JPH11140520A - 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体 - Google Patents

高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体

Info

Publication number
JPH11140520A
JPH11140520A JP30476097A JP30476097A JPH11140520A JP H11140520 A JPH11140520 A JP H11140520A JP 30476097 A JP30476097 A JP 30476097A JP 30476097 A JP30476097 A JP 30476097A JP H11140520 A JPH11140520 A JP H11140520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blow
difference
blast furnace
computer
positional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30476097A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Jinno
成司 神野
Nobuo Funabiki
信生 船曵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP30476097A priority Critical patent/JPH11140520A/ja
Publication of JPH11140520A publication Critical patent/JPH11140520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Blast Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉の操業時に、吹き抜けを高精度に予測し
得る方法、及びその実施に使用する装置、並びにそのプ
ログラムが記録してあるコンピュータ読み取り可能な記
録媒体を提供する。 【解決手段】 CPU31は割合miと、レベル1〜3に
応じて予め設定した第1閾値S(lev)とを比較し、
mi≧S(lev)である場合、経時的圧力差Δan
変化は緩慢であり、吹き抜けが発生する可能性が高いと
判断する。CPU31は、時間TQ 又は時間TP の時間領
域内に算出された複数の圧力差Δbn から、最小平均圧
力差min(バーΔb)を抽出し、最小圧力差min
(Δb)とレベル1〜3に応じて予め設定した第2閾値
U(lev)とを比較し、min(バーΔb)≦U(l
ev)である場合、吹き抜けが発生すると判断し、出力
部33をして警報器4に警報を出力せしめると共に、高炉
の操業を制御する制御装置5へ吹き抜けの警報信号を出
力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の操業中、高
炉内のガスによって、高炉に装入した装入物が吹き上げ
られる、所謂吹き抜けを予知する方法、及びその実施に
使用する装置、並びにそのプログラムが記録してあるコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の操業中、炉内に装入した装入物が
円滑に降下せずに、炉内を上昇するガスの圧力損失が局
所的に増加することがある。これは炉内に装入した装入
物を押し上げる力になるので、この力が重力によって降
下しようとする装入物の降下力と等しくなった場合、装
入物の降下が局所的に停止した状態である棚が形成され
る。更に圧力損失が高い場合、前述した棚の崩壊と共に
装入物の粒子が流動化し、炉内のガスと共に炉頂へ吹き
上げられる、吹き抜けが発生する。
【0003】図11は高炉で発生する吹き抜けを説明する
説明図であり、図中、14は高炉のシャフトである。図11
(a)の如く、シャフト14内には鉄鉱石及びコークス等
の装入物Sが、適宜の空隙率になるように層状に堆積さ
れており、装入物Sは溶銑及び出銑に伴ってシャフト14
内を降下する。シャフト14の下方には羽口が設けてあ
り、該羽口から適宜の流量で吹き込まれた高温の空気が
装入物Sと反応して、N 2 ,CO,H2 等のガスが生成
され、このガスが装入物Sの粒子間隙を上昇する。
【0004】図11(b)の如く、シャフト14の内壁面に
付着した付着物、又は内壁面の損傷による凹凸によっ
て、装入物14の降下が阻害された場合、その部分で前記
ガスの圧力損失が大きくなって棚Tが形成され、棚Tよ
り下方にある装入物Sの降下に伴って、棚Tの下方に空
洞Kが形成される。図11(c)の如く、棚Tより下方に
ある装入物Sが降下するに従って、空洞Kが大きくな
り、棚Tの周囲の装入物Sが空洞K内へ滑り込み、それ
によって棚Tが崩落する。空洞Kへ滑り込み又は崩落し
た装入物Sの領域は、層状構造が破壊されており、空隙
率が大きく流動性が高い流動性領域Rになっている。
【0005】この流動性領域Rでは上昇するガスの圧力
損失が大きいため、図11(d)の如く、流動性領域R上
に新たな棚Tが形成され、その下方に再び空洞Kが形成
される。このように、棚T及び空洞Kの形成、それらの
崩壊及び流動性領域Rの拡大を繰り返し、図11(e)の
如く、装入物Sの表面から、ガスと共に装入物Sが吹き
上がる。
【0006】このような吹き抜けが発生した場合、炉頂
の温度が急激に上昇し、設備が破壊する虞がある。ま
た、炉内で、伝熱及び還元を行うべきガスが殆ど利用さ
れることなく炉頂から抜けてしまうため、高炉の熱バラ
ンスが損なわれ、高炉の操業に重大な影響を及ぼすた
め、吹き抜けを高精度に予知することが重要である。
【0007】そのため、特開平 4−173908号公報には、
高炉のシャフトに、高さ方向へ所定距離(例えば、1
m)を隔てて3個の圧力センサを埋設しておき、中段の
圧力センサ又は下段の圧力センサが計測した圧力が予め
定めた閾圧力を越えたときから、上段の圧力センサが計
測した圧力が前記閾圧力を越えるまでの時間が、予め定
めた基準時間以内である場合、前述した棚及び空洞の形
成並びに崩壊が発生したため、吹き抜けが発生する可能
性があると判断することによって、吹き抜けを予知する
方法が提案されている。
【0008】また、特開平 9−31510 号公報には、空洞
及び流動性領域が形成された場合、その部分の圧力が平
均の圧力より0.1〜0.3kg/cm2 程高くなるこ
とに着目し、シャフトの複数の位置で内部圧力を測定
し、平均圧力より0.1〜0.3kg/cm2 を越える
ものがある場合、空洞及び流動性領域が形成されたと判
断することによって、吹き抜けを予知する方法が提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シャフト内の
装入物の表面レベルの差に起因して、シャフトの周方向
の圧力が変化するが、特開平 9−31510 号公報に提案さ
れた方法にあっては、表面レベルの差に起因する圧力変
化であっても、それが平均圧力より0.1〜0.3kg
/cm2 を越えた場合、吹き抜けが発生すると予知され
るため、予知精度が低いという問題があった。
【0010】一方、圧力センサに装入物が詰まって、計
測された圧力値が高くなり、装入物の降下によって圧力
センサに詰まった装入物が除去されて、圧力値が元に戻
る場合、又は高炉操業条件を調整した場合、シャフトに
埋設した圧力センサの計測値は変動する。また、シャフ
ト内面へ付着する付着物の大きさ、及びシャフト内面に
生じる凹凸の程度によって、棚及び空洞の大きさが異な
り、それによって空洞が形成されてから崩落が生じるま
での時間が変動する。しかし、特開平 4−173908号公報
で提案された方法にあっては、空洞が形成されてから崩
落が生じるまでの時間が一定であるとしているため、吹
き抜けの予知し得ない場合があり、また、圧力センサへ
の装入物の詰まり又は操業条件の調整等による計測値の
変動と、空洞の形成及び崩落による計測値の変動とを区
別することができないという問題があった。
【0011】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは高炉の高さ方向へ適
宜距離を隔てた位置で高炉内の物理量を経時的に測定
し、得られた両物理量の差を算出し、算出された位置的
差分と異なる時刻の位置的差分との差である経時的差分
を求め、得られた経時的差分及び位置的差分を用いて吹
き抜けが発生するか否かを判断することによって、高炉
の操業時に、吹き抜けを高精度に予測し得る方法、及び
その実施に使用する装置、並びにそのプログラムが記録
してあるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る高炉操業
における吹き抜け予測方法は、炉内に装入した装入物か
ら溶銑を生成する高炉の操業中、前記高炉内の物理量を
測定し、その結果に基づいて吹き抜けの発生を予測する
方法において、高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位置
で前記物理量を経時的に測定し、得られた両物理量の差
を算出し、算出された位置的差分と異なる時刻の位置的
差分との差である経時的差分を求め、得られた経時的差
分及び前記位置的差分を用いて吹き抜けが発生するか否
かを判断することを特徴とする。
【0013】第2発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第1発明において、前記経時的差分と予め
設定した第1閾値とを比較し、前者が後者より小さい場
合、更に複数の位置的差分を算出し、算出された各位置
的差分を用いて経時的差分をそれぞれ求め、得られた各
経時的差分の変化の程度を算出し、その結果と予め設定
した第2閾値とを比較し、その比較結果に基づいて、吹
き抜けが発生する可能性があるか否かを判定することを
特徴とする。
【0014】第3発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第2発明において、吹き抜けが発生する可
能性があると判定した場合、前記複数の位置的差分か
ら、最小の位置的差分を抽出し、抽出した位置的差分と
予め設定した第3閾値とを比較し、その比較結果に基づ
いて、更に吹き抜けが発生する可能性があるか否かを判
定することを特徴とする。
【0015】第4発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第2発明において、前記第1閾値は数値を
異ならせて予め複数設定し、前記第2閾値は各第1閾値
に応じて設定することを特徴とする。
【0016】第5発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第3発明において、前記第1閾値は数値を
異ならせて予め複数設定し、前記第2閾値及び第3閾値
は各第1閾値に応じてそれぞれ設定することを特徴とす
る。
【0017】第6発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第1乃至第5発明の何れかにおいて、高炉
の周方向の複数の位置で前記物理量を測定することを特
徴とする。
【0018】第7発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測方法は、第1乃至第6発明の何れかにおいて、前記
物理量として高炉内の圧力を測定することを特徴とす
る。
【0019】第8発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測装置は、炉内に装入した装入物から溶銑を生成する
高炉の操業中、前記高炉内の物理量をセンサで測定し、
その結果に基づいて吹き抜けの発生を予測する装置にお
いて、前記センサは、高炉の高さ方向へ適宜距離を隔て
た位置にそれぞれ設置してあり、両センサが測定した高
炉内の物理量を経時的に読み込み、読み込んだ両物理量
の差を算出する手段と、算出された位置的差分と異なる
時刻の位置的差分との差である経時的差分を求める手段
と、得られた経時的差分及び前記位置的差分を用いて吹
き抜けが発生するか否かを判断する判断手段とを備える
ことを特徴とする。
【0020】第9発明に係る高炉操業における吹き抜け
予測装置は、第8発明において、前記判断手段は、前記
経時的差分と予め設定した第1閾値とを比較する手段
と、前者が後者より小さい場合、更に複数の位置的差分
を算出する手段と、算出された各位置的差分を用いて経
時的差分をそれぞれ求める手段と、得られた各経時的差
分の変化の程度を算出する手段と、その結果と予め設定
した第2閾値とを比較する手段と、その比較結果に基づ
いて、吹き抜けが発生する可能性があるか否かを判定す
る手段とを具備することを特徴とする。
【0021】第10発明に係る高炉操業における吹き抜
け予測装置は、第9発明において、前記判断手段は、吹
き抜けが発生する可能性があると判定した場合、前記複
数の位置的差分から、最小の位置的差分を抽出する手段
と、抽出した位置的差分と予め設定した第3閾値とを比
較する手段と、その比較結果に基づいて、更に吹き抜け
が発生する可能性があるか否かを判定する手段とを具備
することを特徴とする。
【0022】第11発明に係る高炉操業における吹き抜
け予測装置は、第9発明において、前記第1閾値は数値
を異ならせて予め複数設定してあり、前記第2閾値は各
第1閾値に応じて設定してあることを特徴とする。
【0023】第12発明に係る高炉操業における吹き抜
け予測装置は、第10発明において、前記第1閾値は数
値を異ならせて予め複数設定してあり、前記第2閾値及
び第3閾値は各第1閾値に応じてそれぞれ設定してある
ことを特徴とする。
【0024】第13発明に係る高炉操業における吹き抜
け予測装置は、第8乃至第12発明の何れかにおいて、
前記センサは高炉の周方向の複数の位置に設置してある
ことを特徴とする。
【0025】第14発明に係る高炉操業における吹き抜
け予測装置は、第8乃至第13発明の何れかにおいて、
前記センサは圧力を測定する圧力センサであることを特
徴とする。
【0026】第15発明に係る記録媒体は、炉内に装入
した装入物から溶銑を生成する高炉の操業中、センサが
測定した高炉内の物理量を読み込ませ、その結果に基づ
いて吹き抜けの発生をコンピュータに予測させるプログ
ラムが記録してあるコンピュータ読み取り可能な記録媒
体において、前記高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位
置にそれぞれ配置してあるセンサが測定した前記物理量
を経時的に前記コンピュータに読み込ませるプログラム
コード手段と、読み込まれた両物理量の差を前記コンピ
ュータに算出させるプログラムコード手段と、算出され
た位置的差分と異なる時刻の位置的差分との差である経
時的差分を前記コンピュータに求めさせるプログラムコ
ード手段と、得られた経時的差分及び前記位置的差分を
用いて吹き抜けが発生するか否かを前記コンピュータに
判断させるプログラムコード手段とを有するプログラム
が記録してあることを特徴とする。
【0027】第16発明に係る記録媒体は、第15発明
において、吹き抜けが発生するか否かを前記コンピュー
タに判断させるプログラムコード手段は、前記経時的差
分と予め設定された第1閾値とを前記コンピュータに比
較させるプログラムコード手段と、前者が後者より小さ
い場合、更に複数の位置的差分を前記コンピュータに算
出させるプログラムコード手段と、算出された各位置的
差分を用いて経時的差分を前記コンピュータに求めさせ
るプログラムコード手段と、得られた各経時的差分の変
化の程度を前記コンピュータに算出させるプログラムコ
ード手段と、その結果と予め設定された第2閾値とを前
記コンピュータに比較させるプログラムコード手段と、
その比較結果に基づいて、吹き抜けが発生する可能性が
あるか否かを前記コンピュータに判定させるプログラム
コード手段とを含むプログラムが記録してあることを特
徴とする。
【0028】第17発明に係る記録媒体は、第16発明
において、吹き抜けが発生するか否かを前記コンピュー
タに判断させるプログラムコード手段は、吹き抜けが発
生する可能性があると判定された場合、前記複数の位置
的差分から、最小の位置的差分を前記コンピュータに抽
出させるプログラムコード手段と、抽出された位置的差
分と予め設定された第3閾値とを前記コンピュータに比
較させるプログラムコード手段と、その結果に基づい
て、更に吹き抜けが発生する可能性があるか否かを前記
コンピュータに判定させるプログラムコード手段とを含
むプログラムが記録してあることを特徴とする。
【0029】第18発明に係る記録媒体は、第16発明
において、前記第1閾値は数値を異ならせて予め複数設
定してあり、前記第2閾値は各第1閾値に応じて設定し
てあるプログラムが記録してあることを特徴とする。
【0030】第19発明に係る記録媒体は、第17発明
において、前記第1閾値は数値を異ならせて予め複数設
定してあり、前記第2閾値及び第3閾値は各第1閾値に
応じてそれぞれ設定してあるプログラムが記録してある
ことを特徴とする。
【0031】図6は、吹き抜け発生前に、ボッシュ及び
シャフトにおける高炉内の圧力を経時的に測定した結果
を示すグラフであり、図7は、図6に示したボッシュ及
びシャフトにおける高炉内の圧力の差分Δbを算出した
結果を示すグラフである。両図中、縦軸は高炉内圧力
を、横軸は時間をそれぞれ示している。
【0032】本発明者らは、図6から明らかな如く、シ
ャフトにおける高炉内の圧力の上昇という現象に並行し
て、その下方のボッシュにおける高炉内の圧力の低下と
いう現象が生じ、吹き抜け発生に至るという知見を得
た。両現象は次のように説明するとができる。高炉の内
壁に付着した付着物又は前記内壁の凹凸によって棚が形
成される一方、この棚の荷重に対する前記付着物又は凹
凸からの抗力が生じ、この力によって前者の現象が生じ
る。
【0033】一方、前述した棚の下方には空洞が形成さ
れるため、シャフトの高炉内の圧力が上昇した位置の下
方のボッシュにおいて、装入物の荷重が減少し、それに
よってボッシュにおける高炉内の圧力が減少するため、
後者の現象が生じる。また、これら両現象は、棚の崩壊
によって元の圧力分布へ戻ろうとする、即ち、シャフト
において上昇した圧力が低下し、その下方のボッシュに
おいて低下した圧力が上昇するという知見も得た。従っ
て、図7に示した如く、ボッシュ及びシャフトにおける
高炉内の圧力の差分Δbを算出することによって、これ
らの知見を吹き抜け予測に取り込むことができる。
【0034】また、図8は、図7に示した差分Δbを用
いて、適宜の時間における差分Δbとそれより所定時間
前の差分Δbとの差分Δaを算出した結果を示すグラフ
であり、図中、縦軸は圧力を、横軸は時間をそれぞれ示
している。図7及び図8からあきらかな如く、差分Δa
を算出することによって、図7に示した差分Δbの変化
の程度を数値化することができる。本発明者らは、高炉
内の圧力変化に着目し、高炉操業中の操作量の変更又は
センサ内への装入物の侵入による圧力の変化と、棚の形
成と崩壊による圧力の変化とを比較したところ、前者の
場合、圧力の変化が比較的急であり、後者の場合圧力変
化が比較的緩やかであると知見を得た。従って、前述し
た如く、差分Δaを算出することによって差分Δbを数
値化し、高炉内圧力の変化の程度を検出し、それが緩や
かであれば、棚の形成と崩壊による圧力の変化であっ
て、吹き抜けが発生する可能性があると判定することが
できる。
【0035】第1,第6,第7,第8,第13,第14
及び第15発明にあっては、高炉の高さ方向へ適宜距離
を隔てた位置で高炉内の物理量(圧力)を経時的に測定
する。好ましくは、シャフトの適宜位置で高炉内の物理
量(圧力)を経時的に測定し、また、ボッシュの前記シ
ャフトの測定位置に対応する位置で高炉内の物理量(圧
力)を経時的に測定する。これによって、高さ方向の2
つの位置の測定結果に基づいて、高炉内の棚が発生し得
る全領域を監視することができる一方、高炉に設置する
センサの数を可及的に少なくすることができる。
【0036】両位置で物理量(圧力)が測定される都
度、両物理量(圧力)の差である位置的差分をそれぞれ
算出する。また、この位置的差分と所定時間前に測定し
て得られた位置的差分との差である経時的差分を求め
る。この経時的差分を解析することによって、位置的差
分の変化が急であるか緩やかであるかを検出することが
でき、その結果に基づいて、高炉操業中の操作量の変更
又はセンサ内への装入物の侵入による物理量(圧力)の
変化であるか否かを判別する。
【0037】一方、棚が形成された場合、前述したよう
に位置的差分は減少するので、位置的差分が所定値より
小さくなった場合、棚が形成され、吹き抜けが発生する
と判断することができる。このとき、ボッシュにおける
高炉内の物理量(圧力)の変化が考慮されているため、
棚が形成されたか否か、即ち吹き抜けが発生するか否か
を高精度に予測することができる。
【0038】第2,第6,第7,第9,第13,第14
及び第16発明にあっては、経時的差分と予め設定した
第1閾値とを比較し、前者が後者より小さい場合、位置
的差分にある程度の変化があったと判断し、次のように
してその変化の程度を判定する。位置的差分に変化があ
ったと判断してから、予め定めた時間領域内において、
複数の位置的差分を算出し、算出された各位置的差分
と、所定時間前に測定して得られた位置的差分との差を
演算して複数の経時的差分をそれぞれ求める。
【0039】そして、得られた各経時的差分の値が負で
ある割合を算出することによって、各経時的差分の変化
の程度を数値化し、前記割合と予め設定した第2閾値と
を比較し、前者が後者より大きい場合、その変化は緩や
かであるので、高炉操業中の操作量の変更又はセンサ内
への装入物の侵入による物理量(圧力)の変化ではない
と判断して、吹き抜けが発生する可能性があると判定す
る。
【0040】第3,第6,第7,第10,第13,第1
4及び第17発明にあっては、吹き抜けが発生する可能
性があると判定した場合、前記時間領域内において算出
した複数の位置的差分から、最小の位置的差分を抽出す
る。即ち、前記時間領域において、シャフトでの物理量
(圧力)と、ボッシュでの物理量(圧力)とが最も近似
する場合の、両者の差分を求める。抽出した位置的差分
と予め設定した第3閾値とを比較し、前者が後者より小
さい場合、棚が形成されたと判断し、吹き抜けが発生す
ると決定する。
【0041】第4,第5,第6,第7,第11,第1
2,第13,第14,第18及び第19発明にあって
は、第1閾値を数値を異ならせて予め複数設定すること
によって、経時的偏差を複数のレベルに離散化する。そ
して、各レベルに対応する複数の第2閾値及び第3閾値
を設定しておくことによって、吹き抜けの発生を更に高
精度に予測することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係る装置
の構成を示すブロック図であり、図中、1は高炉本体で
ある。高炉本体1は、羽口,出銑口等が開設してある円
筒状のハース11上に、直径が漸次拡大する朝顔形状のボ
ッシュ12、該ボッシュ12の最大直径と同じ直径の円筒状
のベリー13,直径が漸次縮小するシャフト14をこの順番
に形成してなり、シャフト14上に円筒状のスロート15が
立設してある。スロート15の上には、鉄鉱石及びコーク
ス等の装入物を高炉本体1内に装入する装入装置(図示
せず)が配設してあり、該装入装置から高炉本体1内
へ、スロート15内に予め設定したストックラインの高さ
になるまで、適宜の時間間隔で装入物が投入されるよう
になっている。
【0043】高炉本体1の周縁部に装入された装入物
は、スロート15からシャフト14及びベリー13と経てボッ
シュ12の上段の位置までは装入前と同じ塊状であり、ボ
ッシュ12の中段から下段の位置までは半溶融状である。
ボッシュ12の下方のハース11では、溶銑がコークスの間
を滴下して底部に溜まり、そこに湯溜まりが形成され、
この湯溜まりから出銑される。この出銑及び装入物の塊
状物から溶銑への変化に伴う体積の減少等によって、ス
ロート15からボッシュ12の間の装入物は、漸次降下して
いる。
【0044】シャフト14の上縁近傍の位置には、シャフ
ト14内の圧力を測定する複数の第1圧力センサ21,21,
…が、シャフト14の周方向へ適宜距離を隔てて埋設して
あり、第1圧力センサ21,21,…の測定結果は後述する
データ検出器2に与えられる。また、ボッシュ12の上縁
近傍の位置には、ボッシュ12内の圧力を測定する複数の
第2圧力センサ22,22,…が、前記第1圧力センサ21,
21,…の周方向の位置に対応するように埋設してあり、
第2圧力センサ22,22,…の測定結果もデータ検出器2
に与えられる。
【0045】データ検出器2は、第1圧力センサ21,2
1,…及び第2圧力センサ22,22,…から与えられた測
定結果を所定の周期(略1秒)でサンプリングし、第1
圧力センサ21,21,…及び第2圧力センサ22,22,…の
内の対応する一対のセンサからサンプリングした測定結
果を対応付けて、吹き抜けが発生するか否かを予測計算
するコンピュータ3に与える。
【0046】図2乃至図5は、図1に示したコンピュー
タ3が吹き抜けを予測する手順を示すフローチャートで
ある。コンピュータ3のCPU31は、データ検出器2か
ら測定結果が与えられる都度、それを読み込み(ステッ
プS1)、次の(1)式に基づいて、ボッシュ内の圧力
とシャフト内の圧力との差である圧力差Δbn (t)を
算出し(ステップS2)、それをメモリ32の所定アドレ
スに記憶させる。 Δbn (t)=xn (t)−yn (t) …(1) 但し、n :高炉本体の周方向の位置 x(t):時刻tにおけるボッシュ内の圧力(kg/c
2 ) y(t):時刻tにおけるシャフト内の圧力(kg/c
2
【0047】CPU31は時間Tb (Tb =5〜60秒、
最適値は10秒)が経過する都度、その間にメモリ32に
記憶させた圧力差Δbn の平均を算出し、得られた平均
圧力差(バー)Δbn をメモリ32の他のアドレスに記憶
させる(ステップS3,S4,S5)。CPU31は、時
間Tr (Tr =180〜380秒、最適値は280秒)
前に算出した平均圧力差(バー)Δbn をメモリ32から
読み出し(ステップS6)、算出した平均圧力差(バ
ー)Δbn と読み出した平均圧力差(バー)Δb n との
差分である経時的圧力差Δan を、次の(2)式に従っ
て求める(ステップS7)。 Δan =Δbn (t)−Δbn (t−Tr ) …(2)
【0048】CPU31は、経時的圧力差Δan が得られ
ると、予め設定された3つの閾値V(1)〜V(3)
(V(1)<V(2)<V(3))を用いて、危険度を
示すレベル1〜4に経時的圧力差Δan を離散化する。
即ち、Δan ≦V(1)であればレベル3とし、V
(1)<Δan ≦V(2)であればレベル2とし、V
(2)<Δan ≦V(3)であればレベル1とし、V
(3)<Δan であればレベル0(零)とする(ステッ
プS8〜S14)。CPU31は、離散化して得たレベルが
1以上であるか否かを判断し(ステップS15)、そうで
ないと判断した場合、以降の演算操作を行うことなく、
ステップS2へ戻る。なお、予め設定した時間T0以内
にレベルの値が1〜3の何れかに変化した場合は、レベ
ルをその値に変更する。
【0049】CPU31は、レベルが1以上であると判断
した場合、計時を開始する(ステップS16)と共に、前
同様、時間Tb 内の平均圧力差(バー)Δbn の算出、
時間Tr 前に算出した平均圧力差(バー)Δbn の読み
出し、及び経時的圧力差Δa n の算出を行う(ステップ
S17〜S22)。CPU31は、計時した時間が予め設定し
た時間TQ に達したか否かを判断し(ステップS23)、
時間TQ に達していない場合、直前の経時的圧力差Δa
n が負であるか否かを判断する(ステップS24)。CP
U31は、直前の経時的圧力差Δan が負であると判断す
ると、更にステップS22で算出したΔan が正であるか
否かを判断し(ステップS25)、それが正であると判断
すると、後述するステップS26へ移り、一方、直前の経
時的圧力差Δan が正であると判断した場合、及びステ
ップS22で算出した経時的圧力差Δan が負であると判
断した場合、ステップS23へ戻る。
【0050】CPU31は、ステップS25で経時的圧力差
Δan が正であると判断した場合、次の(3)式に基づ
いて割合miを演算し(ステップS26)、ステップS25
でΔan が正であると判断することなく、ステップ23で
時間TQ に達したと判断した場合、次の(4)式に基づ
いて、割合miを算出する(ステップS27)。 mi=N(Δan )×Tb /TP …(3) 但し、TP :計時開始から経時的圧力差Δan
正であると判断するまでの時間 N(Δa):時間TP 内に経時的圧力差Δan が負であ
った個数 mi=N(Δan )×Tb /TQ …(4)
【0051】CPU31は、(3)式又は(4)式にて求
めた割合miと、レベル1〜3に応じて予め設定した第
1閾値S(lev)とを比較し(ステップS28)、mi
≧S(lev)である場合、経時的圧力差Δan の変化
は緩慢であり、吹き抜けが発生する可能性が高いと判断
して次のステップS29へ移る。一方、mi<S(le
v)である場合、CPU31は、経時的圧力差Δan の変
化は急激であり、高炉の操業に係る操作量の変化又は圧
力センサへの装入物の詰まり等が生じたものと判断して
ステップS2へ戻る。
【0052】CPU31は、時間TQ 又は時間TP の時間
領域内に算出された複数の圧力差Δbn から、最小平均
圧力差min(バーΔb)を抽出し(ステップS29)、
抽出した最小圧力差min(Δb)とレベル1〜3に応
じて予め設定した第2閾値U(lev)とを比較し(ス
テップS30)、min(バーΔb)>U(lev)であ
る場合、吹き抜けは発生しないと判断して、ステップS
2へ戻る。一方、CPU31は、min(バーΔb)≦U
(lev)である場合、吹き抜けが発生すると判断し、
出力部33をして警報器4に警報を出力せしめると共に、
高炉の操業を制御する制御装置5へ吹き抜けの警報信号
を出力させる(ステップS31)。
【0053】なお、前述した時間Tr ,Tb ,TQ 、及
び閾値V(lev),U(lev)等は、経験的に求め
てもよく、また遺伝的アルゴリズムといった最適化アル
ゴリズムを用いて計算によって求めてもよい。
【0054】なお、上述したような吹き抜けを予測する
プログラムは、図1に示したような構成の装置のROM
に書き込んでおく以外に、図9に示すように、コンパク
トディスク又はフレキシブルディスク等の記録媒体RMに
記録しておき、この記録媒体RMをコンピュータのディス
クドライブに装填してロードし、吹き抜けを予測させる
構成であってもよい。
【0055】
【実施例】次に、本発明に係る装置を用いて吹き抜けを
予測した結果について説明する。図10は、図1に示した
装置によって高炉の吹き抜けを予測した結果を示すヒス
トグラムであり、図中縦軸は吹き抜けを予測した累計件
数を、横軸は吹き抜けを予測してから吹き抜けが発生す
るまでの時間である吹き抜け余裕時間をそれぞれ示して
いる。なお、本実施例では吹き抜けを予測した場合で
も、高炉の操業を操作することなく、吹き抜けを発生さ
せた。
【0056】図10から明らかな如く、予測を行った時間
領域において、20件の吹き抜けが発生した。これらの
吹き抜けについて、最大22分前に吹き抜けを予測する
ことができ、平均吹き抜け余裕時間は14分27秒であ
った。また、略11分前には20件の内の16件の吹き
抜けを予測することができ、高炉の操業を操作して吹き
抜けの発生を防止するのに十分な時間であった。一方、
前述した時間領域において、吹き抜けを予測したにも拘
らず、それが発生しなかった場合は1件もなかった。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した如く、第1,第6,第7,
第8,第13,第14及び第15発明にあっては、位置
的差分を用いて吹き抜けの発生を予測するため、棚及び
該棚の下方に形成される空洞の発生を高感度に検出する
ことができ、吹き抜け発生を高精度に検出することがで
きる。このとき、高炉のシャフト及びボッシュで測定し
た結果を用いて算出した位置的差分を用いた場合、可及
的に少ない個数のセンサによって、吹き抜けが発生する
全領域を監視することができ、センサに要するコストが
少ない。また、経時的差分を用いて吹き抜けの発生を予
測するため、棚及び空洞の発生か否かを判別することが
でき、吹き抜け発生の予測精度が高い。
【0058】第2,第6,第7,第9,第13,第14
及び第16発明にあっては、経時的差分を用いて位置的
差分の変化の程度を判定し、その結果に基づいて吹き抜
けが発生する可能性があると判定するため、高炉操業中
の操作量の変更又はセンサ内への装入物の侵入による物
理量(圧力)の変化と混同することなく、吹き抜けを高
精度に予測することができる。
【0059】第3,第6,第7,第10,第13,第1
4及び第17発明にあっては、吹き抜けが発生する可能
性があると判定した後、位置的差分に基づいて吹き抜け
が発生すると決定するため、吹き抜けの発生を高精度に
予測することができる。
【0060】第4,第5,第6,第10,第11,第1
2,第16及び第17発明にあっては、異なる閾値を用
いて複数のレベルに区分し、各区分毎に吹き抜けの発生
を予測するため、更に高精度に吹き抜けの発生を予測す
ることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示したコンピュータが吹き抜けを予測す
る手順を示すフローチャートである。
【図3】図1に示したコンピュータが吹き抜けを予測す
る手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示したコンピュータが吹き抜けを予測す
る手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したコンピュータが吹き抜けを予測す
る手順を示すフローチャートである。
【図6】吹き抜け発生前に、ボッシュ及びシャフトにお
ける高炉内の圧力を経時的に測定した結果を示すグラフ
である。
【図7】図6に示したボッシュ及びシャフトにおける高
炉内の圧力の差分Δbを算出した結果を示すグラフであ
る。
【図8】図7に示した差分Δbを用いて、適宜の時間に
おける差分Δbとそれより所定時間前の差分Δbとの差
分Δaを算出した結果を示すグラフである。
【図9】他の実施の形態を示す模式図である。
【図10】図1に示した装置によって高炉の吹き抜けを
予測した結果を示すヒストグラムである。
【図11】高炉で発生する吹き抜けを説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 高炉本体 2 データ検出器 3 コンピュータ 5 制御装置 11 ハース 12 ボッシュ 13 ベリー 14 シャフト 15 スロート 21 第1圧力センサ 22 第2圧力センサ 31 CPU 32 メモリ 33 出力部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に装入した装入物から溶銑を生成す
    る高炉の操業中、前記高炉内の物理量を測定し、その結
    果に基づいて吹き抜けの発生を予測する方法において、 高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位置で前記物理量を
    経時的に測定し、得られた両物理量の差を算出し、算出
    された位置的差分と異なる時刻の位置的差分との差であ
    る経時的差分を求め、得られた経時的差分及び前記位置
    的差分を用いて吹き抜けが発生するか否かを判断するこ
    とを特徴とする高炉操業における吹き抜け予測方法。
  2. 【請求項2】 前記経時的差分と予め設定した第1閾値
    とを比較し、前者が後者より小さい場合、更に複数の位
    置的差分を算出し、算出された各位置的差分を用いて経
    時的差分をそれぞれ求め、得られた各経時的差分の変化
    の程度を算出し、その結果と予め設定した第2閾値とを
    比較し、その比較結果に基づいて、吹き抜けが発生する
    可能性があるか否かを判定する請求項1記載の高炉操業
    における吹き抜け予測方法。
  3. 【請求項3】 吹き抜けが発生する可能性があると判定
    した場合、前記複数の位置的差分から、最小の位置的差
    分を抽出し、抽出した位置的差分と予め設定した第3閾
    値とを比較し、その比較結果に基づいて、更に吹き抜け
    が発生する可能性があるか否かを判定する請求項2記載
    の高炉操業における吹き抜け予測方法。
  4. 【請求項4】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め複
    数設定し、前記第2閾値は各第1閾値に応じて設定する
    請求項2記載の高炉操業における吹き抜け予測方法。
  5. 【請求項5】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め複
    数設定し、前記第2閾値及び第3閾値は各第1閾値に応
    じてそれぞれ設定する請求項3記載の高炉操業における
    吹き抜け予測方法。
  6. 【請求項6】 高炉の周方向の複数の位置で前記物理量
    を測定する請求項1乃至5の何れかに記載の高炉操業に
    おける吹き抜け予測方法。
  7. 【請求項7】 前記物理量として高炉内の圧力を測定す
    る請求項1乃至6の何れかに記載の高炉操業における吹
    き抜け予測方法。
  8. 【請求項8】 炉内に装入した装入物から溶銑を生成す
    る高炉の操業中、前記高炉内の物理量をセンサで測定
    し、その結果に基づいて吹き抜けの発生を予測する装置
    において、 前記センサは、高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位置
    にそれぞれ設置してあり、両センサが測定した高炉内の
    物理量を経時的に読み込み、読み込んだ両物理量の差を
    算出する手段と、算出された位置的差分と異なる時刻の
    位置的差分との差である経時的差分を求める手段と、得
    られた経時的差分及び前記位置的差分を用いて吹き抜け
    が発生するか否かを判断する判断手段とを備えることを
    特徴とする高炉操業における吹き抜け予測装置。
  9. 【請求項9】 前記判断手段は、前記経時的差分と予め
    設定した第1閾値とを比較する手段と、前者が後者より
    小さい場合、更に複数の位置的差分を算出する手段と、
    算出された各位置的差分を用いて経時的差分をそれぞれ
    求める手段と、得られた各経時的差分の変化の程度を算
    出する手段と、その結果と予め設定した第2閾値とを比
    較する手段と、その比較結果に基づいて、吹き抜けが発
    生する可能性があるか否かを判定する手段とを具備する
    請求項8記載の高炉操業における吹き抜け予測装置。
  10. 【請求項10】 前記判断手段は、吹き抜けが発生する
    可能性があると判定した場合、前記複数の位置的差分か
    ら、最小の位置的差分を抽出する手段と、抽出した位置
    的差分と予め設定した第3閾値とを比較する手段と、そ
    の比較結果に基づいて、更に吹き抜けが発生する可能性
    があるか否かを判定する手段とを具備する請求項9記載
    の高炉操業における吹き抜け予測装置。
  11. 【請求項11】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め
    複数設定してあり、前記第2閾値は各第1閾値に応じて
    設定してある請求項9記載の高炉操業における吹き抜け
    予測装置。
  12. 【請求項12】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め
    複数設定してあり、前記第2閾値及び第3閾値は各第1
    閾値に応じてそれぞれ設定してある請求項10記載の高
    炉操業における吹き抜け予測装置。
  13. 【請求項13】 前記センサは高炉の周方向の複数の位
    置に設置してある請求項8乃至12の何れかに記載の高
    炉操業における吹き抜け予測装置。
  14. 【請求項14】 前記センサは圧力を測定する圧力セン
    サである請求項8乃至13の何れかに記載の高炉操業に
    おける吹き抜け予測装置。
  15. 【請求項15】 炉内に装入した装入物から溶銑を生成
    する高炉の操業中、センサが測定した高炉内の物理量を
    読み込ませ、その結果に基づいて吹き抜けの発生をコン
    ピュータに予測させるプログラムが記録してあるコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体において、 前記高炉の高さ方向へ適宜距離を隔てた位置にそれぞれ
    配置してあるセンサが測定した前記物理量を経時的に前
    記コンピュータに読み込ませるプログラムコード手段
    と、読み込まれた両物理量の差を前記コンピュータに算
    出させるプログラムコード手段と、算出された位置的差
    分と異なる時刻の位置的差分との差である経時的差分を
    前記コンピュータに求めさせるプログラムコード手段
    と、得られた経時的差分及び前記位置的差分を用いて吹
    き抜けが発生するか否かを前記コンピュータに判断させ
    るプログラムコード手段とを有するプログラムが記録し
    てあることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
  16. 【請求項16】 吹き抜けが発生するか否かを前記コン
    ピュータに判断させるプログラムコード手段は、前記経
    時的差分と予め設定された第1閾値とを前記コンピュー
    タに比較させるプログラムコード手段と、前者が後者よ
    り小さい場合、更に複数の位置的差分を前記コンピュー
    タに算出させるプログラムコード手段と、算出された各
    位置的差分を用いて経時的差分を前記コンピュータに求
    めさせるプログラムコード手段と、得られた各経時的差
    分の変化の程度を前記コンピュータに算出させるプログ
    ラムコード手段と、その結果と予め設定された第2閾値
    とを前記コンピュータに比較させるプログラムコード手
    段と、その比較結果に基づいて、吹き抜けが発生する可
    能性があるか否かを前記コンピュータに判定させるプロ
    グラムコード手段とを含むプログラムが記録してある請
    求項15記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  17. 【請求項17】 吹き抜けが発生するか否かを前記コン
    ピュータに判断させるプログラムコード手段は、吹き抜
    けが発生する可能性があると判定された場合、前記複数
    の位置的差分から、最小の位置的差分を前記コンピュー
    タに抽出させるプログラムコード手段と、抽出された位
    置的差分と予め設定された第3閾値とを前記コンピュー
    タに比較させるプログラムコード手段と、その結果に基
    づいて、更に吹き抜けが発生する可能性があるか否かを
    前記コンピュータに判定させるプログラムコード手段と
    を含むプログラムが記録してある請求項16記載のコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 【請求項18】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め
    複数設定してあり、前記第2閾値は各第1閾値に応じて
    設定してあるプログラムが記録してある請求項16記載
    のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 【請求項19】 前記第1閾値は数値を異ならせて予め
    複数設定してあり、前記第2閾値及び第3閾値は各第1
    閾値に応じてそれぞれ設定してあるプログラムが記録し
    てある請求項17記載のコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
JP30476097A 1997-11-06 1997-11-06 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体 Pending JPH11140520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30476097A JPH11140520A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30476097A JPH11140520A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11140520A true JPH11140520A (ja) 1999-05-25

Family

ID=17936910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30476097A Pending JPH11140520A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11140520A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317217A (ja) * 2001-04-17 2002-10-31 Nippon Steel Corp 高炉操業における操業監視方法、装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2003193120A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Nippon Steel Corp 高炉操業における操業監視方法、装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
KR101149228B1 (ko) * 2009-01-28 2012-05-25 현대제철 주식회사 고로의 취발 방지 장치 및 그 방법
KR101167449B1 (ko) 2009-08-27 2012-07-19 현대제철 주식회사 고로의 취발 예측 방법
KR101167469B1 (ko) 2010-11-29 2012-07-26 현대제철 주식회사 고로의 취발 현상 예측 방법
KR101185214B1 (ko) 2011-02-25 2012-09-26 현대제철 주식회사 고로의 취발 현상 예측 방법
CN104460574A (zh) * 2014-04-10 2015-03-25 江苏永钢集团有限公司 一种可实时立体监视高炉状态的系统和方法
CN104460472A (zh) * 2014-10-15 2015-03-25 福建省纳金网信息技术有限公司 一种快速定位闪速炉报警位置系统及方法
CN106435070A (zh) * 2016-10-31 2017-02-22 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高炉炉身温度管理系统及管理方法
CN107164592A (zh) * 2016-03-07 2017-09-15 宝山钢铁股份有限公司 高炉出铁信息集中监控系统
JP2018009224A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 株式会社神戸製鋼所 操業状況評価システム

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317217A (ja) * 2001-04-17 2002-10-31 Nippon Steel Corp 高炉操業における操業監視方法、装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2003193120A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Nippon Steel Corp 高炉操業における操業監視方法、装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
KR101149228B1 (ko) * 2009-01-28 2012-05-25 현대제철 주식회사 고로의 취발 방지 장치 및 그 방법
KR101167449B1 (ko) 2009-08-27 2012-07-19 현대제철 주식회사 고로의 취발 예측 방법
KR101167469B1 (ko) 2010-11-29 2012-07-26 현대제철 주식회사 고로의 취발 현상 예측 방법
KR101185214B1 (ko) 2011-02-25 2012-09-26 현대제철 주식회사 고로의 취발 현상 예측 방법
CN104460574A (zh) * 2014-04-10 2015-03-25 江苏永钢集团有限公司 一种可实时立体监视高炉状态的系统和方法
CN104460472A (zh) * 2014-10-15 2015-03-25 福建省纳金网信息技术有限公司 一种快速定位闪速炉报警位置系统及方法
CN107164592A (zh) * 2016-03-07 2017-09-15 宝山钢铁股份有限公司 高炉出铁信息集中监控系统
JP2018009224A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 株式会社神戸製鋼所 操業状況評価システム
CN106435070A (zh) * 2016-10-31 2017-02-22 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高炉炉身温度管理系统及管理方法
CN106435070B (zh) * 2016-10-31 2019-03-29 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高炉炉身温度管理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Torrkulla et al. Model of the state of the blast furnace hearth
JPH11140520A (ja) 高炉操業における吹き抜け予測方法及びその装置並びに記録媒体
KR101412403B1 (ko) 고로의 장입물 강하 판단 방법
JP3039279B2 (ja) ベルレス高炉装入物の分布制御の支援方法
JP7307341B2 (ja) 炉内ガス圧力の変動検知方法
JP2019535995A (ja) 湯面高さの測定装置及び測定方法
JP3487203B2 (ja) 高炉炉況予知方法
JP4157951B2 (ja) 高炉炉口部の装入物分布制御方法
JPS596888B2 (ja) 高炉炉壁の付着物検出方法
JPH10310807A (ja) 高炉操業方法
JPH04173910A (ja) 高炉操業における吹抜け防止方法
KR100402019B1 (ko) 고로에 있어서 취발예측방법
US11678412B1 (en) Method for determining electrode consumption with machine vision
JP7111277B1 (ja) 溶融物の液面高さの検出方法および検出装置、ならびに竪型炉の操業方法
JP2733564B2 (ja) 高炉操業におけるスリップ予知方法
JPH0711018B2 (ja) 高炉操業における吹抜け防止方法
JPH11323412A (ja) 高炉炉熱低下検知方法
RU2243266C1 (ru) Способ определения давления шихты в шахтной печи
JPH09241712A (ja) 高炉操業における安定化操業方法
JP3526607B2 (ja) 高炉出銑方法とその装置
JPS582601B2 (ja) 高炉内圧力変動パタ−ンの表示装置
JPH10245604A (ja) 高炉操業方法
KR20230124065A (ko) 액체의 잔류량 검출 방법 및 검출 장치, 용융물의 잔류량검출 방법 및 검출 장치, 그리고 수형 노의 조업 방법
TW202111130A (zh) 高爐設備及高爐爐渣液位之監測方法
JPS6233708A (ja) 高炉内貯滓量の測定方法