JPH11137236A - 新規清酒およびその製造方法 - Google Patents
新規清酒およびその製造方法Info
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- JPH11137236A JPH11137236A JP31324197A JP31324197A JPH11137236A JP H11137236 A JPH11137236 A JP H11137236A JP 31324197 A JP31324197 A JP 31324197A JP 31324197 A JP31324197 A JP 31324197A JP H11137236 A JPH11137236 A JP H11137236A
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Abstract
の含有量が栄養表示基準量より多い清酒を提供する。 【解決手段】 難消化性デキストリン含有水あめを醸造
原料の一部に使用し、難消化性デキストリンを栄養表示
基準値(1.5g/100ml)以上含有する清酒を製
造する。
Description
リン(食物繊維のひとつ)を含む新規な清酒(増醸酒)
およびその製造方法に関する。
通常の食事における食物繊維の摂取量は減少傾向にあ
り、健康を維持するために意識して食物繊維を摂取する
ことが望まれている。1994年5月の栄養所要量第5
次改訂で食物繊維の目標摂取量が20〜25g/日と設
定されることにより、食物繊維は栄養素の一つとして公
的に認められるようになった。食物繊維の生理的な機能
として、不溶性食物繊維は、便秘、憩室、大腸癌等の予
防効果があり、一方、水溶性食物繊維は、糖尿病、高脂
血症、高血圧の予防、コレステロールの低下効果、肥満
予防効果等の多数の機能を有しているとされている(辻
啓介:月刊フードケミカル,7,19,1995)。ま
た、1996年5月に厚生省より出された栄養表示基準
制度によれば、食物繊維を表示する場合、飲料で100
ml当たり1.5g以上含有していること等の具体的な
数字が出され、食品に食物繊維を強化したもの、添加し
たものが近年多数開発されてきている。特に、清涼飲料
水では、多数の製品が商品化されている。
6−32802号において、ワイン、カクテル、フィ
ズ、リキュール等の酒類に使用できること、特開平8−
249号において、酵母難資化性水溶性食物繊維を副原
料にして酒類を製造すること、そして、特開平8−99
53号において、焙焼デキストリンを原料にしてビール
を製造することなど、いくつかの技術が提案されてい
る。しかし、食物繊維を栄養表示基準以上に含んだアル
コール飲料の商品化は、未だ成功していない。清酒にお
いても、その様な生理的機能性を有する商品が望まれて
いるが、酒税法上の下記の定義を第一義的に満足するこ
とが必要である。 1)米、米麹および水を原料として発酵させてこしたも
の。 2)米、水および清酒粕、米麹その他政令で定める物品
を原料として発酵させてこしたもの。ただし、その原料
中、当該政令で定める物品の重量の合計が米(麹米を含
む)の重量を超えないものに限る。 3)清酒に清酒粕を加えてこしたもの。 ここで上記1)は純米酒であり、上記2)はアルコール
添加酒で、普通酒と増醸酒がある。増醸酒いは、その他
政令で定める物品として、水あめが原料として使用可能
であり、酒税法での水あめとは、加水分解の程度が低い
デンプン質分解物のうち精製程度が高く、不純物の含有
量が少ないものをいうとされている。しかし、これら水
あめは、清酒の醪中および上槽後の生酒中で、麹の糖化
酵素や添加した酵素剤により、徐々に分解され、グルコ
ースなどの低分子の糖類に変化していく。また、この水
あめは、人間がほとんど消化、吸収できる成分である。
このため、清酒の酒税法に基づいて、食物繊維を含有
し、かつ、従来の清酒と香味が変わらない清酒を製造す
ることは困難であった。
になる人、健康を意識した人などで、飲酒習慣のある特
に中高年層に対して、香味が従来のものに比べて劣ら
ず、食物繊維の含有量が栄養表示基準量より多い清酒を
提供することにある。
を達成するため、原料処理方法、各種糖質原料を検討
し、清酒の香味を損なうことなく酒税法にも適合した清
酒を得るために鋭意検討し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、食物繊維のうち特定保健用食品素材とし
て厚生省の許可を得ているものとしては、小麦ふすま、
ポリデキストロース、難消化性デキストリン、アップル
ファイバー、コーンファイバー、グアーガム分解物、ビ
ートファイバー、キトサン、低分子アルギン酸ナトリウ
ム、サイリウム種皮、セルロースがある。本発明者ら
は、これら食物繊維のうち、可溶性の難消化性デキスト
リンが清酒の酒税法での水あめとして使用可能であり、
難消化性デキストリンを使用することにより、所望の清
酒が製造できることを見いだした。清酒の増醸酒の醸造
においては、米、米麹、水で製造した醪へ、アルコー
ル、ブドウ糖、水あめ、有機酸、アミノ酸塩等を加える
が、この水あめとして、該難消化性デキストリンを使用
することにより、食物繊維を十分に含有した清酒を得る
ことができる。かくして、本発明は、難消化性デキスト
リンを栄養表示基準値(1.5g/100ml)以上含
有する清酒を提供するものである。また、本発明は、清
酒の醸造原料として、麹や酵素剤の酵素で分解されない
難消化性デキストリンを含有する水あめを使用すること
を特徴とする清酒の製造方法も提供する。
醸造原料の糖類の一部として、麹や酵素剤の酵素で分解
されない難消化性デキストリンを含有する水あめ(粉末
水あめを含む)を使用することにより所望の清酒が得ら
れる。使用する難消化性デキストリンとしては、例え
ば、特開平2−100695号、特開平2−14516
9号、特開平4−207173号および「澱粉の熱変性
と酵素作用」(澱粉化学、第37卷、第2号、p10
7、1990)に記載されているものが挙げられる。す
なわち、精製澱粉を希塩酸下、150〜200℃で一定
の加熱処理を行い、α1→4結合、α1→6結合以外の
1→2、1→3、β1→6グルコシド結合を生じさせ
る。これを水に溶解しpHを調整後、α−アミラーゼ、
グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、β−アミ
ラーゼを作用させる。ついで、活性炭処理、イオン交換
処理をし、脱塩、脱色、脱臭を行った後、濃縮を行う。
その後、スプレー乾燥を行い、粉末水あめを製造する。
このようにして製造した粉末水あめは、一般に、約30
〜90重量%の難消化性成分を含んでおり、かつ、酒税
法の清酒の水あめに該当する。
酒の醸造方法が採用され、また、他の醸造原料は、米、
米麹、酵素剤、水、アルコール、ブドウ糖、有機酸、ア
ミノ酸塩等、通常使用されるいずれのものでもよい。難
消化性デキストリンは、白米1t当たり、一般に、15
0kg〜380kgの割合で使用され、通常、上槽前の
発酵醪に添加される。ついで、常法に従って、処理する
ことにより、難消化性デキストリンを、栄養表示基準値
の1.5g/100ml以上、通常、1.5g〜6.0
g/100ml含有する清酒が得られる。
を説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 食物繊維入り清酒の製造 難消化性デキストリンは、澱粉を塩酸酸性下で加熱処理
し、pH調整後、糖化酵素により加水分解、脱色濾過、
脱塩、濃縮、乾燥して製造した粉末水あめを用いた(松
谷化学工業株式会社製)。その成分分析値を、従来の粉
末水あめと比較して、表1に示す。
米、米麹、水に清酒用協会酵母を添加し、12〜17℃
で16日間発酵させた。その醪に白米1kg当たりに対し
て、難消化性デキストリンを300g、35%アルコー
ル2057mlを添加し、生成酒を得た。生成酒の成分
分析値は日本酒度−5、アルコール分21.0%、総酸
度2.0ml、アミノ酸度1.1mlのごく一般的な増
醸酒の成分値であった。一方、この清酒の食物繊維の含
有量は通常の清酒の約10倍量の3.1g/100ml
であった。また、この生成酒の生酒貯蔵、活性炭濾過、
火入れ殺菌による食物繊維の含有量の変化を表2に示
す。
は、貯蔵、濾過等の通常の清酒製造工程での減少は見ら
れなかった。
180mlに調製したアルコール分15.4%の清酒を、
3時間以上絶食した空腹時の男性4名に10分以内に1
80ml飲酒してもらい、血糖測定器で血糖値を測定し
た。対照として、別の日に同じアルコール分の市販清酒
を用いて、同じ男性に対して同一の試験をした。血糖値
の測定は飲酒前、飲酒後30分、60分、120分に行
った。結果を表3に示す。
血糖値の上昇を抑える効果があることがわかった。
際に添加する水あめとして、澱粉より製造された難消化
性デキストリンを使用することにより、食物繊維を十分
に含有した清酒を得ることが出来る。また、この難消化
性デキストリンは、醪中で麹の酵素によって分解される
こともなく、また、上槽後の酵素が残っている状態の生
酒期間中でも分解されず、甘さ控えめの辛口タイプのゴ
ク味のある清酒が得られる。また、通常の清酒に比べ
て、血糖値を抑える効果があることがわかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 難消化性デキストリンを栄養表示基準値
(1.5g/100ml)以上含有する清酒。 - 【請求項2】 清酒の増醸酒の原料として、麹や酵素剤
の酵素で分解されない難消化性デキストリンを含有する
水あめを使用することを特徴とする清酒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31324197A JPH11137236A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 新規清酒およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31324197A JPH11137236A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 新規清酒およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11137236A true JPH11137236A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18038827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31324197A Pending JPH11137236A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 新規清酒およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11137236A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006006342A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-01-12 | Sapporo Breweries Ltd | 麦芽、大麦及び小麦を使用しない低糖質発泡アルコール飲料の製造方法及びその製造方法により製造した発泡アルコール飲料 |
JP5473177B1 (ja) * | 2013-07-23 | 2014-04-16 | 三和酒類株式会社 | 水で希釈してアルコール濃度を調整した焼酎の味覚改善方法 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31324197A patent/JPH11137236A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006006342A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-01-12 | Sapporo Breweries Ltd | 麦芽、大麦及び小麦を使用しない低糖質発泡アルコール飲料の製造方法及びその製造方法により製造した発泡アルコール飲料 |
JP5473177B1 (ja) * | 2013-07-23 | 2014-04-16 | 三和酒類株式会社 | 水で希釈してアルコール濃度を調整した焼酎の味覚改善方法 |
JP2015019650A (ja) * | 2013-07-23 | 2015-02-02 | 三和酒類株式会社 | 水で希釈してアルコール濃度を調整した焼酎の味覚改善方法 |
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