JPH11137919A - フィルタ及びフィルタ製造方法 - Google Patents

フィルタ及びフィルタ製造方法

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JPH11137919A
JPH11137919A JP9313901A JP31390197A JPH11137919A JP H11137919 A JPH11137919 A JP H11137919A JP 9313901 A JP9313901 A JP 9313901A JP 31390197 A JP31390197 A JP 31390197A JP H11137919 A JPH11137919 A JP H11137919A
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filter
mesh
sheet
sheet members
oil passage
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JP9313901A
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Akifumi Tamaoki
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数や製造工数を軽減でき、コストを削
減できるフィルタ及びフィルタ製造方法を得る。 【解決手段】 フィルタ10は、積層された複数のメッ
シュシート62Aを溶着して平面視でリング状の溶着部
64を形成し、この溶着部64により積層された複数の
メッシュシート62Aをその層方向に沿って連結して一
体とする。さらに、裁断工程にて溶着部64の外周部近
傍を裁断して全体的に円盤形状とし、この状態で油路内
に配置されて固定される。ここで、本フィルタ10は、
基本的に構成部品がシート部材62Aだけであるため、
部品点数が少なくすみ、製造工数も少なくなる。このた
め、コストが安価となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両のア
ンチロックブレーキシステム等の油圧回路内に用いられ
るフィルタ及びフィルタ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ装置には、急制動時等に
おいて車輪のロックを防止するアンチロックブレーキシ
ステム(以下、『ABS』と称する)を備えたものがあ
る。
【0003】このABSは、一般的に速度センサ、AB
Sコンピュータ、及びABSアクチュエータ等によって
構成されており、更に、ABSアクチュエータは、ブレ
ーキマスタシリンダと各車輪のブレーキシリンダとを結
ぶ油圧回路中に設けられABSコンピュータの制御によ
り作動する複数の電磁弁やポンプ等を備えている。
【0004】また、ABSアクチュエータの油圧回路で
は、例えば、マスタシリンダと電磁弁との間や、電磁弁
と各車輪のブレーキシリンダとの間にフィルタが設けら
れており、この油圧回路中を流れるブレーキ油の混入し
た異物を捕獲するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでの
フィルタは、一般的に、ナイロン等の合成樹脂材によっ
て形成された単層のメッシュをインサートしてナイロン
等の合成樹脂材によって成形したフィルタ本体を備えて
おり、更に、このフィルタ本体は、取り付けられる油路
の内径に対応した外径を有する金属製のカラーが一体に
成形されており、このカラーを油路へ圧入することでフ
ィルタが油路中の所定位置へ設置される。
【0006】しかしながら、上述したように、これまで
のフィルタは、メッシュをフィルタ本体へインサートし
て成形したり、また、フィルタ本体にカラーを一体に成
形する等成形工程が長く、また部品点数も多いという欠
点があった。
【0007】一方、例えば、実開昭57−28715号
に開示されているような、複数のメッシュ(なお、実開
昭57−28715号では、このメッシュのことをフィ
ルタと称している)を積層したフィルタを上述したこれ
までのフィルタに代えて設ける方法も考えられる。この
フィルタは、先に説明したABS用のフィルタとは異な
り複数枚のメッシュを使用しているため、捕獲能力はA
BS用のフィルタよりも向上する可能性がある。しかし
ながら、実開昭57−28715号に開示されているフ
ィルタでは、各メッシュが独立している上にこれらのメ
ッシュを支持する支持板を敷き、更に、その上方に蓋を
設けてメッシュを固定しているため、これをABS用の
フィルタとして用いた場合には取付工数が多くなる。
【0008】本発明は、上記事実を考慮し、部品点数や
製造工数を軽減でき、コストを削減できるフィルタ及び
フィルタ製造方法を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のフィルタ
は、流体が流れる流路中に配置され、前記流体中に含ま
れる所定の大きさ以上の異物を捕獲するフィルタであっ
て、メッシュ状のシート部材を層状に重ね合わせること
により形成され、前記シート部材のメッシュ部分で前記
異物を捕獲可能なフィルタ本体と、前記フィルタ本体の
外周部に設けられ、層状に重ね合わされた前記シート部
材を前記積層方向に沿って連結して一体とすると共に、
前記流路中に設けられた保持手段により保持される環状
の連結部と、を備えることを特徴としている。
【0010】上記構成のフィルタは、層状に重ね合わさ
れたメッシュ状のシート部材を環状の連結部で層方向に
沿って連結することで形成され、この状態で流路中に配
置されて保持手段によって連結部が保持されることで流
路中の所定位置に固定される。
【0011】このように、本フィルタでは、基本的にシ
ート部材と連結部だけで構成されるため部品点数が少な
い。したがって、製造工数が軽減され、コストが安価と
なる。しかも、メッシュ状のシート部材を積層すること
で形成されるため、単層メッシュを使用したフィルタと
比べて異物捕獲能力が向上する。更に、各シート部材は
連結部にて連結されて一体とされているため、メッシュ
のシートがそれぞれ独立したフィルタと比べて流路内へ
の配置が容易となる。
【0012】なお、本フィルタは、結果的にシート部材
が複数層に積層されていればよい。すなわち、複数枚の
シート部材を単に積層することで形成してもよいし、1
枚乃至複数枚のシート部材を折り畳むことで層状として
もよい。
【0013】また、本フィルタにおいて、連結部はシー
ト部材を層方向に沿って環状に連結できればよい。その
態様としては、例えば、連結部相当部分を環状に溶融固
化させて層状に連結する溶着、接着剤等の接着手段を層
状に重ね合わされたシート部材の間に環状に設けて接着
させる接着、金属や合成樹脂材等によって形成されたリ
ング部材によってシート部材をその層方向に沿って挟持
する挟持等が挙げられる。
【0014】請求項2記載のフィルタは、請求項1記載
のフィルタにおいて、前記連結部は、前記積層状態の複
数枚のシート部材の各々を環状に溶融固化することで当
該溶融固化部分を連結した溶着部であることを特徴とし
ている。
【0015】上記構成のフィルタは、層状に重ね合わさ
れたメッシュ状のシート部材を環状に溶融固化させるこ
とで当該溶融部分が互いに固着して連結部としての溶着
部が形成される。このように、本フィルタでは、基本的
に構成部材がシート部材だけであるため、より一層コス
トが安価となる。
【0016】請求項3記載のフィルタ製造方法は、流体
が流れる流路中に配置され、前記流体中に含まれる所定
の大きさ以上の異物を捕獲するフィルタのフィルタ製造
方法であって、メッシュ状のシート部材を層状に重ね合
わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた前記シート部
材を層方向に沿って連結し、前記流路中に設けられる保
持手段へ保持される環状の連結部を形成する連結工程
と、を備えることを特徴としている。
【0017】上記構成のフィルタ製造方法では、重ね合
わせ工程にてメッシュ状のシート部材を層状に重ね合わ
せられ、連結工程にて環状の連結部が形成されて重ね合
わされたシート部材が層方向に沿って連結される。この
ようにして形成されたフィルタは、流路中に配置された
状態で保持手段によって連結部が保持され、これにより
流路内の所定位置で固定される。
【0018】ここで、本製造方法では、基本的にシート
部材を重ね合わせ、更にそれを層方向に沿って連結する
という2工程しか必要としない。しかも、重ね合わせ工
程は単にシート部材を重ね合わせるだけでよいため、工
程そのものが特別に煩雑になることはない。このため、
フィルタの製造コストが安価となる。
【0019】なお、本製造方法において、重ね合わせ工
程は単にシート部材を複数層に積層させればよい。すな
わち、複数枚のシート部材を単に積層する構成でもよい
し、1枚乃至複数枚のシート部材を折り畳んでもよい。
【0020】また、本製造方法において連結部を形成す
る連結工程は、シート部材を層方向に沿って連結する構
成であればよい。その態様としては、例えば、連結部相
当部分を環状に溶融固化させて層状に連結する溶着、接
着剤等の接着手段を層状に重ね合わされたシート部材の
間に環状に設けて接着させる接着、金属や合成樹脂材等
によって形成されたリング部材によってシート部材をそ
の層方向に沿って挟持する挟持等が挙げられる。
【0021】請求項4記載のフィルタ製造方法は、請求
項3記載のフィルタ製造方法において、前記連結工程
は、重ね合わされた前記シート部材を環状に溶融し、固
化時に当該溶融部分を層方向に沿って互いに連結させる
溶着工程であることを特徴としている。
【0022】上記構成のフィルタ製造方法では、層状に
重ね合わされたシート部材を溶融固化させることで連結
部としての溶着部が形成されシート部材が層方向に沿っ
て連結される。
【0023】ここで、本製造方法では、シート部材自体
を溶かして固めるだけで連結部としての溶着部を形成す
るため、連結部を形成するための接着剤や連結用の部品
等を必要としない。このため、接着剤等の塗布作業や連
結部品の組付作業等が不要である(すなわち、シート部
材を重ね合わせた状態で単に加熱すればよい)。したが
って、より一層コストが安価となる。
【0024】
【発明の実施の形態】図4には、本発明の一実施の形態
に係るフィルタ10を適用したABSアクチュエータ1
2の油圧回路図が示されている。但し、ここではABS
アクチュエータ12全体の構成や作動についての具体的
な説明は省略する。この図に示されるように、フィルタ
10はブレーキペダル14を踏み込んだときの踏力によ
って内部に貯留されたブレーキ油を油路16中に押し出
すマスタシリンダ18と、ABSコンピュータ(図示省
略)によって制御され油路16を開放し或いは閉止する
電磁弁20との間に設けられると共に、この電磁弁20
と各車輪に対応してそれぞれ設けられたシリンダ22と
の間にも設けられている。なお、マスタシリンダ18と
電磁弁20との間に設けられているフィルタ10も、電
磁弁20とシリンダ22との間に設けられているフィル
タ10も基本的に構成は同一であるため、以下、マスタ
シリンダ18と電磁弁20との間に設けられているフィ
ルタ10についてのみ説明する。
【0025】図2には、電磁弁20の近傍部分を拡大し
た断面図が示されている。フィルタ10の説明に先立っ
て、電磁弁20の構成について簡単に説明する。
【0026】電磁弁20は、ハウジング24に形成され
電磁弁20とマスタシリンダ18の間の油路16(以
下、この部分の油路16を便宜上『油路16A』と称す
る)と電磁弁20とシリンダ22の間の油路16(以
下、この部分の油路16を便宜上『油路16B』と称す
る)とを連通する取付孔26へ圧入されたコア28を備
えている。このコア28は略円筒形状とされ、軸方向一
端側で開口した弁室30と、内径寸法が弁室30よりも
小径で且つ長手方向一端で弁室30の底部と連通したガ
イド孔34が形成されている。ガイド孔34にはシャフ
ト36が移動可能に支持されている。シャフト36の一
端は弁室30内へ突出しており、その先端には外径寸法
がガイド孔34よりも大きなストッパ38が固定され
れ、シャフト36の他端側への移動を制限している。こ
のストッパ38の先端には半球形状の弁体40が形成さ
れており、更にストッパ38の周囲には圧縮コイルスプ
リング42が設けられている。
【0027】また、弁体40の球面側には、弁体40に
対応した凹形状の弁座44が形成されたシートバルブ4
6が弁室30の開口端側(すなわち、軸方向一端側)か
ら圧入固定されている。このシートバルブ46は、軸方
向に沿って油路48が形成されており、その軸方向一端
は弁座44に形成されたシリンダ22側の油路16へ連
通しており、他端は弁座44の中心で開口している。
【0028】上述した圧縮コイルスプリング42は一端
がシートバルブ46へ当接し、他端がストッパ38へ当
接しており、ストッパ38をシートバルブ46から離間
させる方向、すなわち、軸方向他端側へ付勢している。
このため、通常は図2に示されるように、弁体40が弁
座44から離間し、油路48と弁室30とが連通して、
油路48と弁室30を介して油路16Aと油路16Bと
が連通する。
【0029】一方、シャフト36の軸方向他端側はガイ
ド孔34を貫通して、コア28を介してシートバルブ4
6とは反対側に設けられているプランジャ50へ固定さ
れている。このプランジャ50及び上述したコア28の
周囲には円筒形状で底部が半球形状とされたスリーブ5
2が設けられており、プランジャ50はスリーブ52の
底部とコア28の間で移動可能に配置され、コア28は
スリーブ52へ圧入固定されている。
【0030】このスリーブ52の周囲にはヨーク54が
設けられており、ヨーク54の内側にはソレノイド56
が設けられている。このソレノイド56はABSコンピ
ュータ及び電源(何れも図示省略)へ電気的に接続され
ており、ABSコンピュータの制御により通電され或い
は通電が解除される。ソレノイド56が通電されるとコ
ア28が励磁されてプランジャ50を引きつけ、プラン
ジャ50を軸方向一端側へ移動させる。これにより、シ
ャフト36が圧縮コイルスプリング42の付勢力に抗し
て軸方向一端側へ移動して弁体40が弁座44へ嵌まり
込み、油路48と弁室30との間を閉止する。この状態
ではブレーキペダル14を踏み込んでもブレーキ油を油
路16A側から油路16B側へ流すことはできず、した
がって、シリンダ22へブレーキ油を送給することはで
きない。一方、ソレノイド56への通電が解除される
と、コア28の励磁が解除され、シャフト36が圧縮コ
イルスプリング42の付勢力によって軸方向他端側へ移
動して弁体40が弁座44から離脱する。この状態で
は、上述したように油路48と弁室30とが連通して、
ブレーキペダル14を踏み込めばブレーキ油を油路16
A側から油路16B側へ流すことができ、シリンダ22
へブレーキ油を送給することができる。
【0031】このブレーキ油が流れる油路16Aの中間
部よりもマスタシリンダ18側の部分は、中間部よりも
弁室30側の部分より内径寸法が大とされ、この境目部
分(すなわち、中間部)に平面状の保持手段としてのフ
ィルタ支持部58が形成されており、フィルタ10が載
置されている。
【0032】図1(D)に示されるように、フィルタ1
0は、ナイロン等の合成樹脂材によって極小の網形状に
形成された複数枚のシート部材としてのメッシュシート
62によって構成されている。また、このフィルタ10
(すなわち、各メッシュシート62)は円盤形状とされ
ており、その外径寸法はフィルタ支持部58に載置可能
な寸法とされ、具体的には油路16Aの中間部よりも弁
室30側の部分の内径寸法よりも充分に大きく、且つ油
路16Aの中間部よりもマスタシリンダ18側に部分よ
り小さい。また、フィルタ10の外周端部は連結部とし
ての溶着部64とされている。この溶着部64は後述す
る方法により全てのメッシュシート62の外周部が溶融
固化されることで各メッシュシート62の外周端部が互
いに連結されて形成されており、このためフィルタ10
は半径方向内側のメッシュ部分よりも溶着部64の部分
で剛性が高くなっている。この溶着部64を含むフィル
タ10の外周部は、上述したフィルタ支持部58と、油
路16Aの中間部よりもマスタシリンダ18側の部分の
内周部で且つフィルタ支持部58の極近傍の部分から半
径方向内側へ向けて突出形成された保持手段としての挟
持部66とによって挟持固定されており、この状態で
は、油路16A中にブレーキ油が流れその圧力がフィル
タ10に作用してもフィルタ10は外れることなく、ブ
レーキ油中に含まれる異物が弁室30中へ流れ込む前に
捕獲する。
【0033】次に、本フィルタ10の製造工程及び油路
16A中へのフィルタ10の組付工程を説明し、これら
の工程の説明を通して本実施の形態の作用並びに効果に
ついて説明する。
【0034】上述したように、本フィルタ10は複数枚
のメッシュシート62によって形成される。但し、図1
(A)に示されるように、フィルタ10の製造開始当初
では各メッシュシート62は円盤形状ではなく、フィル
タ10成形後の円盤形状よりも大きな四角形等の形状と
されている(以下、この状態でのメッシュシート62を
成形後のメッシュシート62との混同を避けるため便宜
上『メッシュシート62A』と称する)。なお、メッシ
ュシート62Aの形状については特に限定するものでは
なく、メッシュシート62A自体を製造する際の製造条
件やメッシュシート62Aからメッシュシート62への
成形のしやすさ等の諸条件を考慮した形状とすればよ
い。
【0035】先ず、図1(A)に示されるように、重ね
合わせ工程としての積層工程においてメッシュシート6
2Aを複数枚(本実施の形態では4枚)積層し、この状
態で図1(B)に示されるように、連結工程としての溶
着工程においてメッシュシート62Aを溶着装置80へ
セットする。この溶着装置80は上述した溶着部64
(図1(D)参照)に対応して円筒形状とされた一対の
加熱押圧部82を備えている。各加熱押圧部82の内部
には各々が電源84に電気的に接続されたニクロム線等
の電熱線86が配置されており、両電熱線86が通電さ
れると両電熱線86がそれぞれ発熱し、これによって各
加熱押圧部82が加熱される。
【0036】また、これらの加熱押圧部82の少なくと
も何れか一方は油圧シリンダ(図示省略)等の駆動手段
によって他方へ向けて移動可能とされており、一方が他
方へ或いは双方が互いに接近することにより、メッシュ
シート62Aの加熱押圧部82と対向した部分が両加熱
押圧部82によって加圧される。したがって、この加圧
状態で加熱押圧部82を加熱する、或いは、加熱状態の
加熱押圧部82によってメッシュシート62Aの両加熱
押圧部82と対向した部分を加圧することで、各メッシ
ュシート62Aの加熱押圧部82との対向部分が溶融さ
れ、溶融された部分が互いに混ざり合う。したがって、
この状態でメッシュシート62Aの溶融部分が冷えて固
まれば、全てのメッシュシート62Aが連結される。こ
れにより平面視で略リング形状(すなわち、環状)の溶
着部64が形成される。
【0037】このようにして溶着部64が形成されて互
いに連結された全メッシュシート62Aは、裁断工程に
移される。この裁断工程では図1(C)に示されるよう
に、裁断装置90の載置台92上に全メッシュシート6
2Aがセットされる。載置台92の上方にはカッタ94
が設けられている。カッタ94は溶着部64の外径寸法
と略同程度の内径を有する円筒形状とされており、その
下端部には周方向に沿って一様に刃が形成されている。
このカッタ94は上述した加熱押圧部82用の駆動手段
とは異なる油圧シンリンダ等の駆動手段の駆動力によっ
て上下方向(すなわち、カッタ94自体の軸方向)に沿
って移動し、下方へ移動することで溶着部64の外周部
近傍を略円形に裁断する。これによって、上述したよう
に溶着部64で互いに連結されたメッシュシート62A
は円盤形状のフィルタ10となる。
【0038】ここで、本フィルタ10の製造工程は、基
本的にメッシュシート62を積層し、溶融固化し、裁断
するという3工程からなり、メッシュをフィルタ本体に
インサートしてから成形したり、また、フィルタ本体に
カラーを固着させて一体としたりする従来のフィルタに
比べて、極めて簡素で且つ短い工程で製造可能である。
したがって、本フィルタ10は従来のフィルタに比べて
極めて安価なコストで製造可能である。
【0039】また、例えば、各メッシュシート62Aを
長尺のベルト状とし、このような各メッシュシート62
Aを互いに積層させながらその長手方向へ沿って送り出
しながら、上述した溶融固化の工程を連続して行い、続
いて裁断の工程を連続して行うことで、過大な設備を必
要とせず自動的に大量生産が可能でこの意味でもコスト
の低減を図ることができる。
【0040】このようにして形成されたフィルタ10
は、図3に示されるように、ABSアクチュエータ12
を製造する際に挟持部66を回避するようにフィルタ1
0を撓めて溶着部64がフィルタ支持部58上に載置さ
れる。但し、図3に示されるように、この状態では挟持
部66は上方へ折り曲げられているため、比較的容易に
フィルタ10の溶着部64をフィルタ支持部58上に載
置できる。また、フィルタ10は撓めた状態でフィルタ
支持部58上に載置されるが、載置後には自らの弾性に
より元の円盤形状となる。
【0041】次いで、この状態で図3に示されるよう
に、油路16Aのマスタシリンダ18側からかしめ治具
102を油路16A内に挿入し、かしめ治具102の先
端部を挟持部66へ当接させた状態で更に加圧して挟持
部66をかしめてフィルタ10へ圧接させる。これによ
り、フィルタ10は溶着部64と挟持部66とによって
挟持固定される。
【0042】本フィルタ10は、このようにして油路1
6A中に配置固定されて油路16A中を流れるブレーキ
油内の異物を捕獲するが、上述したように、フィルタ1
0は複数枚のメッシュシート62を積層して形成されて
いるため、従来の単層メッシュのフィルタと比べて異物
捕獲能力が高い。
【0043】また、実開昭57−28715号に開示さ
れているフィルタと比べると、本フィルタ10は複数枚
のメッシュシート62を積層して形成されているもの
の、全てのメッシュシート62が溶着部64で連結され
ているため、見掛け上は1枚のフィルタにすぎない。し
たがって、油路16A内のフィルタ支持部58への載置
が容易で、フィルタ支持部58上へ載置するための工数
が短くなる。
【0044】さらに、本フィルタ10は挟持部66をか
しめてフィルタ10を固定するため、フィルタ10を固
定するための特別な部品を必要としない。しかも、上述
したように溶融固化の工程で形成された溶着部64はフ
ィルタ10の他の部分よりも高強度となるため、実開昭
57−28715号に開示されているフィルタにおける
支持板の如き支持部材を設けなくてもよい。したがっ
て、フィルタ10の構成部品点数が少なくなり、この意
味でもコストが安価となる。
【0045】なお、本実施の形態では、油路16Aの内
部に挟持部66を形成して、かしめ治具102よって折
り曲げてかしめることでフィルタ10を固定する構成で
あったが、フィルタ10の固定手段は挟持部66のよう
に油路16の内部に形成される構成に限定されるもので
はない。すなわち、図5に示されるように、円筒形状の
フィルタ保持具122を油路16A内に圧入してフィル
タ10を保持する構成としてもよい。この場合には、部
品点数こそ増えるものの、挟持部66を形成する必要が
なくなるためフィルタ10を撓めることなくフィルタ1
0をフィルタ支持部58上に載置でき、この意味でフィ
ルタ10の載置が容易になる。
【0046】また、本実施の形態では、複数枚のメッシ
ュシート62Aを使用したが、フィルタ10はメッシュ
シート62が積層されて形成されていればよく、本実施
の形態のように各メッシュシート62Aがそれぞれ独立
していてもよいし、また、メッシュシート62Aが溶融
固化の工程を経る前の状態で全てのメッシュシート62
A或いは一部のメッシュシート62Aが連結されていて
も構わない。すなわち、上述した複数枚のメッシュシー
ト62Aを積層する積層工程に代えて、一枚のメッシュ
シート62Aを1回乃至複数回折り畳むことでメッシュ
シート62Aを多層とする折畳工程を設け、折り畳まれ
たメッシュシート62Aを溶融固化させてフィルタ10
を形成してもよい。
【0047】さらに、本実施の形態は、複数枚のメッシ
ュシート62を積層した構成であるが、これらのメッシ
ュシート62の各々のメッシュの目を大きさを同じにし
てもよいし、各々でメッシュの目の大きさの異なるメッ
シュシート62を使用してもよい。
【0048】また、本実施の形態では、裁断工程でメッ
シュシート62Aを裁断したが、この裁断工程は必須の
工程ではない。すなわち、予め円盤状に形成したメッシ
ュシート62Aを用い、メッシュシート62Aを積層し
てその外周端部を溶着した場合には、溶着終了時点で既
に円盤形状とされているため、裁断工程は不要となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明では、構成部品が少なく、製造工数も軽減できるた
めコストが安価となるうえ、メッシュ状のシート部材を
層状に重ね合わせることで形成されるため、異物捕獲能
力が向上する。
【0050】請求項2記載の本発明では、構成部品が基
本的にシート部材だけであるため、より一層コストが安
価となる。
【0051】請求項3記載の本発明では、基本的に重ね
合わせと連結の2工程しか必要としないため、製造コス
トが安価となる。
【0052】請求項4記載の本発明では、シート部材を
重ね合わせた状態でシート部材を環状に加熱すればよい
ので、接着剤や連結用の部品等が不要となり、更に、接
着剤等の塗布作業や連結部品の組付作業等も不要とな
る。したがって、より一層コストが安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフィルタ製造方法
を示す工程図で(A)が重ね合わせ工程を示し、(B)
が連結工程を示し、(C)が裁断工程を示し、(D)が
フィルタの完成状態の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るフィルタを適用し
たABSアクチュエータの電磁弁近傍の概略を示す断面
図である。
【図3】フィルタ固定前の状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るフィルタを適用し
たABSアクチュエータの油圧回路図である。
【図5】フィルタ固定の他の態様を示す断面図である。
【符号の説明】
10 フィルタ 62 メッシュシート(シート部材) 64 溶着部(連結部)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // F15B 21/04 B01D 35/02 E F04B 21/06 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流れる流路中に配置され、前記流
    体中に含まれる所定の大きさ以上の異物を捕獲するフィ
    ルタであって、 メッシュ状のシート部材を層状に重ね合わせることによ
    り形成され、前記シート部材のメッシュ部分で前記異物
    を捕獲可能なフィルタ本体と、 前記フィルタ本体の外周部に設けられ、層状に重ね合わ
    された前記シート部材を前記積層方向に沿って連結して
    一体とすると共に、前記流路中に設けられた保持手段に
    より保持される環状の連結部と、 を備えることを特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記連結部は、前記積層状態の複数枚の
    シート部材の各々を環状に溶融固化することで当該溶融
    固化部分を連結した溶着部であることを特徴とする請求
    項1記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】 流体が流れる流路中に配置され、前記流
    体中に含まれる所定の大きさ以上の異物を捕獲するフィ
    ルタのフィルタ製造方法であって、 メッシュ状のシート部材を層状に重ね合わせる重ね合わ
    せ工程と、 重ね合わされた前記シート部材を層方向に沿って連結
    し、前記流路中に設けられる保持手段へ保持される環状
    の連結部を形成する連結工程と、 を備えることを特徴とするフィルタ製造方法。
  4. 【請求項4】 前記連結工程は、重ね合わされた前記シ
    ート部材を環状に溶融し、固化時に当該溶融部分を層方
    向に沿って互いに連結させる溶着工程であることを特徴
    とする請求項3記載のフィルタ製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008117723A1 (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Nifco Inc. フィルタ装置
CN102889206A (zh) * 2011-07-22 2013-01-23 罗伯特·博世有限公司 用于液压活塞泵的泵元件

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