JPH11137139A - 両軸受リールの遠心制動装置 - Google Patents

両軸受リールの遠心制動装置

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JPH11137139A
JPH11137139A JP31384397A JP31384397A JPH11137139A JP H11137139 A JPH11137139 A JP H11137139A JP 31384397 A JP31384397 A JP 31384397A JP 31384397 A JP31384397 A JP 31384397A JP H11137139 A JPH11137139 A JP H11137139A
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braking
spool
centrifugal
rotating member
members
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JP31384397A
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English (en)
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Kenichi Kawasaki
憲一 川崎
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両軸受リールの遠心制動装置において、制動
力の調整作業を一括して容易に行えるようにする。 【解決手段】 両軸受リールの遠心ブレーキ機構23
は、両軸受リールのリール本体1に装着されたスプール
を12遠心力により制動する装置であって、スプールに
連動する回転部材66と、回転部材の外周側に配置され
たブレーキライナー67と、回転部材に放射状に配置さ
れた複数の制動部材68a〜68fと、制動部材の移動
を規制する制動力調整部材69と、位置決め機構70と
を備えている。ここでは、制動力調整部材を回転部材に
対して相対回動させるとその回動位置に応じてブレーキ
ライナーの制動面に接触可能な制動部材の個数が変化
し、制動力を一括して変更可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心制動装置、特
に、両軸受リールのスプールを遠心力により制動する両
軸受リールの遠心制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】主にルアーフィッシングに用いられるベ
イトリールと呼ばれる両軸受リールでは、キャスティン
グ時にスプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くな
るバックラッシュが生じないように、制動力をスプール
に作用させることが一般に行われている。この種のブレ
ーキ機構としてスプールの回転により生じる遠心力を利
用してスプールを制動する遠心制動装置がある。
【0003】この種の遠心制動装置は、一般に、リール
本体に固定され内周面に制動面を有する筒状の固定部材
と、固定部材の内周側に前記固定部材と同芯に配置され
た回転部材と、回転部材に放射状に装着された複数の制
動部材とを備えている。回転部材は、スプールに連動し
て回転する。制動部材は、制動面に接触するように径方
向に移動自在に回転部材に装着されている。
【0004】この遠心制動装置では、スプールが回転す
ると、制動部材が遠心力により径方向外方に移動し制動
面と接触してスプールを制動する。この遠心力は回転速
度の二乗に比例して大きくなるので、糸巻取時のように
スプールが低速回転するときには制動力があまり大きく
ならず、キャスティング時のようにスプールが高速回転
すると大きくなる。このため、糸巻取時における抵抗が
小さくかつキャスティング時に大きな制動力でバックラ
ッシュを防止できるという特長がある。
【0005】この種の遠心制動装置では、制動力を調整
するために、径方向に移動する制動部材の数を変化させ
ている。このため、制動面に当接可能な作用位置と当接
不能な非作用位置とに制動部材を切り換えるロック機構
が設けられている。このロック機構を操作するために
は、従来、リール本体の側カバーをあけ、複数の制動部
材を手で作用位置又は非作用位置に切り換えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】たとえば、ルアーフィ
ッシングを行っているときに、プラグやワーム等の異な
る重さのルアーを使用する場合、制動力が一定である
と、ルアーの重さによりキャスティング時の飛距離が変
動する。このため、重さが異なるルアーを使用する場
合、重さに応じて制動力を調整するのが好ましい。しか
し、前記従来の遠心制動装置では、制動力を調整する都
度、ロック機構を1つずつ操作して移動可能な制動部材
の数を増減させる必要があり、制動力の調整が煩わし
い。
【0007】本発明の課題は、両軸受リールの遠心制動
装置において、制動力の調整作業を一括して容易に行え
るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルの遠心制動装置は、両軸受リールのリール本体に装着
されたスプールを遠心力により制動する装置であって、
回転部材と、固定部材と、複数の制動部材と、制動力調
整部材と、位置決め手段とを備えている。回転部材は、
リール本体の内部に設けられ、スプールに連動して回転
する部材である。固定部材は、リール本体の回転部材の
外周側に設けられ、回転部材と同芯に配置された制動面
を内周面に有する部材である。複数の制動部材は、制動
面の内周側に放射状に配置され径方向に移動自在に回転
部材に装着され遠心力により制動面に接触可能な部材で
ある。制動力調整部材は、回転部材に対して相対回動可
能であり制動面に接触可能な制動部材の個数を回転部材
との相対回動により調節して制動力を調整する部材であ
る。位置決め手段は、回転部材に対する制動力調整部材
の相対回動位置を複数の位置に位置決めする手段であ
る。
【0009】この遠心制動装置では、スプールが回転す
ると、それに連動して回転部材が回転し、制動部材が遠
心力により外方に移動する。そして、制動部材が制動面
に接触すると、摩擦により制動力が回転部材に作用しス
プールが制動される。このときの制動力は、制動力調整
部材により調節された制動面に接触可能な制動部材の数
によって決まる。この制動力の調整は、制動力調整部材
を回転部材に対して相対回動させ位置決め手段により相
対回動位置を位置決めすることで行える。相対回動位置
を変化させると、制動面に接触可能な制動部材の個数が
変化し、たとえば、すべての制動部材が制動面に接触し
ない制動力ゼロからすべての制動部材が制動面に接触す
る最大制動力まで段階的に制動力を調整できる。ここで
は、制動力調整部材を回転部材に対して相対回動させる
という簡単な操作で遠心力による制動力を一括して調整
でき、制動力の調整作業を容易に行える。
【0010】発明2に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明1に記載の装置において、制動部材は、制動面
に実質的に直交する方向に移動自在に回転部材に装着さ
れている。この場合には、制動部材が制動面に実質的に
垂直に当接するので、摩擦を発生させるための垂直抗力
が遠心力に等しくなる。このため、遠心力が制動力に効
率よく変換される。
【0011】発明3に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明1又は2に記載の装置において、制動部材は、
スプールの径方向に沿って移動するように放射状に配置
されている。この場合には、遠心力の作用する方向と制
動部材の移動方向とが同じ方向であるので、遠心力がそ
のまま制動部材に作用し、径方向に沿って移動しない場
合に比べて大きな制動力が得られる。
【0012】発明4に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、回
転部材は、スプールに連動して回転する回転部と、制動
面に向けて放射状に回転部に配置され、各制動部材を放
射方向にそれぞれ移動自在に案内するための複数のガイ
ド部とを有し、制動力調整部材は、各回動位置毎に各制
動部材の制動面への移動を異なる個数規制することで制
動面に接触可能な制動部材の個数を変更する移動規制手
段を有する。この場合には、スプールが回転すると回転
部が回転し各制動部材がガイド部に案内されて遠心力に
より制動面側に移動しようとする。しかし、制動部材が
制動面に接触しようとしても移動規制手段がそのうちの
いくつかの移動を規制すると、移動を規制された制動部
材は制動面に接触できない。この移動が規制される制動
部材の数は、相対回動位置により異なる。ここでは、制
動部材の移動を規制するという簡単な構成で制動力の調
整を容易に行える。
【0013】発明5に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明4に記載の装置において、移動規制手段は、周
方向に間隔を隔てて配置され制動部材に接触して制動面
への接触を禁止する複数の規制カム面と、規制カム面の
間において規制カム面より径方向外方に配置され制動部
材の接触を許可する複数の許可カム面とを有する。この
場合には、規制カム面に制動部材が接触すると制動面へ
の接触が禁止され規制された制動部材は制動力を発生し
ない。ここでは、2種のカム面により制動部材の移動を
簡単に規制できる。
【0014】発明6に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明5に記載の装置において、ガイド部は、回転部
に制動面に向けて放射状に立設されたガイド軸と、ガイ
ド軸に案内される制動部材のガイド軸回りの回転を禁止
するように回転部にガイド軸に近接して配置された回転
禁止手段とを有し、制動部材は、ガイド軸に回転かつ移
動自在に装着され先端が制動面に接触する筒状部と、筒
状部の外周面から突出して回転禁止手段に係止される回
転禁止片と、筒状部の外周面から突出して規制カム面に
係止される移動規制片とを有する。この場合には、回転
禁止片により制動部材の回転が禁止されるので、移動規
制片を常に規制カム面に係止させることができる。
【0015】発明7に係る両軸受リールの遠心制動装置
は、発明1から6のいずれかに記載の装置において、ス
プールは、スプール軸に回転不能に連結されており、回
転部材は、前記スプール軸に回転不能に連結されてい
る。この場合には、回転部材をスプール軸を介してスプ
ールに簡単に連動させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】〔全体構成〕図1は、本発明の一
実施形態が装着された両軸受リールの平面図である。図
に示す両軸受リールは、主にルアーフィッシングに用い
られるベイトリールであり、リール本体1と、リール本
体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、
ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用
のスタードラグ3とを備えている。ハンドル2は、板状
のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装
着された把手2bとを有するダブルハンドル形のもので
ある。ハンドル2のアーム部2aの外側面はつなぎ目が
ない滑らかな面で構成されており、釣り糸が絡みにくい
構造となっている。
【0017】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6及び第2側カバー7と、フレーム5の前部に開閉自
在に装着された前カバー10とを有している。フレーム
5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置さ
れた1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結す
る複数の連結部11とを有している。
【0018】ハンドル2側の第2側カバー7はネジによ
り側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆
側の第1側カバー6は、バヨネット構造14によりフレ
ーム5の側板8に着脱自在に装着されている。ハンドル
2と逆側の側板8には、スプール12が通過可能な開口
8aが形成されている。前カバー10は、側板8,9に
対して、閉位置と開位置との間で開閉自在である。
【0019】フレーム5内には、図2に示すように、ス
プール12と、スプール12内に釣り糸を均一に巻くた
めのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の
親指の当てとなるサムレスト17とが配置されている。
フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2か
らの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15
に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13と、
サムレスト17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱
を行うためのクラッチ係脱機構19と、ドラグ機構21
と、キャスティングコントロール機構22とが配置され
ている。また、フレーム5と第1側カバー6との間に
は、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための
遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0020】〔スプール部分の構成〕スプール12は、
両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フラ
ンジ部12aの間に筒状の糸巻き胴部12bを有してい
る。また、スプール12は、糸巻き胴部12bの内周側
の軸方向の実質的に中央部に一体で形成された筒状のボ
ス部12cを有しており、ボス部12cを貫通するスプ
ール軸16にたとえばセレーション結合により回転不能
に固定されている。この固定方法はセレーション結合に
限定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合
方法を用いることができる。
【0021】スプール軸16は、図3に示すように、側
板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。そ
の延びた一端は、第2側カバー7に形成されたボス部2
9に軸受35bにより回転自在に支持されている。また
スプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸
受35aより回転自在に支持されている。これらの軸受
はシールドボールベアリングである。スプール軸16
は、スプール12が固定される中央部の大径部分16a
と、その両端に形成された2つの小径部分16b,16
cとを有している。
【0022】大径部分16aは、スプール12の糸巻き
胴部12bの内部の空間内に配置されており、その中央
部外周面にはスプール12を固定するためのセレーショ
ン16dが形成されている。大径部分16aの図3右端
にはクラッチ機構13を構成する平行な面取り部16e
が形成されている。大径部分16aの図3左端には遠心
ブレーキ機構23の回転部材66を固定するためのセレ
ーション16fが形成されている。左側の小径部分16
cの先端部は軸受35aによりブレーキケース65に支
持されている。右側の小径部分16bには、ピニオンギ
ア32が軸方向に移動自在に支持されている。なお、ス
プール軸16の両端は回転抵抗の増加を抑えるために球
状面になっている。
【0023】レベルワインド機構15は、図2に示すよ
うに、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25
と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシ
ャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォ
ームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成する
ギア28aが固定されている。またウォームシャフト2
6には交差する螺旋状溝26aが形成されており、ライ
ンガイド27がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。
このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26
が回転させられることにより、ラインガイド27はガイ
ド筒25に沿って往復動する。このラインガイド27内
に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻
き付けられる。
【0024】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状
のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端
部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不
能に固定され、ギア28aに噛み合うギア28bとを有
している。ピニオンギア32は、図3に示すように、側
板9の外方に配置され中心にスプール軸16が貫通する
筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動自在に
装着されている。ピニオンギア32は、図3右端側外周
部に形成されメインギア31に噛合する歯部32aと、
他端側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと
噛み合い部32bとの間に形成されたくびれ部32cと
を有している。噛み合い部32bは、ピニオンギア32
の端面に形成された小判状の凹穴からなり、そこにスプ
ール軸16の大径部分16aの端部に形成された面取り
部16eが係止される。ここではピニオンギア32が外
方に移動してその噛み合い部32bの凹穴とスプール軸
16の面取り部16eとが離脱すると、ハンドル軸30
からの回転力はスプール12に伝達されない。この噛み
合い部32bの凹穴と面取り部16eとによりクラッチ
機構13が構成される。
【0025】サムレスト17は、図2に示すように、1
対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置され
ており、クラッチ操作レバーを兼ねている。フレーム5
の側板8,9には長孔(図示せず)が形成されており、
サムレスト17の回転軸17aがこの長孔に回転自在に
支持されている。このため、サムレスト17は長孔に沿
って上下方向にスライドすることも可能である。
【0026】クラッチ係脱機構19は、図3に示すよう
に、クラッチヨーク40を有している。クラッチ係脱機
構19は、サムレスト17の回動によりクラッチヨーク
40をスプール軸16の軸芯と平行に移動させる。ま
た、ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると自動
的にクラッチ機構13がオンするようにクラッチヨーク
40を移動させる。クラッチヨーク40は、スプール軸
16の外周側に配置されており、2本のピン41(一方
のみ図示)によってスプール軸16の軸心と平行に移動
可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッ
チヨーク40に対して相対回転が可能である。すなわ
ち、スプール軸16が回転してもクラッチヨーク40は
回転しないようになっている。またクラッチヨーク40
はその中央部にピニオンギア32のくびれ部32cに係
合する係合部40aを有している。またクラッチヨーク
40を支持する各ピン41の外周で、クラッチヨーク4
0と第2側カバー7との間にはスプリング42が配置さ
れており、クラッチヨーク40はスプリング42によっ
て常に内方(クラッチ係合側)に付勢されている。
【0027】このような構成において、通常状態では、
ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置して
おり、その噛み合い部32bとスプール軸16の面取り
部16eとが係合してクラッチオン状態となっている。
一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が
外方に移動した場合には、噛み合い部32bと面取り部
16eとの係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0028】ドラグ機構21は、図2に示すように、メ
インギア31に押圧される摩擦プレート45と、スター
ドラグ3の回転操作によって摩擦プレート45をメイン
ギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート46
とを有している。キャスティングコントロール機構22
は、図3に示すように、スプール軸16の両端を挟むよ
うに配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレー
ト51によるスプール軸16の挟持力を調節するための
キャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51
は、ブレーキケース65内に装着されている。キャップ
52は、ボス部29に埋め込まれており、特殊な工具を
用いないかぎり操作できないようになっている。このキ
ャスティングコントロール機構22は、制動力を調整す
る目的よりスプール軸16の軸方向のがたを少なくする
ために用いられる。したがって、この実施形態では、こ
のキャスティングコントロール機構22でスプール12
に制動力を作用させることはほとんどない。
【0029】〔遠心ブレーキ機構の構成〕遠心ブレーキ
機構23は、図3に示すように、ブレーキケース65
と、ブレーキケース65内に設けられスプール12に連
動して回転する回転部材66と、ブレーキケース65の
内周面に固定された固定部材であるブレーキライナー6
7と、ブレーキライナー67の内周側に周方向に間隔を
隔てて放射状に配置されたたとえば6個の制動部材68
a〜68fとを有している。また、遠心ブレーキ機構2
3は、制動力を一括して調整するために回転部材66と
相対回動自在に設けられた制動力調整部材69と、制動
力調整部材69を複数の回動位置のいずれかで位置決め
するための位置決め機構70と、回転部材66と制動力
調整部材69との回動角度を所定範囲に規制する回動規
制機構75とを有している。
【0030】ブレーキケース65は、有底短筒状の部材
であり、その底部中心に外方及び内方に突出する筒状の
軸受収納部65aが形成されている。ここに、スプール
軸16を支持する軸受35aが収納され、その底面にキ
ャスティングコントロール機構22の摩擦プレート51
が装着されている。ブレーキケース65は、第1側カバ
ー6に2本のネジ80a,80bにより固定されてい
る。ブレーキケース65の外周面にはバヨネット構造1
4を構成する突起部14aが周方向に間隔を隔てて3か
所形成されている。なお、開口8aには、この突起部1
4aに対向する位置に係止爪14bが形成されている。
係止爪14bは、開口から外方にL字形に突出して形成
されている。
【0031】回転部材66は、図3及び図4に示すよう
に、スプール軸16にセレーション結合され回転不能に
連結された回転部71と、ブレーキライナー67に実質
的に直交するように放射状に回転部71に立設された、
たとえば6本のガイド軸72a〜72fとを有してい
る。回転部71は、中心にボス部71aを有する筒状の
部材であり、その右端部外周面には、ガイド軸72a〜
72fに対向して回転規制片71bが放射状に形成され
ている。回転規制片71bには径方向に沿って規制溝7
1cが形成されている。回転部71の図4外周側左側面
には、凹所71dが点対称の位置に形成されている。こ
の凹所71dに位置決め機構70及び回動規制機構75
が収容される。
【0032】ブレーキライナー67は、円筒状の部材で
あり、内周面が制動面67aとなっている。各制動部材
68a〜68fは、遠心力によりブレーキライナー67
に接触可能である。制動部材68a〜68fは、ガイド
軸72a〜72fにそれぞれ軸方向に移動自在に装着さ
れている。制動部材68a〜68fの下部外周面には、
径方向外方に延びる2本の係止ピン73a,73bがそ
れぞれ対向して立設されている。係止ピン73aは、後
述する制動力調整部材69の調整カム74に係止され、
係止ピン73bは、規制溝71cに係止される。係止ピ
ン73aが調整カム74に係止されることで制動部材6
8a〜68fの軸方向の移動が規制される。また、係止
ピン73bが規制溝71cに係止されることで制動部材
68a〜68fがガイド軸72a〜72f回りに回転し
なくなり、係止ピン73aが調整カム74に確実に係止
される。
【0033】制動力調整部材69は、回転部材66に相
対回動自在に装着され、制動面67aに接触可能な制動
部材68a〜68fの個数を回転部材66との相対回動
により調節して制動力を調整する略円形の部材である。
制動力調整部材69は、回転部材66に対向する位置で
スプール軸16に回転自在に装着されている。この結
果、回転部材66に対して相対回動可能である。制動力
調整部材69の図3右側面には、係止ピン73aが係止
される変形リング状の調整カム74が突出して形成され
ている。また、調整カム74の内周側には、図5に示す
ように、位置決め機構70を構成する7つの位置決め穴
76a〜76gと回動規制機構75を構成する回動規制
穴77が形成されている。
【0034】調整カム74は、制動部材68a〜68f
の制動面67aへの接触を可能にする大径の移動許可面
74aと接触を禁止するする小径の移動規制面74bと
を有している。移動許可面74aと移動規制面74bと
は交互に形成されており、それぞれの周方向長さは、図
7に示すように、回転部材66と制動力調整部材69の
相対回動位置によりが制動部材68a〜68fが異なる
個数移動規制されるように定められている。
【0035】位置決め穴76a〜76gは、図5に示す
ように、回転部材66と制動力調整部材69の相対回動
位置を7段階に位置決めするための穴であり、円周方向
に等角度間隔で形成されている。この角度は、たとえは
制動部材の数が6個の場合には、60/(6+1)=8
度34分である。回動規制穴77は、位置決め穴76a
〜76gと点対称の位置に形成された円弧上の穴であ
り、その円周方向の長さは、位置決め穴76aから位置
決め穴76gまでの長さに等しい。
【0036】また、図6に示すように、制動力調整部材
69の側面には長円形の表示窓78が点対称に2つ形成
されている。この表示窓78は、制動力の大きさをスプ
ール12の外方から確認するために設けられている。表
示窓78に対向する回転部71の側面には、図4に示す
ように制動力を7段階で表示するための、たとえば
「0」から「6」の7つの数字が円周方向に等間隔で記
されている。表示窓78からは制動力調整部材69の回
動位置によりいずれかの数字を視認できるようになって
いる。ここで、位置決め穴76aに両部材66,69が
位置決めされると表示窓78から「0」の数字が視認さ
れ、位置決め穴76gに位置決めされると「6」の数字
が視認できるにようになっている。
【0037】位置決め機構70は、前記位置決め穴76
a〜76gと、図4に示す位置決めピン81及びコイル
ばね82とを有している。位置決めピン81は、凹所7
1dの一方に位置決め穴76a〜76gに対向するよう
に軸方向に移動自在に収容されている。位置決めピン8
1の先端は半球状に形成されており、軸方向の途中にコ
イルばね82を係止するための大径部が形成されてい
る。コイルばね82は、位置決めピン81の外周側に圧
縮状態で配置されており、位置決めピン81を制動力調
整部材69側に付勢する。
【0038】ここでは、位置決め穴76aに位置決めピ
ン81が当接する位置に制動力調整部材69が位置決め
されると、図5の実線で示す位置に全ての制動部材68
a〜68fが配置され、係止ピン73aは移動規制面7
4bに規制されて制動面67aに接触できない。そし
て、制動力調整部材69を図5の矢印方向に回転させる
と、位置決めされる毎に制動面67aに接触可能な制動
部材の数が一つずつ増加し、位置決め穴76gに位置決
めピン81が当接する位置に制動力調整部材69が位置
決めされると全ての制動部材68a〜68fが制動面6
7aに接触可能になり最大の制動力が得られる。位置決
め位置と、制動面67aに接触可能な制動部材68a〜
68fの数との関係を図7に示す。なお、図7では、制
動面67aに接触可能な制動部材68a〜68fを
「○」で、接触不能な制動部材68a〜68fを「×」
で表示している。図7から明らかなように、制動部材6
8a〜68fの一部が制動面67aに接触可能なとき
(たとえは位置決め穴76c,76d,76eで位置決
めされるとき)、接触可能な制動部材68a〜68fが
バランスよく配置されるように移動規制面74bが形成
されている。このように移動規制面74bが形成されて
いるので、制動時の回転バランスが崩れにくい。 〔リールの動作〕通常の状態では、クラッチヨーク40
はスプリング42によって内方(図3左方)に押されて
おり、これによりピニオンギア32は、係合位置に移動
させられている。この状態ではピニオンギア32の噛み
合い部32bとスプール軸16の面取り部16eとが噛
み合ってクラッチオン状態となっており、ハンドル2か
らの回転力は、ハンドル軸30、メインギア31、ピニ
オンギア32及びスプール軸16を介してスプール12
に伝達され、スプール12が糸巻き取り方向に回転す
る。このとき、遠心ブレーキ機構23の制動部材68a
〜68fに遠心力が作用し制動部材68a〜68fが径
方向外方に移動するが、スプール12の回転速度が遅い
ため、制動力はそれほど大きくならず、ハンドル2の回
転の邪魔になることはない。
【0039】キャスティングを行う場合には、バックラ
ッシュを抑えるために制動力を調整する。ここでは、た
とえばルアー(仕掛け)の質量に応じて制動力を調整す
るのが好ましい。具体的には、ルアーの質量が大きい場
合には制動力を大きくし、小さい場合には小さくする。
制動力を調整する場合には、まず、バヨネット構造14
で連結された第1側カバー6をフレーム5から外す。こ
の結果、遠心ブレーキ機構23のブレーキケース65か
らスプール軸16がはずれる。そして、制動力調整部材
69が外部から視認可能になる。この状態でスプール1
2を押さえて制動力調整部材69を徐々に回転させる。
すると、回動位置が変化しそれにより制動面67aに接
触可能な制動部材68a〜68fの数が変化して制動力
が変化する。制動力の調整を終了すると第1側カバー6
をフレーム5に取り付ける。
【0040】続いて、サムレスト17を下方に押す。こ
こでは、サムレスト17は、側板8,9の長孔に沿って
下方の離脱位置に移動する。そしてサムレスト17の移
動により、クラッチヨーク40が外方に移動し、クラッ
チヨーク40に係合したピニオンギア32も同方向に移
動させられる。この結果、ピニオンギア32の噛み合い
部32bとスプール軸16の面取り部16eとのかみあ
いが外れ、クラッチオフ状態となる。このクラッチオフ
状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール12及
びスプール軸16に伝達されず、スプール12は自由回
転状態になる。クラッチオフ状態として、サムレスト1
7においた親指でスプールをサミングしながらスプール
軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣
り竿を振ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り
出し方向に勢いよく回転する。
【0041】このような状態では、スプール12の回転
によりスプール軸16が糸繰り出し方向に回転し、その
回転が回転部材66に伝達される。回転部材66が回転
すると、接触可能な制動部材68a〜68fがブレーキ
ライナー67に摺接して遠心ブレーキ機構23によりス
プール12が制動されバックラッシュを防止できる。ま
た、万一スプール12でバックラッシュが生じても第1
側カバー6がバヨネット構造14により簡単に着脱でき
るので、スプール12を取り出してバックラッシュを容
易に解消できる。
【0042】また、質量が異なるルアーに取り替える時
には、前記と同様にル第1側カバー6を外して制動力調
整部材69を適宜相対回動させればよい。ここでは、制
動力調整部材69を回転部材66に対して相対回動させ
れば制動部材68a〜68fの移動を一括して調節で
き、制動力を簡単に調整できる 〔他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、調整カムにより制動部材6
8a〜68fの移動を規制したが、制動部材68a〜6
8fの規制手段はカムに限定されない。
【0043】(b) 前記実施形態では、スプール軸1
6にスプール12が固定されているので、回転部材66
をスプール軸16に取り付けたが、スプール12がスプ
ール軸16に回転自在に装着されている場合には、スプ
ール12に回転部材を直接固定すればよい。。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、制動力調整部材を回
転部材に対して相対回動させるという簡単な操作で遠心
力による制動力を一括して調整でき、制動力の調整作業
を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
平面図。
【図2】その断面平面図。
【図3】そのスプール周辺部の断面拡大図。
【図4】遠心ブレーキ機構の分解斜視図。
【図5】制動力調整部材の右側面図。
【図6】制動力調整部材の左側面図。
【図7】回動位置と制動力の大きさとの関係を示す図。
【符号の説明】
1 リール本体 12 スプール 16 スプール軸 23 遠心ブレーキ機構 66 回転部材 67 ブレーキライナー 67a 制動面 68a〜68f制動部材 69 制動力調整部材 70 位置決め機構 71 回転部 71b回転規制片 72a〜72f ガイド軸 73a,73b 係止ピン 74 調整カム 74a移動許可面 74b移動規制面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両軸受リールのリール本体に装着されたス
    プールを遠心力により制動する両軸受リールの遠心制動
    装置であって、 前記リール本体の内部に設けられ、前記スプールに連動
    して回転する回転部材と、 前記リール本体の前記回転部材の外周側に設けられ、前
    記回転部材と同芯に配置された制動面を内周面に有する
    固定部材と、 前記制動面の内周側に放射状に配置され放射方向に移動
    自在に前記回転部材に装着され遠心力により前記制動面
    に接触可能な複数の制動部材と、前記回転部材に対して
    相対回動可能であり前記制動面に接触可能な前記制動部
    材の個数を前記回転部材との相対回動により調節して制
    動力を調整する制動力調整部材と、前記回転部材に対す
    る前記制動力調整部材の相対回動位置を複数の位置に位
    置決めする位置決め手段と、を備えた両軸受リールの遠
    心制動装置。
  2. 【請求項2】前記制動部材は、前記制動面に実質的に直
    交する方向に移動自在に前記回転部材に装着されてい
    る、請求項1に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  3. 【請求項3】前記制動部材は、前記スプールの径方向に
    沿って移動するように放射状に配置されている、請求項
    1又は2に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  4. 【請求項4】前記回転部材は、 前記スプールに連動して回転する回転部と、 前記制動面に向けて放射状に前記回転部に配置され前記
    各制動部材を前記放射方向にそれぞれ移動自在に案内す
    るための複数のガイド部とを有し、 前記制動力調整部材は、前記各回動位置毎に前記各制動
    部材の前記制動面への移動を異なる個数規制すること
    で、前記制動面に接触可能な前記制動部材の個数を変更
    する移動規制手段を有する、請求項1から3のいずれか
    に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  5. 【請求項5】前記移動規制手段は、周方向に間隔を隔て
    て配置され前記制動部材に接触して前記制動面への接触
    を禁止する複数の規制カム面と、前記規制カム面の間に
    おいて前記規制カム面より径方向外方に配置され前記制
    動部材の接触を許可する複数の許可カム面とを有する、
    請求項4に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  6. 【請求項6】前記ガイド部は、前記回転部に前記制動面
    に向けて放射状に立設されたガイド軸と、前記ガイド軸
    に案内される制動部材の前記ガイド軸回りの回転を禁止
    するように前記回転部に前記ガイド軸に近接して配置さ
    れた回転禁止手段とを有し、 前記制動部材は、前記ガイド軸に回転かつ移動自在に装
    着され先端が前記制動面に接触する筒状部と、前記筒状
    部の外周面から突出して前記回転禁止手段に係止される
    回転禁止片と、前記筒状部の外周面から突出して前記規
    制カム面に係止される移動規制片とを有する、請求項5
    に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  7. 【請求項7】前記スプールは、スプール軸に回転不能に
    連結されており、 前記回転部材は、前記スプール軸に回転不能に連結され
    ている、請求項1から6のいずれかに記載の両軸受リー
    ルの遠心制動装置。
JP31384397A 1997-11-14 1997-11-14 両軸受リールの遠心制動装置 Pending JPH11137139A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100646436B1 (ko) * 1999-08-04 2006-11-14 가부시키가이샤 시마노 양 베어링 릴의 원심제동장치

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