JPH11140438A - 蓄光性蛍光体 - Google Patents
蓄光性蛍光体Info
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- JPH11140438A JPH11140438A JP30552997A JP30552997A JPH11140438A JP H11140438 A JPH11140438 A JP H11140438A JP 30552997 A JP30552997 A JP 30552997A JP 30552997 A JP30552997 A JP 30552997A JP H11140438 A JPH11140438 A JP H11140438A
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- Japan
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- phosphorescent phosphor
- fluorescent substance
- acid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、耐光性及び耐候性に優れる
と共に、極めて長期間にわたり残光特性を維持し、且つ
耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を提供するに
ある。 【解決手段】 本発明の蓄光性蛍光体は、アルカリ土類
金属アルミン酸塩を母体結晶とし、該母体結晶に賦活剤
して希土類元素を含有する蓄光性蛍光体において、該蓄
光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸化合物を被覆してな
ることを特徴とする。
と共に、極めて長期間にわたり残光特性を維持し、且つ
耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を提供するに
ある。 【解決手段】 本発明の蓄光性蛍光体は、アルカリ土類
金属アルミン酸塩を母体結晶とし、該母体結晶に賦活剤
して希土類元素を含有する蓄光性蛍光体において、該蓄
光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸化合物を被覆してな
ることを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄光性蛍光体に関
し、特に屋内外で主に夜間表示用として利用可能な耐光
性に優れると共に、極めて長時間の残光特性を有し、且
つ耐水性に優れた蓄光性蛍光体に関する。
し、特に屋内外で主に夜間表示用として利用可能な耐光
性に優れると共に、極めて長時間の残光特性を有し、且
つ耐水性に優れた蓄光性蛍光体に関する。
【０００２】
【従来の技術】蓄光性蛍光体は、古くから工業的に生産
されており、ＺｎＳ：ＣｕやＣａＳｒＳ：Ｂｉなどの硫
化物蛍光体が主流である。これらの硫化物蛍光体は、塗
料やインク、プラスチックなどに混練して、時計の文字
盤や安全標識板などに主に利用されていた。しかし、そ
れらは残光の発光時間が短かったり、発光が弱いことな
どの欠点があるため、実用上問題点が多くあった。
されており、ＺｎＳ：ＣｕやＣａＳｒＳ：Ｂｉなどの硫
化物蛍光体が主流である。これらの硫化物蛍光体は、塗
料やインク、プラスチックなどに混練して、時計の文字
盤や安全標識板などに主に利用されていた。しかし、そ
れらは残光の発光時間が短かったり、発光が弱いことな
どの欠点があるため、実用上問題点が多くあった。
【０００３】そこで、残光時間を長くするために、プロ
メチウム（Ｐｍ）などの放射性物質を加えるなどの改良
が行われているが、放射性物質を含む蓄光性蛍光体は人
体に影響を及ぼしたり、廃棄処分にコストが掛かる等の
問題があり、実用的な用途に関しては制限があった。
メチウム（Ｐｍ）などの放射性物質を加えるなどの改良
が行われているが、放射性物質を含む蓄光性蛍光体は人
体に影響を及ぼしたり、廃棄処分にコストが掛かる等の
問題があり、実用的な用途に関しては制限があった。
【０００４】最近、これらの蓄光性蛍光体とは異なる、
アルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結晶とし、賦活剤
としてユーロピウム（Ｅｕ）とした蛍光体、例えばＳｒ
Ａｌ2Ｏ4：Ｅｕが提案されている（米国特許第3,294,69
9号明細書）。また、ストロンチウムアルミネートに他
のアルカリ土類金属を添加した蛍光体、例えば
アルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結晶とし、賦活剤
としてユーロピウム（Ｅｕ）とした蛍光体、例えばＳｒ
Ａｌ2Ｏ4：Ｅｕが提案されている（米国特許第3,294,69
9号明細書）。また、ストロンチウムアルミネートに他
のアルカリ土類金属を添加した蛍光体、例えば
【化４】 （式中、ｘ＋ｙ＋ｚ＋ｐ＝１、ｘ、ｙ、ｚの一つ又は二
つは０でも良く、０.００１≦ｐ≦０．１）が提案され
ている（英国特許第1,190,520号明細書）。また、アル
カリ土類金属アルミン酸塩に、賦活剤としてユーロピウ
ム（Ｅｕ）を、賦活助剤としてデスプロシム（Ｄｙ）、
ネオジウム（Ｎｄ）等を使用した蛍光体、例えばＳｒＡ
ｌ2Ｏ4：Ｅｕ，Ｄｙなどが提案されている（特開平7-11
250号公報）。さらに、上記化合物にフラックス剤とし
て酸化硼素を添加したものが提案されている（特開平9-
143463号公報、特開平9-143464号公報）。
つは０でも良く、０.００１≦ｐ≦０．１）が提案され
ている（英国特許第1,190,520号明細書）。また、アル
カリ土類金属アルミン酸塩に、賦活剤としてユーロピウ
ム（Ｅｕ）を、賦活助剤としてデスプロシム（Ｄｙ）、
ネオジウム（Ｎｄ）等を使用した蛍光体、例えばＳｒＡ
ｌ2Ｏ4：Ｅｕ，Ｄｙなどが提案されている（特開平7-11
250号公報）。さらに、上記化合物にフラックス剤とし
て酸化硼素を添加したものが提案されている（特開平9-
143463号公報、特開平9-143464号公報）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記蓄
光性蛍光体は、輝度が高く、長残光性を有するが、屋外
等に長時間放置すると大気や雨水等により、蓄光性蛍光
体の一部が化学的に変化したり水に溶出したりしてしま
い、その機能を損ねるという欠点を有している。
光性蛍光体は、輝度が高く、長残光性を有するが、屋外
等に長時間放置すると大気や雨水等により、蓄光性蛍光
体の一部が化学的に変化したり水に溶出したりしてしま
い、その機能を損ねるという欠点を有している。
【０００６】従って、本発明の目的は、耐光性及び耐候
性に優れると共に、極めて長期間にわたり残光特性を維
持し、且つ耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を
提供するにある。
性に優れると共に、極めて長期間にわたり残光特性を維
持し、且つ耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を
提供するにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
実に鑑み、鋭意検討を行った結果、アルカリ土類金属ア
ルミン酸塩を母体結晶として、該母体結晶に賦活剤とし
て希土類元素を含有する蓄光性蛍光体の粒子表面に、酸
性リン酸エステル又はキレート能を有するホスホン酸、
又はその誘導体から選ばれた有機リン酸化合物を被覆す
ることにより極めて優れた耐水性と化学的安定性を有す
る蓄光性蛍光体が得られることを知見し、本発明を完成
するに至った。
実に鑑み、鋭意検討を行った結果、アルカリ土類金属ア
ルミン酸塩を母体結晶として、該母体結晶に賦活剤とし
て希土類元素を含有する蓄光性蛍光体の粒子表面に、酸
性リン酸エステル又はキレート能を有するホスホン酸、
又はその誘導体から選ばれた有機リン酸化合物を被覆す
ることにより極めて優れた耐水性と化学的安定性を有す
る蓄光性蛍光体が得られることを知見し、本発明を完成
するに至った。
【０００８】即ち、本発明は、アルカリ土類金属アルミ
ン酸塩を母体結晶とし、該母体結晶に賦活剤して希土類
元素を含有する蓄光性蛍光体において、該蓄光性蛍光体
の粒子表面に有機リン酸化合物を被覆してなることを特
徴とする蓄光性蛍光体に係る。
ン酸塩を母体結晶とし、該母体結晶に賦活剤して希土類
元素を含有する蓄光性蛍光体において、該蓄光性蛍光体
の粒子表面に有機リン酸化合物を被覆してなることを特
徴とする蓄光性蛍光体に係る。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の蓄光性蛍光体において、その基材原料とな
るアルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結晶とし、該母
体結晶に賦活剤として希土類元素を含有する蓄光性蛍光
体とは、
る。本発明の蓄光性蛍光体において、その基材原料とな
るアルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結晶とし、該母
体結晶に賦活剤として希土類元素を含有する蓄光性蛍光
体とは、
【化５】Ｍ・Ａｌ２Ｏ４ で表される化合物を母体結晶とし、この母体結晶に賦活
剤として希土類元素を添加してなるものである。
剤として希土類元素を添加してなるものである。
【００１０】本発明において基材原料として使用される
蓄光性蛍光体は、さらに具体的には、特開平7-11250号
公報、特開平9-143463号公報及び特開平9-143464号公報
に開示されている蓄光性蛍光体が好ましく、例えば以下
の一般式
蓄光性蛍光体は、さらに具体的には、特開平7-11250号
公報、特開平9-143463号公報及び特開平9-143464号公報
に開示されている蓄光性蛍光体が好ましく、例えば以下
の一般式
【化６】 又は
【化７】 又は
【化８】 （式中、Ｍはアルカリ土類金属元素、Ｒは希土類元素を
示し、０.１≦ｘ≦１、０.５≦ａ≦０.９９、１≦ｎ≦
８を示す）で表される焼成体である。
示し、０.１≦ｘ≦１、０.５≦ａ≦０.９９、１≦ｎ≦
８を示す）で表される焼成体である。
【００１１】上記一般式中、Ｍは、アルカリ土類金属で
あり、例えばカルシウム、ストロンチウム、バリウムか
らなる少なくとも１種以上から選ばれる金属元素であ
る。また、賦活剤は、１種又は２種以上の希土類元素で
あるが、これらは例えばランタン（Ｌａ）、セリウム
（Ｓｅ）、プラセオジウム（Ｐｒ）、ネオジム（Ｎ
ｄ）、サマリウム（Ｓｍ）、ユーロピウム（Ｅｕ）、ガ
ドリウム（Ｇｄ）、テリビウム（Ｔｂ）、ジスプロシウ
ム（Ｄｙ）、ホルミウム（Ｈｏ）、エリビウム（Ｅ
ｒ）、ツリウム（Ｔｍ）、イッテルビウム（Ｙｂ）、ル
テチウム（Ｌｕ）、イットリウム（Ｙ）、スカンジウム
（Ｓｃ）、プラセオジウム（Ｐｍ）等が挙げられる。賦
活剤としては、ユーロピウム（Ｅｕ）が好ましい。
あり、例えばカルシウム、ストロンチウム、バリウムか
らなる少なくとも１種以上から選ばれる金属元素であ
る。また、賦活剤は、１種又は２種以上の希土類元素で
あるが、これらは例えばランタン（Ｌａ）、セリウム
（Ｓｅ）、プラセオジウム（Ｐｒ）、ネオジム（Ｎ
ｄ）、サマリウム（Ｓｍ）、ユーロピウム（Ｅｕ）、ガ
ドリウム（Ｇｄ）、テリビウム（Ｔｂ）、ジスプロシウ
ム（Ｄｙ）、ホルミウム（Ｈｏ）、エリビウム（Ｅ
ｒ）、ツリウム（Ｔｍ）、イッテルビウム（Ｙｂ）、ル
テチウム（Ｌｕ）、イットリウム（Ｙ）、スカンジウム
（Ｓｃ）、プラセオジウム（Ｐｍ）等が挙げられる。賦
活剤としては、ユーロピウム（Ｅｕ）が好ましい。
【００１２】なお、基材原料として使用される蓄光性蛍
光体は、さらにその賦活助剤としてジスプロシウム（Ｄ
ｙ）、ネオジム（Ｎｄ）等を併用した蓄光性顔料が特に
好ましい。
光体は、さらにその賦活助剤としてジスプロシウム（Ｄ
ｙ）、ネオジム（Ｎｄ）等を併用した蓄光性顔料が特に
好ましい。
【００１３】基材原料として使用される蓄光性結晶は、
フラックス剤として酸化硼素又は硼酸等の硼素化合物が
添加されているものが、工業的に有利である。
フラックス剤として酸化硼素又は硼酸等の硼素化合物が
添加されているものが、工業的に有利である。
【００１４】基材原料として使用される蓄光性蛍光体
は、何れにおいても、長残光性及び高輝度という特性を
有するものであるが、具的的には、ストロンチウム等の
アルカリ土類金属の酸化物又は炭酸塩と、アルミニウム
の酸化物、賦活剤としてユーロピウムの酸化物、賦活助
剤としてジスプロシウム、ネオジム等の希土類酸化物、
フラックス剤として酸化硼素又は硼酸などの硼素化合物
などを、必要に応じて混合し、還元焼成して製造される
ものである。
は、何れにおいても、長残光性及び高輝度という特性を
有するものであるが、具的的には、ストロンチウム等の
アルカリ土類金属の酸化物又は炭酸塩と、アルミニウム
の酸化物、賦活剤としてユーロピウムの酸化物、賦活助
剤としてジスプロシウム、ネオジム等の希土類酸化物、
フラックス剤として酸化硼素又は硼酸などの硼素化合物
などを、必要に応じて混合し、還元焼成して製造される
ものである。
【００１５】本発明の特徴は、上記のような蓄光性蛍光
体の粒子表面に、有機リン酸化合物を被覆させることに
ある。有機リン酸化合物としては、例えば、酸性リン酸
エステル又はキレート能を有するホスホン酸、又はその
誘導体から選ばれたものである。
体の粒子表面に、有機リン酸化合物を被覆させることに
ある。有機リン酸化合物としては、例えば、酸性リン酸
エステル又はキレート能を有するホスホン酸、又はその
誘導体から選ばれたものである。
【００１６】これらは、酸性リン酸エステルとしては、
例えばメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッド
ホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ジエチル
アシッドホスフェート、メチルエチルアシッドホスフェ
ート、正−またはイソープロピルアシッドホスフェー
ト、正−またはイソ−ジプロピルアシッドホスフェー
ト、メチルブチルアシッドホスフェート、エチルブチル
アシッドホスフェート、プロピルブチルアシッドホスフ
ェート、正−またはイソ−オクチルアシッドホスフェー
ト、正−またはイソ−ジオクチルアシッドホスフェー
ト、正−デシルアシッドホスフェート、正−ジデシルア
シッドホスフェート、正−ラウリルアシッドホスフェー
ト、正−ジラウリルアシッドホスフェート、正−または
イソ−セシルアシッドホスフェート、正−またはイソ−
ジセシルアシッドホスフェート、正−ステアリルアシッ
ドホスフェート、正−またはイソ−ジステアリルアシッ
ドホスフェート、アリルアシッドホスフェート、ジアリ
ルアシッドホスフェートなどが挙げれる。また、これら
化合物のＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａ、Ｚｎ又はＡｌから選
ばれた１種又は２種以上の金属塩、アンモニウム塩等で
もよい。
例えばメチルアシッドホスフェート、ジメチルアシッド
ホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ジエチル
アシッドホスフェート、メチルエチルアシッドホスフェ
ート、正−またはイソープロピルアシッドホスフェー
ト、正−またはイソ−ジプロピルアシッドホスフェー
ト、メチルブチルアシッドホスフェート、エチルブチル
アシッドホスフェート、プロピルブチルアシッドホスフ
ェート、正−またはイソ−オクチルアシッドホスフェー
ト、正−またはイソ−ジオクチルアシッドホスフェー
ト、正−デシルアシッドホスフェート、正−ジデシルア
シッドホスフェート、正−ラウリルアシッドホスフェー
ト、正−ジラウリルアシッドホスフェート、正−または
イソ−セシルアシッドホスフェート、正−またはイソ−
ジセシルアシッドホスフェート、正−ステアリルアシッ
ドホスフェート、正−またはイソ−ジステアリルアシッ
ドホスフェート、アリルアシッドホスフェート、ジアリ
ルアシッドホスフェートなどが挙げれる。また、これら
化合物のＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａ、Ｚｎ又はＡｌから選
ばれた１種又は２種以上の金属塩、アンモニウム塩等で
もよい。
【００１７】また、キレート能を有するホスホン酸の化
合物としては、例えばアミノアルキレンホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸、アルキル
メタンー１ーヒドロキシー１，１ージホスホン酸又は、
２ーヒドロキシホスホノ酢酸などが代表的な化合物とし
て挙げられる。このうちアミノアルキレンホスホン酸と
しては、例えば、ニトリロトリスチレンホスホン酸、ニ
トリロトリスポロピレンホスホン酸、ニトリロジエチル
メチレンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホ
スホン酸等が挙げられる。エチレンジアミンテトラアル
キレンホスホン酸としては、例えば、エチレンジアミン
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエ
チレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレン
ホスホン酸等が挙げられる。アルキレンー１ーヒドロキ
シー１，１ージホスホン酸としては、例えば、メタンー
１ーヒドロキシー１，１ージホスホン酸、エタンー１ー
ヒドロキシー１，１ージホスホン酸、プロパンー１ーヒ
ドロキシー１，１ージホスホン酸等が挙げられる。又、
これら化合物のＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａ、Ｚｎ又はＡｌ
から選ばれた１種又は２種以上の金属塩であってもよ
い。
合物としては、例えばアミノアルキレンホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸、アルキル
メタンー１ーヒドロキシー１，１ージホスホン酸又は、
２ーヒドロキシホスホノ酢酸などが代表的な化合物とし
て挙げられる。このうちアミノアルキレンホスホン酸と
しては、例えば、ニトリロトリスチレンホスホン酸、ニ
トリロトリスポロピレンホスホン酸、ニトリロジエチル
メチレンホスホン酸、ニトリロプロピルビスメチレンホ
スホン酸等が挙げられる。エチレンジアミンテトラアル
キレンホスホン酸としては、例えば、エチレンジアミン
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエ
チレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレン
ホスホン酸等が挙げられる。アルキレンー１ーヒドロキ
シー１，１ージホスホン酸としては、例えば、メタンー
１ーヒドロキシー１，１ージホスホン酸、エタンー１ー
ヒドロキシー１，１ージホスホン酸、プロパンー１ーヒ
ドロキシー１，１ージホスホン酸等が挙げられる。又、
これら化合物のＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａ、Ｚｎ又はＡｌ
から選ばれた１種又は２種以上の金属塩であってもよ
い。
【００１８】又、本発明では、上記の酸性リン酸エステ
ルとキレート能を有するホスホン酸の化合物を１種また
は２種以上を組み合わせて用いてもよい。
ルとキレート能を有するホスホン酸の化合物を１種また
は２種以上を組み合わせて用いてもよい。
【００１９】酸性リン酸エステル又はキレート能を有す
るホスホン酸の被覆量は、用いる化合物の物性や種類等
によって一様ではないが、得られた蓄光性蛍光体の０.
１〜３０重量％、好ましくは、１〜２０重量％である。
るホスホン酸の被覆量は、用いる化合物の物性や種類等
によって一様ではないが、得られた蓄光性蛍光体の０.
１〜３０重量％、好ましくは、１〜２０重量％である。
【００２０】本発明の蓄光性蛍光体の粒子表面に有機リ
ン酸化合物を被覆させたものは、かかる化合物に耐水性
や化学的安定性を付与させ、堅牢度の高い工業的に有利
な化合物となる。
ン酸化合物を被覆させたものは、かかる化合物に耐水性
や化学的安定性を付与させ、堅牢度の高い工業的に有利
な化合物となる。
【００２１】有機リン酸化合物の被覆方法は、特に限定
されるものではないが、湿式法と乾式法とがある。湿式
法は、例えば基材原料たる蓄光性蛍光体粒子を水に分散
させ、所望により機械的セン断操作を加えて蓄光性蛍光
体の分散スラリーを所定時間にわたり攪拌した後、酸性
リン酸エステル又はホスホン酸又はその誘導体などの有
機リン酸化合物の水溶液を滴下する。処理反応は、速や
かに進行し、反応温度は、通常室温から６０℃の範囲、
反応時間は０.１〜３時間程度でよいが、特に制限され
るものではない。また、乾式法は、例えば基材原料たる
蓄光性蛍光体粒子と酸性リン酸エステル又はホスホン酸
又はその誘導体などの有機リン酸化合物とをヘンシェル
ミキサーやスーパーミキサー、ハイブリタイザー、アト
マイザー、ジェットミル、ジョークラッシャー等の機械
的混合機や粉砕機にて乾式表面処理操作する。
されるものではないが、湿式法と乾式法とがある。湿式
法は、例えば基材原料たる蓄光性蛍光体粒子を水に分散
させ、所望により機械的セン断操作を加えて蓄光性蛍光
体の分散スラリーを所定時間にわたり攪拌した後、酸性
リン酸エステル又はホスホン酸又はその誘導体などの有
機リン酸化合物の水溶液を滴下する。処理反応は、速や
かに進行し、反応温度は、通常室温から６０℃の範囲、
反応時間は０.１〜３時間程度でよいが、特に制限され
るものではない。また、乾式法は、例えば基材原料たる
蓄光性蛍光体粒子と酸性リン酸エステル又はホスホン酸
又はその誘導体などの有機リン酸化合物とをヘンシェル
ミキサーやスーパーミキサー、ハイブリタイザー、アト
マイザー、ジェットミル、ジョークラッシャー等の機械
的混合機や粉砕機にて乾式表面処理操作する。
【００２２】反応終了後、通常の方法により回収し、乾
燥するこにより本発明の蓄光性蛍光体粒子表面に有機リ
ン酸化合物が被覆された蓄光性蛍光体を得ることができ
る。
燥するこにより本発明の蓄光性蛍光体粒子表面に有機リ
ン酸化合物が被覆された蓄光性蛍光体を得ることができ
る。
【００２３】本発明の蓄光性蛍光体において、基材原料
として使用される蓄光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸
化合物が被覆される作用は、明確ではないが、湿式法で
は、蓄光性蛍光体の母結晶体からアルカリ土類金属イオ
ンが一部溶出してくるが、このアルカリ土類金属イオン
と有機リン酸化合物とが反応して、蓄光性蛍光体の粒子
表面に沈積被覆されると考えられる。この被覆をするこ
とにより、優れた耐水性と化学安定が付与された堅牢度
の高い蓄光性蛍光体を得ることができる。
として使用される蓄光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸
化合物が被覆される作用は、明確ではないが、湿式法で
は、蓄光性蛍光体の母結晶体からアルカリ土類金属イオ
ンが一部溶出してくるが、このアルカリ土類金属イオン
と有機リン酸化合物とが反応して、蓄光性蛍光体の粒子
表面に沈積被覆されると考えられる。この被覆をするこ
とにより、優れた耐水性と化学安定が付与された堅牢度
の高い蓄光性蛍光体を得ることができる。
【００２４】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例１ 基材原料であるＳｒＡｌ2Ｏ4：Ｅｕ，Ｄｙの組成を有す
る蓄光性蛍光体粒子５重量部を水５０重量部に添加し、
攪拌して該粒子を水に分散させた。次いで、得られた分
散スラリーを４０℃に保温した後、有機リン酸化合物と
してプロピルアシッドホスフェート０.２６重量部を徐
々に添加し、撹拌しながら１時間反応させた。反応終了
後、濾過分離し、乾燥して本発明の蓄光性蛍光体を得
た。得られた蓄光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸化合
物が沈積したことをＳＥＭ写真及びＸ線回折で確認し
た。又、得られた蓄光性蛍光体の耐水性は、ＪＩＳ Ｋ
５１０１(顔料試験法)の水溶分試験法の煮沸法に準じて
溶出量を算出して評価した。また、輝度は、溶出後未溶
解部分を濾過分離し、乾燥したものについて、目視によ
り判別した。なお、○は高輝度が残っている、×は僅か
に輝度が残っている、又は輝度が全然残っていないをそ
れぞれ表す。得られた結果を表１に併記する。
説明する。 実施例１ 基材原料であるＳｒＡｌ2Ｏ4：Ｅｕ，Ｄｙの組成を有す
る蓄光性蛍光体粒子５重量部を水５０重量部に添加し、
攪拌して該粒子を水に分散させた。次いで、得られた分
散スラリーを４０℃に保温した後、有機リン酸化合物と
してプロピルアシッドホスフェート０.２６重量部を徐
々に添加し、撹拌しながら１時間反応させた。反応終了
後、濾過分離し、乾燥して本発明の蓄光性蛍光体を得
た。得られた蓄光性蛍光体の粒子表面に有機リン酸化合
物が沈積したことをＳＥＭ写真及びＸ線回折で確認し
た。又、得られた蓄光性蛍光体の耐水性は、ＪＩＳ Ｋ
５１０１(顔料試験法)の水溶分試験法の煮沸法に準じて
溶出量を算出して評価した。また、輝度は、溶出後未溶
解部分を濾過分離し、乾燥したものについて、目視によ
り判別した。なお、○は高輝度が残っている、×は僅か
に輝度が残っている、又は輝度が全然残っていないをそ
れぞれ表す。得られた結果を表１に併記する。
【００２５】実施例２〜１０ 基材原料である蓄光性蛍光体粒子として表１に記載する
化合物を用い、又、有機リン酸化合物として表１に記載
する物質を用いた以外は実施例１と同様の方法により本
発明の蓄光性蛍光体を得た。得られた蓄光性蛍光体につ
き、実施例１と同様に諸特性を測定した。得られた結果
を表１に併記する。
化合物を用い、又、有機リン酸化合物として表１に記載
する物質を用いた以外は実施例１と同様の方法により本
発明の蓄光性蛍光体を得た。得られた蓄光性蛍光体につ
き、実施例１と同様に諸特性を測定した。得られた結果
を表１に併記する。
【００２６】実施例１１ 基材原料であるＳｒＡｌ2Ｏ4：Ｅｕ,Ｄｙの組成を有す
る蓄光性蛍光体粒子５重量部にプロピルアシッドホスフ
ェートを０.２６重量部混合し、ヘンシェルミキサーで
１０分間混合処理し、有機リン酸化合物を被覆した蓄光
性蛍光体を得た。得られた蓄光性蛍光体につき、実施例
１と同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１に併
記する。
る蓄光性蛍光体粒子５重量部にプロピルアシッドホスフ
ェートを０.２６重量部混合し、ヘンシェルミキサーで
１０分間混合処理し、有機リン酸化合物を被覆した蓄光
性蛍光体を得た。得られた蓄光性蛍光体につき、実施例
１と同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１に併
記する。
【００２７】比較例１ 実施例１で基材原料として使用したＳｒＡｌ2Ｏ4：Ｅ
ｕ，Ｄｙの組成を有する蓄光性蛍光体粒子に有機リン酸
化合物の被覆処理を施さないものについて、実施例１と
同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１に併記す
る。
ｕ，Ｄｙの組成を有する蓄光性蛍光体粒子に有機リン酸
化合物の被覆処理を施さないものについて、実施例１と
同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１に併記す
る。
【００２８】比較例２ 実施例４で基材原料として使用したＳｒＡｌ2ｘＢ
xＯ4：Ｅｕ，Ｄｙの組成を有する蓄光性蛍光体粒子に有
機リン酸化合物の被覆処理を施さないものについて、実
施例１と同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１
に併記する。
xＯ4：Ｅｕ，Ｄｙの組成を有する蓄光性蛍光体粒子に有
機リン酸化合物の被覆処理を施さないものについて、実
施例１と同様に諸特性を測定した。得られた結果を表１
に併記する。
【００２９】
【表１】
【００３０】なお、表１中、実施例１０で基材原料とし
て使用した蓄光性蛍光体（Ａ）は、下記の組成を有する
ものである：
て使用した蓄光性蛍光体（Ａ）は、下記の組成を有する
ものである：
【化９】 （式中、ｘ＝０.０７、ｎ＝１、ａ＝０.９９）
【００３１】
【発明の効果】本発明によれば、耐光性及び耐候性に優
れると共に、極めて長期間にわたり残光特性を維持し、
且つ耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を提供す
ることができる。
れると共に、極めて長期間にわたり残光特性を維持し、
且つ耐水性に優れ、堅牢度の高い蓄光性蛍光体を提供す
ることができる。
Claims (4)
- 【請求項１】 アルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結
晶とし、該母体結晶に賦活剤して希土類元素を含有する
蓄光性蛍光体において、該蓄光性蛍光体の粒子表面に有
機リン酸化合物を被覆してなることを特徴とする蓄光性
蛍光体。 - 【請求項２】 有機リン酸化合物は、酸性リン酸エステ
ル又はキレート能を有するホスホン酸又はその誘導体か
ら選ばれた少なくとも１種以上である、請求項１記載の
蓄光性蛍光体。 - 【請求項３】 有機リン酸化合物の被覆量は、得られた
蓄光性蛍光体の０.１〜２０重量％である、請求項１又
は２記載の蓄光性蛍光体。 - 【請求項４】 アルカリ土類金属アルミン酸塩を母体結
晶とし、該母体結晶に賦活剤として希土類元素を含有す
る蓄光性蛍光体は、下記一般式 【化１】 又は 【化２】 又は 【化３】 （式中、Ｍはアルカリ土類金属元素、Ｒは希土類元素を
示し、０.１≦ｘ≦１、０.５≦ａ≦０.９９、１≦ｎ≦８
を示す）で表される焼成体である、請求項１記載の蓄光
性蛍光体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30552997A JPH11140438A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 蓄光性蛍光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30552997A JPH11140438A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 蓄光性蛍光体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140438A true JPH11140438A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17946255
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30552997A Pending JPH11140438A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 蓄光性蛍光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140438A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001027220A1 (fr) * | 1999-10-07 | 2001-04-19 | Matsui Shikiso Chemical Co., Ltd. | Procede de production d'un pigment lumineux resistant a l'eau |
| CN1074024C (zh) * | 1999-06-08 | 2001-10-31 | 黎佰宁 | 高亮度发光油漆及其制造方法 |
| EP1090975A3 (en) * | 1999-10-06 | 2002-05-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | A process for producing aluminate-based phosphor |
| WO2006004021A1 (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-12 | Media Com International Co., Ltd. | 蓄光化合物及びその製造法 |
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| WO2016060004A1 (ja) * | 2014-10-14 | 2016-04-21 | 株式会社ルミネッサス | 発光体及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-11-07 JP JP30552997A patent/JPH11140438A/ja active Pending
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| WO2016060004A1 (ja) * | 2014-10-14 | 2016-04-21 | 株式会社ルミネッサス | 発光体及びその製造方法 |
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