JP5353305B2 - 波形データの形成方法 - Google Patents
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図1に示す本発明にかかる楽音生成装置1において、CPU(Central Processing Unit)10は楽音生成装置1の全体の動作を制御すると共に、波形メモリ23に記憶させる波形データを形成する波形データ形成処理や楽音制御処理等を実行している。RAM(Random Access Memory)12には、CPU10のワークエリアや各種データ等の記憶エリアが設定されている。フラッシュROM11には、CPU10が実行する波形データ形成処理や楽音制御処理等の動作ソフトウェアが格納されている。フラッシュROM11は書き換え可能とされていることから、動作ソフトウェアを書き換え可能となり動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。タイマ13はウォッチドックタイマ、インターバルタイマ、タイマ割り込みとして機能するタイマである。ハードディスクを備えるハードディスクドライブ(HDD)14には、音域や演奏強度に応じた全波形の波形データを音色毎に録音することができる。HDD14から読み出された波形データに波形データ形成処理を施することにより、波形メモリ23に記憶する波形データが形成される。また、HDD14にはオペレーティングシステム(OS)や種々のアプリケーションプログラムやデータを格納することができる。
例えば、鍵盤楽器を最高強度の演奏強度(f)、演奏強度(f)より弱い演奏強度(mf)、演奏強度(mf)よりさらに弱い演奏強度(mp)、演奏強度(mp)よりさらに弱い演奏強度(p)の4種類の演奏強度で押鍵して、それぞれの楽音を同じマイクでかつ同じ録音レベルでHDD14に録音する。HDD14に録音した波形データが、図3における演奏強度(f)の波形データW(f)、演奏強度(mf)の波形データW(mf)、演奏強度(mp)の波形データW(mp)、演奏強度(p)の波形データW(p)である。次いで、波形メモリ23に記憶する波形データを作成するが、最高強度とされる演奏強度(f)の波形データW(f)の全波形データは、波形作成処理を施すことなくそのまま波形メモリ23に第1波形データとして記憶される。次に、波形データW(mf)にアタック波形作成処理Aを行って、波形データW(mf)のアタック特徴部と波形データW(f)に接続する接続部からなるアタック部波形データWa(mf)を作成する。この全波形データよりかなり少ない記憶容量とされるアタック部波形データWa(mf)を波形メモリ23に記憶する。なお、アタック波形作成処理Aにおいては、後述するが最高強度とされる波形データW(f)を利用することにより、波形データW(mf)のアタック特徴部より後の領域において波形データW(f)に接続できるアタック部波形データWa(mf)を作成する。
第2実施例の波形データの形成方法においても、第1実施例と同様にしてHDD14に演奏強度(f)の波形データW(f)、演奏強度(mf)の波形データW(mf)、演奏強度(mp)の波形データW(mp)、演奏強度(p)の波形データW(p)を録音する。次いで、最高強度とされる演奏強度(f)の波形データW(f)の全波形データを、波形メモリ23に第1波形データとして記憶する。次に、波形データW(f)にアタック波形切出作成処理Dを行って、波形データW(f)のアタック特徴部と接続部からなるアタック部波形データWa(f)を切り出して、アタック部波形データWa(f)を波形メモリ23に記憶する。また、波形データW(mf)には第1実施例と同様のアタック波形作成処理Aを行うことにより作成された、全波形データよりかなり少ない記憶容量とされるアタック部波形データWa(mf)を波形メモリ23に記憶する。さらに、第1実施例と同様にしてアタック波形作成処理Bを行うことによりアタック部波形データWa(mp)を作成し、アタック波形作成処理Cを行うことによりアタック部波形データWa(p)を作成して、波形メモリ23にそれぞれ記憶する。このようにして波形メモリ23に記憶された演奏強度に応じた複数のアタック部波形データWa(f)〜アタック部波形データWa(p)が第4波形データとされる。
アタック波形作成処理においては、まず、図5の上段に示すように波形データW(f)と波形データW(x)とを減衰していく振幅レベルが相互に略一致するように時間軸上に並べる。ただし、図5に示す減衰波形はイメージ図であり、実際の減衰波形は、立上りがより速くて立下りがより遅くなると共に、立下りのカーブは指数カーブになる。次いで、演奏強度(f)の波形データW(f)と演奏強度(x)の波形データW(x)を周波数分析して、それぞれ、ピーク軌跡データ(決定論的成分)と残余波形データ(残余波形)とを分離抽出する。この抽出方法は、特許第3534012号公報ないし特許第3659053号公報で説明されている抽出方法と基本的に同じである。図5の下段に、演奏強度(f)の波形データW(f)を周波数分析して分離抽出した決定論的成分d(f)および残余波形R(f)と、最高強度より弱い演奏強度(x)の波形データW(x)を周波数分析して分離抽出した決定論的成分d(x)および残余波形R(x)とが示されている。波形データの周波数分析処理においては、まず、分析する波形データを、分析区間を時間軸方向に移動させながらスペクトル分析して、周波数成分のピーク軌跡を作成する。波形のスペクトルは、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)することによって分析することができる。そして、作成されたすべてのピーク軌跡のスペクトルからピーク軌跡データ(決定論的成分)が得られ、元の波形データから、その得られたピーク軌跡データ(決定論的成分)を逆フーリエ変換した波形データを差し引くことにより残余波形データ(残余波形)が得られる。さらに、残余波形に対して再度のスペクトル分析を行って、より精密なピーク軌跡データ(決定論的成分)を求めるようにしてもよい。このような、残余波形に対するスペクトル分析は、必要な回数だけ行われる。
中間決定論的成分(di2)が形成されたら、図7の2段目に示すように時間軸上に並べた波形データW(x)の決定論的成分(dx1)と波形データW(f)の決定論的成分(df3)との間に中間決定論的成分(di2)を配置して接続する。これら3成分のうち、決定論的成分(dx1)がアタック特徴部に、中間決定論的成分(di2)が接続部に、決定論的成分(df3)が同一特性部にそれぞれ対応する。接続した状態が図7の3段目に示されており、接続されて時間軸上に並べられた決定論的成分(dx1)、中間決定論的成分(di2)、決定論的成分(df3)を逆FFTすることにより、アタック部波形データWa(x)の決定論的成分の波形データDa(x)が作成される。
なお、図9および図10ではそれぞれ位相あるいは振幅の態様が誇張して示されており、実際には波形データW(f)と波形データW(x)との間において図示するほど大きく位相あるいは振幅がずれることはない。また、スムージング処理を、上述したようなシフト処理や時間軸の制御で行う代わりに、決定論的成分(dx2)と決定論的成分(df2)の対応付けできた各成分における、位相および振幅のクロスフェードで行うようにしてもよい。
波形のクロスフェードを行うことにより、アタック部波形データWa'(x)を作成する際には、まず、図5に示すように波形データW(f)と波形データW(x)とを減衰していく振幅レベルが相互に略一致するように時間軸上に並べ、波形データW(x)のアタック特徴部より後の領域に、波形データW(x)から最高強度の波形データW(f)に移行させるためのクロスフェードの開始点SSと、終了点SEと、波形終了点WEとを図11に示すように設定する。この場合、開始点SS、終了点SE、波形終了点WEの設定は、聴感で決めたり、波形形状を見比べて決めることができる。
波形メモリ23には、各音色の各音域毎に、図3ないし図4に示す波形セットが記憶されている。図13には、合成波形データCW(x)を生成するために選択された、それらの波形セットの1に含まれる第1波形データとされる最高強度の波形データW(f)と、第4波形データとされるアタック部波形データWa(x)とが示されている。図示するように、アタック部波形データWa(x)に第1ポイント(第1p)が設定され、第1波形データW(f)に第2ポイント(第2p)が設定されている。アタック部波形データWa(x)上の第1ポイント以降が第1波形データW(f)の第2ポイント以降に接続するためのクロスフェード用波形データ(同一特性部)とされ、第1ポイントは前述した終了点SEに相当し、同一特性部は終了点SEから波形終了点WEまでの波形データとなる。すなわち、アタック部波形データWa(x)における第1ポイント以降の波形特性は、第1波形データW(f)の第2ポイント以降の波形特性と同一になっている。第1ポイントと第2ポイントとは、それぞれ、第4波形データとされる複数のアタック部波形データWa(x)の各波形データ毎に定められている。また、第1波形データW(f)には第3ポイント(第3p)が設定されており、第1波形データW(f)において、アタック部波形データWa(x)の先頭から第1ポイントまでの長さ分、第2ポイントより前に位置するポイントが第3ポイントとされている。
図14では、タイミングt0においてノートオンが発生したとする。これに応じて、CPU10は、ノートナンバやベロシティに応じて発音に使用する波形データWa(x)とW(f)とを決定するとともに、発音チャンネル割り当てを行い発音に使用する第1発音チャンネルと第2発音チャンネルとを決定して、制御レジスタ38に第1および第2発音チャンネルのパラメータとリンク情報を設定し、第1発音チャンネルにノートオン信号を供給する。ここで設定される第1発音チャンネルのパラメータには、アタック部波形データWa(x)の先頭を示すスタートアドレス、末尾を示すエンドアドレスが含まれる。設定される第2チャンネルのパラメータには、波形データW(f)の第2ポイントを示すスタートアドレス、末尾を示すエンドアドレスが含まれる。また、設定されるリンク情報は、第1チャンネルにおいて、読み出しアドレスが第1ポイントに達したとき、第2チャンネルへ発音のトリガをかけることを示す。
これらスタートアドレスおよびエンドアドレスの設定は、読出部32において、第1発音チャンネルの時分割チャンネルタイミングで、波形データWa(x)のサンプルを順次読み出させ、第2発音チャンネルの時分割チャンネルタイミングで、波形データW(f)のサンプルを順次読み出させるためのものである。以下では、この第1発音チャンネルの読み出し動作を第1読出部とし、第2発音チャンネルの読み出し動作を第2読出部とする。また、第1発音チャンネルと第2発音チャンネルは、Fナンバ生成部31で生成されるFナンバが常時同じとなるように制御される。すなわち、ノートオン時に、同じノートナンバNN、同じピッチデータPD、同じ原音高が設定され、また、楽音生成中にピッチデータPDを変更する場合は、複数同時書込部39を用いて、同じ値のピッチデータPDが両発音チャンネルに同時(同じサンプリング周期)に設定される。
この実施例では接続をクロスフェードで行っているので、同一特性部を読み出すタイミングにおいて、第1発音チャンネルにおける波形データと第2発音チャンネルにおける波形データとで、形状が多少違っていても接続時にノイズを生じない。先程、第1発音チャンネルから第2発音チャンネルへの引継機能が必ずしも必要ないと述べたが、これは接続時のクロスフェードがあるためである。また、各発音チャンネルを音色フィルタを備えたものとした場合に、第1発音チャンネルと第2発音チャンネルとでフィルタ係数を異ならせることも可能になる。逆に、クロスフェードを行わず、タイミングt1直後の1サンプリング周期で、第1発音チャンネルの出力を100%から0%に変更し、第2発音チャンネルの出力を0%から100%にして、チャンネルを切り替えることが考えられる。その場合には、前記引継機能は必須となり、また、前記フィルタ係数は同一にしなければならない。
上記の説明では、第1読出部が、アタック部波形データWa(x)の第1ポイントを読み出すタイミングにおいて、第2読出部が、第1波形データW(f)を第2ポイントから読み出し始めることにより、第1波形データW(f)をアタック部波形データWa(x)に同期させるようにしている。先述したように、第1読出部と第2読出部には、同じFナンバが供給されるので、ある時点で同期させた位相は、その後にピッチを変化させてもずれることがない。なお、第2読出部の読出開始タイミングについては、第1読出部が、アタック部波形データWa(x)を読み出し始めるタイミングt0で、第2読出部が、第1波形データW(f)を第3ポイントから読み出し始めるようにしてもよい。その場合、第1、第2読出部に同時(同じサンプリング周期)にノートオン信号を供給して、同時に読み出しを開始させる。第1読出部から第2読出部への発音のトリガは供給されず、上述したような位相の引継機能も不要である。
音源20にノートオンが指示されるとノートオンイベント処理がスタートされ、ステップS10にてノートオンにおける、音高を示すノートナンバがレジスタNNに、演奏強度を示すベロシティがレジスタVELに格納される。本明細書では、レジスタXに記憶するパラメータを、簡略化してパラメータXと記載する。次いで、ステップS11にてタッチカーブ(Tカーブ)を参照してレジスタVELに格納されているベロシティを音量を示すボリューム値に変換してレジスタtvolに格納する。ステップS12では、波形メモリ23に記憶されている波形セットのうちの、現在当該パートで選択されている音色に対応する複数の波形セットの中から、ノートナンバNNが属する音域に応じた波形セットが選択され、さらに、選択された波形セットの中から、ベロシティVELに応じた波形(W(f)ないしWa(x))が選択される。次いで、ステップS12において選択された波形が当該波形セットにおいて最高強度の波形データW(f)か否かがステップS13にて判断される。
そして、トリガチャンネル番号が示す第1チャンネル(#1)における読出アドレスが、リンクアドレスが示すアタック部波形データWa(x)の第1ポイントに達した時に、被トリガチャンネル番号が示す第2チャンネル(#2)にトリガ(位相の小数部を含む)が与えられる。音源20の第2チャンネル(#2)は、該トリガに応じて、波形メモリ23に記憶された最高強度の波形データW(f)を、ノートナンバNN、ピッチデータPD、および原音高に応じた速度で、スタートアドレスが示す第2ポイントから読み出し始める(第2読出部)。これにより、第2読出部では、第1読出部によるアタック部波形データWa(x)の読み出しに同期して、そのアタック部波形データに接続されるべき波形データW(f)の読み出しが開始される。この時点では、第1チャンネル(#1)のクロスフェード係数は100%であり、第2チャンネルのクロスフェード係数は0%であるので、合成波形データCW(x)は第1チャンネルの波形データのみとなるが、読み出される両波形データの位相は、相互に同じになるよう制御されており、また、乗算器M2に入力する波形データ(クロスフェード係数が乗算される前の波形データ)の音量も、相互に同じになるように制御されている。
あるいは、リンクポイント割込に応じたリンクポイント割込処理で、CPU10が、クロスフェード制御部34の第1チャンネル(#1)のクロスフェード係数を0%に設定し、かつ、第2チャンネル(#2)のクロスフェード係数を100%に設定するようにしてもよい。その場合、アタック部波形データWa(x)には、その割込処理の遅れに相当する分の同一特性部が必要となる。
楽音生成装置1に備えられているピッチベンド操作子が操作されたときや、CPU10がビブラート波形やピッチエンベロープ波形を生成する処理を行ったときには、楽音のピッチを動的な変化を指示するピッチ変化イベントが発生する。図18は、該ピッチ変化イベントに応じて、CPU10が実行するピッチ変化イベント処理のフローチャートである。MIDIにおけるピッチベンド等のピッチ変化イベントは、各パートごとピッチ変化を制御するイベントとなっている。ピッチ変化イベントが発生すると、まず、ステップS50にて変化した新しいピッチがレジスタPDに格納される。次いで、ステップS51にて、当該パートにおいて現在発音されているノートナンバ(NN)が検出され、発音中のノートナンバがあるか否かがステップS52にて判断される。ここで、発音中のノートナンバがないと判断された場合は、ピッチ変化イベント処理はそのまま終了し、発音中のノートナンバがあると判断された場合はステップS53に進んで検出されたノートナンバの内の一つ目のノートナンバが選択される。次いで、ステップS54にて選択されたノートナンバにセットされている発音チャンネル数が当該ノートナンバのch数(NN)のレジスタを参照して「1」とされているか「2」とされているかが判断される。ここで、当該ノートナンバにおいて発音チャンネル数が「1」とされていると判断された場合は、ステップS55に進んで、制御レジスタ38に、当該ノートナンバの楽音生成に割り当てられている発音チャンネルのピッチデータとして、レジスタPDに格納されたピッチデータが書き込まれる。また、ステップS54にて当該ノートナンバにおいて発音チャンネル数が「2」とされていると判断された場合は、ステップS57に分岐して、複数同時書込部39を利用して、制御レジスタ38に、当該ノートナンバの楽音生成に割り当てられている第1チャンネル(#1)および第2チャンネル(#2)の2つのチャンネルの2つのピッチデータとして、レジスタPDに格納されたピッチデータを同時(同じサンプリング周期)に書き込む。
まず、ステップS21では、割り当てられた第1チャンネル(#1)に、ベロシティVELに応じて選択されたアタック部波形データWa(x)の先頭を示すスタートアドレス(SA)と末尾を示すエンドアドレス(EA)と原音高とがセットされ、割り当てられた第2チャンネル(#2)に該アタック部波形データWa(x)が属する波形セットの最高強度の波形データW(f)の第3ポイントを示すスタートアドレス(SA)と末尾を示すエンドアドレス(EA)と原音高がセットされるようにする。ステップS24では、トリガをかける側である第1チャンネル(#1)を示すトリガチャンネル番号と、トリガをかける第1ポイントを示すリンクアドレスとをリンク情報として設定し、被トリガチャンネル番号は設定しない。従って、第1チャンネル(#1)から第2チャンネル(#2)へのトリガは、供給されることがない。そして、ステップS25では、第1チャンネル(#1)と第2チャンネル(#2)に対して同時発音開始の指示(同じサンプリング周期にノートオン信号を供給)を行う。
これにより、ステップS25で供給されるノートオン信号に応じて、音源部20の第1チャンネル(#1)では、アタック部波形データWa(x)がスタートアドレスの示すその先頭から読み出され(第1読出部)、第2チャンネル(#2)では、最高強度の波形データW(f)がスタートアドレスの示す第3ポイントから読み出される(第2読出部)。この時点では、第1チャンネル(#1)のクロスフェード係数は100%であり、第2チャンネルのクロスフェード係数は0%であるので、合成波形データCW(x)は第1チャンネルの波形データのみとなる。そして、第1チャンネル(#1)の読出アドレスがリンクアドレスが示す第1ポイントに達したとき、リンクポイント割込処理が実行され、第1チャンネルで生成されるアタック部の楽音波形がフェードアウトされ、それに替えて、第2チャンネルで生成されるボディ部の楽音波形がフェードインされる。それら生成された楽音波形はミキサ35でミキシングされ、合成波形データCW(x)となる。
また、音源20の第1および第2チャンネルを用いて楽音を生成する場合の、第2チャンネルにおける第1波形データの読み出し開始アドレスは、図13の第2ポイントないし第3ポイントとされていたが、第2ポイントからクロスフェード用波形データの長さ分後のポイントを第4ポイントとして、該読出開始アドレスは、第3ポイントから第4ポイントまでの範囲のどのポイントにも設定することもできる。その場合、リンクアドレスは、第4波形データの、その設定された読出開始アドレスに対応するアドレスとすればよい。
また、本発明にかかる波形データの形成方法においては、アタック部波形データWa(x)から切り換えられる最強強度の波形データW(f)の読み出しは、第2ポイント(終了点SE)以前の何れのポイントから開始しても良い。ただし、第2ポイントにおいてアタック部波形データWa(x)と同期している必要がある。
Claims (5)
- 波形メモリに記憶する波形データを楽音生成装置が形成する波形データの形成方法であって、
第1の演奏強度で演奏した第1波形データと、第1の演奏強度より弱い第2の演奏強度で演奏した第2波形データを、それぞれ立上りから立下りまで記憶する過程と、
減衰する振幅が略一致するように、前記第1波形データ及び前記第2波形データを波形時間軸上に配置する過程と、
前記第1の波形データと前記第2の波形データとが音色的に類似した波形データとなる点以降の前記第2の波形データの領域に接続開始点と接続終了点を設定する過程と、
接続開始点から接続終了点の範囲で、第2波形データから第1波形データに滑らかに移行させるスムージング処理を行うことにより、該スムージング処理の結果である接続部を含む第3波形データを形成する過程と、
前記第2の波形データの立上りから接続開始点までとされるアタック部の波形データと、形成された前記第3波形データとを接続し、第4波形データを形成する過程と、
前記第1波形データと前記第4波形データとを、演奏強度に応じた楽音波形データを形成する際に用いる波形データとして前記波形メモリに記憶する過程と、
を備えることを特徴とする波形データの形成方法。 - 前記接続開始点は、前記第2波形データの先頭から末尾に向かってたどっていくときに、前記時間軸上に配置された前記第2波形データと前記第1波形データとにおいて、周波数成分間のバランスが相互に略一致したポイント以降の領域に設定されることを特徴とする請求項1記載の波形データの形成方法。
- 前記スムージング処理においては、前記第1波形データと前記第2波形データとがフーリエ変換され、前記接続開始点から前記接続終了点の範囲に関して、前記第2波形データの周波数成分が前記第1の波形データの周波数成分に継続するように加工され、該加工された周波数成分を逆フーリエ変換した波形データに基づいて、前記第3の波形データが形成されることを特徴とする請求項1記載の波形データの形成方法。
- 前記第3波形データは、前記接続終了点以降に、前記第1波形データと同一の特性とされたクロスフェード用波形データを含むことを特徴とする請求項1記載の波形データの形成方法。
- 前記第4波形データの前記接続終了点以前の部分を、前記第1波形データの前記接続終了点に対応する波形データ以降の部分に接続することにより、前記第2の演奏強度に相当する立上りから立下りまでの第5波形データが形成されることを特徴とする請求項1記載の波形データの形成方法。
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