着部の溶着不良によってタンク内燃料が
漏れ出してしまうという虞がある。尚、同図中39はロ
ック部材である。
【0006】また、別の構造としては図3(D)に示す
ように、ポンプフランジ29にパッキン30bを接着す
る一方、タンク壁21にポンプフランジ29を上方から
押え込む金属性のインサート部材38bを埋設し、この
インサート部材38bとポンプフランジ29の上面との
間にロック部材39を設けてパッキン30bを押圧する
といった構造のものが提供されているが、このようにイ
ンサート部材38bをインサートする構造とすると、燃
料の膨潤、熱膨張率の違い等に起因してその埋設部にク
ラックが入り、これにより、燃料が漏れ出してしまうと
いう問題がある。
【0007】そこで図3(c)に示すように、タンク壁
21の成形後、穿孔により、ポンプフランジ取付部材2
9の嵌合部32aを嵌合する嵌合孔28aを形成する一
方、内径が上記嵌合孔28aよりも大きいリング材(金
属製)34aを取付基部34として、この取付基部34
の全表面を樹脂で覆って被覆層45を形成した後、この
被覆層45を介して取付基部34を嵌合孔28a周りの
タンク壁21に同芯円的に溶着し、この溶着後に、取付
基部34の円周方向に間隔を隔てて溶着面35と反対側
から嵌合孔28aの軸芯方向と並行に植込ボルト36を
植込んだ後、この植込ボルト36にパッキン30c、上
記ポンプフランジ29及びスペーサ部材43を順次嵌挿
した後、各植込ボルト36にナット36aを螺合して締
め込むことにより、シールするといった構造が考えられ
るが、係る構造でも溶着部の溶着不良によってタンクシ
ール性の品質上好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで図3(E)に示
すように、タンク壁21に金属性のインサートナット4
1を埋設する一方、ポンプフランジ29とタンク壁21
との間にパッキン30dを介設し、このパッキン30
d、ポンプフランジ29及びスペーサ部材43を貫通す
るスタッドボルト42の一端部を上記インサートナット
41に螺入固定した後、スタッドボルト42の他端部に
ナット42aを螺入して締結することにより、一定のシ
ール性を得るようにしたものが考えられる。
【0009】
【発明が解決しょうとする課題】しかし係る構造でも、
タンク壁の膨潤、熱膨張、熱収縮、インサートによるク
ラックにより、パッキンとタンク壁との間からの燃料の
漏洩を防ぐことができない。また、ブロー成形でインサ
ートナット41をタンク壁内に埋設するには既存のブロ
ー成形機械では極めて難しく、新たに専用のブロー成形
機械を導入する必要がある。本発明の目的は、上記事情
に鑑みて案出されたものであり、その目的はタンク壁に
燃料油及び燃料ガスの漏洩の虞のない樹脂製燃料タンク
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、樹脂製燃料タンクのタンク壁を両端が開口する
外向き筒状に突出させてポンプフランジをインロー嵌合
する筒状突出部を設けると共に、該突出部の外側に上記
ポンプフランジをタンク外面に締結する締結部を設ける
ことにより、タンクのブロー成形の品質に左右されるこ
となく燃料ポンプのタンク取付部のシールの信頼性を可
及的に向上する。
【0011】そして、タンク壁の筒状突出部周りに樹脂
層を介して取付基部(締結部)を溶着し、好ましくは、
上記筒状突出部の嵌合孔周りに形成された余肉部、即
ち、シール面部にパッキンを介してポンプフランジを着
座させた後、そのフランジ外周面から半径方向外方に延
びた延出部の通し孔(締結部)を、上記植込ボルト(締
結部)に嵌挿した後、この植込ボルトに螺合するナット
(締結部)でポンプフランジと上記筒状突出部の嵌合部
周りを互いに引き寄せて締結すると、溶着部の溶着不良
に左右されることなく、シールすることができる。従っ
て、ポンプフランジの着脱性、パッキンによるシール性
が従来のものと比較して格段に向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の一実施の形態
を添付図面を参照して例示的に説明する。図1はブロー
成形により成形され車両用として好適な樹脂製燃料タン
クの要部詳細断面図、図2は樹脂製燃料タンクのポンプ
フランジ取付構造を示す斜視図である。
【0013】図1に示すように燃料タンク16のタンク
壁1にはタンク外面2から外向き筒状に突出した筒状突
出部3が形成されている。そして筒状突出部3の端面4
には、その軸芯を中心として自動機による穿孔が施さ
れ、嵌合孔13が形成されている。
【0014】係る筒状突出部3にポンプフランジ6を気
密且つ油密に取付けるには、まず、内径が上記嵌合孔1
3よりも適宜大きいリング材(金属製)7aを取付基部
7(締結部)として、この取付基部7の全表面を樹脂で
覆い一定厚さの被覆層8を形成する。被覆層8の形成
後、取付基部7を筒状突出部3周りタンク外面2に対し
て同芯円的に配置し、この被覆層8と、タンク外面2の
筒状突出部3周りとを加熱しながら互いに押圧して全周
溶着すると、取付基部7とタンク壁1とは互に一体の部
材となる。この場合、溶着品質を高め、信頼性を増すに
は、図1の拡大図に示すように、タンク外面2と被覆層
8とに互いに接合し合うリング状の突起9を形成してお
き、この突起部9,9同士を加熱・加圧により溶融し、
溶着するのが好ましい。
【0015】そして、図2に示すように、取付基部7の
溶着面10と反対側面にその円周方向にほぼ等間隔を隔
てて植込ボルト11(締結部)を植設し、また、上記筒
状突出部3の端面(以下、シール面という)4は、上記
取付基部7の溶着面10と反対側面12を基準面として
これと並行に切削されると共に、シール面4に円周方向
に沿ったパッキン嵌合溝13が形成され、このパッキン
嵌合溝13に、例えば、か粒接合によりパッキン14が
一体的に装着される。
【0016】一方、図1に示すように、ポンプフランジ
6は、上記嵌合孔5にインロー嵌合して径方向への移動
が規制される嵌合部6aと、この嵌合部6aの挿入方向
後端部に連接され上記パッキン14の全周面に接合する
取付フランジ6bを有して形成されると共に、取付フラ
ンジ6bの外周部に、径方向外方に延びる延出部が6c
が形成され、この延出部6cに上記各植込ボルト11に
嵌挿する嵌挿孔6dがそれぞれ形成されている。
【0017】従って、取付フランジ6bの各嵌挿孔6d
に各植込ボルト11を嵌挿した後、各植込ボルト11に
ナット(締結部)15をそれぞれ螺入して同一トルクで
締め付けると、パッキン14が全体一様に弾性変形し、
取付フランジ6bとシール面4との間が気密、油密にシ
ールされる。
【0018】つまり、本実施形態に係る燃料タンク16
は、パッキン14を一体的に取付けてシールの脱落を防
止する。そして第二に、パッキン14を押圧する取付フ
ランジ6bはシール面4に対して固定するのではなく、
筒状突出部3周りに溶着した取付基部7、植込ボルト1
1及びナット15から成る引き寄せ手段により互いに引
き寄せて固定することにより、タンクのブロー成形の品
質の良否や溶着の品質の良否はシールの品質に影響を及
ぼさず、一定のシール性と、ポンプフランジ6の着脱性
を可及的に改善する。
【0019】なお、上記した構造はポンプフランジ6の
取付けに、特に、好適であるが、係るポンプフランジの
取付に限られるものではなく、例えば、燃料油量計のタ
ンク取付部、給油パイプ等のフランジ取付部に適用する
ことも可能である。また、上記実施形態において、上記
取付基部7はリング状に形成する説明をしたが、これに
限定されるものではない。
【0020】例えば、複数のブロックをそれぞれ取付基
部7として各ブロックの少なくとも、溶着側部を上記被
覆層8で構成してこれらブロックを上記タンク外面2の
筒状突出部3周りに間隔を隔てて溶着した後、各ブロッ
クに上記植込ボルト11を植設する構成とすることも可
能であるし、被覆層8形成後の取付基部7の高さを筒状
突出部3の高さとほぼ同じに設定して上記取付フランジ
6bにボルト締付による曲げが作用しないように設定す
ると、取付フランジ6bを金属よりも剛性が低い樹脂で
形成することができ、この分、軽量化を図り、腐食の問
題を解消することができる。
【0021】また、上記パッキン嵌合溝13及びシール
面4を上記取付基部7の溶着面10と反対側面12を基
準として切削により形成すると、パッキン嵌合溝13に
パッキン14として線接触によりシールするOリングを
使用することも可能となる。
【0022】
【発明の効果】以上、要するに本発明によれば、樹脂製
燃料タンクのポンプフランジ取付け部のシールの信頼性
を可及的に向上することができるという如き優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係り車両等に好適な樹
脂製燃料タンクを示す要部詳細断面図である。
【図2】この発明の一実施形態に係り車両等に好適な樹
脂製燃料タンクを示す斜視図である。
【図3】従来の樹脂製燃料タンクの断面を示す要部詳細
断面図である。
【符号の説明】
1 タンク壁 2 タンク外面 3 筒状突出部 4 端面 6b ポンプフランジ 7 取付基部(締結部) 8 被覆層(溶着部) 13 嵌合孔 14 パッキン 6c 取付フランジの延出部 11 植込ボルト 15 ナット(締結部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製燃料タンクのタンク壁を両端が開
    口する外向き筒状に突出させてポンプフランジをインロ
    ー嵌合する筒状突出部を設けると共に、該突出部の外側
    に上記ポンプフランジをタンク外面に締結する締結部を
    設けたことを特徴とする樹脂製燃料タンク。
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Cited By (7)

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