JPH11133968A - 波形サンプリング装置 - Google Patents

波形サンプリング装置

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JPH11133968A
JPH11133968A JP9314612A JP31461297A JPH11133968A JP H11133968 A JPH11133968 A JP H11133968A JP 9314612 A JP9314612 A JP 9314612A JP 31461297 A JP31461297 A JP 31461297A JP H11133968 A JPH11133968 A JP H11133968A
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JP
Japan
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waveform data
waveform
input
sampling
unit
Prior art date
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JP9314612A
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English (en)
Inventor
Takashi Komano
野 岳 志 駒
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波形データの頭の部分が切れることなくサンプ
リングを行えるようにする。 【解決手段】マイクロフォン43から入力された波形デ
ータは、縦続接続されたDSP1,DSP2,DSP3に
おいて録音用のエフェクトが付与され、イコライザ16
−5と遅延手段16−4に供給される。遅延される前の
波形データが立ち上がったことをCPUによる処理手段
41により検出して録音指示を出すことにより、波形メ
モリ42に遅延された波形データが書き込まれる。遅延
手段16−4では、CPUのジョブ遅延時間より長い時
間遅延されるため、波形メモリ42には波形データの頭
が切れることなく波形データが書き込まれるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、波形データをサン
プリングして録音することのできる電子楽器における波
形サンプリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロフォン等の外部から入力
された現実音を音源として使用するようにしたサンプリ
ング装置が知られている。サンプリング装置は、従来で
はアナログ記憶媒体を用いて現実音を録音するようにし
ていたが、現在では入力された現実音をサンプリングし
てディジタル記憶媒体に録音することが主流とされてい
る。そして、記憶媒体に録音された波形データをキーオ
ン毎に一度再生したり、繰り返し再生したりすることに
より、演奏を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなサンプリン
グ装置においては、オートトリガ機能を備えたものがあ
る。オートトリガ機能とは、入力された波形データを録
音する際に入力された波形データのレベルが設定された
トリガレベルを超えた時に、自動的に波形データのサン
プリングを開始するようにする機能である。この際に、
トリガレベルを任意の値に設定するトリガレベル設定手
段が設けられている。また通常、このオートトリガの機
能はオン/オフすることができるようにされ、オートト
リガをオン/オフするスイッチを操作してオンした際に
オートトリガモードとされ、オン/オフスイッチをオフ
した際には、マニュアルモードとされる。このマニュア
ルモードにおいては、録音開始の指示をした時に直ちに
入力された波形データのサンプリングが開始されるよう
になる。
【0004】このように、オートトリガ機能を備えるサ
ンプリング装置においては、トリガレベル設定手段を操
作してトリガレベルの設定を独立して行うと共に、オー
トトリガモードとするかマニュアルモードとするかをオ
ン/オフスイッチを独立して操作することにより行うよ
うにしていた。このため、2つの独立した設定操作子が
必要となりサンプリングの設定操作が煩雑でわかりにく
いという問題点があった。
【0005】ところで、複数設けられた操作子の操作と
サンプリング制御の対応付けや、オートトリガの判定条
件の変更等のフレキシビリティを向上するために、波形
データのサンプリング開始をマイクロプロセッサ(CP
U)制御で行うことが望まれている。しかしながら、最
近のCPUはマルチタスク機能を備えており、複数のタ
スクを並行して処理するマルチタスク処理を行ってい
る。この際に優先度の高いタスクが実行されている場合
は、割り込み処理によりCPUに波形データのサンプリ
ングの開始指示を出力させるようにしても、サンプリン
グ開始の指示が出力されるまでに時間遅れが生じやすく
なり、録音される波形データの頭の部分が切れてしまう
恐れがあった。
【0006】そこで、本発明は、トリガレベルを増減す
る操作子を操作するのみで、トリガレベルの設定と、オ
ートトリガモードとするかマニュアルモードとするかの
設定とを行えるようにした波形サンプリング装置を提供
することを第1の目的としている。また、本発明は、C
PUの制御時においてサンプリング開始の指示が出力さ
れるまでに時間遅れが生じても、入力された波形データ
の頭の部分が切れることなく録音することができる波形
サンプリング装置を提供することを第2の目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の波形サンプリング装置は、波形デー
タを入力する入力手段と、該入力手段から入力された波
形データを記憶する波形記憶手段と、トリガレベルを設
定する設定手段と、前記入力手段から入力された波形デ
ータのサンプリングの開始を指示するサンプリング開始
指示手段と、前記入力手段から入力された波形データの
レベルが、前記設定手段により設定されたトリガレベル
を超えたか否かを検出する検出手段と、前記入力手段か
ら入力された波形データを前記波形記憶装置に記憶する
際に、前記設定手段により設定されたトリガレベルが最
小値である場合は、前記サンプリング開始指示手段の指
示に応じて前記入力手段から入力された波形データの前
記波形記憶手段への書き込みを直ちに開始すると共に、
前記設定手段により設定されたトリガレベルが最小値で
ない場合は、前記サンプリング開始指示手段の指示に応
じて前記検出手段が検出を開始し、該検出手段において
前記入力手段から入力された波形データのレベルが設定
されたトリガレベルを超えたことが検出された時点で、
当該入力された波形データの前記波形記憶手段への書き
込みを開始する書き込み手段とを備えている。
【0008】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の波形サンプリング装置は、波形データを入力す
る入力手段と、該入力手段から入力された波形データを
遅延する遅延手段と、前記入力手段から入力された波形
データを記憶する波形記憶手段と、複数のタスクを並行
して実行可能なプロセッサと、前記入力手段から入力さ
れた波形データを前記プロセッサに受け渡す受渡手段
と、前記遅延手段により遅延された前記入力手段から入
力された波形データを前記波形記憶装置に書き込む書き
込み手段とを備え、前記プロセッサは、前記受渡手段か
ら受け取った波形データにおける立ち上がりを検出し
て、前記書き込み手段に前記遅延手段により遅延された
波形データの書き込みを指示するようにしている。
【0009】さらに、上記第2の目的を達成することの
できる本発明の他の波形サンプリング装置は、波形デー
タを入力する入力手段と、該入力手段から入力された波
形データを遅延する遅延手段と、前記入力手段から入力
された波形データを記憶する波形記憶手段と、複数のタ
スクを並行して実行可能なプロセッサと、前記入力手段
から入力された波形データを前記プロセッサに受け渡す
受渡手段と、前記遅延手段により遅延された前記入力手
段から入力された波形データを前記波形記憶装置に書き
込む書き込み手段とを備え、前記プロセッサは、前記受
渡手段から受け取った波形データのレベルを検出して表
示手段に表示させると共に、録音開始操作子が操作され
たことが検出されたときに、前記書き込み手段に前記遅
延手段により遅延された波形データの書き込みを指示す
るようにしている。
【0010】上記した第1の本発明によれば、トリガレ
ベルの増減の設定を行う設定手段において、オートトリ
ガレベルを最小値に絞るようにすれば、オートトリガモ
ードからマニュアルモードに自動的に切り換えられるよ
うになる。したがって、トリガレベルの増減の設定を行
う設定手段を操作するのみで、トリガレベルの設定と、
オートトリガモードとするかマニュアルモードとするか
の設定とを行うことができるようになる。また、上記し
た第2の本発明によれば、少なくともCPUのジョブ遅
れの最大量に相当する遅延時間遅延させて、入力された
波形データを波形記憶手段に書き込むようにしている。
したがって、CPUの制御時においてサンプリング開始
の指示処理が実行されるまでに時間遅れが生じても、入
力された波形データの頭の部分が切れることなく波形記
憶手段に、波形データを書き込むことができるようにな
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の波形サンプリング装置の
ハードウェア構成の例を図1に示す。図1に示す波形サ
ンプリング装置において、1はメイン制御部として使用
されるマイクロプロセッサ(CPU)であり、このCP
U1の制御の下で本発明の波形サンプリング装置におけ
るサンプリング処理が実行される。同時に、その他のア
プリケーションプログラム等の処理も並列して実行可能
とされている。2はCPU1が実行するプログラム等が
記憶されているリードオンリメモリ(ROM)、3はC
PU1が処理を実行する際に使用するワークエリアや、
外部記憶装置であるディスク6等から読み出された楽音
データ等が記憶されるエリアが設定されているランダム
アクセスメモリ(RAM)、4はタイマ割り込み処理の
タイミングをCPU1に指示するタイマである。
【0012】また、5はMIDI(musical instrument
digital interface)演奏データやアプリケーションプ
ログラム等を外部記憶装置であるディスク6から読み出
すためのドライブ、6は外部記憶装置であるディスクで
あり、このディスク6の種類としては、ハードディスク
(HD)、フロッピーディスク(FD)、CD(compac
t disk)−ROM、MO(magneto optical disk)等が
ある。さらに、7はMIDIキーボードや他のMIDI
機器等からMIDIイベント等の演奏データが入力され
ると共に、生成されたMIDIイベントを他のMIDI
機器等へ出力するMIDIインターフェース、8はLA
N(Local Area Network )やインターネット、電話回
線等の通信ネットワークを介してサーバコンピュータに
接続するためのネットワークインターフェースである。
【0013】さらにまた、9はサンプリング時の設定や
楽音発生設定用のパネルスイッチ、10はサンプリング
処理画面等が表示されるパネル表示器(モニタ)、11
は入力された波形データが書き込み可能とされた波形メ
モリ、12はミキサ15から出力される波形データを波
形メモリ11に書き込む書込回路、13は波形メモリ1
1から指定された波形データを読み出す読出回路、14
は読出回路13により読み出された波形データにエンベ
ロープを付与するエンベロープ付与部(EG付与)、1
5はエンベロープが付与された波形データと、入力され
た波形データをミキシングしたり、読出回路13により
波形メモリ11から読み出された複数チャンネル(例え
ば、64チャンネル)分の波形データをミキシングした
りするミキサであり、複数の独立したミキシング処理を
時分割で並行して実行している。
【0014】さらにまた、16はミキサ15から供給さ
れた波形データに遅延メモリ19を利用してリバーブ、
コーラス、バリエーション等のエフェクトを付加する処
理を行うDSP(Digital Signal Processor)であ
り、複数の独立したミキシング処理を時分割で並行して
実行している。17は書込回路12,読出回路13,EG
付与部14,ミキサ15,DSP16を制御する音源パラ
メータ等がセットされる制御レジスタとして使用される
と共に、DSP16から渡される波形データを格納する
受渡FIFO17−1を内蔵する音源制御レジスタ、1
8はマイクロフォン等からの現実音が外部波形入力とし
て入力され、入力されたアナログの外部波形入力信号を
ディジタルデータに変換するアナログ−ディジタル変換
回路(ADC)、19はDSP16がエフェクト処理を
行う際に、DSP16で処理される波形データを一時記
憶する波形メモリである。さらにまた、20は再生タイ
ミング毎にDSP16から渡された楽音データをアナロ
グ楽音信号に変換するディジタル−アナログ変換回路
(DAC)、21は変換されたアナログ楽音信号を増幅
して放音するサウンドシステムである。また、22は各
部を相互に接続しているバスラインである。
【0015】上記した図1に示す構成の波形サンプリン
グ装置において、パネルスイッチ9に備えられた録音開
始ボタンが操作されてADC18に入力された外部波形
入力信号をサンプリングする処理が行われる際には、A
DC18から出力された波形データはミキサ15に入力
され、ミキサ15からDSP16に供給されて録音用の
エフェクトが波形データに与えられる。さらに、DSP
16にマイクロプログラムで実現されている遅延手段に
より波形データは所定時間遅延される。この所定の遅延
時間は録音開始ボタンが操作されてからCPU1におい
て録音開始を指示するサンプリング処理が開始されるま
でのジョブ遅延時間以上の時間とされる。そして、所定
時間遅延された波形データはミキサ15を介して書き込
み回路12に供給される。また、遅延される前の波形デ
ータがミキサ15から音源制御レジスタ17に渡され
て、内蔵されている受け渡しFIFO17−1に格納さ
れる。
【0016】FIFO17−1に格納された波形データ
は、割り込み処理によりCPU1に取り込まれる。そし
て、オートトリガモードとされている場合は波形データ
のレベル検出処理が実行され、波形データが立ち上がっ
たと判定されたときに、CPU1は録音開始の指示を出
力する。また、マニュアルモードの場合は、パネルスイ
ッチ9に備えられている録音開始ボタンが操作されたこ
とがCPU1において検出されたときに、CPU1は録
音開始の指示を出力する。さらに、パネル表示部10に
波形データのレベルを表示する表示処理がCPU1にお
いて実行され、波形データのレベルを観察しながらユー
ザは録音開始ボタンを操作する。このレベル表示は、例
えばバーグラフ等の簡単な表示とされているため、レベ
ル表示に必要なプログラムが極めて少なくてすみ、ま
た、CPU1に対する負荷を小さくすることができる。
したがって、CPU1は表示を制御しつつ楽音制御等の
その他の処理を遅れなく実行することができる。
【0017】CPU1が録音開始の指示を出力すると、
書込回路12はミキサ15から供給されている波形デー
タの波形メモリ11への書き込みを開始する。そして、
所定時間書き込みが行われて、パネルスイッチ9に備え
られている録音停止ボタンが操作されたことがCPU1
において検出されたときに、CPU1は録音停止の指示
を所定時間後に出力する。これにより、書込回路12は
波形データの波形メモリ11への書き込みを停止する。
また、録音停止ボタンが操作されないときは、波形デー
タが波形メモリの最後のアドレス位置まで書き込まれた
後、波形データの波形メモリ11への書き込みが停止さ
れる。このようにして波形メモリ11に書き込まれた波
形データは、MIDIインターフェース7を介して入力
された演奏データやディスク6に記録されている演奏デ
ータ等に基づいて演奏を行うときの音源波形として使用
されるようになる。
【0018】次に、上記した動作を行う図1に示す波形
サンプリング装置における波形データを録音する際のサ
ンプリング処理時の結線図を図2に示す。図2におい
て、マイクロフォン43から入力されたサンプリングし
たい現実音はディジタルの波形データに変換されて縦続
接続されたDSP1,DSP2,DSP3に入力され、
リバーブ、エコー等の録音用のエフェクトの付与がそれ
ぞれ実行される。エフェクト処理が行われた波形データ
は、音源(TG)44から供給された波形データに加算
されてイコライザ(MEQ)16−5に供給されると共
に、遅延手段(Short Delay)16−4に供給される。
そして、遅延手段16−4で遅延される前の波形データ
のトリガ検出処理およびレベル表示処理が処理手段41
で実行され、処理手段41から出力される録音開始指示
により、録音開始手段がオンされて波形メモリ(Wave
RAM)42への波形データの録音が開始される。
【0019】また、イコライザ16−5から出力される
楽音波形データはアナログ信号に変換された後、サウン
ドシステム45において放音されるようになる。ここ
で、図1の構成と図2に示す結線図を対比すると、DS
P1,DSP2,DSP3はDSP16により構成され
ると共に、遅延手段16−4はDSP16において実行
されるマイクロプログラムで実現された遅延手段に相当
する。また、波形メモリ42は波形メモリ11に相当す
ると共に、波形データを出力する音源44もサンプリン
グされた波形データが記憶されている波形メモリ11に
相当する。さらに、イコライザ16−5はDSP16に
おいて実行されるマイクロプログラムで実現されてお
り、サウンドシステム45はサウンドシステム21に相
当している。さらにまた、処理手段41はCPU1がサ
ンプリング処理のプログラムを実行することにより実現
される。
【0020】上記図2に示す結線はミキサ15において
実現されており、ミキサ15とDSP16との接続態様
を図3に示す。なお、ミキサ15においては複数の入力
線と複数の出力線との間を任意に種々の態様において接
続することができるようにされており、図3では図2に
示す結線を実現する態様が示されている。図3におい
て、アナログの外部波形入力信号をディジタル信号に変
換するADC18から出力された波形データはミキサ1
5に入力される。そして、ミキサ15からDSP16内
のDSP1に出力される。この場合、ADC18からの
入力線はミキサ15における全ての出力線に接続されて
いるのであるが、DSP1への出力線へのみ波形データ
が減衰されずに出力され、他の出力線へは波形データが
最大量減衰されて出力されるよう設定される。このた
め、等価的にDSP1のみへADC18からの波形デー
タが出力されるのである。以下に説明する特定の入力線
から特定の出力線への出力は、上記と同様の方法により
行われるが、特にその説明は行わないものとする。
【0021】DSP1において録音用のエフェクトが付
与された波形データはミキサ15に戻され、ミキサ15
からDSP16内のDSP2に供給される。この場合、
ミキサ15内において音量制御してDSP2に波形デー
タを渡すようにしてもよい。このDSP2においてさら
に異なる種類のエフェクトが付与された波形データは再
度ミキサ15に戻され、ミキサ15からDSP16内の
DSP3に供給される。このDSP3においてさらに異
なる種類のエフェクトが付与された波形データは再度ミ
キサ15に戻され、ミキサ15からDSP16内の遅延
手段(DELAY)16−4に供給されると共に、ミキ
サ15内の加算手段15−2および受渡FIFO17−
1に供給される。この加算手段15−2ではDSP3か
ら出力された波形データと、DSP16内のその他処理
手段16−6においてエフェクト処理された楽音波形デ
ータとが加算処理されて、ミキサ15からDSP16内
のイコライザ16−5に出力される。そして、イコライ
ザ16−5においてイコライジング処理された楽音波形
データは、DAC20においてアナログの楽音波形信号
に変換されて、サウンドシステムに供給される。また、
受渡FIFO17−1へ供給する波形データはDSP3
から出力される波形データに限るものではなく、ミキサ
15におけるどの波形データを供給してもよい。この場
合、どの波形データを供給するか、あるいは供給を行う
かいなかは、CPU1により制御レジスタ17に設定さ
れている。
【0022】ところで、波形メモリ11にはサンプリン
グ処理を行うことにより種々の波形データが記憶されて
おり、この波形メモリ11から読み出された複数チャン
ネル(例えば、64チャンネル)分の楽音波形データが
エンベロープ付与部14に供給される。そして、エンベ
ロープ付与部14において各チャンネルの楽音波形デー
タにエンベロープが付与されてミキサ15に入力され
る。ミキサ15に入力された楽音波形データは、ミキサ
15内のミキシング部(MIX)15−1において複数
チャンネルのミキシングが行われDSP16内のその他
処理手段16−6に出力される。そして、その他処理手
段16−6内においてコーラス、リバーブ、バリエーシ
ョン等のエフェクトが楽音波形データに付与される処理
が行われて、エフェクトの付与された楽音波形データが
ミキサ15に戻される。この戻された楽音波形データは
加算手段15−2に供給されて、前記したようにDSP
3から出力される波形データと加算される。
【0023】また、DSP16内の遅延手段16−4に
より所定の遅延時間遅延された波形データは、波形デー
タを波形メモリ11へ書き込む書込回路12に供給され
る。このような図3に示す結線がミキサ15において設
定されることにより、図2に示すサンプリング時の結線
が実現されている。なお、DSP16におけるDSP
1,DSP2,DSP3,遅延手段16−4、イコライ
ザ16−5、その他処理手段16−6はいずれも対応す
る複数のマイクロプログラムをCPU1が制御レジスタ
17に設定し、DSP16がそれらのマイクロプログラ
ムを時分割で実行することにより実現されている。すな
わち、DSP16においてはこれらの6つのプログラム
が並行して実行されている。
【0024】次に、本発明の第1の特徴点である遅延手
段16−4の作用について図4(a)(b)に示す波形
図を参照しながら説明する。図4(a)に示す波形図
は、入力された波形データの波形を示す図であり、図4
(b)に示す波形図は、入力された波形データを遅延手
段16−4により遅延した波形を示す図である。これら
の図において、時点t0(START)は、パネルスイ
ッチ9に設けられた録音開始ボタンが操作された時点
(マニュアルモード時)、あるいは、録音開始ボタンが
操作された後、設定されたトリガレベルを超える波形デ
ータが入力された時点(オートトリガモード時)であ
る。また、時点t3(STOP)はパネルスイッチ9に
設けられた録音停止ボタンが操作された時点である。そ
して、時点t0から時点t1までのジョブ遅延時間(J
OB_DLY)は、パネルスイッチ9に備えられた録音
開始ボタンが操作されてから対応する録音開始処理をC
PU1が実行するまでの時間(マニュアルモード時)、
あるいは、設定されたトリガレベルを超える波形データ
が入力した時点をCPU1が検知し、対応する録音開始
処理をCPU1が実行するまでの時間(オートトリガモ
ード時)であり、時点t3から時点t4までのジョブ遅
延時間(JOB_DLY)は、パネルスイッチ9に備え
られた録音停止ボタンが操作されてから対応する録音停
止処理をCPU1が実行するまでの時間(マニュアルモ
ード時およびオートトリガモード時)である。さらに、
時点t0から時点t2までの開始遅延時間INP_DL
Yは、波形データが遅延手段16−4で遅延される遅延
時間である。この遅延時間INP_DLYは、例えば、
11.8msecとされる。また、遅延時間INP_D
LYは、ジョブ遅延時間(JOB_DLY)より長い遅
延時間とされる。
【0025】さらに、時点t0から時点t3までのサン
プリング領域(SAMPLINGAREA)は波形デー
タにおけるサンプリングが指示された領域であり、時点
t1から時点t5までの書込領域(WRITE ARE
A)は波形メモリ11に書き込まれる波形データの領域
を示している。さらにまた、時点t4から時点t5まで
の停止遅延時間(STOP DLY)はCPU1が録音
停止情報を受けてから書込回路12に波形データの波形
メモリ11への書き込み停止の指示を与えるまでの遅延
時間である。なお、停止遅延時間(STOP DLY)
は、録音停止時のジョブ遅延時間(JOB_DLY)の
最大値に遅延時間INP_DLYを加えた時間より長い
時間とされる。
【0026】ここで、マニュアルモードとされている場
合に、パネルスイッチ9に備えられている録音開始ボタ
ンが時点t0で操作されると、CPU1はジョブ遅延時
間後の時点t1において録音開始の指示を出力する。こ
の時、書込回路12は波形データの波形メモリ11への
書き込みを開始するが、書込回路12には図4(b)に
示す遅延された波形データが供給されているため、波形
メモリ11には時点t1からの図4(b)に示す波形デ
ータが書き込まれるようになる。これにより、波形デー
タの頭の部分が切れることなく波形メモリ11へ波形デ
ータを書き込むことができるようになる。
【0027】また、時点t3においてパネルスイッチ9
に備えられている録音停止ボタンが操作されると、CP
U1は時点t4から時点t5まで経過した時点において
録音停止の指示を出力する。これにより、書込回路12
は波形データの波形メモリ11への書き込みを停止す
る。この結果、図4(b)に示す波形データのサンプリ
ングすべき領域(SAMPLING AREA)を含む
時点t1から時点t5までの領域が波形メモリ11へ書
き込まれるようになる。以上説明したように、遅延手段
16−4を設けることにより、CPU1がサンプリング
処理に関するタスクを開始するまでに遅延時間が生じて
も、波形データの頭の部分が切れることなく波形メモリ
11へ書き込むことができるようになる。
【0028】次に、図5にパネルスイッチ9とパネル表
示器10の構成を示す。ただし、パネルスイッチ9とパ
ネル表示器10は、図1に示す構成の波形サンプリング
装置が収納される筐体上に設けられる。パネルスイッチ
9−1〜9−19はパネル表示器10の周囲に配置され
るよう設けられている。このうち5つのパネルスイッチ
9−1〜9−5、および、5つのパネルスイッチ9−6
〜9−10は、パネル表示器10にパネルスイッチ9−
1〜9−5およびパネルスイッチ9−6〜9−10に対
応して表示される機能を選択して実行するためのスイッ
チである。また、パネルスイッチ9−12から9−19
はロータリエンコーダにより構成されており、ロータリ
エンコーダ9−12〜9−19は、ロータリエンコーダ
9−12〜9−19に対応して表示される機能を選択し
て実行したり、対応して表示される数値を増減したりす
るための操作子である。また、複数のスイッチボタンか
らなるパネルスイッチ9−11は、波形サンプリング装
置の各種設定を行ったり、波形データの録音開始/録音
停止を行うためのスイッチボタンが含まれている。
【0029】次に、本発明の波形サンプリング装置にお
けるCPU1が実行するメインルーチンのフローチャー
トを図6に示す。電源投入あるいはリセットされて図6
に示すメインルーチンが起動されると、ステップS10
において波形サンプリング装置の初期設定が行われる。
この初期設定では、各種レジスタおよび音源制御レジス
タ17のクリアや、パネル表示器10に表示する画面の
準備処理などの初期設定が行われる。ついで、ステップ
S11において処理要因が存在するか否かのチェックが
行われる。処理要因としては、(1)MIDIイベント
の入力が検出されたこと、(2)パネルスイッチ9にお
ける入力イベントが検出されたこと、(3)受渡FIF
O17−1に波形データが渡されたこと、(4)その他
のCPU1が実行する処理の要因が発生した時の4通り
の要因が存在している。
【0030】そこで、ステップS11において前記4通
りのうちの1つでも処理要因があるか否かがステップS
12において判定され、処理要因が発生していることが
検出されたときにはステップS13に進み、処理要因が
1つも検出されないときにはステップS11に戻って、
処理要因の発生を待つようになる。ステップS13で
は、前記処理要因(1)が検出されたときに、ステップ
S14に進んでMIDI処理が実行され、MIDIイン
ターフェース7を介して入力されたMIDIイベントに
応じた楽音が発音/停止が行われるようになる。
【0031】このステップS14で実行されるMIDI
処理では、MIDIインターフェース7を介して入力さ
れたMIDIイベントが受け取られ、このMIDIイベ
ントが、受信時刻と共にRAM3に書き込まれる。そし
て、音源制御レジスタ17にMIDIイベントに基づい
て生成されたノートオン処理あるいはノートオフ処理の
ためのパラメータがセットされて、このパラメータに応
じたノートオン処理あるいはノートオフ処理が行われ
る。例えば、ノートオン処理が実行される場合は、波形
メモリ11からパラメータに応じた波形データが読み出
され、EG付与部14においてパラメータに応じたエン
ベロープが付与される。さらに、この波形データにDS
P16においてパラメータに応じてエフェクトが付与さ
れてサウンドシステム21から発音されるようになる。
このように、MIDI処理では、入力されたMIDIイ
ベントに応じたノートオン処理/ノートオフ処理が実行
される。なお、ノートオン処理の際に波形メモリ11か
ら読み出される波形データは、サンプリング処理により
波形メモリ11に書き込まれた波形データである。
【0032】また、前記処理要因(2)が検出されたと
きは、ステップS13からステップS15に進み操作さ
れたパネルスイッチに応じたスイッチ処理が実行され
る。このスイッチ処理としては、トリガレベル設定スイ
ッチが操作された際に実行されるトリガレベルUP/D
OWN操作処理、録音開始ボタンが操作された際に実行
されるサンプリング開始操作処理、録音停止ボタンが操
作された時に実行されるサンプリング停止処理がある
が、これらの処理の詳細は後述する。さらに、ステップ
S11にて前記処理要因(3)が検出されたときは、ス
テップS13からステップS15に進み後述する波形受
取処理が実行される。さらにまた、ステップS11にて
前記処理要因(4)が検出されたときは、ステップS1
3からステップS17に進み発生された要因に応じた処
理、例えばディスク6からファイルを読み出す処理やフ
ァイルを書き込む処理、あるいは電源停止時の終了処理
等が実行される。
【0033】そして、ステップS14、ステップS1
5、ステップS16、ステップS17の処理が終了する
と、ステップS11に戻り、ステップS11以降の処理
が繰り返し実行される。次に、トリガレベル設定スイッ
チが操作された際に実行されるトリガレベルUP/DO
WN操作処理の詳細を、図7に示すフローチャートおよ
び図8に示すパネル表示器10に表示される表示画面を
参照しながら説明する。図8に示す表示画面は、波形サ
ンプリング装置がサンプリングを実行する際、および、
当該波形サンプリング装置の波形データとは別フォーマ
ットとされた楽音データをディスク6から取り込む際の
表示画面であり、表示画面の下部にADC18から入力
された波形データ(遅延前)のレベルがバーグラフ表示
されている。ここで、パネルスイッチ9−4を操作する
と、例えばディスク6から別フォーマットの楽音データ
が取り込まれる。
【0034】また、図8の表示画面の状態でパネルスイ
ッチ9−10を操作すると、オートトリガモードで入力
された波形データの録音開始処理が行われる。この際の
トリガレベルは、表示画面のほぼ中央下に「AUTO TRIG
GER LEVEL」として表示される。この場合は、トリガレ
ベルは「−33.3dB」に設定されている。そして、
パネルスイッチ9−10を操作すると、ほぼ中央に”W
AITING”と表示され、波形データの立ち上がりの
検出処理が行われるようになる。そして、波形データが
トリガレベルを超えてその立ち上がりが検出されたとき
に、図示するように”RECORDING”と表示が変
更されて、波形データの録音が開始される。また、図8
に示す表示画面のときに、ロータリエンコーダ9−14
ないしロータリーエンコーダ9−17を操作すると、図
7に示すフローチャートのトリガレベルUP/DOWN
操作処理が開始される。
【0035】すなわち、ロータリエンコーダ9−14な
いしロータリーエンコーダ9−17を操作すると、図7
に示すフローチャートのステップS21にてこれらのロ
ータリエンコーダの操作に応じてスレッショルドレベル
TLが増減される。この場合、例えばロータリーエンコ
ーダ9−14〜9−17のいずれかを上方向へ回転させ
るよう回転操作すると、スレッショルドレベルが上昇
し、ロータリーエンコーダ9−14〜9−17のいずれ
かを下方向へ回転させるよう回転操作すると、スレッシ
ョルドレベルが下降するようになる。このようにして、
ステップS22にてパネル表示器10に設定されたトリ
ガレベル値が、図8に示すように表示画面のほぼ中央に
数値表示で表示されるようになる。そして、このUP/
DOWN操作処理は終了する。
【0036】なお、ロータリーエンコーダ9−14〜9
−17のいずれかを回転操作することによりトリガレベ
ルを設定する際に、ロータリーエンコーダ9−14〜9
−17を下方向へ回転させ、トリガレベル値を−48d
B以下とすると、スレッショルドレベルTL=0となり
トリガレベルが最小値である−48dB以下のオートト
リガがオフの状態になり、図8の表示画面ではトリガレ
ベルの値の代わりに「OFF」が表示される。ここで、
パネル表示器10には形データのレベルがバーグラフ表
示されており、レベルを確認しながらパネルスイッチ9
−10の録音開始ボタンが操作可能とされている。該録
音開始ボタンが操作された場合には、図9に示すフロー
チャートのサンプリング開始処理がスタートされる。す
ると、ステップS31にて波形データが書き込まれる波
形メモリ11の録音開始アドレス/録音停止アドレス
や、波形データをサンプリングするサンプリング周波数
Fsの設定等を行う準備処理が行われる。ついで、ステ
ップS32にてスレッショルドレベルTLが「0」に設
定されているか否かが判定され、スレッショルドレベル
TLが「0」と判定されたときはステップS33に進
む。
【0037】ここでステップS32での処理では、スレ
ッショルドレベルTLが最小値以下に設定されたとき
(TL=0)は、マニュアルモードに設定されたと判断
すると共に、スレッショルドレベルTLが最小値を超え
る有意の値に設定されたときはオートトリガモードに設
定されたと判断する処理である。これにより、マニュア
ルモードとオートトリガモードを切り換えるための独立
したスイッチが不要となり、マニュアルモードとオート
トリガモードとの切り換えを簡単な操作により行うこと
ができるようになる。なお、ステップS33に進む場合
はマニュアルモードとされた場合であるから、ステップ
S33ではマニュアルモード時の処理を行うために、書
込回路12に直ちにサンプリング開始が指示されて、書
込回路12はサンプリングされた波形データを波形メモ
リ11に書き込み始めるようになる。そして、波形デー
タの録音開始タイミング情報を記録しておく場合は、ス
テップS34にて現在時刻が波形データのヘッダや同時
に再生されている自動演奏データのシーケンス内に書き
込まれるようになる。
【0038】なお、バックグラウンドで自動演奏を流し
たりビデオを再生したりしながら波形の録音を行ってい
る場合には、録音開始タイミング情報を書き込んでおく
と、後でもう一度その自動演奏やビデオの再生を行うと
きに、記録された録音開始タイミングを利用して自動演
奏やビデオに同期して録音された波形データを再生する
ことができるようになる。また、ステップS32にてス
レッショルドレベルTLが「0」でないと判断された場
合は、ステップS35に分岐してフラグTFが「1」に
セットされ、後述するオートトリガモードの処理が行わ
れるようになる。ステップS34あるいはステップS3
5の処理が終了すると、サンプリング開始処理は終了さ
れる。
【0039】次に、波形データの録音中にパネルスイッ
チ9−11のうちの録音停止ボタンが操作されたとする
と、図10に示すフローチャートのサンプリング停止処
理がスタートされる。すると、ステップS51にて書込
回路12に図4に示す遅延時間STOP_DELAY後
にサンプリング停止をするようCPU1から指示が行わ
れる。ついで、波形メモリ11に書き込まれた波形デー
タに書込時刻、録音された波形データの開始アドレス/
終了アドレスや波形データ名等が書き込まれたヘッダが
付与されて、サンプリング停止処理は終了する。
【0040】次に、音源制御レジスタ17内の受渡FI
FO17−1にミキサ15から波形データが渡された際
に、割り込みにより起動される波形受取処理のフローチ
ャートを図11に示し、以下に図11を参照しながら波
形受取処理を説明する。波形受取処理が起動されると、
ステップS41にて受渡FIFO17−1から波形デー
タを取り込む。次いで、ステップS42にて取り込んだ
波形データのレベルを検出しパネル表示器10にレベル
を表示する。この際の表示は波形を表示するのではな
く、図8に示すようにバーグラフ表示等によりレベルだ
けを表示する。したがって、表示処理を簡単に行えると
共に、表示パネル10における表示エリアを小さくする
ことができ、効率的な表示を行うことができるようにな
る。
【0041】さらに、ステップS43にてスレッショル
ドレベルTLが「0」でないか、かつ、フラグTFが
「1」にセットされているかが判定される。すなわち、
このステップではマニュアルモードとされていないと共
に、フラグTFがオートトリガの録音待機中を示す
「1」とされているかが判定される。そして、スレッシ
ョルドレベルTLが「0」でなく、かつ、フラグTFが
「1」にセットされている場合はYESと判定されて、
ステップS44に進む。このステップS44では取り込
まれた波形データのレベルがスレッショルドレベルTL
に基づいて判定される。次いで、ステップS45にてス
テップS44の判定結果に基づいて波形データが立ち上
がったか否かが判定される。この判定は、CPU1の実
行するソフトウェアで行われているため、判定の条件を
容易かつ自由に変更することができる。例えば、ノイズ
の多い波形を録音する場合には、CPU1にノイズを除
去するフィルタ処理を行わせてからトリガレベルと比較
して立ち上がりの判定を行わせることができる。また、
入力する波形データの平均レベルに応じて立ち上がり判
定の方法や条件をダイナミックに変更したりすることも
できる。この際に、取り込まれた波形データのレベルが
スレッショルドレベルTLを超えていると判定されてい
る時は、波形データが立ち上がったと判定されてステッ
プS46に進む。
【0042】そして、ステップS46にて、書込回路1
2にサンプリング開始が指示され書込回路12はミキサ
15から供給される波形データを波形メモリ11へ書き
込み始める。この際に、録音開始タイミング情報を記録
しておく場合には、ステップS47にて現在時刻が波形
データのヘッダや同時に再生されている自動演奏データ
のシーケンス内に書き込まれるようになる。続いてステ
ップS48でフラグTFに「0」が設定された後、波形
受取処理は終了する。また、ステップS43ではスレッ
ショルドレベルTLが「0」とされていない条件、フラ
グTFが「1」にセットされている条件のうちの少なく
とも1つが満足されない場合は、NOと判断されて以降
のオートトリガモードの書込処理が行われず波形受取処
理は終了する。さらに、ステップS45にて未だ波形デ
ータが立ち上がっていないと判断された場合は以降の書
込処理が行われず波形受取処理は終了する。このように
図11に示す波形受取処理では、オートトリガのオン/
オフに関わりなく入力される波形データの音量レベルの
表示画面への表示処理(ステップS42)が行われ、ま
た、オートトリガモードの録音待機状態(録音開始ボタ
ン9−10操作の直後のフラグTF=1の状態)におけ
る録音開始の条件判定処理(ステップS44、ステップ
S45)およびその条件成立時の録音開始制御処理(ス
テップS46)が行われている。
【0043】以上説明したように本発明の波形サンプリ
ング装置においては、パネルスイッチ9に備えられてい
るロータリーエンコーダを操作して、オートトリガモー
ド時のトリガレベルの設定を行う際に、トリガレベルを
最小値に設定することによりオートトリガモードからマ
ニュアルモードに切り換えることができる。したがっ
て、煩雑な切換操作を行うことなく容易にオートトリガ
モードとマニュアルモードとの切換を行うことができる
ようになる。また、本発明の波形サンプリング装置にお
いては、所定時間遅延した波形データを波形メモリ11
に書き込むようにしたので、並行して実行されているタ
スク処理に影響されてCPU1から録音開始の指示が遅
れて指示されても、波形データの頭の部分が切れること
なく波形データを波形メモリ11に書き込むことができ
るようになる。
【0044】なお、本発明にかかる波形サンプリング装
置では、オートトリガモードとマニュアルモードのいず
れにおいても、書込回路12に対するサンプリング開始
の指示をCPU1が行うようにされているので、オート
トリガモードとマニュアルモードの切り替えをCPU1
の制御プログラムにより容易に行うことができる。ま
た、オートトリガモードにおける録音開始条件の判定方
法を複数用意し、パネル操作子の操作に応じて任意の判
定方法を選択し、上記したステップS44、ステップS
45にて判定を行うようにしてもよい。さらに、新たな
録音開始条件を開発した場合、それを制御するプログラ
ムをディスク6やネットワークを通じて本発明にかかる
波形サンプリング装置に供給するようにしてもよい。さ
らにまた、遅延手段をDSP16が実行するマイクロプ
ログラムにより実現しているので、波形サンプリング装
置に遅延手段を備えさせる際に新たな回路の追加が不要
であり、ソフトウェアの変更のみで遅延手段を備えさせ
ることができる。
【0045】ところで、ディスク6の種類としてはハー
ドディスクやリムーバブルディスク等があるが、これら
のディスク6は各種プログラムや各種データを記憶して
おく記憶装置である。そして、ROM2にサンプリング
処理用の制御プログラムが記憶されていない場合、ディ
スク6にサンプリング処理用の制御プログラムを記憶さ
せておき、それをRAM3に読み込むことにより、RO
M2にサンプリング処理用の制御プログラムを記憶して
いる場合と同様の動作をCPU1に実行させるようにし
てもよい。このようにすると、サンプリング処理用の制
御プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行う
ことができるようになる。
【0046】また、CD−ROM(コンパクトディスク
−リード・オンリ・メモリ)ドライブを設け、CD−R
OMに記憶されているサンプリング処理用の制御プログ
ラムをディスク6にストアするようにしても良い。この
ように、CD−ROMを用いるようにしてもサンプリン
グ処理用の制御プログラムの新規インストールやバージ
ョンアップ等を容易に行うことができる。なお、このC
D−ROMドライブに替えて、フロッピーディスク装
置、光磁気ディスク(MO)装置等、様々な形態の記録
メディアを利用してもよい。
【0047】さらに、本発明の波形サンプリング装置に
おけるネットワークインターフェース8を介してLAN
(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電
話回線等の通信ネットワークに接続することができ、該
通信ネットワークを介して、サーバコンピュータと接続
することができる。したがって、ディスク6にサンプリ
ング処理用の制御プログラムや各種データが記憶されて
いない場合は、サーバコンピュータからサンプリング処
理用の制御プログラムやデータをダウンロードすること
ができるようになる。この際に、クライアントとなる本
発明にかかる波形サンプリング装置は、ネットワークイ
ンターフェース8や通信インターフェースを介してサー
バコンピュータへサンプリング処理用の制御プログラム
等の各種プログラムやデータのダウンロードを要求する
ためのコマンドを送信する。サーバコンピュータは、こ
のコマンドを受け、要求されたプログラムやデータを、
通信ネットワークを介して本発明にかかる波形サンプリ
ング装置へ配信する。本発明にかかる波形サンプリング
装置は、通信インターフエースを介して、サーバコンピ
ュータから配信されたプログラムやデータを受信してデ
ィスク6等の外部記憶装置に格納することにより、プロ
グラムやデータのダウンロードを行うことができるよう
になる。
【0048】
【発明の効果】上記説明したように本発明の波形サンプ
リング装置は、トリガレベルの増減の設定を行う設定手
段において、オートトリガレベルを最小値に絞ることに
より、オートトリガモードからマニュアルモードに自動
的に切り換えられるようになる。したがって、トリガレ
ベルの増減の設定を行う設定手段を操作するのみで、ト
リガレベルの設定と、オートトリガモードとするかマニ
ュアルモードとするかの設定とを行うことができるよう
になる。これにより、操作性を向上することができる。
また、本発明の波形サンプリング装置は、少なくともC
PUのジョブ遅れの最大量に相当する遅延時間遅延させ
て、入力された波形データを波形記憶手段に書き込むよ
うにしている。したがって、CPUの制御時においてサ
ンプリング開始の指示が実行されるまでに時間遅れが生
じても、入力された波形データの頭の部分が切れること
なく波形記憶手段に、波形データを書き込むことができ
るようになる。これにより、波形記憶手段に書き込まれ
た波形データを再生しても所望の楽音が発音されるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の波形サンプリング装置の実施の形態
のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の波形サンプリング装置において、録
音時の接続形態を示すブロック図である。
【図3】 本発明の波形サンプリング装置における図2
に示す接続形態をミキサにより実現することを説明する
ための結線図である。
【図4】 本発明の波形サンプリング装置における入力
された波形データと録音される波形データとの波形を示
す図である。
【図5】 本発明の波形サンプリング装置におけるパネ
ル表示器とパネルスイッチとの構成を示す図である。
【図6】 本発明の波形サンプリング装置におけるメイ
ンルーチンのフローチャートを示す図である。
【図7】 メインルーチンにおけるスイッチ処理で実行
されるトリガレベルUP/DOWN操作処理のフローチ
ャートを示す図である。
【図8】 本発明の波形サンプリング装置におけるサン
プリング処理時のパネル表示器に表示される表示画面を
示す図である。
【図9】 メインルーチンにおけるスイッチ処理で実行
されるサンプリング開始処理のフローチャートを示す図
である。
【図10】 メインルーチンにおけるスイッチ処理で実
行されるサンプリング停止処理のフローチャートを示す
図である。
【図11】 メインルーチンにおける波形受取処理のフ
ローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 タイマ、5
ドライブ、6 ディスク、7 MIDIインターフェ
ース、8 ネットワークインターフェース、9パネルス
イッチ、10 パネル表示器、11 波形メモリ、12
書込回路、13 読出回路、14 EG付与部、15
ミキサ、16 DSP、17 音源制御レジスタ、1
8 ADC、19 遅延メモリ、20 DAC、21
サウンドシステム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形データを入力する入力手段と、 該入力手段から入力された波形データを記憶する波形記
    憶手段と、 トリガレベルを設定する設定手段と、 前記入力手段から入力された波形データのサンプリング
    の開始を指示するサンプリング開始指示手段と、 前記入力手段から入力された波形データのレベルが、前
    記設定手段により設定されたトリガレベルを超えたか否
    かを検出する検出手段と、 前記入力手段から入力された波形データを前記波形記憶
    装置に記憶する際に、前記設定手段により設定されたト
    リガレベルが最小値である場合は、前記サンプリング開
    始指示手段の指示に応じて前記入力手段から入力された
    波形データの前記波形記憶手段への書き込みを直ちに開
    始すると共に、前記設定手段により設定されたトリガレ
    ベルが最小値でない場合は、前記サンプリング開始指示
    手段の指示に応じて前記検出手段が検出を開始し、該検
    出手段において前記入力手段から入力された波形データ
    のレベルが設定されたトリガレベルを超えたことが検出
    された時点で、当該入力された波形データの前記波形記
    憶手段への書き込みを開始する書き込み手段と、 を備えることを特徴とする波形サンプリング装置。
  2. 【請求項2】 波形データを入力する入力手段と、 該入力手段から入力された波形データを遅延する遅延手
    段と、 前記入力手段から入力された波形データを記憶する波形
    記憶手段と、 複数のタスクを並行して実行可能なプロセッサと、 前記入力手段から入力された波形データを前記プロセッ
    サに受け渡す受渡手段と、 前記遅延手段により遅延された前記入力手段から入力さ
    れた波形データを前記波形記憶装置に書き込む書き込み
    手段とを備え、 前記プロセッサは、前記受渡手段から受け取った波形デ
    ータにおける立ち上がりを検出して、前記書き込み手段
    に前記遅延手段により遅延された波形データの書き込み
    を指示するようにしたことを特徴とする波形サンプリン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 波形データを入力する入力手段と、 該入力手段から入力された波形データを遅延する遅延手
    段と、 前記入力手段から入力された波形データを記憶する波形
    記憶手段と、 複数のタスクを並行して実行可能なプロセッサと、 前記入力手段から入力された波形データを前記プロセッ
    サに受け渡す受渡手段と、 前記遅延手段により遅延された前記入力手段から入力さ
    れた波形データを前記波形記憶装置に書き込む書き込み
    手段とを備え、 前記プロセッサは、前記受渡手段から受け取った波形デ
    ータのレベルを検出して表示手段に表示させると共に、
    録音開始操作子が操作されたことが検出されたときに、
    前記書き込み手段に前記遅延手段により遅延された波形
    データの書き込みを指示するようにしたことを特徴とす
    る波形サンプリング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522364A (ja) * 2007-03-22 2010-07-01 クゥアルコム・インコーポレイテッド 楽器用デジタルインターフェース(midi)ファイルを処理するためのパイプライン技法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522364A (ja) * 2007-03-22 2010-07-01 クゥアルコム・インコーポレイテッド 楽器用デジタルインターフェース(midi)ファイルを処理するためのパイプライン技法

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