JPH11134535A - 硬貨入出金装置 - Google Patents

硬貨入出金装置

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JPH11134535A
JPH11134535A JP9297544A JP29754497A JPH11134535A JP H11134535 A JPH11134535 A JP H11134535A JP 9297544 A JP9297544 A JP 9297544A JP 29754497 A JP29754497 A JP 29754497A JP H11134535 A JPH11134535 A JP H11134535A
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coin
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Hisashi Kawahara
恒 河原
Yuichi Hayata
雄一 早田
Takashi Fu
貴 傅
Masahito Tanigawa
正仁 谷川
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Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定金種硬貨については入金硬貨を金種別に
収納する金種別硬貨収納繰出部112 を設定せず、それで
いて特定金種硬貨の入金収納を可能とする。 【解決手段】 入金硬貨を識別し、入金可能な硬貨を一
時保留する。一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含まれて
いない場合には、搬送手段25によって一時保留硬貨を硬
貨選別部へ送って選別させるとともに金種別硬貨収納繰
出部112 へ収納させる。一時保留硬貨中に特定金種硬貨
が含まれている場合には、回収手段106 によって一時保
留硬貨を回収カセット174 へ収納させる。回収カセット
174 には金種別硬貨収納繰出部112 からのオーバーフロ
ー硬貨および回収硬貨を一括して収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金種別の収納部が
設定されていない硬貨の入金も可能な硬貨入出金装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬貨入出金装置は、入金時に、入
金口ヘ投入された入金硬貨を、回転円盤などの繰出手段
によって硬貨通路に1枚ずつ繰り出し、硬貨通路上を搬
送しつつ識別用のセンサによって金種識別を行ない、そ
の識別結果に応じて異種硬貨などを電気的駆動手段によ
って強制的に排除孔に落下させて排除し、正常な硬貨を
通過させて硬貨選別通路へ送って金種別の選別孔を通じ
て選別した状態で一時保留し、別途指示入力される入金
承認指示によって一時保留硬貨をそのまま落下させて下
方の金種別硬貨収納繰出部へ分類収納するとともに、返
却指示が入力された場合には一時保留硬貨を返却用のコ
ンベア上へ移動させてそのコンベアによって一時保留硬
貨を返却口ヘ返却するようになっている。
【0003】また、出金時には必要な金種の金種別硬貨
収納繰出部を作動させて必要金種枚数の硬貨を繰り出す
とともに出金口へ投出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、OA化が進み、
貨幣処理機が金融機関以外の様々な所に導入されつつあ
り、例えば駅の窓口や高速道路の料金所といったところ
にも貨幣を入出金する紙幣入出金機や硬貨入出金機が導
入されている。そして、このような所では、金融機関に
比べて硬貨の処理量が少なく、処理金種も少ないことか
ら低価格の機械が要望されている。
【0005】特に、1円と5円の低額硬貨については切
符や通行料が10円単位で設定されている関係上、使用
頻度が極めて少ないのが実状である。
【0006】にも拘わらず、前述した全ての金種を金種
別に選別して収納する硬貨入出金機では、1円と5円の
金種別硬貨収納繰出部が殆ど使用されず、スペース的に
も稼働効率においても非常に不経済であるという問題が
ある。
【0007】そこで、自動販売機の硬貨処理部のように
1円と5円の選別孔ならびに金種別硬貨収納繰出部をな
くして、1円と5円の硬貨を処理対象外にすることも考
えられるが、自動販売機のように顧客自身が操作する機
械であれば処理対象外の硬貨があっても顧客は納得する
が、駅の窓口や高速道路の料金所といったところで使用
される機械の場合、係員が硬貨を受け取って機械に入金
するため、1円と5円の硬貨を処理対象外の硬貨である
といって受け取りを拒否することもできず、受け取らざ
るを得ないが、機械には入金できず、処理可能な硬貨に
両替して入金したり、あるいはキー操作によってデータ
上だけ入金して硬貨の現物は別に保管するといった特殊
な操作を行なわなければならず、操作性が非常に悪いと
いう問題がある。
【0008】また、駅の窓口や高速道路の料金所といっ
たところでは、硬貨についていえば顧客から多数枚の硬
貨が同時に支払われることがほとんど無く、同時に支払
われる硬貨の枚数の平均は2枚程度であり、10枚以上
の硬貨が同時に支払われる可能性としては1パーセント
以下であるというのが実状である。
【0009】にも拘わらず、前述した硬貨入出金装置で
は、金融機関での使用を対象としているため、受け取っ
た硬貨を一時保留する一時保留部が金種別でしかも大容
量となっており、装置の小型化ひいては低価格化の妨げ
となってる。また、入金硬貨を返却するためのコンベア
や駆動手段も必要としていたために低価格化できないと
いう問題もある。
【0010】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、例えば使用頻度が少ない硬貨については金種別硬
貨収納繰出部を設定しないことにより、装置の低コスト
化ならびに効率化を図るとともに、その金種別硬貨収納
繰出部を設定しない硬貨についても入金を可能にして操
作性を向上させることができ、さらに、入金硬貨を簡単
な構成により一時保留することができる低価格な硬貨入
出金装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の硬貨入出
金装置は、入金口に投入された入金硬貨を1枚ずつ搬送
しつつ識別し、入金可能な硬貨を一時保留した後に、入
金承認指示によって一時保留硬貨を収納し、返却指示に
よって一時保留硬貨を返却するとともに、出金指示によ
って必要な硬貨を出金する硬貨入出金装置において、前
記一時保留硬貨を受け入れて特定金種硬貨以外の硬貨を
金種別に選別する硬貨選別部と、この硬貨選別部で選別
された特定金種硬貨以外の硬貨を金種別に収納するとと
もに1枚ずつ繰り出し可能とする金種別硬貨収納繰出部
と、この金種別硬貨収納繰出部に対応したオーバーフロ
ー硬貨および回収硬貨を一括して収納する回収カセット
と、前記一時保留硬貨を硬貨選別部へ搬送する搬送手段
と、前記一時保留硬貨を前記回収カセットへ収納させる
回収手段と、前記一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含ま
れていない場合には、前記搬送手段によって一時保留硬
貨を前記硬貨選別部へ送って選別させるとともに前記金
種別硬貨収納繰出部へ収納させ、かつ、一時保留硬貨中
に特定金種硬貨が含まれている場合には、前記回収手段
によって一時保留硬貨を前記回収カセットへ収納させる
制御部とを具備しているものである。
【0012】入金可能な硬貨を一時保留した後、入金承
認操作があると、一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含ま
れていない場合には、搬送手段によって一時保留硬貨を
硬貨選別部へ送って選別させるとともに金種別硬貨収納
繰出部へ収納させ、一方、一時保留硬貨中に特定金種硬
貨が含まれている場合には、回収手段によって一時保留
硬貨を回収カセットへ収納させる。
【0013】特定金種硬貨については金種別硬貨収納繰
出部を設定しないことにより、装置の低コスト化とスペ
ースおよび稼働効率の効率化とを図り、しかも、その金
種別硬貨収納繰出部を設定しない特定金種硬貨の入金が
あった場合には、入金確定後に回収カセットヘ収納する
ことにより入金を可能にして操作性を向上させる。
【0014】請求項2記載の硬貨入出金装置は、請求項
1記載の硬貨入出金装置において、入金口に投入された
入金硬貨を1枚ずつ搬送しつつ識別し、入金可能な硬貨
を一時保留した後に、入金承認指示によって一時保留硬
貨を収納し、返却指示によって一時保留硬貨を返却する
とともに、出金指示によって必要な硬貨を出金する硬貨
入出金装置において、搬送される硬貨を識別する識別部
が設けられた識別通路部と、この識別通路部の下流側に
設けられ、下流側および上流側のいずれの方向に搬送さ
れる硬貨も任意に排除可能とする電気的駆動手段を有す
る排除部が設けられた排除通路部と、この排除通路部の
下流側に設けられ、所定枚数の硬貨を整列状態で一時保
留可能とする通路長さを有する一時保留通路部と、この
一時保留通路部の末端の通路上へ進退可能に設けられ、
進出時に硬貨を停止させるとともに退避時に硬貨の通過
を許容するストッパ手段と、前記一時保留通路部の下流
側に設けられ、特定金種硬貨以外の硬貨を金種別に選別
する選別通路部と、この硬貨選別部で選別された特定金
種硬貨以外の硬貨を金種別に収納するとともに1枚ずつ
繰り出し可能とする金種別硬貨収納繰出部と、この金種
別硬貨収納繰出部に対応したオーバーフロー硬貨および
回収硬貨を一括して収納する回収カセットと、前記識別
通路部、排除通路部、一時保留通路部および選別通路部
において硬貨を下流側に搬送するとともに、少なくとも
排除通路部および一時保留通路部において硬貨を上流側
に搬送可能とする搬送手段と、前記排除通路部で排除さ
れる一時保留硬貨を前記回収カセットヘ収納させる回収
手段と、硬貨入金時に前記ストッパ手段を通路上へ進出
させて入金可能な硬貨を前記一時保留通路部で一時保留
させ、入金承認指示により、一時保留硬貨中に特定金種
硬貨が含まれていない場合には、前記ストッパ手段を通
路上から退避させて一時保留硬貨を下流側へ搬送させて
前記選別通路部で選別するとともに前記金種別硬貨収納
繰出部へ収納させ、かつ、一時保留硬貨中に特定金種硬
貨が含まれている場合には、一時保留硬貨を上流側へ搬
送させて前記排除通路部で排除するとともに前記回収手
段で前記回収カセットヘ収納させる制御部とを具備して
いるものである。
【0015】硬貨入金時において、入金口に投入された
硬貨を1枚ずつ搬送して識別通路部で識別し、入金不可
能な硬貨を排除通路部で排除し、入金可能な硬貨を通路
上にストッパ手段が進出している一時保留通路部の通路
上に沿って一時保留する。入金可能な硬貨を一時保留し
た後、入金承認操作があると、一時保留硬貨中に特定金
種硬貨が含まれていない場合には、ストッパ手段を通路
上から退避させて一時保留硬貨を下流側へ搬送させて選
別通路部で選別するとともに金種別硬貨収納繰出部へ収
納させ、一方、一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含まれ
ている場合には、一時保留硬貨を上流側へ搬送させて排
除通路部で排除するとともに回収手段で前記回収カセッ
トヘ収納させる。
【0016】特定金種硬貨については金種別硬貨収納繰
出部を設定しないことにより、装置の低コスト化とスペ
ースおよび稼働効率の効率化とを図り、しかも、その金
種別硬貨収納繰出部を設定しない特定金種硬貨の入金が
あった場合には、入金確定後に回収カセットヘ収納する
ことにより入金を可能にして操作性を向上させる。さら
に、入金硬貨を通路上で一時保留することにより、簡単
な構成により低価格化を可能とする。
【0017】請求項3記載の硬貨入出金装置は、請求項
1または2記載の硬貨入出金装置において、特定金種硬
貨は低額金種硬貨である。
【0018】例えば1円や5円などの低額金種硬貨の使
用頻度が少ない場合、例えば駅の窓口や高速道路の料金
所といったところでの使用に有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬貨入出金装置の
一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】図1は硬貨入出金機の内部機構の側面図、
図2は硬貨入出金機の内部機構の平面図、図3は金種別
硬貨収納繰出部の断面図、図4は制御系のブロック図で
ある。
【0021】図1および図2において、1は硬貨入出金
機の機体で、この機体1は、前後方向(図1および図2
左右方向)の奥行き寸法および上下方向の高さ寸法が大
きく、左右方向(図2上下方向)の幅寸法が小さい箱形
に形成されている。
【0022】機体1の上面前端近傍には硬貨(図中に符
号Cで示す)を多金種混合状態で一度に投入可能とする
入金口2が形成され、この入金口2には硬貨を受け入れ
て下方へ導くホッパ3が配設され、このホッパ3の下方
に繰出手段4が配設されている。
【0023】繰出手段4は、回転円盤5を有し、この回
転円盤5は、機体1内の上部にほぼ水平に配設されるベ
ース板6に対して回転自在に支持され、モータM1(図4
に示す)によって図2矢印方向(図2反時計回り方向)
に回転駆動される。回転円盤5の周囲のベース板6上に
は周壁7が形成され、この周壁7の前側部分には回転円
盤5に一面が接する硬貨が1層状態で通過可能とする図
示しない繰出口が形成されている。そして、回転円盤5
の回転による遠心力により、回転円盤5上に投入された
硬貨が周壁7に沿って移動しながら繰出口を通じてその
繰出口に接続された硬貨通路11に1枚ずつ繰り出され
る。
【0024】硬貨通路11は、回転円盤5の前方に形成さ
れる導入通路部12、機体1の前面域の沿って形成される
識別通路部13、機体1の右前側域に沿って形成される排
除通路部14、機体1の右後側域に沿って形成される一時
保留通路部15、機体1の後面域に沿って形成される接続
通路部16、機体1の左後側域に沿って形成される選別通
路部17を有し、これら各通路部12〜17が上流側の導入通
路部12から下流側の選別通路部17まで連続して形成され
ている。なお、一時保留通路部15と選別通路部17とがほ
ぼ平行に配置され、一時保留通路部15、接続通路部16お
よび選別通路部17によって平面視がほぼUの字状に形成
されている。
【0025】これら各通路部12〜17は、ベース板6上に
形成され、そのベース板6の上面を通路面21とし、通路
部12〜17の両側には通路内を搬送される硬貨の周縁両側
をガイドする側板22,23が連続して配設されている。
【0026】硬貨通路11の上方には、通路内の硬貨を搬
送する搬送手段25が配設されている。搬送手段25は、導
入通路部12および識別通路部13に張設された搬送ベルト
26、排除通路部14に張設された搬送ベルト27、一時保留
通路部15に張設された搬送ベルト28、接続通路部16に張
設された搬送ベルト29、選別通路部17に張設された搬送
ベルト30を有している。
【0027】搬送ベルト26は、上流側のプーリ31および
下流側のプーリ32に張設されるとともに、識別通路部13
の両端に水平に配置された方向変換用のプーリ33に張設
されている。搬送ベルト27は、上流側のプーリ32(搬送
ベルト26と共用)および下流側のプーリ34に張設されて
いる。搬送ベルト28は、上流側のプーリ35および下流側
のプーリ36に張設されている。搬送ベルト29は、上流側
のプーリ37および下流側のプーリ38に張設されるととも
に、接続通路部16の両端に水平に配置された方向変換用
のプーリ39に張設されている。搬送ベルト30は、上流側
のプーリ38(搬送ベルト29と共用)および下流側のプー
リ40に張設されている。
【0028】搬送ベルト27の下流側のプーリ34にはモー
タM2からの駆動力が伝達され、搬送ベルト26,27が正転
方向(上流側から下流側に硬貨を搬送する方向)または
逆転方向(下流側から上流側に硬貨を搬送する方向)に
回転駆動される。搬送ベルト28の下流側のプーリ36には
モータM3からの駆動力が伝達され、搬送ベルト28が正転
方向または逆転方向に回転駆動される。搬送ベルト30の
下流側のプーリ40にはモータM4からの駆動力が伝達さ
れ、搬送ベルト29,30が少なくとも正転方向に回転駆動
される。そして、各搬送ベルト26〜30の回転により、各
搬送ベルト26〜30の下側にくわえ込んだ硬貨を通路面21
に押し付けながら搬送する。
【0029】また、導入通路部12には、回転円盤5から
繰り出される硬貨を導入通路部12内に強制的に取り込む
取込ローラ41が配設されている。この取込ローラ41は、
回転円盤5と共通のモータM1によって回転円盤5より高
速回転され、回転円盤5から導入通路部12へ繰り出され
る過程にある硬貨を高速で導入通路部12に取り込んで、
続いて回転円盤5から導入通路部12へ繰り出される硬貨
との間隔をあけ、したがって、硬貨通路11内における硬
貨の前後方向の間隔をあけるように構成されている。
【0030】また、識別通路部13には、搬送される硬貨
の適正、不適正、金種などを識別する例えば材質セン
サ、イメージセンサなどを有する識別部45が配設されて
いる。
【0031】識別通路部13の識別部45の下流には、識別
通路部13内を下流側へ搬送される硬貨を任意に停止させ
る第2のストッパ手段46が配設されている。この第2の
ストッパ手段46は、通路面21の中央近傍で下方から通路
上に進退可能に配設されたピン47を有し、ピン47の下端
が中央部を支点として揺動可能とする揺動レバー48の一
端に連結され、揺動レバー48の他端がソレノイドSD1 の
プランジャに連結され、揺動レバー48の一端にピン47を
下方へ付勢する図示しないスプリングが連結されてい
る。そして、ソレノイドSD1 の非励磁時にはスプリング
の付勢でピン47が下降(退避)され、ソレノイドSD1 の
励磁時にはスプリングの付勢に抗してピン47が上昇(進
出)される。
【0032】また、排除通路部14には、一側の側板22
に、搬送ベルト27に近接するように通路内方に突出する
基準縁部51が形成され、この基準縁部51の上流側には上
流側から下流側に向けて通路内方に傾斜突出するガイド
縁部52が形成され、基準縁部51の下流側には下流側から
上流側に向けて通路内方に傾斜突出するガイド縁部53が
形成されている。
【0033】基準縁部51の位置には、下流側および上流
側のいずれの方向に搬送される硬貨も任意に排除可能と
する排除部54が配設されている。この排除部54は、通路
面21に形成された排除孔55を有し、この排除孔55内には
基準縁部51側の孔縁を構成するシャッタ56が通路内外方
向にスライド可能に配設され、このシャッタ56に中間部
を支点として揺動可能に支持された揺動レバー57の一端
が連結され、この揺動レバー57の他端が電気的駆動手段
としてのソレノイドSD2 のプランジャに連結されてい
る。シャッタ56は通路内方へ進出する方向に向けて図示
しないスプリングで付勢されている。そして、ソレノイ
ドSD2 の非励磁時には、スプリングの付勢でシャッタ56
が通路内に進出されて、搬送される硬貨が排除孔55上を
通過され、一方、ソレノイドSD2 の励磁時には、スプリ
ングの付勢に抗してシャッタ56が通路外に退避され、搬
送される硬貨が排除孔55に落下排除される。
【0034】排除孔55の上流側および下流側には、排除
孔55に対して搬送される硬貨を検知するタイミングセン
サS1,S2が配設されている。
【0035】また、一時保留通路部15は、所定枚数の硬
貨を整列状態で一時保留可能とする通路長さに形成され
ている。一時保留通路部15の末端には、一時保留通路部
15内を下流側へ搬送される硬貨を停止させるストッパ手
段としての第1のストッパ手段61が配設されている。こ
の第1のストッパ手段61は、通路面21の中央近傍で通路
上に進退可能に配設されたピン62を有し、ピン62の下端
が中央部を支点として揺動可能とする揺動レバー63の一
端に連結され、揺動レバー63の他端が電気的駆動手段と
してのソレノイドSD3 のプランジャに連結され、揺動レ
バー63の一端にピン62を下方へ付勢する図示しないスプ
リングが連結されている。そして、ソレノイドSD3 の非
励磁時にはスプリングの付勢でピン62が下降(退避)さ
れ、ソレノイドSD3 の励磁時にはスプリングの付勢に抗
してピン62が上昇(進出)される。
【0036】また、選別通路部17には、他側の側板23
に、搬送ベルト30に近接するように通路内方に突出する
基準縁部71が形成され、この基準縁部71の上流側には上
流側から下流側に向けて通路内方に傾斜突出するガイド
縁部72が形成されている。なお、搬送ベルト30と基準縁
部71とは下流側が相対的に接近するように配設され、搬
送される硬貨が基準縁部71に沿わされる。
【0037】選別通路部17の基準縁部71に沿って、硬貨
を金種別に選別する硬貨選別部73が配設されている。こ
の硬貨選別部73は、上流側から、電気的選別部74、形状
選別部75、電気的選別部76、形状選別部77,78,79が順
に配列されている。
【0038】各電気的選別部74,76は、任意の金種硬貨
を強制的に選別するもので、基準縁部71に近接して通路
面21に形成された選別孔81,82を有し、この選別孔81,
82内には基準縁部71側の孔縁を構成するシャッタ83が通
路内外方向にスライド可能に配設され、このシャッタ83
に電気的駆動手段としてのソレノイドSD4 ,SD5 のプラ
ンジャに連結されているとともに、シャッタ83は通路内
方へ進出する方向に向けてスプリング84で付勢されてい
る。そして、ソレノイドSD4 ,SD5 の非励磁時には、ス
プリング84の付勢でシャッタ83が通路内に進出されて、
搬送される硬貨が選別孔81,82上を通過され、一方、ソ
レノイドSD4 ,SD5 の励磁時には、スプリング84の付勢
に抗してシャッタ83が通路外に退避され、搬送される硬
貨が選別孔81,82に落下排除される。
【0039】なお、この実施の形態において、特定金種
硬貨としては1円および5円の低額金種硬貨であり、電
気的選別部74において低額金種の1円または取扱量が多
い100円を選別し、電気的選別部76において低額金種
の5円または取扱量が多い10円を選別し、それらの選
別金種設定は任意に切換設定できるようにしている。
【0040】形状選別部75,77〜79は、1円および5円
の低額金種以外の小径金種硬貨から大径金種硬貨の順す
なわち50円、100円、10円、500円の順に形状
選別を行なうもので、通路面21に選別孔91〜94が形成さ
れている。そして、通路内を搬送される硬貨が選別孔91
〜94を通過する際、該当金種硬貨は基準縁部71と反対側
の縁部が選別孔91〜94に落ち込んで落下分類され、該当
金種硬貨より大径金種硬貨は選別孔91〜93の両側縁部に
載ったまま下流側に通過される。
【0041】各選別孔81,82,91〜94の上流側の直前位
置には、選別孔81,82,91〜94に対して搬送される硬貨
を検知する通過検知センサS3〜S8が配設されている。通
過検知センサS3,S5は電気的選別部74,76が電気的駆動
を行なうタイミングセンサとして機能する。
【0042】また、排除通路部14の排除孔55の下方に
は、その排除孔55から下方に落下排除される硬貨を受け
入れる受取枠101 が配設されている。この受取枠101 の
底面前側には硬貨を前方へ搬送する返却ベルト102 が配
設されている。この返却ベルト102 は、前後のローラ10
3 ,104 によって張設され、ローラ104 にモータM5から
駆動力が伝達されて回転される。返却ベルト102 の前方
には、機体1の前面に突出された受皿105 が配設されて
いる。この受皿105 の上面部分が、返却口および出金口
として構成されている。
【0043】また、排除通路部14の排除孔55の下方に
は、その排除孔55から落下排除されて受取枠101 に受け
入れられる硬貨を後述する回収カセット174 へ収納させ
る回収手段(第2の回収手段)106 が配設されている。
この回収手段106 は、受取枠101 内で排除孔55の下方に
配設された切換板107 を有するとともに、受取枠101 の
後側から回収カセット174 上にかけて配設されるシュー
ト108 を有し、切換板107 には切換板107 の揺動位置を
切り換えるソレノイドSD6 が連結されている。そして、
切換板107 が後方へ揺動された揺動位置(図1破線位
置)で排除孔55から落下する硬貨を返却ベルト102 上へ
導き、一方、切換板107 が前方へ揺動された揺動位置
(図1の1点鎖線位置)で排除孔55から落下する硬貨を
シュート108 へ導くように構成されている。
【0044】また、選別通路部13の各選別孔81,82,91
〜94の下方にはその各選別孔81,82,91〜94から下方に
落下選別される硬貨を受け入れる金種別のシュート111
が配設され、これら各シュート111 の下方には、対応す
る各金種の硬貨を収納するとともに出金指令に応じて収
納された硬貨を1枚ずつ繰り出す金種別硬貨収納繰出部
112 が配設されている。
【0045】各金種別硬貨収納繰出部112 は、上側収納
体113 と下側収納体114 を有し、隣接する上側収納体11
3 および下側収納体114 がそれぞれ3つずつ一体化され
て、上側収納ブロック115 および下側収納ブロック116
がそれぞれ2つずつ形成されている。
【0046】図3に示すように、上側収納体113 および
下側収納体114 は、同一構造のものが用いられ、その向
きが反対に向けて配置されるもので、それぞれ上下方向
に開口形成されるとともに機体1の左右方向に横長に形
成された収納枠117 を有している。
【0047】上側収納体113 には、シュート111 の下方
に対応する左側内部に硬貨を収納する上側収納部121 が
形成され、この上側収納部121 は、収納枠117 の内壁
面、仕切板122 、後述する逆転ローラ129 、底部の繰出
手段としての繰出ベルト123 に囲まれて形成されてい
る。
【0048】上側収納部121 の底部の繰出ベルト123
は、左側から右側に向けて斜め上方に硬貨を搬送して繰
り出すもので、収納枠117 の前後の両側壁間に回転自在
に軸支された一対のローラ124 ,125 間に張設され、硬
貨が載るベルト上面部位の下面がガイド板126 で支えら
れている。繰出ベルト123 の繰出方向の端部と上側収納
枠の内壁面との間に繰り出される硬貨が下側収納体114
へ落下する繰出口127 が形成されている。一方のローラ
124 は上側収納ブロック115 の3つの各上側収納体113
を貫通する1本の回転軸128 に固定され、この回転軸12
8 を介して3つの各上側収納体113 の繰出ベルト123 が
一体に回転される。
【0049】繰出ベルト123 の繰出方向の端部近傍の上
方には、繰出ベルト123 との間に繰出ベルト123 上に一
面を接した硬貨が1枚ずつ通過可能とする間隙をあけて
逆転ローラ129 が配設されている。この逆転ローラ129
は上側収納ブロック115 の3つの各上側収納体113 を貫
通する1本の回転軸130 に固定され、この回転軸130を
介して3つの各上側収納体113 の逆転ローラ129 が繰出
ベルト123 の繰出方向とは逆方向に一体に回転される。
【0050】なお、繰出ベルト123 の上面に硬貨が載置
可能とするベルト域の幅寸法、すなわち収納枠117 の前
後の両側壁の間隔寸法あるいは繰出ベルト123 の両側に
図示しないガイド部材が配置される場合の両ガイド部材
の間隔寸法は、処理対象金種の直径よりやや大きい程度
に形成され、繰出ベルト123 上に硬貨の一面が接して載
る状態でベルト幅方向に硬貨が並ばないように構成され
ている。したがって、繰出ベルト123 と逆転ローラ129
の作動により、硬貨が1枚ずつ繰り出される。
【0051】繰出ベルト123 の逆転ローラ129 より繰出
方向の端部には、1枚ずつ繰り出される硬貨を検知する
センサ(計数センサ)S9〜S14 、硬貨の繰り出しを選択
的に停止させるストッパ機構131 が配設されている。ス
トッパ機構131 では、繰出ベルト123 の上面に対向して
対向板132 が配置されて、繰出ベルト123 と対向板132
との間に硬貨が1枚ずつ通過する繰出通路133 が形成さ
れ、この繰出通路133に進退可能とするピン134 がソレ
ノイドSD7 〜SD12のプランジャに連結されている。そし
て、ソレノイドSD7 〜SD12の非励磁時にはプランジャに
装着されたスプリング135 の付勢によってピン134 が下
降(進出)され、ソレノイドSD7 〜SD12の励磁時にはス
プリング135 の付勢に抗してピン134 が上昇(退避)さ
れる。
【0052】なお、繰出通路133 には図示しないが硬貨
を繰出ベルト123 の側縁側へ誘導し、硬貨の周縁の一部
を繰出ベルト123 の幅よりも外へ突出させてその突出部
分をセンサS9〜S14 で検知するようになっている。
【0053】上側収納部121 の上端近傍には、上側収納
体113 の並列方向に沿って上側収納部121 内を後述する
フォトセンサS21 ,S22 の光軸が通過する窓孔136 が形
成されている。
【0054】また、下側収納体114 は、上側収納体113
と同一構造のものが用いられ、その向きが反対に向けて
配置されるもので、構造についての説明は同一符号を用
いて省略する。なお、符号141 は下側収納部、符号S15
〜S20 はセンサ(計数センサ)、符号SD13〜SD18はソレ
ノイドである。
【0055】そして、図1に示すように、隣接する上側
収納ブロック115 および下側収納ブロック116 の各回転
軸128 ,130 がカップリングなどによって互いに連結さ
れ、後側の上側収納ブロック115 および下側収納ブロッ
ク116 から後方に突出する各回転軸128 ,130 の端部に
プーリ145 ,146 がそれぞれ固定されている。これら各
プーリ145 ,146 には一体形の駆動プーリ147 との間に
ベルト148 ,149 がそれぞれ張設されている。上側収納
ブロック115 側および下側収納ブロック116 側の各駆動
プーリ147 にはモータM6,M7が連結されている。したが
って、モータM6の駆動によって上側収納ブロック115 の
全ての繰出ベルト123 および逆転ローラ129 が一体的に
回転されるとともに、モータM7の駆動によって下側収納
ブロック116 の全ての繰出ベルト123 および逆転ローラ
129 が一体的に回転される。
【0056】また、上側収納ブロック115 および下側収
納ブロック116 の前後には、窓孔136 に対向して投光器
と受光器によって構成される一対のフォトセンサS21 ,
S22がそれぞれ配設され、このフォトセンサS21 ,S22
の光軸が、窓孔136 を通じて、全ての上側収納部121 お
よび全ての下側収納部141 内に挿通される。そして、フ
ォトセンサS21 ,S22 の光軸の透光時にいずれの上側収
納部121 および下側収納部141 とも満杯状態ではないこ
とが検知され、光軸が遮光されたときにいずれかの上側
収納部121 および下側収納部141 が満杯状態になったこ
とが検知される。
【0057】また、金種別硬貨収納繰出部112 から受皿
105 にかけて、金種別硬貨収納繰出部112 から投出され
た硬貨を受皿105 に搬送する出金ベルト151 が張設され
ている。この出金ベルト151 は、機体1の底部近傍後側
に配置されたローラ152 、底部近傍前側に配設されたロ
ーラ153 、返却ベルト102 が掛け回されたローラ154の
外周(返却ベルト102 とは左右方向に掛け回し位置が異
なる)に掛け回されるとともに、ローラ153 に接近して
配置されてベルト表面をガイドするローラ155、複数の
ガイドローラ156 に掛け回されており、機体1の底部近
傍域に沿って水平搬送部157 、機体1の前面域に沿って
上昇搬送部158 が形成されている。
【0058】水平搬送部157 は、下側収納ブロック116
の各下側収納体114 を貫通して配置されるとともに、図
3に示すように、各下側収納体114 の繰出口127 の下方
に配置され、繰出口127 から繰り出される硬貨を受け取
るように構成されている。水平搬送部157 の側部には側
板159 が配置されているとともに、硬貨が載るベルト上
面部位の下面がガイド板160 で支えられている。
【0059】図1に示すように、ローラ154 の上方には
ローラ161 が配置され、このローラ161 とローラ155 と
に出金ベルト151 の表面に接する挟持ベルト162 が張設
されている。
【0060】ローラ152 にはモータM8の駆動力が伝達さ
れ、出金ベルト151 が図1反時計回り方向に回転される
とともに、出金ベルト151 に接する挟持ベルト162 が図
1時計回り方向に従動回転され、これにより、水平搬送
部157 上に投出された硬貨が、前方へ搬送されて上昇搬
送部158 に送り込まれ、上昇搬送部158 において出金ベ
ルト151 と挟持ベルト162 との間に挟持されて上方に搬
送され、受皿105 に放出される。
【0061】また、出金ベルト151 の水平搬送部157 の
前端近傍には、金種別硬貨収納繰出部112 から投出され
て水平搬送部157 上を搬送されてくるオーバーフロー硬
貨および回収硬貨を回収する回収手段(第1の回収手
段)171 が配設されている。この回収手段171 は、モー
タM9の駆動によって水平搬送部157 上に進退される振分
板172 を有し、この振分板172 の退避時に硬貨の通過が
許容され、進出時に硬貨が水平搬送部157 の側部へ振り
分けられる。水平搬送部157 の側部には振分板172 で振
り分けられる硬貨を受け入れるシュート173 が配設さ
れ、このシュート173 の下方に硬貨を受け入れて収納す
る回収カセット174 が配設されている。この回収カセッ
ト174 は、機体1の前面側から着脱可能とされ、上面に
各シュート108 ,173 から硬貨を受け入れる開口部175
が形成されている。
【0062】図4において、181 は硬貨入出金機全体を
制御する制御部で、この制御部181には、記憶部182 、
操作部183 、表示部184 、識別部45、センサS1〜S22 、
ソレノイドSD1 〜SD18、モータM1〜M9がそれぞれ接続さ
れている。
【0063】記憶部182 は、各金種別硬貨収納繰出部11
2 の上側収納部121 および下側収納部141 に許容する硬
貨の最大収納枚数を記憶する最大収納枚数記憶部の機
能、各金種別硬貨収納繰出部112 の上側収納部121 およ
び下側収納部141 に収納されている硬貨の現在の収納枚
数を記憶する現在収納枚数記憶部の機能を有している。
また、記憶部182 には、一時保留通路部15に一時保留可
能とする所定枚数が記憶されている。
【0064】なお、上側収納部121 に収納されている硬
貨の現在の枚数は、硬貨が入る側を識別部45および通過
検知センサS3〜S8で、硬貨が出る側をセンサS9〜S14 に
よって計数し、また、下側収納部141 に収納されている
硬貨の現在の枚数は、硬貨が入る側をセンサS9〜S14
で、硬貨が出る側をセンサS15 〜S20 によって計数し、
それら識別部45や各種センサが計数手段として構成され
る。
【0065】操作部183 は、入金承認釦、返却釦、出金
金額を入力するキー、モードなどを設定する設定キーな
どを有している。また、表示部184 は、入金額、出金額
や操作案内表示などを行なう。
【0066】そして、制御部181 は、硬貨入金時に第1
のストッパ手段61を通路上へ進出させて入金可能な硬貨
を一時保留通路部15で一時保留させ、入金承認指示によ
り、一時保留硬貨中に低額金種硬貨が含まれていない場
合には、第1のストッパ手段61を通路上から退避させて
一時保留硬貨を下流側へ搬送させて選別通路部17で選別
するとともに金種別硬貨収納繰出部112 へ収納させ、か
つ、一時保留硬貨中に低額金種硬貨が含まれている場合
には、一時保留硬貨を上流側へ搬送させて排除通路部14
で排除するとともに回収手段106 で回収カセット174 ヘ
収納させる機能を有している。さらに、返却指示によっ
て一時保留硬貨を上流側へ搬送して排除通路部14で排除
して返却させる機能を有している。
【0067】さらに、制御部181 は、識別部45が入金可
能な硬貨を一時保留通路部15で一時保留可能な所定枚数
分識別したときに第2のストッパ手段46を通路上に進出
させて入金硬貨の搬送を一時停止させ、一時保留されて
いる入金硬貨についての入金承認指示によってその一時
保留硬貨を金種別硬貨収納繰出部112 へ分類収納させた
後に、第2のストッパ手段46を通路上から退避させて残
りの入金硬貨のうちの入金可能な硬貨を一時保留通路部
15で一時保留させる機能を有している。
【0068】また、制御部181 は、フォトセンサS21 ,
S22 が遮光されて満杯状態を検知したとき、各金種別硬
貨収納繰出部112 について最大収納枚数に対する現在収
納枚数の割合を求め、その割合が最も大きい金種別硬貨
収納繰出部112 が満杯であると判断する満杯検知部の機
能を有している。さらに、満杯検知部が満杯であると判
断した金種別硬貨収納繰出部112 についての最大収納枚
数に対する現在収納枚数の割合が所定値(例えば70
%)以下のときには異常と判断する異常検知部の機能を
有している。さらに、満杯検知部が満杯であると判断し
た金種別硬貨収納繰出部112 について所定枚数の硬貨を
繰り出させて回収させるとともに、1つの金種別硬貨収
納繰出部112 について回収処理を行なった後にもフォト
センサS21,S22 が遮光されて満杯状態を検知している
場合には、最大収納枚数に対する現在収納枚数の割合が
次に大きい金種別硬貨収納繰出部112 について回収処理
を行なわせる回収制御部の機能を有している。
【0069】さらに、制御部181 は、操作部183 (モー
ド設定手段)によって全金種モードが設定されていると
きには低額金種の1円および5円を電気的選別部74,76
で選別させ、使用頻度優先モードが設定されているとき
には低額金種硬貨を排除部54で排除させるとともに低額
金種以外の使用頻度の高い任意の金種を電気的選別部7
4,76で金種別に選別させる機能を有している。
【0070】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0071】まず、操作部183 によって使用頻度優先モ
ードが設定されているものとし、電気的選別部74,76で
は100円および10円が選別され、金種別硬貨収納繰
出部112 には1円および5円を除く金種硬貨が収納され
ることを前提として説明する。
【0072】制御部181 の制御による入金処理について
説明する。
【0073】操作者により、操作部183 で入金指令がな
され、硬貨が入金口2に投入される。入金口2に投入さ
れた硬貨は、ホッパ3を通じて回転円盤5上に導かれ
る。
【0074】入金指令により、モータM1,M2,M3,M5が
それぞれ正転駆動され、回転円盤5および搬送ベルト2
6,27,28がそれぞれ正転方向に回転されるとともに、
返却ベルト102 が回転される。さらに、第1のストッパ
手段61のソレノイドSD3 が作動されてピン62が通路上に
進出(上昇)される。
【0075】これにより、回転円盤5上の硬貨は、回転
円盤5の回転による遠心力によって周壁7に沿って移動
し、周壁7に開口する図示しない繰出口から硬貨通路11
の導入通路部12に1層1列状態で順次繰り出される。
【0076】導入通路部12に繰り出される硬貨は、取込
ローラ41によって高速で導入通路部12内に取り込まれる
とともに、搬送ベルト26の下側にくわえ込まれ、通路面
21に押し付けられながら下流の識別通路部13へ搬送され
る。このとき、取込ローラ41の取込動作によって、続い
て回転円盤5から導入通路部12へ繰り出される硬貨との
間隔をあけられ、したがって、硬貨通路11内における硬
貨の前後方向の間隔があけられる。
【0077】識別通路部13を搬送される硬貨は、識別部
45によって識別され、下流の排除通路部14へ搬送され
る。
【0078】識別部45により入金可能な硬貨と識別され
た場合には、排除通路部14の排除部54で強制的に排除さ
れることなく、下流の一時保留通路部15へ搬送される。
すなわち、搬送ベルト26,27によって搬送される硬貨
は、ガイド縁部52に接触して通路中央に寄せられた後
に、基準縁部51に沿って移動して排除孔55上を通過さ
れ、下流の一時保留通路部15へ搬送される。
【0079】識別部45により入金不可能な硬貨(以下、
リジェクト貨と呼ぶ)と識別された場合には、排除通路
部14の排除部54で強制的に排除される。すなわち、搬送
ベルト26,27によって搬送されるリジェクト貨がセンサ
S1によって検知されると、ソレノイドSD2 が作動されて
シャッタ56が通路外に退避され、リジェクト貨が排除孔
55から落下して排除される。リジェクト貨の排除後に
は、ソレノイドSD2 の作動が停止され、シャッタ56が通
路内に進入される。
【0080】排除孔55から落下したリジェクト貨は受取
枠101 および切換板107 を通じて返却ベルト102 上に導
かれ、返却ベルト102 によって受皿105 に放出され、操
作者に返却される。
【0081】一時保留通路部15に搬送される入金可能な
硬貨は第1のストッパ手段61のピン62に当接して停止さ
れ、さらに、後続の入金可能な硬貨は停止されている硬
貨に当接して停止される。したがって、入金可能な硬貨
が一時保留通路部15の通路上に沿って一時保留される。
ただし、一時保留可能とする硬貨は所定枚数以内に限ら
れ、一時保留枚数は識別部45の識別結果によってカウン
トされる。
【0082】一時保留枚数が所定枚数以内で、識別部45
で硬貨を検知しなくなってから所定時間経過すれば、入
金口2に投入された全ての硬貨の排除または一時保留が
完了したものとして、各モータM1,M2,M3,M5が停止さ
れる。
【0083】そして、識別部45で識別された結果は表示
部184 で表示される。これを操作者が確認し、入金承認
する場合には、操作部183 で入金承認指示の操作が行な
われる。
【0084】入金承認時に、一時保留硬貨中に低額金種
硬貨が含まれていない場合には、モータM2,M3,M4がそ
れぞれ正転駆動され、搬送ベルト26〜30がそれぞれ正転
方向に回転される。さらに、第1のストッパ手段61のソ
レノイドSD3 の作動が停止されてピン62が通路上から退
避(下降)される。
【0085】これにより、一時保留通路部15で一時保留
されていた硬貨が、下流の接続通路部16および選別通路
部17へ搬送される。
【0086】選別通路部17へ搬送される硬貨は、ガイド
縁部72に接触して通路中央に寄せられた後に、基準縁部
71に沿って搬送される。そして、選別通路部17を搬送さ
れる100円および10円は電気的選別部74,76または
形状選別部77,78でそれぞれ選別され、また、50円お
よび500円の硬貨は形状選別部75,79でそれぞれ選別
される。この100円および10円の硬貨を電気的選別
部74,76と形状選別部77,78のいずれで選別するかは、
対応する金種別硬貨収納繰出部112 の硬貨収納枚数の状
況などにより制御部181 によって適宜に制御される。例
えば、同一金種を収納する金種別硬貨収納繰出部112 の
硬貨収納枚数がほぼ同数になるように制御したり、入金
毎に電気的選別部74,76と形状選別部77,78とで交互に
選別するように制御される。
【0087】各電気的選別部74,76では、一時保留され
ていた硬貨の順番と金種を記憶していることから該当す
る金種硬貨がセンサS3,S5によって検知されると、ソレ
ノイドSD4 ,SD5 が作動されてシャッタ83が通路外に退
避され、該当金種硬貨が選別孔81,82から落下して選別
される。該当金種硬貨の選別後には、ソレノイドSD4,S
D5 の作動が停止され、シャッタ83が通路内に進入され
る。
【0088】形状選別部75,77〜79では、硬貨が選別孔
91〜94を通過する際、該当金種硬貨の基準縁部71と反対
側の縁部が選別孔91〜94に落ち込んで落下分類され、該
当金種硬貨より大径金種硬貨は選別孔91〜93の両側縁部
に載ったまま下流側に通過される。該当金種硬貨の選別
孔91〜94への選別は、センサS5〜S8の検知によって確認
される。
【0089】各選別孔81,82,91〜94で選別された硬貨
は、シュート111 内を落下して金種別硬貨収納繰出部11
2 に金種別に収納される。各金種別硬貨収納繰出部112
には、シュート111 内を落下する硬貨が上側収納体113
の上側収納部121 に受け入れられて収納される。各選別
孔81,82,91〜94で該当金種硬貨を選別する毎に、記憶
部182 において上側収納部121 の現在の硬貨収納枚数が
+1加算される。
【0090】全ての一時保留硬貨についての選別が完了
すれば、モータM2,M3,M4が停止され、次の入出金処理
が可能な待機状態となる。
【0091】また、入金承認時に、一時保留硬貨中に低
額金種硬貨が含まれている場合には、モータM2,M3がそ
れぞれ逆転駆動され、搬送ベルト26〜28がそれぞれ逆転
方向に回転される。さらに、ソレノイドSD6 が作動さ
れ、切換板107 がシュート108へ硬貨を導く揺動位置に
切り換えられる。
【0092】これにより、一時保留通路部15の一時保留
硬貨は、上流の排除通路部14へ搬送され、排除通路部14
の排除部54で強制的に排除される。すなわち、搬送ベル
ト26,27によって搬送される硬貨が、ガイド縁部53に接
触して通路中央に寄せられた後に、センサS2によって検
知されると、ソレノイドSD2 が作動されてシャッタ56が
通路外に退避され、一時保留硬貨が排除孔55から落下し
て排除される。全ての一時保留硬貨の排除後には、ソレ
ノイドSD2 の作動が停止され、シャッタ56が通路内に進
入される。
【0093】排除孔55から落下した硬貨は受取枠101 お
よび切換板107 を通じてシュート108 に導かれ、このシ
ュート108 によって回収カセット174 に一括して収納さ
れる。
【0094】一時保留硬貨の収納後、モータM2,M3が停
止され、次の入出金処理が可能な待機状態となる。な
お、ソレノイドSD6 は、切換状態のままでもよいし、切
換板107 で返却ベルト102 へ硬貨を導く揺動位置を定位
置として復帰するようにしてもよい。
【0095】また、入金口2に投入された入金硬貨の枚
数が多く、識別部45が入金可能な硬貨を一時保留通路部
15で一時保留可能な所定枚数分識別したときには、識別
通路部13の第2のストッパ手段46により入金硬貨の搬送
が一時停止される。すなわち、第2のストッパ手段46の
ソレノイドSD1 が作動されてピン47が通路上に進出(上
昇)され、ピン47に入金硬貨が当接して一時停止され
る。第2のストッパ手段46の位置を通過している入金可
能な硬貨は一時保留通路部15で一時保留される。
【0096】そして、一時保留されている入金硬貨につ
いて、識別部45で識別された結果が表示部184 で表示さ
れるとともに入金硬貨の一部であることなどの案内が表
示される。これを操作者が確認し、入金承認する場合に
は、操作部183 で入金承認指示の操作が行なわれる。
【0097】入金承認指示によって、前述のように、低
額金種硬貨の有無に応じて、一時保留通路部15の一時保
留硬貨が金種別硬貨収納繰出部112 または回収カセット
174へ収納される。
【0098】一時保留硬貨の選別完了後、第2のストッ
パ手段46のソレノイドSD1 の作動が停止されてピン47が
通路上から退避(下降)され、残りの入金硬貨の搬送が
再開されて、前述のような入金処理が行なわれる。
【0099】また、入金硬貨を一時保留して、識別部45
で識別された結果を表示部184 で表示した後、操作者が
入金硬貨の返却を希望する場合には、操作部183 で返却
指示の操作が行なわれる。
【0100】返却時には、モータM2,M3がそれぞれ逆転
駆動されるとともに、モータM5が正転駆動され、搬送ベ
ルト26〜28が逆転方向に回転され、返却ベルト102 が回
転される。
【0101】これにより、一時保留通路部15の一時保留
硬貨は、上流の排除通路部14へ搬送され、排除通路部14
の排除部54で強制的に排除される。すなわち、搬送ベル
ト26,27によって搬送される硬貨が、ガイド縁部53に接
触して通路中央に寄せられた後に、センサS2によって検
知されると、ソレノイドSD2 が作動されてシャッタ56が
通路外に退避され、一時保留硬貨が排除孔55から落下し
て排除される。全ての一時保留硬貨の排除後には、ソレ
ノイドSD2 の作動が停止され、シャッタ56が通路内に進
入される。
【0102】排除孔55から落下した硬貨は受取枠101 お
よび切換板107 を通じて返却ベルト102 上に導かれ、返
却ベルト102 によって受皿105 に放出され、操作者に返
却される。
【0103】硬貨の返却後、モータM2,M3,M5が停止さ
れ、次の入出金処理が可能な待機状態となる。
【0104】また、金種別硬貨収納繰出部112 の上側収
納部121 に収納された硬貨は、後述する出金処理に備え
て、常に下側収納部141 に所定枚数以上の硬貨が収納さ
れるように下側収納部141 に優先的に貯留していくよう
になっている。つまり、収納枚数が少ない間は上側収納
部121 に収納されても上側収納部121 に貯めておくこと
なく、下側収納部141 へ収納させる。そして、下側収納
部141 に所定枚数以上の硬貨が収納されると、上側収納
部121 が満杯になるか、あるいは下側収納部141 が所定
枚数以下になるまで上側収納部121 に貯めていく。
【0105】上側収納部121 が満杯になると、フォトセ
ンサS21 が遮光され、満杯状態が検知される。
【0106】この満杯検知を受けて、制御部181 は、各
金種別硬貨収納繰出部112 の上側収納部121 について記
憶部182 の記憶に基づき最大収納枚数に対する現在収納
枚数の割合を求め、その割合が最も大きい金種別硬貨収
納繰出部112 の上側収納部121 が満杯であると判断す
る。
【0107】満杯であると判断した金種別硬貨収納繰出
部112 について所定枚数の硬貨が繰り出される。すなわ
ち、金種別硬貨収納繰出部112 の上側収納体113 側のモ
ータM6が駆動され、全ての上側収納体113 の繰出ベルト
123 が一体的に回転されるとともに逆転ローラ129 が逆
回転される。金種別硬貨収納繰出部112 の各上側収納体
113 では、通常、ストッパ機構131 のピン134 が繰出通
路133 に進出して硬貨の繰り出しを停止する状態にあ
り、満杯であると判断された該当金種の上側収納体113
ついてストッパ機構131 のソレノイドSD7 〜SD12が作動
されてピン134 が退避される。そのため、満杯であると
判断された該当金種においては、繰出ベルト123 と逆転
ローラ129 との作用により、上側収納部121 内に収納さ
れている硬貨が1層1列状態で1枚ずつ繰り出されて繰
出口127 から下側収納部141 に投出される。硬貨が投出
される際に、センサS9〜S14 で検知され、制御部181 の
記憶部182 で上側収納部121 の現在の硬貨収納枚数が−
1減算されるとともに、下側収納部141 の現在の硬貨収
納枚数が+1加算される。なお、満杯であると判断され
た該当金種以外の金種については、ストッパ機構131 が
停止状態に保たれるため、繰出ベルト123 が回転されて
いてもその金種硬貨は投出されない。
【0108】このようにして所定枚数の硬貨が上側収納
部121 から下側収納部141 に移される。これにより、フ
ォトセンサS21 が透光状態になれば、モータM6が停止さ
れるとともにソレノイドSD7 〜SD12の作動が停止され
る。
【0109】さらに、1つの金種別硬貨収納繰出部112
の上側収納部121 について満杯硬貨回収処理を行なった
後にもフォトセンサS21 が遮光されて満杯状態を検知し
ている場合には、最大収納枚数に対する現在収納枚数の
割合が次に大きい金種別硬貨収納繰出部112 の上側収納
部121 について同様の満杯硬貨回収処理が行なわれる。
【0110】さらに、満杯であると判断した金種別硬貨
収納繰出部112 についての最大収納枚数に対する現在収
納枚数の割合が所定値、例えば70%以下のときには、
すなわち、満杯状態が検知されているにもかかわらず実
際の収納枚数が少ない場合には、例えば上側収納部121
内で硬貨詰まりなどの異常が生じているものと判断し、
係員に報知するなどのエラー処理が行なわれる。
【0111】また、上側収納部121 の硬貨の下側収納部
141 への収納により、いずれかの金種別硬貨収納繰出部
112 の下側収納部141 が満杯になると、フォトセンサS2
2 が遮光され、満杯状態が検知される。この場合にも、
上側収納部121 での満杯硬貨回収処理と同様に、制御部
181 は、最大収納枚数に対する現在収納枚数の割合が最
も大きい金種別硬貨収納繰出部112 の下側収納部141 が
満杯であると判断し、満杯であると判断した金種別硬貨
収納繰出部112 の下側収納部141 について所定枚数の硬
貨が繰り出される。この場合、後述する回収処理におい
て説明するが、下側収納部141 から繰り出される硬貨
が、出金ベルト151 、振分板172 、シュート173 を通じ
て回収カセット174 に回収される。
【0112】次に、制御部181 の制御による出金処理に
ついて説明する。
【0113】操作者により、操作部183 で硬貨の出金デ
ータ(金額、金種と枚数など)が入力されて出金指令が
なされたり、あるいは自動的に入金金額から売上金額を
差し引いて差額分を算出し、釣銭の出金指令がなされる
と、出金処理が開始される。
【0114】金種別硬貨収納繰出部112 の下側収納体11
4 側のモータM7が駆動され、全ての下側収納体114 の繰
出ベルト123 が一体的に回転されるとともに逆転ローラ
129が逆回転される。同時に、モータM8が駆動され、出
金ベルト151 が回転される。
【0115】金種別硬貨収納繰出部112 の各下側収納体
114 では、通常、ストッパ機構131のピン134 が繰出通
路133 に進出して硬貨の繰り出しを停止する状態にあ
り、出金該当金種の下側収納体114 についてストッパ機
構131 のソレノイドSD13〜SD18が作動されてピン134 が
退避される。そのため、出金該当金種においては、繰出
ベルト123 と逆転ローラ129 との作用により、下側収納
部141 内に収納されている硬貨が1層1列状態で1枚ず
つ繰り出されて繰出口127 から出金ベルト151 の水平搬
送部157 上に投出される。硬貨が投出される際に、セン
サS15 〜S20 で検知され、制御部181 の記憶部182 で金
種別の投出枚数がカウントされるとともに、各下側収納
部141 の現在の硬貨収納枚数が−1減算される。なお、
出金金種に該当しない金種については、ストッパ機構13
1 が停止状態に保たれるため、繰出ベルト123 が回転さ
れていてもその金種硬貨は投出されない。
【0116】このとき、同一金種を収納する2つずつの
金種別硬貨収納繰出部112 からの硬貨投出は、対応する
金種別硬貨収納繰出部112 の硬貨収納枚数の状況などに
より制御部181 によって適宜に制御される。例えば、同
一金種を収納する2つずつの金種別硬貨収納繰出部112
の硬貨収納枚数がほぼ同数になるように制御したり、出
金毎に同一金種を収納する2つずつの金種別硬貨収納繰
出部112 から交互に投出するように制御される。
【0117】制御部181 の記憶部182 でカウントされる
金種別の投出枚数が出金に必要とする出金枚数に達する
金種においては、センサS15 〜S20 で出金枚数目の硬貨
の通過を検知すると、ストッパ機構131 によって出金枚
数目の次の硬貨が停止され、この金種の硬貨の投出が停
止される。各金種とも投出完了する毎に同様にして硬貨
の投出が停止される。
【0118】金種別硬貨収納繰出部112 から出金ベルト
151 の水平搬送部157 上に投出された硬貨は、水平搬送
部157 および上昇搬送部158 を搬送されて、受皿105 に
出金される。
【0119】金種別硬貨収納繰出部112 から出金金額分
の全ての硬貨の投出が完了したら、モータM7が停止さ
れ、さらに、金種別硬貨収納繰出部112 からの投出完了
後、水平搬送部157 上の硬貨が受皿105 に到達するまで
の十分な所定時間経過したら、モータM8が停止され、次
の入出金処理が可能な待機状態となる。
【0120】また、金種別硬貨収納繰出部112 の下側収
納体114 からの硬貨の投出によって下側収納部141 の硬
貨収納量が所定量以下に減少したら、上側収納体113 か
ら下側収納体114 への硬貨の補給が行なわれる。この下
側収納部141 の硬貨収納量が所定量以下に減少したこと
は、下側収納部141 についての記憶部182 に記憶されて
いる現在の収納枚数によって管理される。
【0121】補給動作では、上側収納体113 側のモータ
M6が駆動され、全ての上側収納体113 の繰出ベルト123
が一体的に回転されるとともに逆転ローラ129 が逆回転
され、補充該当金種の上側収納体113 のストッパ機構13
1 が停止解除される。これにより、補充該当金種におい
ては、繰出ベルト123 と逆転ローラ129 との作用によ
り、上側収納部121 内に収納されている硬貨が1層1列
状態で1枚ずつ繰り出されて繰出口127 から下側収納体
114 の下側収納部141 に収納される。そして、上側収納
体113 から下側収納体114 への硬貨の補給が完了した
ら、ストッパ機構131 が停止状態に復帰されるとともに
モータM6が停止される。
【0122】次に、制御部181 の制御による回収処理に
ついて説明する。
【0123】回収指令により、モータM8,M9が駆動さ
れ、出金ベルト151 が回転されるとともに、振分板172
が出金ベルト151 の水平搬送部157 上に進出される。さ
らに、モータM6,M7が駆動されるとともに、全ての金種
別硬貨収納繰出部112 のストッパ機構131 のソレノイド
SD7 〜SD18が作動され、上側収納部121 の硬貨が下側収
納部141 へ移されるとともに、下側収納部141 の硬貨が
出金ベルト151 の水平搬送部157 に投出される。出金ベ
ルト151 の水平搬送部157 に投出された硬貨は、振分板
172 、シュート173 を通じて回収カセット174 に回収さ
れる。下側収納部141 から硬貨が投出される際に、セン
サS15 〜S20 で検知され、記憶部182 で金種別硬貨収納
繰出部112 の現在の硬貨収納枚数が−1減算される。
【0124】全ての金種別硬貨収納繰出部112 について
の現在の硬貨収納枚数が0になって、全ての硬貨が投出
されたことが確認されたら、所定時間後に、モータM6〜
M9が停止され、ソレノイドSD7 〜SD18の作動が停止さ
れ、回収処理が終了する。
【0125】硬貨が回収された回収カセット174 は機体
1から抜き外して運搬できる。
【0126】次に、操作部183 によって全金種モードが
設定された場合について説明する。
【0127】この場合、電気的選別部74,76では1円お
よび5円が選別され、したがって、電気的選別部74,76
で選別された硬貨を収納する金種別硬貨収納繰出部112
には1円および5円の硬貨が収納される。
【0128】入金処理時において、前述のように、入金
口2に投入された入金硬貨は、回転円盤5から硬貨通路
11に送り出されて通路内を搬送され、識別通路部13の識
別部45で識別され、入金可能な硬貨が排除通路部14を通
過して一時保留通路部15に搬送され、一時保留通路部15
の通路上に沿って一時保留される。
【0129】一時保留後の入金承認操作によって、一時
保留硬貨が選別通路部17に搬送され、1円および5円の
硬貨は電気的選別部74,76で選別され、50円、100
円、10円および500円の硬貨は形状選別部75,77〜
79で選別され、対応する金種別硬貨収納繰出部112 に収
納される。
【0130】出金処理時において、前述のように、指定
された出金金額分の硬貨が金種別硬貨収納繰出部112 か
ら投出される。
【0131】以上のように、特定金種硬貨については金
種別硬貨収納繰出部112 を設定しないことにより、装置
の低コスト化ならびに効率化を図ることができ、しか
も、その金種別硬貨収納繰出部112 を設定しない特定金
種硬貨の入金があった場合には、入金確定後に回収カセ
ット174 ヘ収納することにより入金を可能にして操作性
を向上させることができる。
【0132】さらに、識別通路部13に続く排除通路部14
と選別通路部17との間に一時保留通路部15を設け、この
一時保留通路部15の通路上に沿って入金可能な硬貨を一
時保留し、入金承認操作や返却操作あるいは特定金種硬
貨の有無に応じて、一時保留硬貨を下流側へ搬送して選
別通路部17で選別するとともに金種別硬貨収納繰出部11
2 に収納したり、上流側へ搬送して排除通路部14で排除
するとともに受皿105に返却または回収カセット174 へ
収納できるので、入金硬貨を簡単な構成により一時保留
できるとともに、返却または回収カセット174 へ収納す
る場合にも簡単な構成によって返却でき、簡単な構成に
より低価格化できる。
【0133】また、特定金種硬貨は低額金種硬貨であ
り、低額金種硬貨の使用頻度が少ない場合、例えば駅の
窓口や高速道路の料金所といったところで使用される硬
貨入出金機として有効である。
【0134】
【発明の効果】請求項1記載の硬貨入出金装置によれ
ば、特定金種硬貨については金種別硬貨収納繰出部を設
定しないことにより、装置の低コスト化ならびに効率化
を図ることができ、しかも、その金種別硬貨収納繰出部
を設定しない特定金種硬貨の入金があった場合には、入
金確定後に回収カセットヘ収納することにより入金を可
能にして操作性を向上させることができる。
【0135】請求項2記載の硬貨入出金装置によれば、
特定金種硬貨については金種別硬貨収納繰出部を設定し
ないことにより、装置の低コスト化ならびに効率化を図
ることができ、しかも、その金種別硬貨収納繰出部を設
定しない特定金種硬貨の入金があった場合には、入金確
定後に回収カセットヘ収納することにより入金を可能に
して操作性を向上させることができる。さらに、入金硬
貨を通路上で一時保留することができるので、簡単な構
成により低価格化できる。
【0136】請求項3記載の硬貨入出金装置によれば、
請求項1または2記載の硬貨入出金装置の効果に加え
て、特定金種硬貨は低額金種硬貨であり、低額金種硬貨
の使用頻度が少ない場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨入出金機の内
部機構の側面図である。
【図2】同上硬貨入出金機の内部機構の平面図である。
【図3】同上金種別硬貨収納繰出部の断面図である。
【図4】同上制御系のブロック図である。
【符号の説明】
2 入金口 13 識別通路部 14 排除通路部 15 一時保留通路部 17 選別通路部 25 搬送手段 45 識別部 54 排除部 61 ストッパ手段としての第1のストッパ手段 73 硬貨選別部 106 回収手段 112 金種別硬貨収納繰出部 174 回収カセット SD2 電気的駆動手段としてのソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 正仁 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入金口に投入された入金硬貨を1枚ずつ
    搬送しつつ識別し、入金可能な硬貨を一時保留した後
    に、入金承認指示によって一時保留硬貨を収納し、返却
    指示によって一時保留硬貨を返却するとともに、出金指
    示によって必要な硬貨を出金する硬貨入出金装置におい
    て、 前記一時保留硬貨を受け入れて特定金種硬貨以外の硬貨
    を金種別に選別する硬貨選別部と、 この硬貨選別部で選別された特定金種硬貨以外の硬貨を
    金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出し可能とする
    金種別硬貨収納繰出部と、 この金種別硬貨収納繰出部に対応したオーバーフロー硬
    貨および回収硬貨を一括して収納する回収カセットと、 前記一時保留硬貨を硬貨選別部へ搬送する搬送手段と、 前記一時保留硬貨を前記回収カセットへ収納させる回収
    手段と、 前記一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含まれていない場
    合には、前記搬送手段によって一時保留硬貨を前記硬貨
    選別部へ送って選別させるとともに前記金種別硬貨収納
    繰出部へ収納させ、かつ、一時保留硬貨中に特定金種硬
    貨が含まれている場合には、前記回収手段によって一時
    保留硬貨を前記回収カセットへ収納させる制御部とを具
    備していることを特徴とする硬貨入出金装置。
  2. 【請求項2】 入金口に投入された入金硬貨を1枚ずつ
    搬送しつつ識別し、入金可能な硬貨を一時保留した後
    に、入金承認指示によって一時保留硬貨を収納し、返却
    指示によって一時保留硬貨を返却するとともに、出金指
    示によって必要な硬貨を出金する硬貨入出金装置におい
    て、 搬送される硬貨を識別する識別部が設けられた識別通路
    部と、 この識別通路部の下流側に設けられ、下流側および上流
    側のいずれの方向に搬送される硬貨も任意に排除可能と
    する電気的駆動手段を有する排除部が設けられた排除通
    路部と、 この排除通路部の下流側に設けられ、所定枚数の硬貨を
    整列状態で一時保留可能とする通路長さを有する一時保
    留通路部と、 この一時保留通路部の末端の通路上へ進退可能に設けら
    れ、進出時に硬貨を停止させるとともに退避時に硬貨の
    通過を許容するストッパ手段と、 前記一時保留通路部の下流側に設けられ、特定金種硬貨
    以外の硬貨を金種別に選別する選別通路部と、 この選別通路部で選別された特定金種硬貨以外の硬貨を
    金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出し可能とする
    金種別硬貨収納繰出部と、 この金種別硬貨収納繰出部に対応したオーバーフロー硬
    貨および回収硬貨を一括して収納する回収カセットと、 前記識別通路部、排除通路部、一時保留通路部および選
    別通路部において硬貨を下流側に搬送するとともに、少
    なくとも排除通路部および一時保留通路部において硬貨
    を上流側に搬送可能とする搬送手段と、 前記排除通路部で排除される一時保留硬貨を前記回収カ
    セットヘ収納させる回収手段と、 硬貨入金時に前記ストッパ手段を通路上へ進出させて入
    金可能な硬貨を前記一時保留通路部で一時保留させ、入
    金承認指示により、一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含
    まれていない場合には、前記ストッパ手段を通路上から
    退避させて一時保留硬貨を下流側へ搬送させて前記選別
    通路部で選別するとともに前記金種別硬貨収納繰出部へ
    収納させ、かつ、一時保留硬貨中に特定金種硬貨が含ま
    れている場合には、一時保留硬貨を上流側へ搬送させて
    前記排除通路部で排除するとともに前記回収手段で前記
    回収カセットヘ収納させる制御部とを具備していること
    を特徴とする硬貨入出金装置。
  3. 【請求項3】 特定金種硬貨は低額金種硬貨であること
    を特徴とする請求項1または2記載の硬貨入出金装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008299406A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Glory Ltd 硬貨入金機
JP2010181918A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Glory Ltd 硬貨入出金機
JP2017130097A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 シャープ株式会社 自動釣銭入出金機

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