JPH1113291A - 既存建物への耐震壁増設工法 - Google Patents

既存建物への耐震壁増設工法

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JPH1113291A
JPH1113291A JP9171478A JP17147897A JPH1113291A JP H1113291 A JPH1113291 A JP H1113291A JP 9171478 A JP9171478 A JP 9171478A JP 17147897 A JP17147897 A JP 17147897A JP H1113291 A JPH1113291 A JP H1113291A
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concrete block
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安彦 増田
Kenji Yonezawa
健次 米澤
Yuzuru Kobayashi
譲 小林
Noriyuki Furuya
則之 古屋
Kohei Kurita
康平 栗田
Mitsuo Koyanagi
光生 小柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立て,解体に手間を要する型枠の設置を
廃止し、かつ、既存建物への資材の搬入を容易にしつ
つ、工期を短期化することができる既存建物への耐震壁
増設工法を提供する。 【解決手段】 柱10と梁12とで囲まれる躯体枠14
内に縦筋16および横筋18を配筋し、複数のコンクリ
ートブロック20を積層する。コンクリートブロック2
0はプレキャストコンクリートによって、躯体枠14を
縦横に複数に分割した大きさの中実の直方体状に形成す
る。コンクリートブロック20の左右端部に、縦筋16
を収納する程度の空間容積s1 を有する第1凹部20a
を形成する。梁12の下面に接続筋24aを突出する後
施工アンカー24を打設し、接続筋24aに縦筋上端部
を重合する。第1凹部20aに縦筋16を収納した状態
で、コンクリートブロック20を積層し、第1凹部20
a内にモルタルを充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存建物に後付け
で耐震壁を増設するようにした耐震壁増設工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】既存建物に耐震壁を増設しようとした場
合、在来工法では耐震壁を増設しようとする柱部材や梁
部材にアンカーを施工し、該アンカーに縦筋や横筋を結
合した後、増設しようとする耐震壁の両面位置に対応し
て型枠を取り付け、その後、該型枠内にコンクリートを
打設して養生し、該コンクリートが硬化した後に該型枠
を解体するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の耐震壁増設工法では、型枠を用いることにより多
くの資材を必要とし、かつ、型枠を組み立て、そして解
体するために多くの作業手間を必要とすると共に、型枠
の組み立ておよび解体の際に大きな騒音を発生し、建物
内の日常業務に支障を生じてしまう。また、耐震壁全体
がコンクリートで成形されるため大量のコンクリートを
必要とし、このコンクリートをプラント工場から搬入す
る必要がある。このため、既存建物における日常業務に
支障を生じないように休日を利用して増設作業を行おう
としても、プラント工場も休日のため停止していて、コ
ンクリートの供給を受けることができず、円滑な作業日
程を計画することができないという問題もある。更に、
コンクリートの使用量が多いため、その養生に相当の期
間を必要として耐震壁の完成までに長期間を要してしま
う。
【0004】そこで、例えば特公平7−45783号公
報(Int.Cl.E04H 9/02)に開示されるように、耐震壁を
予め工場等でプレキャストにより一体成形したものを、
既存建物の柱・梁間に嵌め込んで取り付けるようにする
工法を適用することができるが、この場合にあっては全
体を一体成形した耐震壁を既存建物内に搬入することが
著しく困難で、場合によっては建物の外壁に搬入するた
めの大きな開口部を形成する必要があり、工事が著しく
大掛かりになってしまう。
【0005】また、例えば特開平3−76953号公報
(Int.Cl.E04B 2/02)に開示されるように、耐震壁を複
数に分割して箱状にプレキャストしたコンクリートブロ
ックを用い、該コンクリートブロックを現場で積層して
耐震壁を構築するものがあり、この場合はコンクリート
ブロックにより耐震壁が細分化されるため、該コンクリ
ートブロックの既存建物内への搬入を容易に行うことが
できる。しかし、この場合のコンクリートブロックは箱
状となって内部が空洞化されて型枠を兼用する構造であ
るため、該コンクリートブロックを積層した後に空洞部
内に大量のコンクリートを打設する必要がある。従っ
て、このように大量のコンクリートを必要とすることに
より、上述した在来工法と同様にコンクリートの調達や
養生期間の問題から工期が長期化してしまうという課題
があった。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、組み立て,解体に手間を要する型枠の設置を廃止
し、かつ、既存建物への資材の搬入を容易にしつつ、工
期を短期化することができる既存建物への耐震壁増設工
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す既存建物への耐震壁増設工
法にあっては、柱部材および梁部材で囲まれた躯体枠内
方を縦横方向に複数に分割した大きさに形成すると共
に、その左右端部に縦筋を収納する程度の空間容積を有
する第1凹部を設けたコンクリートブロックを予め形成
し、上記躯体枠の梁部材に上記縦筋を結合するアンカー
部材を設け、該アンカー部材に結合される上記縦筋を上
記第1凹部に収納しつつ、複数の上記コンクリートブロ
ックを上記躯体枠内に下段から上段に向かって積層し、
その後、積層したこれらコンクリートブロックの上記第
1凹部内にグラウト材を充填することを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2に示す既存建物へ
の耐震壁増設工法にあっては、上記コンクリートブロッ
クの上下端部に横筋を収納する程度の空間容積を有する
第2凹部を設け、上記躯体枠の柱部材に上記横筋を結合
するアンカー部材を設け、該アンカー部材に結合される
上記横筋を上記第2凹部に収納して上記躯体枠内方に配
筋しつつ、上記コンクリートブロックを積層し、その後
該第2凹部内にグラウト材を充填することを特徴とす
る。
【0009】以上の構成による本発明の作用を以下述べ
ると、請求項1では躯体枠内を縦横方向に複数に分割し
た大きさに形成されたコンクリートブロックを積層して
耐震壁を構築するようになっており、この積層時に該コ
ンクリートブロックの左右端部に形成した第1凹部に、
梁部材に設けたアンカー部材に結合される縦筋を収容す
るようになっている。そしてその後、積層した上記コン
クリートブロックの上記第1凹部内にグラウト材を充填
することにより、該グラウト材によりコンクリートブロ
ックどうしの結合およびコンクリートブロックと縦筋と
の結合が行われる。このとき、上記コンクリートブロッ
クは躯体枠内を縦横方向に複数に分割した大きさである
ため、個々のコンクリートブロックが小型,軽量化され
て既存建物内への搬入が容易になる。また、上記第1凹
部は縦筋を収納する程度の空間容積に形成されているた
め、該第1凹部に充填されるグラウト材の使用量を大幅
に減少することができる。このため、上記グラウト材は
少量であるため現場で簡単に調合することができ、コン
クリートをプラント工場から調達する必要が無くなるた
め、既存建物の日常業務に支障を生ずることなく平日に
耐震壁の増設作業を行うことができると共に、少量のグ
ラウト材の養生期間は短く工期の短縮化が図られる。
【0010】また、請求項2では、躯体枠の柱部材に設
けたアンカー部材に結合される横筋を上記コンクリート
ブロックの上下端部に設けた第2凹部に収納して躯体枠
内部に配筋しつつ該コンクリートブロックを積層し、そ
の後該第2凹部内にグラウト材を充填するようにしたの
で、コンクリートブロックは上記横筋と結合されて一体
化される。また、上記第2凹部は上記請求項1の方法と
同様に横筋を収納する程度の空間容積となっているた
め、該第2凹部に充填されるグラウト材が少量でよく、
上記請求項1に示した第1凹部へのグラウト材充填量と
合わせても、全体的に少ない量のグラウト材で済ますこ
とができる。そして、この横筋を用いた耐震壁増設工法
では、上記請求項1の構成で用いた縦筋と相俟って耐震
壁の強度をより増大することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図4は本発明の
既存建物への耐震壁増設工法の第1実施形態を示し、図
1は耐震壁の構築途中を示す正面図、図2は同平面図、
図3は1つのコンクリートブロックを示す斜視図、図4
は横筋が設けられるコンクリートブロックを(a)の正
面図,(b)の平面図,(c)の側面図によって示す説
明図である。
【0012】即ち、本実施形態の既存建物への耐震壁増
設工法にあっては、図1,図2に示すように柱10と梁
12とで囲まれる躯体枠14内に縦筋16および横筋1
8を配筋しつつ、複数のコンクリートブロック20を積
層することにより耐震壁21が構築される。上記コンク
リートブロック20は図3に示すようにプレキャストコ
ンクリートによって、上記躯体枠14内方を縦横に複数
に分割した大きさの中実の直方体状に形成される。上記
コンクリートブロック20の左右両端部には、上記縦筋
16を収納する程度の空間容積s1 を有する第1凹部2
0aが形成されると共に、該コンクリートブロック20
の上端部には上記横筋18を収納する程度の空間容積s
2 を有する第2凹部20bが形成される。また上記横筋
18が配置される部分に積層されるコンクリートブロッ
ク22には、図4に示すようにその高さ方向中央部に横
筋18が水平方向に埋設され、その両端部はコンクリー
トブロック20,22の横幅wの1/2以上の長さをも
って両端から突出される。横筋18が埋設されているこ
とを除いて、コンクリートブロック22と上記コンクリ
ートブロック20とは全く同一形状として形成され、該
コンクリートブロック22にも同様に、第1凹部22a
および第2凹部22bとが形成される。
【0013】そして、本実施形態では上記コンクリート
ブロック20,22を積層するにあたって、まず、上記
梁12の下面に該コンクリートブロック20,22の横
幅wをピッチとして後施工アンカー24を打設すると共
に、上記柱10の内側面に上記横筋18が配置される位
置に対応させて後施工アンカー26を打設する。それぞ
れの後施工アンカー24,26には躯体枠14内方へ突
出させて接続筋24a,26aが結合される。
【0014】また、上記コンクリートブロック20,2
2を積層する際、横方向に隣接されるものどうしが該コ
ンクリートブロック20,22の高さhの半分の高低差
をもって交互に配置される。従って、上記コンクリート
ブロック20,22が積層される下層部分には、図1に
示したように一つ置きに1/2hの高さに形成された補
助コンクリートブロック28が設置される。補助コンク
リートブロック28にも上記コンクリートブロック20
と同様に、左右両端部に第1凹部28aおよび上端部に
第2凹部28bが形成される。
【0015】そして、上記耐震壁21を構築するには、
上記躯体枠14内の床スラブ上に上記コンクリートブロ
ック20と上記補助コンクリートブロック28とを交互
に配置した後、それぞれの上側にコンクリートブロック
20を順次積層する。このとき、上下方向に連続して配
置されるコンクリートブロック20の第1凹部20aと
補助コンクリートブロック28の第1凹部28aとに縦
筋16を収納した状態で、コンクリートブロック20が
積層される。縦筋16の上端部は後施工アンカー24の
接続筋24aと重合される。
【0016】また、躯体枠14の所定高さまでコンクリ
ートブロック20を積層した時点で、横筋18を埋設し
たコンクリートブロック22を横方向に1つ置きに配置
し、これらコンクリートブロック22から突設される横
筋18の先端部を互いに重合する。このとき、それぞれ
の横筋18は、上記コンクリートブロック22間に配置
されるコンクリートブロック20の第2凹部20bに収
納された状態となる。また、横方向両端部に配置される
横筋18は、上記後施工アンカー26の接続筋26aと
重合される。
【0017】そして、上記コンクリートブロック20は
梁12近傍まで積層されるが、積層されたコンクリート
ブロック20の上端部には図示省略したが、下端部と同
様に横方向の1つ置きに半分の高さ1/2hの上記補助
コンクリートブロック28が積層されて、均一な高さに
均される。また、上記コンクリートブロック20,22
および補助コンクリートブロック28を積層していく
際、第1凹部20a,22a,28aは上下方向に一直
線に配列され、これら第1凹部20a,22a,28a
内には、グラウト材として用いるモルタルが注入され充
填される。また、上記第1凹部20a,22a,28a
には第2凹部20b,22b,28bがそれぞれ連通し
ており、上記第1凹部20a,22a,28aに充填し
たモルタルは、上記第2凹部20b,22b,28aへ
も同時に充填されていく。このようにしてコンクリート
ブロック20,22(または補助コンクリートブロック
28)を梁12直下まで積層したならば、上記コンクリ
ートブロック20,28と梁12との隙間をモルタルで
埋める。
【0018】上記第1凹部20a,22a,28aおよ
び上記第2凹部20b,22b,28bにモルタルが充
填されることにより、コンクリートブロック20,22
および補助コンクリートブロック28が互いに結合され
ると共に、縦筋16と接続筋24aとの重合部および横
筋18と接続筋26aとの重合部がそれぞれ重ね継手と
なる。上記縦筋16および横筋18と接続筋24aおよ
び26aとの結合は、重ね継手以外にもグリップジョイ
ント等の機械式継手を用いることができる。
【0019】従って、以上説明した本実施形態の既存建
物への耐震壁増設工法にあっては、柱10と梁12とで
囲まれた躯体枠14内にコンクリートブロック20,2
2および補助コンクリートブロック28を搬入して、こ
れらを縦筋16および横筋18を介在しつつ積層し、そ
して第1凹部20a,22a,28aおよび第2凹部2
0b,22b,28bにモルタルを充填することによ
り、耐震壁21が構築されるようになっている。従っ
て、従来工法のように型枠を用いる必要がないため、型
枠資材の搬入,搬出作業が不要になると共に、該型枠の
組み立ておよび解体作業が無くなるためこれに要する労
力が省略され、また、組み立て,解体時の騒音の発生を
無くすことができる。
【0020】また、上記コンクリートブロック20,2
2は躯体枠14内を縦横方向に複数に分割した大きさで
あり、また、補助コンクリートブロック28は更に小さ
いため、それぞれのコンクリートブロック20,22,
28が小型,軽量化されて、既存建物内への搬入を大幅
に容易化することができる。また、上記第1凹部20
a,22a,28aおよび第2凹部20b,22b,2
0bは、縦筋16および横筋18を収納する程度の空間
容積s1 ,s2 に形成されているため、これら第1凹部
20a,22a,28aおよび第2凹部20b,22
b,28bに充填されるモルタルは少量で済ませること
ができる。このため、上記モルタルは現場で混練して作
り出した量で賄うことができ、コンクリートをプラント
工場から調達する必要が無くなる。従って、既存建物内
で行われる業務が停止される休日にあっても作業を継続
して行うことができ、作業日程に制限を受けることなく
効率よく耐震壁の増設作業を行うことができる。また、
使用するモルタルが少量であるためその養生期間は短く
なり工期の短縮化が図られることになり、この点からも
建物内での業務に与える支障が極力減少される。
【0021】ところで、本実施形態では横筋18が躯体
枠14の上下方向中間部に設けられる関係上、該横筋1
8が設けられる位置には一般部分のコンクリートブロッ
ク20に横筋18を埋設したコンクリートブロック22
を用いたが、該コンクリートブロック22を一般部分に
用いて横筋18を各段毎に配置してもよく、この場合は
耐震壁21の強度を更に増大させることができる。勿
論、このように各段毎に横筋18を配筋した場合は、そ
れぞれに対応して柱10に後施工アンカー26を打つこ
とになる。
【0022】図5から図11は本発明の第2実施形態を
示し、図5は1つのコンクリートブロックの斜視図、図
6はコンクリートブロックの取り付け状態を示す正面
図、図7はコンクリートブロックの積層状態を示す正面
図、図8は積層されたコンクリートブロックの要部平面
図、図9は積層されたコンクリートブロックの端部仕舞
い状態を示す平面図、図10は積層されたコンクリート
ブロックの側面図、図11はコンクリートブロックで角
部を形成する場合の一例を示す要部平面図である。
【0023】即ち、この実施形態のコンクリートブロッ
ク50では図5,図6に示すように、左右端部に設けら
れる第1凹部50a,50bは、一側の第1凹部50a
が前面に開放され、他側の第1凹部50bが後面に開放
される形状として形成され、かつ、第2凹部50c,5
0dが上下端部に凹設された形状として形成される。ま
た、縦筋52および横筋54はそれぞれ平行配置される
2本が1組として、上記第1凹部50a,50bおよび
第2凹部50c,50dに挿通配筋される。
【0024】そして、上記コンクリートブロック50は
図7から図11に示すように、第1凹部50aおよび第
2凹部50bに縦筋52および横筋54を収納しつつ、
図外の躯体枠内に下層から上方に向かって積層する。こ
のとき、図6に示すように上記横筋54は、1つのコン
クリートブロック50の第2凹部50c,50dにそれ
ぞれ1本が配置される。また、上記コンクリートブロッ
ク50を積層しようとする下端部には、図10に示すよ
うにアジャスター56を配置して高さ調整することが望
ましい。更に、横方向端部に配置される上記コンクリー
トブロック50の第1凹部50a,50bは、図9中左
端部に示すように開放された前面または後面を蓋体58
で覆うようにしても良く、また、同図中右端部に示すよ
うに前面および後面を覆うように断面U字状に形成して
も良い。
【0025】従って、この実施形態にあっても縦筋52
および横筋54を第1凹部50a,50bおよび第2凹
部50c,50dに収納しつつコンクリートブロック5
0を積層し、かつ、これら第1凹部50a,50bおよ
び第2凹部50c,50dにモルタルを充填することに
より、耐震壁59を構築することができる。このよう
に、この実施形態にあっても型枠を廃止できると共に、
コンクリートブロック50が小型,軽量化され、かつ、
第1凹部50a,50bおよび第2凹部50c,50d
の空間容積が小さく形成されていることにより、モルタ
ルの使用量を減少することができる。
【0026】勿論、この実施形態にあっても上記縦筋5
2および横筋54は梁および柱に後打ちされたアンカー
に結合される。また、耐震壁59に必要とする強度から
上記横筋54の本数を減少し、もしくは廃止することも
できる。ところで、上記コンクリートブロック50を積
層する際、上下左右に隣接されるものどうしの間に若干
の隙間を設けて、化粧目地とすることが望ましい。
【0027】また、図11に示すように耐震壁59に角
部を形成する必要がある場合は、コンクリートブロック
50の一側の第1凹部50aと他側の第1凹部50bと
が直角に接合されるが、これら凹部の一方をU字状断面
に形成し、他方の凹部に蓋体58を配置することが望ま
しい。
【0028】図12,図13は本発明の第3実施形態を
示し、図12はコンクリートブロックの斜視図、図13
はコンクリートブロックの積層を(a)から(d)へ順
に示す工程図である。
【0029】即ち、この実施形態では左右端部に第1凹
部60aを形成し、下端部に第2凹部60bを形成した
中実のコンクリートブロック60を、図13中(a)に
示すように左右一対の柱62および上下一対の梁64間
に形成される躯体枠66を縦横に複数に分割する大きさ
で予め形成し、該コンクリートブロック60を該躯体枠
66内方に積層するようになっている。因みに、この実
施形態では上記コンクリートブロック60は、高さh1
=200mm,横幅L=400mm,奥行きw1 =20
0mm程度に形成される。勿論、上記第1凹部60aは
縦筋68を収納する程度の空間容積に形成され、かつ、
上記第2凹部60bも同程度の空間容積をもって形成さ
れる。
【0030】そして、上記コンクリートブロック60を
積層するにあたって、まず図13(a)に示すように梁
64の対向面に、ウオータジェットまたは「はつり」に
より壁厚程度の彫り込み64aを設ける。この場合の彫
り込み64aの深さはスターラップが現れる程度が望ま
しい。そして、同図(b)に示すように上記上下梁64
の彫り込み64aにアンカーして接続筋70を突設す
る。このとき、梁64のスターラップや主筋を避けてア
ンカーを打ち込む必要がある。次に同図(c)に示すよ
うに縦筋68を第1凹部60aに収納しつつコンクリー
トブロック60を積層し、かつ、該第1凹部60aおよ
び第2凹部60bにモルタルを充填する。そして、同図
(d)に示すようにコンクリートブロック60を上方の
梁64近傍まで積層した段階で、上端のコンクリートブ
ロック60と梁64との間の隙間にモルタルを圧入して
埋めるようになっている。
【0031】従って、この実施形態にあっても型枠を廃
止できると共に、コンクリートブロック60が小型,軽
量化され、かつ、第1凹部60aおよび第2凹部60b
の空間容積が小さく形成されていることにより、モルタ
ルの使用量を減少することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す既存建物への耐震壁増設工法にあっては、躯体枠内
を縦横方向に複数に分割した大きさに形成したコンクリ
ートブロックを、該コンクリートブロックの左右端部に
形成した第1凹部に縦筋を収納しつつ積層し、かつ、該
第1凹部内にグラウト材を充填することにより耐震壁を
構築するようにしたので、上記コンクリートブロックは
躯体枠内を縦横方向に複数に分割した大きさであるた
め、個々のコンクリートブロックを小型,軽量化でき既
存建物内への搬入を著しく容易にすることができる。ま
た、上記第1凹部は縦筋を収納する程度の空間容積に形
成されているため、該第1凹部に充填されるグラウト材
の使用量を大幅に減少することができる。このため、上
記グラウト材は少量であるため現場で簡単に調合するこ
とができ、コンクリートをプラント工場から調達する必
要が無くなり、既存建物の日常業務に支障を生ずること
なく平日に耐震壁の増設作業を行うことができると共
に、グラウト材が少量であるためその養生期間は短くな
り、ひいては工期の短縮化を図ることができ、増設工事
に伴う業務の支障を極力低減することができる。
【0033】また、本発明の請求項2に示す既存建物へ
の耐震壁増設工法にあっては、躯体枠の柱部材に設けた
アンカー部材に結合される横筋を上記コンクリートブロ
ックの上下端部に設けた第2凹部に収納して躯体枠内部
に配筋しつつ該コンクリートブロックを積層し、その後
該第2凹部内にグラウト材を充填するようにしたので、
第2凹部に充填されるグラウト材の使用量を少なくしつ
つ、耐震壁の強度を更に増大させることができるという
各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す耐震壁の構築途中
の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す耐震壁の構築途中
の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に用いられるコンクリー
トブロックの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に用いられるコンクリー
トブロックの正面(a),平面(b),側面(c)をそ
れぞれ示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に用いられるコンクリー
トブロックの斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示すコンクリートブロ
ックの取り付け状態の正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すコンクリートブロ
ックを積層した状態の正面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す積層されたコンク
リートブロックの要部平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示す積層されたコンク
リートブロックの端部仕舞い状態の平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す積層されたコン
クリートブロックの側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示すコンクリートブ
ロックで角部を形成する場合の一例の要部平面図であ
る。
【図12】本発明の第3実施形態に用いられるコンクリ
ートブロックの斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態のコンクリートブロッ
クの積層を(a)から(d)に順に示す工程図である。
【符号の説明】
10,62 柱 12,64 梁 14,66 躯体枠 16,52 縦筋 18,54 横筋 20,22,50,60 コンクリートブロック 20a,22a,28a,50a,50b,60a 第
1凹部 20b,22b,28b,50c,50d,60b 第
2凹部 21,59 耐震壁 24,26 後施工アンカー 24a,26a,70 接続筋 28 補助コンクリートブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 604A 622Q 622B 632Q 632B 632C (72)発明者 古屋 則之 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 栗田 康平 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 小柳 光生 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱部材および梁部材で囲まれた躯体枠内
    方を縦横方向に複数に分割した大きさに形成すると共
    に、その左右端部に縦筋を収納する程度の空間容積を有
    する第1凹部を設けたコンクリートブロックを予め形成
    し、上記躯体枠の梁部材に上記縦筋を結合するアンカー
    部材を設け、該アンカー部材に結合される上記縦筋を上
    記第1凹部に収納しつつ、複数の上記コンクリートブロ
    ックを上記躯体枠内に下段から上段に向かって積層し、
    その後、積層したこれらコンクリートブロックの上記第
    1凹部内にグラウト材を充填することを特徴とする既存
    建物への耐震壁増設工法。
  2. 【請求項2】 上記コンクリートブロックの上下端部に
    横筋を収納する程度の空間容積を有する第2凹部を設
    け、上記躯体枠の柱部材に上記横筋を結合するアンカー
    部材を設け、該アンカー部材に結合される上記横筋を上
    記第2凹部に収納して上記躯体枠内方に配筋しつつ、上
    記コンクリートブロックを積層し、その後該第2凹部内
    にグラウト材を充填することを特徴とする請求項1に記
    載の既存建物への耐震壁増設工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003049545A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Ohbayashi Corp コンクリートブロック、このコンクリートブロックを用いた壁の構築方法及び補強方法
JP2006161338A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Taisei Corp 制震壁
JP2009046829A (ja) * 2007-08-15 2009-03-05 Asanuma Corp 耐震補強壁
KR20220029135A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 엘림 주식회사 전단키를 구비한 pc블록 내진벽 및 그 시공방법

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