JPH11132288A - 自動二輪車用多気筒エンジン - Google Patents

自動二輪車用多気筒エンジン

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JPH11132288A
JPH11132288A JP29544097A JP29544097A JPH11132288A JP H11132288 A JPH11132288 A JP H11132288A JP 29544097 A JP29544097 A JP 29544097A JP 29544097 A JP29544097 A JP 29544097A JP H11132288 A JPH11132288 A JP H11132288A
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motorcycle
cylinder engine
crankcase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン振動が小さいとともにクランクケー
ス上方に収納空間を広く形成することができる自動二輪
車用多気筒エンジンを提供する。 【解決手段】 二つのシリンダ12のシリンダ軸線が車
体側方視にて重なる状態で車体の前後方向に延びるよう
にする。少なくとも二つのピストン58が同じ位相で往
復する構造とする。ピストン用クランクピンどうしの間
に位相を180°ずらした位置にバランサー用クランク
ピンを設ける。このバランサー用クランクピンにシリン
ダと反対側に延びる往復式バランサー51を連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復式バランサー
を備えた自動二輪車用多気筒エンジンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動二輪車用エンジンにおいて振
動を低減するには回転式のバランサーが多く用いられて
いる。この種の回転式のバランサーは、クランクケース
に軸線がクランク軸と平行になるように回転自在に取付
けたバランスウェイトがクランク軸と逆方向へ同じ回転
数で回転する構造を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、スクータ型自動
二輪車においては、大型自動二輪車のように多気筒エン
ジンを搭載して排気量を多くすることが要請されてい
る。スクータ型自動二輪車は、大型自動二輪車より大幅
にエンジンの振動を小さくしなければならないととも
に、シート下方に広い収納空間を形成しなければならな
いため、振動を抑制する構造が問題になる。
【0004】これは、上述したように構成した従来の回
転式バランサーを採用すると、大排気量エンジンではバ
ランスウェイトが大きくなり、これに伴ってクランクケ
ースが大型化するので、スクータ型自動二輪車において
クランクケースとシートとの間に設ける荷物収納ボック
スが小さくなってしまうからである。
【0005】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、エンジン振動が小さいとともにクラ
ンクケース上方に収納空間を広く形成することができる
自動二輪車用多気筒エンジンを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
用多気筒エンジンは、全てのシリンダのシリンダ軸線が
車体側方視にて重なる状態で車体の前後方向に延び、少
なくとも二つのピストンが同じ位相で往復する構造と
し、前記ピストン用クランクピンどうしの間であってこ
のクランクピンと位相を180°ずらした位置に設けた
バランサー用クランクピンに、シリンダと反対側に延び
る往復式バランサーを連結したものである。
【0007】本発明によれば、同じ位相をもって二つの
ピストンが往復することにより生じるエンジン振動が往
復式バランサーで生じる振動によって相殺される。ま
た、往復式バランサーの慣性重量はクランク軸における
ピストンに連結する二つのクランクピンの間に作用する
から、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。
往復式バランサーを収容する空間はクランクケース内で
車体の前後方向に延びるように形成すればよいので、回
転式バランサーを用いる場合に較べてクランクケース上
面が低くなる。
【0008】他の発明に係る自動二輪車用多気筒エンジ
ンは、上述した発明に係る自動二輪車用多気筒エンジン
において、クランク軸の一端部にVベルト式自動変速機
の駆動プーリを連結し、このVベルト式自動変速機の従
動プーリに、従動側が動力伝達手段によって後輪に連結
する遠心クラッチを車幅方向の反対側へ延びる連結軸を
介して連結し、前記従動プーリと遠心クラッチとの間で
あって連結軸の下方に往復式バランサーを位置付けたも
のである。
【0009】本発明によれば、相対的に大径なVベルト
式自動変速機の従動プーリと遠心クラッチとの間に形成
されるデッドスペースに往復式バランサーが収容され
る。
【0010】他の発明に係る自動二輪車用多気筒エンジ
ンは、上述した発明に係る自動二輪車用多気筒エンジン
において、バランサー用クランクピンの回転半径をピス
トン用クランクピンの回転半径より短く設定したもので
ある。
【0011】本発明によれば、全てのクランクピンの回
転半径が同じ寸法の場合に較べてバランサーの移動量が
少なくなり、これを往復移動自在に支持する部分の抵抗
が小さくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスクータ型自
動二輪車を図1ないし図9によって詳細に説明する。こ
こでは、並列2気筒エンジンに本発明を適用する場合の
形態について説明する。
【0013】図1は本発明に係る多気筒エンジンを搭載
したスクータ型自動二輪車の側面図、図2は同じく平面
図、図3は動力ユニットの側面図、図4は動力ユニット
の平面図である。図5は動力ユニットのオイルパン部分
の縦断面図、図6は図3における動力伝達系のVI−VI線
断面図、図7は動力ユニット後部の縦断面図、図8はバ
ランサーの断面図、図9は要部を示す斜視図である。
【0014】これらの図において、符号1はこの実施の
形態によるスクータ型自動二輪車(以下、これを単にス
クータという)を示す。このスクータ1は、従来のスク
ータとは異なり、動力ユニット2を車体フレーム3にエ
ンジンマウントボルト4によって固定し、後輪5をリヤ
アーム6によって支持している。動力ユニット2から後
輪5への動力の伝達は、リヤアーム6の車体左側のアー
ム6aに内蔵した従来周知のシャフトドライブ機構6b
によって行う。
【0015】また、リヤアーム6の二つのアーム6a,
6aと車体フレーム2の後部との間にそれぞれクッショ
ンユニット7を介装している。なお、前輪8は、車体フ
レーム3のヘッドパイプ9に操舵自在に取付けたテレス
コピック式フロントフォーク10に支持させている。こ
のフロントフォーク10の上端部に操向ハンドル11を
取付けている。
【0016】前記動力ユニット2は、図3および図4に
示すように、シリンダ12と左右分割式クランクケース
13とからなる4サイクル並列2気筒型エンジンに後述
するVベルト式自動変速機14および遠心クラッチ15
を組込んだ構造を採っている。このスクータ1は、図1
に示すように、前記クランクケース12の上方にシート
16と収納ボックス17とを配設している。シート16
は、運転者用着座部と同乗者用着座部とを一体的に備
え、車体前側の端部を支点として上下方向に揺動するこ
とができる構造を採っている。前記支点となる枢軸を符
号16aで示す。
【0017】前記収納ボックス17は、上方に向けて開
口する箱状であって、フルフェイス型ヘルメット18と
ジェット型ヘルメット19とを車体の前後方向に並べて
収納することができるような形状に形成し、車体フレー
ム3に支持させている。この収納ボックス17の開口
は、従来のスクータと同様に前記シート16を回動させ
ることによって開閉する。
【0018】動力ユニット2の前記シリンダ12は、軸
線方向が車体の前後方向を指向するように前傾させた状
態でクランクケース13に取付けてあり、図3に示すよ
うに、シリンダヘッド12aの上部に吸気管20を接続
するとともに下部に排気管21を接続している。これら
の吸気管20および排気管21は気筒毎に設け、吸気管
20は、シリンダヘッド12aから車体後側に延設して
後端に気化器22を接続している。この気化器22に接
続したエアクリーナ23は、シート16の前部とクラン
クケース13との間であって収納ボックス17より車体
の前方に、上部がシート16の下側の凹陥部16b内に
臨む状態で配置している。23aはこのエアクリーナ2
3の空気吸込用ダクトを示し、23bはエアクリーナエ
レメントを示す。
【0019】前記排気管21は、シリンダヘッド12a
から車体の前後方向に沿ってシリンダボディ12bの下
方へ延ばし、クランクケース13の最下部に設けたオイ
ルパン13aに図1および図3に示すように側面視にお
いて重なるとともに図5に示すようにオイルパン13a
の側面に沿う状態でクランクケース13の下方を通し、
車体後方へ延設している。このように排気管21をオイ
ルパン13aの側方に通すことによって、排気管がエン
ジンの最下部のオイルパン13aから下方へ突出するこ
とがないとともに、オイルパン13aの側方へ大きく張
り出すこともない。このため、図5中にθで示すバンク
角が排気管21によって狭められることがなく、しか
も、最低地上高Hを確保することができる。
【0020】前記動力ユニット2を搭載する車体フレー
ム3は、図1および図2に示すように、前記ヘッドパイ
プ9と、左右一対で前記ヘッドパイプ9から後下がりに
延びるメインパイプ24,24と、前記ヘッドパイプ9
に3本の連結パイプ25を介して連結したダウンチュー
ブ26と、前記メインパイプ24の後部に連結したシー
トレール27、バックステー28などから構成してい
る。前記メインパイプ24は、前記動力ユニット2の上
方を通してこの動力ユニット2の後方に延設し、後端部
にピボット軸29を介して前記リヤアーム6を揺動自在
に連結している。このメインパイプ24にクランクケー
ス13の上部をボルトによって固定するとともに、メイ
ンパイプ24の後端部に設けたブラケット24aにクラ
ンクケース13の後部をボルトによって固定している。
【0021】前記ダウンチューブ26は、1本の管体に
よって図2に示すように平面視において横向きU字状に
形成し、ヘッドパイプ9の前方からフロントフォーク1
0の側方を通ってシリンダ12の下側方に延設してい
る。このダウンチューブ26の後端部にシリンダ12を
ボルトによって固定している。
【0022】すなわち、この車体フレーム3は、メイン
パイプ24とダウンチューブ26とによって囲まれた空
間にシリンダ12を収容した状態で動力ユニット2を支
持している。車体フレーム3がこのような形態を採って
いるため、このスクータ1の足載せ台30は、図9に示
すように、車幅方向の中央部を両側の足載せ部30aよ
り上方へ突出させている。この突出部を符号30bで示
す。シリンダ12は、前記足載せ台30の突出部30b
の下方であって、左右の足載せ部30aで挟まれる空間
に臨んでいる。この空間を図9中に符号31で示す。ま
た、この空間31には、シリンダ12の他に、シリンダ
12とエアクリーナ23との間の吸気系(吸気管20お
よび気化器22)をも収容している。
【0023】動力ユニット2に内蔵する前記Vベルト式
自動変速機14は、従来のスクータに用いるものと同等
の構造を採り、図4に示すように、クランク軸32の車
体右側の軸端部に装着した駆動プーリ33と、この駆動
プーリ33にVベルト34を介して連結した従動プーリ
35とから構成している。この従動プーリ35は、図6
に示すように、軸線方向が車幅方向と平行な連結軸36
を軸心部に結合し、この連結軸36を介して車体左側の
遠心クラッチ15の入力部材37に連結している。な
お、Vベルト式自動変速機14は、クランクケース13
の車体右側の側壁と、この側壁の外側に取付けた変速機
カバー2aとによって形成される空間に収容している。
【0024】遠心クラッチ15は、ボール38で摩擦板
39を付勢する湿式多板式のもので、前記入力部材37
の回転上昇によりこの入力部材37の回転が摩擦板39
を介して出力部材40に伝達される構造を採っている。
この出力部材40を図6中に符号41で示す動力伝達機
構を介してリヤアーム6内のシャフトドライブ機構6b
に連結している。前記動力伝達機構41は、円筒状に形
成して前記連結軸36の外側を覆う第1の回転軸42
と、この第1の回転軸42に歯車結合させた第2の回転
軸43と、この第2の回転軸43に傘歯車44,45を
介して連結したユニバーサルジョイント46とから構成
している。なお、この動力伝達機構41と前記シャフト
ドライブ機構6bとが本発明に係る動力伝達手段を構成
している。
【0025】このように車体右側にVベルト式自動変速
機14の従動プーリ35を配設するとともに車体左側に
遠心クラッチ15を配設すると、これら両部材の間の連
結軸36の周囲に空間が形成される。この動力ユニット
2は、この空間の上側を荷物収納空間の一部として利用
するとともに、下側をバランサ収容空間として利用して
いる。
【0026】すなわち、図7に示すように、クランクケ
ース13の上面における前記従動プーリ35と遠心クラ
ッチ15との間の部位に凹陥部47を形成し、この凹陥
部47に上方から収納ボックス17の底部17aを臨ま
せている。この構造を採ることにより、前記空間の上側
を荷物収納空間の一部として利用することができ、収納
ボックス17の容量を多くとることができる。
【0027】前記空間の下側には、図3に示すように、
往復式バランサー51を配設している。このバランサー
51は、図8に示すように、クランク軸32に連結した
バランサー用コンロッド52と、このコンロッド52の
先端部に筒体53および枢支用ピン54からなる連結部
材を介して連結した丸棒形のバランスウェイト55とか
ら構成し、バランスウェイト55をボール式直動型の軸
受56とホルダー57とによってクランクケース13に
往復自在に支持させている。また、バランスウェイト5
5は、図3に示す側面視においてその軸線がシリンダ軸
線の延長線と一致する位置に位置付けられている。
【0028】このバランサー51を連結するクランク軸
32は、2個のピストン58,58(図4参照)が同じ
位相をもって往復するように形成し、ピストン用のコン
ロッド59,59の大端部を連結する二つのクランクピ
ン32a,32aの間に位相が180°ずれるようにバ
ランサー用クランクピン32bを設けている。このクラ
ンクピン32bに前記バランサー51のコンロッド52
を連結している。また、このクランク軸32は、車幅方
向の両端部のみをクランクケース13に回転自在に支持
させている。なお、この実施の形態では、バランサー用
クランクピン32bの回転半径、すなわち図8中に符号
rで示すアーム長がクランクピン32aのアーム長Rよ
り短くなるように設定している。さらに、バランサー5
1の重量は、2気筒分のピストン58が往復するときに
クランク軸32に生じる慣性力を相殺する重量に設定し
ている。
【0029】このようにバランサー51を構成すると、
二つの気筒が往復することにより生じる振動を一つのバ
ランサー51で打消すことができる。しかも、バランサ
ー51の慣性重量はクランク軸32における二つのクラ
ンクピン32aの間に作用するから、偶力に起因して生
じる曲げ方向の振動も小さい。すなわち、2気筒エンジ
ンでありながら、4気筒エンジンと同等の振動特性をも
つようになる。
【0030】また、前記Vベルト式自動変速機14と遠
心クラッチ15とを車幅方向の一方と他方に配設する構
造を採ると、上述したようにこれら両部材の間の空間の
有効利用を図ることができることに加え、Vベルト式自
動変速機14をクランクケース13の外方に配置してク
ランクケース13内のオイルから隔離することが容易に
実施できる。このことは、クランク軸32や湿式多板ク
ラッチ15などを収容する空間、すなわちオイルがかか
る部材を収容する空間から乾式のVベルト式自動変速機
14を隔離するために特別な仕切壁を設けなくてよいこ
とを意味する。
【0031】上述したように構成した動力ユニット2の
エンジンは、二つのシリンダ12のシリンダ軸線が車体
側方視にて重なる状態で車体の前後方向に延び、少なく
とも二つのピストン58が同じ位相で往復する構造と
し、前記ピストン用クランクピン32aどうしの間であ
ってこのクランクピン32aと位相を180°ずらした
位置に設けたバランサー用クランクピン32bに、シリ
ンダ12と反対側に延びる往復式バランサー51を連結
したため、二つのピストン58が往復することにより生
じるエンジン振動が往復式バランサー51で生じる振動
によって相殺される。また、往復式バランサー51の慣
性重量はクランク軸32における二つのクランクピン3
2aの間に作用するから、偶力に起因して生じる曲げ方
向の振動も小さい。
【0032】また、往復式バランサー51を収容する空
間はクランクケース13内で車体の前後方向に延びるよ
うに形成すればよいので、回転式バランサーを用いる場
合に較べてクランクケース上面が低くなる。
【0033】さらに、Vベルト式自動変速機14の従動
プーリ35と遠心クラッチ15との間であって連結軸3
6の下方に往復式バランサー51を位置付けたため、相
対的に大径な前記従動プーリ35と遠心クラッチ15と
の間に形成されるデッドスペースに往復式バランサー5
1を収容することができる。したがって、クランクケー
ス13内に他の部材との干渉を避けながらバランサー用
収容空間を形成することができる。
【0034】さらにまた、バランサー用クランクピン3
2bのアーム長rがクランクピン32aのアーム長Rよ
り短くなるように設定しているので、両アーム長が等し
い場合に較べてバランスウェイト55の移動量が少なく
なり、バランスウェイト55が移動するときの抵抗、す
なわち動力ユニット2の動力の損失が少なくなる。
【0035】加えて、この実施の形態で示したスクータ
1は、シート16の下方にクランクケース13を配設
し、足載せ台30の車幅方向の中央部を上方へ突出させ
てなる突出部30bの下方であって両側の足載せ部30
aで挟まれる空間31にシリンダを臨ませているため、
足載せ台30の内側にシリンダ12を収容することがで
き、2気筒型大排気量エンジンを搭載してもシート16
とクランクケース13との間に荷物収納用などとして利
用する空間を広く形成することができる。
【0036】また、このスクータ1は、エンジンを並列
2気筒型とし、気筒毎の排気管21をシリンダ12の下
方から側面視においてオイルパン13aと重なるように
オイルパン13aの側面に沿わせて車体後方に延設した
ため、排気管21がエンジンの最下部のオイルパン13
aから下方へ突出することがなく、しかも、オイルパン
13aの側方へ大きく張り出すこともない。したがっ
て、車体の最低地上高やバンク角などの条件を満たしな
がら、排気管21を車幅方向の両側に延設して排気抵抗
が小さくなるように大径に形成することができる。
【0037】さらに、シート16の車体前側の端部とク
ランクケース13との間にエアクリーナ23を配設し、
足載せ台30の突出部30bの下方の空間にエアクリー
ナ23とシリンダ12との間の吸気系を収容したため、
吸気系の部品も足載せ台30の内側に収容することがで
きるから、シート16の下方の空間がより一層広くな
る。
【0038】なお、この実施の形態ではスクータ1に本
発明に係る多気筒エンジンを搭載する例を示したが、自
動二輪車であれば車体の形態はどのようなものでもよ
く、本発明の多気筒エンジンを搭載することによってク
ランクケースの上方に空間を広く形成することができ
る。この空間には、収納ボックスの他に、大容量のエア
クリーナや燃料タンクなどを配置することができる。
【0039】また、この実施の形態では並列2気筒型エ
ンジンに本発明を適用する場合の例を示したが、本発明
は、並列4気筒型のエンジンにも適用することができ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、同じ位相をもって二つ
のピストンが往復することにより生じるエンジン振動が
往復式バランサーで生じる振動によって相殺される。ま
た、往復式バランサーの慣性重量はクランク軸における
ピストンに連結する二つのクランクピンの間に作用する
から、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。
往復式バランサーの軸線は、シリンダを軸線がクランク
軸から車体の前方に延びるように形成していることか
ら、クランク軸から車体の後方に延びるようになる。こ
のため、この往復式バランサーを収容する空間をクラン
クケース内で車体の前後方向に延びるように形成すれば
よいから、回転式バランサーを用いる場合に較べてクラ
ンクケース上面が低くなる。
【0041】したがって、エンジン振動が小さいととも
にクランクケース上方に収納空間を広く形成することが
できる自動二輪車用多気筒エンジンを提供することがで
きる。この結果、このエンジンをスクータ型自動二輪車
に搭載することによって、振動が小さくて乗り心地がよ
いとともにシート下方に大容量の荷物収納ボックスを備
えたスクータ型自動二輪車を製造することができる。
【0042】Vベルト式自動変速機の従動プーリと遠心
クラッチとの間の空間の下側に往復式バランサーを位置
付ける他の発明によれば、相対的に大径なVベルト式自
動変速機の従動プーリと遠心クラッチとの間に形成され
るデッドスペースに往復式バランサーを収容することが
できるから、クランクケース内に他の部材との干渉を避
けながらバランサー用収容空間を形成することができ
る。したがって、クランクケースが大型化することがな
く、クランクケースの上方により一層広い収納空間を形
成することができる。
【0043】バランサー用クランクピンの回転半径を他
のクランクピンより短くする他の発明によれば、全ての
クランクピンの回転半径が同じ寸法の場合に較べてバラ
ンサーの移動量が少なくなり、これを往復移動自在に支
持する部分の抵抗が小さくなる。このため、往復式バラ
ンサーが動作するときにエンジンの動力の損失が小さく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多気筒エンジンを搭載したスク
ータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】 本発明に係る多気筒エンジンを搭載したスク
ータ型自動二輪車の平面図である。
【図3】 動力ユニットの側面図である。
【図4】 動力ユニットの平面図である。
【図5】 動力ユニットのオイルパン部分の縦断面図で
ある。
【図6】 図3における動力伝達系のVI−VI線断面図で
ある。
【図7】 動力ユニット後部の縦断面図である。
【図8】 バランサーの断面図である。
【図9】 車体の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…スクータ型自動二輪車、2…動力ユニット、3…車
体フレーム、12…シリンダ、13…クランクケース、
14…Vベルト式自動変速機、15…遠心クラッチ、1
6…シート、17…収納ボックス、36…連結軸、51
…往復式バランサー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全てのシリンダのシリンダ軸線が車体側
    方から見て重なる状態で車体の前後方向に延び、少なく
    とも二つのピストンが同じ位相で往復する構造とし、ク
    ランク軸における前記二つのピストンに連結するクラン
    クピンどうしの間であってこのクランクピンと位相を1
    80°ずらした位置にバランサー用クランクピンを設
    け、このクランクピンに、シリンダに対しクランク軸を
    挾んで反対側に延びる往復式バランサーを連結したこと
    を特徴とする自動二輪車用多気筒エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動二輪車用多気筒エン
    ジンにおいて、クランク軸の車幅方向の一端部にVベル
    ト式自動変速機の駆動プーリを連結し、このVベルト式
    自動変速機の従動プーリに車幅方向の反対側へ延びる連
    結軸を介して遠心クラッチを連結するとともに、この遠
    心クラッチの従動側を動力伝達手段によって後輪に連結
    し、前記従動プーリと遠心クラッチとの間であって前記
    連結軸の下方に往復式バランサーを位置付けたことを特
    徴とする自動二輪車用多気筒エンジン。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の自動二輪
    車用多気筒エンジンにおいて、バランサー用クランクピ
    ンの回転半径をピストン用クランクピンの回転半径より
    短く設定したことを特徴とする自動二輪車用多気筒エン
    ジン。
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