JPH11140040A - 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体 - Google Patents

3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体

Info

Publication number
JPH11140040A
JPH11140040A JP34183997A JP34183997A JPH11140040A JP H11140040 A JPH11140040 A JP H11140040A JP 34183997 A JP34183997 A JP 34183997A JP 34183997 A JP34183997 A JP 34183997A JP H11140040 A JPH11140040 A JP H11140040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
compound
lower alkyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34183997A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Akaha
敏 赤羽
Masahiko Uchida
雅彦 内田
Norihiko Kikuchi
紀彦 菊地
Hidetoshi Izawa
英俊 伊澤
Kiyoto Hara
清人 原
Toshiki Honma
俊樹 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kissei Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP34183997A priority Critical patent/JPH11140040A/ja
Publication of JPH11140040A publication Critical patent/JPH11140040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Hydrogenated Pyridines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】選択的な活性化血液凝固第X因子阻害作用を有
する3−アミジノフェニルエーテル誘導体を提供する。 【解決手段】 【化1】 〔RはH,OH,置換可アルコキシ、Yは単結合,
O、Rはアルキル, 【化2】 〔nは1,2、TはH,−C(=NH)−W(Wはアル
キル)〕〕の化合物。 【化3】 〔Rはアルキル, 【化4】 (PはH,アミノ基の保護基)の化合物をアミジノ化、
U−C(=NH)−W(Uはアルコキシ)の化合物との
反応等を適宜行うことにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品として有用
である新規な3−アミジノフェニルエーテル誘導体に関
するものである。
【0002】さらに詳しく述べれば、本発明は、優れた
活性化血液凝固第X因子阻害活性を有し、活性化血液凝
固第X因子阻害剤として有用な、一般式
【0003】
【化11】
【0004】〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換
基としてアリール基を有していてもよい低級アルコキシ
基であり、Yは単結合又は酸素原子であり、Rは低級
アルキル基又は一般式
【0005】
【化12】
【0006】〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原
子又は一般式−C(=NH)−W(式中のWは低級アル
キル基である)で表される基である〕で表される基であ
る〕で表される3−アミジノフェニルエーテル誘導体お
よびそれらの薬理学的に許容される塩に関するものであ
る。
【0007】また、本発明は、活性化血液凝固第X因子
阻害剤として有用である前記一般式(I)で表される3
−アミジノフェニルエーテル誘導体の製造中間体として
有用な、一般式
【0008】
【化13】
【0009】〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換
基としてアリール基を有していてもよい低級アルコキシ
基であり、Yは単結合又は酸素原子であり、Rは低級
アルキル基又は一般式
【0010】
【化14】
【0011】(式中のnは1または2であり、Pは水素
原子またはアミノ基の保護基である)で表される基であ
る〕で表される3−シアノフェニルエーテル誘導体およ
びそれらの塩に関するものである。
【0012】
【従来の技術】血液の凝固亢進による血栓・塞栓性疾患
の予防および治療において、抗凝固療法が広く施行され
ており、現在抗凝固薬としてヘパリン、ワルファリンカ
リウムなどの薬剤が繁用されている。
【0013】しかしながら、ヘパリンは、トロンビン阻
害活性および活性化血液凝固第X因子阻害活性を有する
薬剤であり、出血傾向をきたす危険性があることが知ら
れている。
【0014】ワルファリンカリウムは、ビタミンK依存
性の凝固因子の生合成を制御する抗凝固薬であり、その
作用機序から血栓・塞栓性疾患の予防および治療時の血
液凝固能のコントロールが容易ではなく、臨床的には非
常に取扱いづらい薬剤である。
【0015】また、選択的なトロンビン阻害剤が近年開
発され、臨床的に用いられているが、トロンビンは血液
凝固カスケード反応においてフィブリノーゲンのフィブ
リンへの転化および血小板の活性化および凝集に深く関
与していることより、出血傾向等の安全性の面でヘパリ
ン同様の問題点が残存し、また効果が必ずしも十分でな
いとの報告もある。
【0016】一方、内因系および外因系の血液凝固カス
ケード反応の合流点において働く活性化血液凝固第X因
子は、トロンビンの上流に位置するため、トロンビン阻
害剤に比して抗凝固活性がより効率的であり、効果的に
凝固系を阻害する可能性がある薬剤として注目されてい
る。
【0017】更には、近年、生活様式の欧米化、人口の
高齢化が進展し、心筋梗塞、動静脈閉塞症などの血栓・
塞栓性疾患の発症が増加傾向にあるため、より効果的な
抗凝固薬の開発に対する要請は高く、その社会的重要性
は益々増大している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た活性化血液凝固第X因子阻害活性を有する新規な化合
物を提供することである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、優れた活性化血液
凝固第X因子阻害活性を有する新規な化合物を見出すべ
く鋭意研究した結果、ある種の3−アミジノフェニルエ
ーテル誘導体が強力な活性化血液凝固第X因子阻害活性
を有し、また、選択的な活性化血液凝固第X因子阻害活
性を有しているという驚くべき知見を得、本発明を成す
に至った。
【0020】即ち、本発明は、優れた活性化血液凝固第
X因子阻害活性を有し、活性化血液凝固第X因子阻害剤
として有用な、一般式
【0021】
【化15】
【0022】〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換
基としてアリール基を有していてもよい低級アルコキシ
基であり、Yは単結合又は酸素原子であり、Rは低級
アルキル基又は一般式
【0023】
【化16】
【0024】〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原
子又は一般式−C(=NH)−W(式中のWは低級アル
キル基である)で表される基である〕で表される基であ
る〕で表される3−アミジノフェニルエーテル誘導体お
よびそれらの薬理学的に許容される塩に関するものであ
る。
【0025】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物において、低級アルキル基とは、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基、1−メチルブチル、2−メチルブチル、ヘキ
シル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のア
ルキル基をいい、低級アルコキシ基とは、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert
−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ
基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または
枝分かれ状のアルコキシ基をいい、アリール基とは、フ
ェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基をいう。
【0026】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物は、例えば、一般式
【0027】
【化17】
【0028】(式中のR、RおよびYは前記と同じ
意味をもつ)で表される3−シアノフェニルエーテル誘
導体またはその塩を、一般式
【0029】
【化18】
【0030】(式中のR、RおよびYは前記と同じ
意味をもつ)で表される3−アミジノフェニルエーテル
誘導体に変換した後、必要に応じ、アミノ基の保護基を
除去し、所望により、一般式
【0031】
【化19】
【0032】(式中のUは低級アルコキシ基であり、W
は前記と同じ意味をもつ)で表されるアルキルイミノエ
ーテルと反応させた後、所望により、常法に従い、適宜
水素化分解による脱ベンジル化を行うことにより製造す
ることができる。
【0033】前記製造方法において、前記一般式(I
I)の3−シアノフェニルエーテル誘導体またはその塩
から前記一般式(III)の3−アミジノフェニルエー
テル誘導体への反応は下記化学式の通りである。
【0034】
【化20】
【0035】(式中のR、RおよびYは前記と同じ
意味をもつ) 方法1 前記一般式(II)の3−シアノフェニルエーテル誘導
体またはその塩を塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水
素の存在下、メタノール、エタノール等のアルコールと
通常−20℃乃至室温で反応させ、得られたイミデート
体をアンモニア又は炭酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩と反応させる
ことにより前記一般式(III)の3−アミジノフェニ
ルエーテル誘導体が得られる。用いられる溶媒として
は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、塩
化メチレン等を挙げることができる。
【0036】方法2 前記一般式(II)の3−シアノフェニルエーテル誘導
体またはその塩をトリエチルアミン、ピリジン等の有機
塩基の存在下、硫化水素と通常−20℃乃至室温で反応
させ、得られたチオアミド体をヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル等の低級アルキルハライドと反応させ、チオイミデ
ート体とした後、アンモニア又は炭酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩
と反応させることにより前記一般式(III)の3−ア
ミジノフェニルエーテル誘導体が得られる。用いられる
溶媒としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロ
フラン、塩化メチレン等を挙げることができる。
【0037】尚、前記一般式(II)の3−シアノフェ
ニルエーテル誘導体においてRにおける置換基Pがア
ミノ基の保護基である場合、上記反応により当該保護基
が脱離することがあるが、当該保護基が脱離しない場
合、常法に従い処理することにより容易に脱離させるこ
とができる。
【0038】前記製造方法において、一般式(Ia)で
表される環状アミンと前記一般式(IV)のアルキルイ
ミノエーテルの反応は下記化学式の通りである。
【0039】
【化21】
【0040】(式中のR、Y、U、Wおよびnは前記
と同じ意味をもつ) 前記一般式(Ia)の環状アミンをトリエチルアミン、
N−メチルモルホリン等の塩基の存在下、前記一般式
(IV)のアルキルイミノエーテルと通常−20℃〜室
温で反応させることにより、前記一般式(Ib)の化合
物を得ることができる。用いられる溶媒としては、エタ
ノール、メタノール、塩化メチレン、N,N−ジメチル
ホルムアミド等を挙げることができる。
【0041】前記製造方法において、水素化分解による
脱ベンジル化は、例えば、パラジウム−炭素等のパラジ
ウム系触媒を用いて、アルコール、水等のプロトン性溶
媒、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の非プロトン性
溶媒またはそれらの混合溶媒中で、必要に応じて適宜塩
酸等の酸触媒を加え、通常0℃〜50℃で水素雰囲気下
常圧にて行うことができる。
【0042】前記製造方法において出発原料として用い
られる前記一般式(II)で表される3−シアノフェニ
ルエーテル誘導体およびその塩は、例えば、以下の工程
AまたはBにより製造することができる。
【0043】
【化22】
【0044】(式中のRは水素原子または置換基とし
てアリール基を有していてもよい低級アルコキシ基であ
り、R、RおよびYは前記と同じ意味をもつ) 工程A 前記一般式(V)のアミノエーテル誘導体を前記一般式
(VI)の安息香酸誘導体とジシクロヘキシルカルボジ
イミド、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩、シアノリン酸ジエチル、アジ化
ジフェニルホスホリル等の縮合剤を用い、必要に応じ、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の活性エステル化
試薬の存在下、アセトニトリル、N,N−ジメチルホル
ムアミド等の非プロトン性溶媒中、必要に応じ、トリエ
チルアミン等の塩基の存在下、通常0℃〜室温で縮合さ
せた後、所望により、上述した方法に従い水素化分解に
よる脱ベンジル化を行い、所望により、常法に従いその
塩へ変換させることにより前記一般式(II)の3−シ
アノフェニルエーテル誘導体およびその塩を得ることが
できる。
【0045】
【化23】
【0046】(式中のXはハロゲン原子であり、R
、RおよびYは前記と同じ意味をもつ) 工程B 前記一般式(V)のアミノエーテル誘導体を前記一般式
(VII)の安息香酸ハライド誘導体と非プロトン性溶
媒中、トリエチルアミン等の塩基の存在下、通常0℃〜
室温で縮合させた後、所望により、上述した方法に従い
水素化分解による脱ベンジル化を行い、所望により、常
法に従いその塩へ変換させることにより前記一般式(I
I)の3−シアノフェニルエーテル誘導体およびその塩
を得ることができる。
【0047】前記工程AおよびBにおいて用いられる前
記一般式(V)のアミノエーテル誘導体は、例えば、以
下の工程により製造することができる。
【0048】
【化24】
【0049】(式中のRはアリール基を有していても
よい低級アルキル基であり、Rは低級アルキル基であ
り、Rはハロゲン原子または各種スルホニルオキシ基
であり、RおよびXは前記と同じ意味をもつ)
【0050】工程C 前記式(VIII)の3,4−ジヒドロキシベンズアル
デヒドを等モルの前記一般式(IX)のアルキルハライ
ドを用いて、等モルの炭酸カリウム等の塩基の存在下、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド
等の溶媒中、通常0〜50℃でアルキル化反応を行う。
【0051】工程D 前記一般式(X)または前記式(XI)のベンズアルデ
ヒド誘導体をヒドロキシアミン塩酸塩と酢酸等の溶媒
中、通常0〜100℃で反応させてオキシム誘導体を生
成させた後、脱水剤として無水酢酸、トリフルオロ酢酸
無水物、塩化チオニル、五酸化リン、五塩化リン等を用
いて、塩基の存在下または非存在下、酢酸、塩化メチレ
ン等の溶媒中または無溶媒で常法に従い脱水反応を行
う。
【0052】工程E 前記一般式(XII)のフェノール誘導体を前記一般式
(XIII)のブロモ酢酸エステル誘導体を用いて、炭
酸カリウム等の塩基の存在下、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中で、通常0〜
60℃で反応を行う。
【0053】工程F 前記一般式(XIV)のフェノキシ酢酸エステル誘導体
を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて、エタノ
ール、メタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒中、通
常0℃〜室温で常法に従い還元を行う。
【0054】工程G 前記一般式(XII)のフェノール誘導体をエチレンカ
ーボネートとジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
ホルムアミド等の溶媒中で、水素化リチウム等の塩基ま
たはヨウ化テトラエチルアンモニウム等の活性化剤を用
いて、通常100〜170℃で反応を行う。
【0055】工程H 前記一般式(XV)のエタノール誘導体を塩化メチレン
等の不活性溶媒中、通常0℃〜室温で、1)塩化チオニ
ル、臭化チオニル、四臭化炭素−トリフェニルホスフィ
ン等のハロゲン化剤を用いて反応を行うか、または2)
トリエチルアミン等の塩基の存在下、メタンスルホニル
クロライド等のスルホニル化剤を用いて反応を行う。
【0056】工程I 前記一般式(XVI)の化合物をフタルイミドカリウム
とN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、通常0〜
100℃で反応を行う。
【0057】工程J 前記一般式(XVII)のN−置換フタルイミド誘導体
を常法に従い酸、アルカリにより加水分解またはヒドラ
ジン、メチルアミン等で処理することにより脱保護を行
う。
【0058】前記工程AおよびBにおいて用いられる前
記一般式(VI)の安息香酸誘導体および前記一般式
(VII)の安息香酸ハライド誘導体は文献記載の方法
(例えば、特開平7−2851号公報、国際特許公開W
O97/31910号公報、同WO89/01933号
公報)等に従い製造することができ、例えば、一般式
【0059】
【化25】
【0060】(式中のRは前記と同じ意味をもつ)で
表される安息香酸誘導体は、例えば、以下の工程により
製造することができる。
【0061】
【化26】
【0062】(式中のRは低級アルキル基であり、R
またはXは前記と同じ意味をもつ) 工程K 前記一般式(XVIII)のアルコールを前記一般式
(XIX)の4−フルオロ安息香酸エステル誘導体と水
素化ナトリウム等の塩基の存在下、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、通常室
温〜100℃で反応を行う。
【0063】工程L 前記一般式(XVIII)のアルコールを前記一般式
(XX)の4−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体と塩
化メチレン、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、ト
リフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチルエス
テルを用いた光延反応により通常0℃〜室温で反応を行
う。
【0064】工程M 前記一般式(XXII)のアルキルハライドを前記一般
式(XX)の4−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体と
炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、ジ
メチルスルホキシド、アルコール、水等の溶媒中または
混合溶媒中、通常室温〜80℃で反応を行う。
【0065】工程N 前記一般式(XXI)の安息香酸エステル誘導体を常法
に従い酸またはアルカリ加水分解を行う。
【0066】本発明の前記一般式(I)で表される3−
アミジノフェニルエーテル誘導体のうち、置換基R
おいてnが1である化合物には光学異性体が存在する
が、当該光学異性体は、前記製造方法において出発物質
として光学活性な一般式
【0067】
【化27】
【0068】(式中の*を付した炭素原子は(R)配置
または(S)配置の炭素原子を示し、PおよびYは前記
と同じ意味をもつ)で表される安息香酸誘導体又はその
安息香酸ハライド誘導体を用いて同様に反応することに
より製造することができる。
【0069】前記製造方法により得られる本発明の化合
物は、慣用の分離手段である分別結晶法、沈澱法、カラ
ムクロマトグラフィーを用いた精製方法、溶媒抽出法等
により容易に単離精製することができる。
【0070】本発明の前記一般式(I)で表される3−
アミジノフェニルエーテル誘導体は、常法に従い、その
薬理学的に許容される塩にすることができる。このよう
な塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ
酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハ
ク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、
マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、ア
スパラギン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩を挙げる
ことができる。
【0071】また、本発明の前記一般式(I)で表され
る化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許
容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0072】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物のうち、置換基Rにおいてnが1である化合物には
R配置の化合物とS配置の化合物の2種類の光学異性体
が存在するが、本発明においてはいずれの光学異性体を
使用してもよく、それらの光学異性体の混合物であって
も構わない。
【0073】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物は、強力な活性化血液凝固第X因子阻害活性および抗
凝固作用を有する化合物である。例えば、イヌを用い
て、(−)−N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキ
シフェニルオキシ)エチル〕−4−〔(3R)−1−
(1−イミノエチル)−3−ピロリジニルオキシ〕ベン
ズアミド二塩酸塩30mg/kgを単回経口投与した場
合、良好な抗凝固作用を示した。また、本発明の前記一
般式(I)で表される化合物は、トロンビン阻害活性が
極めて弱く、選択性の非常に高い活性化血液凝固第X因
子阻害剤である。
【0074】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物は選択的な活性化血液凝固第X因子阻害剤であり、脳
梗塞、脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、
くも膜下出血、心筋梗塞、不安定狭心症、肺梗塞、肺塞
栓、バージャー病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、
汎発性血管内凝固症候群、人工血管術後および人工弁置
換術後の血栓形成、経皮的経管式冠動脈形成術(PTC
A)または経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)
等の血管再建術後の再狭窄および再閉塞、血液体外循環
時の血栓形成等の予防または治療剤として、血管カテー
テル挿入時の血液凝固の防止剤として、またインフルエ
ンザウイルスの増殖阻害活性に基づくインフルエンザウ
イルスの感染予防または治療剤等として非常に有用な化
合物である。
【0075】本発明の前記一般式(I)で表される化合
物は、安全性の高い化合物であり、例えば、ラットを用
いた急性毒性試験において、(−)−N−〔2−(5−
アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオキシ)エチル〕−
4−〔(3R)−1−(1−イミノエチル)−3−ピロ
リジニルオキシ〕ベンズアミド二塩酸塩は10mg/k
gの静脈内投与でも死亡例は観察されなかった。
【0076】本発明の前記一般式(I)で表される3−
アミジノフェニルエーテル誘導体およびそれらの薬理学
的に許容される塩を実際の治療に用いる場合、適当な医
薬品組成物、例えば、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カ
プセル剤、注射剤、液剤、貼付剤、軟膏剤、坐剤などと
して経口的あるいは非経口的に投与される。これらの医
薬品組成物は一般の調剤において行われる製剤学的方法
により、通常用いられている製剤用の担体や賦形剤、そ
の他の添加剤を用いることにより適宜調製することがで
きる。
【0077】その投与量は対象となる患者の性別、年
齢、体重、症状の度合いなどによって適宜決定される
が、経口投与の場合、概ね成人1日当たり1〜5000
mg、非経口投与の場合、概ね成人1日当たり0.01
〜500mgの範囲内で、一回または数回に分けて投与
される。
【0078】
【実施例】本発明の内容を以下の参考例、実施例および
試験例でさらに詳しく説明するが、本発明はその内容に
限定されるものではない。
【0079】参考例1 1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピ
ペリジン 4−ヒドロキシピペリジン10.0gを2N−水酸化ナ
トリウム水溶液100mlに溶解し、二炭酸ジ−ter
t−ブチル27.3mlを加えて室温で6時間撹拌し
た。反応混合物に水を加えて、ジエチルエーテルで抽出
し、有機層を10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒド
ロキシピペリジン19.1gを得た。
【0080】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.35−1.70(12H,m),1.80−1.9
0(2H,m),2.95−3.10(2H,m),
3.75−3.95(3H,m)
【0081】参考例2 参考例1と同様の方法により以下の化合物を合成した。 (−)−(3R)−1−tert−ブトキシカルボニル
−3−ヒドロキシピロリジン
【0082】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.46(9H,s),1.62−2.12(3H,
m),3.25−3.60(4H,m),4.40−
4.50(1H,m) 〔α〕 31=−26.7゜(c=0.99,メタノー
ル)
【0083】参考例3 4−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリ
ジニルオキシ)安息香酸水素化ナトリウム(60%油
性)9.2gを乾燥ヘキサンを用いて懸濁し、上澄みを
除いた。氷冷下N,N−ジメチルホルムアミド200m
lに溶解した1−tert−ブトキシカルボニル−4−
ヒドロキシピペリジン45.5gを加えた後、アルゴン
雰囲気下にて4−フルオロ安息香酸エチル30.5gを
加え、100℃で30分間撹拌した。反応混合物に10
%クエン酸水溶液を加え酸性とし、ジエチルエーテルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−
酢酸エチル)で精製し、エステル中間体を得た。これに
2N−水酸化ナトリウム水溶液50ml、メタノール5
0mlを加え、60℃で6時間撹拌した。反応混合物に
水を加え、塩化メチレンで洗浄し、水層に10%クエン
酸水溶液を加え酸性とし、析出物をろ取することによ
り、4−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピ
ペリジニルオキシ)安息香酸27.0gを得た。
【0084】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.48(9H,s),1.70−1.85(2H,
m),1.88−2.02(2H,m),3.31−
3.43(2H,m),3.64−3.76(2H,
m),4.55−4.65(1H,m),6.94(2
H,d,J=8.9Πz),8.05(2H,d,J=
8.9Hz)
【0085】参考例4 参考例3と同様の方法により以下の化合物を合成した。 (−)−4−((3R)−1−tert−ブトキシカル
ボニル−3−ピロリジニルオキシ)安息香酸
【0086】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.25−1.46(9H,m),1.95−2.
27(2H,m),3.20−3.65(4H,m),
5.00−5.15(1H,m),7.03(2H,
d,J=8.9Hz),7.88(2H,d,J=8.
9Hz),12.65(1H,br−s)
【0087】参考例5 (+)−4−((3S)−1−tert−ブトキシカル
ボニル−3−ピロリジニルオキシ)安息香酸 4−ヒドロキシ安息香酸メチル1.50g、(−)−
(3R)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−ヒ
ドロキシピロリジン1.85g、トリフェニルホスフィ
ン3.1gを塩化メチレン50mlに溶解し、アルゴン
雰囲気下40%アゾジカルボン酸ジエチルエステル−ト
ルエン溶液5.30mlを滴下し、室温で18時間撹拌
した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加え酸性と
し、塩化メチレンで抽出した。有機層を1N−水酸化ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン
−酢酸エチル)で精製し、エステル中間体を得た。これ
に2N−水酸化ナトリウム水溶液20ml、メタノール
5mlを加え、60℃で6時間撹拌した。反応混合物に
水を加え塩化メチレンで洗浄し、10%クエン酸水溶液
を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去することにより、(+)−4−
((3S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−
ピロリジニルオキシ)安息香酸2.15gを得た。
【0088】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.47(9H,s),2.07−2.28(2H,
m),3.42−3.74(4H,m),4.93−
5.02(1H,m),6.91(2H,d,J=8.
7Hz),7.99−8.11(2H,m) 〔α〕 31=25.4゜(c=1.04,メタノー
ル)
【0089】参考例6 4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド 3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド175.0gと
炭酸カリウム175.0gをN,N−ジメチルホルムア
ミド600mlに懸濁し、氷冷下撹拌した。反応混合物
にベンジルブロマイド150mlを滴下し、室温で6時
間撹拌した。反応混合物に希塩酸を加え酸性とし、析出
物をろ取した後、ジエチルエーテルで洗浄することによ
り、4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド179.0gを得た。
【0090】H−NMR(CDCl)δ ppm:
5.21(2H,s),5.82(1H,s),7.0
4(1H,d,J=8.3Hz),7.33−7.52
(7H,m),9.84(1H,s)
【0091】参考例7 4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンゾニトリル 4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド
179.1g、塩酸ヒドロキシルアミン81.8g、酢
酸ナトリウム257.0gを酢酸500mlに溶解し、
60℃で30分間撹拌した。反応混合物に無水酢酸14
8mlを加え、3時間加熱還流した。反応混合物に希塩
酸を加え充分に酸性とし、析出物をろ取した後、エタノ
ールで洗浄することにより、4−ベンジルオキシ−3−
ヒドロキシベンゾニトリル145.0gを得た。
【0092】H−NMR(CDCl)δ ppm:
5.17(2H,s),5.82(1H,s),6.9
5(1H,d,J=8.0Hz),7.14−7.22
(2H,m),7.33−7.48(5H,m)
【0093】参考例8 エチル 2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニ
ルオキシ)アセテート 4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンゾニトリル1
45.0gと炭酸カリウム87.0gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド500mlに溶解し、ブロモ酢酸エチル
70.4mlを滴下し、60℃で2時間撹拌した。反応
混合物に希塩酸を加え酸性とし、析出物をろ取し、乾燥
後エタノールで再結晶することにより、エチル 2−
(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニルオキシ)ア
セテート113.5gを得た。
【0094】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.30(3H,t,J=7.1Hz),4.26(2
H,q,J=7.1Hz),4.70(2H,s),
5.20(2H,s),6.95(1H,d,J=8.
4Hz),7.09(1H,d,J=1.9Hz),
7.22−7.47(6H,m)
【0095】参考例9 4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)ベンゾニトリル 氷冷下水素化ホウ素ナトリウム30.0gをテトラヒド
ロフラン200mlに懸濁し、エチル 2−(2−ベン
ジルオキシ−5−シアノフェニルオキシ)アセテート1
13.5gを加え、反応混合物にメタノール100ml
をゆっくり加え室温で3時間撹拌した。反応混合物中に
希塩酸を加え酸性とし、析出物をろ取した後、塩化メチ
レンに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減
圧留去することにより、4−ベンジルオキシ−3−(2
−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゾニトリル96.5g
を得た。
【0096】H−NMR(CDCl)δ ppm:
3.86−3.98(2H,m),4.05−4.15
(2H,m),5.17(2H,s),6.96(1
H,d,J=8.4Hz),7.15(1H,d,J=
1.8Hz),7.20−7.50(6H,m)
【0097】参考例10 3−(2−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゾニトリル 3−シアノフェノール715.3mgをN,N−ジメチ
ルホルムアミド10mlに溶解し、エチレンカーボネー
ト580.0mgとヨウ化テトラブチルアンモニウム2
60.0mgを加え、140℃で5時間撹拌した。反応
混合物に希塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽
出した。有機層を1N−水酸化ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を減圧留去することにより、3−(2−ヒドロ
キシエチルオキシ)ベンゾニトリル200.0mgを得
た。
【0098】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.93−2.04(1H,m),3.85−4.20
(4H,m),7.05−7.45(4H,m)
【0099】参考例11 2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニルオキ
シ)エチル メタンスルホネート 4−ベンジルオキシ−3−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)ベンゾニトリル96.5gを塩化メチレン800m
lに溶解し、氷冷下トリエチルアミン100mlを加
え、次にメタンスルホニルクロリド33.0mlを塩化
メチレン30mlで希釈した溶液を10分間かけて滴下
した。氷冷下30分間撹拌後、反応混合物中に希塩酸を
加え酸性とし、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、
得られた残渣にヘキサンを加え懸濁させ、ろ取すること
により、2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニ
ルオキシ)エチル メタンスルホネート115.0gを
得た。
【0100】H−NMR(CDCl)δ ppm:
2.81(3H,s),4.20−4.28(2H,
m),4.55−4.62(2H,m),5.10(2
H,s),7.00(1H,d,J=8.4Hz),
7.10(1H,d,J=1.9Hz),7.29−
7.47(6H,m)
【0101】参考例12 参考例11と同様の方法により以下の化合物を合成し
た。 2−(5−シアノフェニルオキシ)エチル メタンスル
ホネート
【0102】H−NMR(CDCl)δ ppm:
3.09(3H,s),4.24−4.31(2H,
m),4.55−4.63(2H,m),7.10−
7.20(2H,m),7.27−7.33(1H,
m),7.37−7.47(1H,m)
【0103】参考例13 N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕フタルイミド 2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニルオキ
シ)エチル メタンスルホネート63.6gとフタルイ
ミドカリウム塩42.4gをジメチルスルホキシド60
0mlに溶解し、90℃で1時間撹拌した。反応混合物
に水を加え、析出物をろ取し、水、ヘキサンで順次洗浄
することにより、N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5
−シアノフェニルオキシ)エチル〕フタルイミド71.
3gを得た。
【0104】H−NMR(CDCl)δ ppm:
4.16(2H,t,J=5.7Hz),4.30(2
H,t,J=5.7Hz),5.08(2H,s),
6.88(1H,d,J=8.4Hz),7.13(1
H,d,J=1.8Hz),7.21(1H,dd,J
=8.4Hz,1.8Hz),7.27−7.41(5
H m),7.67−7.75(2H,m),7.79
−7.87(2H,m)
【0105】参考例14 参考例13と同様の方法により以下の化合物を合成し
た。 N−〔2−(5−シアノフェニルオキシ)エチル〕フタ
ルイミド
【0106】H−NMR(CDCl)δ ppm:
4.09−4.18(2H,m),4.20−4.30
(2H,m),7.08−7.15(2H,m),7.
18−7.40(2H,m),7.70−7.81(2
H,m),7.84−7.95(2H,m)
【0107】参考例15 4−ベンジルオキシ−3−(2−アミノエチルオキシ)
ベンゾニトリル N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕フタルイミド71.3gに40%メチ
ルアミン−メタノール溶液500mlを加え、60℃で
1時間撹拌した。反応混合物を濃縮後希塩酸を加え酸性
とし、ジエチルエーテルで洗浄後、水層を2N−水酸化
ナトリウム水溶液で塩基性とし、塩化メチレンで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することにより、4−
ベンジルオキシ−3−(2−アミノエチルオキシ)ベン
ゾニトリル40.6gを得た。
【0108】H−NMR(CDCl)δ ppm:
3.14(2H,t,J=5.1Hz),4.04(2
H,t,J=5.1Hz),5.18(2H,s),
6.93(1H,d,J=8.4Hz),7.12(1
H,d,J=1.9Hz),7.23(2H,dd,J
=8.4Hz,1.9Hz),7.30−7.47(5
H,m)
【0109】参考例16 参考例15と同様の方法により以下の化合物を合成し
た。 3−(2−アミノエチルオキシ)ベンゾニトリル
【0110】H−NMR(CDCl)δ ppm:
3.11(2H,t,J=5.1Hz),4.01(2
H,t,J=5.1Hz),7.07−7.43(4
H,m)
【0111】参考例17 N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕−4−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−4−ピペリジニルオキシ)ベンズアミド 4−ベンジルオキシ−3−(2−アミノエチルオキシ)
ベンゾニトリル22.8gおよび4−(1−tert−
ブトキシカルボニル−4−ピペリジニルオキシ)安息香
酸26.0gをN,N−ジメチルホルムアミド400m
lに溶解し、氷冷下アジ化ジフェニルホスホリル22.
0mlを滴下し、15分間撹拌後トリエチルアミン1
4.2mlを加え室温で18時間撹拌した。反応混合物
に10%クエン酸水溶液を加え酸性とし、析出物をろ取
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、N−〔2−(2
−ベンジルオキシ−5−シアノフェニルオキシ)エチ
ル〕−4−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−
ピペリジニルオキシ)ベンズアミド24.8gを得た。
【0112】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.47(9H,s),1.68−1.80(2H,
m),1.86−1.97(2H,m),3.30−
3.40(2H,m),3.63−3.75(2H,
m),3.84−3.93(2H,m),4.15−
4.25(2H,m),4.45−4.55(1H,
m),5.16(2H,s),6.60−6.70(1
H,m),6.86(2H,d,J=8.9Hz),
6.96(1H,d,J=8.4Hz),7.16(1
H,d,J=1.9Hz),7.20−7.45(6
H,m),7.66(2H,d,J=8.9Hz)
【0113】参考例18 参考例17と同様の方法により以下の化合物を合成し
た。 N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕−4−イソプロピルベンズアミド
【0114】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.25(6H,d,J=6.9Hz),2.88−
3.00(1H,m),3.85−3.95(2H,
m),4.15−4.25(2H,m),5.16(2
H,s),6.65−6.75(1H,m),6.96
(1H,d,J=8.4Hz),7.16(1H,d,
J=1.9Hz),7.19−7.46(8H,m),
7.64(2H,d,J=8.4Hz)
【0115】N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シ
アノフェニルオキシ)エチル〕−4−イソプロポキシベ
ンズアミド
【0116】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.35(6H,d,J=6.0Hz),3.83−
3.92(2H,m),4.16−4.24(2H,
m),4.54−4.65(1H,m),5.16(2
H,s),6.56−6.66(1H,m),6.82
(2H,d,J=8.9Hz),6.96(1H,d,
J=8.4Hz),7.16(1H,d,J=1.9H
z),7.23−7.45(6H,m),7.64(2
H,d,J=8.9Hz)
【0117】(+)−N−〔2−(2−ベンジルオキシ
−5−シアノフェニルオキシ)エチル〕−4−((3
S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピロリ
ジニルオキシ)ベンズアミド
【0118】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.46(9H,s),2.04−2.24(2H,
m),3.40−3.71(4H,m),3.83−
3.93(2H,m),4.16−4.25(2H,
m),4.86−4.97(1H,m),5.16(2
H,s),6.59−6.69(1H,m),6.81
(2H,d,J=8.8Hz),6.96(1H,d,
J=8.4Hz),7.16(1H,d,J=1.9H
z),7.21−7.45(6H,m),7.61−
7.71(2H,m) 〔α〕 30=13.8゜(c=0.93,メタノー
ル)
【0119】(−)−N−〔2−(2−ベンジルオキシ
−5−シアノフェニルオキシ)エチル〕−4−((3
R)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−ピロリ
ジニルオキシ)ベンズアミド
【0120】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.46(9H,s),2.02−2.25(2H,
m),3.39−3.73(4H,m),3.83−
3.94(2H,m),4.15−4.28(2H,
m),4.86−4.97(1H,m),5.17(2
H,s),6.51−6.63(1H,m),6.81
(2H,d,J=8.8Hz),6.96(1H,d,
J=8.4Hz),7.17(1H,d,J=1.9H
z),7.20−7.47(6H,m),7.60−
7.73(2H,m) 〔α〕 31=−12.7°(c=0.93,メタノー
ル)
【0121】N−〔2−(3−シアノフェニルオキシ)
エチル〕−4−イソプロピルベンズアミド
【0122】H−NMR(CDCl)δ ppm:
1.26(6H,d,J=6.9Hz),2.89−
3.01(1H,m),3.85−3.95(2H,
m),4.14−4.22(2H,m),6.48−
6.62(1H,m),7.11−7.20(2H,
m),7.23−7.42(4H,m),7.71(2
H,d,J=8.4Hz)
【0123】実施例1 N−〔2−(3−アミジノフェニルオキシ)エチル〕−
4−イソプロピルベンズアミド塩酸塩(化合物1) N−〔2−(3−シアノフェニルオキシ)エチル〕−4
−イソプロピルベンズアミド20mgを飽和塩化水素−
エタノール溶液10mlに溶解し、室温で5時間撹拌し
た。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をエタノール
20mlに溶解し、酢酸アンモニウム50mgを加え室
温で10時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残
渣をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒:塩化メチレンーメタノール)で精製
し、目的のフラクションに希塩酸及びエタノールを加え
て濃縮することにより、N−〔2−(3−アミジノフェ
ニルオキシ)エチル〕−4−イソプロピルベンズアミド
塩酸塩20mgを得た。
【0124】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.21(6H,d,J=6.9Hz),2.86
−3.00(1H,m),3.61−3.70(2H,
m),4.16−4.25(2H,m),7.29−
7.43(5H,m),7.49−7.58(1H,
m),7.79(2H,d,J=8.3Hz),8.6
2−8.71(1H,m),9.00(2H,s),
9.31(2H,s)
【0125】実施例2 N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオ
キシ)エチル〕−4−(4−ピペリジニルオキシ)ベン
ズアミド二塩酸塩(化合物2) N−〔2−(5−アミジノ−2−ベンジルオキシフェニ
ルオキシ)エチル〕−4−(4−ピペリジニルオキシ)
ベンズアミド二塩酸塩(化合物3) N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕−4−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−4−ピペリジニルオキシ)ベンズアミド1.2
0gを飽和塩化水素−エタノール溶液50mlに溶解
し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、得
られた残渣をエタノール80mlに溶解し、酢酸アンモ
ニウム0.80gを加え室温で10時間撹拌した。溶媒
を減圧留去して得られた残渣をオクタデシル基化学結合
型シリカゲル中圧液体カラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒:水−メタノール)で精製し、目的のフラクション
に希塩酸及びエタノールを加えて濃縮することにより、
先に溶出したフラクションより0.11gの化合物2を
得、後に溶出したフラクションより0.35gの化合物
3を得た。
【0126】化合物2 H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.76
−1.93(2H,m),2.05−2.20(2H,
m),2.98−3.32(4H,m),3.60−
3.76(2H,m),4.17(2H,t,J=5.
6Hz),4.69−4.83(1H,m),7.00
(1H,d,J=8.4Hz),7.08(2H,d,
J=8.9Hz),7.41(1H,dd,J=8.4
Hz,2.2Hz),7.51(1H,d,J=2.2
Hz),7.88(2H,d,J=8.9Hz),8.
77(1H,t,J=5.8Hz),8.91(2H,
s),8.98−9.35(4H,m),10.14
(1H,s)
【0127】化合物3 H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.78
−1.92(2H,m),2.05−2.20(2H,
m),2.99−3.12(2H,m),3.16−
3.30(2H,m),4.25(2H,t,J=6.
0Hz),4.67−4.80(1H,m),5.25
(2H,s),7.06(2H,d,J=8.8H
z),7.19−7.52(7H,m),7.57(1
H,d,J=2.1Hz),7.87(2H,d,J=
8.8Hz),8.68(1H,t,J=5.5H
z),8.90−9.18(4H,m),9.23(2
H,s)
【0128】実施例3 実施例2と同様の方法により以下の化合物を合成した。 N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオ
キシ)エチル〕−4−イソプロピルベンズアミド塩酸塩
(化合物4)
【0129】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.21(6H,d,J=6.9Hz),2.86
−3.02(1H,m),3.62−3.74(2H,
m),4.10−4.21(2H,m),6.97(1
H,d,J=8.4Hz),7.33(2H,d,J=
8.3Hz),7.38(1H,dd,J=8.4H
z,2.1Hz),7.46(1H,d,J=2.1H
z),7.79(2H,d,J=8.3Hz),8.6
3−8.85(3H,m),9.07(2H,br−
s),9.85−10.25(1H,br)
【0130】N−〔2−(5−アミジノ−2−ベンジル
オキシフェニルオキシ)エチル〕−4−イソプロピルベ
ンズアミド塩酸塩(化合物5)
【0131】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.21(6H,d,J=6.9Hz),2.88
−3.00(1H,m),3.60−3.74(2H,
m),4.18−4.30(2H,m),5.25(2
H,s),7.19−7.58(10H,m),7.8
0(2H,d,J=8.3Hz),8.69(1H,
t,J=5.6Hz),8.83(2H,s),9.1
6(2H,s)
【0132】実施例4 N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオ
キシ)エチル〕−4−イソプロポキシベンズアミド塩酸
塩(化合物6) N−〔2−(2−ベンジルオキシ−5−シアノフェニル
オキシ)エチル〕−4−イソプロポキシベンズアミド8
6mgを飽和塩化水素−エタノール溶液20mlに溶解
し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、得
られた残渣をエタノール100mlに溶解し、酢酸アン
モニウム200mgを加え室温で10時間撹拌した。反
応混合物に希塩酸を加え充分に酸性とし、溶媒を減圧留
去して得られた残渣をエタノール−水の混合溶媒10m
lに溶解し、10%パラジウム炭素触媒30mgを加
え、室温にて水素雰囲気下常圧で2時間撹拌した。不溶
物をろ去し、ろ液を減圧下濃縮した後、得られた残渣を
オクタデシル基化学結合型シリカゲル中圧液体カラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒:水−メタノール)で精製
し、目的のフラクションに希塩酸及びエタノールを加え
て濃縮することにより、N−〔2−(5−アミジノ−2
−ヒドロキシフェニルオキシ)エチル〕−4−イソプロ
ポキシベンズアミド塩酸塩10mg得た。
【0133】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.27(6H,d,J=5.9Hz),3.59
−3.74(2H,m),4.09−4.22(2H,
m),4.64−4.88(1H,m),6.88−
7.08(3H,m),7.33−7.54(2H,
m),7.82(2H,d,J=8.7Hz),8.5
8−8.70(1H,m),8.81(2H,br−
s),9.10(2H,br−s),10.07(1
H,s)
【0134】実施例5 実施例4と同様の方法により以下の化合物を合成した。 (+)−N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフ
ェニルオキシ)エチル〕−4−((3S)−3−ピロリ
ジニルオキシ)ベンズアミド二塩酸塩(化合物7)
【0135】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:2.05−2.40(2H,m),3.61−3.
73(2H,m),4.17(2H,t,J=5.6H
z),5.17−5.26(1H,m),6.98(1
H,d,J=8.4Hz),7.04(2H,d,J=
8.8Hz),7.40(1H,dd,J=8.4H
z,2.2Hz),7.49(1H,d,J=2.2H
z),7.88(2H,d,J=8.8Hz),8.7
4(1H,t,J=5.7Hz),8.83(2H,
s),9.11(2H,s),9.30−9.65(2
H,m),10.09(1H,s) 〔α〕 31=12.2゜(c=0.54,1N−塩
酸)
【0136】(−)−N−〔2−(5−アミジノ−2−
ヒドロキシフェニルオキシ)エチル〕−4−((3R)
−3−ピロリジニルオキシ)ベンズアミド二塩酸塩(化
合物8)
【0137】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:2.05−2.32(2H,m),3.17−3.
55(4H,m),3.62−3.73(2H,m),
4.17(2H,t,J=5.7Hz),5.16−
5.27(1H,m),6.98(1H,d,J=8.
4Hz),7.04(2H,d,J=8.9Hz),
7.40(1H,dd,J=8.4Hz,2.2H
z),7.50(1H,d,J=2.2Hz),7.8
9(2H,d,J=8.9Hz),8.73(1H,
t,J=5.7Hz),8.84(2H,s),9.1
1(2H,s),9.32−9.65(2H,m),1
0.07(1H,s) 〔α〕 31=−10.7°(c=0.60,1N−塩
酸)
【0138】実施例6 N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオ
キシ)エチル〕−4−〔1−(1−イミノエチル)−4
−ピペリジニルオキシ〕ベンズアミド二塩酸塩(化合物
9) N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオ
キシ)エチル〕−4−(4−ピペリジニルオキシ〕ベン
ズアミド二塩酸塩1.50gをメタノール50mlに溶
解し、トリエチルアミン2.50ml、エチルアセチミ
デート塩酸塩1.50gを加え、室温で1時間撹拌し
た。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をオクタデシル基
化学結合型シリカゲル中圧液体カラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:水−メタノール)で精製し、目的のフラ
クションに希塩酸を加えて濃縮することにより、N−
〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフェニルオキ
シ)エチル〕−4−〔1−(1−イミノエチル)−4−
ピペリジニルオキシ〕ベンズアミド二塩酸塩1.00g
を得た。
【0139】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:1.66−1.85(2H,m),1.99−2.
15(2H,m),2.30(3H,s),3.45−
3.90(6H,m),4.16(2H,t,J=5.
7Hz),4.76−4.87(1H,m),6.98
(1H,d,J=8.4Hz),7.08(2H,d,
J=8.9Πz),7.40(1H,dd,J=8.4
Hz,2.1Hz),7.48(1H,d,J=2.1
Hz),7.87(2H,d,J=8.9Hz),8.
60−8.95(4H,m),9.10(2H,br−
s),9.26(1H,br−s),10.08(1
H,br−s)
【0140】実施例7 実施例6と同様の方法により以下の化合物を合成した。 (+)−N−〔2−(5−アミジノ−2−ヒドロキシフ
ェニルオキシ)エチル〕−4−〔(3S)−1−(1−
イミノエチル)−3−ピロリジニルオキシ〕ベンズアミ
ド二塩酸塩(化合物10)
【0141】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:2.15−2.38(5H,m),3.48−4.
05(6H,m),4.17(2H,t,J=5.6H
z),5.22−5.38(1H,m),6.93−
7.11(3H,m),7.41(1H,dd,J=
8.4Hz,2.1Hz),7.48−7.55(1
H,m),7.85−7.98(2H,m),8.46
−8.63(1H,m),8.75−9.00(3H,
m),9.15(2H,s),9.21−9.40(1
H,m),9.95−10.30(1H,br) 〔α〕 31=16.1゜(c=0.71,1N−塩
酸)
【0142】(−)−N−〔2−(5−アミジノ−2−
ヒドロキシフェニルオキシ)エチル〕−4−〔(3R)
−1−(1−イミノエチル)−3−ピロリジニルオキ
シ〕ベンズアミド二塩酸塩(化合物11)
【0143】H−NMR(DMSO−d)δ pp
m:2.12−2.40(5H,m),3.39−4.
04(6H,m),4.17(2H,t,J=5.5H
z),5.19−5.38(1H,m),6.94−
7.11(3H,m),7.42(1H,dd,J=
8.4Hz,1.9Hz),7.49−7.58(1
H,m),7.85−8.00(2H,m),8.47
−8.65(1H,m),8.75−9.05(3H,
m),9.17(2H,s),9.25−9.43(1
H,m),10.13(1H,s) 〔α〕 30=−15.9°(c=1.00,1N−塩
酸)
【0144】試験例1 活性化血液凝固第X因子の阻害活性の測定 被験化合物のジメチルスルホキシド溶液5μl、pH
8.4のトリス−塩酸緩衝液375μlおよび1mM
S−2222(第一化学薬品株式会社製)水溶液100
μlを混合し、0.6ユニット/mlのヒト活性化血液
凝固第X因子(カルバイオケミ社製)のゼラチン−グリ
シン緩衝溶液20μlを加えて、37℃で10分間イン
キュベートした。60%酢酸100μlを加えて反応を
停止し、吸光度(405nm)を測定した。
【0145】被験化合物無添加群をコントロールとし、
ヒト活性化血液凝固第X因子無添加群をブランクとし、
各濃度におけるヒト活性化血液凝固第X因子阻害率を算
出した。コントロールに対し50%阻害するときの被験
化合物の濃度(IC50)を求め、活性化血液凝固第X
因子阻害活性の指標とした。その結果は表1の通りであ
る。
【0146】試験例2 トロンビン阻害活性の測定 被験化合物のジメチルスルホキシド溶液5μl、pH
8.4のトリス−塩酸緩衝液375μlおよび1mM
S−2238(第一化学薬品株式会社製)水溶液100
μlを混合し、2.0ユニット/mlのヒト−トロンビ
ン(シグマ社製)のゼラチン−グリシン緩衝溶液20μ
lを加えて37℃で10分間インキュベートした。60
%酢酸100μlを加えて反応を停止し、吸光度(40
5nm)を測定した。
【0147】被験化合物無添加群をコントロールとし、
ヒト−トロンビン無添加群をブランクとし、各濃度にお
けるヒト−トロンビン阻害率を算出した。コントロール
に対して50%阻害するときの被験化合物の濃度(IC
50)を求め、トロンビン阻害活性の指標とした。その
結果は表1の通りである。
【0148】
【表1】
【0149】試験例3 抗凝固作用(血漿プロトロンビンタイム)の測定 被験化合物のジメチルスルホキシド溶液2μlを入れた
専用キュベットを37℃に加温し、ヒト正常血漿(ジョ
ージ・キング社製)50μlを加え、1分後に37℃に
保温した血漿プロトロンビンタイム試薬(ネオプラスチ
ン プラス(登録商標),ベーリンガー・マインハイム
株式会社製)100μlを加え、ST4(ベーリンガー
・マンハイム株式会社製)を用いて凝固時間を測定し
た。
【0150】被験化合物無添加群をコントロールとし、
コントロールの凝固時間を2倍延長する被験化合物の濃
度(CT)を求め、これを抗凝固作用の指標とした。
その結果は表2の通りである。
【0151】
【表2】
【0152】試験例4 急性毒性試験 7週齢ウイスター系雄性ラット1群5例を用い、投与容
量が2.5ml/kgになるよう被験化合物の溶液を調
製し、尾静脈内に投与速度1ml/分で投与した。投与
後一定時間毎に観察を行い、24時間後の観察で生死を
判定した。その結果は表3の通りである。
【0153】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 255/54 C07C 255/54 C07D 207/12 C07D 207/12 211/46 211/46 (72)発明者 原 清人 長野県南安曇郡豊科町大字高家5802−3 (72)発明者 本間 俊樹 長野県南安曇郡穂高町大字柏原1506−5ウ ィンディア柏矢203号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換基としてアリ
    ール基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Y
    は単結合又は酸素原子であり、Rは低級アルキル基又
    は一般式 【化2】 〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原子又は一般式
    −C(=NH)−W(式中のWは低級アルキル基であ
    る)で表される基である〕で表される基である〕で表さ
    れる3−アミジノフェニルエーテル誘導体およびそれら
    の薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 一般式 【化3】 〔式中のYは単結合又は酸素原子であり、Rは低級ア
    ルキル基又は一般式 【化4】 〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原子又は一般式
    −C(=NH)−W(式中のWは低級アルキル基であ
    る)で表される基である〕で表される基である〕で表さ
    れる請求項1記載の3−アミジノフェニルエーテル誘導
    体およびそれらの薬理学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 一般式 【化5】 〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換基としてアリ
    ール基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Y
    は単結合又は酸素原子であり、Rは低級アルキル基又
    は一般式 【化6】 〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原子又は一般式
    −C(=NH)−W(式中のWは低級アルキル基であ
    る)で表される基である〕で表される基である〕で表さ
    れる3−アミジノフェニルエーテル誘導体又はそれらの
    薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する活性
    化血液凝固第X因子阻害剤。
  4. 【請求項4】 一般式 【化7】 〔式中のYは単結合又は酸素原子であり、Rは低級ア
    ルキル基又は一般式 【化8】 〔式中のnは1又は2であり、Tは水素原子又は一般式
    −C(=NH)−W(式中のWは低級アルキル基であ
    る)で表される基である〕で表される基である〕で表さ
    れる3−アミジノフェニルエーテル誘導体又はそれらの
    薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する請求
    項3記載の活性化血液凝固第X因子阻害剤。
  5. 【請求項5】 一般式 【化9】 〔式中のRは水素原子、水酸基又は置換基としてアリ
    ール基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Y
    は単結合又は酸素原子であり、Rは低級アルキル基又
    は一般式 【化10】 (式中のnは1または2であり、Pは水素原子またはア
    ミノ基の保護基である)で表される基である〕で表され
    る3−シアノフェニルエーテル誘導体およびそれらの
    塩。
JP34183997A 1997-11-06 1997-11-06 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体 Pending JPH11140040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34183997A JPH11140040A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34183997A JPH11140040A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11140040A true JPH11140040A (ja) 1999-05-25

Family

ID=18349153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34183997A Pending JPH11140040A (ja) 1997-11-06 1997-11-06 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11140040A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001056989A3 (en) * 2000-02-01 2002-02-28 Cor Therapeutics Inc Inhibitors of factor xa
US6410538B2 (en) 1998-06-08 2002-06-25 Ajinomoto Co., Inc. Benzamidine derivatives
EP1236735A1 (en) * 1999-12-08 2002-09-04 Ajinomoto Co., Inc. Benzamidine derivatives
WO2003040086A1 (fr) * 2001-11-09 2003-05-15 Kissei Pharmaceutical Co., Ltd. Derives de 5-amidino-2-hydroxybenzene-sulfonamide, composition medicinales les contenant, leur utilisation medicale et produits intermediaires utilises dans le cadre de leur production
WO2006083003A1 (ja) 2005-02-02 2006-08-10 Ajinomoto Co., Inc. 新規ベンズアミジン化合物
US7291649B2 (en) 2005-06-29 2007-11-06 Ethicon, Inc. Forming germicidal aromatic dialdehydes with acetals
US7390837B2 (en) 2004-01-30 2008-06-24 Ethicon, Inc. Germicidal compositions containing phenylmalonaldehyde-type compounds, or mixtures of phenylmalonaldehyde-type compounds and phthalaldehydes, and methods of using such compositions for disinfection or sterilization
WO2010119877A1 (ja) * 2009-04-13 2010-10-21 味の素株式会社 アミジン誘導体の製造方法
EP2982668A2 (en) 2002-12-03 2016-02-10 Pharmacyclics LLC 2-(2-hydroxybiphenyl-3-yl)-1h-benzoimidazole-5-carboxamidine derivatives as factor viia inhibitors for the treatment of thromboembolic disorders

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410538B2 (en) 1998-06-08 2002-06-25 Ajinomoto Co., Inc. Benzamidine derivatives
EP1236735A1 (en) * 1999-12-08 2002-09-04 Ajinomoto Co., Inc. Benzamidine derivatives
EP1236735A4 (en) * 1999-12-08 2002-10-29 Ajinomoto Kk BENZAMIDINE DERIVATIVES
WO2001056989A3 (en) * 2000-02-01 2002-02-28 Cor Therapeutics Inc Inhibitors of factor xa
WO2003040086A1 (fr) * 2001-11-09 2003-05-15 Kissei Pharmaceutical Co., Ltd. Derives de 5-amidino-2-hydroxybenzene-sulfonamide, composition medicinales les contenant, leur utilisation medicale et produits intermediaires utilises dans le cadre de leur production
EP2982668A2 (en) 2002-12-03 2016-02-10 Pharmacyclics LLC 2-(2-hydroxybiphenyl-3-yl)-1h-benzoimidazole-5-carboxamidine derivatives as factor viia inhibitors for the treatment of thromboembolic disorders
US7390837B2 (en) 2004-01-30 2008-06-24 Ethicon, Inc. Germicidal compositions containing phenylmalonaldehyde-type compounds, or mixtures of phenylmalonaldehyde-type compounds and phthalaldehydes, and methods of using such compositions for disinfection or sterilization
WO2006083003A1 (ja) 2005-02-02 2006-08-10 Ajinomoto Co., Inc. 新規ベンズアミジン化合物
JP4900238B2 (ja) * 2005-02-02 2012-03-21 味の素株式会社 新規ベンズアミジン化合物
US8227506B2 (en) 2005-02-02 2012-07-24 Ajinomoto., Inc. Benzamidine compound
US7291649B2 (en) 2005-06-29 2007-11-06 Ethicon, Inc. Forming germicidal aromatic dialdehydes with acetals
WO2010119877A1 (ja) * 2009-04-13 2010-10-21 味の素株式会社 アミジン誘導体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE43481E1 (en) Diazepan derivatives or salts thereof
KR100947296B1 (ko) 신규한 만델산 유도체 및 트롬빈 억제제로서 이들의 용도
US7589126B2 (en) 5-amidino-2-hydroxybenzenesulfonamide derivatives, pharmaceutical compositions containing the same and intermediates for their preparation
KR20010023364A (ko) 3-아미디노아닐린 유도체, 활성화 혈액응고 제 x 인자저해제 및 그것의 제조중간체
JP3919236B2 (ja) 新規なアミジノ誘導体およびトロンビン阻害剤としてのその使用
JP2013121919A (ja) 血漿カリクレイン阻害剤
US6794507B2 (en) Compounds that inhibit factor Xa activity
KR910007942B1 (ko) 페녹시 아세트산 유도체 및 그의 제조방법
RU2197478C2 (ru) Производные бифениламидина
JP2001525394A (ja) 新規な化合物
JPH11140040A (ja) 3−アミジノフェニルエーテル誘導体、活性化血液凝固第x因子阻害剤およびそれらの製造中間体
JP2003528077A (ja) 置換ビフェニル誘導体
KR20020047310A (ko) N-구아니디노알킬아미드, 이의 제조방법, 이의 용도 및이를 포함하는 약제학적 조성물
KR20020091092A (ko) 아미노술포닐비페닐 유도체
WO1996030354A1 (fr) Derives d'acide epoxysuccinique
EP1174421A1 (en) 3-amidinobenzenesulfonamide derivatives, medicinal compositions containing the same and intermediates in the production thereof
JPH0581586B2 (ja)
MXPA04011910A (es) Combinacion farmaceutica.
JPH11152269A (ja) ビフェニルアミジン誘導体
JP2004315395A (ja) 新規な安息香酸誘導体又はその塩
JP2005516062A (ja) Xa因子活性を阻害する新規化合物
JP2506318B2 (ja) p−グアニジノ安息香酸フェニルエステル誘導体を含有する医薬品
MXPA00002012A (en) 3-amidinoaniline derivatives, activated blood coagulation factor x inhibitors, and intermediates for producing both
MXPA01003408A (en) Benzamide derivatives as thrombin inhibitors
KR20000016401A (ko) 신규한 아미노산 유도체 및 트롬빈 억제제로서의 그의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041027

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070619

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071127