JP3039279B2 - ベルレス高炉装入物の分布制御の支援方法 - Google Patents

ベルレス高炉装入物の分布制御の支援方法

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JP3039279B2 JP6190619A JP19061994A JP3039279B2 JP 3039279 B2 JP3039279 B2 JP 3039279B2 JP 6190619 A JP6190619 A JP 6190619A JP 19061994 A JP19061994 A JP 19061994A JP 3039279 B2 JP3039279 B2 JP 3039279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルレス高炉内におけ
る装入物の分布を制御することにより炉内半径方向及び
円周方向のガス流を制御し、高炉内のガス流分布及び装
入物表面形状を最適化して操業の安定化を図るためのベ
ルレス高炉装入物の分布制御の支援方法、特にそのAI
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】図15はベルレス高炉の装入物の分布制
御の概念図である。図において、ベルレス高炉10の炉
況は、水平ゾンデ(温度、ガス成分)、シャフト温度、
その他のセンサ等からなるセンサ11により検出され、
出銑比、溶銑中のSi,S、延命等を操業目標12とし
て、ノイズ14を考慮しつつ制御フアクタ13を調整す
る。この制御フアクタ13には例えばベルレス装入スケ
ジュール、装入位置、コークス・鉱石の装入量(層厚)
等がある。また、このときのベルレス高炉10の装入物
の分布制御に作用するノイズ14には、原料性状、炉体
形状、出銑状況等がある。
【0003】また、表1は装入物の分布制御における溶
融帯の位置及び形状と操業状況とを示した表である。溶
融帯の位置が高いときと低いとき、或いは形状が適性の
ときと異常なときとでは、操業状況がそれぞれ異なって
いることが分かる。
【0004】
【表1】
【0005】一般に、コークスの燃焼により発生する還
元ガス(以下ガスと称す)のうち、高炉内の中心部に流
れるガスを中心流、炉壁部を流れるガスを周辺流と呼ん
でいる。通常、高炉に装入される原料のうち、コークス
は鉱石より粒径が大きく、また、鉱石が炉内上部での還
元過程において粉化していくのに対して、コークスの劣
化、粉化は僅かであり、高炉内の上部の通気性を確保す
るスペーサの役目をしている。従って、径方向における
鉱石とコークスとの層厚比を制御することにより、炉内
ガスの径方向分布を制御することができる。
【0006】また、鉱石が溶けるゾーン(以下溶融帯と
称す。)において、鉱石層の通気抵抗はコークス層の数
百倍となり、ガスはコークス層(溶融帯でのコークス層
を以下スリットと称す。)を通過して流れる。そして、
この溶融体形状も主として装入物分布によって決まり、
逆V型形状のものがコークスのスリット数も増えて通気
性が確保されて、その操業が安定する。
【0007】ところで、ベルレス高炉の場合には、原料
の装入は流調ゲートの開閉動作により行われる。そし
て、1回の流調ゲートの開閉動作をバッチといい、コー
クスと鉱石は数バッチ(例えばコークス2バッチ、鉱石
3バッチ)に分けて装入される。これを4バッチ装入と
いい、4バッチをまとめて1チャージと呼んでいる。通
常操業においてチャージ間隔は約10分である。
【0008】図16はベルレス高炉の構成説明図であ
り、炉頂ホッパー、流調ゲート及び分配シュートの設置
状況が図示されている。図示のように、炉頂の上部及び
下部にそれぞれ炉頂バンカー51,52が設けられてお
り、炉頂バンカー(上部)51には装入原料53として
例えばコークスが装入され、炉頂バンカー(下部)52
には装入原料54として鉱石が装入される。原料流量調
整ゲート55は炉頂バンカー(下部)52の下部に設け
られている。シール弁(上部)56は炉頂バンカー(上
部)51の下部に設けられ、また、シール弁(下部)5
9は原料流量調整ゲート55の下方に設けられている。
分配シュート57から装入物表面58に自由落下する原
料の着地位置を制御するために、ベルレス高炉の分配シ
ュート57は中心から炉壁に向かって垂直角度で0度〜
52度の範囲でその傾斜角度が制御される。そして、半
径方向の分布制御はチャージ単位に分配シュート57の
旋回角度を変えて、また、円周方向の分布制御はバッチ
単位に旋回開始点を変えて行われる。
【0009】表2はベルレスモードを示した表である。
この表2においては、予め設定してある旋回角度を15
ケース設け(ノッチと呼ぶ)、各ダンプにおけるそれら
の一連の旋回スケジュールが示されており、これらを1
チャージまとめたものをベルレスモードと呼んでいる。
なお、表2においては、装入モードはダンプ種別に対応
し、設定No. は傾動ノッチNo. を示し、旋回数は各ノッ
チの巻回数を示している。
【0010】
【表2】
【0011】このベルレス高炉における分布制御は、従
来のベル方式と比較すれば、原料の装入位置を細かく制
御できることを特徴としており、高炉の操業の高機能化
が達成される可能性を秘めているが、その制御は複雑で
あり、操作を誤れば逆に、操業が不安定になりかねな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このため、この複雑な
分布制御操作の簡便化を図る為のシステムが開発されて
おり、その一つに、例えば『鉄と鋼、Vol.78,1
992,(大型ベルレス高炉における装入物分布シミュ
レーションモデルの開発と操業への適用』に開示されて
いるものがある。これは、屋外模型実験で得られた結果
に基づき、ベルレスモードでの炉内での鉱石・コークス
の表面形状や、層圧分布から、炉内ガス流分布指数を予
測するシミュレーションモデルであり、入力項目は、原
料性状、炉口ガス流速といった炉上部での条件がある。
図17及び図18はその出力例であり、図17はコーク
ス・鉱石層の径方向分布図、図18はガス流分布図の三
角ダイアグラムである。しかし、このモデルの予測に対
しては、実際の炉内のガス流分布は原料性状、出銑状況
等の外乱によりさまざまに変化するので、炉内のガス流
分布を完全に予測できず、シミュレーションモデルのみ
で装入物分布制御の日常管理を容易にすることは困難で
あった。
【0013】また、特開平4−371506号公報には
高炉操業に必要な知識を操業実績に基いて自動生成する
システム(AI)が開示されており、このシステムにお
いては、事例ベース型の装入物分布制御AIを用いて、
操業を最適にするガス流分布の絶対値を統計的処理によ
り求め、そして、現状の操業状態に近い過去の事例を取
捨選択し、その過去の操業事例に基いてアクション量を
ガイダンスする。図19はそのシステム構成図であり、
日々の操業データや実炉センサから算出されるガス流分
布を事例として、日単位で蓄積しておく。
【0014】図20は図19のシステムのガイダンスの
流れを示すフローチャートである。このAIにおいて
は、実際に操業変更の指針として用いる場合には、現在
の操業状態に類似した過去の事例を抽出し、今回が行う
べき操業変更の“ねらい”に対し、その評価項目が良い
ものと悪いものに区別し、センサデータ等から得られる
ガス流分布を表示し、その目標点のみをガイダンスさせ
る。図21はそのガイダンスの例を示した3角ダイヤグ
ラムである。このため、現在位置から最適位置までの操
業変更の具体的アクションが明確にならず、結局は操業
者の“勘と経験”による操業変更に陥ってしまう、とい
う問題点があった。
【0015】本発明は、このような状態を鑑みてなされ
たものであり、高炉内におけるガス流分布を最適にする
ための操業変更量を定量的にガイダンスするベルレス高
炉装入物の分布制御の支援方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様に係
るベルレス高炉の装入物分布の支援方法においては、次
の工程からなる処理が行われる。 a)過去の操業データを操業変更量、操業変更前及び操
業変更後のセットで蓄積する工程。 b)炉のセンサデータに基いて現在の炉況を検出する工
程。 c)センサデータに対応する入力信号に基いて炉の装入
物の分布を推定する、予め構築されたシミュレーション
モデルによって算出される装入物の分布データと、炉の
センサデータによって算出される装入物の分布データと
の相関係数を求める工程。 d)現在の炉況から操業変更のねらいを求め、現在の炉
況及びそのねらいに対応した事例を抽出し、ねらいに対
して良い・悪いの判定をする工程。 e)現在の炉況のセンサデータによって算出される装入
物の分布データと、上記の抽出された良い事例のセンサ
データによって算出される装入物の分布データとの差を
求め、その差を上記の相関係数に基いて、シミュレーシ
ョンモデル上の差(第1の差データ)に変換する工程。 f)現在の炉況及び現在の操業量を変更した場合の複数
のケースについて、上記シミュレーションモデルによっ
て炉の装入物の分布データを求める工程。 g)上記のシミュレーションモデルによって算出された
現在の炉況における炉の装入物の分布データと、複数の
ケースの炉の装入物の分布データとの差(第2の差デー
タ)をそれぞれ求め、複数のケースの内、第2の差デー
タが第1の差データに最も近いケースを選択する工程。 h)上記の選択されたケースの変更操業量を操業アクシ
ョンとして案内する工程。また、本発明の他の態様に係
るベルレス高炉の装入物分布の支援方法においては、上
記の選択されたケースについて、その装入物の分布デー
タから炉内のテラスの長さを把握し、それが所定の長さ
以下の場合には、他のケースに選択し直す。
【0017】
【作用】本発明の一つの態様に係るベルレス高炉の装入
物分布の支援方法においては、予め構築されたシミュレ
ーションモデルによって算出される装入物の分布データ
と、炉のセンサデータによって算出される装入物の分布
データとの相関係数を求め、両者の相関関係を求めるこ
とにより、実データによるものとシミュレーションモデ
ルによるものとの整合をとっている。また、現在の炉況
から操業変更のねらいを求め、現在の炉況及びそのねら
いに対応し、条件の近い事例を抽出し、ねらいに対して
良い・悪いの評価をし、良い事例を抽出する(この評価
はその都度行なう)。そして、現在の炉況のセンサデー
タによって算出される装入物の分布データと、上記の抽
出された良い事例のセンサデータによって算出される装
入物の分布データとの差を求め、その差を上記の相関係
数に基いて、シミュレーションモデル上の差(第1の差
データ)に変換し、シミュレーションモデル上のデータ
と比較できるようにしている。他方、現在の炉況及び現
在の操業量を変更した場合の複数のケースについて、シ
ミュレーションモデルによって炉の装入物の分布データ
を求め、現在の装入物の分布データと、複数のケースの
炉の装入物の分布データとの差(第2の差データ)をそ
れぞれ求め、複数のケースの内、第2の差データが第1
の差データに最も近いケースを選択し、そのケースの変
更操業量を操業アクションとして案内する。また、本発
明の他の態様に係るベルレス高炉の装入物分布の支援方
法においては、上記の選択されたケースについて、その
装入物の分布データから炉内のテラスの長さを把握し、
それが所定の長さ以下の場合には適当ではないので、第
2の差データが第1の差データに次に近いケースを選択
し、そのケースの変更操業量を操業アクションとして案
内する。
【0018】
【実施例】本発明においては、次に変更すべき操業アク
ション量を定量的に把握する手段として、上述の『鉄と
鋼、Vol.78,1992,(大型ベルレス高炉にお
ける装入物分布シミュレーションモデルの開発と操業へ
の適用』に開示されているシミュレーションモデルを利
用しており、その概要を次に説明する。
【0019】(1)既堆積層の形状を仮定する。 図2は既堆積層の形状とパラメータとの関係とを示した
説明図であり、図3は図2の既堆積層の形状を抽出した
図である。まず、図2に示した既堆積層形状の中から初
期の下層形状を仮定する。例えば形状Aを指定した場合
には、図2のrを除くパラメータと頂点Pの検尺計から
の水平距離Lr (図2参照)及び層のストックラインレ
ベルを指定する。P点の座標を(X1 ,Y1 )とする
と、 X1 =Ra−(LSX+Lr ) Ra:炉口半径 R(X1 +L2 ,Y1 −H2 )でPRを3次関数近似し
たものが、C点(検尺計指定位置)を通る条件から、Y
1 を求める。P点が分かれば、他のデータから全ての点
の座標とその点における傾きが求められ、下層形状を特
定する関数が求められる。
【0020】(2)原料の旋回シュートからの落下軌跡
と既堆積層の交点を計算する。 落下軌跡の計算は、指定した分配シュートの傾動角での
実験で求められたデータから最小2乗法により落下軌跡
の2次関数式を算出する。傾動角θi において得られた
データ(実験結果)を(Xi1,Yi1)、(Xi2,Yi2)
…(Xim,Yim)とし、入力データで指定された傾動角
をθK とする。 θi =θK のときには、(Xi1,Yi1)、(Xi2,Y
i2)…(Xim,Yim)の値から最小2乗法により、Y=
aK1+aK2X+aK3X2 を決定する。 θi <θK <θi +1のときには次式により求める。
但し、j=1〜m,(Xkj,Ykj)j=1〜mより最小
2乗法により、Y=aK1+aK2X+aK3X2 を決定す
る。
【0021】
【数1】
【0022】既堆積層の交点の算出は、既堆積層(メッ
シュ点として与えられる)のメッシュ点間をベクトルと
みなし、ベクトル(1次方程式)と落下軌跡(2次方程
式)の交点を求める。
【0023】(3)落下した原料を既に堆積してる層上
に積み上げ、新しい層形状を求める。図4はhの決定方
法を示した図であり、図示のように、落下軌跡と既堆積
層との交点より、hだけ高い位置に新装入面との交点I
を仮決定する。初期値を以下の式で与える。 h=(Vt /πR2 )×α コークス:Vt ={((コーク・ベース)/ΣLi)/ρ
bc}×Li 鉱石 :Vt ={((鉱石・ベース))/Σmi)/ρ
bo}×mi Vt :装入物堆積 R:炉の半径 ρbc:コークス嵩密度 Li:コークス各傾動角のシュ
ート回転数 ρbo:鉱石嵩密度 mi:鉱石各傾動角でのシュー
ト回転数 α :任意設定定数 次に、繰り返し計算を行う場合には((7)参照)次式
により求める。 h=h+(Vt /πR2 )×β このとき、積分による体積計算の値をVc とし、(Vc
−Vt )の符号によりβを変更させる。
【0024】(4)表面形状の分類については例えば図
2及び図5により分配シュートの傾動角と装入物SLレ
ベルによって分類された分布形状をとる。また、同時
に、分布形状を決定するパラメータも同様に分類され、
自動的に選択される。例えば、形状Aのパラメータの一
つrを以下の手順で求める。パラメータは、傾動角4°
ピッチ、SL0.2Mピッチで与えられており、その間
のデータについてはパラメータを内挿して求める。 (5)ガス流速の影響を考慮し、層の傾斜角の補正をす
る。装入物の傾斜角は、炉口ガス流速の影響を受けるの
で、次式に基いて補正する。
【0025】
【数2】
【0026】 α:ガス流速の影響を考慮しない傾斜角 β:ガス流速の影響を考慮しない傾斜角 ε:空隙率 ρg:ガス密度 Dp:平均粒子計 ρb:装入物嵩密度 φ:形状係数 u:炉口ガス流速
【0027】(6)下層の影響を考慮した新しい層形状
を求める。上記の方法によって求めた層の形状を下層面
形状との間を、K:(1−k)に内分する層を新装入面
と仮定する。kは、シュートの旋回数の関数として実験
的に得られた式を用いる。 (7)堆積した層の体積がその装入量に一致するまで
(3)からの計算を繰り返す。新装入面と既堆積層の間
の堆積量を積分計算で求める。求まった値が、所定の誤
差範囲内に入るまで、(4)のhを更新し、新装入面の
レベルを決定する。今回計算した最上層と前回計算の最
上層の全てのメッシュ軸におけるy座標の絶対値が許容
誤差範囲内にあるかどうかを検証する。もし、入ってい
ない場合は、今回の最上層を最下層に置き換えて計算す
る。 (8)1チャージ分の装入物分布が求まった後、その層
を下降させ、(1)の既堆積層の形状を更新し、更に新
しい装入物分布を求める。 (9)新たに求めた装入物分布が、前回の分布と一定の
誤差範囲内に収束するまで、全体の計算を繰り返す。 (10)収束後、最終的な装入物分布、粒度偏析(径方
向の粒度分布)、層厚比(コークス、鉱石)分布及び相
対ガス流速分布を求める。 a)まず、粒径Dp及びISP分布は、ころがり距離に
より影響を受けるため、流入位置により区別され、例え
ばコークスの場合には以下の式で与えられる。 i)中心側
【0028】
【数3】
【0029】ii)壁側(周辺部)
【0030】
【数4】
【0031】b)層厚の比は、各部での鉱石層厚とコー
クス層厚とに基いて求める。 c)無次元ガス流速は、次式で得られる。これを3つの
等断面に分け、指数を算出する。 無次元流速u/u0 及び無次元流速の平均からのずれ 次式から半径方向の無次元流速を求める。
【0032】
【数5】
【0033】また、無次元化流速の平均からのずれは次
式で与えた。
【0034】
【数6】
【0035】ガス流分布 炉内を図6に示すようにSC(炉芯の面積)=SI(中間部
の面積)=SW (炉壁側(周辺部)の面積)となるよう
に領域を3等分する。そして、それぞれの領域について
ガス流分布を求める。
【0036】
【数7】
【0037】炉芯側のガス流分布WC 、中間部のガス流
分布WI 及び炉壁側のガス流分布WW をそれぞれ3角ダ
イヤグラムに表示する。 (11)最後に得られた装入物分布からテラスの長さを
算出する。表面形状のデータから次の式によりテラスの
頂点を求め、長さを算出する。例えば図7に示すような
座標系において、表面形状の各座標ごとに次式の演算を
行い、Y1が最大となるX座標を求める。そして、この
X座標と炉壁との距離をテラス長さとする。 Y1 =|(yi −yi+1 )−(yi+1 −yi+2 )| また、図8に示すような場合には次のような処理をす
る。 yw −yc <αのとき、テラスの長さ=5.5m yw −yc ≧αのとき、テラスの長さ=0.0m 上述の説明からシミュレーションモデルの概要が明らか
になったところで、次に、本発明の実施例の説明をす
る。
【0038】図9及び図10は実炉におけるセンサデー
タから計算されるガス流指数と、上述のベルレスシミュ
レーションモデルの計算結果との対応を示した図であ
る。これらの図において、データは過去の操業での分布
変更を行った際の前後の値をプロットしている。図9は
実炉センサに炉口ゾンデを用いたものであり、炉口ゾン
デは、炉頂部の装入物表面上部に東西、南北方向に設置
されていて、複数の温度計と分析計でガス温度を連続的
に測定している。この温度分布より炉内を3つの等断面
積に分割し、温度とガス量とを正相関としてとらえ、図
11のフローチャートに従ってガス流分布指数を求め
る。センサデータを中心部、周辺部及び中間部に分け
て、それぞれについてガス流指数を求め、それを図示の
ような三角ダイヤグラムに表す。
【0039】図10は実炉センサとして水平ゾンデを用
いたものであり、水平ゾンデは1日に数回、炉内装入物
の中にゾンデを挿入して、炉内半径方向のガス温度と成
分を測定している。炉口ゾンデと同様に温度と正相関ま
たガス利用率であるCO2 /(CO2 +CO)と負相関
があり、この場合においてもガス流分布指数を求めるこ
とができる。
【0040】図9及び図10の相関関係から、各々セン
サデータとシミュレーションモデルの計算結果とには相
関関係があることが分かる。従って、この相関関係を利
用すれば、従来技術(特開平4−371506号公報)
でガイダンスされた、実炉センサでのガス流分布の現在
から最適値までの操業アクション量をシミュレーション
モデルで算出されるガス流分布指数に変換することがで
き、シミュレーションモデル上での今回行うべき操業ア
クション量を定量的に把握することができる。
【0041】次に、このアクション量に合致するベルレ
スモードを抽出するための処理について説明する。ま
ず、過去の操業実績から分布変更の1回のアクション
量、即ち操作する傾動ノッチの位置を決めておく。図1
2はそれぞれ傾動ノッチ、旋回数及びコークス・鉱石の
装入方法について示した図であるが、ここでの操業変更
アクションとしては、それぞれ現状の旋回位置に対し、
最も外側或いは内側のノッチの旋回数の増減を行う。こ
れは図において丸印が付されている。これらの各パター
ンにおいて上述のシミュレーションモデルを起動させ、
現状のモードでのガス流分布指数とその候補となるモー
ドでのガス流分布指数との変化量を比較し、上記にて算
出及び変換した、センサデータを上述のシミュレーショ
ンモデルに適用した場合の操業アクション量とより近い
ものを、今回の操業アクションとしてガイダンスする。
このことは図13の例においてはモードBを選択するこ
とを意味している。
【0042】次に、装入物分布制御では、ガス流分布の
他に、表面形状も操業成績に影響を及ぼす一因となる。
装入物表面形状の評価の一つにテラスの長さがあるが、
ロングテラスの方が操業経験上装入物の再現性もよくま
た炉況も好ましいので(図14)これを制約条件にとり
いれ、ガイダンスの精度を向上させる。
【0043】図1は本発明の実施例の全体の処理過程を
示したフローチャートであり、その処理により最適ベル
レスモードのガイダンスが可能となり、装入物分布制御
の高精度化が達成される。 (1)最適点の把握(センサデータによる) (2)最適点と現在値との差 (3)ベルレスモデルとセンサデータとの相関関係に基
いてベルレス高炉のシミュレーションモデルでのアクシ
ョン量の把握 (4)アクションの提示 現状モードから考慮される分布変更をピックアップそれ
らの中から、分布表面形状の制約条件を満たすものを今
回のガイダンスとする。
【0044】実際のガイダンスでは、現在行うべき操業
変更の“ねらい”を風圧変動低下にした場合についてみ
ると、まず、従来のAI(特開平4−371506号公
報)において、過去の操業データを操業変更量、操業変
更前及び操業変更後のセットで蓄積しておき、操業条
件、操業変更前データ及び目標に関し、同様な事例を蓄
積データから抽出し、操業変更後データに基いて目標に
対する良い事例と悪い事例の評価をする。例えば風圧変
動が低いものを良い例として評価する。そして、現状と
同じような操業を行っていた過去の事例の内、良い事例
(最適点)として風圧変動が低いものを取り上げ、それ
らの事例のセンサデータ(水平ゾンデ、炉口ゾンデ)か
ら高炉内ガス流分布を求め現在位置とともに散布図に表
示させる。このときの散布図に表示されるデータは上述
の相関関数に基いてシミュレーションモデル上のデータ
に変換して表示されるものとする。これよりセンサデー
タにおける現在−良い事例までの変化量が明確になる。
また、現在の炉況から操業量を変更した場合の複数のケ
ースについてそれぞれシミュレーションモデルによって
高炉内ガス流分布を求めて散布図に表示する(図13参
照)。これにより最適点に一番近いケースが把握でき
る。従って、この最適点に対して1番近いケースの操業
量をオペレータにガイダンスする。なお、この場合にお
いて、その最適点に対して1番近いケースによるテラス
をシミュレーションモデルによって求め、それが基準の
長さよりも短い場合には適当でないので、その最適点に
対して次に近いケースの操業量をオペレータにガイダン
スする。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、現在の装
入物の分布データとその最適点の装入物の分布データと
の差を求めてシミュレーションモデルのスケール変換し
て第1の差データを求め、また、現在の操業量を変更し
た場合の複数のケースについてシミュレーションモデル
によって装入物の分布データを求めて、同様に、現在の
装入物の分布データとそのシミュレーションモデルによ
る装入物の分布データとの差である第2の差データを求
め、第2の差データが第1の差データに最も近いケスを
選択し、そのケースの操業量をガイダンスするようにし
たので、次のような効果が得られる。 (1)従来の経験則で行われた分布変更では、逆アクシ
ョンや過剰アクションがまれにあり、高炉の長期的な炉
況不調の原因にもなりかねなかった。しかし、本発明に
よれば、アクション提示法に沿った分布変更は従来の経
験則による変更より優位であり、日々の操業管理にも適
している。 (2)また、操業担当者間の技術の伝承に関しても、定
性的には伝承されても定量的には不可能な面が多く、結
局引継者個人の経験に左右されがちであり、引継者以前
の操業実績が無用のものてなってしまう。しかし、本発
明によれば、このような操業担当者の交替においてもス
ムーズな装入物分布制御方法の伝承が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にベルレス高炉の装入物の分
布制御の支援方法を示したフローチャートである。
【図2】装入物の分布形状とパラメータとの関係を示し
た説明図である。
【図3】図2の装入物の分布形状を抽出した説明図であ
る。
【図4】新装入面の計算をするための説明図である。
【図5】分配シュートの傾斜と角装入物のSLレベルと
によって分類される分布形状の説明図である。
【図6】ガス流れ分布を求めるために炉の領域を3等分
した説明図である。
【図7】装入物の分布形状の座標系を示した説明図であ
る。
【図8】テラスの説明図である。
【図9】水平ゾンデにおける中心及び周辺流変化量とベ
ルレスシミュレーションモデルによるものとの相関を示
す特性図である。
【図10】炉口ゾンデにおける中心及び周辺流変化量と
ベルレスシミュレーションモデルによるものとの相関を
示す特性図である。
【図11】炉口ゾンデからのガス流分布指数の算出処理
過程を示すフローチャートである。
【図12】傾動ノッチ、旋回数及びコークス・鉱石の装
入方法を示した図である。
【図13】ベルレスモデルによるガス流分布変化の比較
例を示す説明図である。
【図14】装入物分布表面形状と炉況の関係を示した特
性図である。
【図15】ベルレス高炉の装入物の分布制御の概念図で
ある。
【図16】ベルレス高炉の構成説明図である。
【図17】シミュレーションモデルによるによる装入物
の表面形状の算出結果を示す図である。
【図18】シミュレーションモデルによるガス流分布指
数の算出結果を示す三角ダイヤグラムである。
【図19】特開平4−371506号公報によるAIの
システム構成図である。
【図20】図19のAIにおけるガイダンスまでの処理
を示すフローチャートである。
【図21】図20の例におけるガイダンス例を示す三角
ダイヤグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−182815(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 5/00 - 7/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過去の操業データを操業変更量、操業変
    更前及び操業変更後のセットで蓄積する工程と、 炉のセンサデータに基いて現在の炉況を検出する工程
    と、 前記センサデータに対応する入力信号に基いて炉の装入
    物の分布を推定する、予め構築されたシミュレーション
    モデルによって算出される装入物の分布データと、炉の
    センサデータによって算出される装入物の分布データと
    の相関係数を求める工程と、 現在の炉況から操業変更のねらいを求め、炉況及びその
    ねらいに対応した事例を抽出し、ねらいに対し良い・悪
    いの判定をする工程と、 現在の炉況のセンサデータによって算出される装入物の
    分布データと、上記の抽出された良い事例のセンサデー
    タによって算出される装入物の分布データとの差を求
    め、その差を上記相関係数に基いて、シミュレーション
    モデル上の差(以下第1の差データという)に変換する
    工程と、 現在の炉況及び現在の操業量を変更した場合の複数のケ
    ースについて、上記シミュレーションモデルによって炉
    の装入物の分布データを求める工程と、 上記シミュレーションモデルによって算出された現在の
    炉況における炉の装入物の分布データと、前記の複数の
    ケースの炉の装入物の分布データとの差(以下第2の差
    データという)をそれぞれ求め、前記の複数のケースの
    内、第2の差データが第1の差データに最も近いものを
    選択する工程と、 上記の選択されたケースの変更操業量を操業アクション
    として案内する工程とを有することを特徴とするベルレ
    ス高炉装入物の分布制御の支援方法。
  2. 【請求項2】 上記の選択されたケースについて、その
    装入物の分布データから炉内のテラスの長さを把握し、
    それが所定の長さ以下の場合には、他のケースに選択し
    直すことを特徴とする請求項1記載のベルレス高炉装入
    物の分布制御の支援方法。
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