JPH1113798A - ドラムブレーキのシュー間隙調整装置 - Google Patents

ドラムブレーキのシュー間隙調整装置

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JPH1113798A
JPH1113798A JP18438397A JP18438397A JPH1113798A JP H1113798 A JPH1113798 A JP H1113798A JP 18438397 A JP18438397 A JP 18438397A JP 18438397 A JP18438397 A JP 18438397A JP H1113798 A JPH1113798 A JP H1113798A
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JP
Japan
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shoe
brake
drum brake
drum
adjusting device
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JP18438397A
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Nobutoshi Arai
信寿 新井
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュー間隙手動調整操作を簡単に行える
と共に、ブレーキ作動用アクチュエータの小型化並びに
低コスト化が図れるドラムブレーキのシュー間隙調整装
置を提供すること。 【解決手段】 シュー間隙手動調整機構に作用して
いる軸力を、ブレーキシュー13,14を手動的に拡開
することにより解放可能な解放手段32をドラムブレー
キに組み込み、解放手段32で以てブレーキシュー1
3,14を手動的に拡開した状態でシュー間隙を手動で
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大型のドラムブレー
キに適したドラムブレーキのシュー間隙調整装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一対のブレーキシューを拡開作動するブ
レーキ作動用アクチュエータ(ホイールシリンダ)にシ
ュー間隙手動調整機構を具備させたドラムブレーキが知
られている。
【0003】この調整機構は、例えばブレーキ作動用ア
クチュエータ内のピストン内方にボルト部材を螺着する
と共に、該ピストンの外方端部に相対回転可能に嵌合し
たヘッドの切欠にブレーキシューの一端を係合させ、ピ
ストン外方の頭部に一体に形成した調整ギヤを手動で回
転操作することで、ボルト部材をピストン内に進退でき
る構造になっている。この機構はライニングが摩滅して
ブレーキドラムとの隙間を手動で詰めたい場合や、シュ
ー間隙自動調整装置がアクチュエータに装備されている
ブレーキにおいては、ブレーキドラムとブレーキシュー
との隙間が詰まり過ぎたとき、或いはブレーキドラムに
ライニング幅の摩滅環状溝が形成されて、一対のブレー
キシューを非ブレーキ時より更に縮径しないとブレーキ
ドラムを取り外すことができない場合、更には部品の交
換時に、一対のブレーキシュー間に張設してあるシュー
リターンスプリングを取り外す場合等に役立つ。
【0004】ところで、これまではバックプレートの窓
穴を通じてドライバー類の工具を差し込み、工具の先端
を調整ギヤに係止して回転操作していたが、特に、大型
のドラムブレーキにおいては強力なシューリターンスプ
リングを用いているため、大きな操作力を必要とするこ
とや、工具の先端が調整ギヤから外れ易い等の問題があ
る。そこで、小さな操作力で調整ギヤを回転操作する特
殊工具が、例えば特開平8−49738号公報に提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した特殊工具を用
いる方法にあっては、つぎのような問題点がある。 〈イ〉 強力なシューリターンスプリングの張力が作用
している状態下で調整ギヤを回転しなければならないか
ら、調整ギヤを高強度にする必要がある。そのため、ア
クチュエータの大型化を招き、スペース上の問題や製造
コストが高価になる等の問題がある。 〈ロ〉 ブレーキドラムを取り外した状態で本特殊工具
を使用する場合、バックプレートやシューリターンスプ
リング等に邪魔されて、特殊工具の操作回転角が小さく
制約される。特殊工具の1回の操作によるシュー拡縮量
が少ないため、特殊工具のセット、回転操作、取り外し
操作を1サイクルとする操作を幾度も繰り返し行う必要
があり、作業が煩らわしい。 〈ハ〉 特殊工具の操作回転角を大きく確保することを
目的として、仮にバックプレート側からこの作業を行う
ようにしようとすると、特殊工具挿入用の大きな穴をバ
ックプレートに設けねばならず、強度面での低下を免れ
ない。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、シュー間隙手動調整操作
を簡単に行えるドラムブレーキのシュー間隙調整装置を
提供することにある。さらに本発明の他の目的は、ブレ
ーキ作動用アクチュエータの小型化並びに低コスト化が
図れるドラムブレーキのシュー間隙調整装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ブレーキ作動用のアクチュエータに、ボルト部材とナッ
ト部材から成るシュー間隙手動調整機構を具備し、該調
整機構がブレーキシューに付与させたシューリターンス
プリングの張力を支承し、前記ブレーキシューの戻り位
置を規制するよう構成されているドラムブレーキにおい
て、前記シュー間隙手動調整機構に作用している軸力
を、前記ブレーキシューを手動的に拡開することにより
解放可能な解放手段をドラムブレーキに組み込んだこと
を特徴とする、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置で
ある。請求項2に係る発明は、請求項1に記載のドラム
ブレーキのシュー間隙調整装置において、アクチュエー
タに近いトルクプレートに解放手段を設置し、トルクプ
レートで反力を得てブレーキシューを手動的に拡開する
ことを特徴とする、ドラムブレーキのシュー間隙調整装
置である。請求項3に係る発明は、ブレーキ作動用のア
クチュエータに、ボルト部材とナット部材から成るシュ
ー間隙手動調整機構を具備し、該調整機構がブレーキシ
ューに付与させたシューリターンスプリングの張力を支
承し、前記ブレーキシューの戻り位置を規制するよう構
成されているドラムブレーキにおいて、前記シュー間隙
手動調整機構に作用している軸力を、前記ブレーキシュ
ーを手動的に拡開することにより解放可能な解放手段が
ドラムブレーキに付設可能であって、シュー間隙調整時
に、解放手段をドラムブレーキに付設する工具としたこ
とを特徴とする、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置
である。請求項4に係る発明は、請求項3に記載のドラ
ムブレーキのシュー間隙調整装置において、アクチュエ
ータに近いトルクプレート又はブレーキシューのシュー
ウェブに解放手段を設置し、トルクプレートに反力を得
てブレーキシューを手動的に拡開することを特徴とす
る、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置である。請求
項5に係る発明は、請求項2又は請求項4のいづれかに
記載のドラムブレーキのシュー間隙調整装置において、
ブレーキシューを拡開する解放手段が、支持部材に支持
させる支持軸部と、支持軸部と一体に形成し、被支持部
材に当接してブレーキシューを拡開させるカム部と、支
持軸部を回転させる回転部とを備えたことを特徴とす
る、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図1〜図4を参照しながら本
発明の実施の形態について説明する。
【0009】〈イ〉ドラムブレーキの全体構造 図1はブレーキドラム装着のままシュー間隙手動調整が
行えるドラムブレーキの平面図を示し、図面簡略化のた
めにその左半は調整前の初期状態を示し、右半はシュー
間隙手動調整時における状態を示し、ブレーキドラムは
省略してある。図2は図1のII−II断面図、図3はアク
チュエータに作用している軸力の解放手段の斜視図、図
4は拡大したシュー間隙自動調整機構付アクチュエータ
の部分断面図を示す。
【0010】ブレーキドラム10は回転する車軸側に固
定され、トルクプレート11は車体の不動部に固定され
る。ダストカバー12は中央部がトルクプレート11と
共に車両の不動部に共締めされ、その外周部がブレーキ
ドラム10の開口を覆う。
【0011】鋳鉄製のブレーキシュー13,14はリム
13a,14aとツインウェブ13b,14bから断面
T字状に一体成形され、リム13a,14aの外周にラ
イニング13c,14cを固着して形成されている。ト
ルクプレート11の下方に取着したアンカーピン15,
16が、前記ブレーキシュー13,14のそれぞれ下方
端を回転可能に軸支している。
【0012】ブレーキシュー13,14の上方端近傍に
ピン17,18が植設され、このピン17と18の間に
シューリターンスプリング19が張設されている(図示
のシューリターンスプリング19はツインウェブ13
b,14bのダストカバー12側にも張設されてい
る)。シューリターンスプリング19には振動防止用の
カバー19aが外装されている。
【0013】〈ロ〉アクチュエータ アクチュエータ20は液圧式又は空圧式で、ブレーキシ
ュー13,14の上方隣接端間に配設されており、ブレ
ーキシュー13,14の拡開作用と戻り位置の規制作用
を果たす。
【0014】図4の拡大図を基にシュー間隙自動調整機
構を内蔵したアクチュエータ20の構成について説明す
るが、アクチュエータ20は左右が同じ構成であるか
ら、右半に就いてのみ説明する。
【0015】ボディ21はトルクプレート11に固定さ
れ、内部に異径の大径ボア21aと小径ボア21bが穿
設され、小径ボア21bを介して左右のボアが連通して
いる。 大径ボア21a内にはピストン22が嵌合して
いる。ボア21a外に突出するピストン22の右方の頭
部には、調整ギヤ22aを形成すると共に、その軸芯に
ヘッド23を相対回転可能に嵌合している。ヘッド23
の右方にはブレーキシュー14のウェブ14bを収容す
る切欠23aが設けてある。
【0016】ピストン22の左方の軸心には有底孔が穿
設され、この有底孔内に非可逆めねじが螺設されてい
る。ここでいう「非可逆ねじ」とは、軸方向の推力によ
り相対回転しないねじ結合を意味する。アジャストボル
ト24の左方側外周には可逆おねじ24aが、右方外周
には非可逆おねじ24bが夫々螺設されている。ここで
いう「可逆ねじ」とは、軸方向の推力により相対回転す
るねじ結合を意味する。
【0017】又、アジャストボルト24の左端は円錐状
に形成され、この円錐面24cが小径ボア21b奥部の
円錐面にクラッチ係合している。
【0018】ドライブリング25はその外周が円錐状に
形成されて隔壁21cの突出部に形成した円錐面にクラ
ッチ係合している。ドライブリング25の内周には可逆
めねじが螺設されていて、前記アジャストボルト24の
左方の可逆おねじ24aに所定のバックラッシュを存し
て螺合し、アジャストボルト24とドライブリング25
の間に縮設した圧縮ばね26のばね力で該リング25を
常時クラッチ係合させる方向に付勢している。
【0019】前記したアジャストボルト24の軸芯には
流路が穿設されている。この流路の左方にロケータ28
を収容している。圧縮ばね27はロケータ28を介して
アジャストボルト24を軸方向に付勢してブレーキ作動
中の振動による盲動を防止している。
【0020】ロケータ28は圧縮ばね27の捩り力がア
ジャストボルト24に作用しないように機能する。小径
ボア21bの孔奥に流体室30が形成され、ピストン2
2に装着したピストンカップ29が流体室30の液密性
を保持している。
【0021】尚、図中符号31は大径ボア21a内への
異物の侵入を防ぐダストブーツである。
【0022】そして、流体室30を加圧すると、ピスト
ン22が右方に進出してブレーキシュー14をアンカー
ピン16周りに拡開し、そのライニング14cをブレー
キドラム10に押圧しこれを制動する。
【0023】また、シュー間隙自動調整作動について説
明すると、ブレーキ作動時にはピストン22と一体にア
ジャストボルト24が進出する。今、ライニング14c
が摩耗しドライブリング25とのバックラッシュを超え
ると、ドライブリング25のクラッチ係合が解かれて円
錐面が滑り乍ら回転する。次いで、ブレーキを解放する
と、シューリターンスプリング19の張力によりピスト
ン22とアジャストボルト24がバックラッシュ分戻
る。その後ドライブリング25が強くクラッチ係合して
回転不能となるから、アジャストボルト24の左端の円
錐面24cがクラッチ係合するまでは該ボルト24が回
転せしめられてピストン22から螺出する。これによ
り、ほぼライニング14cの摩耗した分だけピストン2
2の戻り位置を補正する。
【0024】〈ハ〉解放手段 図2を基に左右のブレーキシュー13,14の解放手段
について説明するが、左右の解放手段は同じ構成である
から、右方のブレーキシュー14の解放手段に就いての
み説明する。
【0025】アクチュエータ20に接近したトルクプレ
ート11にテーパ状の面取りを施した孔11aが穿設さ
れ、この孔11aにカムシャフト32の支持軸部34が
回転自在に貫挿されている。支持軸部34に形成したテ
ーパ面34aが孔11aの対応面に当接し、支持軸部3
4の下半に平ワッシャ37とスナップリング38を介し
て外装した圧縮ばね36のばね力により、前記テーパ面
34aが孔11aの対応面にクラッチ係合している。円
錐クラッチ係合構造を採用したのは、カムシャフト32
を任意の回転位置に保持するためである。
【0026】カムシャフト32にはシューウェブ14b
の内面に当接可能なカム部33が一体に形成されてい
る。カム部33はブレーキシュー14のシューウェブ1
4bの内周面を支承してブレーキシュー14を手動的に
拡開することでシュー間隙手動調整機構に作用している
軸力を解放可能な形状に形成されている。
【0027】カムシャフト32の両端又は一端に六角形
の突出部又は凹部で構成される回転部35を形成してい
て、回転部35に公知のボックスレンチや六角レンチ等
の工具を嵌挿してカムシャフト32に回転を与えられる
ようになっている。カムシャフト32の直下に位置する
ダストカバー12には調整用穴12aが開設され、この
調整用穴12aをプラグ39が塞いでいる。
【0028】
【作用】つぎにシュー間隙の手動調整操作について説明
する。
【0029】ブレーキドラム10を装着したままダスト
カバー12の調整用穴12aに公知のソケットレンチ等
の工具を挿入し、解放手段であるカムシャフト32の端
部の回転部35に工具を嵌挿して回転操作する。カムシ
ャフト32の回転操作に伴い、カム部33がブレーキシ
ュー14のシューウェブ14bの内周面に当接する。カ
ムシャフト32を更に回転操作すると、カム部33によ
るシューウェブ14bの内周面への押圧力が増し、ブレ
ーキシュー14がシューリターンスプリング19の張力
に坑しながらアンカーピン16を支点に拡開する。これ
により、アクチュエータ20のピストン22等に作用し
ている軸力を取り除く。
【0030】しかる後、従来公知の如く、ブレーキ外部
からマイナスドライバーを差し込んで調整ギヤ22aを
所望の方向に回転してやれば、ピストン22は軽く回転
し、ピストン22がアジャストボルト24に対し螺出又
は螺入する。尚、アジャストボルト24はこれに環装し
たOリング40の摩擦抵抗により、ヘッド23はその切
欠23aがシューウェブ14bと嵌合しているから、ピ
ストン22と共に回転しない。
【0031】左方のブレーキシュー13側に装備させた
解放手段を使って同様の操作を行い、軸力を取り除た状
態でアクチュエータ20の左方のピストン22を回転操
作する。
【0032】例えば車体組立ラインでドラムブレーキを
組付けたときや、市場における部品交換後に、極力ブレ
ーキドラム10とブレーキシュー13,14との隙間を
詰め、初めから良好なぺダルフィーリングを得たいとき
(シュー間隙自動調整装置は、ブレーキドラム10の熱
膨張や弾性変形分を見込んでシュークリアランスを設定
するから、このような条件を与えるまではぺダルストロ
ークが若干大きく、最良のフィーリングが得られな
い。)は、カムシャフト32を回転操作してブレーキシ
ュー13,14をブレーキドラム10に圧着させた後、
調整ギヤ22aをヘッド23の切欠23a底がブレーキ
シュー13,14に当るまで進出方向に回転し、次いで
所望の駒数戻し、解放手段32を元の位置に戻してやれ
ばよい。
【0033】また、ブレーキドラム10とブレーキシュ
ー13,14の隙間が小さかったり、ブレーキドラム1
0が段付き摩耗して該ドラム10の取外しが困難で、ブ
レーキシュー13,14を収縮させたいときは、カムシ
ャフト32を回転操作してピストン22等の軸力を取り
除いた状態で、調整ギヤ22aをピストン22の後退方
向に回転し、次いでカムシャフト32を元の位置に戻し
てやればブレーキドラム10を簡単に取り外せる。
【0034】又、カムシャフト32のブレーキ内側端に
も六角部を設けておけば、ブレーキドラム10を取り外
した状況下でソケットレンチ等の工具を用いてブレーキ
シュー13,14の径を決め、ヘッド25がブレーキシ
ュー13,14に当るまで調整ギヤ22aを手で回転す
れば所望のシュークリアランスが得られる。更にアクチ
ュエータ20を交換したい場合には、調整ギヤ22aを
逆転すればブレーキシュー13,14等を分解すること
なく可能である。
【0035】
【発明の実施の形態2】本実施の形態以降に解放手段を
ドラムブレーキから取り外しておき、シュー間隙手動調
整時に解放手段を専用工具として使用する他の実施の形
態を示す。
【0036】図5は解放手段をブレーキシュー14側に
セットし、トルクプレート11に反力を得てシュー間隙
手動調整機構に作用する軸力を解消する操作時の状態を
示す。
【0037】本例のカムシャフト42は、支持軸部44
の中央部にカム部43を有し、支持軸部44の両端に六
角形の回転部45を形成した上下対称構造を呈してい
る。カムシャフト42は、上下対称であるから何れの方
向から挿入してもよい。そして、トルクプレート11に
はカム部43が当接する突部11bが形成されている。
ブレーキシュー14のシューウェブ14bには支持軸部
44を挿入する支持穴14dが形成されている。
【0038】ブレーキドラム10を取り付けたまま作業
をするときには、プラグ39を外し、その調整用穴12
aから工具に回転部45を嵌挿した状態でカムシャフト
42を挿入し、シューウェブ14bの支持穴14dに支
持軸部44を挿入セットして回転操作を行う。カム部4
3が突部11bから反力を得て離隔し、ブレーキシュー
14のライニング14cがブレーキドラム10に圧着す
ると、カム部43の接触面圧が増大する。カム部43の
接触面圧の増大により、カムシャフト42を定着させて
おける。この状態で、既述した実施の形態と同様にシュ
ーの間隙を手動調整する。
【0039】又、ブレーキドラム10を取外した状態で
もカムシャフト42をセットした後、ブレーキ内側から
前記と同様の手動調整作業を行うことも可能である。
【0040】本実施の形態にあっては、解放手段を専用
工具として用い、使用しないときは車両のトランクやデ
ィーラーに保管しておき、1個のみ保有すれば済むから
コスト的に有利である。
【0041】
【発明の実施の形態3】図6〜図8は構成の異なるアク
チュエータ50に適用した他の実施の形態を示す。
【0042】図7を基にアクチュエータ50について説
明すると、ピストン52の右方の鍔57がボア21aの
段付面に当接し、ピストン52の戻り位置が規制されて
いる。
【0043】ピストン52の有底穴52aにアジャスト
ナット60が着座して収容され、該アジャストナット6
0にアジャストボルト54が非可逆的にねじ結合してい
る。
【0044】アジャストボルト54の右方に調整ギヤ5
4aを形成し、該調整ギヤ54aにばねクリップ53が
弾着されている。ばねクリップ53はブレーキシュー1
4のシューウェブ14bを受容する切欠を形成してい
る。アジャストナット60の右方にはドライブリング5
5が可逆的ねじ結合している。ドライブリング55の外
周がボア21aの口元円錐面に円錐クラッチ係合してい
る。ドライブリング55とアジャストナット60に取付
けたリング58との間に圧縮ばね56が縮設され、ドラ
イブリング55がクラッチ係合するよう付勢している。
【0045】シュー間隙自動調整作動については、既述
した発明の実施の形態1とほぼ同じであるため、簡単に
説明する。ブレーキを作動すると、ピストン52、アジ
ャストナット60及びアジャストボルト54等が一体に
進出し、アジャストナット60と可逆的ねじ結合してい
るドライブリング55がバックラッシュを超えると回転
する。次いで、ブレーキを解除すると、ドライブリング
55はボディにクラッチ係合して回転を阻止され、前記
バックラッシュを超えた分だけアジャストナット60が
回転してアジャストボルト54を螺出する。ピストン5
2はその鍔がボディに、アジャストナット60はその左
端面がピストン52の有底穴52aに夫々クラッチ係合
して後退動を規制される。
【0046】図8を基に解放手段について説明すると、
カムシャフト62は断面多角形(例えば六角)の支持軸
部64と、支持軸部64に圧入等で固定したカム部63
及びハンドル65とにより構成される。
【0047】そしてシュー間隙を手動調整するときは、
トルクプレート11の孔11aにカムシャフト62の端
部を挿入し、ハンドル65を回転操作する。カム部63
をブレーキシュー14のシューウェブ14bの内周面に
押圧させてシュー間隙を手動調整することは既述した実
施の形態と同様である。
【0048】
【変形例】図9に解放手段である他のカムシャフト72
の変形例を示す。本例はカムシャフト72の全体を丸棒
で形成し、支持軸部74の途中を略クランク状に曲折加
工してカム部73を形成し、回転部に細い丸棒ハンドル
(図示せず)を挿入可能な穴75を開設してある。
【0049】
【発明の効果】本発明は次の特有の効果が得られる。 〈イ〉 解放手段を用いてシューリターンスプリングの
張力に坑してブレーキシューを強制的に拡開できる。そ
のため、シューリターンスプリングによる軸力のない状
態で、シュー間隙手動調整操作を簡単に行うことができ
る。 〈ロ〉 シュー間隙手動調整機構を構成する調整ギヤを
高強度に設計する必要がなくなり、アクチュエータの小
型化、低コスト化が図れる。 〈ハ〉 解放手段を専用工具として使用すると、解放手
段を使用しないときは車両のトランクやディーラーに保
管しておき、1個のみ保有すれば済むからコスト的に有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態1に係るブレーキドラムを
省略したドラムブレーキの正面図
【図2】 図1のII−II断面図
【図3】 解放手段であるカムシャフトの斜視図
【図4】 一部を破断したアクチュエータの拡大正面図
【図5】 発明の実施の形態2に係る要部の説明図
【図6】 発明の実施の形態3に係るブレーキドラムを
省略したドラムブレーキの正面図
【図7】 一部を破断したアクチュエータの拡大正面図
【図8】 図6のVIII−VIII断面図
【図9】 解放手段である他のカムシャフトの斜視図
【符号の説明】
10 ブレーキドラム 11 トルクプレート 11a テーパ状の面取りを施した孔 11b 突部 12 ダストカバー 12a 調整用穴 13,14 ブレーキシュー 13a,14a リム 13b,14b シューウェブ 13c,14c ライニング 14d 支持穴 15,16 アンカーピン 17,18 ピン 19 シューリターンスプリング 19a カバー 20,50 アクチュエータ 21 ボディ 21a 大径ボア 21b 小径ボア 21c 隔壁 22,52 ピストン 22a,54a 調整ギヤ 23 ヘッド 23a 切欠 24,54 アジャストボルト 24a 可逆おねじ 24b 非可逆おねじ 24c 円錐面 25,55 ドライブリング 26,56 圧縮ばね 27 圧縮ばね 28 ロケータ 29 ピストンカップ 30 流体室 31 ダストブーツ 32,42,62,72 カムシャフト(解放手段) 33,43,63,73 カム部 34,44,64,74 支持軸部 34a テーパー面 35 回転部 36 圧縮ばね 37 平ワッシャ 38 スナップリング 39 プラグ 40 Oリング 52a 有底穴 53 ばねクリップ 57 鍔 58 リング 60 アジャストナット 65 ハンドル 75 穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ作動用のアクチュエータに、ボル
    ト部材とナット部材から成るシュー間隙手動調整機構を
    具備し、該調整機構がブレーキシューに付与させたシュ
    ーリターンスプリングの張力を支承し、前記ブレーキシ
    ューの戻り位置を規制するよう構成されているドラムブ
    レーキにおいて、 前記シュー間隙手動調整機構に作用している軸力を、前
    記ブレーキシューを手動的に拡開することにより解放可
    能な解放手段をドラムブレーキに組み込んだことを特徴
    とする、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のドラムブレーキのシュー
    間隙調整装置において、アクチュエータに近いトルクプ
    レートに解放手段を設置し、トルクプレートで反力を得
    てブレーキシューを手動的に拡開することを特徴とす
    る、ドラムブレーキのシュー間隙調整装置。
  3. 【請求項3】ブレーキ作動用のアクチュエータに、ボル
    ト部材とナット部材から成るシュー間隙手動調整機構を
    具備し、該調整機構がブレーキシューに付与させたシュ
    ーリターンスプリングの張力を支承し、前記ブレーキシ
    ューの戻り位置を規制するよう構成されているドラムブ
    レーキにおいて、 前記シュー間隙手動調整機構に作用している軸力を、前
    記ブレーキシューを手動的に拡開することにより解放可
    能な解放手段がドラムブレーキに付設可能であって、 シュー間隙調整時に、解放手段をドラムブレーキに付設
    する工具としたことを特徴とする、ドラムブレーキのシ
    ュー間隙調整装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のドラムブレーキのシュー
    間隙調整装置において、アクチュエータに近いトルクプ
    レート又はブレーキシューのシューウェブに解放手段を
    設置し、トルクプレートに反力を得てブレーキシューを
    手動的に拡開することを特徴とする、ドラムブレーキの
    シュー間隙調整装置。
  5. 【請求項5】請求項2又は請求項4に記載のドラムブレ
    ーキのシュー間隙調整装置において、ブレーキシューを
    拡開する解放手段が、支持部材に支持させる支持軸部
    と、支持軸部と一体に形成し、被支持部材に当接してブ
    レーキシューを拡開させるカム部と、支持軸部を回転さ
    せる回転部とを備えたことを特徴とする、ドラムブレー
    キのシュー間隙調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303969A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Ntn Corp オートテンショナ
KR200457610Y1 (ko) 2010-04-06 2011-12-28 주식회사 한국에어브레이크 드럼 브레이크의 간극조절장치
CN102829103A (zh) * 2011-06-17 2012-12-19 泰州神力车桥有限公司 工程车用左制动器总成

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