JP2739669B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JP2739669B2
JP2739669B2 JP4246012A JP24601292A JP2739669B2 JP 2739669 B2 JP2739669 B2 JP 2739669B2 JP 4246012 A JP4246012 A JP 4246012A JP 24601292 A JP24601292 A JP 24601292A JP 2739669 B2 JP2739669 B2 JP 2739669B2
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康史 佐藤
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    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子キーボー
ド、電子ピアノ、シンセサイザー等の電子楽器において
楽音信号を発生する楽音発生装置に関する。
【0002】近年、種々の電子楽器が開発され実用に供
されている。かかる電子楽器は楽音発生装置を内蔵して
おり、演奏者の指定に応じて種々の音色で楽音を発生で
きるようになっている。
【0003】ところで、上記のような楽音発生装置で
は、極力ノイズを含まない清澄な楽音の発生が望まれて
いる。
【0004】
【従来の技術】従来、楽音発生装置として、予めメモリ
に記憶された楽音波形データを順次読み出して楽音信号
に再成することにより楽音を発生するようにした読み出
し方式を採用するものが知られている。
【0005】この読み出し方式を採用する楽音発生装置
は、楽音の立ち上がり部分と、これに続く繰り返し部分
とでなる楽音波形データをメモリに記憶しておき、楽音
の立ち上がり部分と繰り返し部分の各楽音波形データを
連続して1回読み出し、以降は繰り返し部分の楽音波形
データを繰り返し読み出すことにより、持続する楽音信
号を発生するようにしたものである。
【0006】しかしこの方式では、繰り返し部分の楽音
波形データを繰り返し読出す際、正確に所定周期で読み
出すのは困難であるという欠点があった。また、繰り返
し部分の繰り返し読み出しにおいて繰り返し箇所で不連
続箇所が発生し、音のつながりが不自然になるとともに
不要な高次倍音が発生し、楽音の質を著しく損なうとい
う欠点があった。
【0007】例えば、図8に示すように、繰り返し部分
として1周期の正弦波を用いる場合、楽音信号の切り出
しが適切でないと、繰り返して読み出した場合に不連続
箇所Nが発生する。
【0008】もし、図5に示すように、不連続箇所がな
い正弦波であれば、そのスペクトルは、図6に示すよう
に、当該楽音信号の周波数成分のみを含む清澄な楽音が
得られる。
【0009】しかしながら、上記図8に示すような不連
続箇所Nを有する波形は、図9のスペクトル図に示すよ
うに、元の波形には含まれていなかった不要な高次倍音
を多数含んだものとなってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うに、従来の読み出し方式の楽音発生装置では、繰り返
し部分の楽音波形データを繰り返し読み出す際、正確に
所定周期で連続して読出すのは困難であり、また、繰り
返し部分で不連続箇所が発生し、楽音のつながりが不自
然になるとともに、不要な高次倍音が多数発生して高音
質の楽音が得られないという欠点を解消するためになさ
れたもので、繰り返し部分の楽音波形データを繰り返し
読み出す際にも不連続な部分が発生せず、楽音のつなが
りが自然になるとともに不要な高次倍音の発生を防止す
ることができ、高音質の楽音が得られる楽音発生装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音発生装置
は、上記目的を達成するために、楽音の立ち上がり部分
と、該立ち上がり部分に続く移行部分と、該移行部分に
続く繰り返し部分の各波形データより成る楽音波形デー
タが記憶された波形メモリを具備し、前記楽音の立ち上
がり部分、移行部分及び繰り返し部分を連続して1回読
み出した後に前記繰り返し部分を繰り返し読み出して楽
音を発生する楽音発生装置であって、前記波形メモリに
は、楽音の立ち上がり部分を記憶し、次いで、前記移行
部分の波形データとして、(1)楽音の立ち上がり部分
に続く定常部分の所定区間の波形データに減衰特性の重
み付けを施したものと、(2)前記定常部分の所定周期
の波形データを切り出してこれを複数連結し、この連結
された波形データに位相情報の変更を伴わないフィルタ
処理を施し、このフィルタ処理を施した波形データから
前記所定周期と同周期の波形データを切り出し、この波
形データを前記所定区間に含まれる波数と同波数だけ連
結して立上り特性の重み付けを施した波形データと、を
クロスフェードミックスした波形データを記憶し、そし
て、前記繰り返し部分の波形データとして前記フィルタ
処理後の波形データを記憶すること、を特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、波形メモリに楽音波形デー
タを記憶する際に、楽音の立ち上がり部分に続く所定区
間はフェードアウト処理を施し、これと原音の定常部分
の任意の区間の波形を基に前記フィルタ処理によって作
成した所定周期の波形データにフェードイン処理を施し
たデータをミックスし(クロスフェードミックス)、こ
れに続く繰り返し読出される部分はフィルタ処理した波
形データを記憶するようにしている。
【0013】これにより、楽音の立ち上がり部分から繰
り返し読出し部分への移行が円滑に行われるとともに、
繰り返し読み出す波形データは前記フィルタ処理を施し
てあるので不連続部分が発生せず、従って、発音される
楽音に不自然さがなくなり、また不要な高次倍音もなく
なるので高音質の楽音が得られるものとなっている。
【0014】
【実施例】図1は本発明に係わる楽音発生装置を適用し
た電子楽器の構成を示すブロック図である。
【0015】図において、中央処理装置(以下、「CP
U」という)1は、リードオンリメモリ(以下、「RO
M」という)2のプログラムメモリ部に記憶された制御
プログラムを、システムバス14を介して順次読み出し
て実行することにより、この電子楽器の各部を制御する
ものである。
【0016】上記ROM2には、CPU1を動作させる
制御プログラムの他、音色データ、その他の種々の固定
データが記憶されている。
【0017】ランダムアクセスメモリ(以下、「RA
M」という)3は、ROM2に記憶されている所定のデ
ータを転送記憶するとともに、当該電子楽器を制御する
ための各種レジスタ及び作業用のワーキング領域を有し
ている。
【0018】キーボード4は、演奏者の押鍵・離鍵動作
を伝える鍵盤スイッチ群である。このキーボード4から
のスイッチのオン/オフ情報はタッチセンサ5に送られ
るようになっている。
【0019】タッチセンサ5は、キーボード4からのス
イッチのオン/オフ情報に基づき、押鍵・離鍵された鍵
を示すキーコードと、押鍵の強さを示すタッチデータを
周知のタッチ検出回路で検出して入出力インターフェー
ス6に送出するものである。
【0020】パネル7は、モード指定スイッチ、音色選
択スイッチ、リズム選択スイッチ、各種効果スイッチ等
の各種スイッチ群で構成され、当該電子楽器に種々の指
示を与えるものである。このパネル7上のスイッチはパ
ネルスキャン回路(図示しない)によりそのセット状態
が検出され、パネルスイッチコードとして入出力インタ
ーフェース6に送出されるようになっている。
【0021】入出力インターフェース6は、押鍵・離鍵
された鍵のキーコードとタッチデータ、及びパネル7か
らのパネルスイッチコードをシステムバス14を介して
CPU1に送出するものである。
【0022】トーンジェネレータ8は、楽音信号の生成
を制御するものである。つまり、パネル7で指定された
音色、及びキーボード4の押鍵又は離鍵された鍵のキー
コードに対応した楽音波形データを波形メモリ9から順
次読み出して楽音信号を発生する制御を行うものであ
る。このトーンジェネレータ8の詳細については後述す
る。
【0023】波形メモリ9は、音色や音高に対応した複
数の楽音波形データを記憶するものである。この波形メ
モリ9に記憶された楽音波形データは、トーンジェネレ
ータ8からのアドレスにより1つの楽音波形データが選
択され、順次読み出される。この波形メモリ9から読出
された波形データは楽音波形信号として乗算器11に供
給されるようになっている。この波形メモリ9に記憶す
る楽音波形データの詳細については後述する。
【0024】エンベロープジェネレータ10は、CPU
1からシステムバス14を介して送られてくるエンベロ
ープデータに従って楽音波形信号の振幅を制御するエン
ベロープ信号を発生するものである。このエンベロープ
ジェネレータ10で発生されたエンベロープ信号も乗算
器11に供給されるようになっている。
【0025】乗算器11は、上記波形メモリ9からの楽
音波形信号とエンベロープジェネレータ10からのエン
ベロープ信号とを乗算し、エンベロープが付加された楽
音信号を生成する。これにより音の強弱が付加された楽
音信号が生成されるようになっている。このエンベロー
プが付加されたデジタル楽音信号はD/A変換器12に
供給される。
【0026】D/A変換器12は、乗算器11が出力す
るデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換するもの
である。このD/A変換器12の出力はサウンドシステ
ム13に供給されるようになっている。
【0027】サウンドシステム13は、アンプ13a及
びスピーカ又はヘッドホン13bにより構成され、D/
A変換器12から供給された電気信号としてのアナログ
楽音信号を増幅し、音響信号に変換して出力するもので
ある。このサウンドシステム13により楽音が放音され
るようになっている。
【0028】図3は波形メモリ9に記憶される1つの楽
音波形データの記憶形式を説明するための図である。
【0029】1つの楽音波形データは、例えば16Kワ
ードで構成され、スタートアドレスSA(以下、単に
「SA」という場合もある)を先頭として楽音の立ち上
がり部分から繰り返し部分まで順次記憶されるようにな
っている。
【0030】ループトップアドレスLT(以下、単に
「LT」という場合もある)は繰り返し読出しを行う際
の先頭アドレスであり、ループエンドアドレスLE(以
下、単に「LE」という場合もある)は繰り返し読出し
を行う際への終端アドレスである。
【0031】そして、キーボード4の鍵の押下操作に対
応して1つの持続する楽音を発生するときは、SAから
楽音波形データの読出しを開始し、LEに至ったらLT
に戻って読み出しを継続し、以下、LTとLEとの間を
繰り返し読出すことにより持続する楽音を発生するよう
になっている。
【0032】図4は、本発明の特徴である波形メモリ9
へ格納する楽音波形データの作成方法を説明するための
図である。楽音波形データの記憶は図3に示した形式で
行われる。
【0033】先ず、図4(A)のような原楽音波形をP
CMデータとして取り込む。そして、原楽音波形の立ち
上がり部分の区間Aと、それに続く定常部分の区間Bを
任意に決定する。続いて、図4(B)のように、区間B
の最後の1周期(区間X)の楽音波形を切り出す。そし
て、この波形を任意の回数ループさせることにより、図
4(C)のような波形が得られる。
【0034】以上の過程で作成した楽音波形は、例えば
図8に示すような、従来方式で得られる波形と同じもの
となる。このままでは、図9に示すスペクトラム図のよ
うに、元来この波形に含まれない不要な高次倍音が多数
発生する。
【0035】そこで、上記ループにより得られた波形に
対し、位相情報が変化しないようにしてフィルタ処理を
行う。このフィルタ処理は、例えばローパスフィルタに
より高周波帯域の周波数成分を削減する処理である。ま
た、フィルタとしては、位相情報の変化を抑止するため
にFIR型フィルタを用いる。
【0036】さらに、このフィルタ処理を施した波形よ
りループさせる前の波形と同じ区間Xを切り出し、この
波形をつなげて、図4(D)に示すように、区間Bと同
じ区間の波形を作成する。かかる処理により得られた波
形の一例を図5に示す。図5の波形の周波数特性を示す
のが図6である。図4の波形(D)が図5の波形に対応
する。
【0037】次に、図4(E)に示すように、区間Bの
波形データの減衰特性、つまりフェードアウト特性の重
み付けを行い、また、波形(D)の区間Bと同一区間に
おいて立上り特性、つまりフェードイン特性の重み付け
を行う。この際、原音波形の基本ピッチと波形(D)の
基本ピッチは等しくしておく。そして、この重み付けを
行った2つの波形データを加算、つまりクロスフェード
ミックスを行う。
【0038】上記波形(D)の代わりに区間B以降の任
意の区間Cを定め、その区間CをFFT(高速フーリエ
変換)して得られたデータを基に合成した波形(位相情
報を含む)をつなげた波形を用いても良い。
【0039】波形メモリ9には、原楽音波形の立ち上が
り部分区間Aと、クロスフェードミックスした波形(区
間D)と、さらに重み付けをされていない波形(D)の
1周期(区間E)が連続して格納され、これが1つの音
色に対する楽音波形データとなる。
【0040】そして区間Aの先頭をスタートアドレスS
A、区間Eの先頭をループトップアドレスLT、終端を
ループエンドアドレスLEとする。このように決定され
たSA、LT及びLEは、該楽音波形データに対応付け
てROMに記憶されるようになっている。
【0041】このようにして記憶された楽音波形データ
をSAから順次読み出せば、最初に原楽音波形の立ち上
がり部分を発音し、続いてクロスフェード部分によって
スムーズに波形(D)に移行し、最後に重み付けされな
い波形(D)の1周期を繰り返し読出すことによって不
連続性のない自然な持続音を得ることができるようにな
っている。
【0042】図2は上記トーンジェネレータ8の一実施
例を示すものである。図において、周波数ナンバ、スタ
ートアドレスSA、ループトップアドレスLT及びルー
プエンドアドレスLEはいずれもCPU1から送られて
くる情報である。
【0043】ラッチ21は、キーボード4から出力され
るキーコードに対応した周波数ナンバを一時的に記憶す
るものである。同様に、ラッチ22及び23は、LT、
LEを一時的に記憶するものである。
【0044】セレクタ24は、SA又は後述するラッチ
25の出力のいずれかを選択して出力するもので発音開
始時は図示しない制御部によりH側が選択されて、SA
を出力するようになっている。
【0045】加算器26はラッチ21に記憶された周波
数ナンバとセレクタ24の出力とを加算するもので、こ
れにより波形メモリ9の読出しアドレスを生成するよう
になっている。
【0046】加算器27は、加算器26の加算結果から
ラッチ22に記憶されたループエンドアドレスLEを減
算するもので、これにより読出しアドレスがループエン
ドアドレスLEを越えたか否かを判断するようになって
いる。
【0047】セレクタ28は、加算器27のキャリーア
ウト信号Coutに応じて、ラッチ22に記憶されたル
ープエンドアドレスLE又はラッチ23に記憶されたル
ープトップアドレスLTのいずれかを出力し加算器29
に供給するものである。
【0048】加算器29は、加算器27の出力とセレク
タ28の出力とを加算するもので、加算結果はラッチ2
5に供給されるようになっている。
【0049】ラッチ25は、加算器29の出力を一時的
に記憶するもので、このラッチの出力が波形メモリ9に
供給されて楽音波形データを読出すアドレスとして用い
られる。また、このラッチ25の出力はセレクタ24の
L側に供給され、次の読出しアドレスの計算に使用され
るようになっている。
【0050】次に、上記構成のトーンジェネレータの動
作について説明する。
【0051】まず、CPU1から周波数ナンバがラッチ
21に、ループエンドアドレスLEがラッチ22に、ル
ープトップアドレスLTがラッチ23にそれぞれセット
される。また、セレクタ24は図示しない制御部の制御
によりH側が選択されている。
【0052】かかる状態で、スタートアドレスSAがセ
レクタ24に供給されると、最初のタイムスロットで
は、加算器26で周波数ナンバとスタートアドレスSA
が加算され、波形メモリ9の読出しアドレスが算出され
る。次いで、加算器26が出力する読出しアドレスから
ラッチ22に記憶されたループエンドアドレスLEを加
算器27で減算する。
【0053】この際、読出しアドレスがループエンドア
ドレスLEを越えていなければキャリーアウト信号Co
utがアクティブにならず、セレクタ28はL側が選択
されてループエンドアドレスLEを加算器29に供給す
る。これにより、加算器29は、加算器27の出力とル
ープエンドアドレスLEとを加算する。
【0054】このことは、加算器27で減算した分を再
度加えることを意味し、加算器29からは加算器26の
出力と同じものが出力される。これがラッチ25にセッ
トされて波形メモリ9の読出しアドレスとなる。
【0055】次のタイムスロットではセレクタ24はL
側が選択されるように制御される。したがって、上記と
同様の動作を行うことにより、現在の読出しアドレスに
周波数ナンバが加算されて次の読出しアドレスが計算さ
れ、波形メモリ9に供給される。
【0056】このようにして、順次読出しアドレスの計
算が行われ、読出しアドレスがループエンドアドレスL
Eを越えると、つまり加算器27からアクティブなキャ
リーアウト信号Coutが出力されると、セレクタ28
はH側が選択される。
【0057】これにより加算器29の一方の入力にはル
ープトップアドレスLTが供給される。一方、加算器2
9の他方の入力には加算器27の出力が供給されてお
り、これらが加算されることにより、読出しアドレスは
ループトップアドレスLT、もしくはループエンドアド
レスLEからはみ出した分を補正した値が得られる。
【0058】以上の動作を繰り返し実行することによ
り、キーコードに対応した楽音の発音が持続されること
になる。
【0059】次に、図1に示した電子楽器の動作を図7
に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】まず、電源投入等により動作が開始される
と、音色初期化処理が行われる(ステップS1)。すな
わち、放音すべき音色を指定する音色ポインタを初期値
に設定し、この音色ポインタで指定されるROM2内の
音色テーブルに記憶されている初期音色データをトーン
ジェネレータ8に送出する。
【0061】次いで、入出力インターフェース6を介し
てパネル7からのスイッチデータを入力することによ
り、パネル7のスイッチ操作があったか否かが調べられ
る(ステップS2)。
【0062】ここで、パネル7のスイッチ操作があった
ことが判断されると、操作内容に応じて音色テーブルの
音色ポインタをセットする(ステップS3)。これによ
り、音色ポインタで指定された音色データがトーンジェ
ネレータ8に出力され、このトーンジェネレータ8から
波形メモリ9に上位アドレス(図示しない)として与え
られることにより、波形メモリ9中の該当する音色の楽
音波形データが選択される。
【0063】一方、上記ステップS2でパネル7のスイ
ッチ操作がなかったことが判断されると、入出力インタ
ーフェース6を介してキーボード4のデータを読み込む
ことにより、押鍵があったか否かが調べられる(ステッ
プS4)。そして、押鍵があったことが判断されると、
発音処理を行う(ステップS5)。
【0064】この発音処理は、トーンジェネレータ8及
びエンベロープジェネレータ10に音色、タッチ、音域
に応じたデータを転送して発音開始を指示する処理であ
る。これにより、サウンドシステム13から楽音が発音
されることになる。
【0065】一方、上記ステップS4で押鍵がなかった
ことが判断されると、入出力インターフェース6を介し
てキーボード4のデータを読込むことにより、離鍵があ
ったか否かが調べられる(ステップS6)。そして、離
鍵があったことが判断されると消音処理を行う(ステッ
プS7)。
【0066】この消音処理は、トーンジェネレータ8及
びエンベロープジェネレータ10に音色、タッチ、音域
に応じたデータを転送して発音終了を指示する処理であ
る。これにより、サウンドシステム13からの発音が中
止されることになる。この際、発音は完全に中止される
のではなく、離鍵に伴ういくらかの音が残ることにな
る。
【0067】以上の一連の処理が終了するとステップS
2へ戻り、上述した動作を繰り返し実行する。これによ
り、パネル7のスイッチ操作、キーボード4の押鍵又は
離鍵に伴って音色を変更しつつ、放音又はその中止が行
われることになる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば波
形メモリの終端部特定区間の所定周期の波形データを繰
り返し読出す際にも繰り返し部分で不連続な部分が発生
せず、したがって楽音のつながりが自然になるとともに
不要な高次倍音の発生を防止することができ、高音質の
楽音が得られる楽音発生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音発生装置を適用した電子楽器の実
施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の楽音発生装置の実施例のトーンジェネ
レータの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明及び従来の波形メモリの記憶形式を示す
図である。
【図4】本発明の実施例の波形メモリに記憶される楽音
波形データの作成過程を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例を適用して得られた楽音波形の
一例を示す図である。
【図6】図5に示す楽音波形の周波数特性を示すスペク
トル図である。
【図7】本発明の楽音発生装置を適用した電子楽器の実
施例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来の方式により得られる楽音波形の一例を示
す図である。
【図9】図8に示す楽音波形の周波数特性を示すスペク
トル図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 キーボード 5 タッチセンサ 6 入出力インターフェース 7 パネル 8 トーンジェネレータ 9 波形メモリ 10 エンベロープジェネレータ 11 乗算器 13 サウンドシステム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音の立ち上がり部分と、該立ち上がり
    部分に続く移行部分と、該移行部分に続く繰り返し部分
    の各波形データより成る楽音波形データが記憶された波
    形メモリを具備し、前記楽音の立ち上がり部分、移行部
    分及び繰り返し部分を連続して1回読み出した後に前記
    繰り返し部分を繰り返し読み出して楽音を発生する楽音
    発生装置であって、 前記波形メモリには、楽音の立ち上がり部分を記憶し、
    次いで、 前記移行部分の波形データとして、(1)楽音の立ち上
    がり部分に続く定常部分の所定区間の波形データに減衰
    特性の重み付けを施したものと、(2)前記定常部分の
    所定周期の波形データを切り出してこれを複数連結し、
    この連結された波形データに位相情報の変更を伴わない
    フィルタ処理を施し、このフィルタ処理を施した波形デ
    ータから前記所定周期と同周期の波形データを切り出
    し、この波形データを前記所定区間に含まれる波数と同
    波数だけ連結して立上り特性の重み付けを施した波形デ
    ータと、をクロスフェードミックスした波形データを記
    憶し、そして、 前記繰り返し部分の波形データとして、前記フィルタ処
    理後の波形データを記憶すること、 を特徴とする楽音発生装置。
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