JPH11139933A - 表皮から単離されたポリペプチドとその用途 - Google Patents

表皮から単離されたポリペプチドとその用途

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JPH11139933A JP10244055A JP24405598A JPH11139933A JP H11139933 A JPH11139933 A JP H11139933A JP 10244055 A JP10244055 A JP 10244055A JP 24405598 A JP24405598 A JP 24405598A JP H11139933 A JPH11139933 A JP H11139933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角質細胞接合を減少させ、落屑を促進させる
ポリペプチドを提供し、またこれを含む組成物及び落屑
を促進させる美容方法を提供する。 【解決手段】 15〜32キロダルトンの見かけ分子量
を有し、カテプシンL型のシステインプロテアーゼ族に
属する、単離された天然または合成ポリペプチドを使用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の主題は、ある単離ポ
リペプチドと該単離ポリペプチドのタンパク分解由来の
ポリペプチド混合物とこれらを含む組成物並びに角質細
胞間接合(intercorneocyte cohesion)を減少させ、以
って落屑を促進する美容処理方法にある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】皮膚は
体とその周囲との間の物理的障壁を構成している。皮膚
は表皮と真皮の二つの組織からなる。真皮は表皮に対す
るしっかりした支持部となっている。真皮はまたフィー
ダー成分でもある。真皮は、主として線維芽細胞と細胞
外マトリックスとからなり、細胞外マトリックス自体は
主にコラーゲンとエラスチンと基底物質と称される物質
とから構成され、これら成分は主に線維芽細胞によって
合成される。白血球、肥満細胞又は組織マクロファージ
(tissue macrophage)もまたその内部に見出される。
さらに、真皮には血管と神経線維も存在している。
【0003】表皮は平均100μm厚の落屑性多層状上
皮であり、通常、表皮胚芽層を構成するケラチノサイト
の基底層と、胚芽細胞上に配された数層の多面細胞から
なるいわゆる有棘細胞層と、はっきりした細胞質封入
体、ケラトヒアリン顆粒を含む平坦細胞からなるいわゆ
る顆粒層と、最後に、角質細胞(コルネオサイト:corn
eocytes)と呼ばれる分化の最終段階のケラチノサイト
からなる角質層(horny layer又はstratum corneum)と
称される最上層とに分けられる。これら角質細胞はケラ
チノサイト由来の無核で乾燥化した細胞である。角質細
胞は、角質又は角質化膜(エンベロープ)と称される1
5nm厚の強い抵抗性を示す構造体で包囲され、サイト
ケラチンを含む線維マトリックスから主としてなる。こ
れらの角質細胞が重なって、表皮の障壁機能を果たして
いる角質層を構成している。角質層は、水分喪失を調節
することによって皮膚に対する生理的水分の補給を確実
に行なわしめる選択的透過性を有している。さらに、角
質層は、化学的なものであれ物理的なものであれ、環境
からの攻撃に対する防御壁を構成している。角質層は次
の2つの部位からなる: −角質細胞が由来する顆粒細胞上部の柱状角質細胞積層
体に、その細胞組織が相当する角化緻密層。各角質細胞
は、上にある角質細胞と下にある角質細胞で最大に覆わ
れている。 −緻密層より接合性が弱く角質細胞の落屑部位である、
角質層の最終層からなる剥離層。
【0004】角質層において、角質細胞間空間は、層状
体(ラメラ体)から派生した脂質シートで満たされてい
る。表皮の分化は、継続的で方向付けられた成熟過程を
表しており、基底層のケラチノサイトから、完全に角化
して死亡した細胞である角質細胞が形成される。この分
化は、一定厚を維持して表皮のホメオスタシスを確実に
保つ完全に調和した現象の結果である。これは、分化過
程に入る細胞の数と落屑細胞の数の調節を経て行われ
る。正常な落屑過程では、最も外側の角質細胞のみが表
皮表面から剥離する。基底層から顆粒層への接合は、サ
イトケラチンの中間フィラメントとデスモソーム(接着
斑)とにより形成される経細胞ネットワークによりなさ
れている。このネットワークは半デスモソーム(半接着
斑)により基底膜に固定されている。角質層における接
合は、角質デスモソーム(corneodesmosomes)又は角質
ソーム(corneosomes)と称されるデスモソーム由来の
細胞間構造によりなされ、これにより角質細胞の角質膜
が堅固に接続されている。表皮(非パルモプランター:
non-palmoplantar)には、角質デスモソームが角質層下
部の角質細胞全面に存在しているが、辺縁(periphera
l)角質デスモソームだけが上部に存在している。
【0005】角質デスモソームが角質細胞間接合並びに
落屑過程において基本的に重要であることが近年の研究
から明らかになった。特に、細胞解離とデスモグレイン
Iのようなある種の角質デスモソーム成分のタンパク分
解との間に密接な相関関係がある。落屑の研究により、
表皮のいわゆる「死」層までの細密な生化学的調節が存
在することを証明することができる。連続的かつ相補的
に作用するのは、より深い生存層において産生される酵
素であり、皮膚表面での角質細胞の最終的な放出に至
る。落屑に寄与していると思われる主な酵素が近年報告
されている。これは、グリコシダーゼとプロテアーゼと
いう二つの酵素群に属する。プロテアーゼは単独では作
用することはできず、タンパク分解のグリコシダーゼ剥
離部位の予備的な作用が必要であるようである。プロテ
アーゼは、おそらく落屑に最も関与しているタイプの酵
素である。それらは4群: −活性部位にアスパラギン酸を有するアスパラギン酸プ
ロテアーゼ、 −活性部位にセリンを有するセリンプロテアーゼ、 −活性部位にシステインを有するシステインプロテアー
ゼ、 −活性部位に非常にしばしば亜鉛原子、場合によっては
カルシウム原子を有する金属プロテアーゼに細分され
る。
【0006】これらのプロテアーゼのなかで、リソソー
ム由来のシステインプロテアーゼ(カテプシンB、H及
びL)が疑いなくヒト体内で最も活性のあるプロテアー
ゼである。このシステインプロテアーゼは個々のタンパ
ク質の毎日の再生(70kgの個体当たり200〜30
0g)に関与するものである。この点に関し、国際特許
第95/07686号には、34〜35キロダルトンの
見かけ分子量のシステインプロテアーゼが記載されてい
る。
【0007】皮膚の多数の病理学的症状は厚い角質層の
生成と異常な落屑、すなわち角質増殖によって特徴付け
られる。後者は、あらゆる解剖学的皮膚領域に多様な臨
床情況で起こり得る。その生理病理学的実体及び原因は
多様である。例えば: −乾燥症(すなわち皮膚の乾燥)、 −魚鱗癬、 −乾癬、 −ある種の良性又は悪性腫瘍障害 −反応性角化症、 を挙げることができる。
【0008】他の病理学的症状は、通常は角質化されて
いないが、角質化され、すなわち、異常な上皮で被覆さ
れて、その表面に角質層を形成する、粘膜、マルピーギ
又は他のレベルでの分化転換又は化生により特徴付けら
れる。多くの場合、生殖器粘膜及び上部アエロ消化管が
関与しているが、これら化生は種々の解剖学的領域に存
在し得る。例としては: −脱出症中における子宮頸部の白血球角化症(leukoker
atosis)、 −頬の白血球角化症、 −マルピーギ粘膜の角質化良性腫瘍障害、を挙げること
ができる。
【0009】本発明を如何なる理論に結びつけるもので
はないが、これらの病理学的症状は、特にプロテアーゼ
を含む、落屑に関与していると思われる酵素の質的又は
量的不足に関連していると考えることができる。
【0010】角質細胞間接合に関与する新しいポリペプ
チド、特にプロテアーゼの精製と知識は、主として皮膚
表面又は粘膜表面における、ポリペプチド、特にプロテ
アーゼの過剰又は不足による影響に抗するための新規生
成物の生産を可能にする一つの経路である。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】よ
って、本発明の目的の一つは、角質細胞間接合に関与す
るポリペプチドを単離形態で提供することにある。
【0012】長期に渡って鋭意研究を行った結果、本出
願人は、角質細胞間接合に関与するポリペプチドをヒト
の表皮から生化学的技術により同定し、単離し、精製し
た。
【0013】よって、本発明の主題は、15〜32キロ
ダルトンの見かけ分子量と6〜9の見かけ等電点を有す
る、カテプシンL型のシステインプロテアーゼ群に属す
る、単離ポリペプチドにある。
【0014】見かけ分子量とは、ポリアクリルアミド/
硫酸ドデシルナトリウムゲル上の既知の分子量の標準タ
ンパク質のものとその電気泳動移動度を比較することに
よって、又は排除クロマトグラフィーにおいて既知の分
子量の標準タンパク質のものと溶出容量を比較すること
によって、ポリペプチドについて得られる分子量を意味
するものと理解される[ジェイ・シー・ジャンソン(J-
C. Janson)及びエル・ライデン(L. Ryden),「タン
パク質の精製(Protein Purification)」(VCH出版
社、ニューヨーク、1989年)に記載されている方法
に従う]。
【0015】見かけ等電点とは、ジェイ・シー・ジャン
ソン及びエル・ライデン,「タンパク質の精製」(VC
H出版社、ニューヨーク、1989年)に記載されてい
るように、クロマトフォーカシング実験において既知の
等電点の標準タンパク質に対して得られたものと比較し
てポリペプチドに対して得られた等電点を意味するもの
と理解される。
【0016】本発明のポリペプチドは天然由来でも合成
由来であってもよい。ここでは、合成物とは、化学的
に、又は産生に必要な成分を生物体に導入した後に該生
物体中で産生させることによって得られる全てのポリペ
プチドを意味するものと理解される。
【0017】本発明のポリペプチドは、任意の可能な起
源、すなわち動物、特に哺乳類、さらにはヒト由来、又
は植物由来、又は微生物(とりわけ、ウイルス、ファー
ジ又は細菌)由来、又は真菌由来のものであってよく、
由来する生物体中に自然に存在しているかいないかにつ
いて予め判断する必要はない。
【0018】好ましくは、本発明のポリペプチドは天然
由来のもので、哺乳類の組織、特に哺乳類の皮膚から単
離される。
【0019】好ましくは、本発明のポリペプチドはヒト
の皮膚、さらに好ましくはヒトの表皮から単離される。
【0020】上述したように、角質細胞間の接合は、と
りわけ、角質細胞間結合(junction)に関連した構造に
特異的なポリペプチドが角質層中に存在するために生じ
ることは明らかである。
【0021】したがって、本発明のポリペプチドは角質
層に存在し、角質細胞間結合に関連した構造、特に角質
デスモソームを破壊することにより角質細胞間接合を減
少させる役割を担っている。
【0022】さらに、ポリペプチド、特にプロテアーゼ
を含む酵素は、それらの活性と融和性のある一次アミノ
酸配列に対応する、いわゆる成熟形態で提供されうるこ
とは知られている。しかし、これら成熟ポリペプチド
は、より大きいポリペプチド、多くの場合、それらの一
次アミノ酸配列に成熟ポリペプチドの一次配列を含む先
駆物質から成熟現象によりしばしば派生することは知ら
れている。同じことが本発明のポリペプチドについても
言えるであろう。
【0023】したがって、本発明の主題は、一部が本発
明のポリペプチドからなる任意のポリペプチドにもあ
る。
【0024】さらに、ポリペプチドは、翻訳後に修飾を
受けてもよく、例えばジスルフィド結合の形成、特定の
タンパク分解による切断、炭水化物の添加(グリコシル
化)、リン酸化で、特にセリン及び/又はスレオニン及
び/又はチロシンのレベルでのもの、及び/又は脂質と
の組合せによるものを受けてもよいことも知られてい
る。
【0025】よって、本発明は、より詳細には、翻訳後
の修飾を受けた又は受けていない、本発明のポリペプチ
ドに関する。
【0026】本発明のポリペプチドは、一又は複数の翻
訳後の修飾を受けていてよい。
【0027】好ましくは、本発明のポリペプチドはグリ
コシル化及び/又はリン酸化される。
【0028】本発明のポリペプチドは、15〜32キロ
ダルトン、好ましくは25〜30キロダルトンの見かけ
の分子量を有する。
【0029】一般に酵素、特にプロテアーゼは、決った
pHを有する媒体で最大の活性を示すことがよく知られ
ている。
【0030】したがって、本発明のポリペプチドは、そ
の活性がpH2〜9、好ましくは3.5〜6.5で最大
になることを特徴とする。例えば、カゼインにおけるポ
リペプチドの最大活性は、pH4.6〜5.6において
である。
【0031】ポリペプチドの一次アミノ酸配列がプロテ
アーゼにより特異的に認識される部位を決定し、ひとた
びこれらの部位が認識されると、プロテアーゼが該ポリ
ペプチドに付着あるいは付着しないで、タンパク分解に
よるその切断を誘発する。
【0032】したがって、本発明は、本発明のポリペプ
チドの少なくとも1つのタンパク分解断片にも関する。
【0033】以下、特にそれ以外の説明を記載しない場
合は、ポリペプチドとは、タンパク分解により得られよ
うが、合成により得られようが、本発明の天然又は合成
ポリペプチドもしくはその断片の少なくとも一つを意味
するものと理解される。
【0034】角質細胞間接合は、角質細胞間結合に関連
した構造に特異的なポリペプチドが角質層に存在するた
めに生じることは明らかである。ある種の角質増殖病
は、過度の角質細胞間接合に関係していることが知見さ
れている。
【0035】本出願人は、本発明のポリペプチドが、角
質細胞間結合、従って角質細胞間接合に関連した構造を
破壊する現象に関与していることを示すことができた。
よって、本発明のポリペプチドは、角質細胞間接合の減
少、ひいては落屑の促進のための化粧品又は製薬用組成
物に使用することができる。
【0036】よって、本発明の他の主題は、生理学的に
許容可能な媒体中に、少なくとも一つの上述したポリペ
プチドを含有せしめてなる化粧品又は製薬用組成物を提
供することにある。
【0037】好ましくは、本発明の組成物は皮膚又は粘
膜に適用される。
【0038】また本発明は、落屑に関する疾患、例えば
角質増殖、例えば、乾燥症(すなわち皮膚の乾燥)、魚
鱗癬、乾癬、ある種の良性又は悪性腫瘍障害による角質
増殖、及び反応性角化症を治療するための、少なくとも
一つの本発明のポリペプチドを含有する製薬用組成物に
関する。
【0039】さらに本発明は、通常は角質化されていな
いが、角質化される粘膜、マルピーギ又は他のレベルで
の分化転換又は化生により特徴付けられる病理学的症
状、例えば脱出症中における子宮頸部の白血球角化症、
頬の白血球角化症、マルピーギ粘膜の角質化良性又は悪
性腫瘍障害を治療するための、少なくとも一つの本発明
のポリペプチドを含有する製薬用組成物に関する。
【0040】本発明の組成物に含まれるポリペプチドの
量は、所望する効果にもちろん依存し、広範囲に変わり
うる。
【0041】量の目安を述べると、組成物は、その全重
量に対して0.00001%〜50%、好ましくは0.
001%〜10%、さらに好ましくは0.1%〜1%で
表される量で本発明のポリペプチドを含有する。
【0042】従来技術において、ある種の化合物がプロ
テアーゼ活性化物質として開示されている。乾燥症に対
するグリセロールの有益な効果が例えば知られており、
その効果は、角質デスモソームを破壊し、故に落屑を生
じさせるプロテアーゼの作用を促進すると思われるその
水和作用による、酵素系への活性化効果として説明され
ている(国際特許出願第95/07687号)。
【0043】また、尿素及びその誘導体も、非常に乾燥
して、魚鱗癬でさえある皮膚の表面状態を改善すること
が昔から知られている[スワンベック(Swanbeck),
「皮膚病学と性病学(Acta Dermatologica and Venereo
logica)」、1968年、第48巻、123−127
頁]。ウィデランダーズ(Wiederanders)ら[「生物医
学、生化学(Biomedical Biochemistry Acta)」、19
86年、第45巻、(11−12)、1477−148
3頁]は、魚から抽出されたカテプシンが尿素の存在下
でより活性化することを明らかにした。しかして、著者
らは、その活性が尿素の存在下で、それぞれ2.5倍及
び6倍になるカテプシンL及びDを特異的に分析するこ
とに成功している。
【0044】また、プロテアーゼ活性剤として還元剤も
開示されている。例えば、硫化物、チオール類、例えば
ジチオトレイトール又はトリチオヘキシトール、システ
イン、N−アセチルシステイン、システインに富むタン
パク質又はタンパク質加水分化物、メルカプトエタノー
ル、チオグリセロール、チオアルカン酸及びメルカプト
カルボン酸及びそれらの類似物、例えばメルカプトコハ
ク酸、チオ乳酸、チオグリコール酸及びそれらの塩、補
酵素A又は還元グルタチオン(GSH)を挙げることが
できる。これらの還元剤は、活性形態又はそれらの先駆
物質、例えばシステインの先駆物質であるオキソチアゾ
リジン−カルボキシラートのような形態で組成物中に存
在し得る。
【0045】エチレンジアミンテトラアセテート(ED
TA)は、特にカテプシン型のプロテアーゼの重金属に
よる不活性化を防止することが知られている。このよう
に、EDTAはプロテアーゼ活性剤と考えられている。
【0046】また、プロテアーゼ活性剤とトランスグル
タミナーゼを同化させることも可能である。これらの酵
素はトランスペプチダーゼ種に属する。それらはカルシ
ウム依存性であり、グルタミン残基の(γ炭素上の)カ
ルボキシル基とポリアミン又はリシン残基のアミノ基と
を反応させることによる、ε(γ−グルタミル)リシン
のイソペプチド架橋の形成を触媒する。トランスグルタ
ミナーゼは、分子量が70kDの先駆物質を有する50
−56kDのサイトゾル(又は表皮性)トランスグルタ
ミナーゼEと、メンブレントランスグルタミナーゼKす
なわち分子量が92kDのタイプIの二つの主な形態で
表皮中に存在している。トランスグルタミナーゼE及び
Kは、非常に多くのタンパク質を互いに架橋することに
よる角質膜の形成に共に関与しており、そのタンパク質
の主なものは、インボルクリン(involucrine)、ロリ
クリン(loricrine)、エラフィン(elafine)、シスタ
チン、パンコルヌリン(pancornulines)[すなわちS
PR:スモール・プロリン・リッチ(Small Proline Ri
ch)]、サイトケラチン、デスモプラキン(desmoplaki
ns)I及びII、デスモグレイン及び角質デスモシン
(corneodesmosine)である。シスタチンは、システイ
ンプロテアーゼ阻害活性を有するタンパク質である[タ
カハシら,FEBSレター(1990年、第2巻、26
1−264頁)]。したがって、トランスグルタミナー
ゼ活性剤の供給又はトランスグルタミナーゼの直接供給
により、トランスグルタミナーゼ活性が増大すると、角
質膜の構成タンパク質の量が増加し、そのタンパク質が
トランスグルタミナーゼの影響下で該膜の形成に捕捉さ
れる。この場合、角化層は、シスタチンを特に含んでい
るその内在性タンパク質が奪われる。ついで、表皮、特
には角化層からシスタチンが消失すると、その活性が増
加したシステインプロテアーゼの放出の効果が現れ、角
質細胞間接合が減少し、よって落屑が促進される。した
がって、本発明の主題は、少なくとも一つの本発明のポ
リペプチドと、少なくとも一つのプロテアーゼ活性剤を
さらに含有する化粧品又は製薬用組成物にある。
【0047】プロテアーゼ活性剤としては、グリセロー
ル、尿素、EDTA、トランスグルタミナーゼ及び還元
剤を挙げることができる。
【0048】もちろん、本発明の組成物に含有されるプ
ロテアーゼ活性剤の量は、所望する効果に依存し、大き
く変わりうる。
【0049】目安を述べると、組成物は、その全重量に
対して0.00001%〜15%、好ましくは0.00
1%〜10%で表される量でプロテアーゼ活性剤を含有
する。
【0050】組成物中において、プロテアーゼ活性剤は
単独でも混合物の形態であってもよい。
【0051】その性質が何であれ、本発明の組成物は、
摂取され、注射され、又は皮膚(体の任意の皮膚領域)
もしくは粘膜(頬、頬骨、歯肉、生殖、結膜等)へ塗布
することができる。
【0052】投与方法に応じて、本発明の組成物は、通
常使用される任意のガレノス形態(galenical forms)
で提供され得る。
【0053】皮膚への局所適用用には、組成物は、特
に、水性又は油性の溶液、又は漿液型又はローションの
分散液、水性相に脂肪相を分散(O/W)して、又はそ
の逆(W/O)によって得られる、液状又は半液状のコ
ンシステンシーのミルク型のエマルション、又は軟性の
コンシステンシーの水性又は無水のクリーム又はゲル型
のエマルション又は懸濁液、又はイオン性及び/又は非
イオン性の小胞分散液の形態、もしくは加圧された噴霧
剤をさらに含有するエアゾール組成物の形態とすること
ができる。これらの組成物は通常の方法で調製される。
【0054】注射用には、組成物は、水性又は油性のロ
ーションの形態又は漿液の形態で提供することができ
る。眼用には点滴薬の形態、摂取用には、カプセル、顆
粒、シロップ又は錠剤の形態で提供することができる。
【0055】本発明の組成物の種々の成分の量は、考慮
される分野で、従来より使用されている量である。
【0056】これらの組成物は、特に、顔、手、足、大
きな解剖学上のヒダ又はボディのクレンジング、保護、
トリートメント又は手入れ用のクリーム(例えば、デイ
クリーム、ナイトクリーム、メークアップ除去用クリー
ム、ファンデーションクリーム、抗日光用クリーム)、
液状ファンデーション、メークアップ除去用ミルク、ボ
ディ保護又は手入れ用ミルク、抗日光用ミルク、日焼け
後用ミルク(after-sun milk)、スキンケア用ローショ
ン、ゲル又はムース、例えばクレンジングローション、
抗日光用ローション、日焼け後用ローション、人工的な
日焼け用ローション、入浴用組成物(bath compositio
n)、殺菌剤を含有する脱臭用組成物、アフターシェー
ビングゲル又はローション、脱毛クリーム、昆虫忌避用
組成物、鎮痛用(antipain)組成物又はある種の皮膚
病、例えば湿疹、しゅさ、乾癬、苔蘚、激しい痒み及び
魚鱗癬の治療用の組成物を構成することができる。
【0057】さらに、本発明の組成物は、クレンジング
ソープ又はケーキを構成する固体状の調製物からなるも
のであってもよい。
【0058】また、組成物は、加圧された噴霧剤をさら
に含有するエアゾール組成物の形態に包装されてもよ
い。
【0059】またさらに、本発明の組成物は、頭皮の手
入れ用組成物、特にシャンプー、ヘアセット用ローショ
ン、トリートメントローション、スタイリングクリーム
又はゲル、染毛シャンプーの形態であってもよい染色
(特に酸化染色用)組成物、髪の再構成用ローション、
パーマネントウエーブ用組成物(特に、パーマネントウ
エーブ施術の第1工程用の組成物)、抜毛防止用のゲル
又はローション、駆虫用シャンプー、抗フケ用組成物等
にすることもできる。
【0060】また、本発明の組成物は、頬歯(dentibuc
cal)用、例えば、練り歯磨きに使用することもでき
る。この場合、組成物は、頬用の組成物に一般的なアジ
ュバントと添加剤、特に、界面活性剤、増粘剤、保湿
剤、研磨剤、例えばシリカ、種々の活性成分、例えばフ
ッ化物、特にフッ化ナトリウム、及び任意の甘味料、例
えばサッカリンナトリウムを含有してもよい。
【0061】本発明の組成物がエマルションである場
合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80
重量%、好ましくは5〜50重量%である。エマルショ
ンの形態の組成物に使用される油、ロウ、乳化剤及び共
乳化剤は、化粧品の分野で従来より使用されているもの
から選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、
組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましく
は0.5〜20重量%の範囲の割合で存在する。エマル
ションは、脂質小胞体をさらに含有していてもよい。
【0062】組成物が油性ゲル又は溶液である場合、脂
肪相は組成物の全重量に対して90%より多くしてもよ
い。
【0063】また、公知の方法に従って、化粧品用組成
物は、化粧品の分野で一般的なアジュバント、例えば、
親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の添加
剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、遮蔽
剤、臭気吸収剤及び着色物質を含有してもよい。これら
種々のアジュバントの量は、化粧品の分野において従来
より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対し
て0.01〜10%である。これらのアジュバントは、
その性質により、脂肪相、水性相及び/又は脂質小球体
に取り込まれ得る。
【0064】本発明で使用可能な油又はロウとしては、
鉱物性油(ペトロラタム)、植物性油(シェアバターの
液状留分、ヒマワリ油)、動物性油(ペルヒドロスクワ
レン)、合成油(プルセリン油:Purcellin oil)、シ
リコーン油又はロウ(シクロメチコーン)及びフッ化油
(ペルフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナウバ
又はパラフィンロウを挙げることができる。脂肪アルコ
ールと脂肪酸(ステアリン酸)をこれらの油に添加して
もよい。
【0065】本発明で使用可能な乳化剤としては、例え
ば、ステアリン酸グリセリル、ポリソルベイト(polyso
rbate)60及びガッテフォセ(Gattefosse)社からテ
フォース(Tefose)63(登録商標)の名称で販売され
ているPEG−6/PEG−32/ステアリン酸グリコ
ールの混合物を挙げることができる。
【0066】本発明で使用可能な溶媒としては、低級ア
ルコール、特に、エタノール及びイソプロパノール及び
プロピレングリコールを挙げることができる。
【0067】本発明で使用可能な親水性のゲル化剤とし
ては、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー:carb
omer)、アクリルコポリマー類、例えば、アクリレート
/アルキルアクリレートのコポリマー類、ポリアクリル
アミド類、多糖類、例えば、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、天然ガム類及びクレー類を挙げることができ、ま
た、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例え
ば、ベントーン類、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリ
ン酸アルミニウム、疎水性シリカ、エチルセルロース、
ポリエチレンを挙げることができる。
【0068】組成物は、他の親水性の活性剤、例えば、
タンパク質又はタンパク質の加水分解物、アミノ酸、多
価アルコール、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導
体、水溶性ビタミン類、植物エキス及びヒドロキシ酸を
含有してもよい。
【0069】親油性の活性剤としては、レチノール(ビ
タミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミン
E)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド類、精油、
サリチル酸及びその誘導体を使用することができる。
【0070】本発明の組成物においては、特に皮膚病の
治療及び/又は防止を意図した他の活性剤と、少なくと
も1つのアヤメ科の少なくとも1つの抽出物とを組み合
わせてもよい。このような活性剤としては、例えば: −分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を減少させる
薬剤、例えば、レチノイン酸及びその異性体、レチノー
ル及びそのエステル類、ビタミンD及びその誘導体、エ
ストロゲン類、例えば、エストラジオール、コウジ酸又
はヒドロキノン; −抗菌剤、例えば、リン酸クリンダマイシン、エリスロ
マイシン又はテトラサイクリン類の抗生物質; −駆虫剤、特に、メトロニダゾール、クロタミトン又は
ピレスロイド類; −抗真菌剤、特に、イミダゾール類に属する化合物、例
えば、エコナゾール、ケトコナゾール又はミコナゾー
ル、又はそれらの塩類、ポリエン化合物、例えば、アン
ホテリシンB、アリルアミン類の化合物、例えばテルビ
ナフィン、又はオクトピロックス(octopirox); −抗ウィルス剤、例えばアシクロビル; −ステロイド系の抗炎症剤、例えば、ヒドロコルチゾ
ン、吉草酸ベタメタゾン、又はプロピオン酸クロベタゾ
ール、又は非ステロイド系の抗炎症剤、例えば、イブプ
ロフェン及びその塩類、ジクロフェナク及びその塩類、
アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、又はグルシ
ルリジン酸; −麻酔剤、例えば、塩酸リドカイン及びその誘導体; −止痒剤、例えば、テナルジン、トリメプラジン又はシ
プロヘプタジン; −角質溶解剤、例えば、α−及びβ−ヒドロキシカルボ
ン酸、又はβ−ケトカルボン酸、及びそれらの塩類、ア
ミド類又はエステル類、特に、ヒドロキシ酸、例えば、
グリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、及び一般
には果実の酸類及び5−n−オクタノイルサリチル酸; −保湿剤、例えばグリセロール及びその誘導体; −抗フリーラジカル剤、例えば、α−トコフェロール又
はそのエステル類、スーパーオキシド−ジスムターゼ、
ある種の金属キレート剤又はアスコルビン酸及びそのエ
ステル類; −抗脂漏剤、例えば、プロゲステロン; −抗フケ剤、例えば、オクトピロックス又はジンクピリ
チオン; −抗ざ瘡剤、例えば、レチノイン酸又は過酸化ベンゾイ
ル; −植物又は細菌由来のエキスを挙げることができる。
【0071】したがって、特定の実施態様において、本
発明の組成物は、抗菌剤、駆虫剤、抗真菌剤、抗ウィル
ス剤、抗炎症剤、止痒剤、麻酔剤、角質溶解剤、抗フリ
ーラジカル剤、抗脂漏剤、抗フケ剤及び抗ざ瘡剤、及び
/又は皮膚の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を
低減させる薬剤から選択される少なくとも1つの薬剤を
さらに含有する。
【0072】本発明の他の目的は、過剰な角質細胞間接
合に抗し、よって落屑を増大させる美容処理方法を提供
するものであり、該方法は、少なくとも1つの本発明の
ポリペプチドを含有する化粧品用組成物を皮膚に適用す
ることからなる。
【0073】また本発明の主題は、前記単離されたポリ
ペプチド又は前記単離されたタンパク分解断片又は前記
合成ペプチドに特異的に結合可能な任意の構造又は機能
分子を、必要に応じて表皮から、調製又は精製するため
に、本発明のポリペプチドを使用することにある。この
分子は、「プロテアーゼ」、「グリコシダーゼ」又は
「ホスファターゼ」型で、角質層の種々の酵素及び角質
デスモソームに特異的な他の構造タンパク質に相当し得
るものである。
【0074】さらに本発明の主題は、特にそのタンパク
質及びその断片の精製を目的とした特異的モノクローナ
ル抗体及び抗血清を調製するために、本発明のポリペプ
チドを使用することにある。拡大すると、本発明の主題
は、その産生に使用する生物学的系にかかわらず、組換
え抗体又は抗体断片を産生するために、前記ポリペプチ
ドを使用することにある。
【0075】
【実施例】ポリペプチドの単離と特性化:角化層タンパ
ク質を、いわゆる「擦過(スクレイピング)」法により
集めた。この方法は有機溶媒による抽出段階を必要とせ
ず、よって酵素活性の破壊をより少なくしうる。また、
かなりの量の物質を得ることが可能である。擦過は脚の
前部表面について行った。サンプル収集の領域を、pH
7で50mMのリン酸ナトリウムバッファー、5mMの
EDTA、150mMのNaCl及び0.1%のトリト
ン(Triton)X100からなる200mlのバッファー
を、ポンプによって100ml/minの一定流量で分
配付与して洗浄した。ついでその領域の表面を、顕微鏡
用のスライドガラスの縁部でこすった。細胞を含有する
液体を脚の下に配された容器に集めた。このようにして
捕集されたバッファーを、再利用して多数回行った(1
5)。ついでサンプルを実験の種類に応じて一緒に又は
別にグループ化した。このようにして得られた溶液を、
まずワットマン第4号濾紙、ついでミリポア0.45μ
mフィルター、最後に0.22μmミリポアフィルター
で濾過した。この浄化された溶液を、K.BL(商標)
装置及びサートコン(Sartocon)(商標)膜[サートリ
ウス(SARTORIUS)社]により、濾過出口流量が2ml
/min、1バールの逆圧を有し、4℃で10kDのカ
ットオフがなされるタンジェンシャル限外濾過で12m
lまで濃縮した。健康な皮膚を持つ個体に対して、この
方法で抽出されたタンパク質の濃度は、15回の繰返し
で最終的に12ml当たり0.15mg/mlのオーダ
ーにした。
【0076】タンパク質の分離:スーパーデックス(Su
perdex)G200HR10/30(商標)カラム[ファ
ーマシア・バイオテック社(Pharmacia Biotech)]を
600kD〜10kDの範囲の分解能でタンパク質の分
離のために使用した。この技術は、分子量の関数として
の分離に基づくが、タンパク質の最初の推定分子量を求
めることができる。得られたクロマトグラフィープロフ
ィールには、タンパク質のピークが、低分子量(20〜
40kD)側に優位に位置していることが示されてい
る。ついで、より大きな分解能を有するカラムを使用し
た。サンプル(250μm)を、最適分離帯が70〜3
kDの分子量にあるスーパーデックス・G75HR10
/30(商標)排除カラム(ファルマシア・バイオテッ
ク社)に注入した。注入後15分間の待ち時間後(これ
はカラムのデッドボリュームよりわずかに少ないものに
相当し、化合物が全く保持されない場合の安全マージン
を残す、0.24mlのデッドボリューム)、カラム流
出物を96ウェルプレートに4℃で150μl/ウェル
の量で収集した。ポンプの排出量は0.5ml/min
で、検出波長は280nmであった[シリーズ10ポン
プ:パーキン・エルマー社(Perkin Elmer)、SP84
50ディテクター:スペクトラ・フィジックス社(Spec
tra Physics)、LCI−100インテグレータ:パー
キン・エルマー社、モデル201フラクションコレクタ
ー:ギルソン社(Gilson)]。種々の注入に対して得ら
れたクロマトグラフィープロフィールは再現性がある
が、得られたフラクションを「ウェルからウェル」で混
合して、フラクション当たり約800μlの作業容量に
した。種々のフラクションを、冷蔵庫又は粉砕氷で冷却
状態に保ち、酵素活性を保持させた。種々のフラクショ
ンに相当する分子量を、8−18%のアクリルアミド勾
配を持つポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定し
た。サンプルを変性ラエミリ(Laemmli)バッファー
(0.0625Mのトリス、pH6.8、2%のSDS
を含有するがDTTを含有しない)で1/4に希釈し、
ローディングを20μlにした。ファーマシア・バイオ
テックのプロトコルに従って染色された硝酸銀[キッ
ト:銀染色プルソン(plusone)]により、タンパク質
バンドを明視化した。
【0077】プロテアーゼ活性の分析:スーパーデック
ス・G75HR10/30排除カラムを通過させて得ら
れたフラクションに含有されるプロテアーゼ活性をエン
ツェック(Enzcheck)(商標)キット[分子プローブ
(Molecular Probes)]で蛍光定量法により分析した。
このキットは、層分離や沈殿をさせることなく、迅速か
つ簡単にプロテアーゼ活性を測定できる方法であり、異
なったフラクションのプロテアーゼ活性を素早くスクリ
ーニングするのに適している。このプロトコルでは、基
質として、酵素消化後に蛍光発光するBODIPYfl-カゼイ
ン(商標)が使用される。このように発光した蛍光は、
サンプルに含有されるプロテアーゼ活性に対して正比例
関係にある。蛍光を、485nmの励起波長(2.5n
mのスリット)、535nmの発光波長(8nmのスリ
ット)及びウェル毎に1秒の積分時間で、LS50B分
光蛍光計(パーキン・エルマー社)により測定した。5
mMの最終濃度において、システインの存在下又は不在
下で分析を行い、可能なシステインプロテアーゼ活性を
検出した。結果を図1に示す。
【0078】プロテアーゼプロフィールには、バッファ
ーがシステインを含有する場合には存在するが、バッフ
ァーがシステインを含有しない場合には存在しないピー
ク(G4)の存在が示されている。よってこのピーク
は、システイン依存プロテアーゼの存在をフラクション
34ないし47において現している。このプロテアーゼ
は28kDオーダーの分子量を有する。
【0079】プロテアーゼ活性の最適pH:G4ピーク
のプロテアーゼ活性の最適pHを特徴付けるために、
「生化学研究のためのデータ(Data for Biochemical R
esearch)」[ドゥソン(Dawson)ら、第3版、オック
スフォードサイエンス出版、1990年]に記載されて
いるような2つのバッファーを4.0〜8.25の範囲
のpHをカバーするように調製した: 0.1Mのアセテートバッファー、pH4.0〜5.75 0.1Mのホスファートバッファー、pH5.75〜8.25 全てのバッファーには、5mMのEDTA及び0.1%
のトリトンX100を含んでいる。活性を0.25pH
単位毎に測定した。プロテアーゼ活性を測定する前述の
方法を、各フラクションにおける2つのバッファーの各
々においても使用した。結果を図2に示す。基質である
BODIPYfl-カゼイン(商標)に作用する、角化層から抽
出されたプロテアーゼの最適pHは、4.0〜6.25
の酸性側pH値に位置している。
【0080】最も高い活性は、アセテートバッファーの
pH5.0〜5.5の間で得られた。よって、pH5.
0のアセテートバッファーを残りの実験に使用した。
【0081】阻害剤の使用によるプロテアーゼピークの
特性化:上で単離されたシステイン依存プロテアーゼを
より良好に特徴付けるために、公知のプロテアーゼ阻害
剤による阻害テストを行った。考慮される阻害剤の存在
又は不在(対照体)下であって、最終濃度が5mMのシ
ステインの存在下で、先の測定と同様の方法で測定を行
った。
【0082】インヒビターE64:E64は、システイ
ンプロテアーゼ、特にカテプシンB、H、Lの阻害剤で
ある[タンパク分解酵素:実用的アプローチ、アール・
ジェイ・ベイトン(R.J. Benton)及びジェイ・エス・
ボンド(J.S. Bond)、IRLプレス、オックスフォー
ド、1989年]。
【0083】テストを1.4μのME64インヒビター
濃度で行った。結果を図3に示す。1.4μMでのE6
4はG4ピークのシステイン依存プロテアーゼの活性を
約71%阻害した。この阻害剤の特異性を考慮すると、
G4はカテプシンB、H又はLである。
【0084】ロイペプチン:使用した用量において、ロ
イペプチンは、カテプシンB又はLに対して特異的であ
るが、カテプシンHには影響を及ぼさない[シュワルツ
(Schwartz)ら、1980年]。1μMのロイペプチン
濃度でテストを行った。結果を図4に示す。1μMでの
ロイペプチンは、システインの存在下で、G4のプロテ
アーゼ活性を約41%減少させた。G4はカテプシンH
ではない。
【0085】キモスタチン:キモスタチンはカテプシン
Lに対して特異的であり、使用した濃度ではカテプシン
Bに対して不活性である[イヌブシ(Inubushi)ら、
「J. of Biochemistry」、第116巻、282−284
頁、1994年]。テストを2.5μMのキモスタチン
濃度で行った。結果を図5に示す。2.5μMで使用す
ると、キモスタチンはG4ピークのシステイン依存プロ
テアーゼの50%以上を阻害した。G4はカテプシンL
型プロテアーゼである。
【0086】インヒビターCA074:インヒビターC
A074はカテプシンBに特異的であるが、カテプシン
Lには作用しない(イヌブシら、1994年)。1μM
のインヒビターCA074濃度でテストを行った。結果
を図6に示す。インヒビターCA074は、G4ピーク
のシステイン依存プロテアーゼの活性に特に影響を及ぼ
さなかった。G4はカテプシンB型のプロテアーゼでは
ない。
【0087】ペプスタチン:ペプスタチンはアスパラギ
ン酸プロテアーゼに特異的な阻害剤である[タンパク分
解酵素:実用的アプローチ、アール・ジェイ・ベイトン
及びジェイ・エス・ボンド、IRLプレス、オックスフ
ォード、1989年]。
【0088】1μMのペプスタチン濃度でテストを行っ
た。結果を図7に示す。ペプスタチンはG4に作用しな
い。G4はアスパラギン酸プロテアーゼではない。
【0089】G4の特性化を確認するためのLカテプシ
ンに特異的な基質の使用{Z(フェニルアラニン−アル
ギニン・2R110)[アスファルグ−マヒレイド(As
sfalg-Machleidt)ら、1992年]}:異なる阻害剤
テストにより得られたG4の同定結果を、ローダミン1
10でラベルされたLカテプシンの好ましいペプチド基
質を使用することによりチェックした。この基質は、カ
テプシンBよりも、カテプシンLの作用に対して850
倍以上も敏感である。システイン除去なしの対照体、シ
ステイン存在下におけるプロテアーゼ活性の評価結果を
図8に示す。結果から、特異的なペプチド基質の強い加
水分解が、カゼインのものと完全に重なり、G4のカテ
プシンL性が確認されることが分かる。
【0090】G4の見かけの等電点の評価:「タンパク
質の精製」(ジェイ・シー・ジャンソン及びエル・ライ
デン、VHC出版社、ニューヨーク、1989年)に記
載されているクロマトフォーカシング法により次の条件
下でこの評価を行った。 カラム:モノ(Mono)PTM・HR5/20・ファーマ
シア。 サンプル:pH9.3で、0.075Mのトリス/アセ
テートバッファー中で平衡化されたヒト角化層抽出物。 溶出バッファー:pH6.0で、10mlのポリバッフ
ァー96/アセテート、 pH6.0(「タンパク質の精製」:ジェイ・シー・ジ
ャンソン及びエル・ライデン、VHC出版社、ニューヨ
ーク、1989年)。 流量:1ml/min。 フラクション:注入から0.5ml、全体で48ml。 検出:pH5.0で0.1Mのアセテートバッファー、
0.1%のトリトンX100、5mMのEDTA、5m
Mのシステイン中の10mMのZ(フェニルアラニン−
アスパラギン)2R110上でのカテプシンL活性。1
0μlのフラクションと200μlの基質を37℃で2
時間30分インキュベート。光電子増倍管を700V、
励起:485/10nm、発光:520/10nmにセ
ットした、モレキュラー・ダイナミックス(Molecular
Dynamics)のバイオルミンTM(BioluminTM)で読解。
結果を図9に示す。これらの結果は、6〜9の間の見か
け等電点を示している。
【0091】落屑過程におけるG4の推定される役割の
証明:角質デスモシンは、落屑中に退化する角質デスモ
ソーム中の必須タンパク質である[セレ・ジー(Serre
G.)ら、J.I.D.、1991年、第97(6)巻、
1061−1072頁]。ムネロット・シー(Munerot
C.)により開発された方法[DEAレポート、1996
年、マルン・ラ・ヴァレ(Marne la Vallee)大学]に
従い、角化層から抽出された角質デスモシンでテストを
行った。G4ピークのプロテアーゼの存在下又は不在下
で、全角化層におけるインキュベート後の角質デスモシ
ンでなされた免疫移動(immunotransfer)は、顕著なそ
の分解を示している。角化層に存在するG4ピークのプ
ロテアーゼは、角質デスモシンを分解する。
【0092】実施されたテストの全ての結果により、角
質層から抽出されたポリペプチドは、28kDの見かけ
の分子量と6〜9の等電点とを有するカテプシンL型の
システイン依存プロテアーゼであると結論することが可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システインの存在下又は不在下における、角
質層由来のタンパク質サンプルに含まれるプロテアーゼ
の活性を示す図である。
【図2】 pHの関数としてのG4ピークのプロテアー
ゼの活性を示す図である。
【図3】 インヒビターE64[タンパク分解酵素:
「実用的アプローチ」、アール・ジェイ・ベイトン及び
ジェイ・エス・ボンド、IRLプレス、オックスフォー
ド、1989年」]の存在下におけるG4ピークのプロ
テアーゼの活性を示す図である。
【図4】 ロイペプチンの存在下におけるG4ピークの
プロテアーゼの活性を示す図である。
【図5】 キモスタチンの存在下におけるG4ピークの
プロテアーゼの活性を示す図である。
【図6】 インヒビターCA074[イヌブシらの「J.
of Biochemistry」、第116巻、282−284頁、
1994年]の存在下におけるG4ピークのプロテアー
ゼの活性を示す図である。
【図7】 ペプスタチンの存在下におけるG4ピークの
プロテアーゼの活性を示す図である。
【図8】 カテプシンLの好ましいペプチド基質の存在
下におけるG4ピークのプロテアーゼの活性を示す図で
ある。
【図9】 見かけの等電点を決定するためのクロマトフ
ォーカシング実験で得られた図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マリ−アリクス ベルナール−ブールブロ ン フランス国 93130 ノアジー ル セク, リュドゥ ラ ガール, 5

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテプシンL型のシステインプロテアー
    ゼ群に属し、15〜32キロダルトンの見かけ分子量を
    有する、単離された天然又は合成のポリペプチド。
  2. 【請求項2】 6〜9の等電点を有することを特徴とす
    る請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 哺乳類から単離されたものであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 哺乳類の皮膚から単離されたものである
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 ヒトの皮膚から単離されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のポリペプチド
  6. 【請求項6】 ヒトの表皮から単離されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 角質細胞間接合を減少させる役割を担う
    ものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    か1項に記載のポリペプチド。
  8. 【請求項8】 25〜30キロダルトンの見かけ分子量
    を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載のポリペプチド。
  9. 【請求項9】 活性が、pH2〜9、好ましくは3.5
    〜6.5で最大であることを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載のポリペプチドを部分的に含むポリペプチド。
  11. 【請求項11】 タンパク分解又は合成により得られた
    断片である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の
    ポリペプチド。
  12. 【請求項12】 生理学的に許容可能な媒体中に、請求
    項1ないし11のいずれか1項に記載のポリペプチドを
    含有せしめてなる化粧品用又は製薬用の組成物。
  13. 【請求項13】 ポリペプチドが、組成物の全重量に対
    して0.00001%〜50%、好ましくは0.001
    %〜10%の量であることを特徴とする請求項12に記
    載の組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも一つのプロテアーゼ活性剤
    をさらに含有することを特徴とする請求項12又は13
    に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 プロテアーゼ活性剤が、グリセロー
    ル、尿素及びその誘導体、トランスグルタミナーゼ、E
    DTA及び還元剤から選択されることを特徴とする請求
    項14に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 プロテアーゼ活性剤が、組成物の全重
    量に対して0.00001%〜15%、好ましくは0.
    001%〜10%の量であることを特徴とする請求項1
    4又は15に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 処置される皮膚に、請求項10ないし
    16のいずれか1項に記載の化粧品用の組成物を適用す
    ることを特徴とする、過剰な角質細胞間接合に抗し、又
    は落屑を促進させるための美容処理方法。
  18. 【請求項18】 落屑疾患の治療用の製薬組成物である
    ことを特徴とする請求項10ないし16のいずれか1項
    に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 角質増殖の治療用であることを特徴と
    する請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 乾燥症、魚鱗癬、乾癬、良性又は悪性
    腫瘍障害又は反応性角化症の治療用であることを特徴と
    する請求項18又は19に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 脱出症中における子宮頸部の白血球角
    化症、頬の白血球角化症、又はマルピーギ粘膜の角質化
    良性腫瘍障害の治療用であることを特徴とする請求項1
    8又は19に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記単離ポリペプチド又は前記単離タ
    ンパク分解断片又は前記合成ペプチドに特異的に結合可
    能な分子の調製又は精製のための、請求項1ないし11
    のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
  23. 【請求項23】 角質デスモソームに特異的な構造タン
    パク質の調製又は精製のための、請求項22に記載の使
    用。
  24. 【請求項24】 特異的モノクローナル抗体又は抗血清
    の調製又は精製のための、請求項1ないし11のいずれ
    か1項に記載のポリペプチドの使用。
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