JPH11140719A - 極細ポリプロピレン繊維 - Google Patents

極細ポリプロピレン繊維

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JPH11140719A
JPH11140719A JP9326907A JP32690797A JPH11140719A JP H11140719 A JPH11140719 A JP H11140719A JP 9326907 A JP9326907 A JP 9326907A JP 32690797 A JP32690797 A JP 32690797A JP H11140719 A JPH11140719 A JP H11140719A
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JP
Japan
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polypropylene
temperature
spinning
denier
melt
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Application number
JP9326907A
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English (en)
Inventor
Kenji Kobayashi
賢治 小林
Toru Matsumura
徹 松村
Toshikuni Hata
俊邦 畑
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NIPPON POLYCHEM KK
Original Assignee
NIPPON POLYCHEM KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融紡糸法による繊度0.5デニール未満の
不織布用極細ポリプロピレン繊維の提供。 【解決手段】 メルトフローレイトが20〜1500g
/10分であるホモポリプロピレンまたはエチレン含量
が4重量%以下のエチレン−プロピレン共重合体100
重量部に対してβ晶を形成させる造核剤を0.001〜
5重量部添加したポリプロピレン樹脂組成物を徐冷下で
溶融紡糸後、得られた未延伸糸を、高度延伸してなる極
細ポリプロピレン繊維であり、この極細ポリプロピレン
繊維を用いた不織布は、バッテリーセパレータ用途では
保液能力が向上し、フィルター用途では集塵、濾過能力
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高延伸極細ポリプ
ロピレン繊維関し、特にバッテリーセパレータ、マス
ク、各種フィルターなどの不織布用極細ポリプロピレン
繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フィルター用不織布として求め
られる必要な機能は、集塵性が高いことであり、バッテ
リーセパレータ用不織布として求められる必要な機能
は、保液能力が高いことである。これらの機能を高める
ためには、不織布を形成する繊維径を細くし不織布構造
を緻密にする必要がある。しかしながら、ポリプロピレ
ン樹脂を原料とした場合、従来の溶融紡糸法では延伸倍
率の限界から、0.7デニール程度の繊度の繊維しか得
られず、ポリプロピレン繊維の極細化は難しいのが現状
である。また、溶融紡糸法でなくメルトブローン法であ
ればポリプロピレンの極細繊維の不織布は生産可能であ
るが、この手法では、生産コストが高く、かつ当該不織
布の強度が低いといった問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の観点から、溶融紡糸法により繊度0.5デニール未満
の不織布用極細ポリプロピレン繊維を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の流動性を持
ったポリプロピレンにβ晶造核剤を添加した組成物を徐
冷下に溶融紡糸後、延伸することによって0.5デニー
ル未満の繊度のポリプロピレン繊維が得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、メルト
フローレイトが20〜1500g/10分であるホモポ
リプロピレンまたはエチレン含量が4重量%以下のエチ
レン−プロピレン共重合体100重量部に対してβ晶を
形成させる造核剤を0.001〜5重量部添加したポリ
プロピレン樹脂組成物を徐冷下で溶融紡糸後、得られた
未延伸糸を延伸してなる極細ポリプロピレン繊維であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】1.ポリプロピレン 本発明におけるポリプロピレンは、メルトフローレイト
(以下、MFRという)が20〜1500g/10分、
好ましくは30〜500g/10分のホモポリプロピレ
ンまたはエチレン含量が4重量%以下のエチレン−プロ
ピレン共重合体である。ポリプロピレンのMFRが20
g/10分未満であると、溶融紡糸後の延伸工程におい
て延伸倍率があがらず極細ポリプロピレン繊維が得られ
ない。また、MFRが1500g/10分を超えると、
流動性が高すぎて溶融紡糸を行うこと自体難しくなる。
エチレン−プロピレン共重合体の場合、エチレン含量は
4重量%以下、好ましくは2.5重量%以下である。エ
チレン含量が4重量%を超えるとエチレン−プロピレン
共重合体の結晶化温度が低くなることから、ポリプロピ
レン繊維同士の融着がおこり溶融紡糸を行うことが難し
くなる。更に、ポリプロピレンのGPC法による分子量
分布(Mw/Mn)は、2〜6であることが好ましい。
この範囲内であれば溶融紡糸および延伸に支障は来さな
い。分子量分布が6を超えると、高分子量成分の影響で
延伸性が損なわれる恐れがあり、好ましくない。
【0006】2.β晶造核剤 本発明において用いるβ晶を形成させる造核剤として
は、溶融紡糸により得られるポリプロピレン未延伸糸の
結晶系のβ晶化を促進するβ晶造核剤であればどのよう
なものでもよいが、特に、γ−キナクリドン、二成分β
成核剤、またはアミド系化合物等が挙げられる。
【0007】二成分β成核剤とは、成分Aと成分Bを混
合することにより形成されるβ晶造核剤であって、特開
昭61−281105号公報に記載されている。すなわ
ち、成分Aは有機二塩基酸、例えばピメリン酸、アゼラ
イン酸、o−フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル
酸等であり、成分Bは第II族金属、例えばマグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムの酸化
物、水酸化物または酸塩である。成分Bの酸塩は無機酸
または有機酸、例えば炭酸、ステアリン酸等の塩であ
る。また、成分Bは既にプロピレン組成物に存在する添
加物の一つであってもよい。
【0008】アミド系化合物としては、特開平8−14
4122号公報に記載されているアミド系化合物であ
る。すなわち、一般式(1)又は(2)で表される一種
若しくは二種以上のアミド系化合物が挙げられる。 R2−NHCO−R1−CONH−R3 (1) 〔式中、R1は炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和の
脂肪族カルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは
不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は炭素数6〜28の
芳香族ジカルボン酸残基を表す。R2、R3は同一又は異
なって、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3
〜12のシクロアルケニル基、一般式a、一般式b、一
般式c又は一般式dで示される基を表す。〕
【0009】
【化1】 〔式中、R4は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖状
のアルキル基又は炭素数2〜12の直鎖状もしくは分岐
状のアルケニル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基
又はフェニル基を表す。〕
【0010】
【化2】 〔式中、R5は一般式aにおけるR4と同義である。〕
【0011】
【化3】 〔式中、R6は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアル
キレン基を表す。〕
【0012】
【化4】 〔式中、R7は一般式cにおけるR6と同義である。〕
【0013】 R9−CONH−R8−NHCO−R10 (2) 〔式中、R8は一般式(1)におけるR1と、R9は一般
式(1)におけるR2と、R10は一般式(1)における
3とそれぞれ同義である。〕 具体的には、N,N′−ジシクロヘキシル−2,6−ナ
フタレンジカルボキシアミド、N,N′−ジシクロヘキ
シルテレフタルアミド、N,N′−ジフェニルヘキサン
ジアミド、N,N′−ジシクロヘキサンカルボニル−p
−フェニレンジアミン、N,N′−ジベンゾイル−1,
4−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられ、これらのβ
晶造核剤として、新日本理化(株)よりエヌジェスタ−
(商品名)として販売されている。
【0014】本発明において、β晶造核剤の配合量はポ
リプロピレン100重量部に対して0.001〜5重量
部、好ましくは0.005〜1重量部である。0.00
1重量部未満では、未延伸糸中にβ晶が生成し難く、一
方、5重量部を超えて含有しても効果の優位性は認めら
れず、逆に紡糸時に糸切れなどを引き起こす。当該造核
剤は、ポリプロピレン組成物調製時に配合してもよい
し、マスターバッチ化してポリプロピレン組成物とドラ
イブレンドしてもよい。
【0015】3.その他の添加剤 本発明の極細ポリプロピレン繊維には、使用目的に応じ
て適宜従来公知のポリオレフィン用改質剤を併用するこ
とができる。例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、界面活性剤、中和剤、分散剤、エポキ
シ安定剤、可塑剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤、発
泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋助剤、顔料等である。酸
化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸
化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及
びビタミン類などが挙げられる。分散剤をかねた中和剤
としては、金属石鹸、ハイドロタルサイト類、リチウム
アルミニウム複合水酸化物塩、ケイ酸塩、金属酸化物、
金属水酸化物等が挙げられる。
【0016】4.極細ポリプロピレン繊維の製造方法 (1)ポリプロピレン未延伸糸の製造 ポリプロピレン未延伸繊維の成形は、一般に溶融押出成
形により行われる。例えばポリプロピレンを紡糸口金を
通して溶融紡糸することにより未延伸ポリプロピレン糸
が得られる。本発明のβ晶造核剤含有ポリプロピレン組
成物を用い、このようにして溶融押出成形で得られた未
延伸糸の延伸性を向上させるために、ポリプロピレン未
延伸糸の結晶系をよりβ晶化することが必要がある。こ
れはポリプロピレンのβ晶が外力により崩れやすい結晶
系であるためである。したがって、ポリプロピレン未延
伸糸の結晶系はβ晶含有率が15%以上、好ましくは3
0%以上であるのが望ましい。ポリプロピレン未延伸糸
の結晶系のβ晶含有率が15%未満であると、β晶が外
力により崩れやすい特徴を生かせず、延伸倍率の向上が
ほとんどみられず、好ましくない。
【0017】ポリプロピレン未延伸糸の結晶のβ晶化を
促進する方法としては、β晶造核剤の存在下の溶融紡糸
時に紡糸された繊維を徐冷することが必要である。本発
明において、溶融紡糸時の徐冷とは、紡糸ノズルから1
00〜150cm離れた雰囲気温度を30℃以上に保持
することを意味する。紡糸された繊維を、30℃未満に
急冷すると、当該β晶造核剤は、逆の作用としてα晶の
造核剤として働くようになり、未延伸糸の中にはβ晶は
形成されなくなる。その結果、後の延伸工程で延伸倍率
の向上はみられなくなる。また、ポリプロピレン未延伸
糸のβ晶の生成促進の手法として紡糸ノズル直下をさら
に加熱保温するか、冷却空気温度をあげること等が有効
な方法である。
【0018】(2)延伸操作 上記で得られたポリプロピレン未延伸糸を延伸すること
によって、極細繊維を製造する。延伸操作は、1段ある
いは2段以上の多段で行うことができる。延伸温度は、
ポリプロピレンのβ晶の融点以下が好ましく、70〜1
40℃の範囲で、オーブン、熱板、遠赤外線等を熱源と
して行う。また、延伸倍率は、8〜16倍、好ましくは
8〜13倍にすることにより、目的とする0.5デニー
ル未満の極細ポリプロピレン繊維を得ることができる。
【0019】(3)熱処理 このようにして得られた極細ポリプロピレン繊維は、必
要に応じて、熱処理を施す。この熱処理は一般に80〜
170℃、好ましくは100〜165℃の範囲内で、
0.5〜30分、好ましくは1〜20分行う。この熱処
理により極細ポリプロピレン繊維の熱収縮を抑制するこ
とができる。
【0020】5.極細ポリプロピレン繊維およびその不
織布 本発明の極細ポリプロピレン繊維は、上記ポリプロピレ
ン組成物を用い、上記の方法で製造されているので、ポ
リプロピレン繊維の繊度は、0.5デニール未満の極細
繊維となる。得られたポリプロピレン極細繊維を使用し
て、湿式抄造法、シンタリング法、ニードルパンチ法、
カード法、クロスレイヤー法、ランダムウエーバー法、
エアーフォーミング法等によってポリプロピレン不織布
を形成する。さらに、用途に応じて不織布を熱ロール等
により熱接着成形してバッテリーセパレータまたはフィ
ルターを成形することができる。本発明で得られるポリ
プロピレン極細繊維からの不織布は、0.5デニール未
満の繊度を有するので、バッテリーセパレータ用途では
保液能力が向上し、フィルター用途では集塵、濾過能力
が向上する。0.5デニールを超えたポリプロピレン繊
維からの不織布は、バッテリーセパレータ用途では保液
能力の低下、フィルター用途では集塵、濾過能力の低下
等の問題が生じ好ましくない。
【0021】
【実施例】以下に、実施例で本発明を詳細に説明する。
実施例における試験法は以下の通りである。 (1)MFR:JIS K 7210により荷重2.1
6kg、230℃にて測定した。 (2)分子量分布:GPCにて測定した。 (3)β晶含有率:ポリプロピレン未延伸糸を粉状にカ
ッティングしたものを(株)マックサイエンス社製広角
X線回折装置を用い、出力45kv×250mA、測定
範囲2θ:5〜30deg、走査速度4deg/分の条
件で測定を行い、以下の式よりβ晶結晶含有率Kを求め
た[A.Turner Jonesら、Macromo
l.Chem.,75,134(1964)参照]。 K=H(β)/[H(β)+H(α1)+H(α2)+
H(α3)]×100(%)。 ただし、H(β) :β晶(300)面の回折強度 H(α1):α晶(110)面の回折強度 H(α2):α晶(040)面の回折強度 H(α3):α晶(130)面の回折強度 (4)最高延伸倍率の評価:延伸工程において、20分
間延伸による糸切れが生じない上限の倍率とした。
【0022】実施例1 MFRが30g/10分、分子量分布(Mw/Mn)が
4のホモポリプロピレン(HPP)100重量部に、酸
化防止剤としてIr.1010及びIr.168(チバ
ガイギー製)を各々0.05重量部、中和剤としてカル
シウムステアレートを0.05重量部、及びβ晶造核剤
エヌジェスター(新日本理化(株)製)を0.05重量
部加え、スーパーミキサーを用いてブレンドした後、5
0mmφの押出成形機にて230℃、75rpmのスク
リュー回転数で溶融混練し、ペレット状のポリプロピレ
ンを得た。
【0023】得られたポリプロピレンペレットをギアポ
ンプ付きマルチフィラメント紡糸機(ダイス:0.3m
mφ×30穴)を用いて、吐出量0.22g/分/穴、
紡糸温度250℃、巻取速度500m/分、紡糸ノズル
から100cm離れた雰囲気温度(以下冷却温度とい
う。)40℃で溶融紡糸し、約4デニールの未延伸糸を
得た。未延伸糸中に含まれるβ晶の割合は90%であっ
た。次いで、フィードスピード30m/分、フィードロ
ール温度90℃、延伸点のヒーター温度130℃、ドロ
ーロール温度110℃の条件下で延伸を行った。最高延
伸倍率は9倍で、8.5倍延伸にて繊度0.47デニー
ルの繊維を得た。
【0024】実施例2 MFRが100g/10分、分子量分布が3.6のホモ
ポリプロピレンを用いた以外は、実施例1同様にしてペ
レット状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピ
レンペレットを実施例1と同様のマルチフィラメント紡
糸機を用いて、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度2
20℃、巻取取速度500m/分、冷却温度40℃で溶
融紡糸し、約4デニールの未延伸糸を得た。未延伸糸中
に含まれるβ晶の割合は88%であった。次いで、フィ
ードスピード30m/分、フィードロール温度90℃、
延伸点のヒーター温度130℃、ドローロール温度11
0℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は12倍
で、11倍延伸にて繊度0.39デニールの繊維を得
た。
【0025】実施例3 MFRが200g/10分、分子量分布が3.3のホモ
ポリプロピレンを用いる以外は、実施例1同様にしてペ
レット状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピ
レンペレットを実施例1と同様のマルチフィラメント紡
糸機を用いて、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度2
00℃、巻取取速度500m/分、冷却温度40℃で溶
融紡糸し、約4デニールの未延伸糸を得た。未延伸糸中
に含まれるβ晶の割合は87%であった。次いで、フィ
ードスピード30m/分、フィードロール温度90℃、
延伸点のヒーター温度130℃、ドローロール温度11
0℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は14倍
で、13倍延伸にて繊度0.32デニールの繊維を得
た。
【0026】実施例4 MFRが100g/10分、分子量分布が3.9、エチ
レン含量が0.5重量%のエチレン−プロピレン共重合
体(RPP)を用い、エヌジェスター添加量を0.1重
量部とした以外は、実施例1と同様にしてペレット状の
ポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンペレッ
トを実施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用い
て、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度190℃、巻
取取速度500m/分、冷却温度40℃で溶融紡糸し、
約4デニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含ま
れるβ晶の割合は65%であった。次いで、フィードス
ピード30m/分、フィードロール温度90℃、延伸点
のヒーター温度120℃、ドローロール温度110℃の
条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は10倍で、9.
5倍延伸にて繊度0.44デニールの繊維を得た。
【0027】実施例5 MFRが100g/10分、分子量分布が3.8、エチ
レン含量が1.5重量%のエチレン−プロピレン共重合
体を用い、エヌジェスター添加量を0.1重量部とした
以外は、実施例1と同様にしてペレット状のポリプロピ
レンを得た。得られたポリプロピレンペレットを実施例
1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐出量
0.22g/分/穴、紡糸温度190℃、巻取取速度5
00m/分、冷却温度40℃で溶融紡糸し、約4デニー
ルの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ晶の
割合は50%であった。次いで、フィードスピード30
m/分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒーター
温度110℃、ドローロール温度110℃の条件下で延
伸を行った。最高延伸倍率は9.5倍で、9倍延伸にて
繊度0.45デニールの繊維を得た。
【0028】実施例6 MFRが100g/10分、分子量分布が3.6、エチ
レン含量が2重量%のエチレン−プロピレン共重合体を
用い、エヌジェスター添加量を0.1重量部とした以外
は、実施例1と同様にしてペレット状のポリプロピレン
を得た。得られたポリプロピレンペレットを実施例1と
同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐出量0.
22g/分/穴、紡糸温度190℃、巻取取速度500
m/分、冷却温度40℃で溶融紡糸し、約4デニールの
未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ晶の割合
は35%であった。次いで、フィードスピード30m/
分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒーター温度
110℃、ドローロール温度110℃の条件下で延伸を
行った。最高延伸倍率は9倍で、8.5倍延伸にて繊度
0.47デニールの繊維を得た。
【0029】実施例7 実施例2で調製したペレット状ホモポリプロピレンを用
い、これを実施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機
を用いて、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度220
℃、巻取取速度500m/分、冷却温度30℃で溶融紡
糸し、約4デニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中
に含まれるβ晶の割合は30%であった。次いで、フィ
ードスピード30m/分、フィードロール温度90℃、
延伸点のヒーター温度120℃、ドローロール温度11
0℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は10倍
で、9.5倍延伸にて繊度0.44デニールの繊維を得
た。
【0030】比較例1 MFRが30g/10分、分子量分布が4のホモポリプ
ロピレン100重量部に、酸化防止剤としてIr.10
10及びIr.168(チバガイギー製)を各々0.0
5重量部、中和剤としてカルシウムステアレートを0.
05重量部を加え、スーパーミキサーを用いてブレンド
した後、50mmφの押出成形機にて230℃、75r
pmのスクリュー回転数で溶融混練し、ペレット状のポ
リプロピレンを得た。
【0031】得られたポリプロピレンペレットを実施例
1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐出量
0.22g/分/穴、紡糸温度250℃、巻取取速度5
00m/分、冷却温度40℃で溶融紡糸し、約4デニー
ルの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ晶の
割合は0%であった。次いで、フィードスピード30m
/分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒーター温
度130℃、ドローロール温度110℃の条件下で延伸
を行った。最高延伸倍率は6倍までしか到達せず、5.
5倍延伸にて繊度0.75デニールの繊維までしか得る
ことができなかった。
【0032】比較例2 MFRが100g/10分、分子量分布が3.6のホモ
ポリプロピレンを用いた以外は、比較例1と同様にして
ペレット状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロ
ピレンペレットを実施例1と同様のマルチフィラメント
紡糸機を用いて、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度
220℃、巻取取速度500m/分、冷却温度40℃で
溶融紡糸し、約4デニールの未延伸糸を得た。この未延
伸糸中に含まれるβ晶の割合は0%であった。次いで、
フィードスピード30m/分、フィードロール温度90
℃、延伸点のヒーター温度130℃、ドローロール温度
110℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は6.
5倍までしか到達せず、6倍延伸にて繊度0.7デニー
ルの繊維までしか得ることができなかった。
【0033】比較例3 MFRが200g/10分、分子量分布が3.3のホモ
ポリプロピレンを用いた以外は、比較例1と同様にして
ペレット状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロ
ピレンペレットを実施例1と同様のマルチフィラメント
紡糸機を用いて、吐出量0.22g/分/穴、紡糸温度
200℃、巻取取速度500m/分、冷却温度40℃で
溶融紡糸し、約4デニールの未延伸糸を得た。この未延
伸糸中に含まれるβ晶の割合は0%であった。次いで、
フィードスピード30m/分、フィードロール温度90
℃、延伸点のヒーター温度130℃、ドローロール温度
110℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍率は7倍
までしか到達せず、6.5倍延伸にて繊度0.6デニー
ルの繊維までしか得ることができなかった。
【0034】比較例4 実施例1で調製したペレット状のポリプロピレンを、実
施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐
出量0.22g/分/穴、紡糸温度250℃、巻取取速
度500m/分、冷却温度20℃で溶融紡糸し、約4デ
ニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ
晶の割合は9.6%であった。次いで、フィードスピー
ド30m/分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒ
ーター温度130℃、ドローロール温度110℃の条件
下で延伸を行った。最高延伸倍率は6.5倍までしか到
達せず、6倍延伸にて繊度0.69デニールの繊維まで
しか得ることができなかった。
【0035】比較例5 実施例2で調製したペレット状のポリプロピレンを、実
施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐
出量0.22g/分/穴、紡糸温度220℃、巻取取速
度500m/分、冷却温度20℃で溶融紡糸し、約4デ
ニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ
晶の割合は8.4%であった。次いで、フィードスピー
ド30m/分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒ
ーター温度130℃、ドローロール温度110℃の条件
下で延伸を行った。最高延伸倍率は7.5倍までしか到
達せず、7倍延伸にて繊度0.57デニールの繊維まで
しか得ることができなかった。
【0036】比較例6 実施例3で調製したペレット状のポリプロピレンを、実
施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐
出量0.22g/分/穴、紡糸温度200℃、巻取取速
度500m/分、冷却温度20℃で溶融紡糸し、約4デ
ニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ
晶の割合は9.3%であった。次いで、フィードスピー
ド30m/分、フィードロール温度90℃、延伸点のヒ
ーター温度130℃、ドローロール温度110℃の条件
下で延伸を行った。最高延伸倍率は7.8倍までしか到
達せず、7.2倍延伸にて繊度0.55デニールの繊維
までしか得ることができなかった。
【0037】比較例7 実施例5で調製したペレット状のポリプロピレンを、実
施例1と同様のマルチフィラメント紡糸機を用いて、吐
出量0.22g/分/穴、紡糸温度190℃、巻取取速
度500m/分、冷却温度20℃で溶融紡糸し、約4デ
ニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸中に含まれるβ
晶の割合は0%であり、全体がスメチカ晶系であった。
次いで、フィードスピード50m/分、フィードロール
温度90℃、延伸点のヒーター温度110℃、ドローロ
ール温度110℃の条件下で延伸を行った。最高延伸倍
率は6倍までしか到達せず、5.5倍延伸にて繊度0.
75デニールの繊維までしか得ることができなかった。
【0038】実施例及び比較例の結果をまとめて表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の極細ポリプロピレン繊維は、特
定のポリプロピレンにβ晶造核剤を添加した組成物を徐
冷下に溶融紡糸して得られるβ晶含有率の高い未延伸糸
を高度延伸して得られるポリプロピレン繊維であり、そ
の繊度は、0.5デニール未満の極細である。したがっ
て、本発明で得られる極細ポリプロピレン繊維を用いた
不織布は、バッテリーセパレータ用途では保液能力が向
上し、フィルター用途では集塵、濾過能力が向上する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレイトが20〜1500g
    /10分であるホモポリプロピレンまたはエチレン含量
    が4重量%以下のエチレン−プロピレン共重合体100
    重量部に対してβ晶を形成させる造核剤を0.001〜
    5重量部添加したポリプロピレン樹脂組成物を徐冷下で
    溶融紡糸後、得られた未延伸糸を延伸してなる極細ポリ
    プロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 β晶含有率が15%以上である未延伸糸
    を延伸してなる請求項1記載の極細ポリプロピレン繊
    維。
  3. 【請求項3】 繊度が0.5デニール未満である請求項
    1ないし請求項2記載の極細ポリプロピレン繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の極細ポリプロピレン
    繊維からなる不織布。
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