JP4087481B2 - 自動二輪車用多気筒エンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復式バランサーを備えた自動二輪車用多気筒エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動二輪車用エンジンにおいて振動を低減するには回転式のバランサーが多く用いられている。この種の回転式のバランサーは、クランクケースに軸線がクランク軸と平行になるように回転自在に取付けたバランスウェイトがクランク軸と逆方向へ同じ回転数で回転する構造を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、スクータ型自動二輪車においては、大型自動二輪車のように多気筒エンジンを搭載して排気量を多くすることが要請されている。スクータ型自動二輪車は、大型自動二輪車より大幅にエンジンの振動を小さくしなければならないとともに、シート下方に広い収納空間を形成しなければならないため、振動を抑制する構造が問題になる。
【0004】
これは、上述したように構成した従来の回転式バランサーを採用すると、大排気量エンジンではバランスウェイトが大きくなり、これに伴ってクランクケースが大型化するので、スクータ型自動二輪車においてクランクケースとシートとの間に設ける荷物収納ボックスが小さくなってしまうからである。
【0005】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、エンジン振動が小さいとともにクランクケース上方に収納空間を広く形成することができる自動二輪車用多気筒エンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動二輪車用多気筒エンジンは、全てのシリンダのシリンダ軸線が車体側方視にて重なる状態で車体の前後方向に延び、少なくとも二つのピストンが同じ位相で往復する構造とし、前記ピストン用クランクピンどうしの間であってこのクランクピンと位相を180°ずらした位置に設けたバランサー用クランクピンに、シリンダと反対側に延びる往復式バランサーを連結してなり、前記バランサー用クランクピンの両端部は、前記二つのピストンに連結するクランクピンを支持するクランクウェブどうしによって支持され、前記クランク軸は、両端部のみがクランクケースに回転自在に支持されているものである。
【0007】
本発明によれば、同じ位相をもって二つのピストンが往復することにより生じるエンジン振動が往復式バランサーで生じる振動によって相殺される。また、往復式バランサーの慣性重量はクランク軸におけるピストンに連結する二つのクランクピンの間に作用するから、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。往復式バランサーを収容する空間はクランクケース内で車体の前後方向に延びるように形成すればよいので、回転式バランサーを用いる場合に較べてクランクケース上面が低くなる。
【0008】
他の発明に係る自動二輪車用多気筒エンジンは、上述した発明に係る自動二輪車用多気筒エンジンにおいて、クランク軸の一端部にVベルト式自動変速機の駆動プーリを連結し、このVベルト式自動変速機の従動プーリに、従動側が動力伝達手段によって後輪に連結する遠心クラッチを車幅方向の反対側へ延びる連結軸を介して連結し、前記従動プーリと遠心クラッチとの間であって連結軸の下方に往復式バランサーを位置付けたものである。
【0009】
本発明によれば、相対的に大径なVベルト式自動変速機の従動プーリと遠心クラッチとの間に形成されるデッドスペースに往復式バランサーが収容される。
【0010】
他の発明に係る自動二輪車用多気筒エンジンは、上述した発明に係る自動二輪車用多気筒エンジンにおいて、バランサー用クランクピンの回転半径をピストン用クランクピンの回転半径より短く設定したものである。
【0011】
本発明によれば、全てのクランクピンの回転半径が同じ寸法の場合に較べてバランサーの移動量が少なくなり、これを往復移動自在に支持する部分の抵抗が小さくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスクータ型自動二輪車を図1ないし図9によって詳細に説明する。ここでは、並列2気筒エンジンに本発明を適用する場合の形態について説明する。
【0013】
図1は本発明に係る多気筒エンジンを搭載したスクータ型自動二輪車の側面図、図2は同じく平面図、図3は動力ユニットの側面図、図4は動力ユニットの平面図である。図5は動力ユニットのオイルパン部分の縦断面図、図6は図3における動力伝達系のVI−VI線断面図、図7は動力ユニット後部の縦断面図、図8はバランサーの断面図、図9は要部を示す斜視図である。
【0014】
これらの図において、符号1はこの実施の形態によるスクータ型自動二輪車(以下、これを単にスクータという)を示す。このスクータ1は、従来のスクータとは異なり、動力ユニット2を車体フレーム3にエンジンマウントボルト4によって固定し、後輪5をリヤアーム6によって支持している。動力ユニット2から後輪5への動力の伝達は、リヤアーム6の車体左側のアーム6aに内蔵した従来周知のシャフトドライブ機構6bによって行う。
【0015】
また、リヤアーム6の二つのアーム6a,6aと車体フレーム2の後部との間にそれぞれクッションユニット7を介装している。なお、前輪8は、車体フレーム3のヘッドパイプ9に操舵自在に取付けたテレスコピック式フロントフォーク10に支持させている。このフロントフォーク10の上端部に操向ハンドル11を取付けている。
【0016】
前記動力ユニット2は、図3および図4に示すように、シリンダ12と左右分割式クランクケース13とからなる4サイクル並列2気筒型エンジンに後述するVベルト式自動変速機14および遠心クラッチ15を組込んだ構造を採っている。このスクータ1は、図1に示すように、前記クランクケース13の上方にシート16と収納ボックス17とを配設している。シート16は、運転者用着座部と同乗者用着座部とを一体的に備え、車体前側の端部を支点として上下方向に揺動することができる構造を採っている。前記支点となる枢軸を符号16aで示す。
【0017】
前記収納ボックス17は、上方に向けて開口する箱状であって、フルフェイス型ヘルメット18とジェット型ヘルメット19とを車体の前後方向に並べて収納することができるような形状に形成し、車体フレーム3に支持させている。この収納ボックス17の開口は、従来のスクータと同様に前記シート16を回動させることによって開閉する。
【0018】
動力ユニット2の前記シリンダ12は、軸線方向が車体の前後方向を指向するように前傾させた状態でクランクケース13に取付けてあり、図3に示すように、シリンダヘッド12aの上部に吸気管20を接続するとともに下部に排気管21を接続している。これらの吸気管20および排気管21は気筒毎に設け、吸気管20は、シリンダヘッド12aから車体後側に延設して後端に気化器22を接続している。この気化器22に接続したエアクリーナ23は、シート16の前部とクランクケース13との間であって収納ボックス17より車体の前方に、上部がシート16の下側の凹陥部16b内に臨む状態で配置している。23aはこのエアクリーナ23の空気吸込用ダクトを示し、23bはエアクリーナエレメントを示す。
【0019】
前記排気管21は、シリンダヘッド12aから車体の前後方向に沿ってシリンダボディ12bの下方へ延ばし、クランクケース13の最下部に設けたオイルパン13aに図1および図3に示すように側面視において重なるとともに図5に示すようにオイルパン13aの側面に沿う状態でクランクケース13の下方を通し、車体後方へ延設している。このように排気管21をオイルパン13aの側方に通すことによって、排気管がエンジンの最下部のオイルパン13aから下方へ突出することがないとともに、オイルパン13aの側方へ大きく張り出すこともない。このため、図5中にθで示すバンク角が排気管21によって狭められることがなく、しかも、最低地上高Hを確保することができる。
【0020】
前記動力ユニット2を搭載する車体フレーム3は、図1および図2に示すように、前記ヘッドパイプ9と、左右一対で前記ヘッドパイプ9から後下がりに延びるメインパイプ24,24と、前記ヘッドパイプ9に3本の連結パイプ25を介して連結したダウンチューブ26と、前記メインパイプ24の後部に連結したシートレール27、バックステー28などから構成している。前記メインパイプ24は、前記動力ユニット2の上方を通してこの動力ユニット2の後方に延設し、後端部にピボット軸29を介して前記リヤアーム6を揺動自在に連結している。このメインパイプ24にクランクケース13の上部をボルトによって固定するとともに、メインパイプ24の後端部に設けたブラケット24a(図1参照)にクランクケース13の後部をボルトによって固定している。
【0021】
前記ダウンチューブ26は、1本の管体によって図2に示すように平面視において横向きU字状に形成し、ヘッドパイプ9の前方からフロントフォーク10の側方を通ってシリンダ12の下側方に延設している。このダウンチューブ26の後端部にシリンダ12をボルトによって固定している。
【0022】
すなわち、この車体フレーム3は、メインパイプ24とダウンチューブ26とによって囲まれた空間にシリンダ12を収容した状態で動力ユニット2を支持している。車体フレーム3がこのような形態を採っているため、このスクータ1の足載せ台30は、図9に示すように、車幅方向の中央部を両側の足載せ部30aより上方へ突出させている。この突出部を符号30bで示す。シリンダ12は、前記足載せ台30の突出部30bの下方であって、左右の足載せ部30aで挟まれる空間に臨んでいる。この空間を図9中に符号31で示す。また、この空間31には、シリンダ12の他に、シリンダ12とエアクリーナ23との間の吸気系(吸気管20および気化器22)をも収容している。
【0023】
動力ユニット2に内蔵する前記Vベルト式自動変速機14は、従来のスクータに用いるものと同等の構造を採り、図4に示すように、クランク軸32の車体右側の軸端部に装着した駆動プーリ33と、この駆動プーリ33にVベルト34を介して連結した従動プーリ35とから構成している。この従動プーリ35は、図6に示すように、軸線方向が車幅方向と平行な連結軸36を軸心部に結合し、この連結軸36を介して車体左側の遠心クラッチ15の入力部材37に連結している。なお、Vベルト式自動変速機14は、クランクケース13の車体右側の側壁と、この側壁の外側に取付けた変速機カバー2aとによって形成される空間に収容している。
【0024】
遠心クラッチ15は、ボール38で摩擦板39を付勢する湿式多板式のもので、前記入力部材37の回転上昇によりこの入力部材37の回転が摩擦板39を介して出力部材40に伝達される構造を採っている。この出力部材40を図6中に符号41で示す動力伝達機構を介してリヤアーム6内のシャフトドライブ機構6bに連結している。前記動力伝達機構41は、円筒状に形成して前記連結軸36の外側を覆う第1の回転軸42と、この第1の回転軸42に歯車結合させた第2の回転軸43と、この第2の回転軸43に傘歯車44,45を介して連結したユニバーサルジョイント46とから構成している。なお、この動力伝達機構41と前記シャフトドライブ機構6bとが本発明に係る動力伝達手段を構成している。
【0025】
このように車体右側にVベルト式自動変速機14の従動プーリ35を配設するとともに車体左側に遠心クラッチ15を配設すると、これら両部材の間の連結軸36の周囲に空間が形成される。この動力ユニット2は、この空間の上側を荷物収納空間の一部として利用するとともに、下側をバランサ収容空間として利用している。
【0026】
すなわち、図7に示すように、クランクケース13の上面における前記従動プーリ35と遠心クラッチ15との間の部位に凹陥部47を形成し、この凹陥部47に上方から収納ボックス17の底部17aを臨ませている。この構造を採ることにより、前記空間の上側を荷物収納空間の一部として利用することができ、収納ボックス17の容量を多くとることができる。
【0027】
前記空間の下側には、図3に示すように、往復式バランサー51を配設している。このバランサー51は、図8に示すように、クランク軸32に連結したバランサー用コンロッド52と、このコンロッド52の先端部に筒体53および枢支用ピン54からなる連結部材を介して連結した丸棒形のバランスウェイト55とから構成し、バランスウェイト55をボール式直動型の軸受56とホルダー57とによってクランクケース13に往復自在に支持させている。また、バランスウェイト55は、図3に示す側面視においてその軸線がシリンダ軸線の延長線と一致する位置に位置付けられている。
【0028】
このバランサー51を連結するクランク軸32は、2個のピストン58,58(図4参照)が同じ位相をもって往復するように形成し、ピストン用のコンロッド59,59の大端部を連結する二つのクランクピン32a,32aの間に位相が180°ずれるようにバランサー用クランクピン32bを設けている。このクランクピン32bに前記バランサー51のコンロッド52を連結している。また、このクランク軸32は、車幅方向の両端部のみをクランクケース13に回転自在に支持させている。
前記二つのクランクピン32a,32aは、図8に示すように、それぞれ両端部がクランク軸32のクランクウェブ32c〜32fに支持されている。前記二つのクランクピン32a,32aのうち、車体左側(図8において下側)に位置するクランクピン32aは、図8に示すように、車体左側に位置する二つのクランクウェブ32c,32dに支持されている。一方、車体右側に位置するクランクピン32aは、車体右側に位置する二つのクランクウェブ32e,32fに支持されている。前記バランサー用クランクピン32bは、図8に示すように、前記4個のクランクウェブ32c〜32fのうち車幅方向の中央近傍に位置する2個のクランクウェブ32d,32eに支持されている。言い換えれば、前記バランサー用クランクピン32bの両端部は、前記二つのピストン58,58に連結するクランクピン32a,32aを支持するクランクウェブ32d,32eどうしによって支持されている
なお、この実施の形態では、バランサー用クランクピン32bの回転半径、すなわち図8中に符号rで示すアーム長がクランクピン32aのアーム長Rより短くなるように設定している。さらに、バランサー51の重量は、2気筒分のピストン58が往復するときにクランク軸32に生じる慣性力を相殺する重量に設定している。
【0029】
このようにバランサー51を構成すると、二つの気筒のピストン58,58が往復することにより生じる振動を一つのバランサー51で打消すことができる。しかも、バランサー51の慣性重量はクランク軸32における二つのクランクピン32aの間に作用するから、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。すなわち、2気筒エンジンでありながら、4気筒エンジンと同等の振動特性をもつようになる。
【0030】
また、前記Vベルト式自動変速機14と遠心クラッチ15とを車幅方向の一方と他方に配設する構造を採ると、上述したようにこれら両部材の間の空間の有効利用を図ることができることに加え、Vベルト式自動変速機14をクランクケース13の外方に配置してクランクケース13内のオイルから隔離することが容易に実施できる。このことは、クランク軸32や湿式多板クラッチ15などを収容する空間、すなわちオイルがかかる部材を収容する空間から乾式のVベルト式自動変速機14を隔離するために特別な仕切壁を設けなくてよいことを意味する。
【0031】
上述したように構成した動力ユニット2のエンジンは、二つのシリンダ12のシリンダ軸線が車体側方視にて重なる状態で車体の前後方向に延び、少なくとも二つのピストン58が同じ位相で往復する構造とし、前記ピストン用クランクピン32aどうしの間であってこのクランクピン32aと位相を180°ずらした位置に設けたバランサー用クランクピン32bに、シリンダ12と反対側に延びる往復式バランサー51を連結したため、二つのピストン58が往復することにより生じるエンジン振動が往復式バランサー51で生じる振動によって相殺される。また、往復式バランサー51の慣性重量はクランク軸32における二つのクランクピン32aの間に作用するから、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。
【0032】
また、往復式バランサー51を収容する空間はクランクケース13内で車体の前後方向に延びるように形成すればよいので、回転式バランサーを用いる場合に較べてクランクケース上面が低くなる。
【0033】
さらに、Vベルト式自動変速機14の従動プーリ35と遠心クラッチ15との間であって連結軸36の下方に往復式バランサー51を位置付けたため、相対的に大径な前記従動プーリ35と遠心クラッチ15との間に形成されるデッドスペースに往復式バランサー51を収容することができる。したがって、クランクケース13内に他の部材との干渉を避けながらバランサー用収容空間を形成することができる。
【0034】
さらにまた、バランサー用クランクピン32bのアーム長rがクランクピン32aのアーム長Rより短くなるように設定しているので、両アーム長が等しい場合に較べてバランスウェイト55の移動量が少なくなり、バランスウェイト55が移動するときの抵抗、すなわち動力ユニット2の動力の損失が少なくなる。
【0035】
加えて、この実施の形態で示したスクータ1は、シート16の下方にクランクケース13を配設し、足載せ台30の車幅方向の中央部を上方へ突出させてなる突出部30bの下方であって両側の足載せ部30aで挟まれる空間31にシリンダを臨ませているため、足載せ台30の内側にシリンダ12を収容することができ、2気筒型大排気量エンジンを搭載してもシート16とクランクケース13との間に荷物収納用などとして利用する空間を広く形成することができる。
【0036】
また、このスクータ1は、エンジンを並列2気筒型とし、気筒毎の排気管21をシリンダ12の下方から側面視においてオイルパン13aと重なるようにオイルパン13aの側面に沿わせて車体後方に延設したため、排気管21がエンジンの最下部のオイルパン13aから下方へ突出することがなく、しかも、オイルパン13aの側方へ大きく張り出すこともない。したがって、車体の最低地上高やバンク角などの条件を満たしながら、排気管21を車幅方向の両側に延設して排気抵抗が小さくなるように大径に形成することができる。
【0037】
さらに、シート16の車体前側の端部とクランクケース13との間にエアクリーナ23を配設し、足載せ台30の突出部30bの下方の空間にエアクリーナ23とシリンダ12との間の吸気系を収容したため、吸気系の部品も足載せ台30の内側に収容することができるから、シート16の下方の空間がより一層広くなる。
【0038】
なお、この実施の形態ではスクータ1に本発明に係る多気筒エンジンを搭載する例を示したが、自動二輪車であれば車体の形態はどのようなものでもよく、本発明の多気筒エンジンを搭載することによってクランクケースの上方に空間を広く形成することができる。この空間には、収納ボックスの他に、大容量のエアクリーナや燃料タンクなどを配置することができる。
【0039】
また、この実施の形態では並列2気筒型エンジンに本発明を適用する場合の例を示したが、本発明は、並列4気筒型のエンジンにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、同じ位相をもって二つのピストンが往復することにより生じるエンジン振動が往復式バランサーで生じる振動によって相殺される。また、往復式バランサーの慣性重量はクランク軸におけるピストンに連結する二つのクランクピンの間に作用するから、偶力に起因して生じる曲げ方向の振動も小さい。往復式バランサーの軸線は、シリンダを軸線がクランク軸から車体の前方に延びるように形成していることから、クランク軸から車体の後方に延びるようになる。このため、この往復式バランサーを収容する空間をクランクケース内で車体の前後方向に延びるように形成すればよいから、回転式バランサーを用いる場合に較べてクランクケース上面が低くなる。
【0041】
したがって、エンジン振動が小さいとともにクランクケース上方に収納空間を広く形成することができる自動二輪車用多気筒エンジンを提供することができる。この結果、このエンジンをスクータ型自動二輪車に搭載することによって、振動が小さくて乗り心地がよいとともにシート下方に大容量の荷物収納ボックスを備えたスクータ型自動二輪車を製造することができる。
【0042】
Vベルト式自動変速機の従動プーリと遠心クラッチとの間の空間の下側に往復式バランサーを位置付ける他の発明によれば、相対的に大径なVベルト式自動変速機の従動プーリと遠心クラッチとの間に形成されるデッドスペースに往復式バランサーを収容することができるから、クランクケース内に他の部材との干渉を避けながらバランサー用収容空間を形成することができる。したがって、クランクケースが大型化することがなく、クランクケースの上方により一層広い収納空間を形成することができる。
【0043】
バランサー用クランクピンの回転半径を他のクランクピンより短くする他の発明によれば、全てのクランクピンの回転半径が同じ寸法の場合に較べてバランサーの移動量が少なくなり、これを往復移動自在に支持する部分の抵抗が小さくなる。このため、往復式バランサーが動作するときにエンジンの動力の損失が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多気筒エンジンを搭載したスクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】 本発明に係る多気筒エンジンを搭載したスクータ型自動二輪車の平面図である。
【図3】 動力ユニットの側面図である。
【図4】 動力ユニットの平面図である。
【図5】 動力ユニットのオイルパン部分の縦断面図である。
【図6】 図3における動力伝達系のVI−VI線断面図である。
【図7】 動力ユニット後部の縦断面図である。
【図8】 バランサーの断面図である。
【図9】 車体の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…スクータ型自動二輪車、2…動力ユニット、3…車体フレーム、12…シリンダ、13…クランクケース、14…Vベルト式自動変速機、15…遠心クラッチ、16…シート、17…収納ボックス、36…連結軸、51…往復式バランサー。

Claims (3)

  1. 全てのシリンダのシリンダ軸線が車体側方から見て重なる状態で車体の前後方向に延び、少なくとも二つのピストンが同じ位相で往復する構造とし、クランク軸における前記二つのピストンに連結するクランクピンどうしの間であってこのクランクピンと位相を180°ずらした位置にバランサー用クランクピンを設け、このクランクピンに、シリンダに対しクランク軸を挾んで反対側に延びる往復式バランサーを連結してなり、前記バランサー用クランクピンの両端部は、前記二つのピストンに連結するクランクピンを支持するクランクウェブどうしによって支持され、前記クランク軸は、両端部のみがクランクケースに回転自在に支持されていることを特徴とする自動二輪車用多気筒エンジン。
  2. 請求項1記載の自動二輪車用多気筒エンジンにおいて、クランク軸の車幅方向の一端部にVベルト式自動変速機の駆動プーリを連結し、このVベルト式自動変速機の従動プーリに車幅方向の反対側へ延びる連結軸を介して遠心クラッチを連結するとともに、この遠心クラッチの従動側を動力伝達手段によって後輪に連結し、前記従動プーリと遠心クラッチとの間であって前記連結軸の下方に往復式バランサーを位置付けたことを特徴とする自動二輪車用多気筒エンジン。
  3. 請求項1または請求項2記載の自動二輪車用多気筒エンジンにおいて、バランサー用クランクピンの回転半径をピストン用クランクピンの回転半径より短く設定したことを特徴とする自動二輪車用多気筒エンジン。
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