JPH1114104A - 自然対流式冷房装置 - Google Patents

自然対流式冷房装置

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JPH1114104A
JPH1114104A JP9167170A JP16717097A JPH1114104A JP H1114104 A JPH1114104 A JP H1114104A JP 9167170 A JP9167170 A JP 9167170A JP 16717097 A JP16717097 A JP 16717097A JP H1114104 A JPH1114104 A JP H1114104A
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幸次 渡辺
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昇 大島
Kazuo Yumoto
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱交換効率が良好で、省スペースな自然対流式
冷房装置の提供。 【解決手段】自然対流式冷房装置のフィンチューブ型冷
却器23を空調対象室の壁面に対して所定角度傾けて設
置する。これにより、同じ伝熱面積のものを壁面と平行
(鉛直)に設置したときと比べて冷却性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自然対流式冷房装置
に係り、特に送風機を用いることなく自然対流及び放射
伝熱により室内を冷却する自然対流式冷房装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】まず、建築物における一般的な空調設備
の概要を冷房時を例にとって説明する。図4に示すよう
に、空気調和機3の熱交換用冷水コイル13には、冷凍
機5で製造された冷水が供給される。この冷水は、ま
ず、一次ポンプ24によって冷凍機5から冷水槽25に
供給され、その後、二次ポンプ26によって冷水槽25
から冷水往配管29を介して熱交換用冷水コイル13に
供給される。熱交換用冷水コイル13に供給された冷水
は、そこを通過する空気と熱交換されたのち、冷水還配
管30を介して冷水槽25に戻される。
【0003】空調対象室41に供給する空調空気は、取
り入れ外気20と室内からの還気18をダンパ19a、
19bにより一定比率で混合し、その混合空気を前記熱
交換用冷水コイル13で冷却する。熱交換用冷水コイル
13で冷却された空調空気は給気用送風機12によって
送気され、空調用給気ダクト9を経て天井面42に設置
された吹き出し口43から空調対象室41内に吹出され
る。
【0004】空調対象室41には、温度センサ33が設
置されており、その計測値は信号ケーブル34を通じて
コントローラ6に送信される。コントローラ6は、その
計測値に基づいて、室内が所定温度となるように冷水混
合用三方弁31の開度を調整し、熱交換用冷水コイル1
3に供給する冷水量を調整する。以上の一連の動作によ
り、空調対象室41は所定の温度に制御される。
【0005】ところで、近年、半導体の高集積化や原子
レベルでの研究において、透過型の電子顕微鏡に代表さ
れるように高性能な計測機器が開発・使用されるように
なっている。この種の高性能な計測器の性能確保のため
には、使用環境の温度や湿度の他、従来は問題とされて
いなかった微細な振動や磁気、電波についても厳しい管
理が求められるようになっている。また、温度や湿度を
一定条件に保つために起動する空調設備についても、そ
の送風機や圧縮機、モータなどから発生する騒音や振動
の他、供給する空気の脈動についても計測や画像障害を
引き起こす原因になると言われている。
【0006】このため、上述したような高性能な計測機
器を設置する部屋の空調は、より静粛で脈動などがない
ものが要求されており、計測時には送風機を用いず、自
然対流と放射伝熱により冷却を行う方式が採られてい
る。ここで、自然対流と放射伝熱により冷却を行う空調
設備の概要を図5を参照しながら説明する。
【0007】この種の空調設備では、まず、自然対流式
冷房を行うのに先立って、いわゆる強制対流による室温
制御が行われる。すなわち、上述した一般的な空調方式
と同様に給気用送風機12を用いて計測室2に空調空気
を供給し、その供給した空調空気によって室内を計測に
適した環境にする。そして、一定時間が経過し、室内が
適温になったところで、給気用送風機12の運転を停止
し、自然対流式冷房装置44に運転を切り換えて、その
環境を維持する。
【0008】具体的には以下のような運転を行う。ま
ず、ダンパ19a、19bにより一定比率で混合した外
気20と還気18との混合空気を給気用送風機12を用
いて計測室2内に送気する。これと同時に、第1切替バ
ルブ27a、28aを開けるとともに、第2切替バルブ
27b、28bを閉じて、冷水槽25から空気調和機3
の熱交換用冷水コイル13に冷水を供給する。これによ
り、熱交換用冷水コイル13が冷却され、そこを通過す
る混合空気が冷却、空調される。
【0009】前記熱交換用冷水コイル13を通過して冷
却された空調空気は、空調用給気ダクト9を経て計測室
2の天井裏スペース10に設置された分散吹き出し口2
1から吹き出される。計測室2は、この分散吹き出し口
21から吹き出された空調空気によって冷却される。そ
して、一定時間が経過し、室内が計測に適した環境にな
ったところで、給気用送風機12の運転を停止し、自然
対流式冷房装置44に運転を切り換える。すなわち、第
1切替バルブ27a、28aを閉じるとともに、第2切
替バルブ27b、28bを開け、冷水槽25から二次ポ
ンプ26で供給される冷水を計測室2内に設置された自
然対流式冷房装置44の冷却器に供給する。
【0010】これにより、計測室2は、自然対流式冷房
装置44による自然対流と放射伝熱により冷却され、強
制対流による空調で設定された環境が維持される。な
お、この場合、室内の温度制御は、冷却器に供給する冷
水量を制御して行われ、これにより、計測室2の室温は
所定温度に維持される。ここで、自然対流式冷却器の性
能を表現する一般式を以下に示す。
【0011】
【数1】
【0012】なお、室内壁体の平均温度は、自然対流式
冷房に先立って行われた、いわゆる強制対流による室温
制御によって、室温が所定温度に調整された状態である
ので、近似的に室内温度と同等として扱える。このた
め、自然対流式冷却器による冷却性能は室内温度と冷却
器表面の温度及び伝熱面積によってほぼ決定されると考
えられる。
【0013】一方、この種の高性能な計測器は、観察と
分析といった複合的な機能を持ち、コンピュータと連動
して計測データベースとの照合を行いながら運用される
ため、一般的な機器に比べると設置に必要な面積に対し
て比較的発熱量が大きいという特性がある。ここで、冷
却器の冷却能力を増大させる方法について考える。一般
に冷却器の冷却能力を増大させるためには、室内温度と
冷却器表面の温度差を大きくする方法と、伝熱面積を大
きくする方法の二つがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、計測に適合し
た環境条件は計測機器の仕様で決定されるものであり、
安易に変更できない。このため、室内温度と冷却器表面
との温度差を大きくする方法を採用した場合には、冷却
器に供給する冷媒(主に、冷水)の温度を下げるしか対
応する方法がない。
【0015】しかし、冷媒の温度を下げると、冷却器の
表面で結露が生じ、計測室内にカビや細菌などが発生す
る原因になる。このため、供給する冷媒の下限温度は結
露を生じない範囲に限定され、結果的に冷却能力の増大
には限界がある。また、伝熱面積を大きくする方法を採
用した場合は、冷却器が大型になり、冷却器自体で計測
室の使用可能な有効面積を圧迫するという問題がある。
【0016】自然対流式冷房装置の設置箇所は、室内の
有効利用の観点から天井面近傍あるいは壁面近傍がその
選択肢となるが、天井面に設置する場合は、冷却器を保
持するために天井面の耐荷重を強化したり、そのための
配管敷設を行ったりする必要があるため、設置が面倒で
あるという欠点がある。また、天井面に設置すると、冷
媒が漏洩したような場合に、高価な機器類が故障するお
それもある。このため、天井面に設置することは、ほと
んど稀であり、多くの場合が壁面近傍に設置する。
【0017】ここで、自然対流式冷房装置に用いられる
冷却器を一般的なフィンチューブ型冷却器を例にとって
説明する。図6に示すように、フィンチューブ型冷却器
は、冷水を供給する冷水配管45とフィン46と呼ばれ
る複数の薄い金属平板で構成されており、冷水配管45
内を冷水が流れることによりフィン46が冷却される。
【0018】このような構成にあっては、限られた設置
条件の中で伝熱面積を大きくとるためには、鉛直方向の
大きさ(高さ)を増すことになる。フィン46は鉛直平
行平板を複数個水平方向に連ねた構成であるので、その
自然対流熱伝達は室内温度、冷却器の表面温度の他、以
下に示すように代表長さ、グラスホフ数、修正レーレー
数、平均ヌセルト数、平板の長さと諸物性値などで表現
される。
【0019】
【数2】
【0020】修正レーレー数と平均ヌセルト数との関係
は、図7に示す通りであり(伝熱工学資料、改訂第4
版、( 社) 日本機械学会)、正の相関を持っている。式
(4)から修正レーレー数は平板の長さに反比例し、式
(5)から平均熱伝達率は平均ヌセルト数に比例するこ
とから、自然対流伝熱量は平板の長さと負の相関関係が
ある。
【0021】したがって、フィンチューブ型冷却器にお
いて伝熱面積を大きくとるために鉛直方向の大きさを増
しても、伝熱面積増大分に対して自然対流伝熱量が比例
して増大しないため、効率の悪い設備となるという欠点
がある。本発明は、このような事情を鑑みてなされたも
ので、熱交換効率が良好で、省スペースな自然対流式冷
房装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、冷水が供給される冷水配管と該冷水配管
に取り付けられた長尺状のフィンとからなるフィンチュ
ーブ型冷却器を空調対象室の壁部に設置し、自然対流及
び放射伝熱を利用して前記空調対象室を冷却する自然対
流式冷房装置において、前記フィンチューブ型冷却器の
フィンを前記空調対象室の壁面に対して所定角度傾けて
前記フィンチューブ型冷却器を空調対象室に設置したこ
とを特徴とする。
【0023】本発明によれば、フィンチューブ型冷却器
を壁面に対して所定角度傾けて設置することにより、同
じ伝熱面積のものを壁面と平行に設置したときと比べて
冷却性能が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る自然対流式冷房装置好ましい実施の形態について詳説
する。図1は、本発明に係る自然対流式冷房装置が適用
された空調設備の構成図である。同図に示すように、電
子顕微鏡1が設置された計測室2には、運転当初におい
て計測室2を所定の温度に調整するための空気強制循環
式の空気調和機3と、音波振動や空気脈動を抑制しなが
ら良好な計測環境を維持するための自然対流式冷房装置
4と、冷水製造のための冷凍機5と、室温などを制御す
るためのコントローラ6と、が備えられている。
【0025】前記電子顕微鏡1は、除振台7の上に設置
されており、防震対策が施されている。前記計測室2の
周囲の壁8は、十分な断熱性が考慮されており、壁8を
通して外部から侵入する熱負荷は僅かである。また、機
密性も十分考慮されており、隙間風なども侵入しないよ
うにされている。
【0026】また、計測室2の天井部には、空調用給気
ダクト9が設置できる天井裏スペース10が設けられて
おり、天井面は電子顕微鏡1の直上部を除いて、一定の
開効率に調整されたパンチング板11で構成されてい
る。なお、天井面をパンチング板11で構成するのは、
空気強制循環式の空調時においても低レベルの計測がで
きるようにするためであり、これにより、計測室2に空
調空気が均一に供給される。
【0027】前記空気調和機3は、給気用送風機12と
熱交換用冷水コイル13とで構成され、外気取入れダク
ト14及び空調用給気ダクト9と接続されている。前記
計測室2内には還気口15が設置されており、計測室2
内の空気が還気用送風機16によって還気ダクト17に
導かれる。この還気18はダンパ19a、19bの作用
によって一部は排気され、一部は外気20と一定比率で
混合されて空気調和機3に導入される。
【0028】空気調和機3に導入された混合空気は、熱
交換用冷水コイル13を通過する際に冷却されて所定温
度に空調される。そして、所定温度に空調された空調空
気は、給気用送風機12に送気され、空調用給気ダクト
9を経て分散吹き出し口21から吹き出される。分散吹
き出し口21から吹き出された空調空気は、パンチング
板11を経て計測室2内に吹出され、計測室2内を冷却
する。
【0029】なお、給気用送風機12と還気用送風機1
6とは連動して運転し、排気量と外気導入量とはバラン
スするよう設定されている。前記自然対流式冷房装置4
は、計測室2内に複数個設置されている。各自然対流式
冷房装置4に供給する冷水はヘッダ22で分岐され、各
装置のフィンチューブ型冷却器23に供給される。そし
て、下段から上段方向に順次送水される。
【0030】前記空気強制循環式の空気調和機3と前記
自然対流式冷房装置4に供給される冷水は冷凍機5で製
造される。冷凍機5で製造された冷水は、一次ポンプ2
4で冷水槽25に供給され、循環する。冷水槽25は、
二次ポンプ26を経て冷水配管によって、空気調和機3
の熱交換用冷水コイル13及び自然対流式冷房装置4の
フィンチューブ型冷却器23と接続されている。
【0031】冷水配管に設置された第1切替バルブ27
a、28a及び第2切替バルブ27b、28bは連動し
て動作し、その切替操作により冷水は空気調和機3の熱
交換用冷水コイル13と自然対流式冷房装置4のフィン
チューブ型冷却器23のどちらか一方に供給される。す
なわち、第1切替バルブ27a、28aが開いている場
合は、第2切替バルブ27b、28bは閉じており、冷
水は空気調和機3の熱交換用冷水コイル13側に流れ
る。逆に、第2切替バルブ27b、28bが開いている
場合は、第1切替バルブ27a、28aは閉じており、
冷水は自然対流式冷房装置4のフィンチューブ型冷却器
23に供給される。
【0032】また、冷水往配管29と冷水還配管30を
つなぐ配管には冷水混合用三方弁31が設置され、この
弁の開度調整により空気調和機3の熱交換用冷水コイル
13あるいは自然対流式冷房装置4のフィンチューブ型
冷却器23に供給する冷水量が制御される。なお、前記
第1切替バルブ27a、28a、第2切替バルブ27
b、28b及び冷水混合用三方弁31は、それぞれ信号
ケーブル32によってコントローラ6に接続されてお
り、その動作はコントローラ6から発せられる信号に基
づいて行われる。
【0033】前記計測室2内には、室温制御用の温度セ
ンサ33が設置されている。そして、その計測値は信号
ケーブル34を通じてコントローラ6に送信される。コ
ントローラ6は、空気強制循環式の空調から自然対流式
の空調への切り替えを行うべく第1切替バルブ27a、
28a及び第2切替バルブ27b、28bに開閉信号を
送るとともに、計測室2が所定の温度となるように冷水
混合用三方弁31に制御信号を出力する。
【0034】以上のように構成された空調設備におい
て、計測室2は次のように空調される。まず、空気調和
機3に組み込まれた給気用送風機12を用いて計測室2
に空調空気を供給し、電子顕微鏡1による観察・計測に
適した所定の環境になるよう空気調和機3、冷凍機5及
びコントローラ6などを連動して運転し、計測室2内を
空調する。
【0035】そして、計測室2内の温度が所定の値に安
定したことを確認したら、コントローラ6の信号により
冷水の供給を空気調和機3側から自然対流式冷房装置4
側に切り替え、給気用送風機12の運転を停止する。こ
の後、自然対流式冷房装置4によって音波振動や空気脈
動を抑制した空調が行われ、電子顕微鏡1の観察・計測
に適した環境を維持するように冷房が行われる。
【0036】次に、本発明に係る自然対流式冷房装置の
構成について図2及び図3を参照しながら説明する。図
2は前記自然対流式冷房装置4の一部を抜き出したもの
である。同図に示すように、自然対流式冷房装置4はフ
ィンチューブ型冷却器23と冷却器支持用架台36を一
体とした冷却ユニット37、仕切板38と仕切板支持用
架台39を一体としたパーテーションユニット40とか
ら構成されている。
【0037】前記フィンチューブ型冷却器23は水平面
と45度をなす角度で冷却器支持用架台39に固定され
ている。また、仕切板38も水平面と45度をなす角度
で仕切板支持用架台39に固定されている。本実施の形
態で示す自然対流式冷房装置4は、この2つのユニット
を交互に積み上げ、下側から上側に冷水が供給されるよ
うに、それぞれのフィンチューブ型冷却器23を配管に
より接続した構成である。
【0038】フィンチューブ型冷却器23は、図6と同
様の構造であり、配管内に冷水が流れることにより、熱
伝導により冷却器表面が冷やされ、自然対流が発生す
る。これによって冷却器近傍の空気が冷やされて重くな
り、密度差によってゆっくりとした下降気流が生じる。
この下降気流は最終的にパーテーションユニット40の
仕切板38に沿って流れ、室内に流入する。そして、一
方では冷却ユニット37の上部から新たに空気が流入す
る。
【0039】このような動作が連続的に行われることに
よって、計測室2内の熱負荷を除去して冷房を行い、音
波振動や空気脈動を抑制した状態で計測室2内を電子顕
微鏡1の観察・計測に適した環境に維持する。次に、上
述したフィンチューブ型冷却器を傾斜配置する効果及び
仕切板の機能について説明する。
【0040】フィンチューブ型冷却器を様々な角度に傾
斜させて設置し、冷却性能を調べる実験を行った。その
結果、図3に示すようにフィンチューブ型冷却器では傾
斜角度が大きくなると単位面積当りの冷却能力が向上す
ることが確認された。フィンチューブ型冷却器は冷水を
供給する冷水配管とフィンと呼ばれる複数の薄い金属平
板で構成されており、自然対流によって生じたゆっくり
とした下降気流はフィンとフィンの間の管路状の空間を
抜けて下方に移動する。
【0041】フィンと冷却器を傾斜させることにより、
以下に示す効果が発生し、冷却能力が向上したものと考
えられる。すなわち、下降気流方向は鉛直向きであるの
で、流路が短縮された分、流動抵抗が減少し、この結
果、冷却能率が向上したものと思われる。また、フィン
チューブ型冷却器を鉛直に設置すると、冷却器の上部で
冷却された空気が下部に降下し、冷却器の下部での自然
対流の生成を阻害するという現象が生じる。しかし、本
実施の形態のようにフィンチューブ型冷却器を傾斜させ
て設置することにより、この現象が緩和される。この結
果、冷却効率が向上したものと思われる。
【0042】また、本実施の形態の冷房装置では、冷却
ユニット37の間にパーテーションユニット40を設置
することにより、次のような効果を得ることができる。
すなわち、冷却ユニット37の間をパーテーションユニ
ット40で仕切ることにより、上側の冷却器で冷やされ
た空気が下に置かれた冷却器の性能を阻害するのを防止
することができる。これにより、個々の性能が確保で
き、熱交換効率が良好で、省スペースな自然対流式冷房
装置を提供することができる。
【0043】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、以下のような態様で使用するこ
ともできる。すなわち、本実施の形態では、自然対流式
冷却器は空調対象室内に設置したが、上部及び下部が室
内とつながっており、空気の流動を妨げない構成であれ
ば二重壁の中に設置してもよい。また、壁と一体化した
構造でもよい。
【0044】また、本実施の形態の自然対流式冷却器は
フィンが露出した構成のものであるが、これに限定され
るものではない。すなわち、下降風速の強さがそれほど
問題にならない場合には、煙突効果による対流促進を目
的に、冷却器の周囲を板状の物体で囲んでもよい。ま
た、上部及び下部が室内とつながっており、空気の流動
を妨げない構成であれば意匠上の工夫を凝らしてもよ
い。
【0045】さらに、冷却器の周囲をパンチング板など
の一定の開口を持つ構造にして室内空気との流通経路を
確保してもよい。また、本実施の形態では、自然対流式
冷却器を45度に傾けた例で説明したが、特にこれに限
定されるものではなく、空調対象室の熱負荷の大きさや
規模、設置条件などに応じて設置角度を変えてもよい。
【0046】また、必ずしも冷却ユニットと、パーテー
ションユニットを組合せて使用しなくてもよい。設置条
件が許されるなら、大型の冷却ユニットを1台づつ設置
してもよい。また、小型の冷却ユニットであっても条件
に応じて1台づづ設置してもよく、場合によっては、個
別の冷却ユニットの多少の能力の減少を許容できれば、
パーテーションユニットを用いずに冷却ユニットを多段
に組合せて使用してもよい。
【0047】また、自然対流式冷却器は冷却ユニット、
パーテーションユニットというユニット構造でなくても
よい。さらに、冷却器、仕切板の設置方法として、躯体
と一体の構造でもよいし、壁と一体の構造でもよい。ま
た、冷却器及び仕切板を床面に支持させてもよいし、天
井面又は梁などから吊り下げたり、壁などに支持させて
もよい。
【0048】
【実施例】以下に、壁面に設置する冷却器の設置可能高
さが2000mmの時を例に試算を行う。冷却ユニット
37、パーテーションユニット40の外形寸法は200
mmの直方体であり、フィンチューブ型冷却器23の高
さは鉛直にした場合で270mmであるとする。
【0049】図3に示すように、フィンチューブ型冷却
器を45度傾斜させた場合と、鉛直(0度)に設置した
場合(従来の設置方式)とを比べると、その冷却能力比
は約2.5倍となる。したがって、従来の設置方式と同
等の能力を確保するには、フィンチューブ型冷却器は延
べ800mm程度で良いことになり、上記寸法のフィン
チューブ型冷却器23が3台で済む。
【0050】実際には、冷却ユニット37とパーテーシ
ョンユニット40とを交互に積み重ねる構成となるの
で、冷却ユニット37が3台、パーテーションユニット
40が2台で全体の高さは1000mmとなる。この結
果、従来の設置方式に比べて厚さが僅かに増すものの、
高さは半分で済むことになる。一方、壁面全体(200
0mm)を使用すると仮定すると、冷却ユニット37が
5台、パーテーションユニット40が4台で高さ180
0mmとなり、冷却能力は従来方式の1.7倍程度とな
る。
【0051】以上のことからも分かるように、本発明に
よれば、同程度の能力を得るためにはコンパクトな設備
を提供でき、計測室2の熱負荷が大きい場合には、1.
5倍以上の能力を持つ自然対流式冷却器を提供可能であ
る。なお、図3からも分かるように、冷却能力比は、フ
ィンチューブ型冷却器の傾斜角度が約60°を越えると
横ばいとなり、それ以上傾斜させても能力はさほど向上
しない。一方、傾斜が大きくなれば、その分だけ設置す
る幅が大きくなるので、この点を考慮すると、フィンチ
ューブ型冷却器の傾斜角度は0°〜60°の範囲で設定
するのが好ましい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自然対流
式冷房装置によれば、フィンチューブ型冷却器を壁面に
対して所定角度傾けて設置することにより、熱交換効率
が良好で、省スペースな自然対流式冷房装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自然対流式冷房装置が適用された
空調設備の構成図
【図2】本発明に係る自然対流式冷房装置の要部拡大図
【図3】フィンチューブ型冷却器の傾斜角度と冷却能力
比との関係を示すグラフ
【図4】従来の一般的な空調設備の概要を示す説明図
【図5】従来の自然対流式冷房装置を用いた空調設備の
概要を示す説明図
【図6】フィンチューブ型冷却器の構成を示す斜視図
【図7】鉛直管内における自然対流の修正レーレー数と
平均ヌセルト数との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…電子顕微鏡 2…計測室(空調対象室) 3…空気調和機 4…自然対流式冷房装置 5…冷凍機 6…コントローラ 8…壁 13…熱交換用冷水コイル 23…フィンチューブ型冷却器 37…冷却ユニット 38…仕切板 40…パーテーションユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 昇 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 湯本 一夫 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷水が供給される冷水配管と該冷水配管
    に取り付けられた長尺状のフィンとからなるフィンチュ
    ーブ型冷却器を空調対象室の壁部に設置し、自然対流及
    び放射伝熱を利用して前記空調対象室を冷却する自然対
    流式冷房装置において、 前記フィンチューブ型冷却器のフィンを前記空調対象室
    の壁面に対して所定角度傾けて前記フィンチューブ型冷
    却器を空調対象室に設置したことを特徴とする自然対流
    式冷房装置。
  2. 【請求項2】 前記フィンチューブ型冷却器を鉛直方向
    に所定の間隔をもって複数台積み重ねて設置したことを
    特徴とする請求項1記載の自然対流式冷房装置。
  3. 【請求項3】 前記フィンチューブ型冷却器を鉛直方向
    に所定の間隔をもって複数台積み重ねて設置するととも
    に、各フィンチューブ型冷却器の間の一定の位置に仕切
    り板を設置することを特徴とする請求項1記載の自然対
    流式冷房装置。
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JP2013250041A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Kunio Sugano 屋外機ファン不要のヒートポンプエアコン
CN106885309A (zh) * 2017-04-18 2017-06-23 海信(山东)空调有限公司 一种组合式蒸发器及空调器
WO2022025263A1 (ja) * 2020-07-30 2022-02-03 ダイキン工業株式会社 空気調和機用ユニットおよび空気調和機

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